糖尿病勉強会  

おはようございます。今日もいい天気です。

昨夜は沈黙療法中ですが、京都ホテルオークラで開催された「糖尿病地域セミナー」に参加しました。

「私は声を出すことができません」「私は喋れません」と書いた紙を持参しましたがそこそこ役に立ちました(〃 ̄▽ ̄〃)

京都市立病院糖尿病・代謝内科部長 吉田俊秀氏が座長で、
名古屋大学糖尿病・内分泌内科学準教授 中村二郎氏が演者でした。糖尿病の最先端の知識を少し仕入れることができたので早速報告です。

まずは、2002年の統計で糖尿病が740万人、予備軍もいれたら1620万人でしたが2006年の統計(まだ非公式だそうですが)では、合わせたら2320万人とすごい勢いで増え続けています。

糖尿病性網膜症で3500人/年が失明、糖尿病性腎症で13000人/年が透析、糖尿病性下肢閉塞性動脈硬化症で3000人/年が下肢切断といった厳しい合併症の状況です。

中村氏は、糖尿病の合併症予防には、早期から長期のコントロールが大事であり、空腹時血糖値やHbA1cだけでなく、食後2時間血糖値のコントロールが大事と強調されました。食後2時間血糖値は特に大血管病変(心臓や脳)に密接に関わっています。

早期からのコントロールに関しては、合計16年年間に及ぶDCCTとEDICという米国の1型糖尿病の大規模試験のデータが示されました。

即ち「当初のコントロールがいいと、数年後に悪くなっても合併症は比較的起きにくい。」一方、「当初のコントロールが悪いと数年後にコントロールが良くなっても合併症は減りにくい」という、最初が肝腎というデータでした。

結局一旦コントロールが悪くなって、合併症のスイッチが入ってしまうと、後から頑張って良くなっても証文の出し遅れ、というパターンですね。

ついで明言されたのは、「SU剤の長期投与→β細胞の疲弊→二次無効」が良くないと言うことでした。

漫然とSU剤を投与してコントロールが良くないと糖毒状態で悪循環してインスリンを作る膵臓のβ細胞が疲弊して、さらに進めば壊れてしまいます。この時点でインスリン注射ということが、現実の臨床では一番多いのですが、これではすでに遅いということです。

実際、インスリン注射をしていてもHbA1cは7%超えている患者さんのほうが、コントロール良好の人よりはるかに多いそうです。

あるていど早い段階でインスリン注射を導入するのがお奨めで、<短期インスリン療法→糖毒の解除→β細胞の回復→内服薬でOK→内服薬の離脱>も期待できて、短期インスリン療法で13%は内服薬のみに戻り、18%は食事療法のみでOKとなるそうです。

基本コンセプトとして、β細胞の疲弊を阻止し回復させることが大切と強調されました。

中村先生のこれら一連の考え方は、最先端の糖尿病専門医として当然ですし、私も基本的に大賛成です。

そして私達には、インスリン以上に切れ味のある「 糖質制限食」があります。

「インスリンを外部から補充して糖毒を解除し、β細胞に休養を与えて回復させる」ことも理論的ですが、糖質制限食で糖毒解除し、β細胞に休養を与えて回復させる」ことはインスリン注射をしなくても充分可能なのです。

糖尿人のご同輩、できるだけ早めに 糖質制限食を開始して、薬物に頼ることなく合併症の予防に取り組みましょうね。

そして予備群の方々、早期に糖質制限食を始めれば将来糖尿病になることを予防できますよ。

江部康二

*糖毒:高血糖の生む悪循環のこと
高血糖→インスリン分泌の抑制(β細胞の障害)、インスリン抵抗性増強→高血糖
テーマ: 糖尿病 -  ジャンル: ヘルス・ダイエット
by ドクター江部  at 11:25 |  糖尿病 |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑
プロフィール

ドクター江部

Author:ドクター江部
江部康二です。京都の高雄病院で勤務しています。漢方やアトピー治療でご存知の方もおられるかと思いますが、最近、自分が糖尿病だということが発覚し、糖尿病の新しい食事療法『糖質制限食』に力を入れてます。これからも宜しくお願いしますね。

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