2007年09月13日 (木) | 編集 |
こんばんは。
病院から広沢の池を経て、自宅の駐車場についてパジェロから降りたら、庭から風流な虫の音が聞こえてきました。
リリリリリリー・・・。あれはスズムシでしょうか?
さて今日は、saka10 さんの質問にお答えします。
「江部先生、こんばんは。
先生のblogで勉強しつつ
、ゆる〜く糖質制限を続ける毎日です。
グルカゴンに関しての記事を拝見して、ひとつ質問があります。
グルカゴン分泌についてですが、ある程度の罹患期間の1型糖尿病患者はグルカゴン分泌も低下していると以前読んだ記憶があります。
糖質を制限した場合、脂質の分解によって得られるケトン体をエネルギーとして利用すると理解しているのですが、グルカゴンの分泌低下による影響
はないのでしょうか?
Dr.バーンシュタインが問題なく生活されているので、問題はないと思うのですが・・・・。
by: saka10 * 2007/09/11 00:44 」
saka10 さん、コメント・質問ありがとうございます。
いやはや、かなり難しい内容ですね。 <(^ー^ι)
回答は、二つの事柄に分けて考えるほうが解りやすいと思います。
1 ブログ「 内科開業医のお勉強日記」から一部引用させていただきました。
Diabetes 52:1195-1203, 2003 に載っている論文によると、
『Cペプチド無しの1型糖尿病において、血糖減少に応じて血中グルカゴン値は増加しない。低血糖に関する重要な防御が欠損している。
グルカゴンが反応しないというメカニズムは不明だが、内因性のインスリン不足に直接関連したものではないかと思われる。
残りの重要な低血糖防御機構であるエピネフリン増加に大きく依存することとなる。』
要するに、既にインスリンを分泌していない段階の1型糖尿病患者では、低血糖という刺激があっても、グルカゴンが分泌されなくなっているということですね。
通常は、低血糖の時はグルカゴンが分泌されて、血糖値を上昇させるのですが、その反応がないとすれば、低血糖が悪化しやすく危険ということになります。
saka10さんご指摘の「ある程度の罹患期間の1型糖尿病患者は、グルカゴン分泌も低下している」というのは、このことでしょうか?
2『近年、1型糖尿病患者では、インスリンだけでなくグルカゴン分泌を抑制し、肝臓での糖新生を抑える働きを持つホルモンであるアミリンの分泌も欠乏していることも明らかになった。』
これは定説です。
つまり、1型糖尿病患者は、「インスリンの分泌不足・欠乏」と「グルカゴン分泌抑制の不足・欠乏」により、二重に高血糖になりやすくなっています。
Diabetes/54巻,4号に載った小児1型糖尿病患者の研究において、アミリンのアナログ製剤であるpramlintideの投与によって、グルカゴン分泌が抑制されて食後高血糖が改善され、またグルカゴンの投与によって低血糖を予防できることも示されました。
**
小児1型糖尿病患者の血糖値変動の抑制におけるアミリンおよびグルカゴンの役割
著者:Heptulla RA/Rodriguez LM/Bomgaars L/Haymond MW
出典:Diabetes/54巻,4号,1100-7頁/発行年:2005年04月
これらを合わせれば、1型糖尿病患者さんは高血糖にも低血糖にもなりやすいし、低血糖の時は重症化の危険もあり、日頃のきめ細かい自己管理がとても重要になってきます。
糖質制限食あるいは糖質管理食により、糖質のグラム数を計算することで、血糖値の乱高下が、かなり改善されると思います。
糖質制限食というと、糖尿病専門医の先生には拒否される可能性がありますが、欧米では既に定着している糖質管理食なら、検討して頂けると思いますので、1型糖尿病の患者さんは、是非主治医に相談してみてくださいね。
病院から広沢の池を経て、自宅の駐車場についてパジェロから降りたら、庭から風流な虫の音が聞こえてきました。
リリリリリリー・・・。あれはスズムシでしょうか?
さて今日は、saka10 さんの質問にお答えします。
「江部先生、こんばんは。
先生のblogで勉強しつつ
、ゆる〜く糖質制限を続ける毎日です。
グルカゴンに関しての記事を拝見して、ひとつ質問があります。
グルカゴン分泌についてですが、ある程度の罹患期間の1型糖尿病患者はグルカゴン分泌も低下していると以前読んだ記憶があります。
糖質を制限した場合、脂質の分解によって得られるケトン体をエネルギーとして利用すると理解しているのですが、グルカゴンの分泌低下による影響
はないのでしょうか?
Dr.バーンシュタインが問題なく生活されているので、問題はないと思うのですが・・・・。
by: saka10 * 2007/09/11 00:44 」
saka10 さん、コメント・質問ありがとうございます。
いやはや、かなり難しい内容ですね。 <(^ー^ι)
回答は、二つの事柄に分けて考えるほうが解りやすいと思います。
1 ブログ「 内科開業医のお勉強日記」から一部引用させていただきました。
Diabetes 52:1195-1203, 2003 に載っている論文によると、
『Cペプチド無しの1型糖尿病において、血糖減少に応じて血中グルカゴン値は増加しない。低血糖に関する重要な防御が欠損している。
グルカゴンが反応しないというメカニズムは不明だが、内因性のインスリン不足に直接関連したものではないかと思われる。
残りの重要な低血糖防御機構であるエピネフリン増加に大きく依存することとなる。』
要するに、既にインスリンを分泌していない段階の1型糖尿病患者では、低血糖という刺激があっても、グルカゴンが分泌されなくなっているということですね。
通常は、低血糖の時はグルカゴンが分泌されて、血糖値を上昇させるのですが、その反応がないとすれば、低血糖が悪化しやすく危険ということになります。
saka10さんご指摘の「ある程度の罹患期間の1型糖尿病患者は、グルカゴン分泌も低下している」というのは、このことでしょうか?
2『近年、1型糖尿病患者では、インスリンだけでなくグルカゴン分泌を抑制し、肝臓での糖新生を抑える働きを持つホルモンであるアミリンの分泌も欠乏していることも明らかになった。』
これは定説です。
つまり、1型糖尿病患者は、「インスリンの分泌不足・欠乏」と「グルカゴン分泌抑制の不足・欠乏」により、二重に高血糖になりやすくなっています。
Diabetes/54巻,4号に載った小児1型糖尿病患者の研究において、アミリンのアナログ製剤であるpramlintideの投与によって、グルカゴン分泌が抑制されて食後高血糖が改善され、またグルカゴンの投与によって低血糖を予防できることも示されました。
**
小児1型糖尿病患者の血糖値変動の抑制におけるアミリンおよびグルカゴンの役割
著者:Heptulla RA/Rodriguez LM/Bomgaars L/Haymond MW
出典:Diabetes/54巻,4号,1100-7頁/発行年:2005年04月
これらを合わせれば、1型糖尿病患者さんは高血糖にも低血糖にもなりやすいし、低血糖の時は重症化の危険もあり、日頃のきめ細かい自己管理がとても重要になってきます。
糖質制限食あるいは糖質管理食により、糖質のグラム数を計算することで、血糖値の乱高下が、かなり改善されると思います。
糖質制限食というと、糖尿病専門医の先生には拒否される可能性がありますが、欧米では既に定着している糖質管理食なら、検討して頂けると思いますので、1型糖尿病の患者さんは、是非主治医に相談してみてくださいね。
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