血糖コントロール改善と網膜症悪化

こんばんは。
東京も大雪だそうですが、京都も昨日雪の話をしたら早速今日降ってます。
高雄病院からの帰り道は雪が舞っているていどでしたが、家に着いたら深々と降ってきていよいよ積もりそうな気配です。

ちなみに高雄病院界隈は、京都駅あたりに比べると2度くらい気温が低いので雪も積もりやすいのです。

さて昨日のブログで、インスリン注射やSU剤で、血糖値の急速な改善があったとき網膜症の悪化が生じることがあることを説明しました。

しかし、何故、血糖値が良くなるにもかかわらず網膜症が悪化するのか、医学的な原因は現在まで解明されていません。

一方、糖質制限食で血糖コントロールが急速に良くなっても網膜症の悪化は基本的にありません。

この差はいったい何なのでしょう? 

ここから先はあくまでも江部康二の仮説としてお読み頂けば幸いです。即ち、まだ証明されているわけではありませんので・・・。

例えばインスリン注射により、血糖値だけは急速に改善しますが、中性脂肪や酸化LDL、レムナントリポ蛋白といった脂質代謝やアミノ酸代謝は基本的に改善されません。また、高インスリン血症そのものが、メタボリック・シンドロームの元凶とも言われています。

つまり、部分的に血糖値だけ下げて辻褄を合わせても、体の代謝全体は改善されていません。細小血管内や毛細血管内の血液中の成分内容も血糖以外は改善されていません。

血糖値が高値というのは勿論好ましくありませんが、人体はとりあえずその状態でそれなりの恒常性を保とうとしています。この時、血糖という部分だけ急速に下げたら全体の恒常性にかえって破綻が生じて、網膜症の悪化につながる可能性があると思います。SU剤も部分的改善で全体を見ていないことは同様です。

この点、糖質制限食ならば、血糖値、中性脂肪、酸化コレステロール、レムナントリポ蛋白など脂質代謝やアミノ酸代謝も全てが改善し、部分だけではなく代謝全体が改善しますから人体の恒常性は保たれます。そのため急速な血糖値改善にもかかわらず、網膜症の悪化がないと考えられます。

 
少し話は変わりますが、血糖を下げる薬、コレステロールを下げる薬、中性脂肪を下げる薬などを併せて飲んでいる患者さんは結構おられます。まあ、放置するよりはましとは思うのですが、生物においてははいくら部分を集めても全体にはなりません。

糖質制限食なら、血糖も酸化コレステロールも中性脂肪もすべてOKで代謝全体が改善します。どちらが望ましいかは言うまでもありませんね。

江部康二
テーマ: 糖尿病 -  ジャンル: ヘルス・ダイエット
by ドクター江部  at 18:10 |  糖尿病と各種疾患 |  comment (1)  |  trackback (0)  |  page top ↑
プロフィール

ドクター江部

Author:ドクター江部
江部康二です。京都の高雄病院で勤務しています。漢方やアトピー治療でご存知の方もおられるかと思いますが、最近、自分が糖尿病だということが発覚し、糖尿病の新しい食事療法『糖質制限食』に力を入れてます。これからも宜しくお願いしますね。

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