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お酒と糖尿病
こんばんは。

昨夜、ずっと楽しみにしていた、18才の錦織選手と世界ナンバー2、22才のナダル選手の、芝コートの試合を友人に借りたDVDで見ました。

6月12日にロンドンで開催されたアルトワ選手権で1:2で破れはしましたが、1セットはとったのです。いやはや、びっくりしました。

あのフットワークのいいナダル選手と、対等にストローク合戦を展開して、ストロークエース(ウィナー)をなんぼでも取るのです!! Σ(゚ロ゚ノ)ノ

攻撃的テニスで、世界ナンバー2から1セット奪うって、とんでもなくすごいことですよ。ナダル選手が試合後語ったように、きっとトップ10に入って、テニス界のヒーローとなってくれることでしょう。(^-^)w

さて今回は、久しぶりにお酒と糖尿病のお話です。

日本では、糖尿病の人にはアルコールは原則禁止となっていますが、高雄病院の糖質制限食では原則、飲酒(糖質が含まれていない酒)OKです。これはとても大きなアドバンテージですね。

まあ、上戸にとって美味しく楽しく生きるには、アルコールは必要不可欠なものですからね。(o^。^o)

糖質制限食では、糖質の含まれていない蒸留酒(焼酎、ウィスキー、ブランデーなど)や糖質ゼロ発泡酒はOKですが、糖質の含まれている醸造酒(ビール、日本酒、ワインなど)は原則禁止です。醸造酒の中で赤ワインだけは血糖値を上昇させないのでOKです。

日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、一定の条件下で許可されることもあります。その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。

1良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3脂質代謝異常(特に高トリグリセリド血症)がない
4肝・膵疾患がない
5決められた上限量を守る患者である

この5項目、糖質制限食実践している糖尿人なら、多くの人は1~4はクリアですね。

私も、1~4は完璧にクリアですが、5が微妙ですね。
決められた上限量って本人が決めるの?主治医が決めるの?WIfeが決めるの?・・・ (*_*)

まあ、自己管理のうえで、自己責任で肝臓にもやさしく、個々の適量を飲むということでしょうか。 (^_^)

アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。

またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、empty calory と言われています。

それから、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。

従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。

また、空腹時に飲んだりすれば、糖新生が抑制される分、インスリン注射やスルフォニル尿素剤を内服している人は、低血糖を起しやすくなるので、充分な注意が必要です。

最後に、血液の肝機能検査の中でγ-GTPは、通常お酒を飲むと上昇するとされています。しかし、ビールなど糖質を含む酒をやめて、ウィスキーや焼酎など蒸留酒に切り替えると同じ量のアルコールなら、γ-GTPが改善することがあります。一見意外なこの現象も 上戸の糖質制限食実践者で、結構よく経験しました。

γ-GTPは脂肪肝でも上昇します。糖質制限食と蒸留酒で脂肪肝が改善するので、γ-GTPの数値が減ると考えられます。もっとも、量的に飲み過ぎの人は、γ-GTPも高値のままのことがありますので、ご用心ご用心。(-_-|||)

なお、欧米では、「適量」を守れば飲酒OKとしています。例えば、米国糖尿病協会では、アルコール24g(30ml)/日を食事と共にとるていどなら適量としています。ビール350ml缶を2本、ワイン150ml×2杯、ウイスキー45ml×2杯です。

しかし、米国糖尿病協会にも禁酒の指針があるそうです。糖尿病患者でアルコール依存症の前歴がある人と妊婦は禁酒です。膵炎、中性脂肪の高い脂質異常症、神経障害のある人達もイエローorレッドカードです。 (糖尿病ソリューション 河合勝幸氏)


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
医療崩壊3
こんばんは。

さきほどテニスから帰ってきました。今日はテニス、比較的好調でしたよ。DVDを借りたのであとで錦織選手がナダルから1セットとった試合を、赤ワインを飲みながら見ようと思います。 (^_^)

しかし、ささやかな喜びにひたる間もなく、本日もシンプルでシビアなお話です。

これまで、「医療崩壊」シリーズでも書いてきましたが、日本の医療費は、国際的に見ると大変少ないのです。この客観的事実を、是非ブログ読者の皆さんに知って欲しいと思います。

OECDが発表している「Health Data 2008」に、2006年度のデータで、OECD加盟国の総医療費の対GDPに対する割合が報告されています。

それによると、日本は8.2%です。これは米国の約半分にすぎません(米国は15.3%)

米国、フランス、ドイツ、カナダ、イタリア、イギリス、日本の先進7カ国の総医療費の対GDPに対する割合の平均は10.4%です。それで日本は、イギリスにも抜かれてとうとう最下位となりました。(;ー;)

米国    15.3% 
フランス  11.1%
ドイツ   10.6%
カナダ   10.0%
イタリア 9.0%
イギリス 8.4%

ごく普通に考えて、日本国民が他の先進国並の水準の医療を享受するためには、平均値の10.4%の医療費が必要です。それが8.4%では医療崩壊しないほうがおかしいですね。(+_+)

10.4%ということは、現在31.5兆の医療費が39兆になるということで、7.5兆の上積みが必要です。

本来必要な7.5兆分削減されていることにより、医師数の不足などを中心に医療現場の疲弊が進み医療崩壊につながっています。(;△;)

次に、日本の医療費のうちわけをみると、現在、国の負担は25%、国民の負担は45%、会社などの事業主が22%、地方自治体の負担が8%となっています。

政府が支出しているのは、医療費の25%、8兆円足らずでしかないのです。しかも、1980年当時と比べると、国の医療費負担は5%も減っているのです。

また、事業主負担も2%減っています。一方国民の直接負担は5%増え、地方自治体の負担は3%増えています。

つまり、いつのまにか国と企業の負担が減って、国民と地方自治体の負担が増えたわけです。(*`Д´)ノ!!!
 
ちなみに米国の医療制度は問題が多いのですが、それでも、医療や福祉に国家予算の半分以上を支出しています。

それに比べると、日本では社会福祉が、大変に軽視されているのがわかります。実際、日本政府が医療に支出している予算は米国の 1/10に過ぎません。(T◇T)o

早急に医療費削減政策を撤回し、予算を増やし、先進7カ国平均値の10.4%、39兆までもっていくことが必要です。

以下、前回の「医療崩壊」を再掲します。

医療崩壊その二
2008年05月26日 (月) | 編集 |
こんばんは。

過去最大の37拍手が、2008年4月22日「医療崩壊」のブログ記事にありました。ありがとうございます。

読者の皆さん、医療問題にきっちり関心を持っていただいているのだと大変嬉しく、そして、心強く思いました。

もう一度、強調したいです。既に日本の医療は崩壊しています。もう間に合ってないけど、それだけに今すぐに対処しなくてはなりません。

優先順位の一番は、間違いなく医療・年金・福祉です。それに比べれば、高速道路建設など10年間凍結でいいではないですか。道路財源を一般財源化して、医療費に回すのが急務です。

全ての国民・政党が、「医師を増やし看護師を増やし、医療費は増やさなくてはならない」という共通認識を持つ必要があります。

日本の医療費は、GDP比でOECD加盟国中最低レベルです。医師も看護師も欧米に比べたら全く足りていません。

ちなみに医師数は、OECD平均の人口1000人あたり3.1人になるためには十数万人も不足しているという恐るべき状況なのです。

もっと簡単にいえば、医療費が年間約31兆、パチンコ代も約30兆でほぼ一緒です。日本人の健康はパチンコ代と一緒程度のお金で守られているのが現状なのです。これはブラック・ジョークではありません。日本の医療の置かれている現実の、極めて厳しい由々しき問題なのです。

1983年に、当時の厚生省保険局長が「医療費亡国論」を唱えて以後、日本では、一貫して国を挙げて、医療費削減政策が実施されてきたのです。

この間老人は増え続け、医療技術革新は進み、医療器機も新しくなり、診断技術も検査の方法も治療方法も日々高度となり、医療費は増えて当たり前なのです。

「医療費亡国論」と「医療費削減政策」は、高齢化社会への対策として、25年間犯し続けた構造的な根源的な国の過ちだったのです。

今後は、「医療費は増やさなくてはならない」という共通認識のもと、人口の高齢化の中で医療・福祉に大きな投資を行って医療崩壊をくい止め、さらに経済の活性化に結びつければ、一石二鳥です。

現実にEU諸国では、医療への投資を積極的に行い、15ヶ国の医療制度の経済効果はGDPの約7%に達していて1位で、2位の金融の約5%を上回っています。

このように、日本とは逆に、医療に積極的に投資して経済の活性化に成功しているのがEU諸国です。国の事情がいろいろ異なるとはいえ、日本がEU諸国からから見習うことはたくさんありそうです。


医療崩壊
2008年04月22日 (火) | 編集 |
おはようございます、江部康二です。

産科や小児科の崩壊、救急医療の崩壊など、ここ1年マスコミが多くの記事に取りあげてきたので、国民的にもかなり周知されてきていると思います。

さらには外科医のなり手も急速に減少しています。将来のサービス残業勤務や医療事故・裁判の確率が高い科が研修医から忌避されているのです。

政府の医療費削減政策のもと、現行の日本の医療は、1974年に私が医師になってから最も厳しい状況に追いつめられています。

米国で働いている日本人外科医の談話では、「勤務時間は日本の1/2~2/3、給与は2~3倍」だそうです。

今朝の毎日新聞2面、医療クライシスという記事に、低医療費政策転換を、という記事が載っていました。以下はその抜粋です。

「日本の医療費は国内総生産(GDP)比でみると、先進7ヶ国中で最も少ない。」

「経済協力開発機構(OECD)が各国の状況を分析し、04年にまとめた医療制度のありかたに関する報告書に『医療部門での賃金と価格を人為的に低く保つシステムは、最終的には問題に直面する可能性が高い。医療の人材確保や離職防止が困難になり、サービスや革新的な医薬品の供給が不足する』という一節があるがまさに日本の現状そのものである。」

「国際的に突出した低医療費政策を転換する以外に『医療クライシス』の抜本的な解決策は見あたらない。」

私もこの毎日新聞の記事に全面的に賛成です。

日本は、人口1000人あたりの医師数が2人と先進国中最低レベル(OECD平均が3.1人)の医師不足状態です。

医師の絶対数が不足していることはやっと政府も認め、医師を増やす方向を少し打ち出していますが、一方で医療費削減政策は続いています。

医師数を増やして医療費を減らすというのはとんでもないことで、今でも厳しい医療界の労働環境はますます悪化します。

新たな高速道路をつくるためのお金があったら、優先順位の一番に国民の健康を守るための医療費を増やすためにまわし、医療崩壊をなんとかしなくてはならないのです。

また今医学部の定員を増やしても、医師としてものの役に立つには、8年~10年はかかります。即ち医療崩壊をくい止めるには、すでに間に合わない危機的段階にまできているのです。

英国のサッチャー政権が、今の日本と同様の医療費削減政策をとり、確かに経済はたちなおりましたが、医療は崩壊しました。英国人医師の多くが、米国やフランスに流出して、医療崩壊に拍車をかけました。

ブレア政権になって3年間で、医療費を1.5倍にまで増やしましたが、未だに英国の医療崩壊は改善されていません。

英国という反面教師があるのに、日本はここまで全く同じ過ちを犯してきました。このままでは、英国以上の医療崩壊が待っています。

まさに日本の医療崩壊、。「どげんかせんといかん」のです。

東国原知事には申し訳ないのですが、優先順位は、はっきりしています。道路財源を一般財源化して医療費に回せばいいのです。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
境界型糖尿病
こんばんは。

修学旅行生襲来が一段落したら、今度はお巡りさんが大挙押し寄せてきた京都の街です。

私の江部診療所への通勤の道の北大路は、往復共G8外相会議警備のお巡りさんが10m間隔でずらっと並んでいて、思わず人件費の心配をしてしまいました。(´・⊇・`)

さて今回は、ロンさんからコメント・質問をいただきました。

『 食後2時間が最高値
はじめまして。先生の本とプログに元気を与えていただいてお ります。 
いきなりで申し訳ございませんが 質問させていただきたく思います。
今年5月に血液検査を 受け境界型の診断をうけました。その時の結果です。

空腹時97 Hba1c4,7 
  
負荷検査
 
  空腹時 30分 60分  90分 120分
        97  156  154  129  147

インスリン  4.7   データ なし      38

この時だけは30分 60分がピークでしたが、自宅での測定の
際はいつも30分、60分と低く、90分からあがり始め2時間値
が最高になります。今日の昼食時 糖質食をとりました。

60分   90分    120分
122   146     197

私の場合 後半に上がってきます。どうしてなのでしょうか?
教えていただければ、幸いです。
2008/06/18(水) 21:08:50 | URL | ロン』


ロンさん。本のご購入・コメントありがとうございます。

75g経口ブドウ糖負荷試験では

空腹時 30分 60分  90分 120分
 97  156  154  129  147

データ的には、境界型ですね。

90分で一旦129mgまで下がったのに、120分で147mgと再上昇しています。

正常人では、ほぼリアルタイムに追加分泌の第一相がでて、次いで第二相が速やかに分泌されます。

従いまして、正常人であれば90分で129mgなら、120分では空腹時の100mg前後に下がると思います。ロンさんは、正常人に比し追加分泌がやや低下・遷延気味で境界型となっています。


昼食時 糖質食
60分    90分    120分
122   146     197

まず、液体のブドウ糖は、吸収速度が最も速いので、ブドウ糖負荷試験では、速やかに吸収されて血糖値が上昇しますが、後に尾をひきにくいと考えられます。

それと、負荷試験はブドウ糖75gですが、家で昼食のときは、75g以上の糖質を摂取しておられる可能性がありますね。一回の合計の糖質の量が、負荷試験の75gより多いと血糖値の上昇も多くなります。

また、糖質を脂質などの食品と一緒に摂取すると、吸収速度が少し遅くなります。

60分の血糖値が122mgなので、インスリン追加分泌の第一相はそこそこ出ているようです。
しかし第二相が、低下・遅延しているので、90分が146mg、120分が197mg/dlと上昇したのだと考えられます。

まとめるとロンさんの場合、

①空腹時血糖値は正常でインスリン基礎分泌は一定確保されている。
②インスリン追加分泌のうち、第一相は比較的保たれている。
③インスリン追加分泌のうち、第二相が低下・遅延している。

ということになります。

120分後血糖値が197mg/dlと180mgを超えていますので、もし、糖質たっぷり食を続けていけば、境界型から糖尿病型になるリスクは、極めて高いです。

一方、糖質制限食を実践されれば、食後高血糖は生じず、正常人として美味しく楽しい健康的な食生活を満喫できて、糖尿病や他の生活習慣病発症の予防にもなるでしょう。ヾ(^▽^)

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
インスリン分泌と糖尿病
おはようございます。今朝は、梅雨空でやや肌寒い京都です。

さて今回は、ひめきママさんからコメント・質問をいただきました。昨日に続きインスリン分泌のお話です。

『はじめまして、ひめきママと申します。
糖尿病歴6年くらいになります。
下の子を妊娠した時に糖尿とわかり 妊娠中はインスリンを打っていましたが その後は食事制限や運動等でコントロールをしてきました その頃はHbA1cは5.5~6.3くらいの間でした。
しかし、ここ数ヶ月7くらいまでに上がってしまい、どうしよう…と思っていた所 先生の書籍に出会いました。 完全とは言えませんが、スーパー糖質制限で食事制限をしています。

ただ、気になるのが…先日の検査で 食後30分のインスリンが5.7しか出ていませんでした…
今後はもうインスリンは出なくなってしまうのでしょうか? 食事制限をしてもあまり効果がないって事なのでしょうか?
教えて下さい。 よろしくお願いします。

2008/06/18(水) 13:00:45 | URL | ひめき』


インスリンには、24時間ずっとベースに少量分泌されている基礎分泌のインスリンと、食後に血糖値が上昇した時に出る、追加分泌のインスリンがあります。追加分泌のインスリンには、即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。

一般的には、基礎分泌のインスリンが低下してくると、早朝空腹時血糖値が上昇してきます。一番多いパターンは、食後高血糖が数年続いたあとに、この状態になります。

ですから、空腹時血糖での健康診断は、食後高血糖を見逃してしまうのであまり良くないのです。

さて、

2型糖尿病患者の非糖尿病の近親者を調べたら、追加分泌の第一相が低下・欠如している人が時々いるようです。つまり、先天的に膵臓のベータ細胞の機能がよろしくない一群の人達がいて、当然糖尿病になりやすいというパターンが一つ存在するわけです。

正常の人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。これは第一相反応と呼ばれ、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。

その後、膵臓のベータ細胞は、第二相反応と呼ばれるやや少なめの、持続するインスリン分泌を行います。これは、食事における糖質の残りをカバーしています。即ち、糖質を摂取している間は、第二相のインスリン分泌が持続します。

一方で、2型糖尿病患者の非糖尿病の近親者を調べたら、インスリン抵抗性が認められても、インスリンの第1相反応は保たれている場合があります。

このように、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性(合わせてインスリンの作用不足)で糖尿病を発症しますが、日本人には分泌低下が主の糖尿人が多く、欧米人には抵抗性が主の糖尿人が多いとされています。

「気になるのが…先日の検査で 食後30分のインスリンが5.7しか出ていませんでした…
今後はもうインスリンは出なくなってしまうのでしょうか? 食事制限をしてもあまり効果がないって事なのでしょうか?」


ひめきママさんの場合、上述のごとく、もともと追加分泌の第一相が低下しているタイプの可能性がありますね。

それでも、基礎分泌と追加分泌の第二相があるていど保たれていれば、糖質制限食で良好な血糖コントロールが可能です。 (^_^)

血糖コントロールが良好なら、現状のインスリン分泌は保たれ、これ以上の糖尿病の進行もありません。

しかし一旦、高血糖になってしまうと、高血糖そのものがベータ細胞にダメージを与えてインスリン分泌低下になり、また高血糖そのものが、インスリン抵抗性を高めてしまいます。

<高血糖→インスリン分泌抑制とインスリン抵抗性増大→高血糖>

この悪循環のことを『糖毒』といいます。 糖質制限食糖毒の悪循環を断ち切ることが可能です。

ひめきママさんもスーパー糖質制限食を続けて

空腹時血糖値126mg未満、理想的には110mg未満
②食後2時間血糖値180mg未満、理想的には140mg未満
③HbA1c6.5%未満、理想的には5.8%以下

を保っていけば、糖尿人ではなくて正常人ライフが送れますよ。(^-^)v(^-^)v

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
大豆で元気 レシピ
こんばんは。

えのもとさんから、「大豆で元気」を使ったおいしそうなレシピをコメントいただきましたので、アップします。 (^_^)


『大豆で元気
先生こんにちは。
糖質制限始めたばかりです。(^-^)魚、大豆、野菜中心の食事をこころがけ、体脂肪31%から24%まで落とすことができました。体重はマイナス2.5kg程度ですが、以前より体調がいいです。糖質制限っていいですね~!

今日はお休みだったので大豆de元気でパン?スコーン?のようなものを作ってみました。超簡単です。フライパンで焼けます。

(直径5センチ2個分)
大豆de元気   50g
ベーキングパウダー 小さじ1
ラカントS顆粒  大さじ1

をまぜておく。

別の器に卵に塩少々を入れ溶き卵をつくり、水25ccを加えまぜておく。

全部まぜる。 お味噌のような状態になる。

それを二等分しスプーンですくって、テフロン加工のフライパンでとろ火で片面7分ぐらいずつふたをして蒸し焼きにする。(焼く時に大さじ1ぐらいの水を入れるといいです。)

そのまま焼きあがったあつあつを5ミリ幅にスライスしてマーガリンをつけて食べてもいいんですが、5ミリ幅にスライスしてトマトときゅうりのスライスとマヨネーズ少々をのせて食べると大豆粉のポソポソ感が和らいでおいしいランチになりました。

いつも2個いっぺんに食べきれないので、 熱いうちにスライスしてすぐラップをしておくとしっとり感が保て さめてもおいしいです。

あと大豆de元気でパンケーキもよくつくります。ラカントSシロップで食べてます。(^ー^)b

2008/06/25(水) 16:04:47 | URL | えのもと』


えのもとさん。減量成功おめでとうごさいます。ヾ(^▽^)

そしてレシピありがとうございます。私でもできそうですので、一度試してみますね。

なお、マーガリンはトランス脂肪酸が多くてニューヨーク州では禁止された食品ですので、できればバターのほうがいいですね。

トランス脂肪酸については
2007年07月18日 (水)ブログ トランス脂肪酸とは①
2007年07月19日 (木)ブログ トランス脂肪酸とは②
をご参照いただけば幸いです。

江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
β細胞の疲弊・破壊とインスリン分泌能
おはようございます。

共同通信によれば、英情報誌「MONOCLE(モノクル)」は「世界で最も暮らしやすい都市」として上位25都市を発表、日本からは、東京が3位、福岡が17位、京都が20位に入ったそうです。ちなみに1位はコペンハーゲン(デンマーク)、2位はミュンヘン(ドイツ)です。

20位で東京より下位ですが、京都はとにかく緑の多い都市です。講演で日本各地の都市に行きましたが、そのどこよりも京都は、街中に木々が溢れています。魔界都市京都などという説もありますが(-д-;)

私にとっては、緑に囲まれた癒し系の都市ですね。(^-^)w

さて今回はすかんぴんさんからコメント・質問をいただきました。

『すかんぴん
こんにちは。
 先日来こちらをのぞかせていただき、早速先生の本を取り寄せて「糖質制限食」を導入しはじめました。まだ始めて一週間、多少、穀物を食べてしまうこともありますが、基本的に朝晩は穀物を食べない生活にきり変えてしまいました。
 さて、β細胞の疲労・破壊の話が出ていますが、私も数年来高血糖が指摘されていましたが、特になにもしなくても空腹血糖値が平常値にまで下がっていた時期があるなど、医者からも「まだ大丈夫」といわれていたのですが、この4月に入院、インスリン注射が必要な状態になってしまいました。インスリン自体は入院後10日程度で必要がなくなる程度までになり、5月に退院、現在はベイスンとスターシスを併用しております。先週の検査では空腹時血糖が86、HbA1cが6.5となり、かなり数値的には落ち着いてきました。
 β細胞の疲弊・破壊については入院中から気になっていたのですが、指標といいますか、今後の検査の際にどういった点に注意しておけばいいのでしょうか?
2008年06月17日 09:55』


すかんぴんさん。
コメント・本のご購入ありがとうございます。

最近は、「糖尿病発症早期に入院してインスリンを食前3回注射して、疲弊している膵臓のβ細胞を休養させて回復をはかる」といった方針をとる医療機関が徐々に増えています。これはなかなか理にかなった考えといえます。

すかんぴんさんも、β細胞が休養できて回復してインスリンから離脱できたのですね。良かったです。 (^_^)

私の立場から言わせてもらうなら、スーパー糖質制限食を実践すれば、β細胞は24時間休養できるので、インスリンを打たなくても、同様あるいはそれ以上の回復が期待できますよ。 ヾ(^▽^)

6月の検査で空腹時血糖が86mg/dl、HbA1cが6.5%ですから、ほぼコントロール良好ですね。

空腹時血糖値が86mgなので、インスリン基礎分泌* は確保されています。スーパー糖質制限食なら、ベイスンもスターシスも休薬できると思います。スタンダード糖質制限食なら、お昼前だけベイスンとスターシス内服で、OKですね。

すかんぴんさん。今後も糖質制限食を続けていけばHbA1cも5.8%以下の正常になると思います。

ということで、β細胞の疲弊・破壊に関しては、早朝空腹時血糖値が正常なので、あまり心配いらないと思います。
 
基礎分泌は保たれていますが、追加分泌が気になれば、75g経口ブドウ糖負荷試験をして、早朝空腹時血糖値とブドウ糖負荷後30分のデータを検査すれば、インスリン追加分泌のうち初期分泌能がわかります。


                  △血中インスリン値(30分値-0分値)(μU/ml)
インスリン分泌指数=───────────────────────────
                     △血糖値(30分値-0分値)(mg/dl)

糖尿人においては、この数値が0.4未満となります。数値が低いほど初期分泌能が低下していることとなります。境界型でも、0.4未満の人は糖尿病への進展率が高いのです。

早朝空腹時の血中のインスリン値あるいはCペプチド値は基礎分泌を示しています。
あと、一日尿をためて、尿中のCペプチドを測定したら、24時間の内因性のインスリン分泌量がわかります。


正常の人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。これは第一相反応と呼ばれ、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。

その後、膵臓ベータ細胞は、第二相反応と呼ばれるやや少なめの持続するインスリン分泌を行います。これは、食事における糖質の残りをカバーしています。即ち、糖質を摂取している間は、第二相のインスリン分泌が持続します。

2型糖尿病患者は、通常、第一相反応が低下或いはなくなっていることが多いようです。従って、糖質摂取時に血糖値の急激な上昇(グルコーススパイク)が起きてしまいます。

また、第二相も低下してますので、糖質を摂取する限り、一旦上昇した血糖値はなかなか下がってきません。

糖質制限食ならば、追加インスリンの出番がほとんどないので、2型糖尿病患者でも食後高血糖を起こさずにすむわけです。

すかんぴんさんは基礎分泌は一定保たれているので、2型糖尿病特有の追加分泌の低下・遅延があっても、糖質制限食を実践している限りは血糖コントロールは良好に保たれ、糖尿病の進行やβ細胞のダメージもないと思いますよ。vo(^-^)oo


インスリンには、24時間ずっとベースに少量分泌されている基礎分泌のインスリンと、食後に血糖値が上昇した時に出る追加分泌のインスリンがあります。追加分泌のインスリンには、即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
大豆で元気
こんにちは、江部康二です。

「大豆で元気」・・・って、何のこっちゃ? (∵)?

よくぞ聞いてくださいました。

そうです。

私が名付け親となった、糖質制限ドットコムで新発売の大豆粉のことなんです。

この大豆高騰の時代に、以前の製品(¥420-)より値段が下がって「大豆で元気(¥380-)」堂々の登場です。

食料品が全般に値上がりしているなか安くなるなんて、物価の優等生、嬉しい限りです。(ノ^-^)ノ

大豆de元気は、100%国産大豆を、皮ごと丸ごと粉砕し熱処理加工していて、自然のまんま無添加です。

丸ごと粉砕ですので、大豆の栄養をすべて含んでいます。小麦粉に比べて大豆粉は、糖質が低く、糖質量は約80%カットです。

大豆は、各種豆類のなかで最も糖質含有量が少なくて、糖質制限食OK食品です。ちなみに、乾燥大豆粉10gあたり糖質1.5g、ゆでた大豆は100gあたり糖質3~4g、です。

「大豆で元気(大豆de元気)」は唐揚げやムニエルなどに、小麦粉の代わりの糖質制限OK食材として使えます。その他工夫していろんな料理に利用できます。

糖質制限食実践中の方に安心してお奨めできる「大豆で元気」是非ご賞味くださいね。(^人^)


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病の分類
おはようございます。

今回も、原点に戻って、糖尿病の分類のお話です。

さて、1型糖尿病2型糖尿病、皆さん言葉は聞いたことはあるでしょうが、その実態はというと、案外誤解されていることも多いので、今回は、整理整頓してみます。実は、私も恥ずかしながら、調べてみるまで知らなかったことが結構ありました。σ(=_=;)ヾ

糖尿病の分類ですが、最近は、従来のインスリン依存型糖尿病(IDDM)、インスリン非依存型糖尿病(NIDDM) という言い方はしなくなりました。糖尿病を病因による分類と、現在の状態を表す分類に整理した方が、すっきりするからです。

■病因による分類
1型糖尿病(従来のIDDMとほぼ一致)
1型糖尿病は、膵β細胞の破壊によりインスリン分泌が枯渇し、発症します。小児期に起こることが多いため小児糖尿病とも呼ばれます。近年、1型糖尿病の多くは、自己免疫機序(免疫の誤作動)により数ヶ月~数年にわたってβ細胞が破壊され、発症することが明らかになってきました(自己免疫性1型糖尿病)。

従って1型糖尿病は、生活習慣病でも先天性の病気でもありません。過去の何らかのウイルス感染が、免疫の誤作動のきっかけになっている場合が多いのですが、ウイルス感染は、とっくに治った後の出来事ですから、1型糖尿病が感染することはありません。

2型糖尿病ほど色濃い遺伝は関与しませんが、何らかのウィルスに感染しやすい、あるいは、感染後に免疫の誤作動を起こしやすい遺伝的体質はあるようです。欧米のデータでは、1型糖尿病と診断された小児の10~12%のみに、1型糖尿病の一親等の血縁者がいるとされており、一卵性双生児の1型糖尿病同時発生率は、50%以下です。

1型糖尿病の頻度は、日本人では、欧米の白人に比べて明らかに低く、 10~20分の一と言われています。例えば日本の小児の1型糖尿病は、ノルウェーの20分の1、米国の約15分の1です。

なお、自己免疫異常の明らかでない1型糖尿病も存在します(特発性1型糖尿病)。


2型糖尿病(従来のNIDDMとほぼ一致)
インスリン分泌低下とインスリン抵抗性の二つの要因により、結果としてインスリン作用不足となり、発症する糖尿病です。

インスリン抵抗性とは、肥満などの要因によりインスリンの効きが悪くなることです。例えば、今までは5μU/ml ていどの量のインスリンで筋肉細胞が血糖値を取り込めていたのが、抵抗性があると、10とか20μU/mlの量がないと取り込めなくなるのです。

欧米では、インスリン抵抗性が高い状態の方が原因として多いのですが、日本では、膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因となります。これは、インスリン分泌能力が、日本人やアジア人は、欧米白人より弱いことによります。

遺伝的因子と生活習慣が、からみあって発症する生活習慣病です。日本の糖尿病の95%以上は、2型糖尿病です。

欧米人に比べ、日本人は肥満者も少ないのに 2型糖尿病が多いのは、日本人が、民族的に2型糖尿病になりやすい体質(遺伝的素因)を 持っているためと考えられます。

遺伝的素因が日本人と同じ日系2世米国人で、 日本人よりも2~3倍、米国の白人と比べると数倍以上の差で糖尿病が多いといわれています。

親や肉親が糖尿病だと、糖尿病の家族歴がない人に比べて 糖尿病になりやすいことは間違いありません。しかし、遺伝するのは糖尿病そのものではなく、「糖尿病になりやすい体質」です。 この体質を持った人に、食べ過ぎ、運動不足、肥満、加齢、ストレス、など様々な環境因子が加わってはじめて2型糖尿病が発症すると考えられています。

私、江部康二のように両親が2型糖尿病だったら40~50%の確率で2型糖尿病を発症します。

*上記は医学界の共通認識ですが、食べ過ぎに関しては、私は特に精製された糖質の過剰摂取が問題と考えています。

江部康二も糖質制限食を実践する限りは、糖尿人ではなく正常人です。


■糖尿病の状態の表現
①インスリン依存状態
②インスリン非依存状態

普通は、1型糖尿病はインスリン依存状態で、2型糖尿病はインスリン非依存状態かなと、誰でも思いますよね。でも、事はそれほどシンプルではありません。

例えば1型糖尿病でも、数年かけてゆっくり膵臓のβ細胞が破壊されるタイプであれば、発症後数年は、インスリン非依存状態でコントロールできることもあるわけです。まあ、さすがに10年以上、非依存状態というのは困難とは思いますが・・・。

一方、2型糖尿病でも、糖毒状態で悪循環していれば、徐々に膵臓のβ細胞が壊れていくわけですから、10年・20年・30年レベルの年期の入った糖尿病だったら、自前のインスリン分泌がほとんどない患者さんもでてきます。こうなると2型糖尿病でも、インスリン依存状態となるわけです。

また、2型糖尿病の人が感染症、外科的処置などによりインスリン需要が増大する場合も、インスリン注射を必要としますので、一時的なインスリン依存状態といえます。


糖質制限食は、1型糖尿病、2型糖尿病ともに効果があります。
1型糖尿病ではインスリンの量を減らすことが可能になります。
2型糖尿病ではインスリン・経口薬の減量や離脱が可能です。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食とは
こんばんは。

最近、結構、踏み込んだ話題が多いので、今回は原点に戻って、糖質制限食の意義・役割を簡潔にお話しします。

食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%、タンパク質は50%、脂質は10%弱が血糖に変わります。糖質は摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。

一方タンパク質の血糖値上昇のピークは食後約3時間で、脂質は消化・吸収に丸一日かかることもあります。これらはカロリーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。

現在、糖尿病治療において、食後の急激な高血糖が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素の中で糖質だけなのです。

「1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇」させます。 従って、6枚切りの食パン2枚(約310キロカロリー)食べると、糖質 が約50g含まれているので、血糖値は150mgも上昇します。
一方、ロースステーキを300g(約1200キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかに、リアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。 (^_^)

一方、上述の食パンとステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。(=_=;) 

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、「カロリー制限より糖質制限が肝要」ということが、おわかりいただけたと思います。

なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありませんので、念のため。一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。


江部康二

テーマ:糖質制限食
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糖質制限食を始める時のご注意
糖質制限食を始める時のご注意

本にも書きましたが、 糖質制限食により、リアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用していない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」「主食を抜けば糖尿病は良くなる 実践編」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
アマリールと体重増加
こんにちは。雨がぽつぽつ降ってますがこれからテニスにでかけます。

週一回のテニスですから、インドアコートで必ずプレイできるのは嬉しいですね。 (^_^)

さて今回は、たこぽんさんからコメント・質問をいただきました。

『たこぽん

初めまして。(長いです)私は2年前の健康診断で糖尿が発覚した糖尿人です。発覚前は薬も飲んでないのに低血糖の症状が出ていて、高いより低い方がいいや!と気楽に考えておりました。
当初、A1cは7.4で、ベイスン服用と食事・運動でA1c6台になるとほっとするのかまた上昇を繰り返しておりました。正直もういいや・・と思ったことも何度も。その結果A1cは最高値を更新し、3月末にはなんと8.7!!毎食セイブルアマリールの生活になってしまいました。さすがになんとかしなければとネットをうろうろし、先生のブログに立ち寄ることができたのです。
実は発覚当初から糖質制限は情報として知っていましたが、私は無類のパン好きだったので、最初っから内容も熟知せずの却下だったのです。がしかし、一刻の猶予もない!と、ブログ&「主食を抜けば・・」を熟読。結果、スタンダードを去る4月22日から始めました。ナッツ類は取っても良い=毎日食べよう!みたいに都合よく解釈する性格なので、ゆるめです。昼は主食を取るので薬併用しました。
そして5月末、検査に行ってきました。ドキドキの結果は。。。A1c7.5!!(おぉ~)しみじみ嬉しかったです。先生、ありがとうございました。質問があります。値的には下がったのですが、体重は以前より増えてきました(156㎝で、現在52~3㎏位あります)。単なるたべすぎですか?と、気にするほどではないと言われましたが、総コレステロールが基準より高いのと中性脂肪が低い結果でした。注意することは何ですか?よろしければご指導願います。
2008年06月15日 21:25』


たこぽんさん。コメントそして本のご購入ありがとうございます。スタンダード糖質制限食の実践、一ヶ月でHbA1cが1.2%改善して、7.5%。素晴らしいです。良かったですね。(*^▽^*)

スタンダードで、昼食だけ主食を摂取されるなら、デンプンの分解・吸収をゆっくりさせるセイブルは、昼食前だけでOKかと思います。

今後、血糖値が改善していけば、主治医とよく相談してアマリールを徐々に減量されて、一日一回朝食前、さらには離脱も夢ではありませんよ。

たこぽんさん、無類のパン好きとのことですが、http://www.toushitsuseigen.com/">糖質制限ドットコムhttp://www.toushitsuseigen.com/のローカーボ・ふすまパンなら満足いただける味だと思いますし、血糖値も上げません。私も母も愛食しております。是非お試しくださいね。ヾ(^▽^)

糖質制限食実践で、血糖値はリアルタイムに低下・改善、中性脂肪も速やかに低下・改善、HDL-Cは上昇・改善、します。

総コレステロール値LDL-C値は、個人差があり一定しませんが、いったん増えた後、徐々に低下して落ち着くことが多いです。

総コレステロール値LDL-C値が少々高くても、中性脂肪が低くてHDL-C値が正常なら、真の悪玉の酸化LDL-Cは少ないので心配はいりません。コレステロールについて詳しくは、2008.4.30ブログ<コレステロールの真実>をご参照ください。

インスリン注射やアマリール(インスリン分泌促進剤)は、肥満しやすくなります。糖質制限食アマリールが減量できれば体重も落ち着くと思いますよ。インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれているのをお忘れなく・・・ σ(=_=;)ヾ


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と尿素窒素
おはようございます。

今朝は、いったん雨があがって、どんよりした曇りです。今夜のライブ雨がちょっぴり心配です。 (・ω・`)

さて今回は、jaoさんから、コメント・質問を頂きました。

『jao
ご報告と御礼(時々質問;)

おはようございます。
先日、間食について質問させていただいたjaoと申します。わかりやすいご指導を頂き有難う御座いました。

さて、アクトスを服用中浮腫みが出てきたと先日ご報告させていただきましたが、自主的に服用を中止し(^^;)スーパー糖質制限食を実践して約一週間のところで定期診察になりました。
以下データ
食後約6時間 *血糖 92 *Hba1c 5.7 *尿素窒素 28
一ヶ月前
食後約6時間 *血糖 101 *Hba1c 5.8 *尿素窒素 19
というすばらしい値になりました。ありがとうございます。
しかし、尿素窒素が突出して増えているのが気にかかると言われましたが(脱水症状、たんぱく質の過剰摂取等が原因と言っていました)糖質制限食となにか関係があるのでしょうか?
なにはともあれ、この食事療法で一生病気と付き合って行ける、漠然とでわありますが自信がついたような気が致します。(釜池先生の著書と、江部先生のごちそうレシピももちろん購入いたしました)

私の知人にやはり糖尿人がいるのですが、糖質制限食を薦めたのですが聞く耳を持ちません。そして、先日の検診時に担当医に糖質制限食をしていますと言ったところ、「あなたぐらいならいいけど、もっと重い人には薦められない」というようなことを言われました。その知人は朝・晩にインスリンを注射しているような症状なのです。本を買ってあげてでも実行に移ってもらいたいのですがいかがなものでしょうか。不躾では御座いますが、ご指導の程よろしくお願い致します。
2008年06月16日 09:51』


jaoさん。コメントそして本のご購入ありがとうございます。


「食後約6時間 *血糖 92 *Hba1c 5.7 *尿素窒素 28
 一ヶ月前
 食後約6時間 *血糖 101 *Hba1c 5.8 *尿素窒素 19」

アクトスを中止されて、糖質制限OKな間食もしっかり食べてこのデータなら、素晴らしいですね。まったく問題はありませんよ。 ヾ(^▽^)

尿素窒素(BUN)ですが、確かに一般的な正常値は8~20gm/dlです。でも、糖質制限食中は、28mg/dl程度なら正常値と考えてOKです。

細胞内の蛋白質が限度まで満たされると、体液中のアミノ酸は分解され、エネルギーとして使われたり、主に脂質あるいは、わずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。この大部分は、肝臓で行われます。

アミノ酸分解産物であるアンモニアが、そのままでは神経毒性を有するため、肝で尿素サイクルの代謝をうけて尿素が産生されます。

尿素のほとんどは、腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されますが、その一部は再吸収され、血中に戻されます。

一部再吸収されるので、高タンパク食(糖質制限食)により血中尿素窒素(BUN)が高値となることはありますが、これは生理的な現象で、腎機能障害ではありません。血中クレアチニン値や血中シスタチンCの値が正常であれば問題ありません。

また、高タンパク食(糖質制限食)で、正常な腎臓に負担がかかるということもありません。

従いまして糖質制限食実践中のjaoさんが、BUN軽度高値でも、クレアチニン値が正常なら心配要りませんよ。


インスリン注射中のご友人に関しては、まずその人自身が、ご自分の主治医とよく相談されることが必要ですね。

糖質制限食は1型糖尿病でも2型糖尿病でもインスリン注射中でもOKです。ただし、糖質制限食の意味をしっかり理解したうえで低血糖に注意が必要です。いきなり糖質制限食が無理なら、まずは糖質管理食くらいからでもいいですね。


☆☆☆
糖質管理食に関しては
2007.8.28,8.29,12.27ブログをご参照ください。

江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食でインスリン離脱
こんにちは。今日は、久しぶりに梅雨らしい一日です。

明日は、第三金曜ライブ、雨が降るとお客さんの入りが心配です。(-д-;)

さて今回は、九州人さんから<インスリン離脱>という嬉しいコメントを頂ました。

『九州人

最近空腹時血糖値が上昇?

初めまして。先生のブログ楽しく読ませていただいて勉強させてもらってます。主食…実践編とごちそうレシピの本も購入しスーパー糖質制限食始めて一ヵ月になります。
糖尿人になって早15年インスリン打ち始めて8年程で、主治医に相談して始めたのですが主治医から「低血糖が予想されるのでその時はインスリンの量減らして下さい」と注意をうけ、始めて三日位で早朝空腹時血糖が160から117に下がり8日目で91になりました。インスリンの量も9→6→3でも食後の散歩で低血糖ぎみになるので思いきって20日目でインスリンを止めたのですが打たない状態でも108.95.99.90.92.と順調だったのが三日前から119.140.111と上がり始めました。昼夜前の空腹時血糖は80~100食後二時間も最高で128です。朝空腹時血糖が上昇したのはやはり私のすい蔵は働きが悪いのでインスリン注射が必要なのでしょうか?体重は88キロから79キロまで落ちました。主治医に相談した時点のヘモは9.1でした。時間のある時で構いませんのでお答えいただいたら幸いです。
2008年06月14日 12:59』

九州人さん。コメント、本のご購入ありがとうございます。

主治医と相談されて糖質制限食を許可して頂いたのですね。良かったです。とても理解のある主治医殿だと思います。

最近、明らかに、糖質制限食に一定の理解を示すお医者さんが増えてきています。ありがたいことです。嬉しいことです(*^▽^*)

糖質制限食OKの医療機関ネットワーク作りも、徐々に進めている最中です。

スーパー糖質制限食20日目で、8年間続けておられたインスリン注射が中止できたのですね。おめでとうございます。(^-^)v(^-^)v

体重も88kg→79kgと改善しておられますので、インスリン抵抗性も減少して、
食後血糖値が2時間でも128mg/dl以下と、正常人のデータとなったのでしょうね。

「インスリンを打たない状態でも108.95.99.90.92.と順調だったのが三日前から119.140.111と上がり始めました。」

これは心配ありません。日常の中のばらつきで悪化ではないと思います。

私自身も糖尿病ですが、早朝空腹時血糖値は90mg~108mgと好調なときもありますが、例えば翌日には120mg~130mgのこともあります。

早朝空腹時血糖値に最も関係しているのは、基礎分泌のインスリンですが、
それ以外に不眠やストレスなど、いろんなことが関わっています。

九州人さん、糖尿病歴15年ですから、普通に考えて、ある程度は膵臓のβ細胞が、ダメージを受けていると思います。

しかし、インスリンを中止しても、早朝空腹時血糖値が、90mgとか、100mg以下のことも多かったので、自前のインスリン基礎分泌は、基本的に確保されている証拠ですよ。

一方、まったくの正常人なら、不眠などのストレスがあったとしても、早朝空腹時血糖値は110mg未満なので、九州人さんも私も119mgとか140mgなら、少しはβ細胞のダメージがあるのでしょうね。

まあ、例えば本来10/10あるべきβ細胞が8~9/10くらいのイメージでしょうか。

今後目標としては
1 早朝空腹時血糖値126mg/dl未満、理想的には110mg/dl未満
2 食後2時間血糖値180mg/dl未満、理想的には140mg/dl未満
3 HbA1c6.5%未満、理想的には5.8%未満
です。

ともあれ九州人さんのデータなら、インスリンは不要です。

これからも主治医殿とよく相談されて、
美味しく楽しく糖質制限食ライフをお過ごしくださいね。o(^-^o)(o^-^)o

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食講演会in大阪のご案内
こんにちは、江部康二です。

糖質制限食講演会in大阪>第一回目のご案内を6月8日のブログに載せました。これまでだと、ラスト一週間で一気に申し込み頂いて、定員いっぱいとなるのですが、今回の大阪講演会、おかげさまで、今までで一番手応えがありまして、現在100名定員で60名まで予約がありました。

遠く、東京や神奈川、福岡から駆けつけていただける糖尿人の方もあります。いつもにもまして熱気を感じます。


以下、案内を再掲します。

さて、大阪の皆さん、お待たせしました。糖質制限食・大阪講演会を7月13日(日)に開催します。

これまで、神戸、京都、東京、札幌、名古屋、東京と糖質制限食講演会を行ってきましたが、どの会場も満員御礼で、熱気あふれる状況でした。

6月4日、水曜日の「おはよう朝日です」もしっかりした内容で、約10分間、「糖質制限食と糖尿病」の特集をしていただき、本ブログのアクセスも3800件を超えて、嬉しい追い風となっています。

追い風を受けて地元関西圏で講演をということで、大阪では初の講演会の開催となりました。

名古屋講演会、東京講演会では、公共の施設ということもあって、食材の販売ができませんでしたが、今回は会場にホテルを借りることができましたので、糖質制限食食材メーカーの皆様にご協賛いただきまして、盛大に試食&販売を行います。


五十音順にご紹介致しますと

地元大阪代表、ウエダ食品さん。今回も蒟蒻麺シリーズの販売&試食でご参加いただきます。

京都洛北鞍馬寺御用達 尾崎食品さん。寒天じゅれなど今回も、試食&販売をして下さいます。

京都西院「菓子職人」の稲井社長もご参加、新作の「低糖質生チョコレート」と「低糖質チーズケーキ」をお披露目して下さいます。

「ラカントS」のサラヤさんも、神戸、京都、東京に引き続きご参加下さいます。

「南禅寺豆腐」の、大本山 京都南禅寺御用達 服部食品さんも、京都講演会に引き続きご参加下さいます。

砂糖、小麦粉不使用、大豆粉使用の和菓子、『大豆庵甘果』ですっかりおなじみの、京和菓子処 布袋餅菓舗さんも、新商品を引っさげて試食&販売して下さいます。

ローカーボふすまパンを作ってくださってます、“手作りパン教室 パンの耳”さんもご参加くださいます。

内容盛りだくさんの大阪講演会、大阪の糖尿人・メタボ人の皆さん、是非奮ってご参加くださいね。


以下、詳細です。

日時  2008年7月13日(日)
      
場所  大阪リバーサイドホテル
     〒534-0027
      大阪府大阪市都島区中野町5-12-30
      TEL.06-6928-3251  
      FAX.06-6928-3260

プログラム

12:30  開場 協賛各社様試食販売
13:30  第一部開演
14:15  休憩、協賛各社様試食販売
14:45  第二部開演
15:30  講演終了

   
定員 100名 (先着順)

参加費 1000円 (当日会場にてお支払い下さい)

お電話・FAX・パソコンからお申し込み頂けます。

お電話でのお申し込み
075-873-2170

FAXでのお申し込み
075-873-2270

E-mailでのお申し込み
takaoclub@ktk-kyoto.jp

お問い合わせは、

京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-873-2270
E-mail takaoclub@ktk-kyoto.jp

営業時間は、8:45から17:00(くらい)
お休みは土・日・祝です。

席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。後ほど掛け直させていただきます

お席に限りがございますので、お早めにご予約下さいね。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食で糖尿病改善、お医者さんが驚いた
おはようございます。

今朝の京都新聞に、「京情報グーグルアースに」という見出しの記事が載ってました。ニュージーランドとエジプトについで世界で三番目でパリやローマより早い掲載だそうです。観光京都の面目躍如ですね。

さて今回は、ひろさんから嬉しいコメント頂きました。

『ひろさん

はじめまして
私は今年の2月の健康診断で空腹時血糖247、A1C12.5と出ました。即病院へ行き糖尿と診断されセイブルにて経過を観察しておりました。そんな時、先生のHPを拝見し購入した書籍のメニューを実践したところ、先日の測定で空腹時80、A1C5.1という結果が出ました。一時は諦めていただけに家族共々喜んでおります。これからも糖質制限食にて現状を維持していきたいと思います。PS,,お医者さんがこの結果に驚いていました。

2008年06月13日 01:21』


ひろさん。コメントそして本のご購入ありがとうございます。糖質制限食実践により、糖尿病が劇的改善ですね。良かったです。v(o^0^o)v

私もとても嬉しいですし、ブログ読者の皆さんの参考かつ励みになると思います。

              2008年2月    2008年6月
空腹時血糖値   247mg/dl      80mg/dl
HbA1c       12.5%        5.1%

約4ヶ月でHbA1cが7.4%の改善ですから、お医者さんもさぞかしびっくりされたことでしょう。( °◇°)

従来の糖尿病の治療(食事療法や内服薬)ではあり得ないレベルの改善ですが、糖質制限食なら当然の結果で、ひろさん、きっちり実行しておられるのですね。

これだけ急速に血糖値が改善すると、インスリンや経口血糖降下剤を使用していたら網膜症の悪化が生じることがあります。

一方、糖質制限食血糖コントロールが急速に良くなった場合は、網膜症の悪化は、基本的にありません。このことも大きなアドバンテージですね。(o^-^)o

なお、スーパー糖質制限食をしておられるならセイブルも必要ないと思います。スタンダード糖質制限食なら、主食摂取前だけセイブル内服ですね。


江部康二
テーマ:糖尿病
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登山とスポーツドリンクと糖尿病
こんにちは。

今日もとても良い天気です。京都の梅雨どこにいったのでしょう。(・_・?)

さて今回は登山君からコメント・質問をいただきました。

『08/06/11 登山君
空腹時血糖
江部先生こんにちは、毎日楽しく拝見させて頂いております。
3月の後半糖尿が判明し、節制していました。
医師からグルファストを処方され、毎食前に飲み、 先生の糖質制限実践したところ、4月の測定ではヘモグロビンは7.2から5.8に下がり、空腹時血糖値も100前後をキープしていました。
このまま薬漬けはいやなので、6月からはグルファストを完全にやめました。その後朝の空腹時血糖は110から130位になりました。
薬を服用しないと上がるんでしょうか?ちなみに食後2時間の血糖値は上がっても130位です。18日には検査なのですが、ヘモグロビン は上昇するでしょうか?
やはり、薬は当分服用した法が良いのでしょうか?
自分としては、なんとか糖質制限オンリーでがんばりたいと思いますが・・・・ 。
ちなみに、朝夕毎日1時間ほどウオーキングをしています。
あと質問ですが、私、登山が趣味なので、水分補給は、アクエリアス等のスポーツドリンクはOKなのでしょうか?』


登山君。コメントありがとうございます。

「3月の後半糖尿が判明し、節制していました。
医師からグルファストを処方され、毎食前に飲み、 先生の糖質制限実践したところ、4月の測定ではヘモグロビンは7.2から5.8に下がり、空腹時血糖値も100前後をキープしていました。」


見事な改善ですね。よかったです。v(∩_∩)vv

「6月からはグルファストを完全にやめました。その後朝の空腹時血糖は110から130位になりました。 薬を服用しないと上がるんでしょうか?ちなみに食後2時間の血糖値は上がっても130位です。18日には検査なのですが、ヘモグロビンは上昇するでしょうか?」

通常、スーパー糖質制限食を実践すれば、内服薬なしで食後高血糖は、速やかにリアルタイムに改善します。

早朝空腹時血糖値は、インスリン基礎分泌がどのていど保たれているかが関係してきます。110mg/dlの時もあるので、このままきっちりスーパー糖質制限食を続けていけば膵臓がじっくり休養できて基礎分泌が回復することが期待できます。

登山君の食後2時間血糖値、早朝空腹時血糖値ならば、HbA1cもおそらく、良い数字が保てていると思いますよ。 (^_^)


「やはり、薬は当分服用した法が良いのでしょうか?
自分としては、なんとか糖質制限オンリーでがんばりたいと思いますが・・・・
ちなみに、朝夕毎日1時間ほどウオーキングをしています。」


登山君のデータなら、薬は不必要でスーパー糖質制限食のみ充分いけると思います。ウオーキングもいいですね。血糖値を改善し、インスリン抵抗性を減らしてくれます。


「私、登山が趣味なので、水分補給は、アクエリアス等のスポーツドリンクはOKなのでしょうか?」

アクエリアスなどのスポーツ飲料には、高果糖液糖(一部地域は果糖)、トレハロース、はちみつ、
あるいはブドウ糖やショ糖など、血糖値を上昇させる成分が入っていますので、そのまま飲むと食後高血糖を生じます。


30~40分の早足散歩や、私がやっている程度のおじさんのテニス(ダブルス)なら、水やお茶で充分でしょう。浸透圧が低い液体ほど吸収されやすいので、スポーツ飲料やジュースなどより、水やお茶のほうが吸収も速いのです。

私は、昼の1時ごろから5時頃まで、1試合30分前後で4.5試合します。夏場でも、水分補給は水とお茶だけです。原則として、ちびちびと何度も少量ずつ水分補給がよいようです。

一方、激しいスポーツの時に大量の汗をかいたら<水+少量の塩>が安全です。これなら血糖値も上げませんし、塩分不足の水中毒にもなりません。汗には塩分が含まれますので、水と共に塩分も喪失します。

激しいスポーツで短時間に1リットル~2リットルの汗をかいて、水だけ補給すると体液が薄まって血液中のナトリウムイオン濃度が低下して水中毒となります。

血中ナトリウム濃度が、

130mEq/Lで軽度の疲労感が出始め、(正常値135~147)
120mEq/L以下で頭痛、嘔吐、精神症状、
110mEq/Lに近づくと性格変化や痙攣、昏睡などにいたります。

テニスクラブのコーチに聞いたところ、ジュニアの本格的テニス選手で、長時間の試合で大量の汗をかいたときは、スポーツドリンクを水で三倍に薄めてのませているそうです。

これでナトリウムと糖質の補給ができますね。糖尿人でも、1時間以上の持続的なスポーツ中なら、筋肉が糖質を利用してくれるので三.四倍薄めのスポーツドリンクで水分・塩分補給してもいけそうですね。

水を摂らなさ過ぎて脱水症になるのも、摂りすぎで水中毒になるのも共に困りものですので、診断・バランス・調整がいりますね。

2003年、USA Track & Field連盟が、水の摂取法について発行したガイドラインでは、「水は本当にのどの乾きを感じた時に摂るべき(不必要に摂らない)」や、「1時間に800ml以上は摂るべきではない」と解説しています。

簡単な診断法としては、スポーツ後体重が増えているようなら水中毒(水の摂りすぎ)の可能性があります。

登山君の山登りですが、糖質制限食で持続的スタミナは増しているはずですから今までより楽に歩けると思いますよ。(^◇^)

ナッツ類などをちょこちょこ食べながら、塩分と少量の糖質など食後高血糖が生じない程度のエネルギーも補給し、後はお茶か水をちびちび飲みながら山頂を目指してくださいね。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食とセイブル
こんばんは。大分、蒸し暑くなってきた京都です。今日も雨は降りませんでした。

さて今回はセイブルα-グルコシダーゼ阻害剤)内服と糖質制限食に関して、コメント・質問をいただきました。


『あき

調子いいです。

先日痩せ型の食事療法について、ということでのお返事をいただき、ありがとうございます。
早速、先生の本を参考に、カロリー制限食から、糖質制限食に変えました。その、楽なことと、満足感のあること!! もともと好きな、ビール、焼酎、赤ワインも適量とれるのに、数値も体調もいいです。

現在セイブルを内服中ですが、ここ半月ほど、食パンを1/2枚や、玄米を軽く2/3杯食べただけでも食後1時間の血糖が、180や200を超えるようになってしまいました。今までは、110~130台だったのに。空腹時は70~90台のままなんですが。。。
私も先生同様、サンドイッチを含め、パンが大好きなんですけど。ふすまパンですかね、これからは。

そのため、今は、スーパー糖質制限食にしています。まだ始めて1週間ですが、すっかり130を超えなくなりました。まだ私は30代半ばなので、これから先、まだまだ長く続く食事療法に正直今から不安と疲れを感じていたんですが、これなら頑張れそうです。

私は今もいちおセイブルの内服を続けていますが、薬の効果ももちろんあってのこの値なんですかね? また、私はたまたま食後高血糖200が見つかったのが半年前で、それから4ヶ月間は何の制限も治療もせずにいたのですが、私の膵臓のβ細胞の一部は疲労ではなく、もう破壊された状態なのでしょうか?

2008年06月12日 00:43』



あきさん。コメントありがとうございます。

「現在セイブルを内服中ですが、ここ半月ほど、食パンを1/2枚や、玄米を軽く2/3杯食べただけでも食後1時間の血糖が、180や200を超えるようになってしまいました。今までは、110~130台だったのに。空腹時は70~90台のままなんですが。。。」

いわゆる食後高血糖というタイプです。食後2時間血糖値が180mgを超えなければ、合併症はほとんど進行しないとされていますが、段々上昇してきたのですね。

180mgを超えてくると合併症進行のリスクがでてくるので、良い時期(間に合う段階)に糖質制限食と出会われて良かったなと思います。 (^_^)


「カロリー制限食から、糖質制限食に変えました。その、楽なことと、満足感のあること!!もともと好きな、ビール、焼酎、赤ワインも適量とれるのに、数値も体調もいいです。」
「スーパー糖質制限食にしています。まだ始めて1週間ですが、すっかり130を超えなくなりました。」


とのこと、良かったですね。ヾ(^▽^)

セイブルは、グルコバイベイスンと同様、デンプンの分解をゆっくりさせて、食後高血糖を防ぐ薬なので、スーパー糖質制限食ならなくても大丈夫です。野菜に含まれている糖質はしれてますので・・・。

また、糖質制限ドットコムのローカーボフスマパンなら、血糖値はほとんど上昇しませんので、薬はいりません。私も愛食してます。ビール?は勿論、糖質ゼロの発泡酒ですよね。(* ̄▽ ̄*)


「私はたまたま食後高血糖200が見つかったのが半年前で、それから4ヶ月間は何の制限も治療もせずにいたのですが、私の膵臓のβ細胞の一部は疲労ではなく、もう破壊された状態なのでしょうか?」

糖尿病発症で日本人に一番多いのは、<食後高血糖を数年間見過ごしているうちに、徐々にβ細胞のインスリン分泌能が低下していって、遂に早朝空腹時血糖値が110mgを超えて、健康診断などで発見される>というパターンです。

私もこのパターンなのですが、数年間食後高血糖が続くと、β細胞の一部は既に破壊されている可能性が高まります。

あきさんの場合は、早朝空腹時血糖値が70~90mg/dlなので、インスリン基礎分泌はしっかり確保されています。

食後高血糖の初期の段階で発見されてますから、膵臓のβ細胞が破壊されている可能性は、ほとんどないと思います。

これからも美味しく楽しく糖質制限食を続けていかれたら糖尿人ではなくて正常人のデータですね。(*^ー^)

☆☆☆α-グルコシダーゼ阻害剤

デンプンのような多糖類は、α-アミラーゼという消化酵素の作用を得て、二糖類(麦芽糖や蔗糖)、やオリゴ糖に分解されます。

これら二糖類やオリゴ糖は、マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素により単糖(ブドウ糖、果糖、乳糖など)に分解されて小腸から体内に吸収されます。マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を総称して、α-グルコシダーゼと呼びます。

この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、小腸からの糖質の分解・吸収を遅延させて、食後高血糖を抑制するお薬が、α-グルコシダーゼ阻害剤グルコバイベイスンセイブルなど)です。

グルコバイ(アカルボース)はα-グルコシダーゼだけではなく、α-アミラーゼに対する阻害作用も、もっています。ベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)は、α-グルコシダーゼの活性を阻害しますが、α-アミラーゼには影響を与えません。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と居酒屋、ストレス発散
おはようございます。

今日は日曜日、週一回のテニスの日です。私にとって、テニスとライブは日頃のストレス発散の貴重なアイテムとなっています。 (^ 0 ^)

さて今回はまさとさんから「居酒屋でストレス発散、大丈夫?」というコメント・質問をいただきました。

『08/06/10 まさと
質問があるのですが、私の相方は糖尿と診断されて(その時は空腹時で140)から先生の糖質制限食を実行しまして空腹血糖値は平均102と安定してます。
糖質はほとんど摂取しないようにしてますが、たまに居酒屋でストレス発散する時に食べ過ぎたと感じた時は4時間経っても稀に140ぐらいの時があります。
唐揚げなどそれなりの糖質は摂取してますが、2時間値も150ぐらいですからそんなには心配しなくても良いようですが、そこからなかなか下がりません。
普段でしたら食べ過ぎたという状態にならない限りは140になっても3時間ぐらいで100以下になるようです。
そのようになかなか血糖値が下がらない状態でも合併症の不安というのは大丈夫でしょうか?
つまり、食後血糖値が180以下であれば問題はないのでしょうか?
食べることでストレスを発散するタイプなのでストレスを溜めると血糖値が安定しないことからあまり食事に関しては制限を設けたくはないのですが、いつまでも血糖値が下がらないようではたまの居酒屋ももう少し内容を自粛しようかと思っていますが、私が言っても相方はあまり深く考えません。
しかし、先生の推奨する制限食を実行してからみるみると体調が良くなったことから先生のお言葉でしたらどのような内容でも信頼していますので、アドバイスが頂ければ相方も必ず信用しますので問題がありましたら何かお言葉をお願いしますm(_ _)m 』


まさとさん。コメントありがとうございます。

相方さん、スーパー糖質制限食を実践されて、140mg/dlだった空腹時血糖値が平均102mg/dlならとても、コントロール良好です。正常範囲に入っていますよ。上手に糖質制限食やれてますね。(^-^)v(^-^)v

「たまに居酒屋でストレス発散する時に食べ過ぎたと感じた時は4時間経っても稀に140ぐらいの時があります。 唐揚げなどそれなりの糖質は摂取してますが、2時間値も150ぐらいですからそんなには心配しなくても良いようですが、そこからなかなか下がりません。」

このデータなら心配いりません。食後2時間血糖値が180mg/dl未満なら合併症の進行はほとんどないとされています。

2時間値が150mg/dlで140mg以上なので境界型になりますが、正常に近い境界型なので大丈夫です。

食事療法は長く続けるのが大切なので、我慢は禁物です。たまに居酒屋でたっぷり食べて飲んでおおいに満足感を味わってください。

日本には昔から晴れの日とケの日があります。美味しく楽しく糖質制限食ですから、たまの晴れの日はおおいに楽しんで、美食堪能してくださって結構ですよ。 (^_^)

1 空腹時血糖値110mg/dl未満、あるいは126mg/dl未満
2 食後2時間血糖値180mg/dl未満、理想的には140mg/dl未満
3 HbA1c6.5%未満、理想的には5.8%未満

相方さん、この目標値を満たす範囲でならお腹いっぱい食べていただいてOKです。カロリー計算は基本的にはいりませんが一応常識的な範囲で・・・ (o´∀`o)

「1gの糖質が、2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させる」という公式を念頭に、糖質のグラム数だけ気にしておいてくださいね。
 
わたしもたまには唐揚げ、豚カツ、ケンタッキーフライドチキン、春巻き、シュウマイ、餃子・・・。
小麦粉少々ありますが、食べてますので・・・ (*^∀゚)b


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
食後高血糖と動脈硬化
おはようございます。今日も良い天気です。

昨夜は、連れ合いと、近くのイタリアンレストランにいってきました。

前菜盛り合わせ、生ハムとアスパラのサラダ、豚肉となすの炒めもの、マグロのベーコン巻きステーキ、チーズオムレツ。全て糖質制限OK食です。

そして赤ワイン二杯、焼酎二杯。

若者向きなのかやや濃い味でしたが、美味しかったし値段もリーズナブルでしたよ。 (^_^)

ちなみに、今朝の血糖値は、90mg/dlでした。

さて今回は、食後高血糖と動脈硬化のお話です。

食後高血糖が、心血管疾患の強力な危険因子であることは、多くの疫学的研究で明らかにされています。

それでは、なぜ高血糖が、血管を傷害するのでしょう?

高血糖により、細胞傷害が生じる機序の中心は、酸化ストレス(*)の亢進です。

血管内皮機能にはいろんな因子が関わっていて、弛緩と収縮のバランスをとっています。

高血糖があると、酸化ストレスが増大し、血管内皮機能の弛緩に関係する因子の働きが悪くなり、動脈硬化のリスクとなります。

また高血糖があると、糖と蛋白質の非酵素的な反応により、AGE(終末糖化産物)が形成されます。AGE(**)の蓄積は、血管内皮細胞障害を引き起こします。

さらに、高血糖により体に必要な蛋白質が変性し、活性酸素が産生されます。また、糖化により、活性酸素を除去するSODという酵素も変性してしまいます。

次いで興味深い話題ですが、間欠的な高血糖は、抗酸化システムの増強を妨げるとされ、血糖の上昇・下降を繰り返す血糖変動では、慢性的な高血糖より細胞傷害機序が強く働く可能性が指摘されています。

特に急激な食後血糖値の上昇(グルコーススパイク)が最も危険と言われています。

このように、食後高血糖が「酸化ストレスの増大、血管内皮機能障害、血液凝固線溶系や脂質代謝の障害、インスリン抵抗性増大、膵β細胞の機能低下」を生じ、これらの悪循環の結果として、動脈硬化の進展とプラーク(***)脆弱性を招くことが判明しつつあります。

そして、食後高血糖を生じるのは「糖質・脂質・タンパク質」のうち糖質だけなのです。

カロリー制限が主の現行の糖尿病食では、グルコーススパイクは防げません。糖尿人の皆さん、是非糖質制限食で身を守ってくださいね。

酸化ストレス 
酸化ストレスとは、「生体の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化反応が亢進した状態」のことで、当然生体にとって好ましくない現象です。

高血糖、喫煙、活性酸素などが、酸化ストレスを増加させると考えられます。

酸化ストレスは、細胞のDNA、細胞膜上のリン酸脂質、蛋白質、糖質を傷害し、血管傷害を進行させます。

**AGE
タンパク質と糖が結びついた物質で、Advanced Glycation End-productの頭文字をとってAGEと呼ばれます。日本語では終末糖化産物と訳されています。

過剰な血糖は、糖化反応により血管壁のコラーゲンなど様々なタンパク質に付着します。付着した糖は一部変性してアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となります。このアマドリ化合物と糖が結合しAGEができます。

AGEは、糖尿病合併症を引き起こす、重大な原因の1つです。

***プラーク
動脈硬化症の中で、最も頻度が高く重要な疾患が粥状硬化症です。

粥状硬化症の初期病変は限局性の内膜肥厚を示しますが、この肥厚性斑状病巣をプラークと呼びます。

加齢や病変の進行とともに動脈のプラークの数は増加し、さらにプラーク同士の融合も見られるようになります。

プラークの成分により
①線維性プラーク
②脂質に富むプラーク ③両者の中間型(中間型プラーク)
の3群に大別されます。

脂質に富み、且つ、破裂しやすいプラークは「不安定プラーク」と呼ばれています。

破裂の結果、不安定狭心症、急性心筋梗塞、虚血性突然死などの急性冠動脈症候群を発症するので「危険なプラーク」とされています。

江部康二
テーマ:糖尿病
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糖新生とは?ケトン体利用は?
こんにちは。

今日は、梅雨とは思えないような、爽やかな一日でした。

たなびく白い雲と青空、風に揺れる木々の新緑、池に戯れる鯉の群などを眺めながら、気持ちも晴れやかですね。 (^_^)

ところで、昨日のレアチーズケーキですが、1個60gのものを丸ごと一個ですので・・・。

もっと大きいクリスマスケーキのようなものを連想させたみたいで…。すいません。

食前血糖値97mg、1時間後104mg、2時間後95mgでした。

さて今回は、迷える羊さんからコメント・質問いただきました。

『いつも良く読ませてもらっており、目から鱗なことばかりで非常に恐縮しております
色々とブログを読ませてもらってますが、ひとつ腑に落ちないことがあります
1)ケトン体をそのまま細胞が利用する
2)脂質、タンパク質を肝臓で分解して新生糖を作る

これらの現象はまったく別と考えていいのでしょうか?
飲酒が結果的に血糖値を下げたり、もしくは血糖が少ないとケトン体をを利用するのと、混同してしまいややこしくて仕方ありません
どうか、明確なお答えをお願いします  m(__)m

2008/06/09(月) 12:40:03 | URL | 迷える羊』

迷える羊さん。

肝臓糖新生は、ブドウ糖を新しく作ることを指していますので、ご指摘の如く
<脂肪酸-ケトン体>のエネルギーシステムとは全く違います。

また、肝臓における<糖新生>と<グリコーゲン分解>も別の概念です。
 
摂食時には、消化管から吸収されたブドウ糖は、まず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。

食物吸収が終わった直後は、血糖値を維持するために、肝臓グリコーゲンが分解されてブドウ糖になり、循環血液中に入ります。

一方、空腹時や絶食時など、数時間以上食事からのブドウ糖供給がない場合に、肝臓で乳酸やアミノ酸(タンパク質の分解物)やグリセロール(中性脂肪の分解産物)からブドウ糖が合成されますが、このことを糖新生と呼んでいます。

即ち、絶食時間が数時間以上になってくると、血糖値維持システムは、グリコーゲン分解から糖新生に置き換わるわけです。

このように、肝臓は、ブドウ糖を取り込んだり、必要に応じてグリコーゲンを分解したり、ブドウ糖を新しく作ったり、放出したりと血糖調節システムにおいて、大変重要な働きをしています。

それから、空腹時や安静時には、骨格筋や心筋など多くの体細胞のエネルギー源は、血糖値維持のため、脂肪酸-ケトン体のエネルギーシステムが主となり、ブドウ糖はほとんど使いません。

空腹時・安静時にもブドウ糖をエネルギー源として利用しているのは、脳や赤血球などです。赤血球はブドウ糖しか使えませんが、脳は脂肪酸の分解産物のケトン体もエネルギー源として使います。

空腹時・安静時は、肝臓で中性脂肪を脂肪酸に分解し、さらにケトン体に分解します。肝臓では、一部脂肪酸を自分で利用しますが、ケトン体は利用せず他の組織のエネルギー源として供給します。

肝細胞はケトン体は利用しませんが、ブドウ糖も利用しますので、エネルギー源は確保しています。肝細胞はミトコンドリア(エネルギー生産工場)を豊富にもっていて、大変働き者の臓器ですがエネルギー生産能力も高いのです。

なお、人体のエネルギー源に関しては、
本ブログのカテゴリー、「人体のエネルギーシステム」の6つのブログをご参照ください。

江部康二
テーマ:糖尿病
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糖質制限食講演会・東京・なかの芸能小劇場 感想
おはようございます。

今朝は、菓子職人さんの新作「糖質制限なレアチーズケーキ」を丸ごと一個試食して、血糖測定しました。

食前空腹時血糖値97mg
食後1時間血糖値104mg

7mgしか血糖値上昇がなくて大成功です。ヽ(*`▽´)ノ

さて今回は、GUMI さんから、糖質制限食講演会・東京・なかの芸能小劇場の感想や嬉しいコメントをいただきました。


『ありがとうございました

以前、ゴーヤの質問に回答をいただきましたGUMIと申します。後援会は1列目の真ん中で主人と一緒に拝聴させていただきました。お礼を一言、直に申し上げたかったのですが、講演会終了後はたくさんの方が並んでらっしゃったので、お礼だけでお時間を奪っては申し訳ないと思い、そのまま帰りました。

昨年12月に血糖値260、HbA1c9.8で糖尿人化していることが発覚した主人ですが、2月から糖質制限及び糖質管理を始めて、5月初めにはA1c5.7になりました。そのほかHDL↑、LDL↓、中性脂肪値↓など全て正常です。(^^)v 

後援会、読書はぼちぼちな主人(-_-;)は生のお話をとても楽しんだ&お話が身に沁みこんだようで「2時間、あっと言う間だった」とのことで、そして先生の著書を何度も読み返している私も楽しく伺いました。

糖尿人化発覚後の最初の2ヶ月、カロリー制限で食事していて血糖値が上がる一方で焦燥感にかられていたことを思い出すと、早い段階で糖質制限に出会えて本当に運がよかったと思います。
次のレシピ本も楽しみにしておりますので頑張ってください。楽しみにしております(^^)

2008/06/02(月) 08:17:56 | URL | GUMI 』


GUMI さん。
講演会参加、そしてコメント・感想ありがとうございます。

「昨年12月に血糖値260、HbA1c9.8で糖尿人化していることが発覚した主人ですが、2月から糖質制限及び糖質管理を始めて、5月初めにはA1c5.7になりました。そのほかHDL↑、LDL↓、中性脂肪値↓など全て正常です。(^^)v」

HbA1c9.8%→5.7%
ご主人素晴らしい改善ですね。今や正常範囲ではないですか!! 
おめでとうございます。 (^-^)v(^-^)v 

「2時間、あっと言う間だった」

ありがとうございます。できるだけわかりやすいお話しをと目指しているので、とても嬉しいコメントですね。 (^_^)

「糖尿人化発覚後の最初の2ヶ月、カロリー制限で食事していて血糖値が上がる一方で焦燥感にかられていたことを思い出すと、早い段階で糖質制限に出会えて本当に運がよかったと思います。」

そうですね。私自身も糖質制限食にたどり着いたことは、とてもラッキーでした。どんなに厳しくカロリー制限しても、お酒も飲まずひもじい思いをして頑張っても、糖質を摂取する限りは100%食後高血糖が生じて、血管内皮が傷害され動脈硬化のリスクとなります。
 
糖質制限食なら肉も魚も食べ放題で、蒸留酒や赤ワインなら適量OK、しかも食後高血糖は起こりません。糖質制限食とカロリー制限食とでは、食生活の楽しみ・満足度、将来の合併症のリスクが全然違いますので、人生そのものが違ってきます。

<諸悪の根源は脂肪>という常識を覆して、医学界にカロリー制限食が清くも正しくもないことを認めていただけるのは、いったいいつの日になるのでしょうか? ∩(*_*)∩

ともあれ、
清く正しく?? (*_*) 「カロリー制限食」よりも、
断然、美味しく楽しく 「糖質制限食」ですね。(>^O^)>☆


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食で血糖値改善、減量成功
おはようございます。

昨日は、高雄病院京都駅前診療所の外来でした。5月頃から続いている修学旅行生の団体の猛威に悪戦苦闘中です。

朝、車をとめようと思ったら、いつもの駐車場にはタクシーが100台くらい並んでるし、道路には観光バスが数台連なって駐車してるし、渋滞するは、交差点は人波で溢れるは・・・。

観光京都の駅前一般市民、結構大変な5月、6月です。 (*_*)

さて今回は、ちゃたさんから、嬉しいコメントをいただきました。

スーパー糖質制限食。途中経過です。
5月5日『運転手さんと糖質制限』にてご指導いただきました ちゃたです。
どうもありがとうございました。
御礼を申し上げるのが遅くなってしまいましたことお許し下さい。

主人は私の絶好調ぶりを見て夕食は糖質制限食にすると 言っています。

私自身は『主食を抜けば糖尿病はよくなる実践編』を購入し 4月20日からスーパー糖質制限食を実行しています。40日間で 空腹時血糖値 265→平均135(1度 104を出しました^^)
食後2時間血糖値は150~160ほどです。 体重は 7キロ減となりました。 体調はすこぶる良いです。

江部先生、本当にありがとうございました。
またご報告に伺います。

2008/05/30(金) 11:38:00 | URL | ちゃた』


ちゃたさん。

「主食を抜けば糖尿病はよくなる実践編」ご購入ありがとうございます。

また、スーパー糖質制限食を40日間実践で

「空腹時血糖値 265→平均135(1度 104を出しました^^)
食後2時間血糖値は150~160ほどです。
体重は 7キロ減となりました。」


血糖値と体重、見事な改善おめでとうございます。(⌒o⌒)v

食後2時間血糖値は、140~199mgの境界型レベルまで改善で、しかも180mg未満なので、食後高血糖による合併症の進行のリスクもほとんどないですね。

また、空腹時血糖値も著明な改善です。平均135mgと140mg未満なので、第一目標クリアです。次は、126mg未満の境界型レベルの改善を目指し、さらに110mg未満の正常域をめざしましょう。

一回104mgがでているので、スーパー糖質制限食を続けていれば、膵臓β細胞がしっかり休養できて、疲弊していたのが回復してくれて、平均110mg未満も夢ではありませんね。

運転手さんのご主人も、まずは、夕食だけでも主食抜きのプチ糖質制限食から開始されて、可能な範囲で朝食や昼食にも広げていけばいいです。

ご夫婦で美味しく楽しく糖質制限食を続けてくださいね。(∩_∩)v


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人体のエネルギーシステム その二 改定
こんにちは。

今日も夕方からいきなり日が射してきて、梅雨の晴れ間です。

2007年4月26日のブログで「人体のエネルギーシステム その二」として、「ブドウ糖-グリコーゲン」 「脂肪酸-ケトン体」 のエネルギーシステムの役割を考えてみました。

その後、調べ直して一部改定が必要となりました。「ブドウ糖-グリコーゲンシステム」の「3」が改定の対象となりました。


下記が改訂版です。

人体のエネルギーシステム その二 改定

Ⅰ ブドウ糖-グリコーゲンのエネルギーシステムの役割

1、自動車に例えるならターボエンジン。
  緊急事態(闘争、逃走、狩り・・・)などで筋肉が収縮した時のシステム。

2、糖質を摂取して血糖値が上昇しインスリンが追加分泌されたときのシステム。

3、赤血球のエネルギー源→赤血球はミトコンドリアがなくブドウ糖しかエネルギー源として利用でき  ないので、最低源の血糖値は絶対に必要。
  胎児の血糖値は40mgで、それが赤血球の生命維持に必要な最低限の血糖値と考えられます。

4、脳や赤血球は安静時にもブドウ糖を利用。(脳はケトン体も利用できる)


Ⅱ 脂肪酸-ケトン体のエネルギーシステムの役割

安静時や軽い運動時は、心筋・骨格筋など体細胞の多くは脂肪酸-ケトン体をエネルギー源としています。人体を自動車に例えれば、ガソリンの代わりは脂肪なのです。

 
人体に蓄積されているエネルギーとして脂肪とグリコーゲン(ブドウ糖の集合体)がありますが、例えば体重50kgで体脂肪率20%の普通の人で脂肪の蓄積としては10kgで9万Kcal、グリコーゲンは約250gで1000kcalであり、圧倒的に脂肪の蓄積が多いのです。

備蓄グリコーゲン(肝臓・筋肉内)は本気で運動したら1,2時間で枯渇してしまいます。このことを考えれば心臓の筋肉の主要エネルギー源が脂肪なのは納得がいきます。

もし、ブドウ糖中心にエネルギー源として心臓が動いていたら、夜中寝ている時にエネルギーが切れて止まりかねません。

このように、備蓄エネルギーを考慮すれば、人類は、日常的には脂肪を燃やして生活し、いざ激しい動きをする時などに、非常用としてブドウ糖を利用していたことがわかります。
 
人体は、ブドウ糖-グリコーゲンのシステムと脂肪酸-ケトン体のシステムを巧みに使い分けて、400万年生きてきました。

しかし、農耕開始以後、特に穀物精製技術が開発されて以降は、やたらにブドウ糖システムばかり稼働させて、膵臓に異常な負担を強いているのが文明国の食生活の現状なのです。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食講演会in大阪のご案内
こんにちは。週一テニス帰りの江部康二です。

スポーツと言えば、昨夜は、娘夫婦と男子バレーボールの試合を見ていて、年甲斐もなく興奮しました。

感動しました。涙が出ました。ブルゴーニュが1本空きました。ついでに芋焼酎も飲みました。

おめでとう。全日本男子バレーボールチーム!! (^-^)∠※JAPAN!

さて、大阪の皆さん、お待たせしました。糖質制限食・大阪講演会を7月13日(日)に開催します。

これまで、神戸、京都、東京、札幌、名古屋、東京と糖質制限食講演会を行ってきましたが、どの会場も満員御礼で、熱気あふれる状況でした。

6月4日、水曜日の「おはよう朝日です」もしっかりした内容で、約10分間、「糖質制限食と糖尿病」の特集をしていただき、本ブログのアクセスも3800件を超えて、嬉しい追い風となっています。

追い風を受けて地元関西圏で講演をということで、大阪では初の講演会の開催となりました。

名古屋講演会、東京講演会では、公共の施設ということもあって、食材の販売ができませんでしたが、今回は会場にホテルを借りることができましたので、糖質制限食食材メーカーの皆様にご協賛いただきまして、盛大に試食&販売を行います。


五十音順にご紹介致しますと

地元大阪代表、ウエダ食品さん。今回も蒟蒻麺シリーズの販売&試食でご参加いただきます。

京都洛北鞍馬寺御用達 尾崎食品さん。寒天じゅれなど今回も、試食&販売をして下さいます。

京都西院「菓子職人」の稲井社長もご参加、新作の「低糖質生チョコレート」と「低糖質チーズケーキ」をお披露目して下さいます。

「ラカントS」のサラヤさんも、神戸、京都、東京に引き続きご参加下さいます。

「南禅寺豆腐」の、大本山 京都南禅寺御用達 服部食品さんも、京都講演会に引き続きご参加下さいます。

砂糖、小麦粉不使用、大豆粉使用の和菓子、『大豆庵甘果』ですっかりおなじみの、京和菓子処 布袋餅菓舗さんも、新商品を引っさげて試食&販売して下さいます。

ローカーボふすまパンを作ってくださってます、“手作りパン教室 パンの耳”さんもご参加くださいます。

内容盛りだくさんの大阪講演会、
大阪の糖尿人・メタボ人の皆さん、是非奮ってご参加くださいね。


以下、詳細です。

日時  2008年7月13日(日)
      
場所  大阪リバーサイドホテル
     〒534-0027
      大阪府大阪市都島区中野町5-12-30
      TEL.06-6928-3251  
      FAX.06-6928-3260

プログラム

12:30  開場 協賛各社様試食販売
13:30  第一部開演
14:15  休憩、協賛各社様試食販売
14:45  第二部開演
15:30  講演終了

   
定員 100名 (先着順)

参加費 1000円 (当日会場にてお支払い下さい)

お電話・FAX・パソコンからお申し込み頂けます。

お電話でのお申し込み
075-873-2170

FAXでのお申し込み
075-873-2270

E-mailでのお申し込み
takaoclub@ktk-kyoto.jp

お問い合わせは、

京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-873-2270
E-mail takaoclub@ktk-kyoto.jp

営業時間は、8:45から17:00(くらい)
お休みは土・日・祝です。

席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。後ほど掛け直させていただきます

お席に限りがございますので、お早めにご予約下さいね。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
血糖自己測定器の誤差・実験
こんにちは。今日は、梅雨の晴れ間の一日です。

さて今回は、xiangdao さんが、病院の大きな機械による血糖値と、簡易血糖自己測定器の誤差に関して、ご自分とお姉さんで実験してくださり、コメントをいただきした。

『自己血糖測定器の誤差実験の結果です。

本日午後から、高雄病院の受診予約の日でした。
江部先生、看護師さんのご協力により、自己血糖測定器の誤差実験をさせていただきました。
ご協力有難うございました。

実験に使用した測定器は、次の2種類です。
私の物(A)=バイエルメディカル、アセンシアブリオ
姉の物(B)=ニプロ、フリースタイルフリーダム

実験結果は次の通りです。

私の結果(食後60分、推定カーボ量35g)
病院での血液検査の血糖値       129
同じ血液での測定器の血糖値   (A)178   (B)158
指先から採取、 測定器の血糖値 (A)160   (B)160
HbA1c 5.0 

姉の結果(食後30分、推定カーボ量20g)
病院での血液検査の血糖値       154
同じ血液での測定器の血糖値   (A)214   (B)198
指先から採取、 測定器の血糖値 (A)187   (B)206
HbA1c 5.4

以上です。

測定器(A)と(B)との最大誤差は、20でした。2人とも測定器の数値の方が高く出ており、最大誤差は、60でした。

こんなに誤差が出るものなのですね。 驚きと共に、今後測定器の数値が高くても、まだ大丈夫と油断しそうです。 

2008/06/05(木) 16:39:24 | URL | xiangdao 』


xiangdaoさん。とても参考になるデータをコメントしていただきありがとうございます。お姉さんもありがとうございました。

まず、メーカーの違いにより、最大20mgの差がありました。なおかつ、同一の血液でいつもAが高くでるということはなく、Bが高く出るときもありました。結構ばらつくということですね。ただ、簡易血糖自己測定器同士の誤差は、20mg以下でおさまっています。


一方、病院の機械による血糖値と血糖自己測定器の比較では、簡易血糖自己測定器のほうが、30~60mg高値となっています。

6.2ブログでとりあげた、みずえさんのデータも、簡易血糖自己測定器のほうが、病院のものより、40~50mg高値となっておりxiangdaoさんの実験とほぼ同様です。

高雄病院の入院患者さんの場合も、同様のデータでした。 三名のご協力で貴重なデータが収集できました。

勿論、もっとたくさんの人数でデータを集めないと、統計的な優位差はでないので、結論は出せないのですが、傾向は確認できたと思います。

確認された傾向

1 簡易血糖自己測定器同士でも若干の差はあるが、20mgくらいまででおさまる。

2 簡易血糖自己測定器のほうが、病院の機械より高値となる。

その誤差は、食後血糖値なら(10)~30~60mg、空腹時血糖値なら10~20mg

文献的には、血糖自己測定器の誤差はかなり減ったとされていましたが、現実のデータをみると、上述ていどの誤差はあるようです。

三名の方のどの簡易測定器も、似たような誤差ですので、みずえさんの測定器の問題ではないようですのでご安心?ください。

おおいに役に立つ血糖自己測定器ですが、簡易ゆえの精度の限界もあるようですね。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
ごく少量の糖質摂取で3時間後血糖値20mg低下
おはようございます。本日も梅雨らしい一日となりそうです。

さて今回は、でぃあべーちゃさんから、6月3日のパンダさんのコメントに続き「食べた方が血糖値が下がる」という、とても興味深い報告・コメントをいただきました。


『食べた方が下がる、と言えば、 最近相方はすっかり調子に乗っています。
血糖値は常に100~110前後、夕方に少し血糖値を下げようかって、 蜂蜜100%飴を1つ舐めているようです。 そうして夕食前に80台を狙って出しています。
つまり、下げるために蜂蜜飴を1つ食べる、そうすると3時間後ぐらいに 20下がる、みたいなことを体得したらしいのです。
まあ、糖質が体内に入ってきたことで第1相のインスリンが飴1個分より余計に出てるから、下がるんだと思われますが。
日中同じものをとっても、時間帯によって分泌するインスリンの量が 違っているみたいで、しかも個人差がどうも大きいようです。

2008/06/04(水) 10:40:34 | URL | でぃあべーちゃ』


でぃあべーちゃさん。相方さんの貴重な体験報告ありがとうございます。

早朝空腹時血糖値が160mg~180mg/dlもあって、なかなか改善しない期間があったことを思えば、100~110mg前後とは、ほぼ正常値ではないですか。

糖質制限食を継続されて、インスリン基礎分泌がしっかり回復したのでしょう。よかったですね。(*⌒ー⌒)ο∠☆:

「2008年5月の検査でHbA1cが6.0%」

この調子なら6月の検査ではHbA1cは5%台間違いないでしょう。2007年12月が11.1%だったことを思えば、奇跡的な改善です。糖質制限食をきっちり実践されている証拠ですね。


「蜂蜜飴を1つ食べると3時間後ぐらいに20mg血糖値が下がることを体得」

これは私も全く知りませんでした。とても興味深いです。

仰る通り、ごく少量の糖質(蜂蜜飴1個)摂取により、追加分泌第1相のインスリンがしっかり分泌されたのでしょう。

追加分泌第一相のインスリンは、あらかじめβ細胞内にプールされているのが、血糖値の上昇を感知して即分泌されます。

このプールされていた量が、飴1個分より余計に出て、相方さんの血糖値が、3時間後に20mg下がったのでしょう。でぃあべーちゃ理論に私も賛成です。 一日一回だけ使える裏技という感じですね。一日に何回もやると、やはりβ細胞に負担がかかります。

また、仰るとおり個人差もあるので、万人向けというわけにはいかないですが、相方さんにおいては大成功ですね。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
痩せ型の糖尿病食事療法
こんにちは。今朝の「おはよう朝日」そこそこ出番がありましたね。 (^_^)

糖質制限食の普及にかなり役だってくれそうです。

さて今回は、あきさんから痩せ型の糖尿病食事療法について質問・コメントをいただきました。


『痩せ型の食事療法について
江部先生、はじめまして。
私は糖尿病初心者で、このブロクで勉強させていただいています。

私はたまたま食後におこなった検診で、血糖値が200あり、その後のブドウ糖の負荷試験で、空腹時は100、1時間後が230、2時間後が200でした。
もともといくら食べても太らず、指摘されたときも、160cm、45kgでした。Ⅱ型で合併症もありません。それまでは、アルコール、甘いもの、食事すべて、多めだったと思います。
医師は、痩せているので、まずは間食をやめて、食事は少し減らす程度で、とのことでした。そしてセイブルの内服を開始しています。

私としても、これ以上痩せずに血糖値を安定させたいのですが、一般の糖質を含んだ糖尿病の食事療法で、自己判断で1500から1600kcalにして間食、アルコールはとっていませんが、食後1時間の血糖値は140から200くらいです。しかし、体重は約1ヶ月で2kgほど減ってしまいました。

私のような痩せ型の場合にも、糖質制限は良いのでしょうか?また、どの程度のカロリーをとったら良いのでしょうか?ぜひ、ご教授いただけたらと思います。

2008/06/01(日) 03:08:17 | URL | あき』


あきさん。コメントありがとうございます。

あきさんも軽症とはいえ糖尿病ですから、もちろん糖質制限食の適応となりますよ。

糖質を摂取するカロリー制限食だと、どんなに努力しても100%食後高血糖になります。糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素のうち、糖質だけが血糖値を急峻に上昇させます。

一糖尿人として言わせてもらうなら、食後高血糖が重要な問題になっている現在、現行の糖質たっぷりのカロリー制限食は、生理学的見地からも糖尿病治療食としてはいかがなものかと思います。 (*_*)

セイブルは、グルコバイベイスンと同様にデンプンの分解をゆっくりさせて、食後高血糖を改善するくすりです。疲れた膵臓をむち打つタイプの薬ではないので、初期の糖尿病には、第一選択として良いと思いますが、効果はぼちぼちです。

それから、一日の総摂取カロリーは、1500~1600キロカロリーでよいですが、糖質制限食で1600キロカロリーを摂ろうと思うとそこそこの量となりますので、少食タイプの方は、食べきれないことがあります。

高雄病院入院中の糖尿病患者さんでも、一回の糖質制限食500キロカロリーを、ご高齢で少食の場合、9割摂取とか8割摂取のことがあります。

そうすると結果として低カロリーになるので「糖質制限食を実践して血糖値は改善したけれど、痩せてきて力が入らない」といった状況となります。

従って、もともと少食のタイプでは、カロリー不足対策が必要です。このような場合は間食の出番です。糖質制限食OKな食材なら、間食もOKなのです。

具体的には、間食としてナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ・・・)を20粒程度なら糖質が約3~5gですので、一日に2~3回は大丈夫です。(1gの糖質が約3g、2型糖尿人の血糖値を上昇させます。)

ナッツ類のなかで、gあたりの糖質含有量が特に少ないのは、くるみ、松の実、カボチャの種で、100gあたり5g以下です。

それと、糖質制限食でやせて力が入らないという人には、通常糖尿人には奨めないのですが、敢えて果物がお奨めです。

アボカドは、100g(1個)あたりの糖質含有量が0.9gと圧倒的に少ないので糖尿人にもOKで、とてもいいですね。

その他、それぞれ100gあたり糖質10g以下の果物は、いちご7粒、パパイア1/2個、グレープフルーツ1/4個、夏みかん1/4個、はっさく1/3個、メロン1/8個、もも2/3個などです。

果物に含まれる糖質は、「果糖・ショ糖・ブドウ糖」です。このうちメインの果糖は、血糖値をほとんど上昇させないので上記ていどの量なら食後高血糖にはなりにくいですが、カロリーはありますので体重は増えます。

それから「糖質制限ドットコム」http://www.toushitsuseigen.com/「寒天じゅれ」さっぱりして清涼感がある夏向きのスイーツですが、もちろん血糖値は上げませんのでお奨めですね。

なお、アルコールそのものは血糖値を上昇させませんので、糖質の含まれていない蒸留酒や、糖質ゼロの発泡酒は糖質制限食OK食品です。醸造酒の中では唯一赤ワインだけは、なぜか血糖値を上げませんのでOKです。

食事療法は長く続けることが大事なので、お酒も含めて美味しく楽しく糖質制限食を目指してくださいね。(*^-^*)


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
食べると血糖値が下がる?
おはようございます。

昨日から雨が降り続いています。今朝の新聞をみたら、近畿も梅雨入りだそうです。

私は、傘はたいてい何処かで忘れて失くしてくるので、ここんとこ100円傘しか持たしてもらえませんでした。 (*_*)

しかし、以前東京で講演したとき、リボーンの曽我部さんに、ユニクロの500円の折りたたみ傘を貸してもらいました。軽くて折りたためるので、持ち運びが便利でとても重宝でした。

勿論、この傘も失くしてしまってた(曽我部さん、すいません)のですが、早速ユニクロにいって、2本1000円で購入してきました。

軽くて便利と高雄病院京都駅前診療所の看護師さんに自慢したら、彼女も既にもってました。(= ̄▽ ̄=)

さて今回は、パンダさんから食べると血糖値が下がるという、不思議なコメントをいただきました。

『食べると血糖値が下がる不思議な毎日。
前略 江部先生♪はじめまして!お酒命なパンダと申します♪
昨年の11月に血糖値585mg、A1C8.2と立派な糖尿病である事が発覚し、先生のお酒はOKとのフレーズのご本に一目惚れしまして♪3ヵ月間、糖質制限をなんのストレスも無く続けた結果、血糖値100mg、A1C5.1 中性脂肪.コレステロール.γGTPなどすべて正常値にまで改善する事が出来ました♪
半年経った今現在も維持出来ており、私の中では1000拍手ものです!本当に、本当にありがとうございます♪
さて、そんな中 最近ちょっと気になっている事があるのですが、聞いて頂けますでしょうか?
なぜか、空腹時血糖値より食後血糖値の方がグンと下がるのです。
空腹時が100~120mgなのに食事をすると90~110mgとなるのです。
食後運動をする前にこの数値がでます。
私の1日の生活サイクルは、当然 スーパー糖質制限食で、朝食抜き、早朝ウォーキング40分、お昼にプール40分、寝る前にエアバイク50分、夜はたっぷり♪居酒屋風.糖質制限メニュー&焼酎でエンジョイしています♪ちなみに、1日の糖質摂取量を計算したのですが、約20~30?でした。
食事をすると血糖値が下がる不思議を、どうか教えて下さいませ(^人^)
宜しくお願いいたします☆

2008/05/29(木) 22:06:48』


パンダさん。貴重な体験データご教示、そして本のご購入ありがとうございます。

「2007年11月 血糖値585mg、A1C8.2 糖質制限食実践3ヶ月後 血糖値100mg、A1C5.1」

素晴らしい改善ですね。担当医もさぞかしびっくりされたことでしょう。おめでとうございます。(⌒o⌒)v

スーパー糖質制限食により膵臓のβ細胞が充分休養できて、インスリン基礎分泌がほぼ回復し、追加分泌もしっかり確保されているのでしょう。

「なぜか、空腹時血糖値より食後血糖値の方がグンと下がるのです。 空腹時が100~120mgなのに食事をすると90~110mgとなるのです。」

これは興味深いデータで、一見不思議ですね。パンダさんは朝食抜きの一日二食で、一回あたりの糖質摂取量が10gです。

すると、1gの糖質が2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させるので、30mgくらいは食後の血糖値が上昇するのが普通ですよね。

<朝食抜きで早朝ウォーキング40分>

このパンダさんの、他の多くの糖尿人とは異なるライフスタイルに、不思議を解く鍵がありそうです。

筋収縮によるインスリンに無関係なGLUT4トランスロケーション(筋肉細胞の糖輸送体が細胞表面に出てきて血糖を取り込みやすくなる)は、通常は運動終了後2~3時間経過すると消失します。

しかし、骨格筋は運動によって消費した筋グリコーゲンを回復させるために、その後も活発に血糖を取り込み続ける必要があります。

そのため運動終了後、2~3時間経過した後も、活動していた筋においてはインスリン感受性が亢進していて、一定量のインスリン刺激に対して、いつもよりたくさんのGLUT4トランスロケーションして、血糖を取り込んでグリコーゲンに変えます。

パンダさんが昼食を摂取したとき、インスリン追加分泌の初期相がリアルタイムに出て血糖値を即下げようとするのですが、早朝ウォーキングの持続効果で、筋肉のインスリン感受性が亢進していて速やかに血糖値をとりこんだ結果、食後血糖値が空腹時より低くなったのでしょうか?。

これはあくまでも私の仮説ですし、運動の効果は個人差もあり、全ての糖尿人にあてはまるとは思いませんが、一応不思議な現象の理由を考えてみました。

パンダさん、美味しく楽しく糖質制限食をお続けください。
焼酎は適量で・・・そこんとこよろしくお願いしますね。(* ̄▽ ̄)

☆☆☆
6月4日、水曜日の「おはよう朝日です」に3~4分<糖尿病糖質制限食>でVTR出演します。
時間がある方は是非見てくださいね。午前7時35分頃です。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
血糖自己測定器の誤差
こんばんは。

昼から雨がしとしと降っています。沖縄・奄美や九州南部、四国が梅雨入りしたそうですね。

さて今回は、血糖自己測定器に関して、みずえさんからコメント・質問をいただきました。


『自己測定の誤差
先日は糖尿病は治る?境界型は治る?でお世話になりました。
ありがとうございました。

再び、ご教授いただきたいことがあります。
自己測定器の誤差についてです。
5/15の記事を拝見し、10程度しか誤差はないということでしたが私の検査結果が理解できないほどの誤差がありました。

病院では採血後、お小水をとるシステムになっているため 看護婦さんに採血してもらったらトイレで自己測定をしていました。 時間にして1-2分も違わないと思います。

病院での結果(自己測定結果)の順に記します。
空腹時血糖 101(116)
30分   133(184)
60分   135(175)
120分  98(148)

こんなに違いがあるとどちらを信じていいものやら・・・
半年前と比べ、HbA1cが少し高くなっていたので 悪いほうを信じて、コントロールをしていこうとは思っていますが。

これだけ差が出る原因は何だと考えられますか?

**************************
最初は家族に糖質制限食の理解が得られませんでしたが
自己測定してみせると納得して、今ではすっかり受け入れてもらえました。
ただ、野菜=オールOKととられていたり、春雨はOKと思われていたり。
先生の本を読んでね~といつもダイニングテーブルに載せています。

2008/05/23(金) 21:27:13 | URL | みずえ』


みずえさん。コメントそして本のご購入ありがとうございます。

血糖自己測定(SMBG)器、メーカーの建前的には誤差は、10mgていどということになっていますが、実はもう少しあるようです。

病院の器械による血糖測定は静脈の血液の血漿成分の血糖値です。一方、SMBGでは、指先の穿刺による毛細血管全血で、動脈血血漿の血糖値です。

動脈から静脈に流れるにしたがって、筋組織などにブドウ糖を供給していくので、消費されて血糖値は少しずつ低くなっていきます。通常、特に食後においては動脈血は静脈血より10~20mg血糖値が高いとされています。

「空腹時血糖 101(116)
  30分   133(184)
  60分   135(175)
  120分  98(148)」


みずえさんのデータでも、早朝空腹時血糖値の誤差は比較的少ないですね。食後血糖値に関しては、40~50mgの差があるので、理論値より倍ぐらい高値です。

高雄病院の入院患者さんが採血されたとき、SMBGを持っておられたら、比較することがあります。
誤差は10~20mgていどまでのことも多いですが、やはり食後の血糖値では、40~60mgの差があることがあります。

高雄病院の経験による私見ですが、早朝空腹時血糖値は、メーカーのいうとおり誤差は10mgていどですむ可能性が高いですが、食後血糖値は、10~60mgの誤差が現実に生じるケースがあるということになります。

誤差の原因ははっきりしませんが、やはり病院の大きな器械に比べて、簡易測定器における精度の限界ということもあるのでしょう。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
奇跡的耐糖能回復と糖質制限食
こんばんは。

6月1日、日曜日、東京・中野・糖質制限食講演会、100人定員で95名の参加者があり、満員の盛況で熱気あふれる会となりました。

ブログを見て参加していただいた方がたくさんきておられました。この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

講演終了後も質問が後を絶たず、参加していただいた皆さんの熱い思いを感じました。糖質制限食の普及、この勢いだとそろそろ夜明けかもしれませんね。

さて今回は、みらさんから奇跡的耐糖能回復のコメント・質問をいただきました。


『こんにちわ。こちらの糖質制限を知ってから、本当に奇跡のような 体験をさせていただいてます。
旦那が4ヶ月前、HbA1c10、5%とすごい数値を たたき出してしまい、見事2型糖尿病と診断されてしまいました。

カロリー制限しつつ投薬するという矛盾が気にかかり、こちらを 見つけ実践してきたわけですが、先日の検査で 見事、HbA1c5.2%までさがり、先生ともども本当にビックリ したそうです。糖質制限開始1週間では、早朝空腹時血糖140もあり、かなりβ細胞がやられてるんだな~・・とショックでしたが、
5ヶ月経った今では早朝空腹時90~100くらいまでに なっています。(ただし、寝る前にかならず焼酎を3杯ほど飲んでいますが)

体調もかなりよくなり、たまには・・ということで、 今月2回ほど、寿司と、蕎麦を食べに行きました。
ちょっと調子に乗りすぎた感はいなめませんが、 1回目の寿司の時、(たっぷり食べました)
食後1時間後??さだかじゃなくてすみません; にはかると、137でした。その後2時間ほどで100まで自動的に落ちました。蕎麦の場合も同じで、糖質を食べても140超えることはありませんでした。

これは、β細胞が思いのほか破壊されていなくて、すい臓を充分に 休ませたことから、治りつつある・・?と思ってもいいのでしょうか??
糖質をとると、糖尿病の人の場合、やはり血糖値はぐーんと上がると 思ってましたので、この数値だとかなり正常な数値に思えるのですが・・
こういうケースは結構あるのでしょうか??
返事をいただけたらうれしいです。

2008/05/23(金) 19:33:42 | URL | みら 』


みらさん。嬉しいコメントありがとうございます。

「1月、HbA1c10、5% 糖質制限食実践で、5月、HbA1c5.2%」

そうですね。通常のカロリー制限食ではありえない劇的改善ですから、担当医もさぞかしビックリされたことでしょう。w(゚o゚)w

「糖質制限開始1週間では、早朝空腹時血糖140mg、 5ヶ月経った今では早朝空腹時90~100mg」

早朝空腹時血糖値は、糖質制限食開始1週間ではさすがに、正常にはなりませんでしたね。でも五ヶ月継続して90~100mg/dlなら、完全に正常値です。

仰る通り、膵臓のβ細胞が5ヶ月間の糖質制限食でかなり回復して、正常な量のインスリン基礎分泌が確保できたのでしょう。

「5月に寿司をたっぷり食べて、約1時間後137mg、2時間で100mg、蕎麦の場合も同じで、糖質を食べても140mgを超えることはありませんでした。」

この事実は、インスリンの追加分泌も正常に近く確保されている証拠ですね。素晴らしいことです。(^o^)v

糖尿病は、インスリンの分泌不足とインスリン抵抗性インスリンの効きが悪くなる)が合わさって発症します。

もし、1月時点ではかなりの肥満があって、糖質制限食で減量に成功しておられるなら、肥満改善によるインスリン抵抗性の減少も寄与しているかもしれません。

一旦HbA1c:10.5%までになっておられますので、β細胞が100%残っているとは考えにくいのですが、9割以上のβ細胞が元気に回復しているのでしょう。

いずれにせよ、現時点では、インスリン分泌能力もインスリン抵抗性も、限りなく正常ということは確かです。

江部康二の場合は、HbA1c:5.2%ていどで、糖質制限食を実践する限りは血糖値も正常人です。しかし、普通に主食を食べれば食後血糖値は200mgを超え糖尿人です。多くの2型糖尿人が、私と同様のパターンだと思います。

みらさんの旦那さんほどのインスリン分泌能、そして耐糖能の回復がみられる糖尿人はありえますが、さすがにそんなに多くはないと思います。

糖尿病の罹患期間が比較的短くて、回復不能のダメージを被ったβ細胞が少なかったのが、これだけの好結果になったのでしょう。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット