2008年01月29日 (火) | 編集 |
おはようございます。
今日は雄三さんからコメント・質問をいただいて貧血とHbA1c(ヘモグロビンA1c)のお話です。やや難しいところもあると思いますが、途中はとばして、結論だけ見ていただいても結構です。半分は、自分のための覚え書きのようなものですので。
『HgA1c4.8%で貧血・・・。
おはようございます!
いつも、ブログ拝見して参考にさせて頂いております。
HgA1c6.0で糖尿病と診断されてから2年近く、 運動と糖質制限しながら無投薬で、5.0%前後を キープしております。
ただ、前回の検査で4.8%となった時に、貧血を 指摘されてました。
それとABL/Cre16.6と注意を喚起されました。
そこで、少し鉄分を補給したところ、A1c5.4%に 上昇しました。
A1cを低くキープしながら貧血、その他の数値を悪化させない為には何に注意すべきでしょうか?
また、両者の相関関係はどうなってるのでしょうか?
お時間あります時に回答して頂ければ有難いです。
宜しくお願い致します!
2008/01/28 Mon 09:11:56
雄三』
雄三さん。興味深いコメント・質問ありがとうございます。
HgA1c6.0%で糖尿病と診断されてから、2年近く運動と糖質制限食で5.0%前後なら、コントロール優ですね。素晴らしいです。(^-^)w
さて、ご質問の貧血とHbA1cの関係を説明する前に、HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは何かを考えてみましょう。
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、蛋白部分のグロビンでできています。ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。成人では、HbAが97%を占めています。
血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、お互いに結合する傾向があります。赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、グリケーティッドヘモグロビンです。
これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、検査により識別することができます。
HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cはヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。
HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。赤血球は骨髄で作られ、血液中を循環し寿命は約120日間ですから、HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。
より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3、4ヶ月で作られます。
従いまして、HbA1cの値は通常は過去1、2ヶ月の平均血糖値を反映していると考えればよいことになります。
さて、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、、腎性貧血など赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、実際の値よりも低くなります。
雄三さんの場合も、鉄欠乏性貧血がありましたので、「前回の検査で4.8%」というのは実際の値より低くでていたと考えられます。
貧血が治った今回の5.4%が実際の値ですので、いまのまま運動と糖質制限食を続けられて、5.0%前後を目指していただけば良いと思います。
まあ5.4%でもコントロール優ではありますので問題はないのですが・・・。
また、初期糖尿病腎症の一番鋭敏な検査である尿中微量アルブミンは、正常値が、検査施設により異なることもありますが16.6mg/g.creならごくごく軽度の上昇か正常だと思われます。
高雄病院の正常値は30mg/g.cre以下です。16mg/g.cre以下が正常の施設もあります。
このまま血糖コントロール良好を維持すれば、進行することはないと考えられます。
江部康二
今日は雄三さんからコメント・質問をいただいて貧血とHbA1c(ヘモグロビンA1c)のお話です。やや難しいところもあると思いますが、途中はとばして、結論だけ見ていただいても結構です。半分は、自分のための覚え書きのようなものですので。
『HgA1c4.8%で貧血・・・。
おはようございます!
いつも、ブログ拝見して参考にさせて頂いております。
HgA1c6.0で糖尿病と診断されてから2年近く、 運動と糖質制限しながら無投薬で、5.0%前後を キープしております。
ただ、前回の検査で4.8%となった時に、貧血を 指摘されてました。
それとABL/Cre16.6と注意を喚起されました。
そこで、少し鉄分を補給したところ、A1c5.4%に 上昇しました。
A1cを低くキープしながら貧血、その他の数値を悪化させない為には何に注意すべきでしょうか?
また、両者の相関関係はどうなってるのでしょうか?
お時間あります時に回答して頂ければ有難いです。
宜しくお願い致します!
2008/01/28 Mon 09:11:56
雄三』
雄三さん。興味深いコメント・質問ありがとうございます。
HgA1c6.0%で糖尿病と診断されてから、2年近く運動と糖質制限食で5.0%前後なら、コントロール優ですね。素晴らしいです。(^-^)w
さて、ご質問の貧血とHbA1cの関係を説明する前に、HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは何かを考えてみましょう。
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、蛋白部分のグロビンでできています。ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。成人では、HbAが97%を占めています。
血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、お互いに結合する傾向があります。赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、グリケーティッドヘモグロビンです。
これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、検査により識別することができます。
HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cはヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。
HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。赤血球は骨髄で作られ、血液中を循環し寿命は約120日間ですから、HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。
より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3、4ヶ月で作られます。
従いまして、HbA1cの値は通常は過去1、2ヶ月の平均血糖値を反映していると考えればよいことになります。
さて、鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、、腎性貧血など赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、実際の値よりも低くなります。
雄三さんの場合も、鉄欠乏性貧血がありましたので、「前回の検査で4.8%」というのは実際の値より低くでていたと考えられます。
貧血が治った今回の5.4%が実際の値ですので、いまのまま運動と糖質制限食を続けられて、5.0%前後を目指していただけば良いと思います。
まあ5.4%でもコントロール優ではありますので問題はないのですが・・・。
また、初期糖尿病腎症の一番鋭敏な検査である尿中微量アルブミンは、正常値が、検査施設により異なることもありますが16.6mg/g.creならごくごく軽度の上昇か正常だと思われます。
高雄病院の正常値は30mg/g.cre以下です。16mg/g.cre以下が正常の施設もあります。
このまま血糖コントロール良好を維持すれば、進行することはないと考えられます。
江部康二
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