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糖質制限食とダイエット?
こんばんは。

小豆に山羊の乳入りの衛生ボーロを食べさせたら、アトピーが出てしまいました。

以前、故大吉に牛乳を飲ませた時も、ハゲが数カ所できて困りました。やめたら治りましたから、食物アレルギーだったのですね。

ああ、すいません。小豆も大吉も柴犬です。室内犬です。

犬も結構アレルギーが増えてるのだなと妙に感心している江部康二です。

さて今回は、つくさんからのコメントと質問への回答です。

「いきなりご質問で申し訳ありません。糖質制限食実行中です約2ヶ月半程になりますが2日後に旅行があって食事を久しぶりに思いっきり食べる事になりそうで楽しみな反面怖いです。私は糖尿では無いのですがグルコバイやグルファストを入手したいのですが処方せんなので医者の診断が必要なんですよね?どうしたらよいでしょう?他に代わる物とかありますか??
by: つく * 2007/08/22 11:55」

つくさん、コメント・質問ありがとうございます。
糖尿人ではないとのことですので、ダイエット目的で 糖質制限食を実践されているのでしょうか?

つくさんの仰る通り、グルコバイやグルファストは医療用の内服薬ですから、医師の診察と診断と処方箋が必要です。
そして、糖尿病がない人には、医師がグルコバイやグルファストを処方することはできません。

ただ糖尿病でないならば、旅行中などは可能な限りGI(グリセミック インデックス:血糖上昇指数)の低い食べ物を選んで摂取すれば、血糖値の急激な上昇がなくインスリンもそれほど追加分泌されないので、太りにくいと思います。(6.13のブログを参照してくださいね。)

糖尿人はなんといっても、スーパー糖質制限食がお薦めですが、ダイエット目的の人は、スタンダード糖質制限食やプチ糖質制限食と使い分けるのも選択肢になります。

また、GI値を考慮した、アレルギー疾患や生活習慣病予防のための「食生活十箇条」も選択肢の一つです。(5.9、2.27のブログも参照してください)

結論です。

糖尿病の無い人には薬は要りません。つくさんも食生活や運動で充分対応できますよ。

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食講演会・東京
おはようございます。
雨の降り始めた京都から江部康二です。

今日はちょっぴり嬉しいお知らせです。
9月2日の講演会、おかげさまで約50名の参加予約となりました。
しかもブログからの予約が過半数を占めていて、
江部康二の面目躍如といったところです。
神戸の講演会のときもやはりブログ経由が過半数でした。
ブログを見て頂いている皆さん、とてもありがとうございます。
ほぼ毎日ブログを書いてきた甲斐がありました。 v(。^□^。)v
神戸は100人きて頂いたので、もう一頑張りですね。

そこで、本日は最後のお願いです。
友人、知人、ご家族・・・に糖尿人、メタボ人がおられましたら
是非、講演会参加を呼びかけていただけばとても嬉しいです。
勿論、御本人の参加も大歓迎です。

100人収容なのでまだ席に余裕があるため、
当日受付しますので、よろしくお願い申し上げます。




【江部康二・糖質制限食・講演会のお知らせ】 
食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム

<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<日時> 2007年9月2日(日) 9時30~11時30分
<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員110名/申し込み先着順)

[お申し込み方法]
◆予約申込
・電話、ファックスまたはeメールで予約してください。

◆当日受付
・直接会場にお越しください。

※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。

<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
(9.1土曜日は午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp

主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部 
糖尿病と糖質管理食②
こんばんは。今朝は4時頃からいきなり雷雨で、雷の音で目が覚めました。
4時半頃、一発でかい奴が家のすぐ近くに落ちて、びびりましたね。
我が家は、インターネットの接続が雷に弱いケーブルテレビなのでパソコンが心配でしたが、幸い事なきを得ました。

さて今日は、昨日に続いて糖質管理食のお話です。

糖質管理食は、基本的に3食とも主食(糖質)を摂取することを前提に、その糖質の量を計測します。欧米では既に普及している食事療法です。

これは、血糖値を上昇させるのはほとんど糖質であり、脂質やタンパク質はあまり上昇させないことを前提にした考え方で、例えば、血糖コントロールに必要なインスリンの量を決めるのにはとても役に立ちます。

必然的に、野放しに糖質を摂る食事療法に比し、糖質の摂取量は少なめになります。

糖尿病というと甘いもの(砂糖)がよくないと誰でも思いがちですが、実は、特に砂糖だけが血糖コントロールに悪影響を与えるという事実はありません。

「ご飯もパンもせんべいもうどんもラーメンもケーキも砂糖も、その中に含まれている糖質の量に比例して血糖値を上昇させる」ということが生理学的事実です。

糖質管理食は、糖質だけをグラム計算するシンプルな方法ですから、カロリー計算や栄養バランスにはあまり拘らなくて良いので、従来のカロリー至上主義の糖尿病食よりは、楽に実践できると思います。

いつも述べてますように、1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg、1型糖尿病の人の血糖値を約5g上昇させます。

糖質含有量を主体に食品を見直すと意外なことが見えてきます。

例えば、牛乳は一般にはタンパク源とされていますが、糖尿人にとっては糖質食品と考えたほうが安全です。牛乳100mlには約5gの糖質が含まれていますから、水代わりにガブガブ飲めば、結構血糖値を上昇させます。

ビールも糖尿人には危ない食品の一つです。
350ml缶の通常のビールだと、エビスもラガーもスーパードライもおおよそ12~14gの糖質を含んでいます。ノンアルコールビールも同様です。

ですから、大ジョッキ生とか2.3杯とか軽く飲んじゃいますと、かなりの量の糖質が吸収され血糖値値急上昇ということになりますから要注意です。

「糖質→血糖値上昇」というシンプルな事柄に着目した糖尿病の食事療法という意味では、欧米の「糖質管理食」と高雄病院の「糖質制限食」は親戚筋といえます。

遠方から高雄病院に入院されて糖質制限食を実践し、インスリンが不要となった患者さんなど、退院時地元の病院への診療情報提供書は<欧米では一般的な糖質管理食をさらに徹底させた糖質制限食>といった表現で記載しています。

これなら、糖質制限食を知らないお医者さんでも反発は少なく、受け入れてもらえやすいかなと思っている次第です。

今後、日本でも糖質管理食や糖質制限食が、糖尿病治療において当たり前の時代がやって来る日を夢見ている江部康二です。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病と糖質管理食①
こんばんは。江部康二です。
今日の京都の夜は、そこそこ涼しいです。今夜は、久しぶりにクーラーなしで眠れそうです。

さて今回は、時々ブログにも登場していた「糖質管理食」についてのお話、その①です。

糖尿病は、一般には『インスリンの絶対的、相対的不足のために糖代謝や蛋白質代謝、脂質代謝に異常を生じ、慢性的な高血糖の結果、特有の糖尿病合併症をもたらす病気』と定義されています。

しかし私達は、糖尿病の本態は、あくまでも糖質処理システムの機能低下・破綻が主と捉えています。なぜなら、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質・タンパク質・脂質のうち糖質だけだからです。

糖尿病の患者に糖質摂取を制限する食事療法は、日本では高雄病院以外にはあまり見られません。しかし、2003年に発表されたDiabetes UK. Diabetic Medicineによれば、欧米、特にヨーロッパにおいては、糖質摂取量を計算してある程度減らす食事療法が特に異端ではなく、糖質管理食(carbohydrate counting)という概念が定着しています。

また米国においても、1993年に発表された1型糖尿病研究のDCCTにおいて糖質管理食が成功を収めたことで、食品交換表(カロリ-制限最優先)一辺倒ではなくなっています。

例えば、1999年ミス・アメリカ ニコール・ジョンソンさんの食事療法が糖質管理食です。

さらに、2002年の米国糖尿病協会(ADA)ガイドラインで、糖質とオリーブオイルなど1価不飽和脂肪酸(MUFA)でカロリー比60%~70%を摂る「地中海型の食事」が正式に推薦されました。

この結果、米国の糖尿病患者は、従来の「高炭水化物、低脂肪食」、地中海型の「低炭水化物、高脂肪食」、そして糖質管理食などを自分で選択できることとなりました。

これに対して、日本では相変わらず「糖質60%、タンパク質20%、脂質20%」の高糖質食一辺倒です。

一方、2005年の日本糖尿病学会総会で、米国から糖質管理食の専門医が招聘されてシンポジウムが開催されたのは、とても良いことだったと思います。

また、2006年3月に「かんたんカーボカウント」(医薬ジャーナル)という本が大阪市大の小児科グループにより出版され、日本でもやっと糖質管理食の夜明けという状況になりつつあるようです。

なお、欧米の「糖質管理食」という考え方をさらに発展させ、3食とも主食を摂取しなくても良いと徹底したのが、高雄病院の「糖質制限食という見方もできます。

**
Diabetes UK:糖尿病患者への英国最大の慈善団体。ケア及び治療、原因と予防などに関する様々な研究を援助し、糖尿病患者を支援している。
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ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と糖質含有量と標準摂取量
こんばんは。
8.26日曜日、守口市の関西医大で開催された
「第90回ホリスティックフォーラム大阪」
約50名の参加で、質疑応答も活発で熱気の溢れる会でした。

スライドプロジェクターの不調で開始しばらくパワーポイントスライドが使えずやや戸惑いましたが、途中で回復して無事終了で良かったです。

講演終了後の懇親会には、大豆フィナンシェ、大豆クッキー、蒸し大豆を持っていって食べてもらいましたが、糖尿人、正常人、老若男女・・・評判が良くって面目確保で嬉しい思いでした。

さてミントさんから、糖質摂取量に関する質問です。

「こんばんは。ミントです。
今日はひとつ質問させていただきたいのですが、スーパー糖質制限食の場合、一日に摂取する糖質の量として一般的な値はあるのでしょうか?
江部先生の「糖質制限食夏のレシピ」に載っている食品糖質量の表を見ていて思ったんですが、OKとされている野菜の中にも意外と糖質が多いものがありませんか?
たとえば、なす、トマト、にんにくの芽などです。
こうした野菜を同時に使ってしまうと糖質も結構高くなってしまうので、一日の糖質摂取量の目安などあれば教えて頂けると幸いです。
by: ミント * 2007/08/26 01:07」

ミントさん、コメント・質問ありがとうございます。
自ら1型の糖尿病で、厳格な糖質制限食を実践して本も書いておられるバーンスタイン先生は、朝食6g、昼食12g、夕食12gまでで一日合計30gまでの糖質摂取が原則です。

「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカルトリビューン)はなかなか参考になることが多く、ミントさんも興味がおありなら手に入れてみてください。

2型の糖尿人はここまで厳しくなくてもよいと思います。高雄病院推奨のスーパー 糖質制限食で糖質は朝食12~15g、昼食18~22g、夕食18~23gていどです。一日合計48~60gです。

1600キロカロリー/日として、総摂取カロリーに対する糖質の比率は12~15%になります。

1gの糖質が、1型糖尿病の人の血糖値を5mg、2型糖尿病の人の血糖値を3mg上昇させます。これは、勿論個人差もありますし、体重によって差も出ますので、あくまでも一応の目安です。

それで、食前血糖値が110mg未満、食後2時間血糖値が140mg未満が正常ですから、糖尿人としても理想的には正常を目指します。

一方、食後2時間血糖値が180未満であれば、合併症の発症が少ないことが疫学的研究でわかっていますので、とりあえずの数値目標は、食後2時間血糖値180mg未満です。

なす100g中に糖質2.9g、トマト100g中に糖質3.7g、ニンニクの芽100g中糖質6.8gですね。確かにニンニクの芽など糖質含有量がやや多いですが、常用量を考慮すれば、しれていますね。

ニンジンも100gあたりの糖質含有量は6.3gとやや多めですが、サラダに彩りを添えるとか、筑前煮に少々入るとかは問題にならないと思います。

結論です。

糖質制限食は、面倒なカロリー計算は不要ですが、1回の食事の糖質のグラム数だけおおよそのチェックをして、食後2時間血糖値が180mg未満を目指しましょう。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
東京での糖質制限食講演会・曽我部ゆかりさん
おはようございます。江部康二です。
今日は昼から、大阪、守口市の関西医大で開催される
「第90回ホリスティックフォーラム大阪」
に講師として出かけます。
演題は「糖尿病・肥満と糖質制限食」です。

今回のブログは、『アトピーネットワーク・リボーン』及び『糖質制限食普及センター東京事務所』の事務局担当の曽我部ゆかりさんに登場してもらいました。

みなさま、こんにちは。
アトピー・ネットワーク・リボーンの曽我部ゆかりです。
東京で糖質制限食普及のため、はりきっております。

今日は、江部康二先生のブログにちょっとお邪魔させていただきますね。

先生ご本人も、再三にわたって9月2日(日)の東京での糖質制限食講演会のお知らせをブログで紹介してくださり、リボーンの方にお申し込みをいただいております。ありがとうございます。

開催まであと1週間、会場の定員110名満員御礼を目指して、夏休みを返上(?)して、宣伝活動をがんばっている最中です。

でもでも、東京の灼熱地獄のなか、出かけるのもおっくうな毎日。当日、どれだけの方がご参加くださるか、ちょっぴり不安なんです。

それで、お願いしに参りました。ぜひぜひ、お友だちもお誘いの上で、いらしてください。「なかの芸能小劇場」は、落語や古典芸能が中心の公共ホールです。

そこの壇上に立つ、江部康二先生のお姿はまさに必見!!
関西弁の軽妙な語りは、ほんとは、漫談なんかやっても向いていたかも、なんて、思ってしまうほど(しつれい~っ)。

講演会というとちょっと堅苦しいイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょうけれど、笑いの渦が巻き起こる、不思議な講演会なんですよ。ぜひ、気楽にご参加ください。そして、つらい症状を吹き飛ばしてくださいね。

みなさまにお会いできること楽しみにしています。

曽我部ゆかり(リボーン)

以下詳細です。

● ● ● ● ●

2007年9月2日(日)
【江部康二・糖質制限食・講演会のお知らせ】 
食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム

★ご馳走食べて、お酒も飲んで、大好きなお菓子も食べたい。

★じつに簡単、無理のない方法で、楽しくたっぷり食べられる。こんなうれしい話はありません。つらい症状も今日から改善。しかも、食事療法としてだけでなく、毎日の食卓に応用できるんです。

するとどうでしょう? 代謝機能全般も確実に改善するし、快適なカラダに変身できます。もちろん、ダイエット効果も抜群!!

★新聞やテレビなどでもいま話題の糖質制限食について、ぜひぜひ、お話を聞きにきてくださいね。

★みんな集まれ!
血糖値や内脂肪率、高血圧が気になる人。血液をサラサラにしたい人。
ウエストがちょっとメタボ腹になりかけ、なってしまった人。
子どもの生活習慣病が気になるお母さん。

はじめたその日から急速な血糖値の改善、ダイエット・情緒の安定など、確実な効果が感じられるでしょう。

お申し込みお待ちしています!(曽我部ゆかり)

【講演会詳細】

<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 9時30~11時30分
<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員110名/申し込み先着順)

[お申し込み方法]
◆予約申込◆席に限りがあります。なるべく予約申込してください。
・電話、ファックスまたはeメールで予約してください。

◆当日受付◆席に余裕がある場合受付けます。
・直接会場にお越しください。
・満席の場合にはお断りすることになりますので、ご了承ください。
・前日に留守電のメッセージで空席の状況を流しますのでお聞きください。

※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。

<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp

主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部 

【参考データ】

<糖質制限食のすすめ>
精製炭水化物(白米や白パン、うどん、パスタ、白砂糖、お菓子類)の摂りすぎ! これがすべての元凶なのです。

精製された炭水化物の糖質は消化吸収がはやいため、口にするたびにちょこちょこ血糖値の上昇(ミニスパイク)が起きてしまいます。そのことが結果的に、代謝を不安定にし、生活習慣病全般の発症要因につながっている…。

そう考えると、納得することばかり。

人類の食の歴史をひも解けば、こんなにシンプルだったのです!生理学的な理論もしっかり確立しています。

そして…、具体的な食の提案「糖質制限食10カ条」が生まれました。

当日は、「糖質制限食」を軸に、糖尿病を中心に、肥満、メタボリックシンドロームなど、生活習慣病全般の患者さん一人ひとりにあった食事指導を展開します。

明日からの食生活が楽しくなり、症状もぐんぐん改善することでしょう。

<ドクター江部と「糖質制限食」のプロフィール>
ドクター江部の長年にわたる食事療法の研究と臨床活動はいつも多くの話題を生んできました。

なかでも、2001年から糖尿病患者さんを中心に臨床実践している「糖質制限食」は、その日から確実に効果があり(急速な血糖値の改善)、患者さんの口コミが広がり、マスコミでも話題となっています。さらにウワサは広まり、医学界からも注目を集めはじめています。

この「糖質制限食」は、カラダの代謝機能全般を改善するもので、糖尿病だけでなく、メタボリックシンドローム系の他の病気(肥満・高血圧・高コレステロール症・動脈硬化)、アレルギー疾患全般にも、効果が認められています。欧米の潮流にものったもので、まさに日本の糖尿病治療食においてパイオニアになるでしょう。

高雄病院では、アトピーをはじめとするアレルギー疾患全般、喘息、ネフローゼ症候群、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム…などの生活習慣病改善に絶大の効果をあげ、全国から入院患者があとを絶ちません。

自ら食事療法の大切さに気づいたのは20数年前、西洋医学も東洋医学も薬だけの治療では限界に気づいてのことでした。
医師が食事療法を積極的に臨床にとりいれるのは極めてめずらしいことです。その意味でドクター江部は、とてもユニークなお医者さん。診療だけでなく、講演会でも「明瞭かつ楽しく、人の心を軽くする」その人柄に魅かれる患者さんがとても多いのです。

著書『ドクター江部のアトピー学校??』『糖質制限食のすすめ 主食を抜けば糖尿病は良くなる!』『糖尿病が良くなるごちそうレシピ 糖質制限食の実践法』『糖質制限食 春のレシピ』『糖質制限食 夏のレシピ』(東洋経済新報社)など多数。

★第6弾  2008年1月20日(日)同タイトルで開催予定、予約受付中!
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と外食とグルコバイ
こんばんは。
今日は今から祇園で同級生諸君との会合・宴会です。
明日は高槻で糖質制限食の講演(第90回ホリスティックフォーラム大阪)です。
飲み過ぎないよう注意しなくては・・・

さてmokomokoさんから、コメント・質問を頂きました。
外食はやはり皆さん、苦労されているようですね。

「mokomoko 2007/08/24(金) 07:48
本文
件名 : めったに無いことですが・・・

この食事を始めてから はじめ困ったなって思ったことが 外食でした。
そこで グルコバイを先生に処方していただいて 席についてから 服用!
ところが 食事が始まっても 運ばれてくる料理は結構合格!なことがありますよね? フランス料理など。。パンさえ控えれば 和食よりは 低GI!この場合食事が ゆっくりすすんで最後のデザートのときが やっと赤信号!
その場合 薬の効果を 最大限に 狙うには そのデザート時に服用したらいいってことですか?
楽しい会話で ゆっくり食事をして最後の締めのデザートの時間は 服用時からかなり 時間経過があるって事がありますよね?
まあ~主婦なんで フランス料理外食なんて めったに無いことですが・・・参考までに お教えいただくとありがたいです。」

小腸粘膜に存在するα-グルコシダーゼ(マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの総称)という酵素は、ショ糖やデンプンなど多糖類をブドウ糖・果糖など単糖に分解する働きをしています。これらの多糖類は、単糖に分解されたあと体内に吸収されるわけです。

グルコバイは、そのαグルコシダーゼの働きを邪魔することで、多糖類のブドウ糖など単糖への分解を遅らせます。その結果として、ブドウ糖の体内への吸収がゆっくりになり、食後過血糖が抑えられます。

従いまして、mokomokoさんご指摘の如く、糖質制限食合格食品の時は、服用しても意味がほとんど無いですね。分解を邪魔すべき相手(ショ糖やデンプン)がいなかったら、グルコバイ君も手持ちぶたさでしょうから。

結論です。

mokomokoさんの仰る通りでございます。
ショ糖やデンプンなど多糖類(ケーキ、パン、パスタ、ご飯・・・)を摂取する直前にグルコバイを服用するのがリーズナブルですね。

mokomokoさん、フランス料理でもイタリアンでも日本料理でも中国料理でも、美味しく楽しく召し上がってください。私も今日は鍋を美味しく楽しく食べてきます。

江部康二
テーマ:糖尿病
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糖尿病と糖質制限食とブドウ糖負荷試験
こんばんは。再び残暑のぶり返した京都です。

今日はブログを書き終わったら、しっかり芋焼酎の水割りを飲もうと思います。

焼酎はやはり飲むべきもので、焼き肉のタレを洗うためのものではありませんからね。

さて、

2007/08/22(水)匿名希望さんからの質問です。
あくまで私の判断ですが、差し支えないと思える範囲での
最低限の情報を取りあげてお答え致します。

「人間ドックで糖尿病と診断されてから糖尿についての知識を得ようとネットで検索中に江部先生の『主食を抜けば糖尿病はよくなる!』の本に出会いました。大変興味深く、先生のすべての本を拝見させて頂きました。
その後先生の本に忠実に食事制限をして2ヶ月足らずで167㎝68㎏から60㎏までの減量に成功。
『総コレステロール値』『中性脂肪値』『悪玉コレステロール値』全て改善され、空腹時の血糖値も正常値内に改善されました。本当にありがとうございました。先生の本に出合えてよかったです。なのですが糖負荷検査の結果が思わしくなく、インスリン促進剤を飲むことになってしまいました。
 
前回の検査結果と今回の結果です。
空腹時の血糖値 122→100
HbA1cは 5.7→4.8
ブドウ糖負荷後120分の血糖値 274→247

先生の本には糖質制限食を行っている時は低血糖になる恐れがあり、薬に注意して下さいとありました。また促進剤などの薬は弱っている機能にムチを打つことになり逆効果だと言うような事も書いてあったと記憶しております。どうなのか不安になりメールさせて頂きました。
今後はどのようなことに注意していけばよいのでしょうか?」

匿名希望さん、 糖質制限食により8kgの減量成功、コレステロール値・中性脂肪値、血糖値、HbA1cの改善よかったですね。おめでとうございます。

想定通りとはいいながら、代謝全てが実に見事に改善していますので、とても上手に糖質制限食を実践されたのだと思います。

このデータなら、単刀直入に言えば、 糖質制限食を実践している限りは完全に正常人です。薬は勿論必要ありません。 (*⌒ー⌒)ο∠☆:

しかしながら、ブドウ糖負荷後2時間血糖値が274mg/dlと247mg/dlと、2回ほど200mg/dl以上ありますので、診断基準としては糖尿病と確定診断できます。

私、江部康二も同様に糖尿人ですから、ブドウ糖負荷試験をしたり、主食(糖質)を摂取すれば、2時間後血糖値は間違いなく200mg/dlを超えますが、スーパー糖質制限食をしていれば食後2時間血糖値も140mgをこえることは皆無です。

そしてHbA1cは4.9~5.3%程度です。即ち、江部康二も完全無欠の糖尿人ですが、糖質さえ食べなければ正常人なのです。勿論薬など無しです。

糖尿病か否か診断するための検査がブドウ糖負荷試験ですので、糖尿病の人は、誰でも必ず200mg/dlを超えます。
それとは別に、糖尿病のコントロールが良好か否かをチェックするのがHbA1cです。

診断するための指標とコントロール状況を判断するための指標は、目的が全く異なるのではっきり分けて考えてください。

質問の方は
HbA1cが5.7→4.8%(正常値は5.8%以下)と著明に改善してます。また、空腹時血糖値も122→100 と境界型領域から正常になっています。このデータならば、全くの正常人としかいいようがありません。

結論

薬なしでコントロール優秀レベルの人に、わざわざインスリン分泌促進剤を出す必要はまったくありません。

なお糖尿病の内服薬に関しては<6.25、7.2、7.4、7.5のブログ>を参照して頂けば幸いです。

江部康二
テーマ:糖尿病
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焼き肉屋の悲劇、ああ糖質制限食!!
こんばんは。
暑さもやや和らいだ京都ですが、明日はまた残暑ぶり返しのようです。

今日夕食は、近所に最近新装開店したファミレス風の焼き肉屋さんに、連れ合いと二人で散歩がてら歩いて行ってきました。

炭火網焼き・国産牛肉・・・で期待値は高かったのですが・・・。

カルビにロースに豚トロに豚カルビに・・・、全部全く同じ砂糖たっぷりの甘辛ダレが、最初から目一杯かかっていて閉口しました。

折角お肉の種類が違うのに、全部同じ味付けとは如何なものかと・・・ ( ̄Д ̄;)

テーブルに置いてある、焼き肉のタレも激甘で砂糖たっぷりでした。キムチもナムルもとっても甘かったです。

サラダも、わかめスープ、卵スープ、芋焼酎の水割りも頼みました。

満を持してバイトのお兄さんに頼んで、醤油とマヨネーズを持ってきてもらいましたが、焼け石に水といった状況でしたね(=_=)

とうとう最後は、芋焼酎の水割りで肉をジャブジャブ洗って、甘ダレを落としてから焼きました。

泣きっ面に蜂といっては何ですが、上カルビが丈夫で硬くて噛みきれなかったのもダメ押しでしたね。

不肖江部康二、歯はとても丈夫なほうなんです。57才ですが全部残ってますし、20才頃に治療ずみの虫歯が1本で、あとは健常です。

その私が噛みきれないのですから・・・。

いやしくも上カルビですよ!!奮発して並ではなくて上!!! ミ(`◇´)キ

糖質制限食教訓、やっぱり一見のお店は気をつけましょう。

久しぶりに食い物の恨みに燃えている江部康二でした。
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マクロビオティックについて
こんばんは。
雷のなか、こわごわパソコンを操ってます。
今日はマクロビオティックのお話です。

tom 2007/08/08(水) 17:55
本文
件名 : マクロビオティック
先生のブログを毎日楽しく拝見させて頂き、食養生に関して興味を持つようになりました。最近は、玄米魚野菜食を少しずつ実践しています。
ところで、先生は「マクロビオティック」に関してどのようにお考えですか? 」

tomさん。コメント・質問ありがとうございます。マクロビオティックに関しては、高雄病院に1984年に絶食療法を導入した時に、食養生の一環として興味を持ちました。同年に高雄病院の給食に、玄米を供給できるようにしました。

厳格な菜食主義は、ビタミンB12とEPA・DHAが不足する恐れがありますから、そこだけは注意が必要です。高雄病院の食養生は、当初から玄米魚菜食の立場でした。

tomさんも玄米魚菜食なら安心・安全だと思います。

この食養生は、アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防のための「食生活十箇条」に引き継がれています。(2.27のブログ参照していただけば幸いです)

1984年当時に比べると油脂、肉、乳製品のことなどで若干バージョンアップしていますが、マクロビオティックと未精製の穀物が主体という基本は一緒だと思います。

高雄病院の「食生活十箇条」は、魚介類・乳製品・卵・肉も食べてよいので、ここはマクロビオティックと異なります。

従いまして、糖尿病になっていない方は、極端な菜食はやめてせめて魚貝類を一緒に摂取してもらえば、個人の好みに合っていればマクロビオティックでOKと思います。

しかし、糖尿病を既に発症している方は、糖質をしっかり摂取するマクロビオティックでは、それほど改善は期待できません。糖尿病には、やはり糖質制限食が第一選択なのです。

**
EPAやDHAは、魚油に多く含まれていて脳の代謝に良く血液をサラサラにする作用もあります。

穀物中心の厳格な菜食だと、EPA・DHA(ω3系必須脂肪酸)の摂取が不足する可能性があります。

これらは、穀物や野菜・果物・ナッツなど植物性食品にはほとんど含まれていません。一部の海草や苔や肉微小藻類には含まれています。

肉微小藻類を食べる水棲小動物や地虫・水鳥・魚・は虫類・両生類・昆虫・肉・臓器・脳・骨髄などの動物性食品に含まれています。

**
ビタミンB12は、体の中でも最も少ないビタミンで コバルト原子を含むため「赤いビタミン」と呼ばれています。葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンの合成を助け悪性貧血を予防します。
アサリ・カキ・レバー・しじみ・にしん・筋子・サンマ・卵・鮭・たらなどの動物性食品に多く含まれています。

江部康二
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糖尿病と病理的ケトン体
こんばんは、江部康二です。先ほど夜診が終了し、帰宅しました。

さて、8.20のブログで「生理的ケトン体」のことを説明しました。今日は「病理的ケトン体」のことを考えてみましょう。

糖尿病インスリンの作用不足があり、細胞内にうまくブドウ糖が取り込めなくなる病気で、そのため慢性の高血糖状態が生じます。

高血糖にもいろんなレベルがありますが、非常に重症の糖尿病を考えてみましょう。

血糖値が500mg/dl以上もあり、尿中ケトン体が強陽性で、口渇・多飲・多尿・腹痛・悪心・嘔吐・脱水・意識レベル低下などの症状があれば、糖尿病性ケトアシドーシスと診断できます。もちろん血中ケトン体も高値であり、生理的食塩水の点滴・速効型インスリンの静注など緊急的治療が必要となります。

ただし、血糖値が300mg/dl程度でも、糖尿病性ケトアシドーシスを生じることもありえるので注意は必要です。

糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠乏による全身の高度の代謝失調状態です。「インスリン作用の極度の低下、インスリン拮抗ホルモンであるグルカゴン・カテコールアミン・成長ホルモンの過剰」により、糖利用の低下・脂肪分解の亢進がおこり、高血糖と高遊離脂肪酸血症を生じます。

遊離脂肪酸は、インスリン欠乏下の肝では、急速な酸化をうけケトン体に分解されます。血中のケトン体が過剰に蓄積して血液の緩衝作用を上回ってくると、アシドーシスや脱水となり、重症では昏睡にいたります。

即ち「病理的ケトン体産生の亢進」は、インスリン作用の欠乏が前提にある病態であり、1型糖尿病患者さんのシックデイなどの時にに起こることがほとんどです。

2型糖尿病では、清涼飲料水多飲による、所謂「ペットボトル症候群」でケトアシドーシスを生じることがあります。

断食や 糖質制限食実践に伴う「生理的ケトン体産生の亢進」の場合は、インスリン作用の欠乏はありませんし、血液の緩衝作用も有効に作用しています。

例えば断食の初期は一過性にアシドーシスになりますが、緩衝作用で徐々に補正されていきます。また、健常人が激しい運動をした場合にも、一過性に血中ケトン体は増加しますが、勿論生理的現象です。

結論

インスリンの作用が欠乏していて高血糖を伴う、血中・尿中ケトン体の上昇は極めて危険な病態です。

一方、インスリンの作用が確保されていて高血糖を伴わない血中・尿中ケトン体の上昇は、生理的範囲内の現象であり、人類400万年の歴史のなかで日常的に経験されてきたことなのです。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
東京・糖質制限食講演会のご案内
東京・糖質制限食講演会のご案内

あらてつブログ 神戸・糖質制限食講演会大盛況
http://ktkky.blog94.fc2.com/blog-entry-169.html

を受けて東京での 糖質制限食の講演会のご案内です。
アトピー・ネットワーク・リボーンのホームページから
転載します。

関東・東海方面の糖尿人、メタボ人の皆様、
糖質制限食実践中の人もまだの人も是非奮ってご参加くださいね。


タイトル
<江部康二・糖質制限食講演会・第5弾>

開催日時 2007年09月02日
開催場所 東京都中野

<食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム>

もう、毎日の食事をむずかしく考える必要はありません。
じつに簡単、無理のない方法で、楽しくたっぷり食べて、 確実に症状が改善する食事療法が生まれました。

<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 9時30~11時30分
<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員100名/申し込み先着順)


<糖質制限食のすすめ>
精製炭水化物(白米や白パン、うどん、パスタ、白砂糖、お菓子類)の摂りすぎ! これがすべての元凶なのです。
精製された炭水化物の糖質は消化吸収がはやいため、口にするたびに、ちょこちょこ血糖値の上昇(ミニスパイク)が起きてしまいます。
そのことが結果的に、代謝を不安定にし、生活習慣病全般の発症要因につながっている…。
そう考えると、納得することばかり。

人類の食の歴史をひも解けば、こんなにシンプルだったのです!
生理学的な理論もしっかり確立しています。
そして…、具体的な食の提案「糖質制限食10カ条」が生まれました。

当日は、「糖質制限食」を軸に、糖尿病を中心に、肥満、メタボリックシンドロームなど、
生活習慣病全般の患者さん一人ひとりにあった食事指導を展開します。
明日からの食生活が楽しくなり、症状もぐんぐん改善することでしょう。


<ドクター江部と「糖質制限食」のプロフィール>
ドクター江部の長年にわたる食事療法の研究と臨床活動はいつも多くの話題を生んできました。
なかでも2001年から糖尿病患者さんを中心に臨床実践している「糖質制限食」は、その日から確実に効果があり(急速な血糖値の改善)、患者さんの口コミが広がり、マスコミでも話題となっています。さらにウワサは広まり、医学界からも注目を集めはじめています。
この「糖質制限食」は、カラダの代謝機能全般を改善するもので、糖尿病だけでなく、メタボリックシンドローム系の他の病気(肥満・高血圧・高コレステロール症・動脈硬化)、アレルギー疾患全般にも、効果が認められています。欧米の潮流にものったもので、まさに日本の糖尿病治療食においてパイオニアになるでしょう。
高雄病院では、アトピーをはじめとするアレルギー疾患全般、喘息、ネフローゼ症候群、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム…などの生活習慣病改善に絶大の効果をあげ、全国から入院患者があとを絶ちません。
自ら食事療法の大切さに気づいたのは20数年前、西洋医学も東洋医学も薬だけの治療では限界に気づいてのことでした。
医師が食事療法を積極的に臨床にとりいれるのは極めてめずらしいことです。その意味でドクター江部は、とてもユニークなお医者さん。診療だけでなく、講演会でも「明瞭かつ楽しく、人の心を軽くする」その人柄に魅かれる患者さんがとても多いのです。

著書
『ドクター江部のアトピー学校①②』
『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』糖質制限食のすすめ 
『糖尿病が良くなるごちそうレシピ』 糖質制限食の実践法
『糖質制限食 春のレシピ』
『糖質制限食 夏のレシピ』 いずれも東洋経済新報社など多数。

[お申し込み方法]
◆予約申込◆席に限りがあります。なるべく予約申込してください。
・電話、ファックスまたはeメールで予約してください。
・事前に郵便振替で会費をご送金ください。
・郵便振用紙の通信欄に、(住所・氏名・電話番号)を明記してください。
・郵便振替用紙の控えを受領書とします。
・振込後の払い戻しはできませんのでご了承ください。


◆当日受付◆席に余裕がある場合受付けます。
・直接会場にお越しください。
・満席の場合にはお断りすることになりますので、ご了承ください。
・前日に留守電のメッセージで空席の状況を流しますのでお聞きください。


※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。

郵便振替 
口座番号 00180-2-771553
口座名称 アトピー・ネットワーク・リボーン

<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp

主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と生理的ケトン体
こんばんは、江部康二です。
8.19日曜日は、神戸・ 糖質制限食講演会(ポートピアホテル)、関西初の試みでしたが大盛況で感激でした。

ブログ読者の皆さんもたくさん来て頂き嬉しい限りです。

本もほぼ完売でしたし、 糖質制限食・推奨食品の販売も好評でした。
11月には京都で同様の講演会を考えていますので、またよろしくお願い申し上げます。

10月1日には、高雄病院京都駅前分院が診療開始になるので
、何かと便利になります。9月1日から高雄病院(075-871-0245)で京都駅前分院の予約受付開始となります。

さて今日は、ケトン体のお話です。myさんからも、コメント・質問がありました。

「ケトン体
iIDDMで、ケトアシードシスの経験者です。
糖質制限には合点がいきますが、
尿中ケトンは・・・・。
当方、体脂肪率も17-18%です。
糖質制限でケトンを排出しないレベルの基準値はどれくらいでしょうか?
ご教示願います。
by: my * 2007/08/14 23:35」

ケトン体に関して、かなり悪いイメージが一般的な医学界ではまかり通ってますので、myさんの気持ちは充分理解できます。まして、糖尿病性ケトアシドーシスの経験がおありなら、とても大変だったと思います。

ご自身糖尿人で欧米的糖質管理食を実践され、糖尿病には極めて造詣の深い河合勝幸さん(ホームページ、糖尿病ソリューションの管理者で私の尊敬する方です)でさえも、ケトン体に関してだけは誤解して恐れておられます。

まず、ケトン体について知っておいて頂きたいのは「正常で生理的な状態で産生が高まるケトン体」があるということです。

これは「糖尿病が大悪化した病理的な状態で産生が高まるケトン体」とは体内の状況が全く異なり、生体への危険性は全くありません。

「生理的な状態のケトン体」と「病理的状態のケトン体」をしっかり区別する必要があります。

アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸のことをまとめてケトン体といいます。ケトン体は脂肪の分解により肝臓で作られ、血液中に出されます。

ケトン体は心筋、骨格筋、腎臓などさまざまな臓器で日常的にエネルギー源として利用されており、脂肪の合成にも再利用されます。

実際、基礎代謝の大部分を占める骨格筋や心筋は、安静時にはエネルギー源の大部分が脂肪酸-ケトン体です。つまり私達はごく日常的に「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムを利用して生きているのです。

それで「正常で生理的な状態で産生が高まるケトン体」は、断食した時や 糖質制限食を実践して、「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムが活発化したときに起こる現象です。この時は血糖値は基本的に正常です。

断食というと特殊に思えますが、人類の400万年の長い歴史の中では食料不足の方が普通ですので、「脂肪-ケトン体」エネルギーシステムは、ごく日常的に活発化したり普通に戻ったりしながら稼働してきたと考えられます。

ケトン体の基準値は26~122μM/lですが、これはあくまでも、現代人が日常的に三食以上糖質を摂取している条件下の基準値です。

断食中や 糖質制限食の初期の段階だと、ケトン体は2000~4000μM/lていど上昇するのが普通です。

江部康二のように3~4年間、スーパー糖質制限食を続けている場合、例えば2007.6.1、ケトン体:386μM/l、空腹時血糖値:95mg/dlでした。これは糖質制限食を実践している場合の正常値と考えられます。

だいたい、私のケトン体は120~400μM/lていどです。

要するに「脂肪酸-ケトン体」システムが活発化すれば、単純に血中のケトン体値は高値となりますが、血糖値が正常なら全く何の問題もありませんし、これは正常な生理的な現象なのです。

次回は、病理的なケトン体の出現を考えてみましょう。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と減量と水分
おはようございます。
今日は午前11時過ぎに家をでて「神戸・ 糖質制限食講演会」に向けて出発します。
JRで、京都→三宮・・・ポートピアホテルです。

さて山本勘助さんから質問がありました。

「水分摂取についての質問
江部先生こんにちは。私は糖質制限食により一ヶ月で八キロの減量に成功しました。格闘技をやっているのですが、こんなに楽な減量は初めてです。ところで、減量中に気になったことですが、この時期は暑いため大量に汗をかき、大量に水分を採ります。この水分の大量摂取により、水太りなどが起こり、減量のペースが落ちるようなことはあるのでしょうか?
by: 山本勘助(22才 男) * 2007/08/08 21:31」

山本勘助さん、まずは減量成功おめでとうございます。
糖質制限食の実践により、
1 肥満ホルモン(インスリン)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中のケトン体が高まり尿中にカロリーと共に生理的に排泄される。
という三つの利点でダイエット効果がでます。

従いまして、脂肪が燃えている限りは減量効果があり、水分の摂取は関係ありません。

腎機能が正常な人は大量に水分を摂っても余分なものは尿として排泄されますのでむくむことはありません。水太りもありません。

ただ、大量に汗をかいた時の水分補給は、少量の塩分を補充する必要があります。汗をかくと、水分と共に塩分も排泄されるので、水分のみ大量に飲むと体内で塩分不足となることがあるからです。

軽いジョギングていどなら水分のみ補充で大丈夫ですが、サッカーやラグビー、格闘技の練習など激しいスポーツのときは塩分の考慮をお忘れなく。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食のカロリー比の訂正
おはようございます。
ブログの記事の訂正です。

8.18のブログで、スーパー 糖質制限食の
総カロリーに占める糖質の比率が約15~20%と記載しましたが、
約12%でした。
すいませんでした。  (*- -)(*_ _)

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と減量 
こんばんは。
明日はいよいよ、神戸・ポートピアホテルでの糖質制限食講演会です。
おかげさまで予約が100名に達し満員御礼となりました。
しかもブログ経由の予約が半数を占めたとの報告で嬉しい限りです。 (^O^)」


さて、東山さんから、コメントと質問がありました。

「東山 2007/08/13(月) 21:10
件名 : 疑問?
先生の患者さん(150?p90?s)1200→1000にカロリーを抑えた食事に変更してから体重が減少したんですよね必然的に糖質も1200→1000の内容だと減ってますよね?カロリー1200で限りなく糖質を少なくした食事だとどうなんでしょうか気になります。」


東山さん。150cm、90kgの高雄病院入院患者さん、おそらく倹約遺伝子の持ち主だったと考えられます。(倹約遺伝子に関しては8.13のブログ参照してください。)

1200kcal/日のスーパー糖質制限食は、総カロリーに対する糖質の比率は約12%程度ですので、糖質は極めて少ないです。

ちなみに、一般的な糖尿病食やカロリー制限食の場合は、総カロリーに対する糖質の比率は約60%です。

1200kcal/日のスーパー 糖質制限食で、一ヶ月に2kg減量されたのですが、他の人に比べたら非常にゆっくりなので、1000kcal/日にしたところ一ヶ月で4kgの減量に成功されました。

1200kcalの時は、血中ケトン体は259μmol/lでしたが、1000kcalの時は482μmol/lと上昇したくさん脂肪が燃焼していました。

血中ケトン体の正常値は26~122μmol/lですが、これは糖質を普通に食べている人の平均値です。

糖質制限食を実践しているときや断食中は、生理的に脂肪が燃えるので血中ケトン体が上昇しますが、これは本来ごく正常な反応です。

ケトン体に関してはいろいろ誤解が多く、えらく恐れられているので、近いうちに詳しく説明したいと思います。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
大文字と太文字
こんばんは。江部康二です。
今日は今からライブにでかけます。

昨夜の、「大文字」→「太文字」事件ですが、一応京都新聞さんもチェックしておられたようです。
以下はボーカルTさんの友人への京都新聞さんからの返事です。
とすると、他には載っていないわけで、極めて貴重な映像かもしれませんね。


「メールを拝見いたしました。
昨夜の五山送り火の「大文字」に関する情報をいただき、ありがとうございます。
確かに付近の枯れ草に飛び火して、一時的に「太」の文字に見えました。
弊社写真報道部のカメラマンも「太」のシーンを撮影していますが、
すぐに消火され、大事には至らなかったようです。
取り急ぎ、用件のみにて失礼します。
京都新聞社 読者応答室」
糖質制限食と腎臓
20070817082508.jpg

こんばんは。今日16日は、京都では「五山の送り火」の日です。

しかし、17日の第三金曜日がライブなので、火のはいる午後8時頃はリハーサル中で、見物はできなかったのでした。

でも、バンドボーカルメンバーTさんの親切な友人が携帯に「右大文字」の写真を送信してくれました。

これが何と、大の中に点が燃えていて「太文字」となっている前代未聞の絵柄でした。

さて今日は、糖質制限食と腎臓のお話です。

糖質制限食を実践すると、相対的に高タンパク・高脂質の食事となります。

膵臓と同様に、「高タンパク食を食べ続けると腎臓が悪くなるのではないか?」と懸念を持つ人が時々おられます。

しかし、高タンパク・高脂質の食事をすると腎臓が悪くなるというエビデンスはありません。

はっきりしているのは、既に何らかの要因で腎機能障害が生じている人は高タンパク食を食べると、腎機能障害が進行しやすいということだけです。

腎機能障害の元となる病気には慢性腎炎、糖尿病、高血圧などがあります。

慢性腎炎の病因は良くわかっていませんが、免疫学的病因が示唆されています。

もとの病気が何であれ、腎機能障害が進行すれば腎不全となり、最終的には透析が必要となります。

慢性腎不全から透析に至る原因となる病気は、現在では糖尿病性腎症がもっとも多く38%、ついで慢性糸球体腎炎が32%を占めています。

2001年に透析を導入した約32,000人のうち、糖尿病性腎症が約12,000人、慢性腎炎が約10,000人でした。

糖尿病が原因で透析に至る人は年々増え続け、最近10年間で2倍近くになっており大きな問題となっています。

その糖尿病を、薬に頼ることなくコントロールするのが、糖質制限食です。糖尿病がよくなれば当然腎機能障害を起こすこともありません。

江部康二



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と膵臓
こんばんは。本日水曜日は、下鴨高木町にある江部診療所の夜診の日でした。

昨日の高雄病院の夜診と同様、本年度一番空いた夜診でした。予約は結構入っていたのですが、キャンセルがとても多かったです。

うーむ、やはり日本人、お盆なんですね。

帰りに家族4人で寄ったファミレス・かごの屋も、家族連れが沢山で滅多にない超満員でした。

ビフテキ、鶏の焼き物、鶏の唐揚げ、豚カツ、夏野菜のサラダ、豆腐、春巻き・・・

など食べました。結構高タンパク・高脂肪の食事です。

さて、このように糖質制限食を実践すると、相対的に高タンパク・高脂質の食事となりますよね。そこで「脂っこいものを毎日食べると膵臓が悪くなるのではないか?」という懸念を抱く人も時々おられるようです。

しかし、高タンパク・高脂質の食事をすると、膵臓が悪くなるというエビデンスはありません。

教科書レベルで解っていることは、既に何らかの要因で膵炎を発症している場合は、高タンパク・高脂肪食を摂取すれば膵臓の酵素分泌を促し、悪化しやすいということです。

急性膵炎による入院の80%以上を、胆道疾患とアルコール多飲が占めています。

残りの20%は、薬物(アザオチプリン、スルファサラジン、フロセミドなど)、高脂血症を合併したエストロゲン使用、感染(流行性耳下腺炎など)、高中性脂肪血症などによって引き起こされます。即ち高タンパク・高脂肪食で膵炎が起こるという訳ではないのです。

これらのうち、高中性脂肪血症は糖質制限食により速やかに改善されますので、膵炎発症の予防になりますね。

例えば、スーパー糖質制限食をきっちり実践している人は、中性脂肪値は40~80mg/dl程度で、100mgを超えることはまずありません。

因みに、スーパー糖質制限食を実践中の江部康二は、中性脂肪値40~60mg/dl程度です。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食VSカロリー制限食、肥満に対して
こんばんは。本日もまた晴天なり。猛暑がしつこく続く京都です。

今日は、高雄病院の夜診、さすがにお盆のせいなのか、いつもより早く定刻の8:30に終了しました。定刻終了は、本年度初めてのことですね。
 
さて、昨日は肥満治療と最新のカロリー理論を説明しましたが、今日はそれだけでダイエットを語ることは無理というお話です。

カロリーを全く無視することはできませんが、単なるカロリー制限食と糖質制限食では痩せる効果に大きな差があるのです。

それでは、糖質制限食は単なるカロリー制限食に比べてなぜダイエット効果が高いのでしょう?

お医者さんも栄養士さんも含めて皆さん、「同一カロリーであれば、何を食べても減量効果は変わらない」と思っている人が多いのではないでしょうか?

このカロリー神話、私もかつては信じてましたし、ほとんど根強い信仰のようになってますが、人体の生理・代謝を理論的に考察してみると、はっきり間違いなのです。

「糖質制限食」でやせるメカニズムに関しては、以下の三つの要素が決定的に重要です。糖質を摂取しないので

1 肥満ホルモン(インスリン)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中のケトン体が高まり、尿中にカロリーと共に生理的に排泄される。

一方、従来の「カロリー制限食」では、糖質を摂取するので
A 血糖値が上昇して肥満ホルモン(インスリン)がたっぷり分泌される。
B 体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C ケトン体は出なくなる。

この<1、2、3>と<A、B、C>の比較をしてみれば、糖質制限食のほうがカロリー制限食より、ダイエット効果があることがお解りいただけると思います。

<1、2、3>に関しては、摂取カロリーとは全く無関係の生理学的な事実であり、あくまでも糖質を摂取するか否かが問題となります。

このように、少なくとも同一カロリーである限りは、 糖質制限食が脂肪制限食よりダイエット効果が高いことは理論的に証明できたと思います。

実際「アトキンス博士のローカーボダイエット」に、英国のアラン・ケトウィック教授とガストン・パワン博士の研究結果が紹介されています。両氏がロンドンのミドルセクス病院にある権威ある臨床医学研究所に所属していたときの研究です。

タンパク質90%以上、脂質90%以上、糖質90%以上というカロリー量の等しい3種類の食事を用意して、被験者の体重の変化を比較するというデザインでした。

結果は、脂質90%の食事を摂った被験者が一番体重の減り方が顕著で、ついでタンパク質90%の被験者であり、糖質90%の被験者は全く痩せませんでした。

(5.17、8.8のブログも参照していただけば幸いです)

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
肥満、糖質制限食でもやせない、なぜ?
こんばんは。今日も丸一日猛暑の続く京都です。

お盆の影響で町の中は空いてますから、車の流れがいいのは救いですね。
でも、狙い撃ちのように道路工事がやたら増えているのは困りものです。

さて 匿名希望さんからの質問です。

「2007/08/07(火) 13:20
本文
件名 : 本当に悩んでます
糖質制限食はじめて2ヶ月程になるんですがいっこうに痩せず…それどころか最近太ったと言われて(/_;)
甘い物大好きなので大豆フィナンシェとか大豆クッキーかロッスチョコレ-トを間食してるんですがなぜか自分でもあちこち太くなっていってる気がしてなりません
昔からずっとダイエットしてるのでどこか悪いのでしょうか? 医者に診て頂いたりした方がいいのでしょうか? こんな質問ですいません でも本気でなやんでます。」


糖質制限食を実践しても痩せない」まれですが、そういう人が確かにいます。

高雄病院の入院患者さんで、150cm、90kgの女性がおられました。1200キロカロリーの 糖質制限食でも減量できずに、1000キロカロリーでやっと体重が減り始めました。

どうやら世の中には、痩せやすい人と痩せにくい人がいることは間違いないようですが、その大きな要因として基礎代謝があります。

吉田俊秀先生(京都府立医大臨床教授・肥満外来)によれば、日本女性の平均基礎代謝量は約1200キロカロリー/日ですが、個別には600~2400キロカロリー/日とかなりのばらつきがあるそうです。

単純には、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば太るし、下回れば痩せます。

<消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生>です。

基礎代謝は、何も活動していない時でも人体の機能維持に必要なエネルギーで、男性で平均約1500キロカロリー、女性で平均約1200キロカロリーです。

運動エネルギーは、1万歩歩けば、標準体重の人が350キロカロリー、肥満の人は400~500キロカロリーを消費します。

食事誘発熱産生は、食事摂取中に消費するエネルギーですが、日本人は、平均200キロカロリー/日とされています。

こう見てくると消費エネルギーのなかで、基礎代謝が一番大きな割合を占めていることがわかります。

基礎代謝が800キロカロリー/日しかない人ならば、1200キロカロリー/日という低カロリーでもなかなか痩せないことは理解できますよね。

さて、1995年、米国アリゾナ州に居住するネイティブアメリカンの「ピマ族」に、「β3アドレナリン受容体」という物質をつかさどる遺伝子に変異が発見され、これを持つ人は糖尿病肥満になりやすいことが報告されました。

この報告にヒントを得て、吉田先生が肥満外来の患者さんを調べたところ、34%の人に「β3アドレナリン受容体」の遺伝子変異が見つかったそうです。この遺伝子変異があると、日本人では基礎代謝量が200キロカロリー/日も低下していて、他の人と同じように食べていても太りやすく痩せにくいのです。

ピマ族や日本人に比較的多く見られるこの遺伝子変異は「倹約遺伝子」とも言うべきもので、脂肪をためやすく燃えにくいようにするものです。

即ち、摂取エネルギーを最大限に吸収し、消費エネルギーを最小限に抑えるという、私達の祖先がかつて食料不足で飢えに苦しめられていたころには、大いに有利に働いていたものと考えられます。
 
かつては「倹約遺伝子」として有利に働いていたものが、飽食の現代では「肥満遺伝子」と変貌してしまったわけです。

ここまで、肥満治療に関する最新のカロリー理論を紹介してきました。しかし、カロリー理論だけで肥満が語れるわけではありませんので、 糖質制限食でなぜ痩せるかを次回復習しましょう。 

今日のブログは
「日本人が一番やせるダイエット」マキノ出版、吉田俊秀先生のご著書を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。

江部康二
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開催日時 2007年09月02日
開催場所 東京都中野

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もう、毎日の食事をむずかしく考える必要はありません。
じつに簡単、無理のない方法で、楽しくたっぷり食べて、 確実に症状が改善する食事療法が生まれました。

<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 9時30~11時30分
<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員100名/申し込み先着順)


<糖質制限食のすすめ>
精製炭水化物(白米や白パン、うどん、パスタ、白砂糖、お菓子類)の摂りすぎ! これがすべての元凶なのです。
精製された炭水化物の糖質は消化吸収がはやいため、口にするたびに、ちょこちょこ血糖値の上昇(ミニスパイク)が起きてしまいます。
そのことが結果的に、代謝を不安定にし、生活習慣病全般の発症要因につながっている…。
そう考えると、納得することばかり。

人類の食の歴史をひも解けば、こんなにシンプルだったのです!
生理学的な理論もしっかり確立しています。
そして…、具体的な食の提案「糖質制限食10カ条」が生まれました。

当日は、「糖質制限食」を軸に、糖尿病を中心に、肥満、メタボリックシンドロームなど、
生活習慣病全般の患者さん一人ひとりにあった食事指導を展開します。
明日からの食生活が楽しくなり、症状もぐんぐん改善することでしょう。


<ドクター江部と「糖質制限食」のプロフィール>
ドクター江部の長年にわたる食事療法の研究と臨床活動はいつも多くの話題を生んできました。
なかでも2001年から糖尿病患者さんを中心に臨床実践している「糖質制限食」は、その日から確実に効果があり(急速な血糖値の改善)、患者さんの口コミが広がり、マスコミでも話題となっています。さらにウワサは広まり、医学界からも注目を集めはじめています。
この「糖質制限食」は、カラダの代謝機能全般を改善するもので、糖尿病だけでなく、メタボリックシンドローム系の他の病気(肥満・高血圧・高コレステロール症・動脈硬化)、アレルギー疾患全般にも、効果が認められています。欧米の潮流にものったもので、まさに日本の糖尿病治療食においてパイオニアになるでしょう。
高雄病院では、アトピーをはじめとするアレルギー疾患全般、喘息、ネフローゼ症候群、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム…などの生活習慣病改善に絶大の効果をあげ、全国から入院患者があとを絶ちません。
自ら食事療法の大切さに気づいたのは20数年前、西洋医学も東洋医学も薬だけの治療では限界に気づいてのことでした。
医師が食事療法を積極的に臨床にとりいれるのは極めてめずらしいことです。その意味でドクター江部は、とてもユニークなお医者さん。診療だけでなく、講演会でも「明瞭かつ楽しく、人の心を軽くする」その人柄に魅かれる患者さんがとても多いのです。

著書『ドクター江部のアトピー学校??』『糖質制限食のすすめ 主食を抜けば糖尿病は良くなる!』『糖尿病が良くなるごちそうレシピ 糖質制限食の実践法』『糖質制限食 春のレシピ』『糖質制限食 夏のレシピ』(東洋経済新報社)など多数。

[お申し込み方法]
◆予約申込◆席に限りがあります。なるべく予約申込してください。
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・郵便振替用紙の控えを受領書とします。
・振込後の払い戻しはできませんのでご了承ください。


◆当日受付◆席に余裕がある場合受付けます。
・直接会場にお越しください。
・満席の場合にはお断りすることになりますので、ご了承ください。
・前日に留守電のメッセージで空席の状況を流しますのでお聞きください。


※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。

郵便振替 
口座番号 00180-2-771553
口座名称 アトピー・ネットワーク・リボーン

<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp

主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食講演会(神戸)のご案内
糖質制限食講演会(神戸)のご案内

江部康二の 糖質制限食講演会のご案内です。
8月19日、神戸ポートピアホテルにて江部康二の講演会を行います。
おかげさまで8.11現在まで、70名様のご予約となっております。
日本全国とはいいませんが
神戸、大阪はもちろん、近畿一円の糖尿人・メタボ人の方々お待ちしております。

「大豆フィナンシェの灘製菓さん、こんにゃく麺・ごはんこんにゃくのウエダ食品さん、やわらか蒸し大豆のマルヤナギさん、ラカントのサラヤさん、アサヒビールさんにご協賛いただき、会場での実演販売を行います。」

糖質制限食の講演会と 糖質制限食OK食品の会場での販売、めったにない機会ですのでお見逃しなく。

【演題】
「糖尿病・肥満と糖質制限食」
-糖尿病・肥満の画期的な新しい食事療法-
300人の入院糖尿病患者
900人の外来糖尿病患者
の実績をもとに

【演者】
高雄病院理事長
江部康二

【著書】
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
いずれも東洋経済新報社

日時 8月19日 日曜日
   受付13:30~ 開演 14:00~15:30
   講演終了後、質問コーナーあり

会場 神戸ポートピアホテル
   本館地下1階 和楽の間

定員 100名

参加費 1000円

参加ご希望・お問い合わせは、

京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
席をはずしていることもありますので、留守電に連絡先を入れておいて頂ければ後ほどお電話致します。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
アトピー性皮膚炎とピロリ菌
おはようございます。京都は、今朝も快晴です。
連日の猛暑で、元気なのはセミの声ばかりですね。

今回は、redbambooさんから質問があり、アトピー性皮膚炎とヘリコバクター・ピロリ菌に関するお話です。

「糖尿じゃないんですが教えてください
こんばんは、糖尿ではないのですがアトピーで江部先生にぼちぼちと診ていただいております。最近兄一家が全員ピロリ菌に感染していたと聞き、近所の病院で私も検査をしたところ数値13.3で陽性と出ました。
特に現時点で胃に悩みはありません(油モノなどはもたれますが)。
実は以前ある中国人留学生(女性)の方が日本に来てから皮膚疾患が出来てピロリ菌を駆除したらよくなった、と言っていたのを聞いたことがあり、アトピーがよくなるなら駆除したいなあ、と考えています。
でも駆除して花粉症などが逆に出たら困るなあ、とも思っています。ネットで調べてもピロリ菌はよくわからないです。駆除すべきか否か。。
高雄病院にこれがピロリ菌だみたいなポスターがあったのを思い出してアトピーとの関係で質問させていただきました。
よろしくおねがいたします。
by: redbamboo * 2007/08/07 22:41 *」


redbambooさん、コメント・質問ありがとうございます。

年齢とともに増加しますが、日本人健常者のピロリ菌陽性率は約60%です。

ヘリコバクターピロリ菌陽性の人に、萎縮性胃炎胃潰瘍十二指腸潰瘍胃ガン発症のリスクが上昇するのは間違いのない事実ですが、現実に消化性潰瘍萎縮性胃炎がなければ、一般的には除菌の対象とはなりません。

アトピー性皮膚炎のほか、自己免疫性疾患といわれる原因不明の病気などに対するピロリ菌の研究は、未だに行われています。

例えば、特発性血小板減少性紫斑病という自己免疫疾患は、除菌に成功すれば約40%が良くなりますので、かなりの関連があるようです。

ピロリ菌とアトピー性皮膚炎との関係はまだ研究段階で、一致した意見はありません。しかし、高雄病院の長年のアトピー性皮膚炎治療の経験では、ピロリ菌の除菌をしなくても多くの人が改善するので、ピロリ菌が直接の原因のアトピーは、ごく少ないと思います。

ピロリ菌とアトピー性皮膚炎に関して、大分医科大学第二内科の村上先生による報告があります。

<14歳、女性。ほぼ全身の皮膚炎あり。
さまざまな治療法を試みていたが、改善、増悪を繰り返していた。検査でピロリ菌を陽性と診断し、除菌治療を施行したところ症状は消失した。抗ピロリーIgE抗体も除菌後6ヶ月には減少していた。>

村上先生らは改善した例を報告しましたが、

アトピー性皮膚炎患者のピロリ菌陽性率は高くなく、ピロリ菌が陽性のアトピー患者に除菌治療を試みても著効した例は他にない」としています。

結論です。

アトピー性皮膚炎とヘリコバクターピロリ菌の関係に関して、確定的な報告はありませんが、除菌に成功してもアトピーが改善する確率は低いと思います。

ただ、アトピーとは関係なく、消化性潰瘍萎縮性胃炎があれば除菌の対象となります。

江部康二
テーマ:アトピー
ジャンル:ヘルス・ダイエット
境界型糖尿病と糖質制限食
こんばんは。

猛暑が続く京都で、茹だっている江部康二です。
冷房の効いた診察室と一歩外に踏み出した時の温度差が強烈で、頭がくらくらします。

10年間洗車したことない愛車パジェロの温度計は、午後2:30、39度を示してました。

さて、みどりさんから質問をいただきました。

「始めまして!先生の講演是非受講してみたいなーでも遠いです(愛知県)、残念、本は5日前レシピ本2冊、主食を抜けば・・、もちろんかいました。私は2年前空腹時95で食後180血糖で堺型でした、一般の糖尿食をやって80~140に治り安心したところで、子宮ガン一期になり手術抗がん剤をやって副作用でドーーーント上がりましたが!治療終え何もしたないのに痩せたせいか90キープしてましたが?社会復帰が楽しく炭水化物の大量摂取、アルコール飲料のとりすぎか、毎月の腫瘍外来での血液検査で空腹時血糖が114とたった半年でぐーーんと上がってしまいました、おひるからのCTのため、朝、昼の食事抜きで忙しい仕事を終わらせ30分の自転車で飛び込み血液検査したのでストレスもあったのかな?って思ってみたり。5日前から糖質ほぼ抜いて生活をしてますが、先日呑み会へ行って赤ワイン一本半、白ワイン半分呑んでしまいました、おつまみは、魚介類、野菜、肉、チーズ類ですけど、やっぱりお酒大好きな私としては、平日スーパー制限食やって週末の1日はぱーっとやるでは血糖値は改善されないでしょうか?ちなみに通勤は片道40分自転車通勤、普段平日はほとんど飲酒しないようにしております。毎日手作り弁当で昼だけ少量のパスタは食べて
っていうふうにしたますが。年齢44歳です。炭水化物が血糖をあげるとは目からうろこでした。大好きでしたが今は昼のパスタ以外はほとんど食べておりませんまだ5日ですが?
by: みどり * 2007/08/05 11:23 *」


みどりさん、コメント・質問、本の購入ありがとうございました。
また身体、お大事にしてくださいね。

食後2時間血糖値が180mg→境界型糖尿病の中でIGT(食後高血糖)タイプ。

空腹時血糖値が114mg→境界型糖尿病の中でIFG(空腹時血糖高値)タイプ。

境界型糖尿病に関しては8.4のブログも参照してくださいね。)

ということで、みどりさんは<IGT+IFG>タイプの境界型糖尿病ということになります。

従いまして、今まで通りの食生活を続けていったら、(近い)将来、私達糖尿人の仲間入りの確率は、かなりあります。

糖尿人になりはったら、まあ、熱烈歓迎しますが・・・ (= ̄▽ ̄=)

でも糖尿人になりたくないということで、 糖質制限食を始められたのは大正解です。

「先日呑み会へ行って赤ワイン一本半、白ワイン半分呑んでしまいました、おつまみは、魚介類、野菜、肉、チーズ類ですけど、やっぱりお酒大好きな私としては、平日スーパー制限食やって週末の1日はぱーっとやるでは血糖値は改善されないでしょうか?」
ワインボトル2本は、さすがに多い気もしますね。それから 糖質制限食では、基本的に蒸留酒(焼酎やウィスキーなど)はOKですが、醸造酒(ビール、日本酒、白ワインなど)は禁止なのです。蒸留酒は血糖値を上げませんが醸造酒は上げますので。

醸造酒の中で、赤ワインだけは血糖値をほとんど上げず、適量はOKなのです。

結論です。

平日はスーパー糖質制限食で、週1.2回、赤ワインボトル1本と<魚介類、野菜、肉、チーズ類、豆腐・・・たっぷり>とか大丈夫です。血糖値は改善します。

「通勤は片道40分自転車通勤、普段平日はほとんど飲酒しないようにしております。毎日手作り弁当で昼だけ少量のパスタは食べて・・・」

即ち、スタンダード糖質制限食ですね。境界型糖尿病のレベルなら、このような選択肢もあると思いますよ。

状況に応じてスーパー、スタンダード、プチ糖質制限食を適宜使い分けてもらったら良いと思います。( 糖質制限食十箇条など、5.9ブログ、6.5ブログ参照していただけば幸いです)

糖質制限食により代謝全てが改善しますから、自然治癒力や免疫系にもよい影響が出ると思いますよ。

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
蝉の抜け殻(蝉退)は漢方薬
こんばんは。快晴の京都は、今日もなかなかに暑いです。

昨日、蝉の鳴き声の話を高雄病院の医局でしていたら、昆虫に詳しいH先生がいろいろ教えてくれました。

京都では、アブラゼミがやや減少して、クマゼミが増えているそうです。ニイニイゼミは、もっと減っているそうです。

蝉の種類により鳴く時間帯が異なっている理由は、さすが博学のH先生もご存知ありませんでした。因みに、我が家の庭で、朝、日の出と共に「ジージー、ジャジャジャ」と私を起こしてくれるのはクマゼミです。

どなたか、蝉の鳴く時間帯が種類によりずれている理由をご存知の人があれば、教えていただけば幸いです。よろしくお願いします。

さて、私達漢方医と蝉、目覚まし時計代わりでなく、仕事上おおいに関係があるのです。

実はセミの抜け殻(蝉退)は昔から漢方生薬として主に、痒みや咽痛・発熱に利用されてきました。

蝉退として用いられるセミはスジアカクマゼミなど、クマゼミの仲間の大型セミ類と言われています。

私もアトピー性皮膚炎などに、他の生薬と混ぜて煎じ薬として処方することがあります。

蝉退が含まれている処方には、『消風散』(出典は外科正宗)などがあります。

『消風散』は皮膚病一般によく使い、エキス剤もあります。

江部康二
欧米人の巨大肥満とインスリン
おはようございます。今朝もセミに起こされた江部康二です。
暑い一日が始まりますが、この際、今回は逆療法で暑苦しい(?)お話を一つ。

さて、欧米における肥満の増加が目立っています。世界保健機関(WHO)によると、肥満の指標であるBMI(体重÷身長÷身長)数値が30以上の肥満人口は、1995年から2000年の間に、世界で2億人から3億人以上に増加したそうです。

人口に占める肥満者の割合(大人の場合)は米国で30.5%、英国で22.14%、オーストラリアは16.4%です。日本(3.1%)や中国(2.9%)などアジア諸国は欧米に比べると肥満人口はかなり少ないです。

日本の場合、BMI25以上が肥満とされていますが、欧米に比べるとかなり厳しい基準ですね。

でも、BMI30というのは、日本では雑踏ですれ違ったとしても、一目肥満で目立つ存在ですので、欧米の肥満恐るべしです。( ̄◇ ̄)

米国フロリダ州の病院では、肥満患者を運ぶため、体重220キロにも対応できる救急車を導入したそうです。体重約150キロを超える入院患者は、20年前は年に1人いるかどうかでしたが、最近は、毎日のように運ばれてくるといいます。

このように、欧米には体重150kgを超える、巨大肥満がざらにみられますが、日本人ではまれです。この違いはなぜでしょう?

一言で言えば「インスリン分泌能力の差」です。以前ブログでインスリンは肥満ホルモンと書きました。

糖質を摂取して血糖値が上昇すると、インスリンが追加分泌されてまず筋肉で利用させますが、余った血糖値が全て中性脂肪に変わります。

糖質の過剰摂取を繰り返していると、その度にインスリンが分泌されて徐々に肥満していきます。

一旦肥満(特に内臓脂肪肥満)してしまうと、細胞にインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)がでてくるので、同じ程度の血糖値を処理するのに、今まで以上の量のインスリンが必要となります。

そして更に肥満が進行するという、悪循環のスパイラルに入ります。

欧米人(特に白人)は、インスリン分泌能力が高いので、このスパイラルに入っても10年、20年、30年と大量のインスリンを出し続けるので、糖尿病にはならずに巨大肥満が発症するのです。

日本人は、数年レベルでインスリン分泌能力が疲弊してきて糖尿病を発症してしまうので、巨大肥満に到らないのです。

ともあれ、糖質の過剰摂取が肥満や糖尿病の根本的な要因ですので、結論として、これらの問題を解決するには、糖質制限食の出番となります。

肥満・糖尿病の原因は、決して脂肪ではないことはお忘れなく!!

最近の欧米の研究により、従来推奨されてきた脂肪制限食は、減量における長期的有用性には否定的であることが明らかとなりました。(医学雑誌、治療、食事療法のエビデンスと実際、柳内秀勝、多田紀夫、2007.7、2286~2290)

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と大豆クッキー、フィナンシェ、パン,
おはようございます。
京都は今日も晴天です。
朝から蝉の鳴き声がとても賑やかで目が覚めた江部康二です。

さて、ももかんさん、コメントありがとうございます。
返事うっかり忘れていて、遅くなってすみません。

糖質制限食とクッキー、フィナンシェ
先日はコメントの返事頂きありがとうございます!糖質制限食を開始して20日程たちました。6月8日に食前血糖が129のHbAが7,9だったのですが、昨日の検査では食前血糖75HbA6,8まで下がりました!先月末に大豆クッキーと大豆フィナンシェと大豆パンと先生オススメのポン酢など購入致しました。大豆クッキーもフィナンシェも久々のスイーツでとても美味しいです!大豆パンは見た感じ小さいなと思ったのですが、食べてみたらモチモチな食感で十分満腹になりました。今度大豆パンやフィナンシェのアレンジレシピあったら教えて下さい。長々とすみません!
2007/07/07(土) 02:02:17 | URL | ももかん」



ももかんさん、

6月8日に食前血糖が129のHbAが7,9
糖質制限食開始して
昨日の検査では食前血糖75HbA6,8まで改善、

おめでとうございます。よかったです。   (*⌒ー⌒)ο∠☆:
この調子でおいしく楽しく 糖質制限食続けてくださいね。

 さて大豆パン、見た目は小さいけれど、仰るとおり食べたら結構ズッシリと腹持ちがよく満足感がありますね。プレーンとコーヒー味どちらもおいしいし、冷凍しておけば保存も利くのでなかなか重宝です。

大豆クッキーもプレーンとココアの二種類があって、糖尿人の皆さんはもちろん、一般の方の評判もいいです。

大豆フィナンシェもプレーンに加えて抹茶味、ゴマ味がラインアップに加わって、変わり味が楽しめるようになりました。
 
新しいところでは、「マルヤナギ」さんの「やわらか蒸し大豆」「やわらか蒸し黒豆」も間食や焼酎のお摘みにもそのまま食べることができて、私は重宝してます。(マルヤナギさんの『蒸し大豆スペシャルサイト』に、私、江部康二が出ております。皆さん、是非見てみてくださいね。)

これらの糖質制限食OK食品、私は、講演に行く途中の新幹線の車中で食べることもあります。

駅弁もうっかりすると、砂糖と食品添加物のてんこ盛りですので、やや糖尿人にはつらいものがありますので・・・。

糖質制限食のレシピなどは、野邦子先生のブログも料理写真もあっておいしく楽しく参考になりますよ。
『糖尿病・ダイエットにも使える糖質制限食レシピ』http://sjtrecipe.blog101.fc2.com/

また、京都高雄倶楽部に電話していただけば、糖質制限食関係の新製品(例えば和菓子)とかいろいろ情報がありますのでご利用くださいね。
**
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
人類の進化と食生活⑨ ネアンデルタール人とクロマニヨン人(現世人類)
おはようございます。京都は今日も良い天気です。そして暑いです。庭で蝉が「ジー、ジー、シャシャシャ」と鳴いてます。

午前中なくのはクマゼミでしょうか?

アブラゼミは午後に鳴き、ヒグラシは日の出前や日の入り後によく鳴くそうです。ニイニイゼミは一日中鳴いてるそうです。

蝉によって鳴く時間帯が違うとは浅学にして知りませんでした。また、蝉がカメムシ目に属しているというのも意外でしたね。( ̄△ ̄)

さて、今日は久しぶりに、人類の進化と食生活シリーズです。

ネアンデルタール人は、ヨーロッパを中心に13万年前から3万年前まで生存していましたが、氷河期のロシアには適応できずに存在の痕跡がありません。

天然の優れた毛皮を持つネアンデルタール人も、適応できなかった氷河期のロシアに、現生人類存在の痕跡はあります。

ネアンデルタール人に無くて現世人類にだけあったのは、<衣服、住居、火>ですが、これらの利点により、氷河期のロシアでも生存可能であったと考えられます。

クロマニヨン人(現世人類)は、最後の氷河期(7万年前~1万年前のウルム氷河期)にアフリカからユーラシア大陸へ移動したと考えられます。

ネアンデルタール人とクロマニヨン人が直接戦ったならば、短期間、例えば数百年レベルで決着がつくと考えるのが普通です。

しかし、現実にはこの二つの種の人類は、ヨーロッパで1~2万年共存したあと、アンデルタール人が徐々に衰退して滅びていきます。

ネアンデルタール人(肉食)は脳の容量も現生人類より大きく膂力も優れています。しかしネアンデルタール人は言語がなく、火が使えなかったと考えられます。

従って、主食が共通する二種の人類は、当初は膂力に優れるネアンデルタール人が優勢であったと思われますが、言語や文化の発達で組織的な狩りや道具の進歩により、徐々に現生人類が獲物を先に取り尽くすようになり、主食を奪われたネアンデルタール人は、衰退せざるを得なかったのでしょう。

このように歴史的に考察してみると、クロマニヨン人は、ネアンデルタール人と同様に肉を日常的に摂取していた可能性が高いのです。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食講演会(神戸)のご案内
江部康二の 糖質制限食講演会のご案内です。

8月19日、神戸ポートピアホテルにて江部康二の講演会を行います。

8月1日の神戸新聞に講演会のことを載せて頂いたのですが、神戸新聞を読んでおられる方々、見ていただけたでしょうか?

「大豆フィナンシェの灘製菓さん、こんにゃく麺・ごはんこんにゃくのウエダ食品さん、やわらか蒸し大豆のマルヤナギさん、ラカントのサラヤさんにご協賛いただき、会場での実演販売を行います。」

さらにアサヒビールさんもご協賛いただくことになり、
糖質ゼロの発泡酒『アサヒ スタイルフリー』を会場にて販売します!
講演会会場にて発泡酒の販売、未だかつてない画期的な試みです!
糖質制限食講演会ならではのこの企画、是非お楽しみください。

神戸、大阪はもちろん、近畿一円、日本全国から皆さんのご参加、お待ちしております。

【演題】
「糖尿病・肥満と糖質制限食」
-糖尿病・肥満の画期的な新しい食事療法-
300人の入院糖尿病患者
900人の外来糖尿病患者
の実績をもとに

【演者】
高雄病院理事長
江部康二

【著書】
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
いずれも東洋経済新報社

日時 8月19日 日曜日
   受付13:30~ 開演 14:00~15:30
   講演終了後、質問コーナーあり

会場 神戸ポートピアホテル
   本館地下1階 和楽の間

定員 100名

参加費 1000円

参加ご希望・お問い合わせは、

京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
席をはずしていることもありますので、留守電に連絡先を入れておいて頂ければ後ほどお電話致します。