ケトン食と脳、糖質制限食

おはようございます。今朝も冷え込んでます。
今週は新しいライブハウス「憧夢」で、初の第三金曜ライブです。年に一度しか歌わないクリスマスの曲もそれなりに練習しなくては。

お客さん来てくれるかしら・・・

さて今回は、ケトン食のお話です。 

ケトン食というと「何、それ?」といった反応が返ってきそうで、一般にはおよそ馴染みのない言葉ですよね。でもそのケトン食、小児科領域では、結構認知度は高いのです。

小児のてんかんで極めて難治性の場合があります。これは、通常のてんかんの薬を飲んでもひきつけの発作が治まらないというものなのですが、その治療として用いられているのがケトン食です。

この食事は、総摂取カロリーの75〜80%が脂質という内容で、これによって難治性てんかんの発作が治まるようになるのです。これは、欧米で1920年代から続いている治療法で、有効性がはっきりと証明されています。

日本でも、小児科領域でケトン食療法は実施されています。2才〜5才くらいの年齢で行われることが多いのですが、どうしても味が良くないので、物心ついてきたらなかなか続けることができないようです。2年間ぐらい継続が一つの目安になります。
 
なぜ、難治性てんかんにケトン食が有効なのか未解明のことも多いのですが、血中ケトン体そのものが発作を起きにくくするとされています。また、発作抑制だけでなく、ぼんやりとしていた患児が生き生きとしてきたり、多動な子供が落ちついてきたりなど精神行動面での改善が期待できるのもケトン食療法の利点です。

ケトン食療法は、「糖質制限食」以上の超高脂肪食で脂肪からケトン体への変換を起こし、そのケトン体が、ブドウ糖の代わりのエネルギー源として利用されることにその名前が由来しています。実際、脳を始めとして身体のほとんどのエネルギー源としてケトン体が利用されます。

以前のブログでも説明しましたが、このように脳は、脂肪の分解産物であるケトン体をしっかり利用します。

「脳はエネルギー源としてブドウ糖しか利用できない」というのは、間違いであることを改めて強調したいと思います。

ケトン食の場合、脳のエネルギー源は、ほぼ全てケトン体になりますが、糖質制限食の場合は、ブドウ糖もケトン体も両方利用していると思います。

ケトン食というのは究極の 糖質制限食ですので、私は以前から興味をもっていました。ケトン食の脂肪摂取率が75〜80%ですが、スーパー糖質制限食で約56%です。

なお「ケトン食」及び「糖質制限食」では、血中ケトン体が高値となりますが、これはあくまでも生理的なケトン体上昇で何の問題もありません。インスリン作用が欠落した時に生じる病理的ケトン体上昇とは異なります。ケトン体の説明は、カテゴリーのケトン体の項のブログを参照して頂けば幸いです。

余談ですが、メリル・ストリープ(アカデミー主演女優賞を2度獲得している大女優)が97年2月に「…first do no harm(何よりも害を成すなかれ)」(邦題「メリル・ストリープ誤診」〔ビデオ販売/(株)アクロス〕)という映画を製作しています。

実話に基づいた映画で、難治性のてんかんの子供が、薬物療法が無効で脳の手術をするしかないといわれたが、ケトン食療法で良くなったというストーリーです。

江部康二

テーマ: 糖質制限食 -  ジャンル: ヘルス・ダイエット
by ドクター江部  at 07:24 |  ケトン体 |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑
プロフィール

ドクター江部

Author:ドクター江部
江部康二です。京都の高雄病院で勤務しています。漢方やアトピー治療でご存知の方もおられるかと思いますが、最近、自分が糖尿病だということが発覚し、糖尿病の新しい食事療法『糖質制限食』に力を入れてます。これからも宜しくお願いしますね。

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