2007年11月30日 (金)
こんばんは。
徳島県問題で質問・コメントいただきました。
『■炭水化物消費量
質問です。
糖尿第1位は徳島県なのは私も知っていましたが 砂糖、小麦、米等の炭水化物消費量も徳島は日本一なのですか 。よく香川県の人は、うどん(讃岐うどん)を食べると聞きますが
なんで炭水化物である小麦の麺をよく消費する県ではなく 徳島県なのですか
先生は徳島名物を書いておられますが 甘い食べ物が有名な県は他のもあると思うのですが
質問です | 2007.11.29(木) 21:41 |
■
糖尿病死亡率はともかく、香川県も糖尿病の有病率が高い県のようです。
それから、本ブログは 新聞三紙の記事を参考にして書きましたので 徳島県の米や芋や砂糖の消費が、日本で何番目かということまでは調べておりません。すいません。
米、芋、砂糖など糖質の消費量が多いことと運動不足の合わせ技ということ で私は理解しています。
江部康二 | 2007.11.29(木) 23:01 | URL | 【コメント編集】
■
と、言うことは讃岐うどんがソウルフードな香川県人で糖尿病になると、かなり大変なんですね。 フォーなどの米麺を多く食べるベトナムやタイもでしょうか。 (糖尿人自体少なそうですが)
私は糖質を控えて膵臓を休ませる生活をするようになってから 2ヶ月に1度くらいであれば、主食などの炭水化物・糖質を食べても 糖質制限をする前程、食後血糖値があがらなくなりました。 (もちろん運動もしますが) 普段の貯金が効いてるってことなんでしょうかね。
ふか | 2007.11.30(金) 13:57 | URL | 』
ふかさんへ。
確かに香川県人が糖尿人になって、讃岐うどん食べられないとしたらとっても大変ですね。私も同情に堪えません。(;_;)\(゜゜)
それから、ベトナムやタイの人々は、糖質摂取が多くても運動量も多ければだいじょうぶでしょうね。 江戸、明治時代の日本人もそうでした。
しかしながら、世界中で糖尿病が増えてきて、発展途上国でも凄い勢いです。
2007年6月、Economist誌調査部門が、先進国と発展途上国(中国、デンマーク、インド、英国、米国の5ヶ国)を調査しました。今回の調査対象国の中では、糖尿病について一番大きなコストを払っているのはインドで、2007年のコストは国のGDPの2.1%に匹敵すると報告されています。先進国の中では、米国が対GDP比の1.3%、ついでデンマークが0.6%、そして、英国は0.4%でした。また、中国では、糖尿病による生産性の低下はGDPの0.6%に匹敵するとのことです。
それからふかさん、主食(糖質)を摂取しても以前ほど食後血糖値が上昇しなくなったとのことですが、仰る通り、糖質制限食により、疲れていた膵臓のβ細胞が回復したのだと思います。
スーパー 糖質制限食だと24時間、膵臓は休養できます。スタンダードだと20時間以上は休養できます。プチでも十数時間は休めます。
ふかさん、今のペースで美味しく楽しく 糖質制限食続けてくださいね。
江部康二
徳島県問題で質問・コメントいただきました。
『■炭水化物消費量
質問です。
糖尿第1位は徳島県なのは私も知っていましたが 砂糖、小麦、米等の炭水化物消費量も徳島は日本一なのですか 。よく香川県の人は、うどん(讃岐うどん)を食べると聞きますが
なんで炭水化物である小麦の麺をよく消費する県ではなく 徳島県なのですか
先生は徳島名物を書いておられますが 甘い食べ物が有名な県は他のもあると思うのですが
質問です | 2007.11.29(木) 21:41 |
■
糖尿病死亡率はともかく、香川県も糖尿病の有病率が高い県のようです。
それから、本ブログは 新聞三紙の記事を参考にして書きましたので 徳島県の米や芋や砂糖の消費が、日本で何番目かということまでは調べておりません。すいません。
米、芋、砂糖など糖質の消費量が多いことと運動不足の合わせ技ということ で私は理解しています。
江部康二 | 2007.11.29(木) 23:01 | URL | 【コメント編集】
■
と、言うことは讃岐うどんがソウルフードな香川県人で糖尿病になると、かなり大変なんですね。 フォーなどの米麺を多く食べるベトナムやタイもでしょうか。 (糖尿人自体少なそうですが)
私は糖質を控えて膵臓を休ませる生活をするようになってから 2ヶ月に1度くらいであれば、主食などの炭水化物・糖質を食べても 糖質制限をする前程、食後血糖値があがらなくなりました。 (もちろん運動もしますが) 普段の貯金が効いてるってことなんでしょうかね。
ふか | 2007.11.30(金) 13:57 | URL | 』
ふかさんへ。
確かに香川県人が糖尿人になって、讃岐うどん食べられないとしたらとっても大変ですね。私も同情に堪えません。(;_;)\(゜゜)
それから、ベトナムやタイの人々は、糖質摂取が多くても運動量も多ければだいじょうぶでしょうね。 江戸、明治時代の日本人もそうでした。
しかしながら、世界中で糖尿病が増えてきて、発展途上国でも凄い勢いです。
2007年6月、Economist誌調査部門が、先進国と発展途上国(中国、デンマーク、インド、英国、米国の5ヶ国)を調査しました。今回の調査対象国の中では、糖尿病について一番大きなコストを払っているのはインドで、2007年のコストは国のGDPの2.1%に匹敵すると報告されています。先進国の中では、米国が対GDP比の1.3%、ついでデンマークが0.6%、そして、英国は0.4%でした。また、中国では、糖尿病による生産性の低下はGDPの0.6%に匹敵するとのことです。
それからふかさん、主食(糖質)を摂取しても以前ほど食後血糖値が上昇しなくなったとのことですが、仰る通り、糖質制限食により、疲れていた膵臓のβ細胞が回復したのだと思います。
スーパー 糖質制限食だと24時間、膵臓は休養できます。スタンダードだと20時間以上は休養できます。プチでも十数時間は休めます。
ふかさん、今のペースで美味しく楽しく 糖質制限食続けてくださいね。
江部康二
2007年11月29日 (木)
こんばんは。
日本では、糖尿病が相変わらず増え続けていますが、糖尿病を原因とする死亡率が一番多いのはいったいどこの県なのでしょう?
実は、圧倒的なナンバー1の県があります。
厚生労働省の人口動態調査によると、1993年から2006年までずっと、14年連続で47都道府県の死亡率トップを走り続けているのが徳島県なのです。
県の調査でも、40歳以上の県民のうち4人に1人が糖尿病かその疑いがあるといいます。人口10万人あたりの死亡者数は徳島が19.5人とワースト1で、最も低い愛知県の7.5人に比べれば、なんと2.6倍もあります。
県によれば「原因は運動不足と食べ過ぎ」だそうで、県民平均の1日の歩数は6200歩と、全国平均より1000歩も少なく、肥満の割合も男性37%(全国28%)、女性26%(同22%)と高いようです。
公共交通機関が少なくて、マイカーを利用する県民が多いことが運動不足に繋がっているようです。
国土交通省四国地方整備局の2000年度の調査によると、主な交通手段に乗用車を挙げる人は、京阪神32・9%に対し徳島県60・3%と倍近くです。
また徳島県は、特産のサツマイモ「鳴門金時」や「阿波和三盆(わさんぼん)糖」など、甘い食べ物が有名です。料理も濃い味が好まれ、すし飯にもたっぷりと砂糖を使います。
米と芋の消費量が多く、甘い物好きということで、誠に遺憾ながらこれ以上ない『アンチ 糖質制限食』の食生活です。(*´・⊇・)
徳島県と医師会は2005年に「糖尿病緊急事態宣言」を発令し「毎日30分歩き、腹7分目に」という目標を掲げました。
明快でわかりやすいのですが、これって結局『運動療法とカロリー制限の食事療法』ってことですよね。
<血糖値を上昇させるのは糖質→糖尿病改善・予防にはカロリー制限より糖質制限>という大切な知識が欠落していますから、はっきり言って目標達成は無理です。
このままでは、久山町研究と同様の悲劇(1988→2002年、運動療法とカロリー制限の食事療法で糖尿病激増、10.15ブログ参照して頂けば幸いです)が待っているとしか言いようがありません。
徳島県の担当職員のかた、万一、本ブログをご覧になったら是非ご相談くださいね。
今回のブログは、朝日新聞・2007.11.25、毎日新聞・2007.1.29、共同通信・2006.1.25を参考にしました。謝謝。
江部康二
日本では、糖尿病が相変わらず増え続けていますが、糖尿病を原因とする死亡率が一番多いのはいったいどこの県なのでしょう?
実は、圧倒的なナンバー1の県があります。
厚生労働省の人口動態調査によると、1993年から2006年までずっと、14年連続で47都道府県の死亡率トップを走り続けているのが徳島県なのです。
県の調査でも、40歳以上の県民のうち4人に1人が糖尿病かその疑いがあるといいます。人口10万人あたりの死亡者数は徳島が19.5人とワースト1で、最も低い愛知県の7.5人に比べれば、なんと2.6倍もあります。
県によれば「原因は運動不足と食べ過ぎ」だそうで、県民平均の1日の歩数は6200歩と、全国平均より1000歩も少なく、肥満の割合も男性37%(全国28%)、女性26%(同22%)と高いようです。
公共交通機関が少なくて、マイカーを利用する県民が多いことが運動不足に繋がっているようです。
国土交通省四国地方整備局の2000年度の調査によると、主な交通手段に乗用車を挙げる人は、京阪神32・9%に対し徳島県60・3%と倍近くです。
また徳島県は、特産のサツマイモ「鳴門金時」や「阿波和三盆(わさんぼん)糖」など、甘い食べ物が有名です。料理も濃い味が好まれ、すし飯にもたっぷりと砂糖を使います。
米と芋の消費量が多く、甘い物好きということで、誠に遺憾ながらこれ以上ない『アンチ 糖質制限食』の食生活です。(*´・⊇・)
徳島県と医師会は2005年に「糖尿病緊急事態宣言」を発令し「毎日30分歩き、腹7分目に」という目標を掲げました。
明快でわかりやすいのですが、これって結局『運動療法とカロリー制限の食事療法』ってことですよね。
<血糖値を上昇させるのは糖質→糖尿病改善・予防にはカロリー制限より糖質制限>という大切な知識が欠落していますから、はっきり言って目標達成は無理です。
このままでは、久山町研究と同様の悲劇(1988→2002年、運動療法とカロリー制限の食事療法で糖尿病激増、10.15ブログ参照して頂けば幸いです)が待っているとしか言いようがありません。
徳島県の担当職員のかた、万一、本ブログをご覧になったら是非ご相談くださいね。
今回のブログは、朝日新聞・2007.11.25、毎日新聞・2007.1.29、共同通信・2006.1.25を参考にしました。謝謝。
江部康二
2007年11月28日 (水)
おはようございます。
私は家では京都新聞、毎日新聞を取っています。律儀に夕刊までとってます。
高雄病院の医局の先生方では、新聞を取ってない人もおられます。新聞離れの世の中になりつつありますが、私はまだまだ新聞にも役割を果たして欲しいと思ってます。
ちなみに高雄病院では、朝日新聞を取っています。
2007年11月25日(日)の朝日新聞の2面に、ガン予防は「肥満防止」という記事が載りました。
以下一部引用です。
『世界ガン研究基金(本部・ロンドン)が今回公表した報告書で「肥満」が、食道・膵臓・大腸・乳房・子宮体部・腎臓の各ガンで「リスクを確実に上げる」とされた。
10年前にまとめた最初の報告書では、野菜の摂取は肺など5種のガンについて「確実にリスクを下げる」と5段階で最も高く評価さたが、今回は急落した。
胃などについて「恐らく確実にリスクを下げる」とされるにとどまった。
代わって浮上したのは「適正体重の維持」だった。
97年の初版は各国のガン対策に反映されており、今回の報告書も影響を与えそうだ。
報告書は、生活習慣とガンに関する研究のうち、この10年間に発表された3000件を加えた計7000件を解析。野菜、肉、アルコールの摂取や運動などが、ガンにかかる危険性と関係する程度を、5段階で評価した。』
つまり「野菜摂取でガン予防」という従来の常識が、大きく変わり「確実に下げる」はなんとゼロになってしまったわけです。
「恐らく確実」も口腔・咽頭・喉頭・食道・胃の各ガンにとどまっています。
昨日のブログに書いた「従来のヘルシー食(糖質を中心に野菜をたっぷりと摂取)を徹底して脂質を減らしても、乳ガンも大腸ガンも心筋梗塞も減らなかった」という米国医師会雑誌の報告も含めて、次々と旧来の常識が覆っていますね。
肥満がなぜ、ガンのリスク要因になるのかいろいろ議論のあるところと思いますが、薬に頼らず、安全に肥満を改善するのは糖質制限食です。
肥満改善という意味で 糖質制限食にはガン予防効果が期待できるわけですね。
メタボ人の方々、たかが肥満と油断なされず、是非是非、糖質制限食をお試しあれ。
なおハーバート大学のMalik博士ら が2007年、心臓血管雑誌に「従来の脂肪制限食は減量における長期有用性および心臓血管病のリスク軽減に関して否定的である。」と報告したのも、「肥満・心臓病=脂肪の摂りすぎ=脂肪犯人説」という常識を根底から覆すものでした。*
*V.S.Malik, F.B.Hu: Popular weight-loss diets: from evidence to practice, Nature Clinical Practice Cardiovascular Medicine(2007), 4:34-41 )
ハーバート大学、メタ解析。
江部康二
私は家では京都新聞、毎日新聞を取っています。律儀に夕刊までとってます。
高雄病院の医局の先生方では、新聞を取ってない人もおられます。新聞離れの世の中になりつつありますが、私はまだまだ新聞にも役割を果たして欲しいと思ってます。
ちなみに高雄病院では、朝日新聞を取っています。
2007年11月25日(日)の朝日新聞の2面に、ガン予防は「肥満防止」という記事が載りました。
以下一部引用です。
『世界ガン研究基金(本部・ロンドン)が今回公表した報告書で「肥満」が、食道・膵臓・大腸・乳房・子宮体部・腎臓の各ガンで「リスクを確実に上げる」とされた。
10年前にまとめた最初の報告書では、野菜の摂取は肺など5種のガンについて「確実にリスクを下げる」と5段階で最も高く評価さたが、今回は急落した。
胃などについて「恐らく確実にリスクを下げる」とされるにとどまった。
代わって浮上したのは「適正体重の維持」だった。
97年の初版は各国のガン対策に反映されており、今回の報告書も影響を与えそうだ。
報告書は、生活習慣とガンに関する研究のうち、この10年間に発表された3000件を加えた計7000件を解析。野菜、肉、アルコールの摂取や運動などが、ガンにかかる危険性と関係する程度を、5段階で評価した。』
つまり「野菜摂取でガン予防」という従来の常識が、大きく変わり「確実に下げる」はなんとゼロになってしまったわけです。
「恐らく確実」も口腔・咽頭・喉頭・食道・胃の各ガンにとどまっています。
昨日のブログに書いた「従来のヘルシー食(糖質を中心に野菜をたっぷりと摂取)を徹底して脂質を減らしても、乳ガンも大腸ガンも心筋梗塞も減らなかった」という米国医師会雑誌の報告も含めて、次々と旧来の常識が覆っていますね。
肥満がなぜ、ガンのリスク要因になるのかいろいろ議論のあるところと思いますが、薬に頼らず、安全に肥満を改善するのは糖質制限食です。
肥満改善という意味で 糖質制限食にはガン予防効果が期待できるわけですね。
メタボ人の方々、たかが肥満と油断なされず、是非是非、糖質制限食をお試しあれ。
なおハーバート大学のMalik博士ら が2007年、心臓血管雑誌に「従来の脂肪制限食は減量における長期有用性および心臓血管病のリスク軽減に関して否定的である。」と報告したのも、「肥満・心臓病=脂肪の摂りすぎ=脂肪犯人説」という常識を根底から覆すものでした。*
*V.S.Malik, F.B.Hu: Popular weight-loss diets: from evidence to practice, Nature Clinical Practice Cardiovascular Medicine(2007), 4:34-41 )
ハーバート大学、メタ解析。
江部康二
2007年11月27日 (火)
おはようございます。
調味料の中で、マヨネーズは糖質制限食OK食品です。私も家でも外食でもよく使います。
サラダを注文したときなど、レストランの砂糖たっぷりの甘いドレッシングは断って、マヨネーズを持ってきてもらいます。
マヨネーズは、日本食品標準成分表で見ると、卵黄型だと100g中1.7g、全卵型で4.5gの糖質含有量です。当然卵黄型がいいですね。
例えば、キューピーマヨネーズは、通常のものは砂糖ゼロで、糖質は100g中に0.7gていどで、脂質は100gあたり74.7gで、タンパク質が2.7gと、さらに好ましいです。
キューピーマヨネーズの脂肪酸組成は、約53パーセントがオレイン酸、約27パーセントがリノール酸、α-リノレン酸が約7.64パーセント程度で、「リノール酸型食品」ではなく、「オレイン酸型食品」でお奨め食品です。
マヨネーズの歴史を紐解いたり、誤解をただしたり・・・
以下は、キューピーマヨネーズのホームページからの引用ですが、私もほぼ同意見です。
<キューピー マヨネーズワールド>
『18世紀半ば、メノルカ島(スペイン)での出来事です。当時イギリス領だったこの島にフランス軍が攻撃をしかけました。その指揮をとっていたのがリシュリュー公爵。戦火の中、公爵は港町マオンで料理屋に入り、お肉に添えられたあるソースに出会いました。
そのソースを気に入った公爵は、後にパリでそのソースを「マオンのソース」として紹介しました。それが「Mahonnaise(マオンネーズ)」と呼ばれ、その後「Mayonnaise(マヨネーズ)」となりました。これがマヨネーズの最も有力な起源説といわれています。』
<未だに冤罪に泣くコレステロール>
『マヨネーズは血中コレステロール値を上げるのではないか、という誤解が未だにあります。たくさんコレステロールを摂取したからといって血中コレステロール値が上がるとは限らない、むしろ上がらない人のほうが多いことは、現在では証明済みです。コレステロールは食事から摂取する数倍の量が体内(主に肝臓)で合成されており、食事由来のコレステロールが増えれば、肝臓はその分合成を控え、血中コレステロール値を一定に保とうとするからです。
「コレステロールを多く摂取すると動脈硬化になる」という大前提が崩れてしまえば、「卵を食べると動脈硬化になる」「卵を原料とするマヨネーズもやはり動脈硬化を引き起こす」という論理も破綻します。食事の栄養バランスを考えれば、普通の人は一日に卵を2個ぐらい食べたほうがいいというのが現在の常識です。マヨネーズの場合は、含まれるコレステロールの量も微々たるもので、マヨネーズには血中コレステロール値を下げる作用を持つ、卵黄レシチンや植物油が含まれています。』
コレステロール=動脈硬化、と考えがちですが、実はコレステロールは、からだの細胞やホルモンを作る、大切な成分です。人間の体内で合成されるコレステロールは600mg~700mg/1日です。また、動脈硬化が起こるのは、コレステロールそのものではなく、それを組織に運ぶ物質が酸化されることによります。
マヨネーズの主原料である卵は、コレステロールを含む食品です。でも、マヨネーズを1日15gずつ、12週間食べてもらったところ、血中のコレステロール値は健康な人では正常に保たれ、また高脂血症患者では低下した、という実験結果もあります。これはマヨネーズにたっぷり含まれるオレイン酸の効果だろうと報告されています(東儀宣哲・上嶋稔子「新薬と臨床」第48巻第3号から)。
私は、別にキューピーマヨネーズの回し者ではではありませんが、コレステロールに対する見解には賛成です。
我が家ではキューピーマヨネーズをもっぱら使用していますが、単純に糖質含有量が少ないし砂糖も含まれていないからです。
ああ、それにやっぱり一番美味しいですね(o^。^o)
さらに追い風として、<ワイル博士の医食同源、アンドルー・ワイル、角川書店>の135ページに、
「1976年から長期におこなわれているハーバード大学看護部の研究で、マヨネーズと油ベースのサラダドレッシングをよく使う女性は、それらをめったに使用しない女性に比べて冠動脈疾患のリスクがいちじるしく低いことが判明した」との記載があります。
また、米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して、心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げないことがアメリカ医師会雑誌2006年2月8日号で報告されました。総コレステロール値も、両群に差はありませんでした。
つまり、従来のヘルシー食(糖質を中心に野菜をたっぷりと摂取)を徹底して脂質を減らしても、ガンも心筋梗塞も減らなかったという衝撃的な事実が明らかとなったわけです。
糖質制限食は、相対的に高脂肪・高タンパク食となります。その中でマヨネーズは、高脂肪食の王様のようなものです。
一時若者の間で、何でもかんでもマヨネーズをかけて食べることが流行し、「マヨラー」と呼ばれて、有識者の顰蹙を買っていたようですが、今や私もマヨラーの端くれですね。
「オレイン酸型食品」の雄、マヨネーズは 糖質制限食の優等生です。ブログ読者の皆さんも今日からマヨラー?目指して下さいね。
江部康二
調味料の中で、マヨネーズは糖質制限食OK食品です。私も家でも外食でもよく使います。
サラダを注文したときなど、レストランの砂糖たっぷりの甘いドレッシングは断って、マヨネーズを持ってきてもらいます。
マヨネーズは、日本食品標準成分表で見ると、卵黄型だと100g中1.7g、全卵型で4.5gの糖質含有量です。当然卵黄型がいいですね。
例えば、キューピーマヨネーズは、通常のものは砂糖ゼロで、糖質は100g中に0.7gていどで、脂質は100gあたり74.7gで、タンパク質が2.7gと、さらに好ましいです。
キューピーマヨネーズの脂肪酸組成は、約53パーセントがオレイン酸、約27パーセントがリノール酸、α-リノレン酸が約7.64パーセント程度で、「リノール酸型食品」ではなく、「オレイン酸型食品」でお奨め食品です。
マヨネーズの歴史を紐解いたり、誤解をただしたり・・・
以下は、キューピーマヨネーズのホームページからの引用ですが、私もほぼ同意見です。
<キューピー マヨネーズワールド>
『18世紀半ば、メノルカ島(スペイン)での出来事です。当時イギリス領だったこの島にフランス軍が攻撃をしかけました。その指揮をとっていたのがリシュリュー公爵。戦火の中、公爵は港町マオンで料理屋に入り、お肉に添えられたあるソースに出会いました。
そのソースを気に入った公爵は、後にパリでそのソースを「マオンのソース」として紹介しました。それが「Mahonnaise(マオンネーズ)」と呼ばれ、その後「Mayonnaise(マヨネーズ)」となりました。これがマヨネーズの最も有力な起源説といわれています。』
<未だに冤罪に泣くコレステロール>
『マヨネーズは血中コレステロール値を上げるのではないか、という誤解が未だにあります。たくさんコレステロールを摂取したからといって血中コレステロール値が上がるとは限らない、むしろ上がらない人のほうが多いことは、現在では証明済みです。コレステロールは食事から摂取する数倍の量が体内(主に肝臓)で合成されており、食事由来のコレステロールが増えれば、肝臓はその分合成を控え、血中コレステロール値を一定に保とうとするからです。
「コレステロールを多く摂取すると動脈硬化になる」という大前提が崩れてしまえば、「卵を食べると動脈硬化になる」「卵を原料とするマヨネーズもやはり動脈硬化を引き起こす」という論理も破綻します。食事の栄養バランスを考えれば、普通の人は一日に卵を2個ぐらい食べたほうがいいというのが現在の常識です。マヨネーズの場合は、含まれるコレステロールの量も微々たるもので、マヨネーズには血中コレステロール値を下げる作用を持つ、卵黄レシチンや植物油が含まれています。』
コレステロール=動脈硬化、と考えがちですが、実はコレステロールは、からだの細胞やホルモンを作る、大切な成分です。人間の体内で合成されるコレステロールは600mg~700mg/1日です。また、動脈硬化が起こるのは、コレステロールそのものではなく、それを組織に運ぶ物質が酸化されることによります。
マヨネーズの主原料である卵は、コレステロールを含む食品です。でも、マヨネーズを1日15gずつ、12週間食べてもらったところ、血中のコレステロール値は健康な人では正常に保たれ、また高脂血症患者では低下した、という実験結果もあります。これはマヨネーズにたっぷり含まれるオレイン酸の効果だろうと報告されています(東儀宣哲・上嶋稔子「新薬と臨床」第48巻第3号から)。
私は、別にキューピーマヨネーズの回し者ではではありませんが、コレステロールに対する見解には賛成です。
我が家ではキューピーマヨネーズをもっぱら使用していますが、単純に糖質含有量が少ないし砂糖も含まれていないからです。
ああ、それにやっぱり一番美味しいですね(o^。^o)
さらに追い風として、<ワイル博士の医食同源、アンドルー・ワイル、角川書店>の135ページに、
「1976年から長期におこなわれているハーバード大学看護部の研究で、マヨネーズと油ベースのサラダドレッシングをよく使う女性は、それらをめったに使用しない女性に比べて冠動脈疾患のリスクがいちじるしく低いことが判明した」との記載があります。
また、米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して、心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げないことがアメリカ医師会雑誌2006年2月8日号で報告されました。総コレステロール値も、両群に差はありませんでした。
つまり、従来のヘルシー食(糖質を中心に野菜をたっぷりと摂取)を徹底して脂質を減らしても、ガンも心筋梗塞も減らなかったという衝撃的な事実が明らかとなったわけです。
糖質制限食は、相対的に高脂肪・高タンパク食となります。その中でマヨネーズは、高脂肪食の王様のようなものです。
一時若者の間で、何でもかんでもマヨネーズをかけて食べることが流行し、「マヨラー」と呼ばれて、有識者の顰蹙を買っていたようですが、今や私もマヨラーの端くれですね。
「オレイン酸型食品」の雄、マヨネーズは 糖質制限食の優等生です。ブログ読者の皆さんも今日からマヨラー?目指して下さいね。
江部康二
2007年11月26日 (月)
こんばんは。
最近、腎不全の漢方<養腎降濁湯>への問い合わせが、本ブログにも結構あります。
現在、糖尿病が原因で腎不全になり、人工透析に入る人が、年間1万3000人もいますから、是非 糖質制限食で糖尿病のコントロールをして、腎機能が悪化しないようにしたいものです。
万一、既に腎機能が悪化しているときは、「養腎降濁湯」が7割の人に有効です。腎不全の原因が糖尿病でも慢性腎炎でも有効です。
そんなわけで、今日は久しぶりに漢方のお話です。
西洋医学は、原因がはっきりしている病気はとても得意としています。
たとえば、梅毒はトレポネーマという菌が感染して発病することがわかって、ペニシリンなどの抗生物質が特効薬として開発され、簡単に治るようになりました。
江戸・明治時代までは、原因がわからず不治の病だったのですから、えらいもんです。
ところが今、平成の世の病気をみてみると、原因がはっきりしない病気が8割以上です。梅毒のような根治療法が期待できる病気は1~2割で8割以上は対症療法です。
言い換えれば、西洋医学が苦手な病気が『澱』のように溜まって残ってきたと言えます。
高雄病院には、西洋医学単独では治りにくい様々な現代病の漢方治療を求めて、京都市内はもちろん、全国からたくさんの患者さんがやってこられます。
たとえば、厚生省が難病に指定しているMCTD・潰瘍性大腸炎などをはじめとして、ネフローゼ症候群、気管支喘息、慢性関節リウマチ、過敏性腸症候群、花粉症、不妊症、生理痛、冷え性、肝炎、胃炎、じんましん、アトピー性皮膚炎・・・と臨床各科にまたがる患者さんです。
漢方は、西洋医学的に原因がわからない病気に対しても、気の流れや血の流れをスムースにして、五臓六腑の機能を整えて自然治癒力を高め、根治に結びつく可能性があります。
また漢方的な熱や湿を生薬でとってやると、関節の痛みや、皮膚炎が良くなることが多いのです。
東洋医学と西洋医学どちらか一方が優れているというよりも、
例えば、西洋薬でとりあえず症状をコントロールし、漢方薬で根治をめざすというような役割分担が大切と思います。
江部康二
2017年7月、追加
養腎降濁湯で腎機能が一旦、改善しても、半年~1年くらいで、再び悪化する症例もあり、なかなか一筋縄ではいきません。
なお、多発性嚢胞腎の場合は、嚢胞による物理的な腎障害なので、効果がでにくいです。
最近、腎不全の漢方<養腎降濁湯>への問い合わせが、本ブログにも結構あります。
現在、糖尿病が原因で腎不全になり、人工透析に入る人が、年間1万3000人もいますから、是非 糖質制限食で糖尿病のコントロールをして、腎機能が悪化しないようにしたいものです。
万一、既に腎機能が悪化しているときは、「養腎降濁湯」が7割の人に有効です。腎不全の原因が糖尿病でも慢性腎炎でも有効です。
そんなわけで、今日は久しぶりに漢方のお話です。
西洋医学は、原因がはっきりしている病気はとても得意としています。
たとえば、梅毒はトレポネーマという菌が感染して発病することがわかって、ペニシリンなどの抗生物質が特効薬として開発され、簡単に治るようになりました。
江戸・明治時代までは、原因がわからず不治の病だったのですから、えらいもんです。
ところが今、平成の世の病気をみてみると、原因がはっきりしない病気が8割以上です。梅毒のような根治療法が期待できる病気は1~2割で8割以上は対症療法です。
言い換えれば、西洋医学が苦手な病気が『澱』のように溜まって残ってきたと言えます。
高雄病院には、西洋医学単独では治りにくい様々な現代病の漢方治療を求めて、京都市内はもちろん、全国からたくさんの患者さんがやってこられます。
たとえば、厚生省が難病に指定しているMCTD・潰瘍性大腸炎などをはじめとして、ネフローゼ症候群、気管支喘息、慢性関節リウマチ、過敏性腸症候群、花粉症、不妊症、生理痛、冷え性、肝炎、胃炎、じんましん、アトピー性皮膚炎・・・と臨床各科にまたがる患者さんです。
漢方は、西洋医学的に原因がわからない病気に対しても、気の流れや血の流れをスムースにして、五臓六腑の機能を整えて自然治癒力を高め、根治に結びつく可能性があります。
また漢方的な熱や湿を生薬でとってやると、関節の痛みや、皮膚炎が良くなることが多いのです。
東洋医学と西洋医学どちらか一方が優れているというよりも、
例えば、西洋薬でとりあえず症状をコントロールし、漢方薬で根治をめざすというような役割分担が大切と思います。
江部康二
2017年7月、追加
養腎降濁湯で腎機能が一旦、改善しても、半年~1年くらいで、再び悪化する症例もあり、なかなか一筋縄ではいきません。
なお、多発性嚢胞腎の場合は、嚢胞による物理的な腎障害なので、効果がでにくいです。
2007年11月25日 (日)
こんばんは。
24,25日と芦原温泉に一泊二日で、行ってきました。
カニを満喫しました。(◎^□^◎)
そこの羨望の眼差しでよだれを垂らしているあなた!!、
京大時代の恩師を囲む会で、年にたった一度の贅沢ですので
まあご容赦のほど・・・ m(_ _)m
さて、今日は東山さんから血圧についての質問です。
「血圧
休日出勤ご苦労様でございます!ゴロゴロして無駄な一日を過ごした東山とはエライ違いですね…(ノ_・。) 血圧が高い東山なんですが糖質制限をちゃんとやると血圧下がるのは実証済みでございます、ところでなんですがある脳外科の先生の本に脳梗塞の予防に血圧を下げる薬が効果があり血圧は低い方が良いと…しかし内科のある先生の本には下100上180まで薬はいらない血圧を薬で下げる必要はないと東山は頭痛が酷い時痛み止が効かず試しの血圧の薬で楽になりました。江部先生は血圧ついてどう思われますか?漢方的に身体を診る場合血圧はあまり重視しないのでしょうか?
東山 | 2007.11.23(金) 21:01 | URL | 」
東山さん、コメント・質問ありがとうございます。
私は、漢方医でもあり西洋医でもありますが、両者のいいとこ取りが一番いいかなと思っています。
それで、西洋医学と東洋医学どちらが優れているというよりは
役割分担で相互に補完しているという認識です。
漢方では脈診はしますが、血圧は測りません。しかし、臨床医としては、血圧測定はやはり必要だと私は思います。
降圧剤が必要な血圧レベルに関しても、諸説ありますね。私もまだ断定はできかねているところです。
ただ、一糖尿人としては、UKPDSという英国の2型糖尿病の現在まで世界中でもっとも権威ある大規模研究・臨床試験で、厳格な血圧コントロール群(144/82mmHg)では、ゆるやかな血圧コントロール群(154/87mmHg)に比べて、リスクが減少したことが報告されています。
糖尿病性合併症全体 24%減少 p=0.005
細小血管症 37% 減少p=0.009
脳卒中 44% 減少p=0.013
また、厳格な血圧コントロール群で、2型糖尿病の死亡率が低下していたことが明らかにされています。
従いまして、少なくとも糖尿人は、血圧を144/82以下に
コントロールしたいところです。
私の臨床経験でも、血圧のコントロールが良くない患者さんは、糖尿病性腎障害の悪化が早い印象があります。
江部康二
24,25日と芦原温泉に一泊二日で、行ってきました。
カニを満喫しました。(◎^□^◎)
そこの羨望の眼差しでよだれを垂らしているあなた!!、
京大時代の恩師を囲む会で、年にたった一度の贅沢ですので
まあご容赦のほど・・・ m(_ _)m
さて、今日は東山さんから血圧についての質問です。
「血圧
休日出勤ご苦労様でございます!ゴロゴロして無駄な一日を過ごした東山とはエライ違いですね…(ノ_・。) 血圧が高い東山なんですが糖質制限をちゃんとやると血圧下がるのは実証済みでございます、ところでなんですがある脳外科の先生の本に脳梗塞の予防に血圧を下げる薬が効果があり血圧は低い方が良いと…しかし内科のある先生の本には下100上180まで薬はいらない血圧を薬で下げる必要はないと東山は頭痛が酷い時痛み止が効かず試しの血圧の薬で楽になりました。江部先生は血圧ついてどう思われますか?漢方的に身体を診る場合血圧はあまり重視しないのでしょうか?
東山 | 2007.11.23(金) 21:01 | URL | 」
東山さん、コメント・質問ありがとうございます。
私は、漢方医でもあり西洋医でもありますが、両者のいいとこ取りが一番いいかなと思っています。
それで、西洋医学と東洋医学どちらが優れているというよりは
役割分担で相互に補完しているという認識です。
漢方では脈診はしますが、血圧は測りません。しかし、臨床医としては、血圧測定はやはり必要だと私は思います。
降圧剤が必要な血圧レベルに関しても、諸説ありますね。私もまだ断定はできかねているところです。
ただ、一糖尿人としては、UKPDSという英国の2型糖尿病の現在まで世界中でもっとも権威ある大規模研究・臨床試験で、厳格な血圧コントロール群(144/82mmHg)では、ゆるやかな血圧コントロール群(154/87mmHg)に比べて、リスクが減少したことが報告されています。
糖尿病性合併症全体 24%減少 p=0.005
細小血管症 37% 減少p=0.009
脳卒中 44% 減少p=0.013
また、厳格な血圧コントロール群で、2型糖尿病の死亡率が低下していたことが明らかにされています。
従いまして、少なくとも糖尿人は、血圧を144/82以下に
コントロールしたいところです。
私の臨床経験でも、血圧のコントロールが良くない患者さんは、糖尿病性腎障害の悪化が早い印象があります。
江部康二
2007年11月22日 (木)
おはようございます。今朝は、雨がシトシト降っています。
明日は休日だから、今日は一日頑張ろう・・・、といきたいところですが、江部診療所は明日の23日も診療です。
声帯ポリープ手術で、一週間近く休んだので、
かなりのしわ寄せがきて休日も診療と相成りました (´ε`)
さて、
junさんから高タンパク食と腎臓に関する質問がありました。
この件に関しては、8.16のブログにも書きましたので参考にしていただけば幸いです。
「いつも拝見させていただいていますjunといいます。
先生に質問なのですがここにこのようなことが書かれていました
http://www.nutcns.com/iframe/03_ippan/10eiyoukouza/sinwa.html#2
たんぱく質を摂りすぎると、肝臓でアミノ酸から作られるたんぱく質の量も増加し、尿素が沢山作り出され、腎臓での尿素の排泄能力の限界を超え、腎臓に負担をかけることになります。
自分も先生の本を読ませて頂いてから糖質制限食でけっこうたんぱく質を取っているので気になりました。
そういうことで腎症が発症することもありえるのでしょうか?
教えて頂けることお願いします。
jun | 2007.11.15(木) 13:07 | URL | 」
junさん。コメント・質問ありがとうございます。
多くの人が同じような疑問を抱いていることと思います。
さて確かに過去の文献により、既に何らかの要因で腎機能障害が生じている人は高タンパク食を食べると、腎機能障害が進行しやすいと報告されています。
そして糖質制限食を実践すると、相対的に高タンパク食となります。そうすると『高タンパク食を食べ続けると腎臓が悪くなるのではないか?』と懸念を持つ人が時々おられます。
しかし、高タンパク食を摂取すると腎臓が悪くなるというエビデンス(根拠)はありません。
従って、腎機能が正常の糖尿人やメタボ人が 糖質制限食(高タンパク食)を食べても全く問題はありません。
一方、既に腎機能が障害されている糖尿人には、糖質制限食は適応とならないということです。
それから、細胞内の蛋白質が限度まで満たされると体液中のアミノ酸は分解されエネルギーとして使われたり、主に脂質あるいはわずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。この大部分は肝臓で行われます。
アミノ酸分解産物であるアンモニアが、そのままでは神経毒性を有するため、肝で尿素サイクルの代謝をうけて尿素が産生されます。
尿素のほとんどは、腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されますが、その一部は再吸収され血中に戻されます。
一部再吸収されるので、高タンパク食により血中尿素窒素(BUN)が高値となることはありますが、これは生理的な現象で腎機能障害ではありません。血中クレアチニン値や血中シスタチンCの値は正常で問題ありませんので、腎臓に負担がかかるということもありません。
江部康二はスーパー糖質制限食ですから、タンパク質摂取は総カロリーの32%ていど(120~140g/日)とかなりの量を食べていますが最近の検査でBUNは18.8mg/dl(8~20)、クレアチニンは0.72mg/dl(0.5~1.3)と正常値です。
糖質制限食実践中の患者さんで、時々BUNが軽度高値の人はおられますが、クレアチンが正常なら心配要りません。
ということでjunさん、安心して糖質制限食を続けて下さいね。
江部康二
明日は休日だから、今日は一日頑張ろう・・・、といきたいところですが、江部診療所は明日の23日も診療です。
声帯ポリープ手術で、一週間近く休んだので、
かなりのしわ寄せがきて休日も診療と相成りました (´ε`)
さて、
junさんから高タンパク食と腎臓に関する質問がありました。
この件に関しては、8.16のブログにも書きましたので参考にしていただけば幸いです。
「いつも拝見させていただいていますjunといいます。
先生に質問なのですがここにこのようなことが書かれていました
http://www.nutcns.com/iframe/03_ippan/10eiyoukouza/sinwa.html#2
たんぱく質を摂りすぎると、肝臓でアミノ酸から作られるたんぱく質の量も増加し、尿素が沢山作り出され、腎臓での尿素の排泄能力の限界を超え、腎臓に負担をかけることになります。
自分も先生の本を読ませて頂いてから糖質制限食でけっこうたんぱく質を取っているので気になりました。
そういうことで腎症が発症することもありえるのでしょうか?
教えて頂けることお願いします。
jun | 2007.11.15(木) 13:07 | URL | 」
junさん。コメント・質問ありがとうございます。
多くの人が同じような疑問を抱いていることと思います。
さて確かに過去の文献により、既に何らかの要因で腎機能障害が生じている人は高タンパク食を食べると、腎機能障害が進行しやすいと報告されています。
そして糖質制限食を実践すると、相対的に高タンパク食となります。そうすると『高タンパク食を食べ続けると腎臓が悪くなるのではないか?』と懸念を持つ人が時々おられます。
しかし、高タンパク食を摂取すると腎臓が悪くなるというエビデンス(根拠)はありません。
従って、腎機能が正常の糖尿人やメタボ人が 糖質制限食(高タンパク食)を食べても全く問題はありません。
一方、既に腎機能が障害されている糖尿人には、糖質制限食は適応とならないということです。
それから、細胞内の蛋白質が限度まで満たされると体液中のアミノ酸は分解されエネルギーとして使われたり、主に脂質あるいはわずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。この大部分は肝臓で行われます。
アミノ酸分解産物であるアンモニアが、そのままでは神経毒性を有するため、肝で尿素サイクルの代謝をうけて尿素が産生されます。
尿素のほとんどは、腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されますが、その一部は再吸収され血中に戻されます。
一部再吸収されるので、高タンパク食により血中尿素窒素(BUN)が高値となることはありますが、これは生理的な現象で腎機能障害ではありません。血中クレアチニン値や血中シスタチンCの値は正常で問題ありませんので、腎臓に負担がかかるということもありません。
江部康二はスーパー糖質制限食ですから、タンパク質摂取は総カロリーの32%ていど(120~140g/日)とかなりの量を食べていますが最近の検査でBUNは18.8mg/dl(8~20)、クレアチニンは0.72mg/dl(0.5~1.3)と正常値です。
糖質制限食実践中の患者さんで、時々BUNが軽度高値の人はおられますが、クレアチンが正常なら心配要りません。
ということでjunさん、安心して糖質制限食を続けて下さいね。
江部康二
2007年11月21日 (水)
おはようございます。
今日は、Dashさんから糖質制限食と尿酸に関するコメント・質問をいただきました。
この件は、7.24、7.25、9.11ブログも参照していただけば幸いです。
「■尿酸値
いつも楽しく拝見させていただいています。
46歳の健康診断でHbA1cが4.7 47歳の時はHbA1cが5.5でしたので、この時から注意していたら良かったと後悔している51歳の2型の糖尿病のDashといいます。
この夏に病院で検査(お酒の飲みすぎで体調が悪く・血圧も高くて)を受けた時、朝食2時間後の血糖値が270でした。(8月13日)
内科担当医は糖尿病ですねと一言!!
掛かりつけの内科担当医は、まずカロリー制限(1400カロリー)して下さいと次の検査は2週間後に・・・
(なんで数日後に再検査してもらえなかったのかは判りません、予約診療が一杯だったのか? Drが盆休みだったのか 笑)
次の検査日まで日があったので糖尿病をネットで調べて行くうちに先生のプログ行き着きました。
おお~目からウロコが・・・糖尿病にはカーボコントロール!!
次の再検査(8月30日)で、空腹血糖値133 HbA1c9.2 だと 2型糖尿病の仲間入りとなりました。
すでに江部先生の糖質制限食をしようと思っていたので実践しました。
私の場合は、完全に炭水化物を絶つのではなく少量にしました。(まったく食べないなどの無理な設定では自分に自信が無かったので 笑)
その方法は、血糖値の測定器を購入し食後1時間・2時間血糖値を160~180未満に抑えられる炭水化物量を探したのです。
例としたら 朝だとを食パン6枚切りの1枚の半分・昼は5割そば120g(150gの袋入り)・夜は茶碗に1/3 白米、もちろん野菜はたくさん食べるようになりました。
血糖値もいろいろと調べていくと、炭水化物量を一定にしても結構ばらつきが出るようです。
そして気になる結果は、
8/30 10/3 11/13
総コレステロール 216 209 224
善玉HDL-C 51 59 62
悪玉LDH-C 141 116 145
中性脂肪 117 170 85
血糖 133 89 102
HbA1c 9.2 6.8 5.3
体重 69kg 64kg 63kg
AST(GOT) 66 47 37
ALT(GPT) 68 48 33
LDH 141 137 159
γGTP 600 276 172(現在はスタイルフリー350mlを1缶/日)
ALP 478 465 418
尿酸 6.9 7.3 7.6
2ヶ月半でHbA1c9.2が 5.3と正常値に 恐るべし江部先生の糖質制限食!!
しかも体重も6kg減量 身長が174cmなのでベストになりました。 ここにも効果が!!
γGTPの値は悪いですが徐々に回復に向かっているので様子見となっています。(担当医弁)
しかし心配なのは、尿酸値が増えていることです。
大丈夫なのでしょうか? またALPはあまり変化がなくこちらも心配です。
現在は血圧降下薬レニベース5mgを毎日1錠服用しています。
PS 担当医は短期間で下がったHbA1c値にとっても驚かれていました。!!
カロリー制限だけの処方ではね
Dash | 2007.11.15(木) 16:02 | URL |
Dashさん。コメント・質問ありがとうございます。
2ヶ月半の 糖質制限食で6kgの減量、HbA1c9.2%→5.3%への改善、素晴らしい効果ですね。おめでとうございます(⌒O⌒)
「江部先生の糖質制限食をしようと思っていたので実践しました。
私の場合は、完全に炭水化物を絶つのではなく少量にしました。(まったく食べないなどの無理な設定では自分に自信が無かったので 笑)
その方法は、血糖値の測定器を購入し食後1時間・2時間血糖値を160~180未満に抑えられる炭水化物量を探したのです。
例としたら 朝だとを食パン6枚切りの1枚の半分・昼は5割そば120g(150gの袋入り)・夜は茶碗に1/3 白米
もちろん野菜はたくさん食べるようになりました。
血糖値もいろいろと調べていくと、炭水化物量を一定にしても結構ばらつきが出るようです。」
Dashさん、とてもリーズナブルな方法ですね。長く続けることが肝腎なので、我慢我慢では意味ありませんからね。
確かに食後2時間血糖値が180mg/dl未満なら、大血管の合併症も悪化しないとされています。
血糖値に一番関与するのは、間違いなく糖質ですが、それ以外に運動で下がり、ストレスで上昇とかあります。また軽症の糖尿病なら、GIの低い食品は血糖値をやや上昇させにくいと思います。
糖質制限食実践により、血糖値はリアルタイムに改善し、中性脂肪値は速やかに下がって正常になり、HDL-コレステロール値は月単位で徐々に上昇します。
即ち、代謝全てが安定していきます。
総コレステロール値とLDL-コレステロール値は人により差があり、一定しません。しかし、真の悪玉の小粒子LDL-コレステロール値や酸化LDL-コレステロール値は、(中性脂肪値が減少しHDL-コレステロール値が上昇するので)減少しますから、問題はありません。
そして尿酸ですが、個人差があり一定しません。ちなみに、江部康二はスーパー糖質制限食ですから、タンパク質摂取は総カロリーの32%ていど(120~140g/日)とかなりの量を食べていますが尿酸値は2.4~2.7mg/dl(7以下)と低めです。私の兄も同様です。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎやビールの飲み過ぎということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
Dashさんの尿酸値は6.9mg/dlが7.6mg/dlと軽度上昇ですが、これくらいなら経過を見てもよいと思います。
糖質制限食でいったん上昇した尿酸値は、また落ち着いてくることが多いです。
江部康二
**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
今日は、Dashさんから糖質制限食と尿酸に関するコメント・質問をいただきました。
この件は、7.24、7.25、9.11ブログも参照していただけば幸いです。
「■尿酸値
いつも楽しく拝見させていただいています。
46歳の健康診断でHbA1cが4.7 47歳の時はHbA1cが5.5でしたので、この時から注意していたら良かったと後悔している51歳の2型の糖尿病のDashといいます。
この夏に病院で検査(お酒の飲みすぎで体調が悪く・血圧も高くて)を受けた時、朝食2時間後の血糖値が270でした。(8月13日)
内科担当医は糖尿病ですねと一言!!
掛かりつけの内科担当医は、まずカロリー制限(1400カロリー)して下さいと次の検査は2週間後に・・・
(なんで数日後に再検査してもらえなかったのかは判りません、予約診療が一杯だったのか? Drが盆休みだったのか 笑)
次の検査日まで日があったので糖尿病をネットで調べて行くうちに先生のプログ行き着きました。
おお~目からウロコが・・・糖尿病にはカーボコントロール!!
次の再検査(8月30日)で、空腹血糖値133 HbA1c9.2 だと 2型糖尿病の仲間入りとなりました。
すでに江部先生の糖質制限食をしようと思っていたので実践しました。
私の場合は、完全に炭水化物を絶つのではなく少量にしました。(まったく食べないなどの無理な設定では自分に自信が無かったので 笑)
その方法は、血糖値の測定器を購入し食後1時間・2時間血糖値を160~180未満に抑えられる炭水化物量を探したのです。
例としたら 朝だとを食パン6枚切りの1枚の半分・昼は5割そば120g(150gの袋入り)・夜は茶碗に1/3 白米、もちろん野菜はたくさん食べるようになりました。
血糖値もいろいろと調べていくと、炭水化物量を一定にしても結構ばらつきが出るようです。
そして気になる結果は、
8/30 10/3 11/13
総コレステロール 216 209 224
善玉HDL-C 51 59 62
悪玉LDH-C 141 116 145
中性脂肪 117 170 85
血糖 133 89 102
HbA1c 9.2 6.8 5.3
体重 69kg 64kg 63kg
AST(GOT) 66 47 37
ALT(GPT) 68 48 33
LDH 141 137 159
γGTP 600 276 172(現在はスタイルフリー350mlを1缶/日)
ALP 478 465 418
尿酸 6.9 7.3 7.6
2ヶ月半でHbA1c9.2が 5.3と正常値に 恐るべし江部先生の糖質制限食!!
しかも体重も6kg減量 身長が174cmなのでベストになりました。 ここにも効果が!!
γGTPの値は悪いですが徐々に回復に向かっているので様子見となっています。(担当医弁)
しかし心配なのは、尿酸値が増えていることです。
大丈夫なのでしょうか? またALPはあまり変化がなくこちらも心配です。
現在は血圧降下薬レニベース5mgを毎日1錠服用しています。
PS 担当医は短期間で下がったHbA1c値にとっても驚かれていました。!!
カロリー制限だけの処方ではね
Dash | 2007.11.15(木) 16:02 | URL |
Dashさん。コメント・質問ありがとうございます。
2ヶ月半の 糖質制限食で6kgの減量、HbA1c9.2%→5.3%への改善、素晴らしい効果ですね。おめでとうございます(⌒O⌒)
「江部先生の糖質制限食をしようと思っていたので実践しました。
私の場合は、完全に炭水化物を絶つのではなく少量にしました。(まったく食べないなどの無理な設定では自分に自信が無かったので 笑)
その方法は、血糖値の測定器を購入し食後1時間・2時間血糖値を160~180未満に抑えられる炭水化物量を探したのです。
例としたら 朝だとを食パン6枚切りの1枚の半分・昼は5割そば120g(150gの袋入り)・夜は茶碗に1/3 白米
もちろん野菜はたくさん食べるようになりました。
血糖値もいろいろと調べていくと、炭水化物量を一定にしても結構ばらつきが出るようです。」
Dashさん、とてもリーズナブルな方法ですね。長く続けることが肝腎なので、我慢我慢では意味ありませんからね。
確かに食後2時間血糖値が180mg/dl未満なら、大血管の合併症も悪化しないとされています。
血糖値に一番関与するのは、間違いなく糖質ですが、それ以外に運動で下がり、ストレスで上昇とかあります。また軽症の糖尿病なら、GIの低い食品は血糖値をやや上昇させにくいと思います。
糖質制限食実践により、血糖値はリアルタイムに改善し、中性脂肪値は速やかに下がって正常になり、HDL-コレステロール値は月単位で徐々に上昇します。
即ち、代謝全てが安定していきます。
総コレステロール値とLDL-コレステロール値は人により差があり、一定しません。しかし、真の悪玉の小粒子LDL-コレステロール値や酸化LDL-コレステロール値は、(中性脂肪値が減少しHDL-コレステロール値が上昇するので)減少しますから、問題はありません。
そして尿酸ですが、個人差があり一定しません。ちなみに、江部康二はスーパー糖質制限食ですから、タンパク質摂取は総カロリーの32%ていど(120~140g/日)とかなりの量を食べていますが尿酸値は2.4~2.7mg/dl(7以下)と低めです。私の兄も同様です。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎやビールの飲み過ぎということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
Dashさんの尿酸値は6.9mg/dlが7.6mg/dlと軽度上昇ですが、これくらいなら経過を見てもよいと思います。
糖質制限食でいったん上昇した尿酸値は、また落ち着いてくることが多いです。
江部康二
**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
2007年11月20日 (火)
おはようございます。今日は昨日の続きです。
2001年から現在まで獲得した知識をもとに、「私が糖尿病になった理由」を振り返って考察すれば、最大の要因は間違いなく『糖質の過剰摂取』ですね。
次いで、両親が糖尿病であるという遺伝的な体質がやはり関わっています。2型糖尿病は1型糖尿病(自己免疫疾患が主)に比し遺伝的リスクは多いです。
家族歴としては父も母も糖尿病で、父は77歳の時、糖尿病による血流傷害のため右大腿切断手術をし、その後、心筋梗塞や肺炎にもなり、2001年12月、80歳で永眠しました。
父は医師でしたが、タバコは飲むし糖尿病のコントロールも良くなくて合併症のオンパレードでした。そして糖質制限食は、父には残念ながら間に合いませんでした。
母は現在84才ですが、糖尿病は糖質制限食でコントロール良好であり、合併症もなく元気で一人暮らしをしています。
このように家族歴は完璧なので、私もそこそこ警戒はしていたのですが、40歳過ぎから「酒をやるなら純米大吟醸、ビール飲むなら恵比寿ビール、愛読書並びに推薦書は夏子の酒・・・」てなキャッチコピーで、それまでのウィスキーやブランデーから純米酒と恵比寿ビールに切り替えて、当時浴びるように飲んでいたのが今から思えば敗因でした。
土日のテニスの後も、当時はテニス仲間とクラブで宴会で、毎回ビールをたっぷり飲んでましたし、病院の給食は玄米でしたが、家や外食では白米をしっかり食べていました。
当時は幕内秀夫さんの影響もあり、パンは問題があるが米は大丈夫と思っていたので、米をたくさん食べておかずは魚菜食が主といったパターンでした。
その結果、糖質たっぷり摂取で、40歳ごろから毎日食事の度に食後高血糖を繰り返し、だめ押しに毎晩毎晩、雨の日も風の日も雪の日も、律儀に純米酒と恵比寿ビールで飲酒後高血糖を生じていたのでしょう。糖尿病発症コースまっしぐらです。
この頃は、テニスの帰りにスポーツジムにもよって自転車こぎや腹筋・背筋運動もやってましたが、なぜか体重は徐々に増加し、腹回りも順調に育っていきました。
しっかり摘めるお肉なので、筋肉増強ではなく脂肪増強に間違いありません。
食生活も運動も、同年齢のおじさんに比べればはるかに健康的なはずなのに・・・???
さらに「脳細胞が人体で一番エネルギーを消費するんやから、頭脳労働者である私は決して太れない!!」などと常々豪語していた私です。まして食養生や断食を提唱する医師としては、穴があったら入りたい心境でした。(=_=)
2002年、52歳糖尿病発覚時には、とうとう身長167cm、体重67kgになって、血圧は160/100、腹囲は86cmと、今流行のメタボリック・シンドロームの診断基準を見事に満たしていました。
ここに至り、2002年6月から糖質制限食を開始しました。
2001年に糖尿病の患者さんに初めて 糖質制限食を実施し劇的改善を得てからはその効果を実感していたので、うまくいく確信はありました。
肉・魚・野菜・豆腐などおかずは食べ放題で、主食(糖質)だけはなしです。酒は日本酒、ビールなどの糖質を含んでいる醸造酒は中止し、もっぱら焼酎(蒸留酒)としました。赤ワインだけは、醸造酒の中でも血糖値を上昇させないので、適宜飲みました。
その結果、半年間の糖質制限食で、体重は56kgにおち、血圧も120/70、HbA1Cも4.9%と改善しました。メタボリック・シンドロームも全て解消しました。
このように糖質を制限することだけで、劇的に糖尿病が改善し、メタボリックシンドロームも治りました。私以外の大勢の患者さん(入院300人以上、外来1000人以上)においてもこのことは確かめられています。
糖尿病の増加もメタボリックシンドロームの増加も、結局、糖質の過剰摂取が根本要因と考えられます。特に精製された炭水化物の過剰摂取が諸悪の根源で、生活習慣病やアレルギー疾患の元とといえます。
江部康二
2001年から現在まで獲得した知識をもとに、「私が糖尿病になった理由」を振り返って考察すれば、最大の要因は間違いなく『糖質の過剰摂取』ですね。
次いで、両親が糖尿病であるという遺伝的な体質がやはり関わっています。2型糖尿病は1型糖尿病(自己免疫疾患が主)に比し遺伝的リスクは多いです。
家族歴としては父も母も糖尿病で、父は77歳の時、糖尿病による血流傷害のため右大腿切断手術をし、その後、心筋梗塞や肺炎にもなり、2001年12月、80歳で永眠しました。
父は医師でしたが、タバコは飲むし糖尿病のコントロールも良くなくて合併症のオンパレードでした。そして糖質制限食は、父には残念ながら間に合いませんでした。
母は現在84才ですが、糖尿病は糖質制限食でコントロール良好であり、合併症もなく元気で一人暮らしをしています。
このように家族歴は完璧なので、私もそこそこ警戒はしていたのですが、40歳過ぎから「酒をやるなら純米大吟醸、ビール飲むなら恵比寿ビール、愛読書並びに推薦書は夏子の酒・・・」てなキャッチコピーで、それまでのウィスキーやブランデーから純米酒と恵比寿ビールに切り替えて、当時浴びるように飲んでいたのが今から思えば敗因でした。
土日のテニスの後も、当時はテニス仲間とクラブで宴会で、毎回ビールをたっぷり飲んでましたし、病院の給食は玄米でしたが、家や外食では白米をしっかり食べていました。
当時は幕内秀夫さんの影響もあり、パンは問題があるが米は大丈夫と思っていたので、米をたくさん食べておかずは魚菜食が主といったパターンでした。
その結果、糖質たっぷり摂取で、40歳ごろから毎日食事の度に食後高血糖を繰り返し、だめ押しに毎晩毎晩、雨の日も風の日も雪の日も、律儀に純米酒と恵比寿ビールで飲酒後高血糖を生じていたのでしょう。糖尿病発症コースまっしぐらです。
この頃は、テニスの帰りにスポーツジムにもよって自転車こぎや腹筋・背筋運動もやってましたが、なぜか体重は徐々に増加し、腹回りも順調に育っていきました。
しっかり摘めるお肉なので、筋肉増強ではなく脂肪増強に間違いありません。
食生活も運動も、同年齢のおじさんに比べればはるかに健康的なはずなのに・・・???
さらに「脳細胞が人体で一番エネルギーを消費するんやから、頭脳労働者である私は決して太れない!!」などと常々豪語していた私です。まして食養生や断食を提唱する医師としては、穴があったら入りたい心境でした。(=_=)
2002年、52歳糖尿病発覚時には、とうとう身長167cm、体重67kgになって、血圧は160/100、腹囲は86cmと、今流行のメタボリック・シンドロームの診断基準を見事に満たしていました。
ここに至り、2002年6月から糖質制限食を開始しました。
2001年に糖尿病の患者さんに初めて 糖質制限食を実施し劇的改善を得てからはその効果を実感していたので、うまくいく確信はありました。
肉・魚・野菜・豆腐などおかずは食べ放題で、主食(糖質)だけはなしです。酒は日本酒、ビールなどの糖質を含んでいる醸造酒は中止し、もっぱら焼酎(蒸留酒)としました。赤ワインだけは、醸造酒の中でも血糖値を上昇させないので、適宜飲みました。
その結果、半年間の糖質制限食で、体重は56kgにおち、血圧も120/70、HbA1Cも4.9%と改善しました。メタボリック・シンドロームも全て解消しました。
このように糖質を制限することだけで、劇的に糖尿病が改善し、メタボリックシンドロームも治りました。私以外の大勢の患者さん(入院300人以上、外来1000人以上)においてもこのことは確かめられています。
糖尿病の増加もメタボリックシンドロームの増加も、結局、糖質の過剰摂取が根本要因と考えられます。特に精製された炭水化物の過剰摂取が諸悪の根源で、生活習慣病やアレルギー疾患の元とといえます。
江部康二
2007年11月19日 (月)
おはようございます。
天気予報どおり、昨夜から冷えてきて、今朝はこの秋初めてパッチをはいて、京都駅前診療所にこれから出かけます。吐く息が白いです。
さて今日は、恵理さんからの、面白い質問です。
「いつも楽しく学ばせて頂いています。
糖尿病学会でさえ糖質について何も述べられないなんて、やはり自分の身体は自分で守るべく、学んでいかなければならないんですね。
ひとつ質問です。江部先生はご自身が糖尿病であることを知ったとき、どうお感じになられましたか?
先日、電車内で中年の男性が糖尿病の診断を受けたことを悲壮な感じでお連れの方に話されてるのを見て、人は糖尿病という診断を受けたときにどのようなことを感じられるのか知りたくなりました。
興味本位での質問ではないのですが、差し支えなければお願いします。
恵理 | 2007.11.15(木) 09:57 | URL | 」
はい、恵理さん、私も検査データを見た時、まず愕然としました。きっと青ざめていたでしょう。血の気がひく感じがありましたね。
食事制限、内服薬、インスリン注射、合併症・・・、頭の中を走馬燈のように(いや古めかしい表現ですみません)いろんな思いが駆けめぐりました。
なんせ医師ですから、なまじ知識が少しはあるので、瞬間的ダメージは一般の人より深かったかもしれません。
そして次に何かの間違いだろうと思いました。或いは間違いと思いたかったのですね(*_*)
2002年6月某日のことです。
高雄病院でふと調べたHbA1cが6.3%もありました。
あれっ!と思って、お昼の給食に玄米180gを摂取後2時間血糖値を計ったら、何と258mg/dlもあったのです。(この時血の気がひいたんです。)
それで翌日、もう一回玄米を150g摂取して、もう一度測定したら、やはり228mg/dlありました。ガックリきました。
病院でのお昼の給食は、十数年来、玄米魚菜食、家でも脂っこいものは極力避けて、お魚や野菜中心でご飯、季節の旬の果物、いわゆる従来のヘルシー食でした。
そして、土曜日、日曜日はテニスクラブで昼からダブルスを、数試合で、世間一般のおじさんに比べれば、食事も運動もかなり健康的なライススタイルだと自負していたので、「なぜだ?!」と疑問は沸々と湧いてきましたね。
しかし、ここにいたって、診断基準を確実に満たしましたので、すぐに無駄な抵抗はやめて「江部康二=糖尿病」という事実をしっかり受け止めました。
私は、元来、気持ちの切り替えは早いほうなので、「親父もお袋も糖尿病やし、しゃーないな。」と諦めの境地に達しました( ´・ω・)∧∧
それから、過去のデータを見直してみました。
1993.1.20 FBS:80mg/l HbA1c:5.6%
1994.9.5 FBS:94mg/l
1994.11.14 FBS:107mg/l
1996.10.9 FBS:103mg/l HbA1c:5.6%
1997.2.6 FBS:106mg/l
1998.3.5 FBS:115mg/l
冷静に見れば、1998年から空腹時血糖値が、すでに予備軍(境界領域:IFG)レベルでした。
また、2004年のHbA1cが4.9% と減少・改善しているので、1993年時点(HbA1c:5.6%)で既に食後高血糖であった可能性が高いのです。
まあ、食後高血糖が数年間続いて(追加分泌インスリンの遷延・低下)、とうとうインスリン基礎分泌も不足してきて、空腹時血糖値の上昇という、日本糖尿人の典型的パターンを辿っていたのですね。
いやはや、油断でした。
1993年時点で、食後血糖値をチェックしていれば私の糖尿病人生は全く違ったものになってたでしょうね。医師としてはあきらかに見逃しで、はっきり言って藪医者ですね(=_=)
糖尿人発覚の、2002年6月から、スタンダード糖質制限食を開始、2003年6月からは、スーパー糖質制限食を開始して現在にいたります。
1999年に兄・江部洋一郎が高雄病院に初めて糖質制限食を導入し、2001年9月から、私も糖尿病患者さんに 糖質制限食治療を開始しました。
自分が糖尿人と発覚してからは、糖尿病の食事療法研究のモチベーションは(患者さんには申し訳ないのですが)非常に高まりました。
やはり薬やインスリン注射はできれば使いたくなかったものですから・・・。
それから、自分が糖尿人(患者)でもあるので、他の医師に対しては物は言いやすくなりました。
さらに、自分で食物の人体実験ができるのも、食事療法研究においてとても重宝でした。
「糖質制限ドットコム」で販売している 糖質制限食OK食品は、全て私の人体実験済みです。これからも美味しい食品開発していきますので「糖質制限ドットコム」よろしくお願いしますね。
江部康二
**
糖質制限ドットコム(糖質制限食普及センター)
(株)京都高雄倶楽部
TEL:075-873-2170 FAX:075-873-2270
http://www.toushitsuseigen.com/
天気予報どおり、昨夜から冷えてきて、今朝はこの秋初めてパッチをはいて、京都駅前診療所にこれから出かけます。吐く息が白いです。
さて今日は、恵理さんからの、面白い質問です。
「いつも楽しく学ばせて頂いています。
糖尿病学会でさえ糖質について何も述べられないなんて、やはり自分の身体は自分で守るべく、学んでいかなければならないんですね。
ひとつ質問です。江部先生はご自身が糖尿病であることを知ったとき、どうお感じになられましたか?
先日、電車内で中年の男性が糖尿病の診断を受けたことを悲壮な感じでお連れの方に話されてるのを見て、人は糖尿病という診断を受けたときにどのようなことを感じられるのか知りたくなりました。
興味本位での質問ではないのですが、差し支えなければお願いします。
恵理 | 2007.11.15(木) 09:57 | URL | 」
はい、恵理さん、私も検査データを見た時、まず愕然としました。きっと青ざめていたでしょう。血の気がひく感じがありましたね。
食事制限、内服薬、インスリン注射、合併症・・・、頭の中を走馬燈のように(いや古めかしい表現ですみません)いろんな思いが駆けめぐりました。
なんせ医師ですから、なまじ知識が少しはあるので、瞬間的ダメージは一般の人より深かったかもしれません。
そして次に何かの間違いだろうと思いました。或いは間違いと思いたかったのですね(*_*)
2002年6月某日のことです。
高雄病院でふと調べたHbA1cが6.3%もありました。
あれっ!と思って、お昼の給食に玄米180gを摂取後2時間血糖値を計ったら、何と258mg/dlもあったのです。(この時血の気がひいたんです。)
それで翌日、もう一回玄米を150g摂取して、もう一度測定したら、やはり228mg/dlありました。ガックリきました。
病院でのお昼の給食は、十数年来、玄米魚菜食、家でも脂っこいものは極力避けて、お魚や野菜中心でご飯、季節の旬の果物、いわゆる従来のヘルシー食でした。
そして、土曜日、日曜日はテニスクラブで昼からダブルスを、数試合で、世間一般のおじさんに比べれば、食事も運動もかなり健康的なライススタイルだと自負していたので、「なぜだ?!」と疑問は沸々と湧いてきましたね。
しかし、ここにいたって、診断基準を確実に満たしましたので、すぐに無駄な抵抗はやめて「江部康二=糖尿病」という事実をしっかり受け止めました。
私は、元来、気持ちの切り替えは早いほうなので、「親父もお袋も糖尿病やし、しゃーないな。」と諦めの境地に達しました( ´・ω・)∧∧
それから、過去のデータを見直してみました。
1993.1.20 FBS:80mg/l HbA1c:5.6%
1994.9.5 FBS:94mg/l
1994.11.14 FBS:107mg/l
1996.10.9 FBS:103mg/l HbA1c:5.6%
1997.2.6 FBS:106mg/l
1998.3.5 FBS:115mg/l
冷静に見れば、1998年から空腹時血糖値が、すでに予備軍(境界領域:IFG)レベルでした。
また、2004年のHbA1cが4.9% と減少・改善しているので、1993年時点(HbA1c:5.6%)で既に食後高血糖であった可能性が高いのです。
まあ、食後高血糖が数年間続いて(追加分泌インスリンの遷延・低下)、とうとうインスリン基礎分泌も不足してきて、空腹時血糖値の上昇という、日本糖尿人の典型的パターンを辿っていたのですね。
いやはや、油断でした。
1993年時点で、食後血糖値をチェックしていれば私の糖尿病人生は全く違ったものになってたでしょうね。医師としてはあきらかに見逃しで、はっきり言って藪医者ですね(=_=)
糖尿人発覚の、2002年6月から、スタンダード糖質制限食を開始、2003年6月からは、スーパー糖質制限食を開始して現在にいたります。
1999年に兄・江部洋一郎が高雄病院に初めて糖質制限食を導入し、2001年9月から、私も糖尿病患者さんに 糖質制限食治療を開始しました。
自分が糖尿人と発覚してからは、糖尿病の食事療法研究のモチベーションは(患者さんには申し訳ないのですが)非常に高まりました。
やはり薬やインスリン注射はできれば使いたくなかったものですから・・・。
それから、自分が糖尿人(患者)でもあるので、他の医師に対しては物は言いやすくなりました。
さらに、自分で食物の人体実験ができるのも、食事療法研究においてとても重宝でした。
「糖質制限ドットコム」で販売している 糖質制限食OK食品は、全て私の人体実験済みです。これからも美味しい食品開発していきますので「糖質制限ドットコム」よろしくお願いしますね。
江部康二
**
糖質制限ドットコム(糖質制限食普及センター)
(株)京都高雄倶楽部
TEL:075-873-2170 FAX:075-873-2270
http://www.toushitsuseigen.com/
2007年11月17日 (土)
こんばんは。
昨夜は第三金曜ライブ、歌えないので、喋ってばかりいたら
ライブがやたら長引いてしまいました。反省ですね <(_ _)>
さて、
糖尿病は、一旦発症したら決して治らないとされていますが、本当のところどうなのでしょう?
糖尿病の発症には、インスリン分泌不足とインスリン抵抗性が関わっています。両者が合わさって糖尿病になるのですが、まとめてインスリン作用不足といいます。
一般に日本人は、インスリン分泌不足が主の糖尿病が多く、
欧米人は、インスリン抵抗性が主の糖尿病が多いとされています。
インスリン分泌不足の発症・進行ですが(一般的な説では)
まず追加分泌の遷延と低下が始まり、徐々に食後高血糖となっていきます。
食後高血糖が続くようになれば、数年間で基礎分泌のインスリンも不足するようになり、早朝空腹時血糖値が上昇してきます。そして、高血糖そのものが膵臓のβ細胞にダメージを与えます。
従って、インスリン分泌不足が主の糖尿病においては、発症した時にすでに膵臓のβ細胞の1~2割は壊れていることが多く、これは当然決して治りません。
しかし、β細胞は糖毒状態で疲弊しているが、まだ壊れていない段階であれば、外部からのインスリン補充あるいは 糖質制限食でβ細胞を休養させれば、回復することはよくあります。
次にインスリン抵抗性が主の糖尿病を考えてみます。
この場合、インスリン分泌能力は保たれていることが多く、インスリン分泌不足はない場合も結構あります。日本人でもこのタイプが少し増えてきています。
例えば、肥満や脂肪肝がありインスリン抵抗性が高まり糖尿病を発症した場合は、肥満や脂肪肝が改善すればインスリン抵抗性も改善してきます。
そうすると、適量のインスリンで細胞内にブドウ糖を取り込むことが可能となり、インスリン分泌不足はないので、糖尿病が治ることになります。
治るという言い方に語弊があるなら、インスリン作用不足が改善し健常のパターンに戻るということです。
実際、そういう患者さんを数名経験しました。
例えば、空腹時血糖値218mg/dl、HbA1c11.7%、163cm、72kgだった人が、内服薬なしで糖質制限食を1年続けて、60kgと肥満が解消し、HbA1cは5%前後で保ち、糖質を普通に摂取しても食後2時間血糖値が140mg/dl未満となりました。
血液検査のデータでは、診断基準上は正常人としかいいようがありませんので、糖尿病のレッテルも消えました。
現段階ならこの患者さんが糖尿病専門医を受診していろいろ血液検査をされたとしても「糖尿病ではありません。診断基準からみて正常です。」という診断となるでしょう。
江部康二の場合は、インスリン分泌不足が主でインスリン抵抗性が従の糖尿病でして、スーパー 糖質制限食を続けているかぎりは正常人ですが、糖質を摂取すれば残念ながら食後時間血糖値は200mgを超えて、立派な糖尿病です。
β細胞が既に1~2割壊れていて、決して治らないパターンですね(×_×)
結論、
「インスリン抵抗性が主の糖尿病なら、抵抗性が改善すれば
糖代謝が正常人のパターンに戻る人もまれにいる。」ということですね。
江部康二
昨夜は第三金曜ライブ、歌えないので、喋ってばかりいたら
ライブがやたら長引いてしまいました。反省ですね <(_ _)>
さて、
糖尿病は、一旦発症したら決して治らないとされていますが、本当のところどうなのでしょう?
糖尿病の発症には、インスリン分泌不足とインスリン抵抗性が関わっています。両者が合わさって糖尿病になるのですが、まとめてインスリン作用不足といいます。
一般に日本人は、インスリン分泌不足が主の糖尿病が多く、
欧米人は、インスリン抵抗性が主の糖尿病が多いとされています。
インスリン分泌不足の発症・進行ですが(一般的な説では)
まず追加分泌の遷延と低下が始まり、徐々に食後高血糖となっていきます。
食後高血糖が続くようになれば、数年間で基礎分泌のインスリンも不足するようになり、早朝空腹時血糖値が上昇してきます。そして、高血糖そのものが膵臓のβ細胞にダメージを与えます。
従って、インスリン分泌不足が主の糖尿病においては、発症した時にすでに膵臓のβ細胞の1~2割は壊れていることが多く、これは当然決して治りません。
しかし、β細胞は糖毒状態で疲弊しているが、まだ壊れていない段階であれば、外部からのインスリン補充あるいは 糖質制限食でβ細胞を休養させれば、回復することはよくあります。
次にインスリン抵抗性が主の糖尿病を考えてみます。
この場合、インスリン分泌能力は保たれていることが多く、インスリン分泌不足はない場合も結構あります。日本人でもこのタイプが少し増えてきています。
例えば、肥満や脂肪肝がありインスリン抵抗性が高まり糖尿病を発症した場合は、肥満や脂肪肝が改善すればインスリン抵抗性も改善してきます。
そうすると、適量のインスリンで細胞内にブドウ糖を取り込むことが可能となり、インスリン分泌不足はないので、糖尿病が治ることになります。
治るという言い方に語弊があるなら、インスリン作用不足が改善し健常のパターンに戻るということです。
実際、そういう患者さんを数名経験しました。
例えば、空腹時血糖値218mg/dl、HbA1c11.7%、163cm、72kgだった人が、内服薬なしで糖質制限食を1年続けて、60kgと肥満が解消し、HbA1cは5%前後で保ち、糖質を普通に摂取しても食後2時間血糖値が140mg/dl未満となりました。
血液検査のデータでは、診断基準上は正常人としかいいようがありませんので、糖尿病のレッテルも消えました。
現段階ならこの患者さんが糖尿病専門医を受診していろいろ血液検査をされたとしても「糖尿病ではありません。診断基準からみて正常です。」という診断となるでしょう。
江部康二の場合は、インスリン分泌不足が主でインスリン抵抗性が従の糖尿病でして、スーパー 糖質制限食を続けているかぎりは正常人ですが、糖質を摂取すれば残念ながら食後時間血糖値は200mgを超えて、立派な糖尿病です。
β細胞が既に1~2割壊れていて、決して治らないパターンですね(×_×)
結論、
「インスリン抵抗性が主の糖尿病なら、抵抗性が改善すれば
糖代謝が正常人のパターンに戻る人もまれにいる。」ということですね。
江部康二
2007年11月16日 (金)
おはようございます。
今日は第三金曜ライブの日ですが、まだ小声療法中で歌は歌えません。MCを小声でやるにとどめます。
ところで、2007年12月21日の金曜ライブから『憧夢』に場所が変わります。2008年1月16日には、地下鉄東西線も太秦天神川駅まで開通します。アクセスもよくなりますので是非お立ち寄り下さい。
【憧夢】
http://www.106215.jp/
住所 京都市右京区太秦下刑部町9
電話 075-861-2040
FAX 075-861-2104
嵐電、蚕の社駅から、三条通を北へ渡って、石の鳥居をくぐってすぐに右折し、また最初の道を右折して道なりに。蚕の社駅から合計徒歩2分です。
さて今回は、人類の進化と食生活シリーズのエピローグです。
不肖江部康二、未だ浅学ではありますが、まして人類学など素人なのですが、
「親指はなぜ太いのか-直立二足歩行の起原に迫る」(島泰三、中公新書)
「はだかの起源」(島泰三、木楽社)、
「農業は人類の原罪である」(コリン・タッジ著、竹内久美子訳、新潮社)
「天才と分裂病の進化論」(デビット・ホロビン著、新潮社)
などの本を読みあさり、人類の進化に関してとても興味深い仮説に辿り着きました。 本の題名だけでも何やらワクワクしてきませんか?
それぞれの著者が大胆な仮説を展開していますが、皆さん決して怪しい人達ではありませんからね。
島泰三氏は、霊長類学を専攻する人類学者、コリン・タッジは、英国の動物学者でサイエンス・ライター、デビット・ホロビンは、英国の著明な精神科医です。
上述の4冊の本や他の人類学の本を参考にし、人類の進化全てを概観してまとめてみると、現代型ホモ・サピエンスの祖先は
20万年前のアフリカの女性に辿り着きます(ミトコンドリア・イブ仮説)。
この20万年~15万年前頃に、アフリカの東海岸で人類の進化におけるエポックメーキングな出来事がおこります。
即ち、
1 「裸+華奢な体つき」の人類誕生→後に最後の氷河期に衣服の発明
2 不自由な喉頭の構造(誤嚥)→後に言語の発達
3 分裂病遺伝子を含む突然変異→脳のシナプスの機能の画期的な向上
この三つのことが20万年前に、ほぼ同時期に起こり、現生人類の文化と呼べる全てがここから始まったと考えられます。
「裸+華奢な体つき」という、他の人類に比して明確なハンディを持つ現世人類が、氷河期を乗り越えることができたのは、衣服と火を使いこなすということができたからに他なりません。
また同様に言語が発達したことにより、コミュニケーション能力が飛躍的に高まり、狩りの様式を一変させ、道具を発展させ、文化を生み出しました。
これらは分裂病遺伝子という突然変異により、大きいだけで250万年進化していなかった脳の機能が飛躍的に向上したことが背景にあって初めて可能になったと考えられます。
脳の機能がが急速に発達した時期(約20万年前)は、動物性食品にしか含まれていないEPA・DHA(ω3系必須脂肪酸)の摂取が重要なポイントであり、この頃の人類は、それらが含まれている骨(骨髄)や、魚介類や動物など、動物性食品をしっかり摂取していたと考えられます。
「人類の進化と食生活シリーズ」は今回が最終回です。
私の食生活探訪の旅は「日本人が本来食べていたものは?」という疑問から始まり、最終的には「人類が本来食べていたものは?」というより根源的な疑問に辿り着いて、今はほっと一息といったところです。
本シリーズがブログ読者の皆さんの参考になれば幸いです。
江部康二
***
ブログの画面、左側の枠、カテゴリーの中の
人類の進化と食生活①~⑪を参照してくださいね。
今日は第三金曜ライブの日ですが、まだ小声療法中で歌は歌えません。MCを小声でやるにとどめます。
ところで、2007年12月21日の金曜ライブから『憧夢』に場所が変わります。2008年1月16日には、地下鉄東西線も太秦天神川駅まで開通します。アクセスもよくなりますので是非お立ち寄り下さい。
【憧夢】
http://www.106215.jp/
住所 京都市右京区太秦下刑部町9
電話 075-861-2040
FAX 075-861-2104
嵐電、蚕の社駅から、三条通を北へ渡って、石の鳥居をくぐってすぐに右折し、また最初の道を右折して道なりに。蚕の社駅から合計徒歩2分です。
さて今回は、人類の進化と食生活シリーズのエピローグです。
不肖江部康二、未だ浅学ではありますが、まして人類学など素人なのですが、
「親指はなぜ太いのか-直立二足歩行の起原に迫る」(島泰三、中公新書)
「はだかの起源」(島泰三、木楽社)、
「農業は人類の原罪である」(コリン・タッジ著、竹内久美子訳、新潮社)
「天才と分裂病の進化論」(デビット・ホロビン著、新潮社)
などの本を読みあさり、人類の進化に関してとても興味深い仮説に辿り着きました。 本の題名だけでも何やらワクワクしてきませんか?
それぞれの著者が大胆な仮説を展開していますが、皆さん決して怪しい人達ではありませんからね。
島泰三氏は、霊長類学を専攻する人類学者、コリン・タッジは、英国の動物学者でサイエンス・ライター、デビット・ホロビンは、英国の著明な精神科医です。
上述の4冊の本や他の人類学の本を参考にし、人類の進化全てを概観してまとめてみると、現代型ホモ・サピエンスの祖先は
20万年前のアフリカの女性に辿り着きます(ミトコンドリア・イブ仮説)。
この20万年~15万年前頃に、アフリカの東海岸で人類の進化におけるエポックメーキングな出来事がおこります。
即ち、
1 「裸+華奢な体つき」の人類誕生→後に最後の氷河期に衣服の発明
2 不自由な喉頭の構造(誤嚥)→後に言語の発達
3 分裂病遺伝子を含む突然変異→脳のシナプスの機能の画期的な向上
この三つのことが20万年前に、ほぼ同時期に起こり、現生人類の文化と呼べる全てがここから始まったと考えられます。
「裸+華奢な体つき」という、他の人類に比して明確なハンディを持つ現世人類が、氷河期を乗り越えることができたのは、衣服と火を使いこなすということができたからに他なりません。
また同様に言語が発達したことにより、コミュニケーション能力が飛躍的に高まり、狩りの様式を一変させ、道具を発展させ、文化を生み出しました。
これらは分裂病遺伝子という突然変異により、大きいだけで250万年進化していなかった脳の機能が飛躍的に向上したことが背景にあって初めて可能になったと考えられます。
脳の機能がが急速に発達した時期(約20万年前)は、動物性食品にしか含まれていないEPA・DHA(ω3系必須脂肪酸)の摂取が重要なポイントであり、この頃の人類は、それらが含まれている骨(骨髄)や、魚介類や動物など、動物性食品をしっかり摂取していたと考えられます。
「人類の進化と食生活シリーズ」は今回が最終回です。
私の食生活探訪の旅は「日本人が本来食べていたものは?」という疑問から始まり、最終的には「人類が本来食べていたものは?」というより根源的な疑問に辿り着いて、今はほっと一息といったところです。
本シリーズがブログ読者の皆さんの参考になれば幸いです。
江部康二
***
ブログの画面、左側の枠、カテゴリーの中の
人類の進化と食生活①~⑪を参照してくださいね。
2007年11月15日 (木)
おはようございます。
江部家では、京都新聞と毎日新聞をとってます。
11月14日(水)の毎日新聞に、今日は「世界糖尿病デー」という記事が載りました。
2006年12月の国連決議で決まったのですが、単独の病気としては、エイズに次いで2番目で異例のことと言えます。
決議にあたって、バングラデシュが提案国に名乗りを上げ、発展途上国が結束したことが早期採択に繋がりました。文明国、発展途上国を問わず世界各国が糖尿病の脅威に気づいた結果と言えます。
今年が、第一回目の世界糖尿病デーとなります。現在世界の糖尿病患者は約2億4600万人、2025年には3億8000万人に達すると予想されています。
国際糖尿病連合(IDF)の統計によれば、世界で1分あたり12人、年間で約630万人が新たに糖尿病になっています。
また1分あたり6人、年間約315万人が糖尿病のため亡くなっています。この数字はエイズによる死亡者に匹敵します。
糖尿病合併症による社会の経済的負担は非常に大きく、先進国では医療費高騰の原因となっています。一方発展途上国では、満足な医療が受けられず亡くなる子供が大勢います。
日本の統計、厚生労働省の2006年国民健康・栄養調査によると、糖尿病患者や予備軍は40才以上の33.3%に達し、患者は11.9%です。国の「健康日本21」キャンペーンにもかかわらず、増加の勢いは止まりません。
さて、その糖尿病の治療の基本は食事と運動です。
毎日新聞の記事によれば日本糖尿病学会が発行した「糖尿病治療ガイド」の食事療法のポイントは、<腹八分目、食品の種類はできるだけ多くする、脂肪は控えめに、食物繊維を多く含む食品をとる>などだそうです。
これでは、一番血糖値を上昇させる糖質のことを全く考慮していないので、国や糖尿病学会のの指導に従えば従うほど、糖尿病の発症は増え続けることになるでしょう。
久山町の研究(10.15ブログ参照してくださいね)で、従来の<高糖質食とカロリー制限>のやり方では、糖尿病発症は防げないことは明らかです。
国も、日本国民のため、医療費削減のためにも是非、 糖質制限食の検討をして欲しいものです。
**
今日のブログは11月14日の毎日新聞朝刊の記事を
参考・引用させてもらいました。謝謝。
江部康二
江部家では、京都新聞と毎日新聞をとってます。
11月14日(水)の毎日新聞に、今日は「世界糖尿病デー」という記事が載りました。
2006年12月の国連決議で決まったのですが、単独の病気としては、エイズに次いで2番目で異例のことと言えます。
決議にあたって、バングラデシュが提案国に名乗りを上げ、発展途上国が結束したことが早期採択に繋がりました。文明国、発展途上国を問わず世界各国が糖尿病の脅威に気づいた結果と言えます。
今年が、第一回目の世界糖尿病デーとなります。現在世界の糖尿病患者は約2億4600万人、2025年には3億8000万人に達すると予想されています。
国際糖尿病連合(IDF)の統計によれば、世界で1分あたり12人、年間で約630万人が新たに糖尿病になっています。
また1分あたり6人、年間約315万人が糖尿病のため亡くなっています。この数字はエイズによる死亡者に匹敵します。
糖尿病合併症による社会の経済的負担は非常に大きく、先進国では医療費高騰の原因となっています。一方発展途上国では、満足な医療が受けられず亡くなる子供が大勢います。
日本の統計、厚生労働省の2006年国民健康・栄養調査によると、糖尿病患者や予備軍は40才以上の33.3%に達し、患者は11.9%です。国の「健康日本21」キャンペーンにもかかわらず、増加の勢いは止まりません。
さて、その糖尿病の治療の基本は食事と運動です。
毎日新聞の記事によれば日本糖尿病学会が発行した「糖尿病治療ガイド」の食事療法のポイントは、<腹八分目、食品の種類はできるだけ多くする、脂肪は控えめに、食物繊維を多く含む食品をとる>などだそうです。
これでは、一番血糖値を上昇させる糖質のことを全く考慮していないので、国や糖尿病学会のの指導に従えば従うほど、糖尿病の発症は増え続けることになるでしょう。
久山町の研究(10.15ブログ参照してくださいね)で、従来の<高糖質食とカロリー制限>のやり方では、糖尿病発症は防げないことは明らかです。
国も、日本国民のため、医療費削減のためにも是非、 糖質制限食の検討をして欲しいものです。
**
今日のブログは11月14日の毎日新聞朝刊の記事を
参考・引用させてもらいました。謝謝。
江部康二
2007年11月14日 (水)
おはようございます。
今日は若者2型糖尿人さんから、質問・コメント頂きましたのでお答え致します。他のブログ読者の皆さんにも興味のある内容だと思います。
「江部先生 はじめまして。極最近先生のブログの存在を知り、血糖値を安定させる事が出来る様になって 喜んで毎日を過ごしております若者2型糖尿人です。
勝手乍 3つ程 質問させて貰っても宜しいでしょうか?
私は発症初期 インシュリン抵抗性が完治していない状況の為、ブドウ糖スパイクが起こりやすい状況にあると思っています。(発症後の経過時間はあまり関係ないのかも知れませんが)
そこで糖質を限りなく多く取らない食事療法がベストだとは思いますが、その実践が難しい環境の場合、つまりどうしても糖質が多く含まれる食事を取る事が避けられない場合、食後の運動で血糖値を下げていく必要性があると思い、それを実践し、現在正常値を保ってますが、
① 今後長期に亘り 「多糖質食事+食後運動」 で血糖値をコントロールし続けて良いものなのでしょうか?
心配事は、食後の運動の時間帯を極力1~1.5時間後以内に開始する様 心掛けてますが、食べた内容によっては血糖値の変動の仕方が時間帯によって変わってきますし、運動をし 結果的に数値は下がって来るとは云え、少なからず一定の時間200 overとなっている可能性が考えられます。
瞬間的に血糖値が高いのもやはり問題なのでしょうか?
② どうしても食後の運動が出来ないケースも週に2,3回程度あろうかと思います。
中長期的に見た場合 好ましくないのは分かりますが、合併症を起こさない為にはどの程度であれば問題ないものなのでしょうか?
今後HbA1C数値変動がうまくいくレベルであれば十分なのでしょうか?(評価に時間がかかりますが.....)
参考までに、食前 85 → 食後 (推定カーボ量 75g)+ 運動 (30min.walking) で 125~135 の血糖値変動という食生活が多いです。
*今はカーボ量を 60g/食 以内 に極力抑える様 努力はしてますが、中々難しい食環境にいます。
③ 一旦糖尿人になってしまった場合、大小ブドウ糖スパイクは起こり続けるものと考えるべきなのでしょうか?
(健康人のスパイクレベルに近づける可能性はないものなのでしょうか?)
他の方のブログで、完治を目指しておられる方がいらっしゃって、出来れば私も頑張ってみたいものですが、医学的にやはり完治は現実的ではないのでしょうか?
遅くなりましたが、自己紹介を。私は今年8月末に食後2時間血糖値452,HbA1C 11.2%で即緊急入院し、2週間でHbA1C 10.2% 血糖値は食前100以下, 食後(+運動)140以下となり退院しました。10月頭にはHbA1C 9.2% で現在に至り その後海外勤務で年末に検査予定です。
BMI=20.3でγGTP他数値は正常値ですが、真っ白けっけの脂肪肝でした(笑) [これがインシュリンに悪戯をしている可能性大ですが....]
先月まではカロリー制限ばかりを言われて中々食前血糖値をコントロール出来ず境界の範囲をうろついてましたが、先生のブログに出会い、カーボ量を制限しながら今 食前100以下 食後(+運動) 120~135 でコントロールしております。因みに薬は一切飲んでません。先生が赤ワインとナッツでenjoyされていると知り、私もここ1週間満喫した生活を送れる様になりました。本当素晴らしいです。感謝の意味も含めて日本に帰ったら即本を買って、栄養士の人に勧めてみようと思ってます。
食後2時間の重要性を私の担当医へ相談した事があり、その時は恐らく発症初期であるためか 取り敢えず起床時のみ測定する様に指示を受けてますが、個人的に江部先生の意見に可也同意しており、都度測定したいのですが、残念乍 持っているチップ数が足らなくなるのであまり測定出来ません。
年齢30代という事もあり、是非先生の意見を頂戴して、これからの長い糖尿生活を少しでも健康人に近い形で過ごせたら と思っておりますので、是非共宜しくお願い致します。
若者2型糖尿人 | 2007.11.11(日) 23:51 | URL | 」
若者2型糖尿人さん。コメント・質問ありがとうございます。
また 「カロリー制限→糖質制限」で、早朝空腹時血糖値が100mg以下とコントロール良好になったとのこと、おめでとうございます。
幸い経口血糖降下薬など内服しておられませんので、安全に糖質制限食が実践できます。
「① 今後長期に亘り 「多糖質食事+食後運動」 で血糖値をコントロールし続けて良いものなのでしょうか?
心配事は、食後の運動の時間帯を極力1~1.5時間後以内に開始する様 心掛けてますが、食べた内容によっては血糖値の変動の仕方が時間帯によって変わってきますし、運動をし 結果的に数値は下がって来るとは云え、少なからず一定の時間200 overとなっている可能性が考えられます。
瞬間的に血糖値が高いのもやはり問題なのでしょうか?」
<多糖質食事+食後運動>で血糖値をコントロールをし続けてもOKです。
モデルとしてピマインディアンがいます。米国の居住区でくらしているピマインディアンは<高糖質食+運動不足>で人口の5割が糖尿病です。
一方、メキシコのピマインディアンは<高糖質食+運動たっぷり>で糖尿病はほとんどいません。(9.27、28のブログ参照してくださいね)
それから食後血糖値180mg/dl未満が目標です。この数値なら、血管の合併症がほとんど生じないとされています。(**Kumamoto Study 熊本大学 )
180mg/dlを超える高血糖が持続するほど血管には良くないでしょう。
「② どうしても食後の運動が出来ないケースも週に2,3回程度あろうかと思います。
中長期的に見た場合 好ましくないのは分かりますが、合併症を起こさない為にはどの程度であれば問題ないものなのでしょうか?」
Kumamoto Studyによれば、<HbA1c6.5%未満、空腹時血糖値110mg未満、食後血糖値180mg/dl未満>ならば合併症の進展が阻止できるそうです。
「③ 一旦糖尿人になってしまった場合、大小ブドウ糖スパイクは起こり続けるものと考えるべきなのでしょうか?(健康人のスパイクレベルに近づける可能性はないものなのでしょうか?)
他の方のブログで、完治を目指しておられる方がいらっしゃって、出来れば私も頑張ってみたいものですが、医学的にやはり完治は現実的ではないのでしょうか?」
糖尿病と診断された時点で、膵臓のβ細胞の1~2割が回復不能のダメージを受けていることが多いです。さらに2~3割の細胞も弱っている可能性があります。
外部からインスリン注射を打つ、或いは 糖質制限食の実践により、膵臓のβ細胞が休養できて回復することはあります。(11.9ブログ参照してください)
従って、健康人のレベルに少し近づくことは可能ですが、完全回復はありません。
私も 糖質制限食を続ける限りは血糖データは正常人ですが、糖質を摂取すれば、例えGIの低い玄米でも200mgを超えます。
例外として、インスリン分泌能力は保たれていて、インスリン抵抗性が主(例えば肥満のため)の糖尿人は、肥満が改善することで正常人に戻ることはあり得ます。
**Kumamoto Study
Shichiri M, Kishikawa H, Ohkubo Y, Wake N: Long-term results of the Kumamoto Study on optimal diabetes control in type 2 diabetic patients. Diabetes Care 23 Suppl 2:B21-29, 2000
江部康二
今日は若者2型糖尿人さんから、質問・コメント頂きましたのでお答え致します。他のブログ読者の皆さんにも興味のある内容だと思います。
「江部先生 はじめまして。極最近先生のブログの存在を知り、血糖値を安定させる事が出来る様になって 喜んで毎日を過ごしております若者2型糖尿人です。
勝手乍 3つ程 質問させて貰っても宜しいでしょうか?
私は発症初期 インシュリン抵抗性が完治していない状況の為、ブドウ糖スパイクが起こりやすい状況にあると思っています。(発症後の経過時間はあまり関係ないのかも知れませんが)
そこで糖質を限りなく多く取らない食事療法がベストだとは思いますが、その実践が難しい環境の場合、つまりどうしても糖質が多く含まれる食事を取る事が避けられない場合、食後の運動で血糖値を下げていく必要性があると思い、それを実践し、現在正常値を保ってますが、
① 今後長期に亘り 「多糖質食事+食後運動」 で血糖値をコントロールし続けて良いものなのでしょうか?
心配事は、食後の運動の時間帯を極力1~1.5時間後以内に開始する様 心掛けてますが、食べた内容によっては血糖値の変動の仕方が時間帯によって変わってきますし、運動をし 結果的に数値は下がって来るとは云え、少なからず一定の時間200 overとなっている可能性が考えられます。
瞬間的に血糖値が高いのもやはり問題なのでしょうか?
② どうしても食後の運動が出来ないケースも週に2,3回程度あろうかと思います。
中長期的に見た場合 好ましくないのは分かりますが、合併症を起こさない為にはどの程度であれば問題ないものなのでしょうか?
今後HbA1C数値変動がうまくいくレベルであれば十分なのでしょうか?(評価に時間がかかりますが.....)
参考までに、食前 85 → 食後 (推定カーボ量 75g)+ 運動 (30min.walking) で 125~135 の血糖値変動という食生活が多いです。
*今はカーボ量を 60g/食 以内 に極力抑える様 努力はしてますが、中々難しい食環境にいます。
③ 一旦糖尿人になってしまった場合、大小ブドウ糖スパイクは起こり続けるものと考えるべきなのでしょうか?
(健康人のスパイクレベルに近づける可能性はないものなのでしょうか?)
他の方のブログで、完治を目指しておられる方がいらっしゃって、出来れば私も頑張ってみたいものですが、医学的にやはり完治は現実的ではないのでしょうか?
遅くなりましたが、自己紹介を。私は今年8月末に食後2時間血糖値452,HbA1C 11.2%で即緊急入院し、2週間でHbA1C 10.2% 血糖値は食前100以下, 食後(+運動)140以下となり退院しました。10月頭にはHbA1C 9.2% で現在に至り その後海外勤務で年末に検査予定です。
BMI=20.3でγGTP他数値は正常値ですが、真っ白けっけの脂肪肝でした(笑) [これがインシュリンに悪戯をしている可能性大ですが....]
先月まではカロリー制限ばかりを言われて中々食前血糖値をコントロール出来ず境界の範囲をうろついてましたが、先生のブログに出会い、カーボ量を制限しながら今 食前100以下 食後(+運動) 120~135 でコントロールしております。因みに薬は一切飲んでません。先生が赤ワインとナッツでenjoyされていると知り、私もここ1週間満喫した生活を送れる様になりました。本当素晴らしいです。感謝の意味も含めて日本に帰ったら即本を買って、栄養士の人に勧めてみようと思ってます。
食後2時間の重要性を私の担当医へ相談した事があり、その時は恐らく発症初期であるためか 取り敢えず起床時のみ測定する様に指示を受けてますが、個人的に江部先生の意見に可也同意しており、都度測定したいのですが、残念乍 持っているチップ数が足らなくなるのであまり測定出来ません。
年齢30代という事もあり、是非先生の意見を頂戴して、これからの長い糖尿生活を少しでも健康人に近い形で過ごせたら と思っておりますので、是非共宜しくお願い致します。
若者2型糖尿人 | 2007.11.11(日) 23:51 | URL | 」
若者2型糖尿人さん。コメント・質問ありがとうございます。
また 「カロリー制限→糖質制限」で、早朝空腹時血糖値が100mg以下とコントロール良好になったとのこと、おめでとうございます。
幸い経口血糖降下薬など内服しておられませんので、安全に糖質制限食が実践できます。
「① 今後長期に亘り 「多糖質食事+食後運動」 で血糖値をコントロールし続けて良いものなのでしょうか?
心配事は、食後の運動の時間帯を極力1~1.5時間後以内に開始する様 心掛けてますが、食べた内容によっては血糖値の変動の仕方が時間帯によって変わってきますし、運動をし 結果的に数値は下がって来るとは云え、少なからず一定の時間200 overとなっている可能性が考えられます。
瞬間的に血糖値が高いのもやはり問題なのでしょうか?」
<多糖質食事+食後運動>で血糖値をコントロールをし続けてもOKです。
モデルとしてピマインディアンがいます。米国の居住区でくらしているピマインディアンは<高糖質食+運動不足>で人口の5割が糖尿病です。
一方、メキシコのピマインディアンは<高糖質食+運動たっぷり>で糖尿病はほとんどいません。(9.27、28のブログ参照してくださいね)
それから食後血糖値180mg/dl未満が目標です。この数値なら、血管の合併症がほとんど生じないとされています。(**Kumamoto Study 熊本大学 )
180mg/dlを超える高血糖が持続するほど血管には良くないでしょう。
「② どうしても食後の運動が出来ないケースも週に2,3回程度あろうかと思います。
中長期的に見た場合 好ましくないのは分かりますが、合併症を起こさない為にはどの程度であれば問題ないものなのでしょうか?」
Kumamoto Studyによれば、<HbA1c6.5%未満、空腹時血糖値110mg未満、食後血糖値180mg/dl未満>ならば合併症の進展が阻止できるそうです。
「③ 一旦糖尿人になってしまった場合、大小ブドウ糖スパイクは起こり続けるものと考えるべきなのでしょうか?(健康人のスパイクレベルに近づける可能性はないものなのでしょうか?)
他の方のブログで、完治を目指しておられる方がいらっしゃって、出来れば私も頑張ってみたいものですが、医学的にやはり完治は現実的ではないのでしょうか?」
糖尿病と診断された時点で、膵臓のβ細胞の1~2割が回復不能のダメージを受けていることが多いです。さらに2~3割の細胞も弱っている可能性があります。
外部からインスリン注射を打つ、或いは 糖質制限食の実践により、膵臓のβ細胞が休養できて回復することはあります。(11.9ブログ参照してください)
従って、健康人のレベルに少し近づくことは可能ですが、完全回復はありません。
私も 糖質制限食を続ける限りは血糖データは正常人ですが、糖質を摂取すれば、例えGIの低い玄米でも200mgを超えます。
例外として、インスリン分泌能力は保たれていて、インスリン抵抗性が主(例えば肥満のため)の糖尿人は、肥満が改善することで正常人に戻ることはあり得ます。
**Kumamoto Study
Shichiri M, Kishikawa H, Ohkubo Y, Wake N: Long-term results of the Kumamoto Study on optimal diabetes control in type 2 diabetic patients. Diabetes Care 23 Suppl 2:B21-29, 2000
江部康二
2007年11月13日 (火)
おはようございます。
昨朝は、京都駅前診療所に向かっているときに愛車パジェロがパンクして立ち往生しました。パンクは10年ぶりぐらいでしょうか。
パジェロ、日頃掃除も何もせず鍛えてあるので、丈夫が取り柄と思っていたのですが…。
いやはや、「災害は忘れた頃にやってくる」ですね(=_=)
おかげで、午前診察開始が30分遅れてしまいました。
まあ、JAFに来てもらっておおいに助かりましたが(^∀^)
さて今日は、ミントさんのコメント・質問にお答え致します。
「江部先生、退院おめでとうございます!
糖尿病だと外科系の手術が大変そうですが糖質制限してればコントロールもよくなって大丈夫ですね。
ところで。。。 今日は空腹時血糖値についてお伺いしてもよろしいですか?
糖質制限をしていると食後血糖値はしていないときより抑えることができます。
しかし、たんぱく質などはゆっくりではありますが半分くらい(間違って記憶してたらすみません)血糖に変わるんですよね?(脂肪については記憶が定かでないのですが。。。)
あと確かダイエットコーラもとりすぎると血糖値に影響するとどこかで読んだような、、、
いくら糖質制限をして、食後の急激な血糖値上昇を抑えていても、結局食べ過ぎていたら空腹時血糖値は下がりにくいということはありますか?
ミント | 2007.11.07(水) 11:01 | URL | 」
ミントさん。お見舞いありがとうございます。
糖質は約15~90分で100%血糖に変わり、タンパク質は約2~数時間で50%が血糖に変わり、脂質は数時間~10数時間かけて10%未満が血糖に変わります。
従って、前の晩の9時以降とかにタンパク質を摂取すると、翌日の早朝空腹時血糖値に若干の影響が出て高めになります。
多く摂るほど当然、翌朝の空腹時血糖値への影響は大きくなります。これは、私も経験があります。
脂質は10%未満ですから、夜遅く食べても翌朝への影響は少ないと思います。
前の晩、午後6時とか7時とかに夕食を摂って、あとは何も食べていないのに翌朝の空腹時血糖値が高値なのは、肝臓が夜中に糖新生しているからです。
糖尿病があるていど進行して、インスリンの基礎分泌が不足してくると、夜中の肝臓の糖新生にフィードバックがかからずに作り過ぎてしまって、早朝空腹時血糖値が高値となります。インスリンの基礎分泌があるていど確保されていれば、糖新生は適宜中止されます。
*早朝空腹時血糖値に関しては、9.5、10.13のブログも参照していただけば幸いです。
なお、ダイエットコーラは、人工甘味料が使用してあり、カロリーゼロで糖質ゼロですので血糖値は上昇しません。人工甘味料の一日摂取量は欧米では決められていますが、大量に飲まなければまず大丈夫です。
欧米では、近年アスパルテーム・アセスルファムカリウム混合甘味料がダイエットコーラの主流となっているようです。2005年には、スクラロースという人工甘味料を使用したダイエットコーラも登場しました。
*人工甘味料に関しては5.30ブログをご参照ください。
江部康二
昨朝は、京都駅前診療所に向かっているときに愛車パジェロがパンクして立ち往生しました。パンクは10年ぶりぐらいでしょうか。
パジェロ、日頃掃除も何もせず鍛えてあるので、丈夫が取り柄と思っていたのですが…。
いやはや、「災害は忘れた頃にやってくる」ですね(=_=)
おかげで、午前診察開始が30分遅れてしまいました。
まあ、JAFに来てもらっておおいに助かりましたが(^∀^)
さて今日は、ミントさんのコメント・質問にお答え致します。
「江部先生、退院おめでとうございます!
糖尿病だと外科系の手術が大変そうですが糖質制限してればコントロールもよくなって大丈夫ですね。
ところで。。。 今日は空腹時血糖値についてお伺いしてもよろしいですか?
糖質制限をしていると食後血糖値はしていないときより抑えることができます。
しかし、たんぱく質などはゆっくりではありますが半分くらい(間違って記憶してたらすみません)血糖に変わるんですよね?(脂肪については記憶が定かでないのですが。。。)
あと確かダイエットコーラもとりすぎると血糖値に影響するとどこかで読んだような、、、
いくら糖質制限をして、食後の急激な血糖値上昇を抑えていても、結局食べ過ぎていたら空腹時血糖値は下がりにくいということはありますか?
ミント | 2007.11.07(水) 11:01 | URL | 」
ミントさん。お見舞いありがとうございます。
糖質は約15~90分で100%血糖に変わり、タンパク質は約2~数時間で50%が血糖に変わり、脂質は数時間~10数時間かけて10%未満が血糖に変わります。
従って、前の晩の9時以降とかにタンパク質を摂取すると、翌日の早朝空腹時血糖値に若干の影響が出て高めになります。
多く摂るほど当然、翌朝の空腹時血糖値への影響は大きくなります。これは、私も経験があります。
脂質は10%未満ですから、夜遅く食べても翌朝への影響は少ないと思います。
前の晩、午後6時とか7時とかに夕食を摂って、あとは何も食べていないのに翌朝の空腹時血糖値が高値なのは、肝臓が夜中に糖新生しているからです。
糖尿病があるていど進行して、インスリンの基礎分泌が不足してくると、夜中の肝臓の糖新生にフィードバックがかからずに作り過ぎてしまって、早朝空腹時血糖値が高値となります。インスリンの基礎分泌があるていど確保されていれば、糖新生は適宜中止されます。
*早朝空腹時血糖値に関しては、9.5、10.13のブログも参照していただけば幸いです。
なお、ダイエットコーラは、人工甘味料が使用してあり、カロリーゼロで糖質ゼロですので血糖値は上昇しません。人工甘味料の一日摂取量は欧米では決められていますが、大量に飲まなければまず大丈夫です。
欧米では、近年アスパルテーム・アセスルファムカリウム混合甘味料がダイエットコーラの主流となっているようです。2005年には、スクラロースという人工甘味料を使用したダイエットコーラも登場しました。
*人工甘味料に関しては5.30ブログをご参照ください。
江部康二
2007年11月12日 (月)
こんばんは。
11.11(日)の『糖質制限食・京都ロイヤルホテル講演会』
おかげさまで、126名の参加者となり、立ち見の方も出るくらい大盛況で熱気溢れる会となりました。各メーカーさんの糖質制限食OK食品も飛ぶように売れていました。
ブログ読者の皆さんも大勢参加していただきありがとうございました。
さて今日は、久しぶりにkeyeyeさんからコメントいただきました。
keyeyeさんの体験記、『心筋梗塞と糖尿病』、拍手がとても多くてブログ読者の皆さん、ひと事でなくて心配しているのだなと感じました。(9.19、20、20ブログを参照していただけば幸いです。)
今回も、「心筋梗塞と糖尿病・その後」として少し長くなりますがアップさせてもらいます。
「件名 : 毎度毎度の総コレステロール問題
江部先生お久しぶりです。でもブログは毎日拝見させていますよ。いつもありがとうございます。
さて本日は循環器内科(急性心筋梗塞の予後)再診へ行ってきました。
お陰様で(糖質制限食の)体調の方で自覚的な問題は全くないのですが今回の血液検体検査結果で2項目が High
総コレステロール値が 270mg/dl で CPK 246 U/I でした。
総検査項目25項の内残りは全て基準値内の数値です。
実は前回お伝えした検査値はうろ覚えのものでもあり
言えば当然いただけた結果のコピーを請求していませんでしたので今回当初来のコピーを全てもらってきました。
5月5日(急性心筋梗塞にて救急搬送される)
①5月8日
GOT 76
GPT 65
LDH 578
γ-GTP 165
総コレステロール 169
血糖 170
中性脂肪 273
尿酸 3.6
②5月11日
GOT 51
GPT 66
LDH 458
γ-GTP 229
総コレステロール 171
血糖 123
中性脂肪 155
尿酸 4.4
③5月15日
GOT 71
GPT 77
LDH 396
γ-GTP 191
総コレステロール 171
血糖 127
中性脂肪 142
尿酸 6.4
[5月18日退院]
[6月5日より糖質制限食スタート]
④6月7日
GOT 45
GPT 43
LDH 234
γ-GTP 116
総コレステロール 172
血糖 87
中性脂肪 195
尿酸 8.6
⑤8月30日
GOT 34
GPT 36
LDH 172
γ-GTP 55
総コレステロール 273
血糖 92
中性脂肪 203
尿酸 6.7
HbA1C 4.5
⑥9月1日 (SAS初診)
総コレステロール 287
HDL-C 55
LDL-CHO 192
インスリン 2.7
血糖 61
中性脂肪 141
尿酸 7.1
⑦11月8日
GOT 32
GPT 27
LDH 168
γ-GTP 42
総コレステロール 270
血糖 93
中性脂肪 121
尿酸 6.8
以上の経緯に対して担当医曰く
「ここ数ヶ月様子を見てきましたが、やはり総コレステロール値が高どまり状態ですので薬を・・・」
江部先生にセカンドオピニオンを押し付けているわけではありませんが総コレステロールの件は糖質制限の開始とリンクしていると想定できます
それ以前(急性心筋梗塞発症以前)と現在の私の生活習慣改善
(特筆が糖質制限食の実行)状況では雲泥の差が歴然であることは明らかであるだろう(あくまで素人の本人の自覚として)
今何故この数値とこれまでの経緯をもって、薬物治療を開始しなければならないという判断なのか!そこが私にはガテンがいかない!
そこまで言われるのなら、HDL値は?LDL値は?何故これが検査項目に無い!?のですか?
「それでは次回その値を検査項目へ入れて再度検討いたしましょう」(担当医)
挙句「それは(糖質制限食)、糖尿病には良いのでしょうが、****さんの場合は高脂血症を留意する必要があり・・・」
どうやら、原発糖尿病だったはずなのですが過日のHbA1C4.5の結果を持って私の場合もうそちらを検査する必要はなくったのだそうです。いつのまにか原発高脂血症へ移行したのかしら、です。
しかも、特にその他の数値への言及もなにもなく、素人目にもその数値のみを見て捉えての教科書次元での優等生的コメントに、予後において消沈したはずの突発性癇癪がまたぞろ疼きはじめ、計測された血圧が163まで上昇していました。
実は、心臓カテーテル治療予後6ヶ月目途の再度の造影カテーテル検査も拒否の構えの私です。腕からのカテーテル挿管は嫌じゃと駄々をこねているのです。
今のこの私をよ~く観てよ
本当にそれをしなければならないそんなふうなの?と
先のコレステロールコントロール薬の拒否の件も重ね合わせて
すこしく興奮いたした次第です
しぶしぶの様子で「注射にて造影剤投入で検査を検討いたしましょうか」というところでお開きになりました。
医術の進歩とそれに向けて貢献されてきた人々のお陰様でこうやって急性心筋梗塞から生還できた身ではありますが、だからといって何事にも一線を引きたい私の性であります。
そこまでは卑屈にはなれません。
貢献は既に集中治療室において全くの初体験ではとおぼしき看護士さんにもちろん十分な断りをもたれてではありましたが覚悟の注射実習被験体(案の定2回も外されました)をもってご免こうむりたい次第なのです。
江部先生も先に睡眠時無呼吸症が自分にもあると記されていましたが、それが今回の喉のポリープ除去に至る遠因にもなられたのでしょうか?
私もSASで器具を貸与されて使用開始して間もなく少し圧を上げてから鼻から喉から血が出て(乾燥して傷ついたみたいです)今休止中です。
いくら保険適応で本人負担が3割で済むとはIいえ、年間の総医療費を考慮すると、つい恐縮至極の思いに駆られてしまいます。
いつもいつも長々とだらだらと失礼いたしました。(どうやら鬱憤のはけ口となってしまいました)
江部先生のご健勝を祈念申し上げます。」
keyeyeさん。お久しぶりです。体調良好で良かったですね。
5月5日(急性心筋梗塞にて救急搬送される)、緊急入院時、
身長173cmm 体重80kg、HbA1cが8.2 %でしたから、
8月30日にHbA1cが4.5 %まで改善して、確かに糖尿人を脱却ですね。
体重は現在何キロまで減りましたか?
中性脂肪1500mg以上というのは違っていたのですか?
さて
最終の
11月8日の検査で
GOT 32
GPT 27
LDH 168
γ-GTP 42
総コレステロール 270
血糖 93
中性脂肪 121
尿酸 6.8
総コレステロール270、以外は脂肪肝も改善してますね。
とてもよい方向のデータだと思います。
以前のブログでも説明しましたが、2007年4月に日本動脈硬化学会のガイドラインが改訂されて、総コレステロールは基準からはずれました。
「脂質異常症の診断基準」(空腹時採血) 2007年4月25日 発表
・LDLコレステロール値が140mg/dL以上
・HDLコレステロール値が40mg/dL未満
・トリグリセライド(中性脂肪)値が150mg/dL以上
危険因子が、加齢(男45才以上、女55才以上)、高血圧、心筋梗塞などの家族歴、糖尿病、喫煙、HDL-コレステロール40mg未満の6項目設定されています。
危険因子がゼロ(低リスク群)、危険因子1~2(中リスク群)、危険因子3以上(高リスク群)、そして心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群の4群が設定されています。
低リスク群は160未満、中リスク群は140未満、高リスク群は120未満、心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群は100未満が目標とされています。
keyeyeさんの場合は危険因子の中で
心筋梗塞の既往歴がある4群に属します。
従いまして日本の基準だとLDL-CHO 100未満が目標となります。
『9月1日 (SAS初診)のkeyeyeさんのデータ
総コレステロール 287
HDL-C 55
LDL-CHO 192』
LDL-コレステロールに関して
2004年の米国の基準では、低リスクの人(高血圧、糖尿病、喫煙、心筋梗塞家族歴、加齢、HDL-C低値なし)の薬物療法開始は190mg/dl以上で、中程度リスク者で160mg/dl、ハイリスク者で130mg/dlとなってます。
keyeyeさんは米国の基準でもハイリスク者(心筋梗塞後)になりますので
LDL-コレステロール:130mg/dl未満が目標になりますね。
keyeyeさんの場合は心筋梗塞の既往がありますので、LDL-CHO 192であれば、米国の基準に従っても一応薬物療法の適応となります。従って担当のDrは内服薬を勧めてこられるかもしれませんね。
一方糖質制限食は従来の高糖質食に比べてHDLコレステロールが上昇し、LDLコレステロールは下がり、心筋梗塞のリスクも減少するという米国の研究論文もありますので、もう少し経過をみるのも選択肢の一つなのでよく相談してください。
高雄病院のデータでは糖質制限食開始後しばらく、LDLコレステロールと総コレステロールが上昇する人がいます。上昇しない人もいます。上昇した人も徐々に下がってくることが多いようです。
なお、私の声帯ポリープは睡眠時無呼吸症候群とは無関係で
焼酎を飲みながらライブで歌いすぎたせいです。 (×。×)
江部康二
11.11(日)の『糖質制限食・京都ロイヤルホテル講演会』
おかげさまで、126名の参加者となり、立ち見の方も出るくらい大盛況で熱気溢れる会となりました。各メーカーさんの糖質制限食OK食品も飛ぶように売れていました。
ブログ読者の皆さんも大勢参加していただきありがとうございました。
さて今日は、久しぶりにkeyeyeさんからコメントいただきました。
keyeyeさんの体験記、『心筋梗塞と糖尿病』、拍手がとても多くてブログ読者の皆さん、ひと事でなくて心配しているのだなと感じました。(9.19、20、20ブログを参照していただけば幸いです。)
今回も、「心筋梗塞と糖尿病・その後」として少し長くなりますがアップさせてもらいます。
「件名 : 毎度毎度の総コレステロール問題
江部先生お久しぶりです。でもブログは毎日拝見させていますよ。いつもありがとうございます。
さて本日は循環器内科(急性心筋梗塞の予後)再診へ行ってきました。
お陰様で(糖質制限食の)体調の方で自覚的な問題は全くないのですが今回の血液検体検査結果で2項目が High
総コレステロール値が 270mg/dl で CPK 246 U/I でした。
総検査項目25項の内残りは全て基準値内の数値です。
実は前回お伝えした検査値はうろ覚えのものでもあり
言えば当然いただけた結果のコピーを請求していませんでしたので今回当初来のコピーを全てもらってきました。
5月5日(急性心筋梗塞にて救急搬送される)
①5月8日
GOT 76
GPT 65
LDH 578
γ-GTP 165
総コレステロール 169
血糖 170
中性脂肪 273
尿酸 3.6
②5月11日
GOT 51
GPT 66
LDH 458
γ-GTP 229
総コレステロール 171
血糖 123
中性脂肪 155
尿酸 4.4
③5月15日
GOT 71
GPT 77
LDH 396
γ-GTP 191
総コレステロール 171
血糖 127
中性脂肪 142
尿酸 6.4
[5月18日退院]
[6月5日より糖質制限食スタート]
④6月7日
GOT 45
GPT 43
LDH 234
γ-GTP 116
総コレステロール 172
血糖 87
中性脂肪 195
尿酸 8.6
⑤8月30日
GOT 34
GPT 36
LDH 172
γ-GTP 55
総コレステロール 273
血糖 92
中性脂肪 203
尿酸 6.7
HbA1C 4.5
⑥9月1日 (SAS初診)
総コレステロール 287
HDL-C 55
LDL-CHO 192
インスリン 2.7
血糖 61
中性脂肪 141
尿酸 7.1
⑦11月8日
GOT 32
GPT 27
LDH 168
γ-GTP 42
総コレステロール 270
血糖 93
中性脂肪 121
尿酸 6.8
以上の経緯に対して担当医曰く
「ここ数ヶ月様子を見てきましたが、やはり総コレステロール値が高どまり状態ですので薬を・・・」
江部先生にセカンドオピニオンを押し付けているわけではありませんが総コレステロールの件は糖質制限の開始とリンクしていると想定できます
それ以前(急性心筋梗塞発症以前)と現在の私の生活習慣改善
(特筆が糖質制限食の実行)状況では雲泥の差が歴然であることは明らかであるだろう(あくまで素人の本人の自覚として)
今何故この数値とこれまでの経緯をもって、薬物治療を開始しなければならないという判断なのか!そこが私にはガテンがいかない!
そこまで言われるのなら、HDL値は?LDL値は?何故これが検査項目に無い!?のですか?
「それでは次回その値を検査項目へ入れて再度検討いたしましょう」(担当医)
挙句「それは(糖質制限食)、糖尿病には良いのでしょうが、****さんの場合は高脂血症を留意する必要があり・・・」
どうやら、原発糖尿病だったはずなのですが過日のHbA1C4.5の結果を持って私の場合もうそちらを検査する必要はなくったのだそうです。いつのまにか原発高脂血症へ移行したのかしら、です。
しかも、特にその他の数値への言及もなにもなく、素人目にもその数値のみを見て捉えての教科書次元での優等生的コメントに、予後において消沈したはずの突発性癇癪がまたぞろ疼きはじめ、計測された血圧が163まで上昇していました。
実は、心臓カテーテル治療予後6ヶ月目途の再度の造影カテーテル検査も拒否の構えの私です。腕からのカテーテル挿管は嫌じゃと駄々をこねているのです。
今のこの私をよ~く観てよ
本当にそれをしなければならないそんなふうなの?と
先のコレステロールコントロール薬の拒否の件も重ね合わせて
すこしく興奮いたした次第です
しぶしぶの様子で「注射にて造影剤投入で検査を検討いたしましょうか」というところでお開きになりました。
医術の進歩とそれに向けて貢献されてきた人々のお陰様でこうやって急性心筋梗塞から生還できた身ではありますが、だからといって何事にも一線を引きたい私の性であります。
そこまでは卑屈にはなれません。
貢献は既に集中治療室において全くの初体験ではとおぼしき看護士さんにもちろん十分な断りをもたれてではありましたが覚悟の注射実習被験体(案の定2回も外されました)をもってご免こうむりたい次第なのです。
江部先生も先に睡眠時無呼吸症が自分にもあると記されていましたが、それが今回の喉のポリープ除去に至る遠因にもなられたのでしょうか?
私もSASで器具を貸与されて使用開始して間もなく少し圧を上げてから鼻から喉から血が出て(乾燥して傷ついたみたいです)今休止中です。
いくら保険適応で本人負担が3割で済むとはIいえ、年間の総医療費を考慮すると、つい恐縮至極の思いに駆られてしまいます。
いつもいつも長々とだらだらと失礼いたしました。(どうやら鬱憤のはけ口となってしまいました)
江部先生のご健勝を祈念申し上げます。」
keyeyeさん。お久しぶりです。体調良好で良かったですね。
5月5日(急性心筋梗塞にて救急搬送される)、緊急入院時、
身長173cmm 体重80kg、HbA1cが8.2 %でしたから、
8月30日にHbA1cが4.5 %まで改善して、確かに糖尿人を脱却ですね。
体重は現在何キロまで減りましたか?
中性脂肪1500mg以上というのは違っていたのですか?
さて
最終の
11月8日の検査で
GOT 32
GPT 27
LDH 168
γ-GTP 42
総コレステロール 270
血糖 93
中性脂肪 121
尿酸 6.8
総コレステロール270、以外は脂肪肝も改善してますね。
とてもよい方向のデータだと思います。
以前のブログでも説明しましたが、2007年4月に日本動脈硬化学会のガイドラインが改訂されて、総コレステロールは基準からはずれました。
「脂質異常症の診断基準」(空腹時採血) 2007年4月25日 発表
・LDLコレステロール値が140mg/dL以上
・HDLコレステロール値が40mg/dL未満
・トリグリセライド(中性脂肪)値が150mg/dL以上
危険因子が、加齢(男45才以上、女55才以上)、高血圧、心筋梗塞などの家族歴、糖尿病、喫煙、HDL-コレステロール40mg未満の6項目設定されています。
危険因子がゼロ(低リスク群)、危険因子1~2(中リスク群)、危険因子3以上(高リスク群)、そして心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群の4群が設定されています。
低リスク群は160未満、中リスク群は140未満、高リスク群は120未満、心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群は100未満が目標とされています。
keyeyeさんの場合は危険因子の中で
心筋梗塞の既往歴がある4群に属します。
従いまして日本の基準だとLDL-CHO 100未満が目標となります。
『9月1日 (SAS初診)のkeyeyeさんのデータ
総コレステロール 287
HDL-C 55
LDL-CHO 192』
LDL-コレステロールに関して
2004年の米国の基準では、低リスクの人(高血圧、糖尿病、喫煙、心筋梗塞家族歴、加齢、HDL-C低値なし)の薬物療法開始は190mg/dl以上で、中程度リスク者で160mg/dl、ハイリスク者で130mg/dlとなってます。
keyeyeさんは米国の基準でもハイリスク者(心筋梗塞後)になりますので
LDL-コレステロール:130mg/dl未満が目標になりますね。
keyeyeさんの場合は心筋梗塞の既往がありますので、LDL-CHO 192であれば、米国の基準に従っても一応薬物療法の適応となります。従って担当のDrは内服薬を勧めてこられるかもしれませんね。
一方糖質制限食は従来の高糖質食に比べてHDLコレステロールが上昇し、LDLコレステロールは下がり、心筋梗塞のリスクも減少するという米国の研究論文もありますので、もう少し経過をみるのも選択肢の一つなのでよく相談してください。
高雄病院のデータでは糖質制限食開始後しばらく、LDLコレステロールと総コレステロールが上昇する人がいます。上昇しない人もいます。上昇した人も徐々に下がってくることが多いようです。
なお、私の声帯ポリープは睡眠時無呼吸症候群とは無関係で
焼酎を飲みながらライブで歌いすぎたせいです。 (×。×)
江部康二
2007年11月11日 (日)
おはようございます。
今日はいよいよ、 『糖質制限食・京都ロイヤルホテル講演会』です。100名定員でしめ切ったあとも電話が相次ぎ、結局120名まで補助椅子を用意しました。本当に満員御礼、ブログ読者の皆さんのおかげで、感謝感激です。ありがとうございました\(^_^ )( ^_^)/
今回は 『糖質制限食神戸ポートピアホテル講演会』に参加していただいたミニーさんから、とても嬉しいコメントをいただきましたのでアップさせてもらいまいした。
「■はじめまして
いつも楽しく、拝見させて頂いてます。7月に10年ぶりに検診をして糖尿病が発覚しました。いつからなのかわかりませんが、HbA1cが9.4でした。
糖尿病とよく聞くけれど、どういう病気なのかわからず、本屋で模索していて先生の「主食をぬけば糖尿病がよくなる」と出会いました。内服薬をだされてたんですが、担当医に話し薬を飲まず糖質制限食を実行しました。
担当医には、3ヶ月してみて改善しなければいうことをきくので、とにかく糖質制限食をためしたいと言いました。神戸の講演会にも参加させて頂き、間違いない!と確信し1ヶ月徹底して実行した結果8月6.8 9月5.3 10月5.4 と劇的に改善しました。体重は5~6Kg減ですが、中性脂肪等すべての数値が範囲内になりました。担当医もびっくりして、本を貸し出してます。
今日の先生のレポートをみて、ほんと早急に改善してよかった、感謝感激です。ありがとうございました!
ミニー | 2007.11.09(金) 21:44 | URL | 」
ミニーさん。「主食をぬけば糖尿病がよくなる」ご購入、そして神戸講演会への参加、ありがとうございました。
HbA1cが2ヶ月で、9.4%から5.3%、まずは 糖質制限食実践による血糖コントロールの劇的な改善おめでとうございます。中性脂肪も速やかに減少して、体重も順調に減ってますね。
糖質制限食による典型的な成功ケースですね。とても上手に 糖質制限食を実践しておられる証拠で素晴らしいです。
担当のDrもいい感じですね。門前払いせずにミニーさんの提案を受け入れて、結果がでたら本も読む気になって頂き私もとても嬉しいです。糖質制限食を理解している医師を増やしていくことは私にとっても大事なライフワークですから。
内服薬なしで食事療法だけですから、明らかな医療費削減ですね。
よく患者さんが「薬を出したら病院は儲かる」と思っておられますが、これは完全な誤解です。
10年前くらいまでは、確かに薬価(薬の保険点数)と仕入れ値の間には、かなりの差があり、薬を沢山出せば病院は儲かるという構造がありました。
しかし、ここ10年は薬価に対して仕入れ値が93%~95%ていどで、消費税や不良在庫を考慮したら、差益はないです。
それで、院内処方から院外処方に切り替える病院が増えたのですね。
ですから、 糖質制限食で内服薬が減ったりなくなったりしても、病院も開業のお医者さんも、全然困りませんから、どんどん担当医と相談して薬を減らしていけばよいと思います。
薬の売り上げが減れば製薬会社の収入が減りますが、製薬会社の利益率は病院の10倍以上とかなり高いので心配いりません。
まあ、 糖質制限食が日本中の糖尿人に広まっていけば、糖尿病の内服薬やインスリンの必要性が1/3以下に減るので、数千億レベル以上の医療費削減ですから、さすがに製薬会社も青くなるでしょうが・・・
そんな日を夢見ている今日この頃です。
江部康二
今日はいよいよ、 『糖質制限食・京都ロイヤルホテル講演会』です。100名定員でしめ切ったあとも電話が相次ぎ、結局120名まで補助椅子を用意しました。本当に満員御礼、ブログ読者の皆さんのおかげで、感謝感激です。ありがとうございました\(^_^ )( ^_^)/
今回は 『糖質制限食神戸ポートピアホテル講演会』に参加していただいたミニーさんから、とても嬉しいコメントをいただきましたのでアップさせてもらいまいした。
「■はじめまして
いつも楽しく、拝見させて頂いてます。7月に10年ぶりに検診をして糖尿病が発覚しました。いつからなのかわかりませんが、HbA1cが9.4でした。
糖尿病とよく聞くけれど、どういう病気なのかわからず、本屋で模索していて先生の「主食をぬけば糖尿病がよくなる」と出会いました。内服薬をだされてたんですが、担当医に話し薬を飲まず糖質制限食を実行しました。
担当医には、3ヶ月してみて改善しなければいうことをきくので、とにかく糖質制限食をためしたいと言いました。神戸の講演会にも参加させて頂き、間違いない!と確信し1ヶ月徹底して実行した結果8月6.8 9月5.3 10月5.4 と劇的に改善しました。体重は5~6Kg減ですが、中性脂肪等すべての数値が範囲内になりました。担当医もびっくりして、本を貸し出してます。
今日の先生のレポートをみて、ほんと早急に改善してよかった、感謝感激です。ありがとうございました!
ミニー | 2007.11.09(金) 21:44 | URL | 」
ミニーさん。「主食をぬけば糖尿病がよくなる」ご購入、そして神戸講演会への参加、ありがとうございました。
HbA1cが2ヶ月で、9.4%から5.3%、まずは 糖質制限食実践による血糖コントロールの劇的な改善おめでとうございます。中性脂肪も速やかに減少して、体重も順調に減ってますね。
糖質制限食による典型的な成功ケースですね。とても上手に 糖質制限食を実践しておられる証拠で素晴らしいです。
担当のDrもいい感じですね。門前払いせずにミニーさんの提案を受け入れて、結果がでたら本も読む気になって頂き私もとても嬉しいです。糖質制限食を理解している医師を増やしていくことは私にとっても大事なライフワークですから。
内服薬なしで食事療法だけですから、明らかな医療費削減ですね。
よく患者さんが「薬を出したら病院は儲かる」と思っておられますが、これは完全な誤解です。
10年前くらいまでは、確かに薬価(薬の保険点数)と仕入れ値の間には、かなりの差があり、薬を沢山出せば病院は儲かるという構造がありました。
しかし、ここ10年は薬価に対して仕入れ値が93%~95%ていどで、消費税や不良在庫を考慮したら、差益はないです。
それで、院内処方から院外処方に切り替える病院が増えたのですね。
ですから、 糖質制限食で内服薬が減ったりなくなったりしても、病院も開業のお医者さんも、全然困りませんから、どんどん担当医と相談して薬を減らしていけばよいと思います。
薬の売り上げが減れば製薬会社の収入が減りますが、製薬会社の利益率は病院の10倍以上とかなり高いので心配いりません。
まあ、 糖質制限食が日本中の糖尿人に広まっていけば、糖尿病の内服薬やインスリンの必要性が1/3以下に減るので、数千億レベル以上の医療費削減ですから、さすがに製薬会社も青くなるでしょうが・・・
そんな日を夢見ている今日この頃です。
江部康二
2007年11月10日 (土)
こんばんは。
今日から沈黙療法解除で、小さな声で外来を開始しました。
さすがに予約患者さんを少し少なめにさせてもらいましたm(_ _)m
しばらくは嗄れ声が続きそうです。
さて昨日のブログは、日本の糖尿病治療の最先端のお話でした。今回は、11月9日(金)の毎日新聞朝刊に、米国の糖尿病専門医にインタビューした記事が載っていましたのでかいつまんで報告します。
米国では糖尿病に起因する病気で死亡する人が年間約15万9000人に上り、全死者数の10%を超えます。
テキサス大サウスウェスタンメディカルセンターの
フィリップ・ラスキン教授(代謝・内分泌学)は語ります。
「テキサス州を含む米国南西部で2型糖尿病になる人が多い。これは貧困のため健康的な食生活ができないことによる。」
「2型糖尿病の治療は、食事・運動療法が基本だが、それだけで血糖値をコントロールできる人は患者の5%程度に過ぎない。」
「このため最初は経口薬を処方することが多いが、血糖コントロールがうまくいかず、薬を増やしたり変えたりしているうちに、インスリン分泌能力がほとんどなくなってしまうケースが少なくない。」
「私は、生活習慣の改善が困難と判断したら、最初からインスリン注射と経口薬の併用を勧める。インスリン導入をためらう医師も多いが、この治療法は効果がよい。」
「2型糖尿病は予防も治療も基本は同じ。食事と運動が重要である。糖尿病悪化予防には、発症後早い段階でインスリンを導入する治療法の普及が必要と考える。」
11.9(金)のブログでは、日本の糖尿病専門医の
名古屋大学糖尿病・内分泌内科学準教授 中村二郎先生に登場していただきましたが、本日の米国のフィリップ・ラスキン教授(代謝・内分泌学)の意見も、ほぼ同様で一致していますね。
『早期からのインスリン導入で血糖コントロールし、膵臓のβ細胞の疲弊を防ぐ』
どうやらこれが世界の文明国の糖尿病専門医の共通認識のようです。
私もお二人のご意見に、昨日も今日も大賛成です。血糖コントロールの方法がインスリンを使うか 糖質制限食を実践するかの差だけですが、QOLも医療費も 糖質制限食の圧倒的勝利ですね(=^▽^)σ
それにしても「米国では食事・運動療法だけで血糖値をコントロールできる人は2型糖尿病患者の5%程度に過ぎない。」というのは、かなり厳しい現状ですね。
スーパー糖質制限食を実践すれば、食事療法だけで95%以上の確率で2型糖尿人の血糖コントロールが可能です。
まあ残念ながら、嗜好の問題で約2割の糖尿人が 糖質制限食から脱落していくのもまた現状ですが・・・ (´・⊇・`)
江部康二
今日から沈黙療法解除で、小さな声で外来を開始しました。
さすがに予約患者さんを少し少なめにさせてもらいましたm(_ _)m
しばらくは嗄れ声が続きそうです。
さて昨日のブログは、日本の糖尿病治療の最先端のお話でした。今回は、11月9日(金)の毎日新聞朝刊に、米国の糖尿病専門医にインタビューした記事が載っていましたのでかいつまんで報告します。
米国では糖尿病に起因する病気で死亡する人が年間約15万9000人に上り、全死者数の10%を超えます。
テキサス大サウスウェスタンメディカルセンターの
フィリップ・ラスキン教授(代謝・内分泌学)は語ります。
「テキサス州を含む米国南西部で2型糖尿病になる人が多い。これは貧困のため健康的な食生活ができないことによる。」
「2型糖尿病の治療は、食事・運動療法が基本だが、それだけで血糖値をコントロールできる人は患者の5%程度に過ぎない。」
「このため最初は経口薬を処方することが多いが、血糖コントロールがうまくいかず、薬を増やしたり変えたりしているうちに、インスリン分泌能力がほとんどなくなってしまうケースが少なくない。」
「私は、生活習慣の改善が困難と判断したら、最初からインスリン注射と経口薬の併用を勧める。インスリン導入をためらう医師も多いが、この治療法は効果がよい。」
「2型糖尿病は予防も治療も基本は同じ。食事と運動が重要である。糖尿病悪化予防には、発症後早い段階でインスリンを導入する治療法の普及が必要と考える。」
11.9(金)のブログでは、日本の糖尿病専門医の
名古屋大学糖尿病・内分泌内科学準教授 中村二郎先生に登場していただきましたが、本日の米国のフィリップ・ラスキン教授(代謝・内分泌学)の意見も、ほぼ同様で一致していますね。
『早期からのインスリン導入で血糖コントロールし、膵臓のβ細胞の疲弊を防ぐ』
どうやらこれが世界の文明国の糖尿病専門医の共通認識のようです。
私もお二人のご意見に、昨日も今日も大賛成です。血糖コントロールの方法がインスリンを使うか 糖質制限食を実践するかの差だけですが、QOLも医療費も 糖質制限食の圧倒的勝利ですね(=^▽^)σ
それにしても「米国では食事・運動療法だけで血糖値をコントロールできる人は2型糖尿病患者の5%程度に過ぎない。」というのは、かなり厳しい現状ですね。
スーパー糖質制限食を実践すれば、食事療法だけで95%以上の確率で2型糖尿人の血糖コントロールが可能です。
まあ残念ながら、嗜好の問題で約2割の糖尿人が 糖質制限食から脱落していくのもまた現状ですが・・・ (´・⊇・`)
江部康二
2007年11月09日 (金)
おはようございます。今日もいい天気です。
昨夜は沈黙療法中ですが、京都ホテルオークラで開催された「糖尿病地域セミナー」に参加しました。
「私は声を出すことができません」「私は喋れません」と書いた紙を持参しましたがそこそこ役に立ちました(〃 ̄▽ ̄〃)
京都市立病院糖尿病・代謝内科部長 吉田俊秀氏が座長で、
名古屋大学糖尿病・内分泌内科学準教授 中村二郎氏が演者でした。糖尿病の最先端の知識を少し仕入れることができたので早速報告です。
まずは、2002年の統計で糖尿病が740万人、予備軍もいれたら1620万人でしたが2006年の統計(まだ非公式だそうですが)では、合わせたら2320万人とすごい勢いで増え続けています。
糖尿病性網膜症で3500人/年が失明、糖尿病性腎症で13000人/年が透析、糖尿病性下肢閉塞性動脈硬化症で3000人/年が下肢切断といった厳しい合併症の状況です。
中村氏は、糖尿病の合併症予防には、早期から長期のコントロールが大事であり、空腹時血糖値やHbA1cだけでなく、食後2時間血糖値のコントロールが大事と強調されました。食後2時間血糖値は特に大血管病変(心臓や脳)に密接に関わっています。
早期からのコントロールに関しては、合計16年年間に及ぶDCCTとEDICという米国の1型糖尿病の大規模試験のデータが示されました。
即ち「当初のコントロールがいいと、数年後に悪くなっても合併症は比較的起きにくい。」一方、「当初のコントロールが悪いと数年後にコントロールが良くなっても合併症は減りにくい」という、最初が肝腎というデータでした。
結局一旦コントロールが悪くなって、合併症のスイッチが入ってしまうと、後から頑張って良くなっても証文の出し遅れ、というパターンですね。
ついで明言されたのは、「SU剤の長期投与→β細胞の疲弊→二次無効」が良くないと言うことでした。
漫然とSU剤を投与してコントロールが良くないと糖毒状態で悪循環してインスリンを作る膵臓のβ細胞が疲弊して、さらに進めば壊れてしまいます。この時点でインスリン注射ということが、現実の臨床では一番多いのですが、これではすでに遅いということです。
実際、インスリン注射をしていてもHbA1cは7%超えている患者さんのほうが、コントロール良好の人よりはるかに多いそうです。
あるていど早い段階でインスリン注射を導入するのがお奨めで、<短期インスリン療法→糖毒の解除→β細胞の回復→内服薬でOK→内服薬の離脱>も期待できて、短期インスリン療法で13%は内服薬のみに戻り、18%は食事療法のみでOKとなるそうです。
基本コンセプトとして、β細胞の疲弊を阻止し回復させることが大切と強調されました。
中村先生のこれら一連の考え方は、最先端の糖尿病専門医として当然ですし、私も基本的に大賛成です。
そして私達には、インスリン以上に切れ味のある「 糖質制限食」があります。
「インスリンを外部から補充して糖毒を解除し、β細胞に休養を与えて回復させる」ことも理論的ですが、「糖質制限食で糖毒解除し、β細胞に休養を与えて回復させる」ことはインスリン注射をしなくても充分可能なのです。
糖尿人のご同輩、できるだけ早めに 糖質制限食を開始して、薬物に頼ることなく合併症の予防に取り組みましょうね。
そして予備群の方々、早期に糖質制限食を始めれば将来糖尿病になることを予防できますよ。
江部康二
*糖毒:高血糖の生む悪循環のこと
高血糖→インスリン分泌の抑制(β細胞の障害)、インスリン抵抗性増強→高血糖
昨夜は沈黙療法中ですが、京都ホテルオークラで開催された「糖尿病地域セミナー」に参加しました。
「私は声を出すことができません」「私は喋れません」と書いた紙を持参しましたがそこそこ役に立ちました(〃 ̄▽ ̄〃)
京都市立病院糖尿病・代謝内科部長 吉田俊秀氏が座長で、
名古屋大学糖尿病・内分泌内科学準教授 中村二郎氏が演者でした。糖尿病の最先端の知識を少し仕入れることができたので早速報告です。
まずは、2002年の統計で糖尿病が740万人、予備軍もいれたら1620万人でしたが2006年の統計(まだ非公式だそうですが)では、合わせたら2320万人とすごい勢いで増え続けています。
糖尿病性網膜症で3500人/年が失明、糖尿病性腎症で13000人/年が透析、糖尿病性下肢閉塞性動脈硬化症で3000人/年が下肢切断といった厳しい合併症の状況です。
中村氏は、糖尿病の合併症予防には、早期から長期のコントロールが大事であり、空腹時血糖値やHbA1cだけでなく、食後2時間血糖値のコントロールが大事と強調されました。食後2時間血糖値は特に大血管病変(心臓や脳)に密接に関わっています。
早期からのコントロールに関しては、合計16年年間に及ぶDCCTとEDICという米国の1型糖尿病の大規模試験のデータが示されました。
即ち「当初のコントロールがいいと、数年後に悪くなっても合併症は比較的起きにくい。」一方、「当初のコントロールが悪いと数年後にコントロールが良くなっても合併症は減りにくい」という、最初が肝腎というデータでした。
結局一旦コントロールが悪くなって、合併症のスイッチが入ってしまうと、後から頑張って良くなっても証文の出し遅れ、というパターンですね。
ついで明言されたのは、「SU剤の長期投与→β細胞の疲弊→二次無効」が良くないと言うことでした。
漫然とSU剤を投与してコントロールが良くないと糖毒状態で悪循環してインスリンを作る膵臓のβ細胞が疲弊して、さらに進めば壊れてしまいます。この時点でインスリン注射ということが、現実の臨床では一番多いのですが、これではすでに遅いということです。
実際、インスリン注射をしていてもHbA1cは7%超えている患者さんのほうが、コントロール良好の人よりはるかに多いそうです。
あるていど早い段階でインスリン注射を導入するのがお奨めで、<短期インスリン療法→糖毒の解除→β細胞の回復→内服薬でOK→内服薬の離脱>も期待できて、短期インスリン療法で13%は内服薬のみに戻り、18%は食事療法のみでOKとなるそうです。
基本コンセプトとして、β細胞の疲弊を阻止し回復させることが大切と強調されました。
中村先生のこれら一連の考え方は、最先端の糖尿病専門医として当然ですし、私も基本的に大賛成です。
そして私達には、インスリン以上に切れ味のある「 糖質制限食」があります。
「インスリンを外部から補充して糖毒を解除し、β細胞に休養を与えて回復させる」ことも理論的ですが、「糖質制限食で糖毒解除し、β細胞に休養を与えて回復させる」ことはインスリン注射をしなくても充分可能なのです。
糖尿人のご同輩、できるだけ早めに 糖質制限食を開始して、薬物に頼ることなく合併症の予防に取り組みましょうね。
そして予備群の方々、早期に糖質制限食を始めれば将来糖尿病になることを予防できますよ。
江部康二
*糖毒:高血糖の生む悪循環のこと
高血糖→インスリン分泌の抑制(β細胞の障害)、インスリン抵抗性増強→高血糖
2007年11月08日 (木)
おはようございます。
糖尿病と入院と 糖質制限食に関して、スイートさんから、コメントをいただきました。
糖尿人が入院・・・当然あり得る話ですし、今回私がちょうど入院したので、経験を踏まえて考えてみました。
「退院 おめでとうございます。
江部先生は手術の事も心配させない様に明るく説明されてましたが・・やはり心配でした。無事退院できて本当に喜んでおります。
そして私は糖質制限食をしている主人が、もし何かで入院する時は、諦めてインシュリン注射になるのかしらと・・考えておりましたので、今回の先生の入院生活を拝見して、とっても参考になりまた。毎日楽しみにブログを拝見して勉強させてもらってます。今迄知らなかった事が・・わかりやすく説明してくれて、なるほどとプリントしたり・・沢山参項にさせてもらってます。 今後も 無理をなさらないように御自愛下さい。
スイート | 2007.11.07(水) 13:46 | URL | 」
スイートさん、お見舞いありがとうございます。
おかげさまでまだ沈黙療法中ではありますが、元気に過ごしています。
確かに、糖質制限食を実践している患者さんが入院する場合、食事が結構大変だなと私も今まで思っていました。
それで、担当の糖尿病患者さんが入院と決まったら、「グルコバイ(50)6錠、一日三回食前」とか「グルファスト(10)3錠、一日三回食前」とかを、入院期間中の分処方したりしてました。
しかし、今回自分が入院してみて、入院中も 糖質制限食を実践するのは、決して難しいことではないと解りました。要するに、給食についてくるおかずはしっかり食べて、パンやご飯を食べなければいいだけですから。
その分カロリー不足で空腹ですから、前もって糖質制限ドットコム( 糖質制限食普及センター)で販売している血糖値を上昇させない食材、『ローカーボふすまパン』(食パン・クロワッサン・フランスパン)、『大豆パン』、『大豆クッキー』、『京のおばんざい』、『蒸し大豆』・・・、などを持ち込んで、主食代わりに食べれば全く問題ありません。
またコンビニでも、「ナッツ類、チーズ、ハム、ソーセージ・・・」は一定保存ができますし、お見舞いに持っていくなら「おでん、サラダ、唐揚げ・・・」もOKですね。
ですから、糖尿人が外科手術、或いは他内科系の病気で入院になったとしても、経口摂取が普通にできる状況なら、 糖質制限食の実践は充分可能ですし、多くの場合はインスリン注射も必要ないでしょう。
ただ、腹部外科の手術とかで、数日間絶飲食で、高カロリー輸液による点滴のみで栄養補給とかする場合は、点滴内にかならず糖質も含まれているので、その間はインスリンが必要となりますね。
また、重症肺炎などでそのストレスのため食事にかかわらず血糖コントロールが300mg、400mgといった状況なら、入院初期に緊急避難的にインスリン注射が必要と思います。肺炎のコントロールがつけば、ストレスは軽減されて、 糖質制限食で充分血糖コントロール可能となりますから、インスリンは要らなくなります。
江部康二
【追記】
糖質制限ドットコム、ようやくカードが使えるようになったそうですよ。
糖質制限ドットコム( 糖質制限食普及センター)
http://www.toushitsuseigen.com/
食材に関するお問い合わせは
京都高雄倶楽部
TEL:075-873-2170 FAX:075-873-2270
糖尿病と入院と 糖質制限食に関して、スイートさんから、コメントをいただきました。
糖尿人が入院・・・当然あり得る話ですし、今回私がちょうど入院したので、経験を踏まえて考えてみました。
「退院 おめでとうございます。
江部先生は手術の事も心配させない様に明るく説明されてましたが・・やはり心配でした。無事退院できて本当に喜んでおります。
そして私は糖質制限食をしている主人が、もし何かで入院する時は、諦めてインシュリン注射になるのかしらと・・考えておりましたので、今回の先生の入院生活を拝見して、とっても参考になりまた。毎日楽しみにブログを拝見して勉強させてもらってます。今迄知らなかった事が・・わかりやすく説明してくれて、なるほどとプリントしたり・・沢山参項にさせてもらってます。 今後も 無理をなさらないように御自愛下さい。
スイート | 2007.11.07(水) 13:46 | URL | 」
スイートさん、お見舞いありがとうございます。
おかげさまでまだ沈黙療法中ではありますが、元気に過ごしています。
確かに、糖質制限食を実践している患者さんが入院する場合、食事が結構大変だなと私も今まで思っていました。
それで、担当の糖尿病患者さんが入院と決まったら、「グルコバイ(50)6錠、一日三回食前」とか「グルファスト(10)3錠、一日三回食前」とかを、入院期間中の分処方したりしてました。
しかし、今回自分が入院してみて、入院中も 糖質制限食を実践するのは、決して難しいことではないと解りました。要するに、給食についてくるおかずはしっかり食べて、パンやご飯を食べなければいいだけですから。
その分カロリー不足で空腹ですから、前もって糖質制限ドットコム( 糖質制限食普及センター)で販売している血糖値を上昇させない食材、『ローカーボふすまパン』(食パン・クロワッサン・フランスパン)、『大豆パン』、『大豆クッキー』、『京のおばんざい』、『蒸し大豆』・・・、などを持ち込んで、主食代わりに食べれば全く問題ありません。
またコンビニでも、「ナッツ類、チーズ、ハム、ソーセージ・・・」は一定保存ができますし、お見舞いに持っていくなら「おでん、サラダ、唐揚げ・・・」もOKですね。
ですから、糖尿人が外科手術、或いは他内科系の病気で入院になったとしても、経口摂取が普通にできる状況なら、 糖質制限食の実践は充分可能ですし、多くの場合はインスリン注射も必要ないでしょう。
ただ、腹部外科の手術とかで、数日間絶飲食で、高カロリー輸液による点滴のみで栄養補給とかする場合は、点滴内にかならず糖質も含まれているので、その間はインスリンが必要となりますね。
また、重症肺炎などでそのストレスのため食事にかかわらず血糖コントロールが300mg、400mgといった状況なら、入院初期に緊急避難的にインスリン注射が必要と思います。肺炎のコントロールがつけば、ストレスは軽減されて、 糖質制限食で充分血糖コントロール可能となりますから、インスリンは要らなくなります。
江部康二
【追記】
糖質制限ドットコム、ようやくカードが使えるようになったそうですよ。
糖質制限ドットコム( 糖質制限食普及センター)
http://www.toushitsuseigen.com/
食材に関するお問い合わせは
京都高雄倶楽部
TEL:075-873-2170 FAX:075-873-2270
2007年11月07日 (水)
こんにちは。
現在声帯ポリープ切除後の沈黙療法中で、病院お休みしてます。
それで、家で次の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践篇」の校正に励んでいます。
この本は、2005年1月に「主食を抜けば糖尿病は良くなる」を出版したあとの新しい知識や、実際に糖質制限食を実践するときのコツなどを盛り込んであります。
写真はなくて、しっかり知識を身につけて頂くための本になっているので、また参考にして頂けば幸いです。本ブログからも最新知識を活用してあります。
ところで、完全沈黙は至難のわざですね。
かけ声とか間の手とか、思わず発してしまいます。
それと「腹減った」「めし」・・・、の類・・・(+△+;)
さて今日は好き嫌いと 糖質制限食に関する、かりんさんの質問です。
「■はじめまして
いつも、先生のブログを拝見させていただいています。
とても、参考になり感謝しています。私は、最近なのですが、
糖尿病と診断されました。食事の事で少し悩んでいます。
ここに、質問させていいのかもわかりませんが・・・。失礼を
押してお聞きしたいのですが、私は好き嫌いが多くて、肉、魚
は苦手です。でも、加工食品の一部など(ハム、ウィンナー)
はなんとか食べられるのですが・・・。玉子、野菜はだいたいのものは食べられます。魚介類がダメなので、ハム、ウィンナー、玉子になってしまうのですが、大丈夫でしょうか?シーチキンは食べれます。
かりん | 2007.10.28(日) 15:11 | 」
かりんさん、魚と肉が苦手の場合、EPA・DHAやビタミンB12が不足しがちです。
EPA(エイコサペンタエン酸)もDHA(ドコサヘキサエン酸)も不飽和脂肪酸です。
EPAは血液をさらさらにして血栓をできにくくする働きがあり、脳機能にも重要な役割をはたしています。DHAは脳の構造に必要です。
人間の母乳にはEPA、DHAが含まれていますが、動物のミルクにはほとんどありません。人間の脳の発達においてEPA、DHAが重要な役割を担っていると考えられます。
EPAは「アジ、カツオ、キス、タラ、イカ、タコなど」に
DHA「マグロ、ブリ、サンマ、イワシなど」に多く含まれています。
かりんさんの食べることができるシーチキンはマグロかカツオが原料ですので、何とかこれでEPA・DHAゲットですね。
ビタミンB12は神経の機能維持に関与し、赤血球の形成に役立ちます。「魚介類・レバー(鶏・豚・牛)・卵・牛乳」などに多く含まれているので厳格な菜食主義者には不足しがちです。かりんさんの場合は、卵はOKなので大丈夫ですね。
ハム、ウィンナー、シーチキンは血糖値を上昇させることはほとんどありませんから糖尿病には安心です。
一方、加工食品ばかり摂取すれば、食品添加物が多くなりますので少し注意が必要ですね。
江部康二
現在声帯ポリープ切除後の沈黙療法中で、病院お休みしてます。
それで、家で次の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践篇」の校正に励んでいます。
この本は、2005年1月に「主食を抜けば糖尿病は良くなる」を出版したあとの新しい知識や、実際に糖質制限食を実践するときのコツなどを盛り込んであります。
写真はなくて、しっかり知識を身につけて頂くための本になっているので、また参考にして頂けば幸いです。本ブログからも最新知識を活用してあります。
ところで、完全沈黙は至難のわざですね。
かけ声とか間の手とか、思わず発してしまいます。
それと「腹減った」「めし」・・・、の類・・・(+△+;)
さて今日は好き嫌いと 糖質制限食に関する、かりんさんの質問です。
「■はじめまして
いつも、先生のブログを拝見させていただいています。
とても、参考になり感謝しています。私は、最近なのですが、
糖尿病と診断されました。食事の事で少し悩んでいます。
ここに、質問させていいのかもわかりませんが・・・。失礼を
押してお聞きしたいのですが、私は好き嫌いが多くて、肉、魚
は苦手です。でも、加工食品の一部など(ハム、ウィンナー)
はなんとか食べられるのですが・・・。玉子、野菜はだいたいのものは食べられます。魚介類がダメなので、ハム、ウィンナー、玉子になってしまうのですが、大丈夫でしょうか?シーチキンは食べれます。
かりん | 2007.10.28(日) 15:11 | 」
かりんさん、魚と肉が苦手の場合、EPA・DHAやビタミンB12が不足しがちです。
EPA(エイコサペンタエン酸)もDHA(ドコサヘキサエン酸)も不飽和脂肪酸です。
EPAは血液をさらさらにして血栓をできにくくする働きがあり、脳機能にも重要な役割をはたしています。DHAは脳の構造に必要です。
人間の母乳にはEPA、DHAが含まれていますが、動物のミルクにはほとんどありません。人間の脳の発達においてEPA、DHAが重要な役割を担っていると考えられます。
EPAは「アジ、カツオ、キス、タラ、イカ、タコなど」に
DHA「マグロ、ブリ、サンマ、イワシなど」に多く含まれています。
かりんさんの食べることができるシーチキンはマグロかカツオが原料ですので、何とかこれでEPA・DHAゲットですね。
ビタミンB12は神経の機能維持に関与し、赤血球の形成に役立ちます。「魚介類・レバー(鶏・豚・牛)・卵・牛乳」などに多く含まれているので厳格な菜食主義者には不足しがちです。かりんさんの場合は、卵はOKなので大丈夫ですね。
ハム、ウィンナー、シーチキンは血糖値を上昇させることはほとんどありませんから糖尿病には安心です。
一方、加工食品ばかり摂取すれば、食品添加物が多くなりますので少し注意が必要ですね。
江部康二
2007年11月06日 (火)
再びこんにちは。
甘味料は、糖尿人やダイエットを目指す人において、とても関心が高いものです。今回、FUMIO OTSUKIさんから、甘味料の一種の糖アルコールに関する質問があったのでお答えします。
「■キシリトールなどについて
江部先生へ
キシリトールいりのガムにつきまして以前一日2から3個食べていたぐらいですが、ヘモグロビンA1Cが上昇してしまいました。それ以来食べないようにしていたのですが、今回歯科医の処方で口臭予防などの目的でエリスリトール、キシリトール、マルチトールなどが入っているガムやうがい剤をもらい使っていましたところ、約1ケ月でヘモグロビンA1Cが0.3ポイント上昇してしまいました。ほかに原因が考えられないので、エリスルトールでも血糖値が上昇する体質なのか、ほかのうがい剤やデンタルタブレットなどに入っているキシリトール、マルチトールが影響したのかどちらでしょうか
FUMIO OTSUKI | 2007.11.05(月) 16:10 | 」
FUMIO OTSUKIさん、コメント・質問ありがとうございます。
甘味料には、大きく分けて『天然甘味料』と『人工甘味料』があります。天然甘味料には、ショ糖、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖、などがあります。天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のことです。
人工甘味料は、合成甘味料と糖アルコールに分類されます。
合成甘味料は人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)です。砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴があります。狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。
米国食料医薬品庁で認められているのはサッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースの4種です。
この4種はカロリーはなく、血糖値も上昇させませんが、一日摂取許容量が決められています。
糖アルコール には、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。
キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれていますが、商品としては人工的に作っています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料として人工的に合成しています。
糖アルコールは糖類に水素を付加したもので、人工的に作っていますが、いわゆる合成甘味料には分類されません。糖アルコールの安全性は確立しています。
肝腎の血糖値を上昇させるか否かですが、エリスリトール以外の糖アルコールは、砂糖の約半分程度血糖値を上昇させます。
よく、「糖アルコールは血糖値を上昇させない」との記載がみられますが間違いです。
また、エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。
エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢も起こしにくいです。
結論です。
KFUMIO OTSUKIさんのヘモグロビンA1cが上昇したのは、糖アルコールの内、キシリトールやマルチトールのせいです。エリスリトールは大丈夫です。
**
甘味料や糖アルコールに関しては
5.29、5.30のブログも参照していただけば幸いです。
江部康二
甘味料は、糖尿人やダイエットを目指す人において、とても関心が高いものです。今回、FUMIO OTSUKIさんから、甘味料の一種の糖アルコールに関する質問があったのでお答えします。
「■キシリトールなどについて
江部先生へ
キシリトールいりのガムにつきまして以前一日2から3個食べていたぐらいですが、ヘモグロビンA1Cが上昇してしまいました。それ以来食べないようにしていたのですが、今回歯科医の処方で口臭予防などの目的でエリスリトール、キシリトール、マルチトールなどが入っているガムやうがい剤をもらい使っていましたところ、約1ケ月でヘモグロビンA1Cが0.3ポイント上昇してしまいました。ほかに原因が考えられないので、エリスルトールでも血糖値が上昇する体質なのか、ほかのうがい剤やデンタルタブレットなどに入っているキシリトール、マルチトールが影響したのかどちらでしょうか
FUMIO OTSUKI | 2007.11.05(月) 16:10 | 」
FUMIO OTSUKIさん、コメント・質問ありがとうございます。
甘味料には、大きく分けて『天然甘味料』と『人工甘味料』があります。天然甘味料には、ショ糖、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖、などがあります。天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のことです。
人工甘味料は、合成甘味料と糖アルコールに分類されます。
合成甘味料は人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)です。砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴があります。狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。
米国食料医薬品庁で認められているのはサッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースの4種です。
この4種はカロリーはなく、血糖値も上昇させませんが、一日摂取許容量が決められています。
糖アルコール には、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。
キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれていますが、商品としては人工的に作っています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料として人工的に合成しています。
糖アルコールは糖類に水素を付加したもので、人工的に作っていますが、いわゆる合成甘味料には分類されません。糖アルコールの安全性は確立しています。
肝腎の血糖値を上昇させるか否かですが、エリスリトール以外の糖アルコールは、砂糖の約半分程度血糖値を上昇させます。
よく、「糖アルコールは血糖値を上昇させない」との記載がみられますが間違いです。
また、エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。
エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢も起こしにくいです。
結論です。
KFUMIO OTSUKIさんのヘモグロビンA1cが上昇したのは、糖アルコールの内、キシリトールやマルチトールのせいです。エリスリトールは大丈夫です。
**
甘味料や糖アルコールに関しては
5.29、5.30のブログも参照していただけば幸いです。
江部康二
2007年11月06日 (火)
こんにちは。
本日無事退院しました。皆さん、お見舞いの言葉などありがとうございました。おかげさまで手術も術後の経過も極めて順調です。
京都市西京区の桂病院さん、新築の病棟の部屋だったので、とても綺麗で快適でした。Drもナースも皆さん親切で気持ちよかったです。
手術日の朝、内視鏡で確認したところ、声帯ポリープ何と半分の1mm径に縮んでいました。
歌と酒を控えめにしたからでしょうかね ( ̄△ ̄)
それでDrは、「経過を見る選択肢もありますよ」とおっしゃいました。
まあしかし、既に1年11ヶ月経過みてのことですので、美声?を取り戻すため「この際気持ちよくきってください」と瞬時に決断しました。
全身麻酔でほとんど何の苦痛も無かったのですが、術後の沈黙療法は応えました。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」ならぬ、江部康二の「沈黙の秋」です。(済みません、何の関係もなく単なる言葉の綾です。)
沈黙療法かなり難しいですよ。
可愛い看護師さんに「ご気分如何ですか?」とかにっこり笑って聞かれたら思わず、お愛想で「大丈夫です」と返事してしまうサービス精神旺盛な自分がいまして、困ったモンでした。
入院中も勿論、糖質制限食です。
といっても、おかずを食べてご飯を抜いただけですが・・・。持参した大豆クッキーや美味しいダイズ、ナッツなど補食してました。
糖尿病に関しては、 糖質制限食である限りは正常人ですので
術前・術中・術後何の問題もありませんでした。
手術日は絶食で、夕のみ軽く摂取、本日はいつも通り朝食抜きでした。
帰宅して、連れ合いに思わず発してしまった言葉が、恥ずかしながら「腹減った。」で、すぐまた沈黙療法ですが、
しっかり笑われてしまいました。 (×。×)
江部康二
本日無事退院しました。皆さん、お見舞いの言葉などありがとうございました。おかげさまで手術も術後の経過も極めて順調です。
京都市西京区の桂病院さん、新築の病棟の部屋だったので、とても綺麗で快適でした。Drもナースも皆さん親切で気持ちよかったです。
手術日の朝、内視鏡で確認したところ、声帯ポリープ何と半分の1mm径に縮んでいました。
歌と酒を控えめにしたからでしょうかね ( ̄△ ̄)
それでDrは、「経過を見る選択肢もありますよ」とおっしゃいました。
まあしかし、既に1年11ヶ月経過みてのことですので、美声?を取り戻すため「この際気持ちよくきってください」と瞬時に決断しました。
全身麻酔でほとんど何の苦痛も無かったのですが、術後の沈黙療法は応えました。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」ならぬ、江部康二の「沈黙の秋」です。(済みません、何の関係もなく単なる言葉の綾です。)
沈黙療法かなり難しいですよ。
可愛い看護師さんに「ご気分如何ですか?」とかにっこり笑って聞かれたら思わず、お愛想で「大丈夫です」と返事してしまうサービス精神旺盛な自分がいまして、困ったモンでした。
入院中も勿論、糖質制限食です。
といっても、おかずを食べてご飯を抜いただけですが・・・。持参した大豆クッキーや美味しいダイズ、ナッツなど補食してました。
糖尿病に関しては、 糖質制限食である限りは正常人ですので
術前・術中・術後何の問題もありませんでした。
手術日は絶食で、夕のみ軽く摂取、本日はいつも通り朝食抜きでした。
帰宅して、連れ合いに思わず発してしまった言葉が、恥ずかしながら「腹減った。」で、すぐまた沈黙療法ですが、
しっかり笑われてしまいました。 (×。×)
江部康二
2007年11月04日 (日)
おはようございます。
今日も京都はいいお天気です。でも結構冷えてますよ。
明日はいよいよ、声帯ポリープの手術です。手術自体は30分で終わるそうですが、その後の数日間、沈黙療法が待ってます。一切喋れないので、これはそれなりに辛そうです。
まあ、家に一人でいる時は寡黙な男なのですが・・・って、
一人で喋るのはちょっとこわいですね。 (*´・⊇・)
さて、今まで10回に渡り、人類の進化と食生活シリーズを展開してきましたが、とうとう最終章に辿り着きました。いよいよメインディッシュです。
農耕以前の人類(狩猟採集生活者)の主食はいったい何だったのでしょう?
特に、文化が出現する以前の、石器も狩りの技術も未熟な400万年~20万年前の弱々しい人類の主食は?
主食は、種の生存においてとても大きな意味を持つもので、同時代・同地域で主食が競合する種は、どちらかが絶滅していきます。(例えばネアンデルタール人の絶滅→8.6ブログ参照して下さいね)
即ち、一種の動物に一種の主食があるのです。
「親指はなぜ太いのか」の著者、島泰三氏のライフワークに、マダガスカル島(外界と遮断された世界)の多種のサルの生態や主食を調べた仕事がありますが、各種のサルで主食の摂取にピッタリの親指や手指が発達することを見いだしています。
つまり、マダガスカル島に住む様々な種のサルに、それぞれ異なる主食があるわけです。
例えば、アイアイというサルの主食はラミーという巨木の種子ですが、殻が固くて3cm位の大きさです。アイアイはまず非常に太い親指で殻をしっかり固定し歯で削り開けた後、特殊に発達した細い細い中指を突っ込んで中身をかき出して食べます。
チンパンジーのナックルウオークも特徴的です。彼等は蔓に覆われた密林で木々の先にある果実を主食として、蔓を持って移動しつつ食事をします。そのためたまに地上に降りたときも蔓をもつときのナックルのまま歩行するのです。
さあそれでは、400万年に及ぶ人類の主食は???
島氏は、
「ライオン等の肉食獣が、大型草食獣を倒して内臓や肉を食べる。その後ハイエナが登場し屍肉を漁る、武器も未熟で狩りもままならない当時の人類は、ハイエナが去るのを待って最後に残った骨(骨髄)を拾って手にもって安全な場所まで二足歩行で移動したあと、石(石器)で骨を割ってそのまま食べたり骨髄をすすったりしていた。主食は常の食物だから握りしめる石は常に持っていなくてはならない。そのため四足歩行がむつかしく二足歩行が必要となった。」
と大胆な仮説を述べています。 Σ(゚◇゚;)?!
状況証拠として、アフリカ東海岸の人類の遺跡のほとんどに、『大型肉食獣の歯形の付いた草食獣のかち割られた骨』が出土しています。
骨髄にはEPA・DHAもたっぷり含まれています。またタンパク質・脂質・カルシウム・鉄なども豊富です。
例えば,富山県食品研究所によれば、牛骨100gあたりタンパク質19.7%、脂質18.1%、カルシウム7800mg、鉄8.6mgです。豚骨も鶏骨もまた牛骨と同様、栄養的には申し分のない構成で、骨は人類の主食として、優れたバランス栄養食と言えます。
そして人類の親指は,他のサルとは全く異なる極めて特殊な形態をしており、石を握りしめるのに最適な機能を有しているのです。
島氏のこの仮説、一見びっくりするようなものなのですが、
私はかなりの信憑性を感じわくわくしました。 o(^^o)(o^^)o
興味がある人は、是非
「親指はなぜ太いのか-直立二足歩行の起原に迫る」
(島泰三、中公新書)
をお読みくださいね。
江部康二
今日も京都はいいお天気です。でも結構冷えてますよ。
明日はいよいよ、声帯ポリープの手術です。手術自体は30分で終わるそうですが、その後の数日間、沈黙療法が待ってます。一切喋れないので、これはそれなりに辛そうです。
まあ、家に一人でいる時は寡黙な男なのですが・・・って、
一人で喋るのはちょっとこわいですね。 (*´・⊇・)
さて、今まで10回に渡り、人類の進化と食生活シリーズを展開してきましたが、とうとう最終章に辿り着きました。いよいよメインディッシュです。
農耕以前の人類(狩猟採集生活者)の主食はいったい何だったのでしょう?
特に、文化が出現する以前の、石器も狩りの技術も未熟な400万年~20万年前の弱々しい人類の主食は?
主食は、種の生存においてとても大きな意味を持つもので、同時代・同地域で主食が競合する種は、どちらかが絶滅していきます。(例えばネアンデルタール人の絶滅→8.6ブログ参照して下さいね)
即ち、一種の動物に一種の主食があるのです。
「親指はなぜ太いのか」の著者、島泰三氏のライフワークに、マダガスカル島(外界と遮断された世界)の多種のサルの生態や主食を調べた仕事がありますが、各種のサルで主食の摂取にピッタリの親指や手指が発達することを見いだしています。
つまり、マダガスカル島に住む様々な種のサルに、それぞれ異なる主食があるわけです。
例えば、アイアイというサルの主食はラミーという巨木の種子ですが、殻が固くて3cm位の大きさです。アイアイはまず非常に太い親指で殻をしっかり固定し歯で削り開けた後、特殊に発達した細い細い中指を突っ込んで中身をかき出して食べます。
チンパンジーのナックルウオークも特徴的です。彼等は蔓に覆われた密林で木々の先にある果実を主食として、蔓を持って移動しつつ食事をします。そのためたまに地上に降りたときも蔓をもつときのナックルのまま歩行するのです。
さあそれでは、400万年に及ぶ人類の主食は???
島氏は、
「ライオン等の肉食獣が、大型草食獣を倒して内臓や肉を食べる。その後ハイエナが登場し屍肉を漁る、武器も未熟で狩りもままならない当時の人類は、ハイエナが去るのを待って最後に残った骨(骨髄)を拾って手にもって安全な場所まで二足歩行で移動したあと、石(石器)で骨を割ってそのまま食べたり骨髄をすすったりしていた。主食は常の食物だから握りしめる石は常に持っていなくてはならない。そのため四足歩行がむつかしく二足歩行が必要となった。」
と大胆な仮説を述べています。 Σ(゚◇゚;)?!
状況証拠として、アフリカ東海岸の人類の遺跡のほとんどに、『大型肉食獣の歯形の付いた草食獣のかち割られた骨』が出土しています。
骨髄にはEPA・DHAもたっぷり含まれています。またタンパク質・脂質・カルシウム・鉄なども豊富です。
例えば,富山県食品研究所によれば、牛骨100gあたりタンパク質19.7%、脂質18.1%、カルシウム7800mg、鉄8.6mgです。豚骨も鶏骨もまた牛骨と同様、栄養的には申し分のない構成で、骨は人類の主食として、優れたバランス栄養食と言えます。
そして人類の親指は,他のサルとは全く異なる極めて特殊な形態をしており、石を握りしめるのに最適な機能を有しているのです。
島氏のこの仮説、一見びっくりするようなものなのですが、
私はかなりの信憑性を感じわくわくしました。 o(^^o)(o^^)o
興味がある人は、是非
「親指はなぜ太いのか-直立二足歩行の起原に迫る」
(島泰三、中公新書)
をお読みくださいね。
江部康二
2007年11月03日 (土)
☆☆☆
江部康二講演会in京都「糖尿病・肥満と 糖質制限食」11月11日満員御礼ご報告。
おかげさまで、11月1日の時点で予約が100名に達しましたので申込みを締め切らせて頂きます。
神戸ポートピアホテルの講演会「糖尿病・肥満と 糖質制限食」を上回る好調な出足で、これもひとえにブログ読者の皆さんのおかげと、感謝しております。
誠にありがとうございました。
これから定期的に京都で100名規模の講演会と、江部康二と高雄病院の漢方の医師も演者に迎え、30名規模の勉強会を兼ねたプチ講演会を行っていきたいと考えております。
今回、ご都合が合わなくてこれなかった方、締め切りで申し込みに間に合わなかった方、そちらの方も宜しくお願いしますね。
江部康二
演題「糖尿病・肥満と糖質制限食」
演者 江部康二 高雄病院理事長
日時11月11日 日曜日 大安
受付13:30~ 開演 14:00~16:00
会場 京都ロイヤルホテル2階 瑞祥雲
定員 100名 (先着順)
参加費 1000円 (当日会場にてお支払い下さい)
お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝です。
席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。
後ほど掛け直させていただきます。
江部康二講演会in京都「糖尿病・肥満と 糖質制限食」11月11日満員御礼ご報告。
おかげさまで、11月1日の時点で予約が100名に達しましたので申込みを締め切らせて頂きます。
神戸ポートピアホテルの講演会「糖尿病・肥満と 糖質制限食」を上回る好調な出足で、これもひとえにブログ読者の皆さんのおかげと、感謝しております。
誠にありがとうございました。
これから定期的に京都で100名規模の講演会と、江部康二と高雄病院の漢方の医師も演者に迎え、30名規模の勉強会を兼ねたプチ講演会を行っていきたいと考えております。
今回、ご都合が合わなくてこれなかった方、締め切りで申し込みに間に合わなかった方、そちらの方も宜しくお願いしますね。
江部康二
演題「糖尿病・肥満と糖質制限食」
演者 江部康二 高雄病院理事長
日時11月11日 日曜日 大安
受付13:30~ 開演 14:00~16:00
会場 京都ロイヤルホテル2階 瑞祥雲
定員 100名 (先着順)
参加費 1000円 (当日会場にてお支払い下さい)
お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝です。
席をはずしていることもあるので、留守電に連絡先を入れておいてください。
後ほど掛け直させていただきます。
2007年11月02日 (金)
こんばんは。いよいよ、声帯ポリープの手術が迫ってきました。今日は、昼から麻酔科の先生と打ち合わせでした。
「歯周症や虫歯があると、全身麻酔で気管内挿管する時などに
歯が抜けたり欠けたりする可能性がありますのでご容赦ください・・・」など説明がありましたが、「幸い歯は丈夫ですのでご心配なく・・・」と自信をもって答えました。
顕微鏡下に直接見ながら声帯ポリープ切除ということで、全身麻酔が必要となりました。
ボーカリストでなければ、内視鏡手術もありだそうですが、
一応、14.5年ライブをしているということで敬意を表して頂いて、プロ仕様の手術バージョン(喉頭直達鏡による直視下手術)となりました。 (^ー^)
さて今日は、歯垢の話の続きです。
こちらもプロの登場で、豊田歯科 豊田先生に、コメントをいただきました。さすが、プロですね。プラークのことをとてもわかりやすく整理整頓してもらいましたので、早速ブログにアップさせて頂きました。
豊田先生、こちらこそ大変ありがとうございます。 \(^_^ )( ^_^)/
江部康二
以下豊田先生のコメントです。
「■糖質制限食と歯垢について
豊田歯科 豊田です。
江部先生、御指名?ありがとうございます!
プラーク(歯垢)は重量で、約80%が細菌です。むし歯菌の代表選手ミュータンス菌が、砂糖からつくる不溶性グルカンからできるネバネバプラークと、それ以外の酸産生菌群がさまざまな糖質を利用してできる水溶性のサラサラプラークがあります。
歯の表面のエナメル質にできる虫歯は主に前者、歯周病などで露出した歯根面にできるセメント質のむし歯は後者が関係しています。
(*ただ、プラークの考え方も、むし歯と歯周病で微妙な違いがあり、非水溶性のものだけをプラークとする考え方もあります。)
糖質制限食では、砂糖もそれ以外の糖質も摂取量が少なくなるわけですから、どちらのプラークも当然減少するはずですね。
ただ、糖質を摂取していても、玄米菜食的な食生活をしている方などは、歯みがきがそんなに上手じゃなくても、プラークの少ない人が多いです。咀嚼回数が多く、さらさらの唾液もよく出て歯が汚れにくいのかなと思います。
歯垢を減らすためには、歯みがき以外に
1、砂糖摂取量を減らす
2、食物繊維摂取量を増やし、加工食品を減らす
3、咀嚼回数を増やす
2、糖質摂取量を減らす
の順番かなと思います。
歯石に関しては、あらためて投稿いたします。
歯石の場合は、唾液、血液、口呼吸なども関係してきます。
それと、脂質と咀嚼回数に関しても関連図書入手しましたので
これも追加報告します。またよろしくお願いします。
江部先生のおかげで、新しいことを学ぶことができたり、
今まで学んだことを復習整理できたり、感謝、感謝です!
豊田歯科 豊田裕章 | 2007.11.02(金) 06:17 |」
「歯周症や虫歯があると、全身麻酔で気管内挿管する時などに
歯が抜けたり欠けたりする可能性がありますのでご容赦ください・・・」など説明がありましたが、「幸い歯は丈夫ですのでご心配なく・・・」と自信をもって答えました。
顕微鏡下に直接見ながら声帯ポリープ切除ということで、全身麻酔が必要となりました。
ボーカリストでなければ、内視鏡手術もありだそうですが、
一応、14.5年ライブをしているということで敬意を表して頂いて、プロ仕様の手術バージョン(喉頭直達鏡による直視下手術)となりました。 (^ー^)
さて今日は、歯垢の話の続きです。
こちらもプロの登場で、豊田歯科 豊田先生に、コメントをいただきました。さすが、プロですね。プラークのことをとてもわかりやすく整理整頓してもらいましたので、早速ブログにアップさせて頂きました。
豊田先生、こちらこそ大変ありがとうございます。 \(^_^ )( ^_^)/
江部康二
以下豊田先生のコメントです。
「■糖質制限食と歯垢について
豊田歯科 豊田です。
江部先生、御指名?ありがとうございます!
プラーク(歯垢)は重量で、約80%が細菌です。むし歯菌の代表選手ミュータンス菌が、砂糖からつくる不溶性グルカンからできるネバネバプラークと、それ以外の酸産生菌群がさまざまな糖質を利用してできる水溶性のサラサラプラークがあります。
歯の表面のエナメル質にできる虫歯は主に前者、歯周病などで露出した歯根面にできるセメント質のむし歯は後者が関係しています。
(*ただ、プラークの考え方も、むし歯と歯周病で微妙な違いがあり、非水溶性のものだけをプラークとする考え方もあります。)
糖質制限食では、砂糖もそれ以外の糖質も摂取量が少なくなるわけですから、どちらのプラークも当然減少するはずですね。
ただ、糖質を摂取していても、玄米菜食的な食生活をしている方などは、歯みがきがそんなに上手じゃなくても、プラークの少ない人が多いです。咀嚼回数が多く、さらさらの唾液もよく出て歯が汚れにくいのかなと思います。
歯垢を減らすためには、歯みがき以外に
1、砂糖摂取量を減らす
2、食物繊維摂取量を増やし、加工食品を減らす
3、咀嚼回数を増やす
2、糖質摂取量を減らす
の順番かなと思います。
歯石に関しては、あらためて投稿いたします。
歯石の場合は、唾液、血液、口呼吸なども関係してきます。
それと、脂質と咀嚼回数に関しても関連図書入手しましたので
これも追加報告します。またよろしくお願いします。
江部先生のおかげで、新しいことを学ぶことができたり、
今まで学んだことを復習整理できたり、感謝、感謝です!
豊田歯科 豊田裕章 | 2007.11.02(金) 06:17 |」
2007年11月01日 (木)
おはようございます。今日は朝から雨です。
結局、今夏の猛暑と雨量の少なさで、松茸の菌糸が育たなかったようで、国産マツタケの収穫量が落ち込み、戦後のワースト記録を塗り替える可能性もあるそうですね。
国産マツタケの生産量のピークは昭和28年の6484トンで、昨年(65トン)の100倍あったみたいです。
高雄病院の裏山でも、10年くらい前までは結構松茸がとれて、私のような素人でも数本は取った記憶があります。古株の職員などはプロ顔負けで、10本、20本の人もいましたよ。
さて、その高雄病院の新企画、『高雄病院京都駅前診療所』
10.26金曜日の京都新聞夕刊で取りあげてもらいました。
もっとも、高雄病院だけではありませんで、ここんとこ京都駅前において医院開業が相次いでいるのだそうです。
私達の場合は「漢方治療を手掛ける右京区の高雄病院が、京都駅前に診療所開設」という記事を載せてもらいました。
ここ10年で京都駅前の病院・医院は3倍に増えたそうです。特に2002年以降は、18施設と開業ラッシュです。
JR、近鉄沿線だけでなく、新幹線に乗って全国から患者さんが来院、というパターンです。
「駅前通院」+「京都観光」というスタイルが生まれつつあるようです。
高雄病院京都駅前診療所も、おかげさまで10月1日の開業から既に400人を超える患者さんが来院されましたが、来院患者さんの5割以上が京都府以外でした。
東京、静岡、愛知、長野、岐阜、徳島、和歌山、福井、中国、九州からも来て頂いてますが、やはり滋賀、大阪、兵庫、奈良といった近県からが多いです。
一方、伏見区、山科区、下京区、中京区といった京都市近隣地域からも患者さんが増え「便利になった」と喜んで頂いてます。
高雄病院京都駅前診療所は、『漢方内科、糖尿病、アレルギー疾患』に重点をおいて診療を行っています。
11月からは、「糖尿病が良くなるご馳走レシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「糖質制限食 夏のレシピ 」(いずれも東洋経済新報社)でお馴染みの野邦子先生も診療を開始されます。
ブログ読者の皆さん、『漢方、糖尿病、アレルギー』治療ご希望の場合は、高雄病院京都駅前診療所へお電話ください。
友人、知人、ご家族の方にもご紹介いただけば幸いです。
江部康二
<高雄病院京都駅前診療所>
TEL:(075)352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
烏丸七条交差点を東へ20m、バス停の真ん前です。
七条通り北側に面しています。
【休診日】
水曜日・日曜日・祝日
結局、今夏の猛暑と雨量の少なさで、松茸の菌糸が育たなかったようで、国産マツタケの収穫量が落ち込み、戦後のワースト記録を塗り替える可能性もあるそうですね。
国産マツタケの生産量のピークは昭和28年の6484トンで、昨年(65トン)の100倍あったみたいです。
高雄病院の裏山でも、10年くらい前までは結構松茸がとれて、私のような素人でも数本は取った記憶があります。古株の職員などはプロ顔負けで、10本、20本の人もいましたよ。
さて、その高雄病院の新企画、『高雄病院京都駅前診療所』
10.26金曜日の京都新聞夕刊で取りあげてもらいました。
もっとも、高雄病院だけではありませんで、ここんとこ京都駅前において医院開業が相次いでいるのだそうです。
私達の場合は「漢方治療を手掛ける右京区の高雄病院が、京都駅前に診療所開設」という記事を載せてもらいました。
ここ10年で京都駅前の病院・医院は3倍に増えたそうです。特に2002年以降は、18施設と開業ラッシュです。
JR、近鉄沿線だけでなく、新幹線に乗って全国から患者さんが来院、というパターンです。
「駅前通院」+「京都観光」というスタイルが生まれつつあるようです。
高雄病院京都駅前診療所も、おかげさまで10月1日の開業から既に400人を超える患者さんが来院されましたが、来院患者さんの5割以上が京都府以外でした。
東京、静岡、愛知、長野、岐阜、徳島、和歌山、福井、中国、九州からも来て頂いてますが、やはり滋賀、大阪、兵庫、奈良といった近県からが多いです。
一方、伏見区、山科区、下京区、中京区といった京都市近隣地域からも患者さんが増え「便利になった」と喜んで頂いてます。
高雄病院京都駅前診療所は、『漢方内科、糖尿病、アレルギー疾患』に重点をおいて診療を行っています。
11月からは、「糖尿病が良くなるご馳走レシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「糖質制限食 夏のレシピ 」(いずれも東洋経済新報社)でお馴染みの野邦子先生も診療を開始されます。
ブログ読者の皆さん、『漢方、糖尿病、アレルギー』治療ご希望の場合は、高雄病院京都駅前診療所へお電話ください。
友人、知人、ご家族の方にもご紹介いただけば幸いです。
江部康二
<高雄病院京都駅前診療所>
TEL:(075)352-5050
京都市下京区七条通り烏丸東入ル(50M)北側 ネオフィス 七条烏丸4F
烏丸七条交差点を東へ20m、バス停の真ん前です。
七条通り北側に面しています。
【休診日】
水曜日・日曜日・祝日
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