2007年07月29日 (日)
高雄病院京都駅前分院のご案内です。
高雄病院が京都駅前に分院をつくるとブログに書いたところ
かなりの反響がありました。簡単ですが、現時点でお知らせできる内容をご案内致します。
2007年10月1日、開院です。
場所は、烏丸七条交差点を東へ10m、バス停の真ん前です。七条通り北側に面しています。京都駅からは地下を歩いて約4分です。
9月1日から、高雄病院(075-871-0245)で予約受付を開始します。
江部康二
高雄病院が京都駅前に分院をつくるとブログに書いたところ
かなりの反響がありました。簡単ですが、現時点でお知らせできる内容をご案内致します。
2007年10月1日、開院です。
場所は、烏丸七条交差点を東へ10m、バス停の真ん前です。七条通り北側に面しています。京都駅からは地下を歩いて約4分です。
9月1日から、高雄病院(075-871-0245)で予約受付を開始します。
江部康二
2007年07月28日 (土)
講演会のお知らせです。
高雄病院には、アトピー患者さんの患者会「アトピー友の会」がありまして、定期的に講演会とか食事会をやっております。
今回の講演は、高雄病院内のホールで行います。外部の方も参加頂けるので、京都在住の方はもちろん、高雄までドライブがてらに来れる方は、是非ご参加下さいね。
以下、詳細です。
高雄病院アトピー友の会・講演会のお知らせ
「高雄病院のアトピー治療、漢方薬と食事療法」
講師 江部康二医師
篠原明徳医師
日時 2007年8月4日(土)
14:30~開場
15:00~17:00 講演と質疑応答
場所 高雄病院、別館2階ホール
参加料 無料
お問い合わせ 075-871-0245 高雄病院
高雄病院には、アトピー患者さんの患者会「アトピー友の会」がありまして、定期的に講演会とか食事会をやっております。
今回の講演は、高雄病院内のホールで行います。外部の方も参加頂けるので、京都在住の方はもちろん、高雄までドライブがてらに来れる方は、是非ご参加下さいね。
以下、詳細です。
高雄病院アトピー友の会・講演会のお知らせ
「高雄病院のアトピー治療、漢方薬と食事療法」
講師 江部康二医師
篠原明徳医師
日時 2007年8月4日(土)
14:30~開場
15:00~17:00 講演と質疑応答
場所 高雄病院、別館2階ホール
参加料 無料
お問い合わせ 075-871-0245 高雄病院
2007年07月28日 (土)
おはようございます。江部康二です。
もうすぐ富士見高原に向けて出発します。皆さん、しばらくのご無沙汰です。
<お知らせ>
糖質制限食推奨食品、だいぶラインアップがそろってきました。モチベーションは「糖尿人の自分が安心して食べることができるものを・・・」とまあ自分のためなのですが、勿論糖尿人仲間の皆さんにも、おおいに喜ばしいことと自画自賛してます。
「大豆フィナンシェ」がプレーンに加えて、ゴマ味と抹茶味が発売になりました。私もプレーンばかり食べてましたので、ゴマ味と抹茶味、とても嬉しくおいしくいただいてます。
定番の「大豆クッキー」「大豆パン」「ロッスチョコレート」「とばやポン酢」「おいしい大豆」「ラカントS」
新製品の「ごはんこんにゃく」「蒟蒻麺シリーズ」「ホクッホクッ大豆」「からだにだいず 蒸し黒豆」「大豆まるまるめん」「黒豆まるまるめん」も全て試食しましたが、それなりにおいしいです。
ご注文・お問い合わせは
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
もうすぐ富士見高原に向けて出発します。皆さん、しばらくのご無沙汰です。
<お知らせ>
糖質制限食推奨食品、だいぶラインアップがそろってきました。モチベーションは「糖尿人の自分が安心して食べることができるものを・・・」とまあ自分のためなのですが、勿論糖尿人仲間の皆さんにも、おおいに喜ばしいことと自画自賛してます。
「大豆フィナンシェ」がプレーンに加えて、ゴマ味と抹茶味が発売になりました。私もプレーンばかり食べてましたので、ゴマ味と抹茶味、とても嬉しくおいしくいただいてます。
定番の「大豆クッキー」「大豆パン」「ロッスチョコレート」「とばやポン酢」「おいしい大豆」「ラカントS」
新製品の「ごはんこんにゃく」「蒟蒻麺シリーズ」「ホクッホクッ大豆」「からだにだいず 蒸し黒豆」「大豆まるまるめん」「黒豆まるまるめん」も全て試食しましたが、それなりにおいしいです。
ご注文・お問い合わせは
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
2007年07月27日 (金)
こんばんは。梅雨も明けて京都は今日も一日晴天でした。
明日から、いよいよ八ヶ岳・富士見高原のペンション・ジョナサンにて、テニス合宿です。
従いましてブログも3日間は夏休みですのであしからず。
テニス合宿とはいっても、私と同世代が中心なので、年々テニスの割合が減ってきてますね。
お酒の量も、糖尿病に気がつく以前は、エビスビールに純米大吟醸は体にいいとか言って結局飲み過ぎて、二日酔いに苦しむ選手続出でした。 (×_×)
近年、私の糖尿病が発覚してからは、焼酎・赤ワインで統一して、まあ皆さん以前ほどは飲まなくなって二日酔いも反吐も激減したのは年の功ですかね。
ああそうだ、アサヒのスタイルフリーをジョナサンのオーナーに頼んでおかなくては・・・
さて、今日はとても興味深い新聞記事を見たので、早速取りあげてみました。
福岡県にある久山町は、人口約8000人の町ですが、1961年から九州大学医学部が、ずっと継続して40才以上の全住民を対象に研究を続けていて、日本の医療におおいに貢献してきました。
5年に一度の健康診断の受診率は約80%もあり、他の市町村に比し高率です。また死後の解剖検査も82%の住民において実施されていて精度の高い研究の支えとなっています。
1961年当時、日本の脳卒中死亡率は非常に高く問題となっていましたが、久山町の研究により、高血圧が脳出血の最大の原因であることが判明しました。
それを受けて、食事の減塩指導や降圧剤の服用で血圧のコントロールを行ったところ、久山町の脳卒中は1970年代には1/3に激減し画期的な成果をあげました。
その後、久山町では糖尿病が最重要テーマとなっています。その研究の結果、糖尿病は心筋梗塞、脳梗塞、悪性腫瘍、アルツハイマー病などの発症要因となることが判明しました。
1988年の健診では、受診者の11%が糖尿病と診断され、当時の常識よりはるかに増えてきていることがわかりました。
1988年以降、九州大学のグループは運動や食事療法を住民に徹底的に指導して、糖尿病の増加を防ごうと努力しました。
しかし、2002年の調査では予想に反して、糖尿病とその予備軍を併せると男性の54%、女性の36%に激増してしまいました。
脳卒中と高血圧の時は、大成功を収めたのに、糖尿病でははっきり言って、大失敗です。
九大の清原裕教授も「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい」とのコメントを述べておられます。
日本糖尿病学会推奨の「糖質60%、脂質20%、タンパク質20%」で食事指導を行う限りは、運動療法を頑張っても糖尿病の増加をくい止めることは極めて困難ということが、久山町研究ではっきり証明されたわけですから、これは大変なことですね。
当ブログ常連の、賢明なる読者の皆さんには「糖尿病の発症がどうすれば減るか」ということも「なぜ糖尿病発症予防に失敗したか」も極めて明白ですよね。
そうです。切り札は、糖質制限食です。
せめて、精製された炭水化物をやめるだけでも、大分違うと思うのですが・・・
日本の医学界も、久山町研究のデータを素直に受け止めて、今までの常識(糖尿病には高糖質食)を見直して 糖質制限食に目を向けて頂けば、糖尿病も心筋梗塞も脳梗塞もアルツハイマー病も医療費も全て減少すること疑いなしなのですが・・・。
**
今日のブログは、7月27日(金)毎日新聞朝刊の記事を参考にしました。
江部康二
明日から、いよいよ八ヶ岳・富士見高原のペンション・ジョナサンにて、テニス合宿です。
従いましてブログも3日間は夏休みですのであしからず。
テニス合宿とはいっても、私と同世代が中心なので、年々テニスの割合が減ってきてますね。
お酒の量も、糖尿病に気がつく以前は、エビスビールに純米大吟醸は体にいいとか言って結局飲み過ぎて、二日酔いに苦しむ選手続出でした。 (×_×)
近年、私の糖尿病が発覚してからは、焼酎・赤ワインで統一して、まあ皆さん以前ほどは飲まなくなって二日酔いも反吐も激減したのは年の功ですかね。
ああそうだ、アサヒのスタイルフリーをジョナサンのオーナーに頼んでおかなくては・・・
さて、今日はとても興味深い新聞記事を見たので、早速取りあげてみました。
福岡県にある久山町は、人口約8000人の町ですが、1961年から九州大学医学部が、ずっと継続して40才以上の全住民を対象に研究を続けていて、日本の医療におおいに貢献してきました。
5年に一度の健康診断の受診率は約80%もあり、他の市町村に比し高率です。また死後の解剖検査も82%の住民において実施されていて精度の高い研究の支えとなっています。
1961年当時、日本の脳卒中死亡率は非常に高く問題となっていましたが、久山町の研究により、高血圧が脳出血の最大の原因であることが判明しました。
それを受けて、食事の減塩指導や降圧剤の服用で血圧のコントロールを行ったところ、久山町の脳卒中は1970年代には1/3に激減し画期的な成果をあげました。
その後、久山町では糖尿病が最重要テーマとなっています。その研究の結果、糖尿病は心筋梗塞、脳梗塞、悪性腫瘍、アルツハイマー病などの発症要因となることが判明しました。
1988年の健診では、受診者の11%が糖尿病と診断され、当時の常識よりはるかに増えてきていることがわかりました。
1988年以降、九州大学のグループは運動や食事療法を住民に徹底的に指導して、糖尿病の増加を防ごうと努力しました。
しかし、2002年の調査では予想に反して、糖尿病とその予備軍を併せると男性の54%、女性の36%に激増してしまいました。
脳卒中と高血圧の時は、大成功を収めたのに、糖尿病でははっきり言って、大失敗です。
九大の清原裕教授も「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい」とのコメントを述べておられます。
日本糖尿病学会推奨の「糖質60%、脂質20%、タンパク質20%」で食事指導を行う限りは、運動療法を頑張っても糖尿病の増加をくい止めることは極めて困難ということが、久山町研究ではっきり証明されたわけですから、これは大変なことですね。
当ブログ常連の、賢明なる読者の皆さんには「糖尿病の発症がどうすれば減るか」ということも「なぜ糖尿病発症予防に失敗したか」も極めて明白ですよね。
そうです。切り札は、糖質制限食です。
せめて、精製された炭水化物をやめるだけでも、大分違うと思うのですが・・・
日本の医学界も、久山町研究のデータを素直に受け止めて、今までの常識(糖尿病には高糖質食)を見直して 糖質制限食に目を向けて頂けば、糖尿病も心筋梗塞も脳梗塞もアルツハイマー病も医療費も全て減少すること疑いなしなのですが・・・。
**
今日のブログは、7月27日(金)毎日新聞朝刊の記事を参考にしました。
江部康二
2007年07月26日 (木)
こんばんは。京都は一日良い天気です。
高雄病院でお昼の診察中、2.3分ほど、通り雨がありましたが、またすぐお日様がでました。
さて、今回は、グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)のお話です。
近年の糖尿病関係の話題として、『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞の危険性が高まる』という説が有力となっています。
糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。
例えば、空腹時血糖値が100~120mgとかでも、糖質摂取後の血糖値は200、300mgとなってしまいます。(*脂質やタンパク質を食べても、ブドウ糖スパイクは起こりませんので、念のため。)
一方、糖尿病がない人でも、精製された糖質(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクが生じますから、代謝全般に乱れが生じてアレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響がでる可能性があります。
私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ミニスパイク』と呼んでいます。
精製された糖質は、特に血糖を上昇させやすい食品です。中でも白パン、ケーキなどの精製小麦粉製品は血糖上昇指数(GI)が100もあります。ちなみに白米は70、玄米は50です。
糖尿病が無ければ、玄米などGIの低いものを主食としていれば、ミニスパイクもほとんど起こらず、血管内皮の障害のリスクも無くなりますし代謝も安定します。
過去経験的に、「玄米魚菜食がいろんな病気の改善に良い」と言われ、高雄病院でも1984年から玄米魚菜食を給食で提供してきました。
なぜ良いのか、理論的根拠に長年悩んでいましたが、「ブドウ糖スパイク理論」でやっと説明がつきました。
世界中に、今まで様々な食事療法があり、それぞれ治療効果を謳っていますが、やはり「ブドウ糖スパイクが少ない」という一点で共通していることが多いようです。
なお、糖質制限食ならミニスパイクも全く起こらず、血糖値は勿論、代謝全てが安定します。
江部康二
高雄病院でお昼の診察中、2.3分ほど、通り雨がありましたが、またすぐお日様がでました。
さて、今回は、グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)のお話です。
近年の糖尿病関係の話題として、『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞の危険性が高まる』という説が有力となっています。
糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。
例えば、空腹時血糖値が100~120mgとかでも、糖質摂取後の血糖値は200、300mgとなってしまいます。(*脂質やタンパク質を食べても、ブドウ糖スパイクは起こりませんので、念のため。)
一方、糖尿病がない人でも、精製された糖質(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクが生じますから、代謝全般に乱れが生じてアレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響がでる可能性があります。
私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ミニスパイク』と呼んでいます。
精製された糖質は、特に血糖を上昇させやすい食品です。中でも白パン、ケーキなどの精製小麦粉製品は血糖上昇指数(GI)が100もあります。ちなみに白米は70、玄米は50です。
糖尿病が無ければ、玄米などGIの低いものを主食としていれば、ミニスパイクもほとんど起こらず、血管内皮の障害のリスクも無くなりますし代謝も安定します。
過去経験的に、「玄米魚菜食がいろんな病気の改善に良い」と言われ、高雄病院でも1984年から玄米魚菜食を給食で提供してきました。
なぜ良いのか、理論的根拠に長年悩んでいましたが、「ブドウ糖スパイク理論」でやっと説明がつきました。
世界中に、今まで様々な食事療法があり、それぞれ治療効果を謳っていますが、やはり「ブドウ糖スパイクが少ない」という一点で共通していることが多いようです。
なお、糖質制限食ならミニスパイクも全く起こらず、血糖値は勿論、代謝全てが安定します。
江部康二
2007年07月25日 (水)
こんばんは。
7.24はブログアクセス件数が初めて1000件/日を超えた記念すべき日となりました。
嬉しいやらびっくりするやら・・・ (=^▽^)σ
さてジミーさん。 昨日から糖質制限食と尿のPHのことが気になってました。
それで、糖質制限食1年以上実践中の江部康二、あらてつさん、検査技師のSさんの3名の尿のPHを7月24日、早速測定してみました。
結果はあらてつさんが5.0、江部康二が6.5、Sさんが7.0でした。
少しばらつきましたが、私とSさんは正常範囲の弱酸性で全く問題はありませんでした。
かつて、断食中の患者さんの、血液のPHを測定したことがありましたが、7.3前後のホントの酸性血症でした。急に断食してケトン体が一気に上昇したら酸性血症になりますので尿中のPHも酸性になると思います。
しかし、ある程度断食を続けていると人体内で補正していくので血液のPHはその内正常に復帰します。従って尿のPHも正常範囲に戻ると思います。
糖質制限食も同様で、初期は血液のPHも酸性になり、尿のPHも酸性に傾くと考えられますが、一定期間で生理的に補正され、通常のPHに戻ると思います。
もっとも、尿のPHはいろんな要因でかなり変動があります。
例えば前夜たくさんアルコールを飲むと、早朝尿のPHが下がります。大量のアルコールは血液中の乳酸を増やし、その影響で尿の酸性度も高まります。(鹿児島大 納先生)
さて本題に戻ります。
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
です。
1 ジミーさんの仰る通り、実はストレスが一番尿酸値を上昇させます。
鹿児島大学の納(おさめ)光弘先生もご自身が痛風になられて徹底的に自分で人体実験をされて、ビールより何よりストレスが高尿酸血症の原因と断定しておられます。
2 体重増加も尿酸を増加させる要因なので、 糖質制限食で減量することは良い方に向く可能性があります。
3 飲酒
アルコールを大量に(日本酒1日3合程度以上)飲めば尿酸値は上昇し、断酒すれば下降します。
アルコールが尿酸値に影響を与える要因は二つあります。一つは、アルコールが代謝の途中で乳酸になり、乳酸が腎臓からの尿酸排泄を抑制すること。もう一つは、継続的に多量にアルコールを摂取したときに(日本酒1日4合以上を毎日)、アルコールが尿酸の代謝を促進させて尿酸値があがることです。
なお、お酒に含まれているプリン体自身の量は、体内の尿酸プールの量に比べて少ないのでほとんど影響はありません。ビール大瓶633㏄中に、プリン体は32.4㎎しか含まれていません。
なお適量のアルコールならストレスが解消され尿酸値を下げます。(適量の目安:日本酒、焼酎で1日1.5合程度、ビール約750㏄、ワイングラス2杯、焼酎のお湯割りコップ2杯)
4 激しい運動は尿酸を上昇させますが、軽い有酸素運動は大丈夫です。
5、下記のプリン体が多い食品はさすがに大量にはとらない方がいいでしょう。しかし、日常的な食生活の中では、プリン体を気にするほどのことはなさそうです。下記の如く食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し少ないからです。
☆プリン体の多い食品
(1)きわめて多い(100g中、300㎎以上)
鶏レバー、白子など
(2)多い(100g中、200~300㎎)
豚レバー、牛レバー、かつお、まいわし、大正えびなど
☆尿酸の生成と排出
一日で産生される尿酸の量 700㎎
・ 食事から摂取 約100㎎
・ 体内でプリン体が利用された後に分解され、尿酸が生じる経路 約600㎎
☆一日で排出される尿酸の量 700㎎
・ 尿から排泄 約500㎎
・ 汗や便から排泄 約200㎎
☆尿酸の体内プール 約1200㎎
・ 健康な人の体内には、つねに1200㎎程度の尿酸がプールされています。
尿酸は、このように毎日、生産と排泄を繰り返しながら、一定量を保っています。しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。
江部康二
7.24はブログアクセス件数が初めて1000件/日を超えた記念すべき日となりました。
嬉しいやらびっくりするやら・・・ (=^▽^)σ
さてジミーさん。 昨日から糖質制限食と尿のPHのことが気になってました。
それで、糖質制限食1年以上実践中の江部康二、あらてつさん、検査技師のSさんの3名の尿のPHを7月24日、早速測定してみました。
結果はあらてつさんが5.0、江部康二が6.5、Sさんが7.0でした。
少しばらつきましたが、私とSさんは正常範囲の弱酸性で全く問題はありませんでした。
かつて、断食中の患者さんの、血液のPHを測定したことがありましたが、7.3前後のホントの酸性血症でした。急に断食してケトン体が一気に上昇したら酸性血症になりますので尿中のPHも酸性になると思います。
しかし、ある程度断食を続けていると人体内で補正していくので血液のPHはその内正常に復帰します。従って尿のPHも正常範囲に戻ると思います。
糖質制限食も同様で、初期は血液のPHも酸性になり、尿のPHも酸性に傾くと考えられますが、一定期間で生理的に補正され、通常のPHに戻ると思います。
もっとも、尿のPHはいろんな要因でかなり変動があります。
例えば前夜たくさんアルコールを飲むと、早朝尿のPHが下がります。大量のアルコールは血液中の乳酸を増やし、その影響で尿の酸性度も高まります。(鹿児島大 納先生)
さて本題に戻ります。
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
です。
1 ジミーさんの仰る通り、実はストレスが一番尿酸値を上昇させます。
鹿児島大学の納(おさめ)光弘先生もご自身が痛風になられて徹底的に自分で人体実験をされて、ビールより何よりストレスが高尿酸血症の原因と断定しておられます。
2 体重増加も尿酸を増加させる要因なので、 糖質制限食で減量することは良い方に向く可能性があります。
3 飲酒
アルコールを大量に(日本酒1日3合程度以上)飲めば尿酸値は上昇し、断酒すれば下降します。
アルコールが尿酸値に影響を与える要因は二つあります。一つは、アルコールが代謝の途中で乳酸になり、乳酸が腎臓からの尿酸排泄を抑制すること。もう一つは、継続的に多量にアルコールを摂取したときに(日本酒1日4合以上を毎日)、アルコールが尿酸の代謝を促進させて尿酸値があがることです。
なお、お酒に含まれているプリン体自身の量は、体内の尿酸プールの量に比べて少ないのでほとんど影響はありません。ビール大瓶633㏄中に、プリン体は32.4㎎しか含まれていません。
なお適量のアルコールならストレスが解消され尿酸値を下げます。(適量の目安:日本酒、焼酎で1日1.5合程度、ビール約750㏄、ワイングラス2杯、焼酎のお湯割りコップ2杯)
4 激しい運動は尿酸を上昇させますが、軽い有酸素運動は大丈夫です。
5、下記のプリン体が多い食品はさすがに大量にはとらない方がいいでしょう。しかし、日常的な食生活の中では、プリン体を気にするほどのことはなさそうです。下記の如く食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し少ないからです。
☆プリン体の多い食品
(1)きわめて多い(100g中、300㎎以上)
鶏レバー、白子など
(2)多い(100g中、200~300㎎)
豚レバー、牛レバー、かつお、まいわし、大正えびなど
☆尿酸の生成と排出
一日で産生される尿酸の量 700㎎
・ 食事から摂取 約100㎎
・ 体内でプリン体が利用された後に分解され、尿酸が生じる経路 約600㎎
☆一日で排出される尿酸の量 700㎎
・ 尿から排泄 約500㎎
・ 汗や便から排泄 約200㎎
☆尿酸の体内プール 約1200㎎
・ 健康な人の体内には、つねに1200㎎程度の尿酸がプールされています。
尿酸は、このように毎日、生産と排泄を繰り返しながら、一定量を保っています。しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。
江部康二
2007年07月24日 (火)
糖質制限食講演のお知らせです。
神戸・大阪方面の糖尿人・メタボ人の方々、
パワーポイント・スライドを使って
結構分かりやすくて面白いお話ですので
是非ご参加くださいね。
江部康二
<講演のお知らせ>
演題
「糖尿病・肥満と糖質制限食」
-糖尿病・肥満の画期的な新しい食事療法-
300人の入院糖尿病患者
900人の外来糖尿病患者
の実績をもとに
演者
高雄病院理事長
江部康二
著書
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
いずれも東洋経済新報社
日時 8月19日 日曜日
受付13:30~ 開演 14:00~15:30
講演終了後、質問コーナーあり
会場 神戸ポートピアホテル
本館地下1階 和楽の間
定員 100名
参加費 1000円
参加ご希望・お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
席をはずしていることもありますので、
留守電に連絡先を入れておいて頂けば
後ほど電話致します。
神戸・大阪方面の糖尿人・メタボ人の方々、
パワーポイント・スライドを使って
結構分かりやすくて面白いお話ですので
是非ご参加くださいね。
江部康二
<講演のお知らせ>
演題
「糖尿病・肥満と糖質制限食」
-糖尿病・肥満の画期的な新しい食事療法-
300人の入院糖尿病患者
900人の外来糖尿病患者
の実績をもとに
演者
高雄病院理事長
江部康二
著書
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
いずれも東洋経済新報社
日時 8月19日 日曜日
受付13:30~ 開演 14:00~15:30
講演終了後、質問コーナーあり
会場 神戸ポートピアホテル
本館地下1階 和楽の間
定員 100名
参加費 1000円
参加ご希望・お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
席をはずしていることもありますので、
留守電に連絡先を入れておいて頂けば
後ほど電話致します。
2007年07月24日 (火)
こんにちは。京都はほぼ快晴でとても良い天気なのですが、山の彼方は霞っぽいです。
富士見高原のペンション・ジョナサンのオーナーから午前中にメールが入って八ヶ岳は大快晴だそうです。
実は7.28土曜日から7.31まで、ペンション・ジョナサンで夏休みのテニス合宿にいってきます。
新月で快晴に恵まれたら、星降る夜と夜空にハッキリ・クッキリとかかる、ミルキー・ウェイを満喫できるのですが、果たして如何に?
さて、
ジミーさんから、尿酸についての質問がありました。
今回のブログは
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
を私の友人来須正幸先生が読まれて、要点をまとめられたプリントを参考にしました。来須先生ありがとうございました。
「糖質制限食を開始して6ヶ月になりました。80kgから66kgまで減りました。体重は減らなくなりましたが健康のため糖質制限食を続けています。先生の本のおかげです。ありがとうございます。
もし可能なら糖質制限食と高尿酸血症との関係について教えてもらえないでしょうか。私はもともと高尿酸血症で1ヶ月前に痛風の発作が発生しました。非常にストレスがかかる状態で働いていたのでそれが直接の原因と思っています。
ただ糖質制限食ではケトン体が尿に溶け出すため尿の酸性度が上がることになり酸性尿には尿酸が溶けにくくなるため尿酸値があがったのではとも思っています。実際に朝の尿のPHを測ると5でした。
勝手なお願いですが、高尿酸血症に対する食事のアドバイスがあればお願いします。
by: ジミー * 2007/07/23 18:43」
尿酸は、人体内でのプリン体の代謝によってできた残りカス(廃棄物)です。体内で、尿酸の濃度が高くなると、結晶化し、それが関節などに沈着して、痛風発作をおこします。
高尿酸血症で尿pHの低下(6.0未満)がある場合や、尿酸排泄促進薬で治療する場合には、尿路結石を生じやすいため、ウラリット(尿アルカリ化薬)の投与により、尿pHを6.0~7.0に保つことが必要となることもあります。
このように酸性尿だと尿酸が溶けにくいという問題は、腎臓から尿中に尿酸が排泄された後のお話ですので、尿路結石はできやすくなりますが、血中の尿酸が上昇することとは関係はありません。
糖質制限食の実践により、尿酸値がどう変化するかですが、基本的にはあまり影響はないようです。例えば、江部康二は2.4~2.7mg/dlと比較的低値です。
糖質制限食実践中の多くの患者さんでも、一定の傾向は見られず、本来持っている個人的体質が大きいと思われますが、体重減少がうまくいった人は、尿酸も減る傾向があるようです。
食生活ですが、意外なことにプリン体の多いものを避ける従来の食事療法はそんなに重要ではないことが最近わかりました。
次回はその説明を・・・
続く
江部康二
富士見高原のペンション・ジョナサンのオーナーから午前中にメールが入って八ヶ岳は大快晴だそうです。
実は7.28土曜日から7.31まで、ペンション・ジョナサンで夏休みのテニス合宿にいってきます。
新月で快晴に恵まれたら、星降る夜と夜空にハッキリ・クッキリとかかる、ミルキー・ウェイを満喫できるのですが、果たして如何に?
さて、
ジミーさんから、尿酸についての質問がありました。
今回のブログは
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
を私の友人来須正幸先生が読まれて、要点をまとめられたプリントを参考にしました。来須先生ありがとうございました。
「糖質制限食を開始して6ヶ月になりました。80kgから66kgまで減りました。体重は減らなくなりましたが健康のため糖質制限食を続けています。先生の本のおかげです。ありがとうございます。
もし可能なら糖質制限食と高尿酸血症との関係について教えてもらえないでしょうか。私はもともと高尿酸血症で1ヶ月前に痛風の発作が発生しました。非常にストレスがかかる状態で働いていたのでそれが直接の原因と思っています。
ただ糖質制限食ではケトン体が尿に溶け出すため尿の酸性度が上がることになり酸性尿には尿酸が溶けにくくなるため尿酸値があがったのではとも思っています。実際に朝の尿のPHを測ると5でした。
勝手なお願いですが、高尿酸血症に対する食事のアドバイスがあればお願いします。
by: ジミー * 2007/07/23 18:43」
尿酸は、人体内でのプリン体の代謝によってできた残りカス(廃棄物)です。体内で、尿酸の濃度が高くなると、結晶化し、それが関節などに沈着して、痛風発作をおこします。
高尿酸血症で尿pHの低下(6.0未満)がある場合や、尿酸排泄促進薬で治療する場合には、尿路結石を生じやすいため、ウラリット(尿アルカリ化薬)の投与により、尿pHを6.0~7.0に保つことが必要となることもあります。
このように酸性尿だと尿酸が溶けにくいという問題は、腎臓から尿中に尿酸が排泄された後のお話ですので、尿路結石はできやすくなりますが、血中の尿酸が上昇することとは関係はありません。
糖質制限食の実践により、尿酸値がどう変化するかですが、基本的にはあまり影響はないようです。例えば、江部康二は2.4~2.7mg/dlと比較的低値です。
糖質制限食実践中の多くの患者さんでも、一定の傾向は見られず、本来持っている個人的体質が大きいと思われますが、体重減少がうまくいった人は、尿酸も減る傾向があるようです。
食生活ですが、意外なことにプリン体の多いものを避ける従来の食事療法はそんなに重要ではないことが最近わかりました。
次回はその説明を・・・
続く
江部康二
2007年07月23日 (月)
こんばんは。
今日の夕食は家の近くの「和風さと」で、冷やし豆腐、マグロとアボカドのサラダ、剣先イカの刺身、焼きなす、おろし豚カツ、具沢山味噌汁と結構盛りだくさん食べました。
さすがにお腹いっぱいでしたね。腹八分目ではなくて、腹十分目でした。
豚カツのコロモが少し気になったので、血糖自己測定(SMBG)をしました。
60分後血糖値が123mg、120分後血糖値が132mgだったので、一応正常範囲にはおさまりました。
しかし、120分値の方が少し高値なのは、インスリンの追加分泌がやや遅延気味の2型糖尿病の特徴を示していて、糖質を普通に食べると食後血糖値は200mgを超えることは間違いありません。
まさに糖質制限食様々です。
糖質制限食を実践する限りは、私は糖尿人ではなく正常人です。
さて、よしさん、お久しぶりです。コメント・質問ありがとうございます。
皆さん(よしさんもお医者さんも含めて)どうしてもコレステロールのことは気になるのですね。
はい、一緒に何度でも考えてみましょう。
「糖質制限食とLDLコレステロール
江部先生、こんにちは、ご無沙汰しております。
今日はまた質問があるのですが…お忙しいのにすみません。
先週、月一のヘモグロビンの検査へ行ってきました。血糖値は5.5前後でずっと落ち着いているのですが、LDLコレステロールがこの2ヶ月で146、141と基準値を越えるようになりました。
HDLは85、中性脂肪は58であまり変りません。
担当の先生には糖質制限食のことを話しました。
先生は「それでLDLが上がっているのでは? 糖質制限をしてLDLが下がる人はそれが合っているのだろうけど、君の場合は上がったので合っていないのでは?」と言われました。
4月あたりまでは120以下の平常値でした。
気合を入れてスーパー糖質制限に切り替えたのは5月くらいからです。
先生のブログにもLDLは上がる人、下がる人が居ると書かれておられましたが、このまま糖質制限食を続けても良いのかどうかちょっと、悩み始めてしまいました。LDLを下げる薬を処方されるのも嫌だと思いが、でも自分自身は糖質制限食がとても気に入っているので…特に油脂をとりすぎてるとも思いません。
江部先生はどう思われるでしょうか?お忙しい中、時間を取らせてすみません。よろしくお願いします。
by: よし * 2007/07/22 14:22」
2007年4月に発表された、日本動脈硬化学会の新しいガイドラインは以下の如く
改正されました。
<脂質異常症の診断基準>
・LDLコレステロール値が140mg/dL以上
・HDLコレステロール値が40mg/dL未満
・トリグリセライド(中性脂肪)値が150mg/dL以上
危険因子が、加齢(男45才以上、女55才以上)、高血圧、心筋梗塞などの家族歴、糖尿病、喫煙、HDL-コレステロール40mg未満の6項目設定されています。
危険因子がゼロ(低リスク群)、危険因子1~2(中リスク群)、危険因子3以上(高リスク群)、そして心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群の4群が設定されています。
LDLコレステロール値ですが、
低リスク群は160未満、
中リスク群は140未満、
高リスク群は120未満、
心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群は、100未満が目標とされています。
<2004年の米国の基準>
LDLコレステロール値に基づく薬物療法開始は
低リスク者:190mg/dl以上
中程度リスク者:160mg/dl以上
ハイリスク者:130mg/dl以上
よしさんは、糖尿病と年齢が45才以上?の2項目があるので一応、中リスクとしても、米国の基準なら何ら問題なしということになります。
日本より約3倍心筋梗塞の多い米国でさえも160なのに、なぜ日本のガイドラインが140と、より厳しい設定になっているのか、かなりの疑問です。
この20~30の差で、日本の医療費の2000億~3000億円以上の薬代が違ってくるのですから、新ガイドラインも旧ガイドラインよりはほんの少しましですが、やっぱり怪しいし変です。
それから、LDLは、コレステロールという細胞膜などの大切な原料を末梢組織に運ぶ乗り物です。ですから、LDL-コレステロールは、決して悪玉ではありません。人体に必要なとてもいい奴なのです。
真の悪玉は、酸化LDLです。酸化LDLは、血液中で異物と見なされて大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ動脈硬化を起こし、心筋梗塞のリスクとなります。
酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
中性脂肪が多くてHDLコレステロールが少ない人は、酸化LDLが多くなり危険です。糖質制限食を実践すれば 、中性脂肪は減少しHDLコレステロールは上昇するので、酸化LDLは減少し、少々LDL-コレステロールが増えても安心なのです。
結論です。
よしさんは、このまま糖質制限食を続けて頂いて、何の問題もありません。よしさんのLDLコレステロール146、141は、毎日ちゃんと末梢組織に細胞膜の材料を運ぶといういい仕事をしてくれているのです。
**
6月9日~12日のコレステロール関連のブログも参照して頂けば幸いです。
江部康二
今日の夕食は家の近くの「和風さと」で、冷やし豆腐、マグロとアボカドのサラダ、剣先イカの刺身、焼きなす、おろし豚カツ、具沢山味噌汁と結構盛りだくさん食べました。
さすがにお腹いっぱいでしたね。腹八分目ではなくて、腹十分目でした。
豚カツのコロモが少し気になったので、血糖自己測定(SMBG)をしました。
60分後血糖値が123mg、120分後血糖値が132mgだったので、一応正常範囲にはおさまりました。
しかし、120分値の方が少し高値なのは、インスリンの追加分泌がやや遅延気味の2型糖尿病の特徴を示していて、糖質を普通に食べると食後血糖値は200mgを超えることは間違いありません。
まさに糖質制限食様々です。
糖質制限食を実践する限りは、私は糖尿人ではなく正常人です。
さて、よしさん、お久しぶりです。コメント・質問ありがとうございます。
皆さん(よしさんもお医者さんも含めて)どうしてもコレステロールのことは気になるのですね。
はい、一緒に何度でも考えてみましょう。
「糖質制限食とLDLコレステロール
江部先生、こんにちは、ご無沙汰しております。
今日はまた質問があるのですが…お忙しいのにすみません。
先週、月一のヘモグロビンの検査へ行ってきました。血糖値は5.5前後でずっと落ち着いているのですが、LDLコレステロールがこの2ヶ月で146、141と基準値を越えるようになりました。
HDLは85、中性脂肪は58であまり変りません。
担当の先生には糖質制限食のことを話しました。
先生は「それでLDLが上がっているのでは? 糖質制限をしてLDLが下がる人はそれが合っているのだろうけど、君の場合は上がったので合っていないのでは?」と言われました。
4月あたりまでは120以下の平常値でした。
気合を入れてスーパー糖質制限に切り替えたのは5月くらいからです。
先生のブログにもLDLは上がる人、下がる人が居ると書かれておられましたが、このまま糖質制限食を続けても良いのかどうかちょっと、悩み始めてしまいました。LDLを下げる薬を処方されるのも嫌だと思いが、でも自分自身は糖質制限食がとても気に入っているので…特に油脂をとりすぎてるとも思いません。
江部先生はどう思われるでしょうか?お忙しい中、時間を取らせてすみません。よろしくお願いします。
by: よし * 2007/07/22 14:22」
2007年4月に発表された、日本動脈硬化学会の新しいガイドラインは以下の如く
改正されました。
<脂質異常症の診断基準>
・LDLコレステロール値が140mg/dL以上
・HDLコレステロール値が40mg/dL未満
・トリグリセライド(中性脂肪)値が150mg/dL以上
危険因子が、加齢(男45才以上、女55才以上)、高血圧、心筋梗塞などの家族歴、糖尿病、喫煙、HDL-コレステロール40mg未満の6項目設定されています。
危険因子がゼロ(低リスク群)、危険因子1~2(中リスク群)、危険因子3以上(高リスク群)、そして心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群の4群が設定されています。
LDLコレステロール値ですが、
低リスク群は160未満、
中リスク群は140未満、
高リスク群は120未満、
心筋梗塞や狭心症の既往歴のある群は、100未満が目標とされています。
<2004年の米国の基準>
LDLコレステロール値に基づく薬物療法開始は
低リスク者:190mg/dl以上
中程度リスク者:160mg/dl以上
ハイリスク者:130mg/dl以上
よしさんは、糖尿病と年齢が45才以上?の2項目があるので一応、中リスクとしても、米国の基準なら何ら問題なしということになります。
日本より約3倍心筋梗塞の多い米国でさえも160なのに、なぜ日本のガイドラインが140と、より厳しい設定になっているのか、かなりの疑問です。
この20~30の差で、日本の医療費の2000億~3000億円以上の薬代が違ってくるのですから、新ガイドラインも旧ガイドラインよりはほんの少しましですが、やっぱり怪しいし変です。
それから、LDLは、コレステロールという細胞膜などの大切な原料を末梢組織に運ぶ乗り物です。ですから、LDL-コレステロールは、決して悪玉ではありません。人体に必要なとてもいい奴なのです。
真の悪玉は、酸化LDLです。酸化LDLは、血液中で異物と見なされて大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ動脈硬化を起こし、心筋梗塞のリスクとなります。
酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
中性脂肪が多くてHDLコレステロールが少ない人は、酸化LDLが多くなり危険です。糖質制限食を実践すれば 、中性脂肪は減少しHDLコレステロールは上昇するので、酸化LDLは減少し、少々LDL-コレステロールが増えても安心なのです。
結論です。
よしさんは、このまま糖質制限食を続けて頂いて、何の問題もありません。よしさんのLDLコレステロール146、141は、毎日ちゃんと末梢組織に細胞膜の材料を運ぶといういい仕事をしてくれているのです。
**
6月9日~12日のコレステロール関連のブログも参照して頂けば幸いです。
江部康二
2007年07月22日 (日)
東京・中野での 糖質制限食の講演会のご案内です。
アトピー・ネットワーク・リボーンのホームページから転載します。関東・東海方面の糖尿人、メタボ人の皆様、是非奮ってご参加くださいね。
<江部康二・糖質制限食講演会・第5弾>
開催日時 2007年09月02日
開催場所 東京都 中野
<食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム>
もう、毎日の食事をむずかしく考える必要はありません。
じつに簡単、無理のない方法で、楽しくたっぷり食べて、 確実に症状が改善する食事療法が生まれました。
<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 9時30~11時30分
<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員100名/申し込み先着順)
<糖質制限食のすすめ>
精製炭水化物(白米や白パン、うどん、パスタ、白砂糖、お菓子類)の摂りすぎ! これがすべての元凶なのです。
精製された炭水化物の糖質は消化吸収がはやいため、口にするたびに、ちょこちょこ血糖値の上昇(ミニスパイク)が起きてしまいます。
そのことが、結果的に代謝を不安定にし、生活習慣病全般の発症要因につながっている…。そう考えると、納得することばかり。
人類の食の歴史をひも解けば、こんなにシンプルだったのです!
生理学的な理論もしっかり確立しています。
そして…、具体的な食の提案「糖質制限食10カ条」が生まれました。
当日は、「糖質制限食」を軸に、糖尿病を中心に、肥満、メタボリックシンドロームなど、 生活習慣病全般の患者さん一人ひとりにあった食事指導を展開します。
明日からの食生活が楽しくなり、症状もぐんぐん改善することでしょう。
<ドクター江部と「糖質制限食」のプロフィール>
ドクター江部の長年にわたる食事療法の研究と臨床活動はいつも多くの話題を生んできました。
なかでも、2001年から糖尿病患者さんを中心に臨床実践している「糖質制限食」は、その日から確実に効果があり(急速な血糖値の改善)、患者さんの口コミが広がり、マスコミでも話題となっています。さらにウワサは広まり、医学界からも注目を集めはじめています。
この「糖質制限食」は、カラダの代謝機能全般を改善するもので、糖尿病だけでなく、メタボリックシンドローム系の他の病気(肥満・高血圧・高コレステロール症・動脈硬化)、アレルギー疾患全般にも、効果が認められています。欧米の潮流にものったもので、まさに日本の糖尿病治療食においてパイオニアになるでしょう。
高雄病院では、アトピーをはじめとするアレルギー疾患全般、喘息、ネフローゼ症候群、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム…などの生活習慣病改善に絶大の効果をあげ、全国から入院患者があとを絶ちません。
自ら食事療法の大切さに気づいたのは20数年前、西洋医学も東洋医学も薬だけの治療では限界に気づいてのことでした。
医師が食事療法を積極的に臨床にとりいれるのは極めてめずらしいことです。その意味でドクター江部は、とてもユニークなお医者さん。診療だけでなく、講演会でも「明瞭かつ楽しく、人の心を軽くする」その人柄に魅かれる患者さんがとても多いのです。
著書『ドクター江部のアトピー学校??』『糖質制限食のすすめ 主食を抜けば糖尿病は良くなる!』『糖尿病が良くなるごちそうレシピ 糖質制限食の実践法』『糖質制限食 春のレシピ』『糖質制限食 夏のレシピ』(東洋経済新報社)など多数。
[お申し込み方法]
◆予約申込◆席に限りがあります。なるべく予約申込してください。
・電話、ファックスまたはeメールで予約してください。
・事前に郵便振替で会費をご送金ください。
・郵便振用紙の通信欄に、(住所・氏名・電話番号)を明記してください。
・郵便振替用紙の控えを受領書とします。
・振込後の払い戻しはできませんのでご了承ください。
◆当日受付◆席に余裕がある場合受付けます。
・直接会場にお越しください。
・満席の場合にはお断りすることになりますので、ご了承ください。
・前日に留守電のメッセージで空席の状況を流しますのでお聞きください。
※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。
郵便振替
口座番号 00180-2-771553
口座名称 アトピー・ネットワーク・リボーン
<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp
主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部
アトピー・ネットワーク・リボーンのホームページから転載します。関東・東海方面の糖尿人、メタボ人の皆様、是非奮ってご参加くださいね。
<江部康二・糖質制限食講演会・第5弾>
開催日時 2007年09月02日
開催場所 東京都 中野
<食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム>
もう、毎日の食事をむずかしく考える必要はありません。
じつに簡単、無理のない方法で、楽しくたっぷり食べて、 確実に症状が改善する食事療法が生まれました。
<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 9時30~11時30分
<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員100名/申し込み先着順)
<糖質制限食のすすめ>
精製炭水化物(白米や白パン、うどん、パスタ、白砂糖、お菓子類)の摂りすぎ! これがすべての元凶なのです。
精製された炭水化物の糖質は消化吸収がはやいため、口にするたびに、ちょこちょこ血糖値の上昇(ミニスパイク)が起きてしまいます。
そのことが、結果的に代謝を不安定にし、生活習慣病全般の発症要因につながっている…。そう考えると、納得することばかり。
人類の食の歴史をひも解けば、こんなにシンプルだったのです!
生理学的な理論もしっかり確立しています。
そして…、具体的な食の提案「糖質制限食10カ条」が生まれました。
当日は、「糖質制限食」を軸に、糖尿病を中心に、肥満、メタボリックシンドロームなど、 生活習慣病全般の患者さん一人ひとりにあった食事指導を展開します。
明日からの食生活が楽しくなり、症状もぐんぐん改善することでしょう。
<ドクター江部と「糖質制限食」のプロフィール>
ドクター江部の長年にわたる食事療法の研究と臨床活動はいつも多くの話題を生んできました。
なかでも、2001年から糖尿病患者さんを中心に臨床実践している「糖質制限食」は、その日から確実に効果があり(急速な血糖値の改善)、患者さんの口コミが広がり、マスコミでも話題となっています。さらにウワサは広まり、医学界からも注目を集めはじめています。
この「糖質制限食」は、カラダの代謝機能全般を改善するもので、糖尿病だけでなく、メタボリックシンドローム系の他の病気(肥満・高血圧・高コレステロール症・動脈硬化)、アレルギー疾患全般にも、効果が認められています。欧米の潮流にものったもので、まさに日本の糖尿病治療食においてパイオニアになるでしょう。
高雄病院では、アトピーをはじめとするアレルギー疾患全般、喘息、ネフローゼ症候群、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム…などの生活習慣病改善に絶大の効果をあげ、全国から入院患者があとを絶ちません。
自ら食事療法の大切さに気づいたのは20数年前、西洋医学も東洋医学も薬だけの治療では限界に気づいてのことでした。
医師が食事療法を積極的に臨床にとりいれるのは極めてめずらしいことです。その意味でドクター江部は、とてもユニークなお医者さん。診療だけでなく、講演会でも「明瞭かつ楽しく、人の心を軽くする」その人柄に魅かれる患者さんがとても多いのです。
著書『ドクター江部のアトピー学校??』『糖質制限食のすすめ 主食を抜けば糖尿病は良くなる!』『糖尿病が良くなるごちそうレシピ 糖質制限食の実践法』『糖質制限食 春のレシピ』『糖質制限食 夏のレシピ』(東洋経済新報社)など多数。
[お申し込み方法]
◆予約申込◆席に限りがあります。なるべく予約申込してください。
・電話、ファックスまたはeメールで予約してください。
・事前に郵便振替で会費をご送金ください。
・郵便振用紙の通信欄に、(住所・氏名・電話番号)を明記してください。
・郵便振替用紙の控えを受領書とします。
・振込後の払い戻しはできませんのでご了承ください。
◆当日受付◆席に余裕がある場合受付けます。
・直接会場にお越しください。
・満席の場合にはお断りすることになりますので、ご了承ください。
・前日に留守電のメッセージで空席の状況を流しますのでお聞きください。
※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。
郵便振替
口座番号 00180-2-771553
口座名称 アトピー・ネットワーク・リボーン
<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp
主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部
2007年07月22日 (日)
おはようございます。昨夜は、同級生5人が集まって鶏鍋を食べてきました。
ごく最近、同級生の一人が亡くなられたのでしんみりと偲ぶ会だったのですが、最後はいきなりホメオパシーと量子力学と特殊相対性理論・・・で激論となり、
ウーム。盛り上がったのですかね。
さて心配性さん、コメント・質問ありがとうございます。
「地震にあったら
江部先生に質問です。地震の報道を見ての質問です。地震被害地では、救助食品は糖質だけみたいです。おにぎり、菓子パンなど。投薬なしで糖質制限食を信奉している私としては、心配です。まさか、配給食の度に「ちょっと運動に行ってきます。運動しないと血糖値が危ないもんで」なんて言えませんよね。どうしましょう。
by: 心配性 * 2007/07/19 21:23」
あらてつさんのブログでも、新潟県中越沖地震の被災者の方々へのお見舞いのコメントと共に、救援食品が炭水化物ばかりだったというコメントがいくつか載っていました。
安くて保存しやすく、大量に用意でき、すぐに搬送でき、調理も要らずにそのまま食べてお腹がふくれるもの・・・。
結果として炭水化物ばかりになってしまうのも、あるていどやむを得ないこととは思います。
糖質制限食普及センターの、大豆クッキーや大豆フィナンシェは、糖尿人の緊急時のお役に立てそうですが、どうしても小麦製品に比べれば割高ですよね。
あと、日常食としても緊急時の食品としても利用できるので「備えあれば憂いなし」ということで、各種缶詰は如何でしょう。
心配性さんも自宅に備蓄しておかれるのもよいかも。
糖質制限食合格のコンビーフ、ツナ、マグロ、カツオ、カキ、ホタテ、豚肉、アスパラ・・・。
缶詰って保存料が入ってないのに長期間腐らないのでなかなかの優れものですね。食品を缶につめて中の空気をぬいて密封し、熱を加えて完全殺菌するので長期保存可能なんです。
ところで缶詰や瓶詰めのルーツですが、1804年、かの有名なナポレオンが遠征の時の食料確保に悩まされていて、新しい食品貯蔵法を懸賞つきで公募したんです。
これにこたえて、フランスのニコラ・アペールにより長期保存可能な瓶詰めが発明されました。
ガラス瓶は重くて壊れやすいので、1810年にイギリスのピーター・デュランドが、金属製容器に食品を入れる缶詰を発明しました。
このように缶詰は、初期には主に軍用食として利用されていました。
特に、アメリカの南北戦争で多く使用されて、のちに一般向けにも製造されるようになりました。
現在では、災害対策用の備蓄用食品としても各都道府県に確保されていると思いますので、糖尿人には心強い味方となりますね。
まあ、糖尿人が被災したときに、「パンやおにぎりは要らんからマグロの缶詰ください」というような台詞が、周囲の人から「変???」と思われないていどに、<糖尿病と 糖質制限食>の知識・情報が日本中に広がっていくように不肖江部康二、力を注いでいきたいと考えています。
ごく最近、同級生の一人が亡くなられたのでしんみりと偲ぶ会だったのですが、最後はいきなりホメオパシーと量子力学と特殊相対性理論・・・で激論となり、
ウーム。盛り上がったのですかね。
さて心配性さん、コメント・質問ありがとうございます。
「地震にあったら
江部先生に質問です。地震の報道を見ての質問です。地震被害地では、救助食品は糖質だけみたいです。おにぎり、菓子パンなど。投薬なしで糖質制限食を信奉している私としては、心配です。まさか、配給食の度に「ちょっと運動に行ってきます。運動しないと血糖値が危ないもんで」なんて言えませんよね。どうしましょう。
by: 心配性 * 2007/07/19 21:23」
あらてつさんのブログでも、新潟県中越沖地震の被災者の方々へのお見舞いのコメントと共に、救援食品が炭水化物ばかりだったというコメントがいくつか載っていました。
安くて保存しやすく、大量に用意でき、すぐに搬送でき、調理も要らずにそのまま食べてお腹がふくれるもの・・・。
結果として炭水化物ばかりになってしまうのも、あるていどやむを得ないこととは思います。
糖質制限食普及センターの、大豆クッキーや大豆フィナンシェは、糖尿人の緊急時のお役に立てそうですが、どうしても小麦製品に比べれば割高ですよね。
あと、日常食としても緊急時の食品としても利用できるので「備えあれば憂いなし」ということで、各種缶詰は如何でしょう。
心配性さんも自宅に備蓄しておかれるのもよいかも。
糖質制限食合格のコンビーフ、ツナ、マグロ、カツオ、カキ、ホタテ、豚肉、アスパラ・・・。
缶詰って保存料が入ってないのに長期間腐らないのでなかなかの優れものですね。食品を缶につめて中の空気をぬいて密封し、熱を加えて完全殺菌するので長期保存可能なんです。
ところで缶詰や瓶詰めのルーツですが、1804年、かの有名なナポレオンが遠征の時の食料確保に悩まされていて、新しい食品貯蔵法を懸賞つきで公募したんです。
これにこたえて、フランスのニコラ・アペールにより長期保存可能な瓶詰めが発明されました。
ガラス瓶は重くて壊れやすいので、1810年にイギリスのピーター・デュランドが、金属製容器に食品を入れる缶詰を発明しました。
このように缶詰は、初期には主に軍用食として利用されていました。
特に、アメリカの南北戦争で多く使用されて、のちに一般向けにも製造されるようになりました。
現在では、災害対策用の備蓄用食品としても各都道府県に確保されていると思いますので、糖尿人には心強い味方となりますね。
まあ、糖尿人が被災したときに、「パンやおにぎりは要らんからマグロの缶詰ください」というような台詞が、周囲の人から「変???」と思われないていどに、<糖尿病と 糖質制限食>の知識・情報が日本中に広がっていくように不肖江部康二、力を注いでいきたいと考えています。
2007年07月21日 (土)
こんにちは。
昨夜は金曜ライブで盛り上がり、声がガラガラになってしまいました。
焼酎を飲みながら歌うと良くないのは解っているのですが、なかなかやめられないのですね、これが・・・ (×。×)
声帯ポリープも手術せずに大事に持っている身ですから、あかんに決まってますよね・・・。
はい、当然同級生の耳鼻科医(内視鏡でポリープ確認してもらいました)にも「もってのほか!!」と言われてます。
「わかっちゃいるけどやめられない。」
ウーム、アルコールがダメで、 糖質制限食を実践しているけど、ケーキ・パン・饅頭大好きの糖尿人の気持ちも、ちょっぴり理解できる今日の江部康二です。
さて、エコナについての質問です。
<「トランス脂肪酸」大変勉強になります。
「トランス脂肪酸」大変勉強になります。
高雄病院での初診の際、栄養指導を受けました。
その時に、「エコナ」等のコレステロールを下げると言われている食品を使用している旨申し上げたところ、普通の油脂やマヨネーズの方が良いと教えられました。
オリーブオイルが一番いいとのことでした。
「エコナ」等には、トランス脂肪酸が多く含まれているのでしょうか?
by: xiangdao * 2007/07/20 10:12>
xiangdaoさん、エコナも植物性油脂を人工的に加工した油脂なので、人工のトランス脂肪酸が含まれています。しかも、市販の植物油よりずっと多く(5.2%)、トランス脂肪酸の総量を3%以下に下げる努力をしている最中ということです。
従って、わざわざ、人工のトランス脂肪酸の含有量の多いエコナを使う必要はありません。
また、エコナに含まれているジアシルグリセロールについて、オスのラットを使った実験で、「舌において扁平上皮ガンを促進させる作用」があることが示唆されました。
現在、厚生労働省は製油会社に再調査を指示しているようです。
ジアシルグリセロールが大腸ポリープを選択的に刺激する可能性、発がんのプロモーターとして作用する可能性も理論的に危惧されましたが、動物実験では大丈夫だったようです。( 薬事・食品衛生審議会、2003・6・16)
結論です。
少なくとも、私はエコナは使いません。
昨夜は金曜ライブで盛り上がり、声がガラガラになってしまいました。
焼酎を飲みながら歌うと良くないのは解っているのですが、なかなかやめられないのですね、これが・・・ (×。×)
声帯ポリープも手術せずに大事に持っている身ですから、あかんに決まってますよね・・・。
はい、当然同級生の耳鼻科医(内視鏡でポリープ確認してもらいました)にも「もってのほか!!」と言われてます。
「わかっちゃいるけどやめられない。」
ウーム、アルコールがダメで、 糖質制限食を実践しているけど、ケーキ・パン・饅頭大好きの糖尿人の気持ちも、ちょっぴり理解できる今日の江部康二です。
さて、エコナについての質問です。
<「トランス脂肪酸」大変勉強になります。
「トランス脂肪酸」大変勉強になります。
高雄病院での初診の際、栄養指導を受けました。
その時に、「エコナ」等のコレステロールを下げると言われている食品を使用している旨申し上げたところ、普通の油脂やマヨネーズの方が良いと教えられました。
オリーブオイルが一番いいとのことでした。
「エコナ」等には、トランス脂肪酸が多く含まれているのでしょうか?
by: xiangdao * 2007/07/20 10:12>
xiangdaoさん、エコナも植物性油脂を人工的に加工した油脂なので、人工のトランス脂肪酸が含まれています。しかも、市販の植物油よりずっと多く(5.2%)、トランス脂肪酸の総量を3%以下に下げる努力をしている最中ということです。
従って、わざわざ、人工のトランス脂肪酸の含有量の多いエコナを使う必要はありません。
また、エコナに含まれているジアシルグリセロールについて、オスのラットを使った実験で、「舌において扁平上皮ガンを促進させる作用」があることが示唆されました。
現在、厚生労働省は製油会社に再調査を指示しているようです。
ジアシルグリセロールが大腸ポリープを選択的に刺激する可能性、発がんのプロモーターとして作用する可能性も理論的に危惧されましたが、動物実験では大丈夫だったようです。( 薬事・食品衛生審議会、2003・6・16)
結論です。
少なくとも、私はエコナは使いません。
2007年07月20日 (金)
おはようございます。京都はドンヨリとした曇り空です。
高級な傘は、何故かほとんど出かけ先で忘れてくる私で、
家には100円のビニール傘ばかり残っています。 (´・⊇・`)
100円傘は不思議に忘れないんですよね。
さて、Sallyさんからコメント頂きました。
「先生、はじめまして。
3ヶ月前、職場の健康診断で空腹時血糖128、A1C7.2で糖尿病を指摘された者です。
それから色々と調べているうちに先生のブログを知り、本も購入して早速糖質制限食を実践しました。
体重は7kg減り、先日の血液検査で食後2時間値が112、A1Cは5.7まで改善しました。とても嬉しく、先生には感謝しています。
ただ、血清鉄が低く、LDLコレステロールが高かった(こちらは前回は検査していません)ので、これからも心して食事療法を続けて行くつもりです。
お忙しい中の更新、大変だとは思いますがいつもブログを楽しみにしていますのでこれからもよろしくお願いします。
by: Sally * 2007/07/19 00:12」
Sally さん、糖質制限食で血糖値、HbA1cの見事な改善、そして7kgのダイエット成功、まずはおめでとうございます。本も購入頂き、ありがとうございました。
コレステロールに関しても、糖質制限食の実践でHDL-コレステロールが増えてきます。LDLコレステロールは人によって様々ですが、中性脂肪は減少しますので、本当に悪者の「酸化LDLコレステロール」は減少します。(詳しくはブログのカテゴリー、コレステロールの項を参照してください)つまり、代謝全てが良くなりますので、安心して糖質制限食を続けてください。
Sally さんのように食事療法単独の人は、何の心配もなく 糖質制限食を始めても大丈夫です。しかし気をつけて欲しいこともあります。
以下はいつもの注意書きですので、参考にしてください。
<糖質制限食に関するご注意>
本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため、既に経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので、必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
高級な傘は、何故かほとんど出かけ先で忘れてくる私で、
家には100円のビニール傘ばかり残っています。 (´・⊇・`)
100円傘は不思議に忘れないんですよね。
さて、Sallyさんからコメント頂きました。
「先生、はじめまして。
3ヶ月前、職場の健康診断で空腹時血糖128、A1C7.2で糖尿病を指摘された者です。
それから色々と調べているうちに先生のブログを知り、本も購入して早速糖質制限食を実践しました。
体重は7kg減り、先日の血液検査で食後2時間値が112、A1Cは5.7まで改善しました。とても嬉しく、先生には感謝しています。
ただ、血清鉄が低く、LDLコレステロールが高かった(こちらは前回は検査していません)ので、これからも心して食事療法を続けて行くつもりです。
お忙しい中の更新、大変だとは思いますがいつもブログを楽しみにしていますのでこれからもよろしくお願いします。
by: Sally * 2007/07/19 00:12」
Sally さん、糖質制限食で血糖値、HbA1cの見事な改善、そして7kgのダイエット成功、まずはおめでとうございます。本も購入頂き、ありがとうございました。
コレステロールに関しても、糖質制限食の実践でHDL-コレステロールが増えてきます。LDLコレステロールは人によって様々ですが、中性脂肪は減少しますので、本当に悪者の「酸化LDLコレステロール」は減少します。(詳しくはブログのカテゴリー、コレステロールの項を参照してください)つまり、代謝全てが良くなりますので、安心して糖質制限食を続けてください。
Sally さんのように食事療法単独の人は、何の心配もなく 糖質制限食を始めても大丈夫です。しかし気をつけて欲しいこともあります。
以下はいつもの注意書きですので、参考にしてください。
<糖質制限食に関するご注意>
本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため、既に経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので、必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。
江部康二
2007年07月19日 (木)
こんばんは。明日は第三金曜日、私のバンドのライブの日です。
で、今日はリハーサルがあってもうすぐ出かけるので、その前にブログを。
今回は、トランス脂肪酸篇の続きです。
食品の三大栄養素はタンパク質、糖質及び脂質ですが、その脂質を構成しているのが脂肪酸です。
トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、加工油脂やそれらを使用した加工食品に含まれています。トランス脂肪酸には様々な種類があり、国際的にトランス脂肪酸に関する明確な定義や測定法が統一されていないのが現状です
トランス脂肪酸の生成については、次の三つの過程が考えられています。
(1) 油を高温で加熱する過程において生成
(2) 植物油等の加工に際し水素添加の過程において生成
(3) 自然界において、牛など(反芻動物)の第一胃内でバクテリアにより生成(脂肪や肉などに少量含まれる)
*日本の食品に含まれる総脂肪酸中のトランス型脂肪酸の平均割合(天然と人工込み)
マーガリン 13.5%
バター 4.1%
チーズ 5.7%
牛乳 4.5%
食パン 9.3%
ドーナツ 0.8~23.9%
フライドポテト 0.8~19.5%
レトルトカレー 6.2%
牛肉バラ 4.9%
牛肉ヒレ 2.7%
(日本食品油脂検査協会調べ)
1)
ヘキサンなどの溶媒を使用して、高温で抽出された植物性油脂(市販大豆油、コーン油、ナタネ油など)や、高温の植物性油脂を使って調理した食品(揚げ物、フライ、天ぷらなど)、植物性油脂を含み高温で調理された食品(スナック菓子、冷凍食品など)などには、油脂の高温処理という過程で産生される、人工のトランス脂肪酸が多く含まれていることが分かってきました。
フライドチキンやポテトチップなど毎日食べたりするのは危険かも・・・
2)
マーガリン類(マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング)の原材料には、食用植物油脂と硬化油脂が使用されています。
食用植物油脂はサラダ油の原料でもある比較的安価な大豆油、菜種油、コーン油などがよく使われます。
これらの油脂は、常温では液状です。これに適度な硬さを付加してマーガリンにするために、硬化油脂(水素添加して固体状にした油脂)を配合します。
この硬化油脂を製造する工程で、トランス脂肪酸が発生します。したがって、硬化油脂を使用しているマーガリン類には人工のトランス脂肪酸が含まれることになります。
3)
牛などの反芻動物の胃内に共生するバクテリアは、シス型の不飽和脂肪酸をトランス型に変換する特殊な酵素を持っています。このバクテリアが産生するトランス脂肪酸は主にバクセン酸です。
一方、人工の硬化油脂等には、エライジン酸など、多種類のトランス脂肪酸が含まれています。
牛肉や乳製品には、2-5%程度のトランス脂肪酸が含まれていますが、その大部分はバクセン酸です。バクセン酸は、エライジン酸とは不飽和結合の位置が異なる位置異性体です。
摂取されたバクセン酸は、生体内にある酵素の働きで、共役不飽和脂肪酸の一種に変換され生理的に利用されることがわかっています。
人工の硬化油脂には、バクセン酸以外のトランス脂肪酸が多く、硬化油脂に含まれるトランス脂肪酸の大部分は、生体内でも共役不飽和脂肪酸に変換されず代謝されないので、生体内に何らかのかく乱を生じる可能性があります。
いやはや、トランス脂肪酸篇、かなり苦労しました。
天然のトランス脂肪酸と人工のトランス脂肪酸が、同じなのか違うのか?
なかなか、わからなくて求めるホームページにたどり着くまで大変でした。(´ε`)
結論
同じ名称のトランス脂肪酸でも、人体に悪影響がありそうなのは、水素添加あるいは加熱による人工的なトランス脂肪酸です。天然のトランス脂肪酸は、人体内で代謝され利用され、ガン予防作用の可能性もあり、問題はなさそうです。
江部康二
で、今日はリハーサルがあってもうすぐ出かけるので、その前にブログを。
今回は、トランス脂肪酸篇の続きです。
食品の三大栄養素はタンパク質、糖質及び脂質ですが、その脂質を構成しているのが脂肪酸です。
トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、加工油脂やそれらを使用した加工食品に含まれています。トランス脂肪酸には様々な種類があり、国際的にトランス脂肪酸に関する明確な定義や測定法が統一されていないのが現状です
トランス脂肪酸の生成については、次の三つの過程が考えられています。
(1) 油を高温で加熱する過程において生成
(2) 植物油等の加工に際し水素添加の過程において生成
(3) 自然界において、牛など(反芻動物)の第一胃内でバクテリアにより生成(脂肪や肉などに少量含まれる)
*日本の食品に含まれる総脂肪酸中のトランス型脂肪酸の平均割合(天然と人工込み)
マーガリン 13.5%
バター 4.1%
チーズ 5.7%
牛乳 4.5%
食パン 9.3%
ドーナツ 0.8~23.9%
フライドポテト 0.8~19.5%
レトルトカレー 6.2%
牛肉バラ 4.9%
牛肉ヒレ 2.7%
(日本食品油脂検査協会調べ)
1)
ヘキサンなどの溶媒を使用して、高温で抽出された植物性油脂(市販大豆油、コーン油、ナタネ油など)や、高温の植物性油脂を使って調理した食品(揚げ物、フライ、天ぷらなど)、植物性油脂を含み高温で調理された食品(スナック菓子、冷凍食品など)などには、油脂の高温処理という過程で産生される、人工のトランス脂肪酸が多く含まれていることが分かってきました。
フライドチキンやポテトチップなど毎日食べたりするのは危険かも・・・
2)
マーガリン類(マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング)の原材料には、食用植物油脂と硬化油脂が使用されています。
食用植物油脂はサラダ油の原料でもある比較的安価な大豆油、菜種油、コーン油などがよく使われます。
これらの油脂は、常温では液状です。これに適度な硬さを付加してマーガリンにするために、硬化油脂(水素添加して固体状にした油脂)を配合します。
この硬化油脂を製造する工程で、トランス脂肪酸が発生します。したがって、硬化油脂を使用しているマーガリン類には人工のトランス脂肪酸が含まれることになります。
3)
牛などの反芻動物の胃内に共生するバクテリアは、シス型の不飽和脂肪酸をトランス型に変換する特殊な酵素を持っています。このバクテリアが産生するトランス脂肪酸は主にバクセン酸です。
一方、人工の硬化油脂等には、エライジン酸など、多種類のトランス脂肪酸が含まれています。
牛肉や乳製品には、2-5%程度のトランス脂肪酸が含まれていますが、その大部分はバクセン酸です。バクセン酸は、エライジン酸とは不飽和結合の位置が異なる位置異性体です。
摂取されたバクセン酸は、生体内にある酵素の働きで、共役不飽和脂肪酸の一種に変換され生理的に利用されることがわかっています。
人工の硬化油脂には、バクセン酸以外のトランス脂肪酸が多く、硬化油脂に含まれるトランス脂肪酸の大部分は、生体内でも共役不飽和脂肪酸に変換されず代謝されないので、生体内に何らかのかく乱を生じる可能性があります。
いやはや、トランス脂肪酸篇、かなり苦労しました。
天然のトランス脂肪酸と人工のトランス脂肪酸が、同じなのか違うのか?
なかなか、わからなくて求めるホームページにたどり着くまで大変でした。(´ε`)
結論
同じ名称のトランス脂肪酸でも、人体に悪影響がありそうなのは、水素添加あるいは加熱による人工的なトランス脂肪酸です。天然のトランス脂肪酸は、人体内で代謝され利用され、ガン予防作用の可能性もあり、問題はなさそうです。
江部康二
2007年07月18日 (水)
こんばんは。
夜診が終わって、短角牛・黒毛和牛の焼き肉を食べて、さっき帰宅しました。
今はアサヒスタイルフリーを飲みながらブログを書いています。
さて今日は、トランス脂肪酸のお話です。
アメリカ・ニューヨーク市の健康問題委員会は、2006年12月5日、同市内の飲食店2万4000軒に対し、虚血性心疾患の一因とされている人工添加物・トランス脂肪酸を含む食用油の使用を全面的に禁止する決定(段階的にですが)を行いました。
具体的な数値としては、日本での摂取量は1.56グラム/日なのに対し、アメリカでは5.8グラム/日ものトランス脂肪酸を摂取しているそうです。
日本の厚生労働省はこの報道を受けて、「日本人はトランス脂肪酸の摂取量は少ないので特に制限する必要はない」とのコメントをだしました。
しかしながら、FAO/WHO食事・栄養及び慢性疾病予防に関する合同専門家会合(2002年開催)や米国のFDA(食品医薬品庁)は、食事中のトランス脂肪酸をエネルギーの1%以下にするよう勧告しています。
いくら日本の厚生労働省が大丈夫といっても、私はわざわざ水素添加などの人工的なトランス脂肪酸を摂取する気にはなれません。人工的なトランス脂肪酸は生体内でまともに代謝するシステムがないので、細胞膜などに紛れ込むと病理的かく乱を生じる恐れがあります。
人工的トランス脂肪酸は 、炎症反応を増加させ血管内皮を損傷させるため、虚血性心疾患に悪影響を与えるとされ、摂取量が増えると気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の罹患率が上がることも報告されています。
さらに、胎児や乳児の発達に影響を及ぼす可能性や、認知症の誘因の可能性も指摘されています。
動植物で作られる脂肪酸は、通常ほとんどがシス型ですが、牛や羊などの反芻動物の脂肪分には、少量の天然のトランス脂肪酸が含まれています。
例えば、牛乳やバターやチーズにも含まれています。この天然のトランス脂肪酸は、人工的なトランス脂肪酸とは成分が異なり、生体内で共役リノール酸などに変換されます。共役リノール酸には発ガン予防作用があると言われています。つまりお役に立っているわけです。
従って同じトランス脂肪酸と名称がついていても、水素添加の人工的トランス脂肪酸と天然のトランス脂肪酸は、似て非なるものとしっかり認識しておく必要があります。
<続く>
江部康二
夜診が終わって、短角牛・黒毛和牛の焼き肉を食べて、さっき帰宅しました。
今はアサヒスタイルフリーを飲みながらブログを書いています。
さて今日は、トランス脂肪酸のお話です。
アメリカ・ニューヨーク市の健康問題委員会は、2006年12月5日、同市内の飲食店2万4000軒に対し、虚血性心疾患の一因とされている人工添加物・トランス脂肪酸を含む食用油の使用を全面的に禁止する決定(段階的にですが)を行いました。
具体的な数値としては、日本での摂取量は1.56グラム/日なのに対し、アメリカでは5.8グラム/日ものトランス脂肪酸を摂取しているそうです。
日本の厚生労働省はこの報道を受けて、「日本人はトランス脂肪酸の摂取量は少ないので特に制限する必要はない」とのコメントをだしました。
しかしながら、FAO/WHO食事・栄養及び慢性疾病予防に関する合同専門家会合(2002年開催)や米国のFDA(食品医薬品庁)は、食事中のトランス脂肪酸をエネルギーの1%以下にするよう勧告しています。
いくら日本の厚生労働省が大丈夫といっても、私はわざわざ水素添加などの人工的なトランス脂肪酸を摂取する気にはなれません。人工的なトランス脂肪酸は生体内でまともに代謝するシステムがないので、細胞膜などに紛れ込むと病理的かく乱を生じる恐れがあります。
人工的トランス脂肪酸は 、炎症反応を増加させ血管内皮を損傷させるため、虚血性心疾患に悪影響を与えるとされ、摂取量が増えると気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の罹患率が上がることも報告されています。
さらに、胎児や乳児の発達に影響を及ぼす可能性や、認知症の誘因の可能性も指摘されています。
動植物で作られる脂肪酸は、通常ほとんどがシス型ですが、牛や羊などの反芻動物の脂肪分には、少量の天然のトランス脂肪酸が含まれています。
例えば、牛乳やバターやチーズにも含まれています。この天然のトランス脂肪酸は、人工的なトランス脂肪酸とは成分が異なり、生体内で共役リノール酸などに変換されます。共役リノール酸には発ガン予防作用があると言われています。つまりお役に立っているわけです。
従って同じトランス脂肪酸と名称がついていても、水素添加の人工的トランス脂肪酸と天然のトランス脂肪酸は、似て非なるものとしっかり認識しておく必要があります。
<続く>
江部康二
2007年07月17日 (火)
再び糖質制限食講演のお知らせです。
神戸・大阪方面の糖尿人・メタボ人の方々、
パワーポイント・スライドを使って
結構分かりやすくて面白いお話ですので
是非ご参加くださいね。
江部康二
<講演のお知らせ>
演題
「糖尿病・肥満と糖質制限食」
-糖尿病・肥満の画期的な新しい食事療法-
300人の入院糖尿病患者
900人の外来糖尿病患者
の実績をもとに
演者
高雄病院理事長
江部康二
著書
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
いずれも東洋経済新報社
日時 8月19日 日曜日
受付13:30~ 開演 14:00~15:30
講演終了後、質問コーナーあり
会場 神戸ポートピアホテル
本館地下1階 和楽の間
定員 100名
参加費 1000円
参加ご希望・お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
席をはずしていることもありますので、
留守電に連絡先を入れておいて頂けば
後ほど電話致します。
神戸・大阪方面の糖尿人・メタボ人の方々、
パワーポイント・スライドを使って
結構分かりやすくて面白いお話ですので
是非ご参加くださいね。
江部康二
<講演のお知らせ>
演題
「糖尿病・肥満と糖質制限食」
-糖尿病・肥満の画期的な新しい食事療法-
300人の入院糖尿病患者
900人の外来糖尿病患者
の実績をもとに
演者
高雄病院理事長
江部康二
著書
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
いずれも東洋経済新報社
日時 8月19日 日曜日
受付13:30~ 開演 14:00~15:30
講演終了後、質問コーナーあり
会場 神戸ポートピアホテル
本館地下1階 和楽の間
定員 100名
参加費 1000円
参加ご希望・お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
席をはずしていることもありますので、
留守電に連絡先を入れておいて頂けば
後ほど電話致します。
2007年07月17日 (火)
こんにちは。
米国ロサンゼルス在住のKさんから情報と質問がありました。
Low Carb米国事情、私だけでなくブログ読者の皆さんも興味があると思いますので、Q&Aとしました。
「ありがとうございます
早速私の質問に答えてくださってありがとうございます。
先生の本は主食を抜けばを入れて4冊ともこちらの日系書店に置いてありましたよ。
大豆食品はOKということだったので、今日もおからでマフィンを作っています。大豆食品以外にも野菜や海草、魚も取っていますが、私は小さい頃から続くアトピーがいまだ治らず、肉、特に牛肉を食べるとかゆくなるのであまり食べれず、これからも大豆食品のお世話になりそうです。
ちょっと前まで先生のアトピーの本もあって買いに行ったのですがなくなってしまっていました。もう少し探して読んでみます。
スーパーやレストランなどで<低糖質食>と表示してある食品が増えているかというご質問ですが、確かにレストランのメニューでもスーパーの冷凍食品やスナックでもLow Carbと書いてあるのは本当によく見かけます。Low Carbダイエットが流行って以降ですね、みるようになったのは。
もう一つ質問です。食後血糖値を測るのは、食後2時間以内に測るべきなのでしょうか、それとも2時間経ったときなのか、2時間後なのか、いつ測ればいいのでしょうか。
いつもありがとうございます。
by: K * 2007/07/16 14:05」
Kさん、Low Carb食品の情報ありがとうございます。参考になります。
また4冊ともあって、アトピーの本まで置いてあったとは日系書店さんに感謝です。
ネットの記事やマスコミなどの情報で、「米国が低糖質食の流れにシフトしつつある」ということは知っていたのですが、現地で実際に「レストランのメニュー、スーパーの冷凍食品、スナックでもLow Carbと書いてあるものを本当によく見かける」というのはとても興味深い貴重な情報です。
糖質制限食啓蒙活動中の私としては、とても嬉しいですね。
そういえば、やはり米国在住の糖尿人の患者さんがたまたま日本に帰国して高雄病院の外来に7月に来られました。
有名な病院の糖尿病専門外来に受診されたのですが、ドクターは忙しくてあまり説明はなく、ナースがいろいろアドバイスしてくれたそうです。
その時、患者会に入会するよう言われて、米国で一番大きな患者会に入会したそうです。そこでも、食事療法として炭水化物を減らすことを奨められたそうです。
米国での糖尿病治療の流れは、確実に糖質制限食のようですね。
もっとも、米国糖尿病患者会推奨の低糖質食は、高雄病院の糖質制限食に比べたら、パンも入っていてやや糖質摂取が多目でした。
さてご質問の答えですが、食後血糖値は、食事開始時間から1時間とか2時間とかを測定します。診断基準は食後2時間値が140mg未満なら正常、140以上~200未満なら境界領域、200以上なら糖尿病です。
食後1時間値も参考になります。2時間値が正常でも1時間値が高血糖の場合は将来、糖尿病になりやすいです。
江部康二
米国ロサンゼルス在住のKさんから情報と質問がありました。
Low Carb米国事情、私だけでなくブログ読者の皆さんも興味があると思いますので、Q&Aとしました。
「ありがとうございます
早速私の質問に答えてくださってありがとうございます。
先生の本は主食を抜けばを入れて4冊ともこちらの日系書店に置いてありましたよ。
大豆食品はOKということだったので、今日もおからでマフィンを作っています。大豆食品以外にも野菜や海草、魚も取っていますが、私は小さい頃から続くアトピーがいまだ治らず、肉、特に牛肉を食べるとかゆくなるのであまり食べれず、これからも大豆食品のお世話になりそうです。
ちょっと前まで先生のアトピーの本もあって買いに行ったのですがなくなってしまっていました。もう少し探して読んでみます。
スーパーやレストランなどで<低糖質食>と表示してある食品が増えているかというご質問ですが、確かにレストランのメニューでもスーパーの冷凍食品やスナックでもLow Carbと書いてあるのは本当によく見かけます。Low Carbダイエットが流行って以降ですね、みるようになったのは。
もう一つ質問です。食後血糖値を測るのは、食後2時間以内に測るべきなのでしょうか、それとも2時間経ったときなのか、2時間後なのか、いつ測ればいいのでしょうか。
いつもありがとうございます。
by: K * 2007/07/16 14:05」
Kさん、Low Carb食品の情報ありがとうございます。参考になります。
また4冊ともあって、アトピーの本まで置いてあったとは日系書店さんに感謝です。
ネットの記事やマスコミなどの情報で、「米国が低糖質食の流れにシフトしつつある」ということは知っていたのですが、現地で実際に「レストランのメニュー、スーパーの冷凍食品、スナックでもLow Carbと書いてあるものを本当によく見かける」というのはとても興味深い貴重な情報です。
糖質制限食啓蒙活動中の私としては、とても嬉しいですね。
そういえば、やはり米国在住の糖尿人の患者さんがたまたま日本に帰国して高雄病院の外来に7月に来られました。
有名な病院の糖尿病専門外来に受診されたのですが、ドクターは忙しくてあまり説明はなく、ナースがいろいろアドバイスしてくれたそうです。
その時、患者会に入会するよう言われて、米国で一番大きな患者会に入会したそうです。そこでも、食事療法として炭水化物を減らすことを奨められたそうです。
米国での糖尿病治療の流れは、確実に糖質制限食のようですね。
もっとも、米国糖尿病患者会推奨の低糖質食は、高雄病院の糖質制限食に比べたら、パンも入っていてやや糖質摂取が多目でした。
さてご質問の答えですが、食後血糖値は、食事開始時間から1時間とか2時間とかを測定します。診断基準は食後2時間値が140mg未満なら正常、140以上~200未満なら境界領域、200以上なら糖尿病です。
食後1時間値も参考になります。2時間値が正常でも1時間値が高血糖の場合は将来、糖尿病になりやすいです。
江部康二
2007年07月16日 (月)
こんばんは。
今日は朝から「ホリスティック医学シンポジウム・2007・大阪」に行ってきました。
高槻市の高槻現代劇場に約1600名の参加者で、大変な盛況でした。
「ホリスティック医学とスピリチュアルヘルス」というテーマで、ガン終末期の緩和ケアなどいろいろ活発なパネルディスカッションが展開されとても興味深い会でした。
パネリストの一人は、かの有名なスピリチュアルカウンセラー江原啓之さんでした。
地に足のついた(決して体型のことではないですよ・・・)しっかりした発言で、とても好感を持ちました。
さて、油脂の話に戻ります。
戦後長期に渡って「動物性油脂が身体に良くなくて植物性油脂が良い」と保健所などで指導されてきました。例えば「バターはやめてマーガリンにしなさい。」といった指導パターンです。
しかしながら調理に使う油脂に関してですが、近年リノール酸(大豆油、コーン油、紅花油などほとんどの植物油の主成分)の過剰摂取 が、アレルギーや炎症や心筋梗塞・脳梗塞の誘因になると指摘されています。
確かにリノール酸はα-リノレン酸と共に必須脂肪酸と呼ばれ、人体内で合成できないので、必ず食物から摂取する必要があります。
しかし、日本人のリノール酸1日必須量は1~2g以下で良いのに、現実には平均20gと大量に摂取しているのが問題となっているのです。
一方オリーブ油に含まれるオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)や紫蘇油・エゴマ油に含まれるα-リノレン酸は、心筋梗塞の予防効果があり、魚油に含まれるEPAやDHAは脳の代謝に良く、血液をサラサラにするので、積極的に摂取したいものです。
α-リノレン酸は白菜・キャベツ・大根などナタネ科、カボチャ、ネギ、ピーマン、トマト、ホウレン草、春菊などの野菜、芋類、大豆、マメ科植物、果実にも含まれています。
なお、加熱調理に最適な酸化しにくい油はオリーブオイルです。
α-リノレン酸は残念ながら、熱に非常に弱いです。
肉類などの飽和脂肪酸、コーン油・大豆油・紅花油など多くの植物油の多価不飽和脂肪酸(リノール酸など)は一価不飽和脂肪酸(オリーブ油やキャノーラ油などの主成分)よりやや少なめに摂取するのがよいでしょう。
厚生労働省は 「S:M:P=3:4:3」 を推奨しています。
Sは飽和脂肪酸、Mは一価不飽和脂肪酸、Pは多価不飽和脂肪酸です。
なお、マーガリンは 植物性油脂(不飽和脂肪酸)に人工的に水素を添加して液状の油脂を固化させた硬化油脂であり、自然には存在しないトランス脂肪酸の含有量が多いので使用しない方がいいでしょう。
この最近何かと話題になっているトランス脂肪酸については次回詳しく検証します。
江部康二
今日は朝から「ホリスティック医学シンポジウム・2007・大阪」に行ってきました。
高槻市の高槻現代劇場に約1600名の参加者で、大変な盛況でした。
「ホリスティック医学とスピリチュアルヘルス」というテーマで、ガン終末期の緩和ケアなどいろいろ活発なパネルディスカッションが展開されとても興味深い会でした。
パネリストの一人は、かの有名なスピリチュアルカウンセラー江原啓之さんでした。
地に足のついた(決して体型のことではないですよ・・・)しっかりした発言で、とても好感を持ちました。
さて、油脂の話に戻ります。
戦後長期に渡って「動物性油脂が身体に良くなくて植物性油脂が良い」と保健所などで指導されてきました。例えば「バターはやめてマーガリンにしなさい。」といった指導パターンです。
しかしながら調理に使う油脂に関してですが、近年リノール酸(大豆油、コーン油、紅花油などほとんどの植物油の主成分)の過剰摂取 が、アレルギーや炎症や心筋梗塞・脳梗塞の誘因になると指摘されています。
確かにリノール酸はα-リノレン酸と共に必須脂肪酸と呼ばれ、人体内で合成できないので、必ず食物から摂取する必要があります。
しかし、日本人のリノール酸1日必須量は1~2g以下で良いのに、現実には平均20gと大量に摂取しているのが問題となっているのです。
一方オリーブ油に含まれるオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)や紫蘇油・エゴマ油に含まれるα-リノレン酸は、心筋梗塞の予防効果があり、魚油に含まれるEPAやDHAは脳の代謝に良く、血液をサラサラにするので、積極的に摂取したいものです。
α-リノレン酸は白菜・キャベツ・大根などナタネ科、カボチャ、ネギ、ピーマン、トマト、ホウレン草、春菊などの野菜、芋類、大豆、マメ科植物、果実にも含まれています。
なお、加熱調理に最適な酸化しにくい油はオリーブオイルです。
α-リノレン酸は残念ながら、熱に非常に弱いです。
肉類などの飽和脂肪酸、コーン油・大豆油・紅花油など多くの植物油の多価不飽和脂肪酸(リノール酸など)は一価不飽和脂肪酸(オリーブ油やキャノーラ油などの主成分)よりやや少なめに摂取するのがよいでしょう。
厚生労働省は 「S:M:P=3:4:3」 を推奨しています。
Sは飽和脂肪酸、Mは一価不飽和脂肪酸、Pは多価不飽和脂肪酸です。
なお、マーガリンは 植物性油脂(不飽和脂肪酸)に人工的に水素を添加して液状の油脂を固化させた硬化油脂であり、自然には存在しないトランス脂肪酸の含有量が多いので使用しない方がいいでしょう。
この最近何かと話題になっているトランス脂肪酸については次回詳しく検証します。
江部康二
2007年07月15日 (日)
こんにちは。昨夜は一生懸命雨戸を閉めて、厳重警戒して眠りにつきました。幸い、私の住む京都市の嵯峨広沢界隈は、雨も風も全くなくて無事でした。
雨戸で真っ暗だったので、今朝は久しぶりに寝過ごしてしまいました。今は6日ぶりにお日様が照っています。
さて今日は、脂質の話です。
体に良いアブラと良くないアブラの話をごく軽く片手間に書こうと思ったのですが・・・。
結構苦労しました。というか私自身、脂質のことを結局余り解っていなかったという事実が判明したのですね。 (×。×)
まあ、はっきり言って、脂質と油脂と脂肪の区別もほとんど知らなかったのですね。それで自分自身も含めて整理整頓です。
小難しいところは飛ばして読んで頂いて、アバウトに骨子だけ見てもらったら結構です・・・。
不肖、江部康二もそんなに細部までしっかり理解などしておりませんので・・・。
脂質(lipid)とは生物中に存在する水に溶けない(溶けにくい)物質を総称したものです。有機溶媒(クロロホルム、エーテル、ベンゼンなど)には溶けます。
以下に分類できます。
*単純脂質
①油脂(oil & fat): 脂肪酸とグリセリンから成る3価のエステル。
一般に常温で液体のものを油(oil)、固体のものを脂肪(fat)といい、
合わせて油脂(oil & fat) といいます。
油には、コーン油、大豆油、ごま油、オリーブ油、魚油etc・・・があります。
脂肪にはラード、バター、マーガリンetc・・・があります
②ロウ(wax): 高級脂肪酸と高級アルコールから成る1価のエステル。
*複合脂質
①リン脂質(phospholipid): 脂肪酸、アルコール、リン酸、窒素化合物から成る複雑な エステル。細胞膜の構成成分です。
②糖脂質(glycolipid):脂肪酸、アルコール、糖、窒素化合物から成る複雑なエステル。
脳組織に多く含まれています。細胞膜の構成成分でもあります。
*不ケン化物
脂質のうち,加水分解を受けないものを不ケン化物といいます。これには,カロテノイ ド、エイコサノイド、ステロイドなどがあります。コレステロールはステロイドと呼ばれる化合物の中の中心的なもので、これから種々のステロイドホルモン,胆汁酸,ビタミンD前駆体が生合成されます。また、コレステロールは細胞膜の重要な構成成分です。
とにかく、以上の5種類に分類できて、エステルとかエイコサノイドとか難しいことは抜きにして、やっと少しスッキリです。 (´_`)V
結局、食生活や調理に関わるのは脂質の中で油脂ということになります。
前置きで随分苦労しましたが、次回は摂って良い油脂と摂らない方が良い油脂の、わかりやすいお話を展開する予定です。
江部康二
雨戸で真っ暗だったので、今朝は久しぶりに寝過ごしてしまいました。今は6日ぶりにお日様が照っています。
さて今日は、脂質の話です。
体に良いアブラと良くないアブラの話をごく軽く片手間に書こうと思ったのですが・・・。
結構苦労しました。というか私自身、脂質のことを結局余り解っていなかったという事実が判明したのですね。 (×。×)
まあ、はっきり言って、脂質と油脂と脂肪の区別もほとんど知らなかったのですね。それで自分自身も含めて整理整頓です。
小難しいところは飛ばして読んで頂いて、アバウトに骨子だけ見てもらったら結構です・・・。
不肖、江部康二もそんなに細部までしっかり理解などしておりませんので・・・。
脂質(lipid)とは生物中に存在する水に溶けない(溶けにくい)物質を総称したものです。有機溶媒(クロロホルム、エーテル、ベンゼンなど)には溶けます。
以下に分類できます。
*単純脂質
①油脂(oil & fat): 脂肪酸とグリセリンから成る3価のエステル。
一般に常温で液体のものを油(oil)、固体のものを脂肪(fat)といい、
合わせて油脂(oil & fat) といいます。
油には、コーン油、大豆油、ごま油、オリーブ油、魚油etc・・・があります。
脂肪にはラード、バター、マーガリンetc・・・があります
②ロウ(wax): 高級脂肪酸と高級アルコールから成る1価のエステル。
*複合脂質
①リン脂質(phospholipid): 脂肪酸、アルコール、リン酸、窒素化合物から成る複雑な エステル。細胞膜の構成成分です。
②糖脂質(glycolipid):脂肪酸、アルコール、糖、窒素化合物から成る複雑なエステル。
脳組織に多く含まれています。細胞膜の構成成分でもあります。
*不ケン化物
脂質のうち,加水分解を受けないものを不ケン化物といいます。これには,カロテノイ ド、エイコサノイド、ステロイドなどがあります。コレステロールはステロイドと呼ばれる化合物の中の中心的なもので、これから種々のステロイドホルモン,胆汁酸,ビタミンD前駆体が生合成されます。また、コレステロールは細胞膜の重要な構成成分です。
とにかく、以上の5種類に分類できて、エステルとかエイコサノイドとか難しいことは抜きにして、やっと少しスッキリです。 (´_`)V
結局、食生活や調理に関わるのは脂質の中で油脂ということになります。
前置きで随分苦労しましたが、次回は摂って良い油脂と摂らない方が良い油脂の、わかりやすいお話を展開する予定です。
江部康二
2007年07月14日 (土)
こんばんは。
京都は6日間連続の雨。宵宵宵山も雨と台風接近で人出は少なそうです。17日の山鉾巡行(祇園祭りのクライマックス)は、台風大丈夫みたいですね。
祇園祭り、実は18才で京都にきてから、学生時代に1回行っただけです。1回で人混みに懲りて後は行ってないですね。そう言えば、葵祭も時代祭も行ってません。
もちろんディズニーランドもUSJも行ったことがありません。古いところでは万博も行ってません。
人混みと待つのが嫌いなので深い意味は全くないのですが・・・。
周りにここまで徹底している人は他にほとんどいないので、ヤッパ一種の変人なのでしょうか?
ふと不安がよぎる今日この頃です。(´・⊇・`)
さて権現森さんからの嬉しいコメントと提案です。
「江部先生、こんにちは。権現森です。
いつもお忙しい中、コメントにお答え頂きまして、ありがとうございます。
先日、本屋で先生のご著書、ドクター江部のアトピー学校を見つけました。
先生のブログ名のドクター江部は、ここからきているのかと、遅ればせながら知ることができました。
主食を抜けば糖尿病は良くなると同じく、読みやすく分かりやすい内容で、さすが江部先生が書かれたことはあるなぁと、変な感心をしてしまいました。
アトピー学校の中に、日本のアトピー治療ガイドラインに大きな問題・欠落があると書いておられましたが、これは、正しく糖尿病治療にも当てはまるのですね。
江部先生のようなドクターがいて下さるからこそ、救われる患者が多いのだと痛感致しました。
先生のご著書にめぐり合えたこと、本当に感謝しております。
今まで周りにアトピーの方がいなかったので、感心がなかったのですが、ご著書を拝見して、糖尿病でアトピーの方もおられるのでは?と思いました。
また、アトピー学校の中に、先生のご専門である漢方薬のことを書いておられましたが、大変興味深く読ませていただきました。
もし宜しければ、このブログでアトピーの事や漢方薬について書いて頂くわけにはいきませんでしょうか。
本来のブログの趣旨と違ってしまうかと思いますが、私同様、先生のお陰で助かる患者も多いと思います。
差し出がましいお願いで大変恐縮ですがが、ご考慮願えたら幸甚です。
by: 権現森 * 2007/07/13 13:18 」
権現森さん。いつもコメントありがとうございます。
また「ドクター江部のアトピー学校」購入して読んでいただきありがとうございます。さらに過分の誉め言葉、恐縮しております。 (〃^_^〃)
アトピーの患者さんは基本的に若い人が多いので、さすがに糖尿病をもっている方はほとんどいません。アトピーさん達には将来、糖尿病やメタボにならないように「食生活十箇条」(2.27のブログ)を奨めています。
権現森さんの提案ですが、他の方からもリクエストがありましたので、漢方のこととかアトピーのこととかも、時々書いていこうと思います。
それでは早速、今日は高雄病院の漢方治療のことを書きます。
いきなり宣伝みたいですいません。
高雄病院は、漢方生薬の使用量が10数年来日本一で、漢方界では知る人ぞ知る有名な病院なんですよ。
西洋医学単独では難治の様々な現代病の治療のため、京都市内はもとより、全国各地から、たくさんの患者さんが来院されます。
今や日本有数の「漢方医療のメッカ」といえますが、もちろん必要な場合は西洋医学的治療(診断を含む)も行います。
ネフローゼ症候群・SLE・MCTD・潰瘍性大腸炎などの「難病」(厚生労働省指定)
気管支喘息・肺線維症・肺気腫・慢性気管支炎・アレルギー性咳嗽など「呼吸器疾患」
慢性関節リウマチなど「膠原病」
過敏性腸・慢性肝炎・胃.十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・便秘・口内炎など「消化器疾患」
アトピー性皮膚炎・花粉症・アレルギー性鼻炎・気管支喘息など「アレルギー疾患」
不妊症・生理痛・冷え性・生理不順・無月経など「婦人科疾患」
高血圧・狭心症・不整脈など「循環器疾患」
糖尿病・痛風など「代謝疾患」
アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・じんましん・天疱瘡・しもやけなど「皮膚疾患」
微小変化群・膜性腎症など「腎疾患」
風邪・風邪をひきやすい・不明熱・頭痛・めまい・耳鳴りなど「雑病」・・・
西洋医学的治療では治らない様々な患者さんが、漢方治療を求めて来院されます。
高雄病院のある京都市右京区の患者さんが3割、それ以外の京都市・京都府が4割、京都府以外が3割といった外来患者さんの構成です。
遠方の患者さんの便宜のため、2007年10月1日から京都駅前、烏丸七条に高雄病院の分院をオープンさせる予定ですのでご期待ください。
JR京都駅から地下を歩いて5分足らずですのでかなり便利になると思います。
高雄病院駅前分院に関しては、また詳しい情報を発信していきますのでよろしくお願い申し上げます。
江部康二
京都は6日間連続の雨。宵宵宵山も雨と台風接近で人出は少なそうです。17日の山鉾巡行(祇園祭りのクライマックス)は、台風大丈夫みたいですね。
祇園祭り、実は18才で京都にきてから、学生時代に1回行っただけです。1回で人混みに懲りて後は行ってないですね。そう言えば、葵祭も時代祭も行ってません。
もちろんディズニーランドもUSJも行ったことがありません。古いところでは万博も行ってません。
人混みと待つのが嫌いなので深い意味は全くないのですが・・・。
周りにここまで徹底している人は他にほとんどいないので、ヤッパ一種の変人なのでしょうか?
ふと不安がよぎる今日この頃です。(´・⊇・`)
さて権現森さんからの嬉しいコメントと提案です。
「江部先生、こんにちは。権現森です。
いつもお忙しい中、コメントにお答え頂きまして、ありがとうございます。
先日、本屋で先生のご著書、ドクター江部のアトピー学校を見つけました。
先生のブログ名のドクター江部は、ここからきているのかと、遅ればせながら知ることができました。
主食を抜けば糖尿病は良くなると同じく、読みやすく分かりやすい内容で、さすが江部先生が書かれたことはあるなぁと、変な感心をしてしまいました。
アトピー学校の中に、日本のアトピー治療ガイドラインに大きな問題・欠落があると書いておられましたが、これは、正しく糖尿病治療にも当てはまるのですね。
江部先生のようなドクターがいて下さるからこそ、救われる患者が多いのだと痛感致しました。
先生のご著書にめぐり合えたこと、本当に感謝しております。
今まで周りにアトピーの方がいなかったので、感心がなかったのですが、ご著書を拝見して、糖尿病でアトピーの方もおられるのでは?と思いました。
また、アトピー学校の中に、先生のご専門である漢方薬のことを書いておられましたが、大変興味深く読ませていただきました。
もし宜しければ、このブログでアトピーの事や漢方薬について書いて頂くわけにはいきませんでしょうか。
本来のブログの趣旨と違ってしまうかと思いますが、私同様、先生のお陰で助かる患者も多いと思います。
差し出がましいお願いで大変恐縮ですがが、ご考慮願えたら幸甚です。
by: 権現森 * 2007/07/13 13:18 」
権現森さん。いつもコメントありがとうございます。
また「ドクター江部のアトピー学校」購入して読んでいただきありがとうございます。さらに過分の誉め言葉、恐縮しております。 (〃^_^〃)
アトピーの患者さんは基本的に若い人が多いので、さすがに糖尿病をもっている方はほとんどいません。アトピーさん達には将来、糖尿病やメタボにならないように「食生活十箇条」(2.27のブログ)を奨めています。
権現森さんの提案ですが、他の方からもリクエストがありましたので、漢方のこととかアトピーのこととかも、時々書いていこうと思います。
それでは早速、今日は高雄病院の漢方治療のことを書きます。
いきなり宣伝みたいですいません。
高雄病院は、漢方生薬の使用量が10数年来日本一で、漢方界では知る人ぞ知る有名な病院なんですよ。
西洋医学単独では難治の様々な現代病の治療のため、京都市内はもとより、全国各地から、たくさんの患者さんが来院されます。
今や日本有数の「漢方医療のメッカ」といえますが、もちろん必要な場合は西洋医学的治療(診断を含む)も行います。
ネフローゼ症候群・SLE・MCTD・潰瘍性大腸炎などの「難病」(厚生労働省指定)
気管支喘息・肺線維症・肺気腫・慢性気管支炎・アレルギー性咳嗽など「呼吸器疾患」
慢性関節リウマチなど「膠原病」
過敏性腸・慢性肝炎・胃.十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・便秘・口内炎など「消化器疾患」
アトピー性皮膚炎・花粉症・アレルギー性鼻炎・気管支喘息など「アレルギー疾患」
不妊症・生理痛・冷え性・生理不順・無月経など「婦人科疾患」
高血圧・狭心症・不整脈など「循環器疾患」
糖尿病・痛風など「代謝疾患」
アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・じんましん・天疱瘡・しもやけなど「皮膚疾患」
微小変化群・膜性腎症など「腎疾患」
風邪・風邪をひきやすい・不明熱・頭痛・めまい・耳鳴りなど「雑病」・・・
西洋医学的治療では治らない様々な患者さんが、漢方治療を求めて来院されます。
高雄病院のある京都市右京区の患者さんが3割、それ以外の京都市・京都府が4割、京都府以外が3割といった外来患者さんの構成です。
遠方の患者さんの便宜のため、2007年10月1日から京都駅前、烏丸七条に高雄病院の分院をオープンさせる予定ですのでご期待ください。
JR京都駅から地下を歩いて5分足らずですのでかなり便利になると思います。
高雄病院駅前分院に関しては、また詳しい情報を発信していきますのでよろしくお願い申し上げます。
江部康二
2007年07月13日 (金)
こんばんは。雨の降らない梅雨などど何回かブログに書いた記憶がありますが、京都でも月曜日から毎日・毎日雨が降り続いています。
現金なもので、さすがにお日様が恋しくなりましたが、だめ押しで週末は超大型台風直撃だなんて・・・・ (+◇+、)
さてxiangdaoさん、高雄病院まで診察ご苦労様です。
お疲れ様でした。
「やはり糖質制限食は凄いです
江部先生、昨日の診察、有難うございました。
おかげさまで、HbA1c-5.3まで改善することが出来ました。
この数値を維持できればと思っています。
スタンダード糖質制限ですので、昼食のみしっかり(摂りすぎ?)糖質を摂っております。
その為、昼食後の2時間血糖値は、200近くまで上がっておりますが、朝食と夕食後は100~110程度です。
以前の一般糖尿病食(糖質60%摂取、カロリー制限)の時は、毎食後(3食とも)血糖値が160~180程度でしたが、それでも毎食ですと、HbA1cはもっと高い数値でした。
今後は、昼食後も180以内で管理するつもりです。
何よりも、毎晩の0カロリービール、焼酎(最近は黒霧島がお気に入りです)が楽しみになりました。
これからもよろしくお願いします。
by: xiangdao * 2007/07/13 11:30」
「やはり糖質制限食は凄いです。」
ありがとうございます。 o(^▽^o)(o^▽^)o
xiangdao さんのデータ、HbA1c:5.3%、とても順調な経過ですね。5.8%以下は正常値ですので、現在は糖尿人というよりは、境界領域といったレベルまで改善しています。
糖質制限食の威力、充分発揮といったところでしょうか。
もしスーパー 糖質制限食ならば、糖尿人→境界人→正常人となること疑いなしです。
xiangdao さん、主食なしの朝・夕は食後血糖値100~110mg程度ですから、完全に正常値です。因みに食後2時間血糖値140mg未満が正常です。
仰る通り、お昼の主食(糖質)を少し減らして、食後2時間血糖値180mg/dl未満を目指しましょう。180mg未満なら、合併症の起こる確率が激減しますから。
昼食の主食(糖質)摂取直前に、グルコバイかグルファストを飲む選択肢もありますね。
それから、宮崎の芋焼酎・黒霧島、私も飲んだことあります。おいしいですね。家の近くの割烹にボトルキープしてありますよ。テレビで以前ナイナイの矢部さん(ヤベッチ)が、一番賞賛していたそうです。
もう一つ行きつけのお店には、大分の麦焼酎・閻魔がボトルキープしてあります。こちらはよく行くので一升瓶です。まろやかなバランスのいい味でどんな料理でも合いますね。
私は、家での晩酌は、最初に糖質ゼロ・アサヒスタイルフリー(発泡酒)を350ml飲んで、その後焼酎の水割りか赤ワインです。
赤ワインは最近はブルゴーニュが多いです。
以前は、チリワインとかの新世界ワインでタンニンの効いた渋い味のものを、値段もリーズナブルということで好んでいたのですが・・・。
どうも翌朝、ブルゴーニュの方が、渋め・濃いめ・タンニン系のワインより楽なので、変えました。根拠は無いのですが、ピノ・ノワールという単一品種のブドウから作るので二日酔いしにくいのでしょうか?それとも私の単なる思いこみでしょうか?
ブルゴーニュにも勿論いろんなタイプの味があるのでしょうが、比較的マイルドで渋みはそこそこのものを好んでいます。
それではそろそろ、スタイルフリーを飲むこととしましょう。
また明日。
江部康二
現金なもので、さすがにお日様が恋しくなりましたが、だめ押しで週末は超大型台風直撃だなんて・・・・ (+◇+、)
さてxiangdaoさん、高雄病院まで診察ご苦労様です。
お疲れ様でした。
「やはり糖質制限食は凄いです
江部先生、昨日の診察、有難うございました。
おかげさまで、HbA1c-5.3まで改善することが出来ました。
この数値を維持できればと思っています。
スタンダード糖質制限ですので、昼食のみしっかり(摂りすぎ?)糖質を摂っております。
その為、昼食後の2時間血糖値は、200近くまで上がっておりますが、朝食と夕食後は100~110程度です。
以前の一般糖尿病食(糖質60%摂取、カロリー制限)の時は、毎食後(3食とも)血糖値が160~180程度でしたが、それでも毎食ですと、HbA1cはもっと高い数値でした。
今後は、昼食後も180以内で管理するつもりです。
何よりも、毎晩の0カロリービール、焼酎(最近は黒霧島がお気に入りです)が楽しみになりました。
これからもよろしくお願いします。
by: xiangdao * 2007/07/13 11:30」
「やはり糖質制限食は凄いです。」
ありがとうございます。 o(^▽^o)(o^▽^)o
xiangdao さんのデータ、HbA1c:5.3%、とても順調な経過ですね。5.8%以下は正常値ですので、現在は糖尿人というよりは、境界領域といったレベルまで改善しています。
糖質制限食の威力、充分発揮といったところでしょうか。
もしスーパー 糖質制限食ならば、糖尿人→境界人→正常人となること疑いなしです。
xiangdao さん、主食なしの朝・夕は食後血糖値100~110mg程度ですから、完全に正常値です。因みに食後2時間血糖値140mg未満が正常です。
仰る通り、お昼の主食(糖質)を少し減らして、食後2時間血糖値180mg/dl未満を目指しましょう。180mg未満なら、合併症の起こる確率が激減しますから。
昼食の主食(糖質)摂取直前に、グルコバイかグルファストを飲む選択肢もありますね。
それから、宮崎の芋焼酎・黒霧島、私も飲んだことあります。おいしいですね。家の近くの割烹にボトルキープしてありますよ。テレビで以前ナイナイの矢部さん(ヤベッチ)が、一番賞賛していたそうです。
もう一つ行きつけのお店には、大分の麦焼酎・閻魔がボトルキープしてあります。こちらはよく行くので一升瓶です。まろやかなバランスのいい味でどんな料理でも合いますね。
私は、家での晩酌は、最初に糖質ゼロ・アサヒスタイルフリー(発泡酒)を350ml飲んで、その後焼酎の水割りか赤ワインです。
赤ワインは最近はブルゴーニュが多いです。
以前は、チリワインとかの新世界ワインでタンニンの効いた渋い味のものを、値段もリーズナブルということで好んでいたのですが・・・。
どうも翌朝、ブルゴーニュの方が、渋め・濃いめ・タンニン系のワインより楽なので、変えました。根拠は無いのですが、ピノ・ノワールという単一品種のブドウから作るので二日酔いしにくいのでしょうか?それとも私の単なる思いこみでしょうか?
ブルゴーニュにも勿論いろんなタイプの味があるのでしょうが、比較的マイルドで渋みはそこそこのものを好んでいます。
それではそろそろ、スタイルフリーを飲むこととしましょう。
また明日。
江部康二
2007年07月12日 (木)
こんばんは。
今回は、久しぶりに人類の進化と食生活シリーズです。
「農耕以前の人類の主食は?」という根源的な疑問にたどり着くまでなかなかですが、まあボチボチやってきますので、今しばらくお付き合いください。
4万5千年前、ヨーロッパで現生人類において宗教、絵画、音楽、工芸などの様々な分野が一気に開花し、オーリニャック文化と呼ばれてきました。この文化を担ったホモ・サピエンスがクロマニヨン人です。
クロマニヨン人は、南フランスのでクロマニヨン洞窟で発見された人類化石に付けられた名称です。
オーリニャック文化において人類が初めて芸術的な感性を発揮したとされ、例えばフランスのドルドーニュ地方のラスコー洞窟に残る牛、馬、鹿の絵など、多彩な壁画が発見されています。
またオーストリアのウィレンドルフからは、象牙製の女性彫刻像、有名なヴィレンドルフのヴィーナスが発見されています。
しかし近年、オーリニャック文化に特有とされていた文化要素がアフリカでは約20万年前から出現していたことが解ってきました。
顔料8万年前、刃石器23.5万年前、細石器23万年前、漁労12.5万年前、埋葬16万年前、骨器9万年前、ビーズや装飾品8.3万年前、衣類7万年前など全てアフリカの東海岸を中心に発見されたのです。
今まで白人中心主義の一部の考古学者は、「人類の芸術や文化が始まったのは、ヨーロッパのオーリニャック文化からである」ということを定説としていましたが、どうやら間違いだったようです。
ミトコンドリア・イブ仮説のブログで説明しましたが、私達現代人の共通祖先は約20万年前にアフリカで誕生しました。アフリカ人(黒人)の枝のひとつが他の人種、白人、黄色人に分岐していったのです。
アフリカの共通祖先が、20万年前の当初から芸術や文化の要素をもっていたのは明らかです。これらの一つ一つの要素が蓄積されて、熟成されて一気にまとめて花開いたのがオーリニャック文化ということになります。
江部康二
今回は、久しぶりに人類の進化と食生活シリーズです。
「農耕以前の人類の主食は?」という根源的な疑問にたどり着くまでなかなかですが、まあボチボチやってきますので、今しばらくお付き合いください。
4万5千年前、ヨーロッパで現生人類において宗教、絵画、音楽、工芸などの様々な分野が一気に開花し、オーリニャック文化と呼ばれてきました。この文化を担ったホモ・サピエンスがクロマニヨン人です。
クロマニヨン人は、南フランスのでクロマニヨン洞窟で発見された人類化石に付けられた名称です。
オーリニャック文化において人類が初めて芸術的な感性を発揮したとされ、例えばフランスのドルドーニュ地方のラスコー洞窟に残る牛、馬、鹿の絵など、多彩な壁画が発見されています。
またオーストリアのウィレンドルフからは、象牙製の女性彫刻像、有名なヴィレンドルフのヴィーナスが発見されています。
しかし近年、オーリニャック文化に特有とされていた文化要素がアフリカでは約20万年前から出現していたことが解ってきました。
顔料8万年前、刃石器23.5万年前、細石器23万年前、漁労12.5万年前、埋葬16万年前、骨器9万年前、ビーズや装飾品8.3万年前、衣類7万年前など全てアフリカの東海岸を中心に発見されたのです。
今まで白人中心主義の一部の考古学者は、「人類の芸術や文化が始まったのは、ヨーロッパのオーリニャック文化からである」ということを定説としていましたが、どうやら間違いだったようです。
ミトコンドリア・イブ仮説のブログで説明しましたが、私達現代人の共通祖先は約20万年前にアフリカで誕生しました。アフリカ人(黒人)の枝のひとつが他の人種、白人、黄色人に分岐していったのです。
アフリカの共通祖先が、20万年前の当初から芸術や文化の要素をもっていたのは明らかです。これらの一つ一つの要素が蓄積されて、熟成されて一気にまとめて花開いたのがオーリニャック文化ということになります。
江部康二
2007年07月11日 (水)
こんばんは。今回は米国ロサンゼルスからコメントいただきました。
しかも、私の本が日系の本屋さんにおいてあるなんて、とても嬉しくなりました。
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
4冊おいてあったら最高ですが、どれか一冊でしょうかね?
「大豆食品に関しての質問
こんにちは。どこ宛てに質問のメールをお送りすればいいか分からなかったのでここに書かせていただきます。
2ヶ月前に糖尿病と診断をうけた31歳の女性です。先生のブログに偶然めぐり合い、それ以来糖質制限食をおこなっています。
主食を食べなくなったかわりに、かなりの量の大豆食品をとっています。
一日に豆腐1-1.5丁、納豆1-1.5パック、自分で作ったおからクッキー3枚(小麦粉、砂糖、牛乳なし)、それとたまに炒った大豆も食べています。
かなりの量の大豆を食べ続けていてふと心配になりました。
大豆はたくさん食べても大丈夫な食品なのでしょうか?先生の本で炒った大豆はだめと書いてありましたが、なぜでしょうか?
私はアメリカロス在住ですが先生の本はこちらの日系の本屋さんにも置いてありました。
これからもいろいろ教えてください。
by: K * 2007/07/10 12:15」
Kさん。コメント・質問ありがとうございました。それから「本が置いてある」という嬉しい情報もありがとうございました。
2ヶ月前の糖尿病診断ですから、お薬なしで食事療法と運動療法の指導の段階ですよね。よいタイミングで 糖質制限食実践されたと思います。
大豆製品と糖尿病ですが、豆腐は超優良の 糖質制限食お奨め食品です。豆腐100g中の糖質含有量はわずか1.7gですので積極的に食べて頂いてOKです。
納豆は100g中約5gの糖質含有量ですから、まあまあ良い食品ですね。
炒った大豆やきな粉は、火が通って水分がとぶ分、100gあたりの糖質含有量が増えますので要注意なのです。普通に乾燥した大豆だと100g中糖質含有量は11g程度ですが、きな粉は14gになります。ドライフルーツも同様の理由で要注意食品です。
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「糖質制限食 春のレシピ」「糖質制限食 夏のレシピ」に、大豆粉を使ったレシピがありますが、大豆粉の糖質含有量も100gあたり11g程度ですので料理に使っていいOK食品です。
100gの大豆粉は420キロカロリーもあり、まあ一人前が10gていど、乾燥大豆も一人前(38粒)くらいだと10g程度ですので、料理に使うとして糖質の量は少ないですね。
大豆以外の豆は結構糖質含有量が多くて、例えば乾燥小豆で100gあたり41gです。
個人差はありますが、1gの糖質が2型糖尿人の血糖値約3mgを上昇させます。このことを基本的に把握しておけば、カロリー計算は不要ですので、従来のカロリー制限中心の糖尿病食に比べれば格段に楽です。。
結論
大豆や大豆製品はOK食品ですので、たくさん食べてください。
なお、糖質制限食では、おかずは食べ放題ですので、お魚やお肉や野菜などしっかり摂取していただいてもOKですよ。
ところでKさん、最近米国でもスーパーマーケットやレストランなどで<低糖質食>と表示してある食品が増えていると聞きましたが如何でしょう?
江部康二
しかも、私の本が日系の本屋さんにおいてあるなんて、とても嬉しくなりました。
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
4冊おいてあったら最高ですが、どれか一冊でしょうかね?
「大豆食品に関しての質問
こんにちは。どこ宛てに質問のメールをお送りすればいいか分からなかったのでここに書かせていただきます。
2ヶ月前に糖尿病と診断をうけた31歳の女性です。先生のブログに偶然めぐり合い、それ以来糖質制限食をおこなっています。
主食を食べなくなったかわりに、かなりの量の大豆食品をとっています。
一日に豆腐1-1.5丁、納豆1-1.5パック、自分で作ったおからクッキー3枚(小麦粉、砂糖、牛乳なし)、それとたまに炒った大豆も食べています。
かなりの量の大豆を食べ続けていてふと心配になりました。
大豆はたくさん食べても大丈夫な食品なのでしょうか?先生の本で炒った大豆はだめと書いてありましたが、なぜでしょうか?
私はアメリカロス在住ですが先生の本はこちらの日系の本屋さんにも置いてありました。
これからもいろいろ教えてください。
by: K * 2007/07/10 12:15」
Kさん。コメント・質問ありがとうございました。それから「本が置いてある」という嬉しい情報もありがとうございました。
2ヶ月前の糖尿病診断ですから、お薬なしで食事療法と運動療法の指導の段階ですよね。よいタイミングで 糖質制限食実践されたと思います。
大豆製品と糖尿病ですが、豆腐は超優良の 糖質制限食お奨め食品です。豆腐100g中の糖質含有量はわずか1.7gですので積極的に食べて頂いてOKです。
納豆は100g中約5gの糖質含有量ですから、まあまあ良い食品ですね。
炒った大豆やきな粉は、火が通って水分がとぶ分、100gあたりの糖質含有量が増えますので要注意なのです。普通に乾燥した大豆だと100g中糖質含有量は11g程度ですが、きな粉は14gになります。ドライフルーツも同様の理由で要注意食品です。
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「糖質制限食 春のレシピ」「糖質制限食 夏のレシピ」に、大豆粉を使ったレシピがありますが、大豆粉の糖質含有量も100gあたり11g程度ですので料理に使っていいOK食品です。
100gの大豆粉は420キロカロリーもあり、まあ一人前が10gていど、乾燥大豆も一人前(38粒)くらいだと10g程度ですので、料理に使うとして糖質の量は少ないですね。
大豆以外の豆は結構糖質含有量が多くて、例えば乾燥小豆で100gあたり41gです。
個人差はありますが、1gの糖質が2型糖尿人の血糖値約3mgを上昇させます。このことを基本的に把握しておけば、カロリー計算は不要ですので、従来のカロリー制限中心の糖尿病食に比べれば格段に楽です。。
結論
大豆や大豆製品はOK食品ですので、たくさん食べてください。
なお、糖質制限食では、おかずは食べ放題ですので、お魚やお肉や野菜などしっかり摂取していただいてもOKですよ。
ところでKさん、最近米国でもスーパーマーケットやレストランなどで<低糖質食>と表示してある食品が増えていると聞きましたが如何でしょう?
江部康二
2007年07月10日 (火)
糖質制限食講演会のお知らせです。
神戸・大阪方面の糖尿人・メタボ人の方々、
パワーポイント・スライドを使って
結構分かりやすくて面白いお話ですので
是非ご参加くださいね。
江部康二
<講演のお知らせ>
演題
「糖尿病・肥満と糖質制限食」
-糖尿病・肥満の画期的な新しい食事療法-
300人の入院糖尿病患者
900人の外来糖尿病患者
の実績をもとに
演者
高雄病院理事長
江部康二
著書
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
いずれも東洋経済新報社
日時 8月19日 日曜日
受付13:30~ 開演 14:00~15:30
講演終了後、質問コーナーあり
会場 神戸ポートピアホテル
本館地下1階 和楽の間
定員 100名
参加費 1000円
参加ご希望・お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
席をはずしていることもありますので、
留守電に連絡先を入れておいて頂けば
後ほど電話致します。
神戸・大阪方面の糖尿人・メタボ人の方々、
パワーポイント・スライドを使って
結構分かりやすくて面白いお話ですので
是非ご参加くださいね。
江部康二
<講演のお知らせ>
演題
「糖尿病・肥満と糖質制限食」
-糖尿病・肥満の画期的な新しい食事療法-
300人の入院糖尿病患者
900人の外来糖尿病患者
の実績をもとに
演者
高雄病院理事長
江部康二
著書
「主食を抜けば糖尿病は良くなる」
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」糖質制限食の実践法
「糖質制限食 春のレシピ」
「糖質制限食 夏のレシピ」
いずれも東洋経済新報社
日時 8月19日 日曜日
受付13:30~ 開演 14:00~15:30
講演終了後、質問コーナーあり
会場 神戸ポートピアホテル
本館地下1階 和楽の間
定員 100名
参加費 1000円
参加ご希望・お問い合わせは、
京都高雄倶楽部
TEL 075-873-2170
FAX 075-871-6865
E-mail info@ktk-kyoto.jp
営業時間は8:45から17:00(くらい)
お休みは日・祝。
席をはずしていることもありますので、
留守電に連絡先を入れておいて頂けば
後ほど電話致します。
2007年07月10日 (火)
こんにちは。京都は昨夕から雨が降り続いてようやく梅雨らしくなってきました。
さて今回は、質問もありましたし糖尿病とGIのお話です。
GIに関しては、以前もブログに書きましたが、解りにくいことも多いので、重複するところもあると思いますが、復習も兼ねて読んでいただけば幸いです。
「私は10年前に2型と診断され、適当に自己管理(ある意味放置)していたところ、最近家内が劇症1型を発症したため、これからは夫婦そろってまじめに管理しないといけないと思い、いろいろと情報を収集していたところ、先生のブログに出会い「これだっ!」と早速過去ログをよませていただき「春レシピ」と「夏レシピ」を早速購入し、糖質制限に取り組んでいます。
そこで質問させていただきたいのですが、6/14「牛乳とヨーグルトと糖尿病」のブログで牛乳(乳製品)について「乳製品を摂取すればそれなりの血糖値上昇がある」旨の説明をなされています。
現在私たち夫婦は糖質制限を行っていますが、ねっからのご飯好きで主食抜きがなかなか難しいので、何とかする方法は無いかと調べていたところ、食事の時にご飯と牛乳(乳製品)を一緒に接収するとGI値が下がり、食後血糖値の上昇を抑制する効果があるというHPに行き着きました。
これが本当ならば、ご飯も食べられると喜んでいたのですが、先生はどのようにお考えでしょうかご意見をくださいませんでしょうか。
2007/07/07(土) 12:22:41 | URL | 夫婦で糖尿」
夫婦で糖尿さん。「春レシピ」と「夏レシピ」ご購入ありがとうございました。少しでもお役に立てたら嬉しいですね。
GIですが、基本的に正常人を対象に調べたデータです。
糖尿人においては、GIが低い食品でも糖質含有量が多ければ、必ず食後高血糖になることはしっかり覚えておく必要があります。
例えば、玄米はGIが50程度、胚芽米は70程度ですが、入院中の糖尿病患者さんで調べたデータでは、食後2時間の血糖値には期待するほどの差はありませんでした。
常用量の玄米150g(糖質51.3g)、胚芽米150g(糖質53.4g)いずれの場合も、糖尿人では食後2時間血糖値は200mgを軽く超えてきます。
例えば、空腹時血糖値265mg/dl、食後血糖値560mg/dl、HbA1c14.5%で高雄病院に入院して、薬なしで糖質制限食を実践し、著明に改善した患者Aさんがいました。
糖質制限食開始後7日目には食後2時間血糖値122mg/dl(主食なしのデータです)とかなり良くなっていました。
そのAさんが、昼食前血糖値147mg/dlで玄米150g食べて実験してみると、食後2時間血糖値は329mg/dlでした。182mg上昇しています。
昼食前117mg/dlで、胚芽米150g食べて食後2時間血糖値は324mg/dlでした。207mg上昇しています。
まあ、すこーしは、玄米の方が少ないかもしれませんが、GIの割合ほど血糖値の上昇に差がないことは確かですよね。ともあれGIが低いとされる玄米でも、糖尿人においては、これほどまでに血糖値を上昇させることを忘れないくださいね。
白いパンの場合は、入院患者さんの多くで米よりもさらに急峻に血糖値を上昇させることが確認されましたので、GIが全く無意味ということではないのですが・・・。
例えば糖尿病患者Bさんが
食前88mg→食パン2枚→2時間後血糖値321mg
食前88mg→玄米150g→2時間後血糖値261mg
とかなり差があります。食品の種類による食後血糖値には、個人差も勿論あります。
しかしながら、所詮糖尿人が主食(糖質)を常用量摂取すれば、GIの高い・低いに関わらず、AさんやBさんと同様、必ず食後2時間血糖値は200mg/dlを軽く超えてくることはまちがいありませんのでご用心ご用心。
2型糖尿人では1gの糖質(種類は問いません)が約3mg血糖値を上昇させ、1型糖尿人では約5mg上昇させます。これもかなり個人差がありますよ。
なお、牛乳のGIは27程度と確かに低いので、急峻な血糖値の上昇は起こりにくいと思いますが、100mlに約5gの糖質が入っているので、最終的に吸収されて血糖値は15mg上昇する計算ですね。果糖(果物に含まれる糖質)もGIは20程度と低いですが、同じことですね。
結論です
「ご飯と牛乳(乳製品)を一緒に接収するとGI値が下がり、食後血糖値の上昇を抑制する効果がある」というのは、少しはあると思いますし、糖尿病ではない人においては、あるていど意味がある可能性はあります。
しかし糖尿人においては、牛乳とご飯を一緒に摂取して少々GIが低くなっても、糖質の含有量分だけしっかり食後高血糖を生じますのでそれほどの効果は期待できないと思います。
江部康二
さて今回は、質問もありましたし糖尿病とGIのお話です。
GIに関しては、以前もブログに書きましたが、解りにくいことも多いので、重複するところもあると思いますが、復習も兼ねて読んでいただけば幸いです。
「私は10年前に2型と診断され、適当に自己管理(ある意味放置)していたところ、最近家内が劇症1型を発症したため、これからは夫婦そろってまじめに管理しないといけないと思い、いろいろと情報を収集していたところ、先生のブログに出会い「これだっ!」と早速過去ログをよませていただき「春レシピ」と「夏レシピ」を早速購入し、糖質制限に取り組んでいます。
そこで質問させていただきたいのですが、6/14「牛乳とヨーグルトと糖尿病」のブログで牛乳(乳製品)について「乳製品を摂取すればそれなりの血糖値上昇がある」旨の説明をなされています。
現在私たち夫婦は糖質制限を行っていますが、ねっからのご飯好きで主食抜きがなかなか難しいので、何とかする方法は無いかと調べていたところ、食事の時にご飯と牛乳(乳製品)を一緒に接収するとGI値が下がり、食後血糖値の上昇を抑制する効果があるというHPに行き着きました。
これが本当ならば、ご飯も食べられると喜んでいたのですが、先生はどのようにお考えでしょうかご意見をくださいませんでしょうか。
2007/07/07(土) 12:22:41 | URL | 夫婦で糖尿」
夫婦で糖尿さん。「春レシピ」と「夏レシピ」ご購入ありがとうございました。少しでもお役に立てたら嬉しいですね。
GIですが、基本的に正常人を対象に調べたデータです。
糖尿人においては、GIが低い食品でも糖質含有量が多ければ、必ず食後高血糖になることはしっかり覚えておく必要があります。
例えば、玄米はGIが50程度、胚芽米は70程度ですが、入院中の糖尿病患者さんで調べたデータでは、食後2時間の血糖値には期待するほどの差はありませんでした。
常用量の玄米150g(糖質51.3g)、胚芽米150g(糖質53.4g)いずれの場合も、糖尿人では食後2時間血糖値は200mgを軽く超えてきます。
例えば、空腹時血糖値265mg/dl、食後血糖値560mg/dl、HbA1c14.5%で高雄病院に入院して、薬なしで糖質制限食を実践し、著明に改善した患者Aさんがいました。
糖質制限食開始後7日目には食後2時間血糖値122mg/dl(主食なしのデータです)とかなり良くなっていました。
そのAさんが、昼食前血糖値147mg/dlで玄米150g食べて実験してみると、食後2時間血糖値は329mg/dlでした。182mg上昇しています。
昼食前117mg/dlで、胚芽米150g食べて食後2時間血糖値は324mg/dlでした。207mg上昇しています。
まあ、すこーしは、玄米の方が少ないかもしれませんが、GIの割合ほど血糖値の上昇に差がないことは確かですよね。ともあれGIが低いとされる玄米でも、糖尿人においては、これほどまでに血糖値を上昇させることを忘れないくださいね。
白いパンの場合は、入院患者さんの多くで米よりもさらに急峻に血糖値を上昇させることが確認されましたので、GIが全く無意味ということではないのですが・・・。
例えば糖尿病患者Bさんが
食前88mg→食パン2枚→2時間後血糖値321mg
食前88mg→玄米150g→2時間後血糖値261mg
とかなり差があります。食品の種類による食後血糖値には、個人差も勿論あります。
しかしながら、所詮糖尿人が主食(糖質)を常用量摂取すれば、GIの高い・低いに関わらず、AさんやBさんと同様、必ず食後2時間血糖値は200mg/dlを軽く超えてくることはまちがいありませんのでご用心ご用心。
2型糖尿人では1gの糖質(種類は問いません)が約3mg血糖値を上昇させ、1型糖尿人では約5mg上昇させます。これもかなり個人差がありますよ。
なお、牛乳のGIは27程度と確かに低いので、急峻な血糖値の上昇は起こりにくいと思いますが、100mlに約5gの糖質が入っているので、最終的に吸収されて血糖値は15mg上昇する計算ですね。果糖(果物に含まれる糖質)もGIは20程度と低いですが、同じことですね。
結論です
「ご飯と牛乳(乳製品)を一緒に接収するとGI値が下がり、食後血糖値の上昇を抑制する効果がある」というのは、少しはあると思いますし、糖尿病ではない人においては、あるていど意味がある可能性はあります。
しかし糖尿人においては、牛乳とご飯を一緒に摂取して少々GIが低くなっても、糖質の含有量分だけしっかり食後高血糖を生じますのでそれほどの効果は期待できないと思います。
江部康二
2007年07月09日 (月)
こんばんは。今日の夕食はヒレステーキ200gと特製サラダと卵スープ・・・そして赤ワインは残念ながら車の運転のため眺めるだけとしました。
帰りにリカマンで、ブルゴーニュの赤ワインを購入しました。
家に帰ってきて先ほどから雨がしとしとと降り始めた京都です。
さてペンネーム”わか”さんから
「血管年齢と糖尿病」ついての質問がありましたので、少し考えてみましょう。
まず単純に言うと、動脈硬化が進行しているほど血管年齢が高いことになります。
それでは動脈硬化って何でしょう?
血管は、だれでも年齢とともに徐々に硬くなり、老化していきます。動脈が肥厚し硬くなり弾力性を失ってもろくなった状態が、動脈硬化です。
動脈硬化の種類には、アテローム性動脈硬化、細動脈硬化、中膜硬化などのタイプがありますが、血管年齢と一番関係あるのはアテローム性動脈硬化だと思います。
アテローム性動脈硬化は、大動脈や脳動脈、冠動脈などの比較的太い動脈に起こります。動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなるドロドロの粥状物質がたまってアテロームプラーク(粥状硬化斑)ができ、次第に肥厚することで動脈の内腔を狭めます。
動脈硬化症自体は、ほとんど自覚症状がありませんが、放置すると血管がつまったり破れやすくなったりし、脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる重大な病気を引き起こします。
動脈硬化は、加齢以外にもいろいろな要因(高血圧・高脂血症・タバコ・糖尿病・肥満・・・)が重なり合って起こります。その中でも糖尿病は、全身の血管障害を引き起こすので、血管の老化(動脈硬化症)を進める大きな要因となります。
近年、特に食後高血糖(180mg/dl以上)が大血管の動脈硬化の最大のリスク要因の一つとして問題視されています。
アメリカでは糖尿病患者さんの7割近くが、心筋梗塞や脳梗塞で亡くなります。欧米人に比べて低かった日本人の心筋梗塞・脳梗塞発病率も、近年増加しています。
ヨーロッパで行われた調査で、糖尿病の人と糖尿病でない人を比較して、心筋梗塞を初めて発症する率は糖尿人が約5.8倍と1998年に報告されています。
日本でも、脳梗塞になった人の約半数、心筋梗塞になった人の約3分の1に糖尿病がみられます。
結論です。
要するに、糖尿病のコントロールが悪かったら、動脈硬化症もドンドン進行し血管年齢は老化の一途を辿り、心筋梗塞や脳梗塞をおこしちゃいます。
糖尿人のご同輩、努々油断なされぬよう、糖質制限食をお忘れなく。
なお、糖質制限食の実践で、糖尿病以外の動脈硬化のリスクファクター(高血圧・高脂血症・肥満)も改善されます。
江部康二
帰りにリカマンで、ブルゴーニュの赤ワインを購入しました。
家に帰ってきて先ほどから雨がしとしとと降り始めた京都です。
さてペンネーム”わか”さんから
「血管年齢と糖尿病」ついての質問がありましたので、少し考えてみましょう。
まず単純に言うと、動脈硬化が進行しているほど血管年齢が高いことになります。
それでは動脈硬化って何でしょう?
血管は、だれでも年齢とともに徐々に硬くなり、老化していきます。動脈が肥厚し硬くなり弾力性を失ってもろくなった状態が、動脈硬化です。
動脈硬化の種類には、アテローム性動脈硬化、細動脈硬化、中膜硬化などのタイプがありますが、血管年齢と一番関係あるのはアテローム性動脈硬化だと思います。
アテローム性動脈硬化は、大動脈や脳動脈、冠動脈などの比較的太い動脈に起こります。動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなるドロドロの粥状物質がたまってアテロームプラーク(粥状硬化斑)ができ、次第に肥厚することで動脈の内腔を狭めます。
動脈硬化症自体は、ほとんど自覚症状がありませんが、放置すると血管がつまったり破れやすくなったりし、脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる重大な病気を引き起こします。
動脈硬化は、加齢以外にもいろいろな要因(高血圧・高脂血症・タバコ・糖尿病・肥満・・・)が重なり合って起こります。その中でも糖尿病は、全身の血管障害を引き起こすので、血管の老化(動脈硬化症)を進める大きな要因となります。
近年、特に食後高血糖(180mg/dl以上)が大血管の動脈硬化の最大のリスク要因の一つとして問題視されています。
アメリカでは糖尿病患者さんの7割近くが、心筋梗塞や脳梗塞で亡くなります。欧米人に比べて低かった日本人の心筋梗塞・脳梗塞発病率も、近年増加しています。
ヨーロッパで行われた調査で、糖尿病の人と糖尿病でない人を比較して、心筋梗塞を初めて発症する率は糖尿人が約5.8倍と1998年に報告されています。
日本でも、脳梗塞になった人の約半数、心筋梗塞になった人の約3分の1に糖尿病がみられます。
結論です。
要するに、糖尿病のコントロールが悪かったら、動脈硬化症もドンドン進行し血管年齢は老化の一途を辿り、心筋梗塞や脳梗塞をおこしちゃいます。
糖尿人のご同輩、努々油断なされぬよう、糖質制限食をお忘れなく。
なお、糖質制限食の実践で、糖尿病以外の動脈硬化のリスクファクター(高血圧・高脂血症・肥満)も改善されます。
江部康二
2007年07月08日 (日)
こんばんは
江部康二です。
東京での 糖質制限食の講演会のご案内です。
アトピー・ネットワーク・リボーンのホームページから転載します。
関東方面の糖尿人、メタボ人の皆様、是非奮ってご参加くださいね。
<江部康二・糖質制限食講演会・第5弾>
開催日時 2007年09月02日
開催場所 東京都
<食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム>
もう、毎日の食事をむずかしく考える必要はありません。
じつに簡単、無理のない方法で、楽しくたっぷり食べて、 確実に症状が改善する食事療法が生まれました。
<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 9時30~11時30分
<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員100名/申し込み先着順)
<糖質制限食のすすめ>
精製炭水化物(白米や白パン、うどん、パスタ、白砂糖、お菓子類)の摂りすぎ! これがすべての元凶なのです。
精製された炭水化物の糖質は消化吸収がはやいため、口にするたびに、ちょこちょこ血糖値の上昇(ミニスパイク)が起きてしまいます。
そのことが結果的に、代謝を不安定にし、生活習慣病全般の発症要因につながっている…。
そう考えると、納得することばかり。
人類の食の歴史をひも解けば、こんなにシンプルだったのです!
生理学的な理論もしっかり確立しています。
そして…、具体的な食の提案「糖質制限食10カ条」が生まれました。
当日は、「糖質制限食」を軸に、糖尿病を中心に、肥満、メタボリックシンドロームなど、
生活習慣病全般の患者さん一人ひとりにあった食事指導を展開します。
明日からの食生活が楽しくなり、症状もぐんぐん改善することでしょう。
<ドクター江部と「糖質制限食」のプロフィール>
ドクター江部の長年にわたる食事療法の研究と臨床活動はいつも多くの話題を生んできました。
なかでも2001年から糖尿病患者さんを中心に臨床実践している「糖質制限食」は、その日から確実に効果があり(急速な血糖値の改善)、患者さんの口コミが広がり、マスコミでも話題となっています。さらにウワサは広まり、医学界からも注目を集めはじめています。
この「糖質制限食」は、カラダの代謝機能全般を改善するもので、糖尿病だけでなく、メタボリックシンドローム系の他の病気(肥満・高血圧・高コレステロール症・動脈硬化)、アレルギー疾患全般にも、効果が認められています。欧米の潮流にものったもので、まさに日本の糖尿病治療食においてパイオニアになるでしょう。
高雄病院では、アトピーをはじめとするアレルギー疾患全般、喘息、ネフローゼ症候群、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム…などの生活習慣病改善に絶大の効果をあげ、全国から入院患者があとを絶ちません。
自ら食事療法の大切さに気づいたのは20数年前、西洋医学も東洋医学も薬だけの治療では限界に気づいてのことでした。
医師が食事療法を積極的に臨床にとりいれるのは極めてめずらしいことです。その意味でドクター江部は、とてもユニークなお医者さん。診療だけでなく、講演会でも「明瞭かつ楽しく、人の心を軽くする」その人柄に魅かれる患者さんがとても多いのです。
著書『ドクター江部のアトピー学校??』『糖質制限食のすすめ 主食を抜けば糖尿病は良くなる!』『糖尿病が良くなるごちそうレシピ 糖質制限食の実践法』『糖質制限食 春のレシピ』『糖質制限食 夏のレシピ』(東洋経済新報社)など多数。
[お申し込み方法]
◆予約申込◆席に限りがあります。なるべく予約申込してください。
・電話、ファックスまたはeメールで予約してください。
・事前に郵便振替で会費をご送金ください。
・郵便振用紙の通信欄に、(住所・氏名・電話番号)を明記してください。
・郵便振替用紙の控えを受領書とします。
・振込後の払い戻しはできませんのでご了承ください。
◆当日受付◆席に余裕がある場合受付けます。
・直接会場にお越しください。
・満席の場合にはお断りすることになりますので、ご了承ください。
・前日に留守電のメッセージで空席の状況を流しますのでお聞きください。
※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。
郵便振替
口座番号 00180-2-771553
口座名称 アトピー・ネットワーク・リボーン
<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp
主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部
江部康二です。
東京での 糖質制限食の講演会のご案内です。
アトピー・ネットワーク・リボーンのホームページから転載します。
関東方面の糖尿人、メタボ人の皆様、是非奮ってご参加くださいね。
<江部康二・糖質制限食講演会・第5弾>
開催日時 2007年09月02日
開催場所 東京都
<食事で治す糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム>
もう、毎日の食事をむずかしく考える必要はありません。
じつに簡単、無理のない方法で、楽しくたっぷり食べて、 確実に症状が改善する食事療法が生まれました。
<講師> 江部康二(京都・高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
<時間> 9時30~11時30分
<会場> なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて、中野通りを徒歩2分)
<会費> 1000円(定員100名/申し込み先着順)
<糖質制限食のすすめ>
精製炭水化物(白米や白パン、うどん、パスタ、白砂糖、お菓子類)の摂りすぎ! これがすべての元凶なのです。
精製された炭水化物の糖質は消化吸収がはやいため、口にするたびに、ちょこちょこ血糖値の上昇(ミニスパイク)が起きてしまいます。
そのことが結果的に、代謝を不安定にし、生活習慣病全般の発症要因につながっている…。
そう考えると、納得することばかり。
人類の食の歴史をひも解けば、こんなにシンプルだったのです!
生理学的な理論もしっかり確立しています。
そして…、具体的な食の提案「糖質制限食10カ条」が生まれました。
当日は、「糖質制限食」を軸に、糖尿病を中心に、肥満、メタボリックシンドロームなど、
生活習慣病全般の患者さん一人ひとりにあった食事指導を展開します。
明日からの食生活が楽しくなり、症状もぐんぐん改善することでしょう。
<ドクター江部と「糖質制限食」のプロフィール>
ドクター江部の長年にわたる食事療法の研究と臨床活動はいつも多くの話題を生んできました。
なかでも2001年から糖尿病患者さんを中心に臨床実践している「糖質制限食」は、その日から確実に効果があり(急速な血糖値の改善)、患者さんの口コミが広がり、マスコミでも話題となっています。さらにウワサは広まり、医学界からも注目を集めはじめています。
この「糖質制限食」は、カラダの代謝機能全般を改善するもので、糖尿病だけでなく、メタボリックシンドローム系の他の病気(肥満・高血圧・高コレステロール症・動脈硬化)、アレルギー疾患全般にも、効果が認められています。欧米の潮流にものったもので、まさに日本の糖尿病治療食においてパイオニアになるでしょう。
高雄病院では、アトピーをはじめとするアレルギー疾患全般、喘息、ネフローゼ症候群、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム…などの生活習慣病改善に絶大の効果をあげ、全国から入院患者があとを絶ちません。
自ら食事療法の大切さに気づいたのは20数年前、西洋医学も東洋医学も薬だけの治療では限界に気づいてのことでした。
医師が食事療法を積極的に臨床にとりいれるのは極めてめずらしいことです。その意味でドクター江部は、とてもユニークなお医者さん。診療だけでなく、講演会でも「明瞭かつ楽しく、人の心を軽くする」その人柄に魅かれる患者さんがとても多いのです。
著書『ドクター江部のアトピー学校??』『糖質制限食のすすめ 主食を抜けば糖尿病は良くなる!』『糖尿病が良くなるごちそうレシピ 糖質制限食の実践法』『糖質制限食 春のレシピ』『糖質制限食 夏のレシピ』(東洋経済新報社)など多数。
[お申し込み方法]
◆予約申込◆席に限りがあります。なるべく予約申込してください。
・電話、ファックスまたはeメールで予約してください。
・事前に郵便振替で会費をご送金ください。
・郵便振用紙の通信欄に、(住所・氏名・電話番号)を明記してください。
・郵便振替用紙の控えを受領書とします。
・振込後の払い戻しはできませんのでご了承ください。
◆当日受付◆席に余裕がある場合受付けます。
・直接会場にお越しください。
・満席の場合にはお断りすることになりますので、ご了承ください。
・前日に留守電のメッセージで空席の状況を流しますのでお聞きください。
※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。
郵便振替
口座番号 00180-2-771553
口座名称 アトピー・ネットワーク・リボーン
<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp
主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部
2007年07月08日 (日)
おはようございます。江部康二です。
以下のメッセージは以前にも書きましたが、初めてブログを訪れる方のためにこれからも定期的に記載しますのでよろしくお願い申し上げます。
糖質制限食を始める時のご注意
「本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。」
以下のメッセージは以前にも書きましたが、初めてブログを訪れる方のためにこれからも定期的に記載しますのでよろしくお願い申し上げます。
糖質制限食を始める時のご注意
「本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、「主食を抜けば糖尿病は良くなる」「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」「 糖質制限食 春のレシピ」「 糖質制限食 夏のレシピ」を参考にして、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。」
2007年07月07日 (土)
こんばんは。今日は七夕です。
織姫と夏彦が年に1回だけ愛し合える悲しくもロマンチックなお話ですね。
とある宴会で、
20代の友人A君が「うちは平均週一ですね。」
30代のB君が「まあ家賃払っているくらいの間隔ですかね。」
40代のC君、ぼそりと「我が家は七夕様です。」
これが決め台詞かと思ったら、
某君、「皆さん、案外まめですね。私とこはオリンピックですよ。」
いやはや、格調高い七夕の話がいったい何の話になってるんでしょうね?
さて、今回はメープルシロップについて、えりさんの質問にお答えします。
「メープルシロップについて
江部先生、いつも丁寧でわかりやすい解説ありがとうございます。
調子に乗ってまた質問に来てしまいました。
先日ある記事で、“メープルシロップに含まれるフェノール類に『α-グルコシターゼ阻害作用』がある”と書かれているのを見ました。
ということは、他の甘味料(ハチミツや黒砂糖など)に比べれば、少量であれば糖質制限食を実践中でも使用可能と見ても良いのでしょうか。
普段はラカントSを使用しているのですが、独特の冷たい感じの甘みにいまひとつの気持ちがあり、ごく少量でもメープルシロップが使えると味に変化がついて嬉しいなぁ、と思いダメもとでお伺いしてみました。
お時間のある時にでもアドバイスいただけますか。
よろしくお願いいたします。
2007/07/05(木) 11:26:47 | URL | えり」
えりさん。いつもコメント、質問ありがとうございます。
メープルシロップ(主成分はショ糖)は100gあたり66.3gの糖質が含まれていますので、少々α-グルコシターゼ阻害作用があるフェノールが含まれていても、意味は少ないと思います。砂糖とほぼ一緒と考えてください。
ただ、砂糖1g、ブドウ糖1g、メープルシロップ1g、米のデンプンの糖質1g、大豆の糖質1gも、糖質という範疇では計算上一緒です。
1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を3mg上昇させます。メープルシロップ5g使えば、全部食べたら15mg血糖値上昇という計算ですね。
従って、味付けにごく少量のメープルシロップを使う分には、問題はありません。
以前のブログでも書きましたように、大根、白菜、ねぎ、ほうれん草などにも、少量のショ糖や他の糖質も含まれています。しかし、この程度の野菜に含まれるショ糖や糖質は、糖質制限食においてもOKです。
江部康二
織姫と夏彦が年に1回だけ愛し合える悲しくもロマンチックなお話ですね。
とある宴会で、
20代の友人A君が「うちは平均週一ですね。」
30代のB君が「まあ家賃払っているくらいの間隔ですかね。」
40代のC君、ぼそりと「我が家は七夕様です。」
これが決め台詞かと思ったら、
某君、「皆さん、案外まめですね。私とこはオリンピックですよ。」
いやはや、格調高い七夕の話がいったい何の話になってるんでしょうね?
さて、今回はメープルシロップについて、えりさんの質問にお答えします。
「メープルシロップについて
江部先生、いつも丁寧でわかりやすい解説ありがとうございます。
調子に乗ってまた質問に来てしまいました。
先日ある記事で、“メープルシロップに含まれるフェノール類に『α-グルコシターゼ阻害作用』がある”と書かれているのを見ました。
ということは、他の甘味料(ハチミツや黒砂糖など)に比べれば、少量であれば糖質制限食を実践中でも使用可能と見ても良いのでしょうか。
普段はラカントSを使用しているのですが、独特の冷たい感じの甘みにいまひとつの気持ちがあり、ごく少量でもメープルシロップが使えると味に変化がついて嬉しいなぁ、と思いダメもとでお伺いしてみました。
お時間のある時にでもアドバイスいただけますか。
よろしくお願いいたします。
2007/07/05(木) 11:26:47 | URL | えり」
えりさん。いつもコメント、質問ありがとうございます。
メープルシロップ(主成分はショ糖)は100gあたり66.3gの糖質が含まれていますので、少々α-グルコシターゼ阻害作用があるフェノールが含まれていても、意味は少ないと思います。砂糖とほぼ一緒と考えてください。
ただ、砂糖1g、ブドウ糖1g、メープルシロップ1g、米のデンプンの糖質1g、大豆の糖質1gも、糖質という範疇では計算上一緒です。
1gの糖質が、2型糖尿病の人の血糖値を3mg上昇させます。メープルシロップ5g使えば、全部食べたら15mg血糖値上昇という計算ですね。
従って、味付けにごく少量のメープルシロップを使う分には、問題はありません。
以前のブログでも書きましたように、大根、白菜、ねぎ、ほうれん草などにも、少量のショ糖や他の糖質も含まれています。しかし、この程度の野菜に含まれるショ糖や糖質は、糖質制限食においてもOKです。
江部康二
2007年07月06日 (金)
こんばんは。京都は現在まで雨は降りませんでした。かなり蒸し暑い一日でした。
暑いとはいってもアテネでは40度を超したとか、報道がありましたからそれよりはましですかね。 実はアテネ、40度以上はよくあることなのだそうです。湿度が日本より低いので体感はそこそこなのでしょうか?
さて街のくまさんから、コメントいただきました。
「ためになるお話、本当に有難うございます。昨日の昼に久々に生姜焼き弁当を頂きました。ベイスンを飲まなかったのですが、2時間後血糖が230まで上昇しました。
もし毎日昼食に糖質を採るのであれば、インスリンを分泌させる薬を出していただいたほうが良いのでしょうか。
御教えいただければ幸いです。
2007/06/06(水) 13:59:33 | URL | 街のくま」
街のくまさん、たいへん長らくお待たせ致しました。
やっと質問に答えることができます。糖尿病の内服薬の解説が一段落してと思っていたらとうとう、一ヶ月遅れになってしまい、申し訳ありませんでした。(u_u,)゙ sory…
糖尿病の内服薬の解説でも少し説明しましたように、スタンダードやプチ 糖質制限食の時は、α-グルコシダーゼ阻害剤(グルコバイ、ベイスンなど)と速効型インスリン分泌促進剤(グルファスト、スターシスなど)は結構使用頻度が高いお薬です。
「清く正しく生きる」より「おいしく楽しく生きる」のが信条の江部康二ですので、糖尿人のご同輩にも、あまり我慢を強いるようなことはしたくありません。
会社勤めの方など、お昼はお弁当とか定食が多いですよね。このような時は、スタンダード糖質制限食として考えて、お昼だけ主食摂取となります。この昼食直前にグルコバイやベイスンを服用することは、食後高血糖を防ぐのに一定の意味があります。
高雄病院に入院された糖尿人の方は、スーパー糖質制限食でコントロールOKとなった後、昼食前にグルコバイを内服して、玄米150gとか110gとか食べてもらって実験します。食後2時間血糖値が180mg/dlが目標ですので、グルコバイだけで達成できなければ次の実験では<グルコバイ+グルファスト>を一緒に食直前に服用して試します。
個人差が大きいので、いろいろなパターンがあります。
玄米110gだとグルコバイだけでOKの人もいますし、
<グルコバイ+グルファスト>が必要な人もいます。
<グルコバイ+グルファスト>飲んでれば、玄米150gいける糖尿人もいます。
α-グルコシダーゼ阻害剤は膵臓には全く負担がかからないお薬なので、こちらを先に試します。α-グルコシダーゼ阻害剤がお腹が張って使いにくい時は速効型インスリン分泌促進剤の単独使用とします。
スーパー糖質制限食の場合は内服薬は不要ですが、主食を食べるときは、適宜α-グルコシダーゼ阻害剤や速効型インスリン分泌促進剤を利用するのも芸の内だと思います。
我慢しても長続きしませんから「おいしく楽しく末永く糖質制限食」を目指したいと思っています。 (o´~`o)
聖人君子とはほど遠い私の場合、グルコバイが残念ながらお腹が張って使えないので、誕生日とか忘年会とか新年会とか・・・グルファストを1錠/2~3月ヶ月ていど使っています。
江部康二
暑いとはいってもアテネでは40度を超したとか、報道がありましたからそれよりはましですかね。 実はアテネ、40度以上はよくあることなのだそうです。湿度が日本より低いので体感はそこそこなのでしょうか?
さて街のくまさんから、コメントいただきました。
「ためになるお話、本当に有難うございます。昨日の昼に久々に生姜焼き弁当を頂きました。ベイスンを飲まなかったのですが、2時間後血糖が230まで上昇しました。
もし毎日昼食に糖質を採るのであれば、インスリンを分泌させる薬を出していただいたほうが良いのでしょうか。
御教えいただければ幸いです。
2007/06/06(水) 13:59:33 | URL | 街のくま」
街のくまさん、たいへん長らくお待たせ致しました。
やっと質問に答えることができます。糖尿病の内服薬の解説が一段落してと思っていたらとうとう、一ヶ月遅れになってしまい、申し訳ありませんでした。(u_u,)゙ sory…
糖尿病の内服薬の解説でも少し説明しましたように、スタンダードやプチ 糖質制限食の時は、α-グルコシダーゼ阻害剤(グルコバイ、ベイスンなど)と速効型インスリン分泌促進剤(グルファスト、スターシスなど)は結構使用頻度が高いお薬です。
「清く正しく生きる」より「おいしく楽しく生きる」のが信条の江部康二ですので、糖尿人のご同輩にも、あまり我慢を強いるようなことはしたくありません。
会社勤めの方など、お昼はお弁当とか定食が多いですよね。このような時は、スタンダード糖質制限食として考えて、お昼だけ主食摂取となります。この昼食直前にグルコバイやベイスンを服用することは、食後高血糖を防ぐのに一定の意味があります。
高雄病院に入院された糖尿人の方は、スーパー糖質制限食でコントロールOKとなった後、昼食前にグルコバイを内服して、玄米150gとか110gとか食べてもらって実験します。食後2時間血糖値が180mg/dlが目標ですので、グルコバイだけで達成できなければ次の実験では<グルコバイ+グルファスト>を一緒に食直前に服用して試します。
個人差が大きいので、いろいろなパターンがあります。
玄米110gだとグルコバイだけでOKの人もいますし、
<グルコバイ+グルファスト>が必要な人もいます。
<グルコバイ+グルファスト>飲んでれば、玄米150gいける糖尿人もいます。
α-グルコシダーゼ阻害剤は膵臓には全く負担がかからないお薬なので、こちらを先に試します。α-グルコシダーゼ阻害剤がお腹が張って使いにくい時は速効型インスリン分泌促進剤の単独使用とします。
スーパー糖質制限食の場合は内服薬は不要ですが、主食を食べるときは、適宜α-グルコシダーゼ阻害剤や速効型インスリン分泌促進剤を利用するのも芸の内だと思います。
我慢しても長続きしませんから「おいしく楽しく末永く糖質制限食」を目指したいと思っています。 (o´~`o)
聖人君子とはほど遠い私の場合、グルコバイが残念ながらお腹が張って使えないので、誕生日とか忘年会とか新年会とか・・・グルファストを1錠/2~3月ヶ月ていど使っています。
江部康二