Tue
01/15
2008
糖尿病と早朝空腹時血糖値
おはようございます。今日もしっかり寒いです。
布団からなかなか離れがたくて、一定の決意が要りますね。 (*_*)
さて今回は、でぃあべーちゃさんとミントさんからコメント・質問をいただきまして
糖尿人と早朝空腹時血糖値のお話です。
『いつも楽しみにしています。
このたび、相方の早朝空腹時血糖値が大変高くなり、心配です。
12月から糖質制限食を実行し、早朝空腹時血糖値も、180ぐらいから130あたりまで12月24日ぐらいまでは落ちていたのですが、それ以降、連日200前後です。高いときは220とかです。
そんな日でも夕食前は130ぐらいまで 落ちています。
1日の高低差も気になります。もちろん毎日180超えてるので、悪化しているのではないかと日に日にへこみます。
24日ごろから鼻水を多少すすってますが、熱などもなく、ストレスなども 特に思い当たりません。 なにか別の不測の事態でなければいいのですが。
こんなに早朝空腹時血糖ってあがるものなんでしょうか?
【2008/01/07 15:11】 でぃあべーちゃ』
『空腹時血糖値についてはわたしも糖質制限を始めてからの悩みの種でした。
私の場合も長い間医者に行っていなかった(糖尿病宣告を受けずともすでにX-Dayが来ていた)ので、かなり膵臓が参っているようです。
基本的な血糖値が高めなので糖質制限をしていてもよほど気をつけないと200以下を保つことが難しいのです。
(ちなみに、空腹時血糖値と食後血糖値の差は外食などがなければ大体20-50くらいです。)
最近は以前に比べて朝起きたときの血糖値にびっくりするようなことも少なくなりましたがそれでも変わらず高めではあります。
これは糖質制限を続けることで膵臓が多少なりとも休まって少しは改善する可能性はあるのでしょうか?
それともここはもうあきらめて可能な限り食後180-200を超えないようにするしかないのでしょうか。
【2008/01/09 00:38】ミント』
でぃあべーちゃさん、ミントさん。いつもコメント・質問ありがとうございます。でぃあべーちゃさんの相方さんとミントさん、いずれも早朝空腹時血糖値が下がりにくいとのことですね。
早朝空腹時血糖値は夜中の肝の糖新生が一番関係しています。夜間絶食時には、肝臓で乳酸やアミノ酸(アラニンなど)、グリセロール(中性脂肪の分解物)からブドウ糖をつくります(糖新生)。この肝の糖新生を抑制するのが、インスリンの基礎分泌です。
従って、インスリン基礎分泌があるていど減少している糖尿人は、夜間の肝の糖新生が抑制できずに早朝空腹時血糖値が高めになります。
例えば、夜10時の血糖値が110mgで何も食べていないのに、翌朝7時は130mgもあったりすることがあるのはこのためです。
日本人に一番多いのは、食後高血糖があるのを数年間見過ごされたあと、インスリン基礎分泌が徐々に減少し、とうとう早朝空腹時血糖値が上昇してきて糖尿病と診断されるパターンです。かくいう私もその一人です。
従いまして、その時点で膵臓のβ細胞がどの程度生き残っているのかということになります。軽症糖尿病は1〜2割のβ細胞は死滅していて、2〜3割は疲れて機能が落ちている状態です。
スーパー糖質制限食を実践すれば膵臓はしっかり休養できるので、疲れて機能が落ちている細胞は回復してきます。そうすると基礎分泌もあるていど回復して、早朝空腹時血糖値も110mg未満の正常に戻ることもあります。
実際、入院してきっちり糖質制限食を実践して、空腹時血糖値180mgとかだった方が108mgとかに改善した例もあります。
一方、β細胞が既に3〜4割ダメージを受けて回復不能の場合は、 糖質制限食を実践してもインスリン基礎分泌の改善に限界があり、早朝空腹時血糖値が高値となります。この場合、何とか126mg未満、無理なら140mg未満を目指すこととなります。早朝空腹時血糖値が140mg/dlを超えてくると合併症のリスクが高まります。
β細胞のダメージがある程度あって、基礎分泌のインスリン不足があり、 糖質制限食を実践していても、早朝空腹時血糖値が常に140mg/dl以上がある糖尿人はランタス注オプチクリック300という22時間半持続するインスリン注射を、一日一回だけ打つ選択肢もあります。
この注射は、ジワジワと同じペースで一定量が吸収されるので、血中濃度を一定に保つことができます。即ちピークがないので低血糖も起こしにくいです。
ランタスが基礎分泌のインスリンの役割をしてくれるわけで、一日一回だけうって、既に回復不能の分だけ補充して、 糖質制限食を実践すれば血糖値は正常を保つことが可能になります。
江部康二
***
少し復習です。
インスリンには、24時間ずっとベースに少量分泌されている基礎分泌のインスリンと、食後に血糖値が上昇した時に出る追加分泌のインスリンがあります。追加分泌のインスリンには、即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。
布団からなかなか離れがたくて、一定の決意が要りますね。 (*_*)
さて今回は、でぃあべーちゃさんとミントさんからコメント・質問をいただきまして
糖尿人と早朝空腹時血糖値のお話です。
『いつも楽しみにしています。
このたび、相方の早朝空腹時血糖値が大変高くなり、心配です。
12月から糖質制限食を実行し、早朝空腹時血糖値も、180ぐらいから130あたりまで12月24日ぐらいまでは落ちていたのですが、それ以降、連日200前後です。高いときは220とかです。
そんな日でも夕食前は130ぐらいまで 落ちています。
1日の高低差も気になります。もちろん毎日180超えてるので、悪化しているのではないかと日に日にへこみます。
24日ごろから鼻水を多少すすってますが、熱などもなく、ストレスなども 特に思い当たりません。 なにか別の不測の事態でなければいいのですが。
こんなに早朝空腹時血糖ってあがるものなんでしょうか?
【2008/01/07 15:11】 でぃあべーちゃ』
『空腹時血糖値についてはわたしも糖質制限を始めてからの悩みの種でした。
私の場合も長い間医者に行っていなかった(糖尿病宣告を受けずともすでにX-Dayが来ていた)ので、かなり膵臓が参っているようです。
基本的な血糖値が高めなので糖質制限をしていてもよほど気をつけないと200以下を保つことが難しいのです。
(ちなみに、空腹時血糖値と食後血糖値の差は外食などがなければ大体20-50くらいです。)
最近は以前に比べて朝起きたときの血糖値にびっくりするようなことも少なくなりましたがそれでも変わらず高めではあります。
これは糖質制限を続けることで膵臓が多少なりとも休まって少しは改善する可能性はあるのでしょうか?
それともここはもうあきらめて可能な限り食後180-200を超えないようにするしかないのでしょうか。
【2008/01/09 00:38】ミント』
でぃあべーちゃさん、ミントさん。いつもコメント・質問ありがとうございます。でぃあべーちゃさんの相方さんとミントさん、いずれも早朝空腹時血糖値が下がりにくいとのことですね。
早朝空腹時血糖値は夜中の肝の糖新生が一番関係しています。夜間絶食時には、肝臓で乳酸やアミノ酸(アラニンなど)、グリセロール(中性脂肪の分解物)からブドウ糖をつくります(糖新生)。この肝の糖新生を抑制するのが、インスリンの基礎分泌です。
従って、インスリン基礎分泌があるていど減少している糖尿人は、夜間の肝の糖新生が抑制できずに早朝空腹時血糖値が高めになります。
例えば、夜10時の血糖値が110mgで何も食べていないのに、翌朝7時は130mgもあったりすることがあるのはこのためです。
日本人に一番多いのは、食後高血糖があるのを数年間見過ごされたあと、インスリン基礎分泌が徐々に減少し、とうとう早朝空腹時血糖値が上昇してきて糖尿病と診断されるパターンです。かくいう私もその一人です。
従いまして、その時点で膵臓のβ細胞がどの程度生き残っているのかということになります。軽症糖尿病は1〜2割のβ細胞は死滅していて、2〜3割は疲れて機能が落ちている状態です。
スーパー糖質制限食を実践すれば膵臓はしっかり休養できるので、疲れて機能が落ちている細胞は回復してきます。そうすると基礎分泌もあるていど回復して、早朝空腹時血糖値も110mg未満の正常に戻ることもあります。
実際、入院してきっちり糖質制限食を実践して、空腹時血糖値180mgとかだった方が108mgとかに改善した例もあります。
一方、β細胞が既に3〜4割ダメージを受けて回復不能の場合は、 糖質制限食を実践してもインスリン基礎分泌の改善に限界があり、早朝空腹時血糖値が高値となります。この場合、何とか126mg未満、無理なら140mg未満を目指すこととなります。早朝空腹時血糖値が140mg/dlを超えてくると合併症のリスクが高まります。
β細胞のダメージがある程度あって、基礎分泌のインスリン不足があり、 糖質制限食を実践していても、早朝空腹時血糖値が常に140mg/dl以上がある糖尿人はランタス注オプチクリック300という22時間半持続するインスリン注射を、一日一回だけ打つ選択肢もあります。
この注射は、ジワジワと同じペースで一定量が吸収されるので、血中濃度を一定に保つことができます。即ちピークがないので低血糖も起こしにくいです。
ランタスが基礎分泌のインスリンの役割をしてくれるわけで、一日一回だけうって、既に回復不能の分だけ補充して、 糖質制限食を実践すれば血糖値は正常を保つことが可能になります。
江部康二
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少し復習です。
インスリンには、24時間ずっとベースに少量分泌されている基礎分泌のインスリンと、食後に血糖値が上昇した時に出る追加分泌のインスリンがあります。追加分泌のインスリンには、即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。

