2008年03月27日 (木) | 編集 |
こんばんは。
今日は、午後の外来終了後、雑誌の取材がありました。私の写真も糖質制限ドットコムのスイーツも写真も撮って頂きました。
また情報公開OKとなったら、詳細をお知らせしますね。朝から晩まで結構忙しかったです。
さて今回は、さくらさんから慢性胆嚢炎と 糖質制限食にかんするコメント・質問をいただきました。
『慢性胆嚢炎を抱えての糖質制限食について
何時も江部先生のブログを拝見し、希望と勇気、そして糖尿病の知識をいただいております。ありがとうございます。
さて、私事で恐縮ですが、江部先生に是非お尋ねしたい問題が生じましたので、勝手ながらご相談させていただきます。
私は糖尿病歴約15年ほどの58歳の男子です。平成17年4月から平成19年12月まで経口薬アマリール半錠を服用して、血糖値をコントロールをして来ましたが、同年12月8日の定期検査時に、今後はインスリン治療に切り替えると言われました。しかし、インスリン治療はどうしても回避したいため、12月15日から、スーパー糖質制限食を開始しました。おかげさまで、その後の血糖値は超優良の数値で推移しております。
ところが、先日の3月15日に、約3年ぶりに持病の慢性胆嚢炎の激しい発作に襲われました。この胆嚢炎も手術を避け、3年前から民間療法の「ひまし油」療法(軽い痛みが出た時)で治療してきました。
今回の激しい発作は、3ヶ月間の脂質を主とした糖質制限食が原因ではないかと思っております。
私としては、今後も糖質制限食を継続したいのですが、慢性胆嚢炎ですので、これまでのような脂質を主とした食事が出来ません。
そのため、たんぱく質を主とする食事にする必要がありますが、たんぱく質は、糖質や脂質のようなエネルギー源にはならないようですので、食事内容がどうすれば良いのか、思い悩んでおります。
つきましては、慢性胆嚢炎を抱えての、糖質制限食をどのようにすれば良いかをご教授いただきたく、お願いする次第です。よろしくお願いいたします。
2008/03/22(土) 17:35:30 | URL | さくら』
さくらさん、コメント・質問ありがとうございます。
せっかく、スーパー糖質制限食で血糖値は超優良だったのに、胆嚢炎の発作・・・、うーむ、残念。
慢性胆嚢炎の持病があり、3月15日に、細菌感染を伴って急性増悪したということですね。胆石はあるのでしょうか?
胆石があり急性増悪を繰り返すようなら、腹腔鏡下胆嚢摘出術も選択肢の一つですね。開腹手術に比べれば随分楽になっており、西洋医学も捨てたもんではありません。
糖尿病のコントロールが悪ければ、感染に対する抵抗力が弱いため、胆石症ー胆嚢炎も重症化しやすいので、無症状のうちに手術が望ましいとされています。
胆嚢炎の西洋医学的な食事療法ですが、成書によれば
「急性増悪期は、絶食して安静を保ち、水分や栄養分を点滴で補給する。症状の軽減に伴い、糖質を中心に脂肪や刺激物の少ない流動食から始める。
安定してきたら、たんぱく質を十分に与え、脂質をひかえ目とし、糖質により必要なエネルギーを確保する。過度の脂質制限は胆汁排泄を抑制するので避ける。」
とあります。
脂質は胆嚢を強く収縮させて、タンパク質は少し収縮させ、糖質はほとんど収縮させません。
安定期には、胆汁排泄も必要となりますので、あるていどの脂質は摂取したほうがいいようです。
「今回の激しい発作は、3ヶ月間の脂質を主とした糖質制限食が原因ではないかと思っております。
私としては、今後も糖質制限食を継続したいのですが、慢性胆嚢炎ですので、これまでのような脂質を主とした食事が出来ません。」
確かに脂質が一番胆嚢を収縮させますので、過度に脂っこい料理を食べたあとに胆石が収縮で動いて胆嚢管に詰まったりしたら、激痛と細菌感染を伴って発熱などを生じます。
前例がないので私にもよくわかりませんが、折り合いをつけるとすれば、タンパク質が主で、適度に胆汁排泄するていどに脂質も摂取、野菜を通常の 糖質制限食よりしっかり食べて糖質もある程度確保といったところでしょうか?ごく少量の玄米なども選択肢の一つです。
スーパー糖質制限食で総摂取カロリーの比率は
「糖質12% 脂質56% タンパク質32%」
ですが、さくらさんの場合、
「糖質30% 脂質30% タンパク質40%」
くらいで、食後2時間血糖値180mg未満を目指されては如何でしょうか?
なお、人体においてエネルギー源としては「糖質→脂質→蛋白質」の順番で利用されます。
細胞内の蛋白質が限度まで満たされると、体液中のアミノ酸は分解し、エネルギーとして使われた
り、主に脂質、あるいはわずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。また生体内のブドウ糖が減少したらアミノ酸からの糖新生もあります。この大部分は肝臓で行われます。
このように、過剰のアミノ酸は糖質や脂質のように蓄積されることは少ないですが、エネルギーとしては使われますので、タンパク質が主の食生活でも心配はないと思います。
江部康二
今日は、午後の外来終了後、雑誌の取材がありました。私の写真も糖質制限ドットコムのスイーツも写真も撮って頂きました。
また情報公開OKとなったら、詳細をお知らせしますね。朝から晩まで結構忙しかったです。
さて今回は、さくらさんから慢性胆嚢炎と 糖質制限食にかんするコメント・質問をいただきました。
『慢性胆嚢炎を抱えての糖質制限食について
何時も江部先生のブログを拝見し、希望と勇気、そして糖尿病の知識をいただいております。ありがとうございます。
さて、私事で恐縮ですが、江部先生に是非お尋ねしたい問題が生じましたので、勝手ながらご相談させていただきます。
私は糖尿病歴約15年ほどの58歳の男子です。平成17年4月から平成19年12月まで経口薬アマリール半錠を服用して、血糖値をコントロールをして来ましたが、同年12月8日の定期検査時に、今後はインスリン治療に切り替えると言われました。しかし、インスリン治療はどうしても回避したいため、12月15日から、スーパー糖質制限食を開始しました。おかげさまで、その後の血糖値は超優良の数値で推移しております。
ところが、先日の3月15日に、約3年ぶりに持病の慢性胆嚢炎の激しい発作に襲われました。この胆嚢炎も手術を避け、3年前から民間療法の「ひまし油」療法(軽い痛みが出た時)で治療してきました。
今回の激しい発作は、3ヶ月間の脂質を主とした糖質制限食が原因ではないかと思っております。
私としては、今後も糖質制限食を継続したいのですが、慢性胆嚢炎ですので、これまでのような脂質を主とした食事が出来ません。
そのため、たんぱく質を主とする食事にする必要がありますが、たんぱく質は、糖質や脂質のようなエネルギー源にはならないようですので、食事内容がどうすれば良いのか、思い悩んでおります。
つきましては、慢性胆嚢炎を抱えての、糖質制限食をどのようにすれば良いかをご教授いただきたく、お願いする次第です。よろしくお願いいたします。
2008/03/22(土) 17:35:30 | URL | さくら』
さくらさん、コメント・質問ありがとうございます。
せっかく、スーパー糖質制限食で血糖値は超優良だったのに、胆嚢炎の発作・・・、うーむ、残念。
慢性胆嚢炎の持病があり、3月15日に、細菌感染を伴って急性増悪したということですね。胆石はあるのでしょうか?
胆石があり急性増悪を繰り返すようなら、腹腔鏡下胆嚢摘出術も選択肢の一つですね。開腹手術に比べれば随分楽になっており、西洋医学も捨てたもんではありません。
糖尿病のコントロールが悪ければ、感染に対する抵抗力が弱いため、胆石症ー胆嚢炎も重症化しやすいので、無症状のうちに手術が望ましいとされています。
胆嚢炎の西洋医学的な食事療法ですが、成書によれば
「急性増悪期は、絶食して安静を保ち、水分や栄養分を点滴で補給する。症状の軽減に伴い、糖質を中心に脂肪や刺激物の少ない流動食から始める。
安定してきたら、たんぱく質を十分に与え、脂質をひかえ目とし、糖質により必要なエネルギーを確保する。過度の脂質制限は胆汁排泄を抑制するので避ける。」
とあります。
脂質は胆嚢を強く収縮させて、タンパク質は少し収縮させ、糖質はほとんど収縮させません。
安定期には、胆汁排泄も必要となりますので、あるていどの脂質は摂取したほうがいいようです。
「今回の激しい発作は、3ヶ月間の脂質を主とした糖質制限食が原因ではないかと思っております。
私としては、今後も糖質制限食を継続したいのですが、慢性胆嚢炎ですので、これまでのような脂質を主とした食事が出来ません。」
確かに脂質が一番胆嚢を収縮させますので、過度に脂っこい料理を食べたあとに胆石が収縮で動いて胆嚢管に詰まったりしたら、激痛と細菌感染を伴って発熱などを生じます。
前例がないので私にもよくわかりませんが、折り合いをつけるとすれば、タンパク質が主で、適度に胆汁排泄するていどに脂質も摂取、野菜を通常の 糖質制限食よりしっかり食べて糖質もある程度確保といったところでしょうか?ごく少量の玄米なども選択肢の一つです。
スーパー糖質制限食で総摂取カロリーの比率は
「糖質12% 脂質56% タンパク質32%」
ですが、さくらさんの場合、
「糖質30% 脂質30% タンパク質40%」
くらいで、食後2時間血糖値180mg未満を目指されては如何でしょうか?
なお、人体においてエネルギー源としては「糖質→脂質→蛋白質」の順番で利用されます。
細胞内の蛋白質が限度まで満たされると、体液中のアミノ酸は分解し、エネルギーとして使われた
り、主に脂質、あるいはわずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。また生体内のブドウ糖が減少したらアミノ酸からの糖新生もあります。この大部分は肝臓で行われます。
このように、過剰のアミノ酸は糖質や脂質のように蓄積されることは少ないですが、エネルギーとしては使われますので、タンパク質が主の食生活でも心配はないと思います。
江部康二
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