血糖調節機構

おはようございます。ようやく春めいてきた今日この頃です。

「春は曙やうやうしろくなりゆく山際 少し明かりて紫だちたる雲の細く棚引きたる。」

いやはや、格調高い枕草子の「をかし」の世界とはほど遠い、下々の京都生活の江部康二です。

さてたかが血糖値、されど血糖値・・・。

なかなか複雑な人体の仕組みで維持されていますね。血糖調節には食事以外に、肝臓のグリコーゲン分解・糖新生、運動、ストレスなどいろいろな要素が絡みます。

1、空腹時には肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が血糖の供給源となります。

2、摂食時には消化管から吸収されたブドウ糖はまず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。

糖尿人では<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。また糖尿人は、肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。

糖質摂食して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌され、筋肉細胞・脂肪細胞の表面に糖輸送体(Glut4)がでてきて、血糖を取り込みますので血糖値もすぐ下がります。取り込まれず余った血糖はインスリンにより中性脂肪に変換されます。

しかし糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。

またインスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位、など様々な因子が重なり合って、高血糖が持続するのですね。

3、運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面にでてきて、血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。筋肉細胞が血糖を取り込んで筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。脂肪細胞は運動には無関係です。

安静時にはインスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面にでてこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。

4、ストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。


血糖値は、1.2.3.4などの因子が複雑に絡み合って調節されています。
なかなか一筋縄ではいきませんね。\(´×`)/

テーマ: 糖尿病 -  ジャンル: ヘルス・ダイエット
by ドクター江部  at 07:23 |  血糖値と・・・ |  comment (3)  |  trackback (0)  |  page top ↑
プロフィール

ドクター江部

Author:ドクター江部
江部康二です。京都の高雄病院で勤務しています。漢方やアトピー治療でご存知の方もおられるかと思いますが、最近、自分が糖尿病だということが発覚し、糖尿病の新しい食事療法『糖質制限食』に力を入れてます。これからも宜しくお願いしますね。

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