「糖尿病徒然日記 」として糖尿病治療や予防などをテーマに、私なりの意見や情報を発信していきたいと思います。
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高タンパク食と腎臓
2007年11月22日 (木) | 編集 |
おはようございます。今朝は、雨がシトシト降っています。
明日は休日だから、今日は一日頑張ろう・・・、といきたいところですが、江部診療所は明日の23日も診療です。

声帯ポリープ手術で、一週間近く休んだので、
かなりのしわ寄せがきて休日も診療と相成りました (´ε`)

さて、

junさんから高タンパク食と腎臓に関する質問がありました。
この件に関しては、8.16のブログにも書きましたので参考にしていただけば幸いです。

「いつも拝見させていただいていますjunといいます。
先生に質問なのですがここにこのようなことが書かれていました
http://www.nutcns.com/iframe/03_ippan/10eiyoukouza/sinwa.html#2
たんぱく質を摂りすぎると、肝臓でアミノ酸から作られるたんぱく質の量も増加し、尿素が沢山作り出され、腎臓での尿素の排泄能力の限界を超え、腎臓に負担をかけることになります。

自分も先生の本を読ませて頂いてから糖質制限食でけっこうたんぱく質を取っているので気になりました。
そういうことで腎症が発症することもありえるのでしょうか?
教えて頂けることお願いします。
 jun | 2007.11.15(木) 13:07 | URL | 」

junさん。コメント・質問ありがとうございます。
多くの人が同じような疑問を抱いていることと思います。

さて確かに過去の文献により、既に何らかの要因で腎機能障害が生じている人は高タンパク食を食べると、腎機能障害が進行しやすいと報告されています。

そして糖質制限食を実践すると、相対的に高タンパク食となります。そうすると『高タンパク食を食べ続けると腎臓が悪くなるのではないか?』と懸念を持つ人が時々おられます。

しかし、高タンパク食を摂取すると腎臓が悪くなるというエビデンス(根拠)はありません。

従って、腎機能が正常の糖尿人やメタボ人が 糖質制限食(高タンパク食)を食べても全く問題はありません。

一方、既に腎機能が障害されている糖尿人には、糖質制限食は適応とならないということです。

それから、細胞内の蛋白質が限度まで満たされると体液中のアミノ酸は分解されエネルギーとして使われたり、主に脂質あるいはわずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。この大部分は肝臓で行われます。

アミノ酸分解産物であるアンモニアが、そのままでは神経毒性を有するため、肝で尿素サイクルの代謝をうけて尿素が産生されます。

尿素のほとんどは、腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されますが、その一部は再吸収され血中に戻されます。

一部再吸収されるので、高タンパク食により血中尿素窒素(BUN)が高値となることはありますが、これは生理的な現象で腎機能障害ではありません。血中クレアチニン値や血中シスタチンCの値は正常で問題ありませんので、腎臓に負担がかかるということもありません。

江部康二はスーパー糖質制限食ですから、タンパク質摂取は総カロリーの32%ていど(120〜140g/日)とかなりの量を食べていますが最近の検査でBUNは18.8mg/dl(8〜20)、クレアチニンは0.72mg/dl(0.5〜1.3)と正常値です。

糖質制限食実践中の患者さんで、時々BUNが軽度高値の人はおられますが、クレアチンが正常なら心配要りません。

ということでjunさん、安心して糖質制限食を続けて下さいね。

江部康二