2015年09月20日 (日)
【15/09/19 都内河北 鈴木
日本糖尿病学会提言1・2を拝読して!
都内河北 鈴木です。
江部先生は、千里眼の持ち主かと思える程私の糖尿病悪化経過を驚くほど的確に説明されています。
正に正にその通りです。
私は糖尿病発症21年。糖尿病専門医の指示通りと言ってもカロリー制限食オンリーの説明終始。
結果、糖尿病は悪化一途でした。
病態悪化で右目眼圧破裂失明、同時緑内障発症、その後7年間日本糖尿病学会公認専任医、指導医の肩書き医者に診療受けていましたが、 5年後には脳梗塞発症救急搬送。
糖尿病悪化は明らかです。
糖尿病悪化改善の為に食事療法入院しましたが、当然カロリー制限食です。
3日目にはインスリン投与が始りました。
その後病態改善無く悪化増すばかり、インスリン及び投薬量は増すばかりでした。
インスリン投与3年数ヶ月経過した頃、江部先生をメディアで垣間見て、ネット始めたばかりで検索し、改善者のオーディオさんブログから試してみる価値ありと、2012.10.1.よりスーパー糖質制限食生活を実践スタートしました。
スーパー糖質制限食実践翌日驚いたのは、朝食インスリン投与前に血糖値自己測定器計測は。今まで200前後が110以下でした。
以降日々血糖値は下がり、インスリンは自己判断で減量して行き2ヶ月経過した頃には血糖値53でした。
低血糖の説明はインスリン投与時より無かったので、ネット検索で危険数値知りインスリン離脱しました。
以降糖質制限理論食生活なら血糖値・HbaA1cは改善安定して現在に至ります。
私は江部先生情報を元にネットで欧米先進国の糖尿病解明の事実を確認する度に愕然としました。
世界は2000年以降カロリーという食理論概念を否定している事!
私が当時通院していた病院廃医院により転院したのは2005年です。
この年からアメリカADAなどが血糖値上昇栄養素は糖質だと解明世界発表していました。
2009年にはアメリカ医学会は血糖値上昇栄養素は糖質だと統一しています。
また福岡久山町・山形舟形町の研究データの事実も江部先生ブログより知りました確認しました!
上記の事は未だに信者医者達からは説明ありません。
この様な事から如何に可能性無い治療を受けていたかの事実被害体験者です。
そして私患者が改善してゆく事へ、担当医TとK病院は反省学習するどころか、数々の嫌がらせ。
転院をする羽目になりました。
江部先生に糖質制限理論に対しての現状報告として送付した転院紹介状などに何故あのような事を書くのでしょうか。
送付転院紹介状には日本において名のある病院の名前もあるかと思います。
私は日本糖尿病学会信者医者・信者病院は治療し改善することへ真摯な考えが無いことを実体験しました。
現在糖尿病など病態に悩んでいる患者の皆さんは、この国の権威・肩書きなどから既成概念打破するべきです。
パターナリズム覚醒して欲しいです。
病態悪化進行する前に!!!
私は面識無い江部先生の糖質制限理論により改善生還した証明者です。!!
後遺症の眼・脳は進行性であり今後も気が抜けませんが、 今後も江部先生の情報発信でより改善策を勉強したいです。
江部先生、ご苦労でしょうが今後も御尽力下さい。
お願い致します。
敬具 】
こんにちは。
糖尿病歴21年の都内河北 鈴木 さんから、貴重な体験談をコメントいただきました。
ありがとうございます。
鈴木さんは「従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)+薬物療法」で治療されていて、糖尿病が徐々に悪化していき、右目眼圧破裂失明、同時緑内障発症されました。
その後、糖尿病専門医の治療を受けておられたにも関わらず、5年後には脳梗塞発症で救急搬送。
さらにその後、糖尿病悪化のために入院加療され、カロリー制限食(高糖質食)を出され、入院3日後にはインスリン注射の開始となりました。
退院後も糖尿病のコントロールは困難で、インスリン注射や投薬量は増える一方。
インスリン注射開始後、3年数ヶ月経過した2012年10月1日からスーパー糖質制限食を開始され、血糖コントロールがどんどん良く
なり、2~3ヶ月後には、インスリンを離脱されました。
その後は、スーパー糖質制限食により、血糖値、HbA1cは良好を保っておられます。
鈴木さん、大変辛い目に会われ、苦労されましたね。
幸い、糖質制限食に巡り会われて、ご自分で考えて糖質制限食を選択し実践され、インスリン離脱されたのは素晴らしいです。
鈴木さんと同様に、糖尿病専門医や栄養士の指導に従って、「従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)+薬物療法」で治療され、結局合併症を発症された糖尿人は、数多くおられると思います。
合併症発症を予防できる食事療法は、糖質制限食だけです。
糖尿人の皆さんは、早くこのことに気がついて欲しいと思います。
本やインターネットで糖質制限食の情報を簡単に得られる時代ですので、
自分で考えて決断し選択してほしいと思います。
糖質制限食実践が早ければ早いほど合併症のリスクは減少します。
A)米国糖尿病協会(ADA)の
患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、
「摂取後直接、血糖に変わるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
と記載されています。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
B)米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
A)B)を糖尿人が、知識として獲得すれば、誰も従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を食べようとは思わないでしょう。
江部康二
日本糖尿病学会提言1・2を拝読して!
都内河北 鈴木です。
江部先生は、千里眼の持ち主かと思える程私の糖尿病悪化経過を驚くほど的確に説明されています。
正に正にその通りです。
私は糖尿病発症21年。糖尿病専門医の指示通りと言ってもカロリー制限食オンリーの説明終始。
結果、糖尿病は悪化一途でした。
病態悪化で右目眼圧破裂失明、同時緑内障発症、その後7年間日本糖尿病学会公認専任医、指導医の肩書き医者に診療受けていましたが、 5年後には脳梗塞発症救急搬送。
糖尿病悪化は明らかです。
糖尿病悪化改善の為に食事療法入院しましたが、当然カロリー制限食です。
3日目にはインスリン投与が始りました。
その後病態改善無く悪化増すばかり、インスリン及び投薬量は増すばかりでした。
インスリン投与3年数ヶ月経過した頃、江部先生をメディアで垣間見て、ネット始めたばかりで検索し、改善者のオーディオさんブログから試してみる価値ありと、2012.10.1.よりスーパー糖質制限食生活を実践スタートしました。
スーパー糖質制限食実践翌日驚いたのは、朝食インスリン投与前に血糖値自己測定器計測は。今まで200前後が110以下でした。
以降日々血糖値は下がり、インスリンは自己判断で減量して行き2ヶ月経過した頃には血糖値53でした。
低血糖の説明はインスリン投与時より無かったので、ネット検索で危険数値知りインスリン離脱しました。
以降糖質制限理論食生活なら血糖値・HbaA1cは改善安定して現在に至ります。
私は江部先生情報を元にネットで欧米先進国の糖尿病解明の事実を確認する度に愕然としました。
世界は2000年以降カロリーという食理論概念を否定している事!
私が当時通院していた病院廃医院により転院したのは2005年です。
この年からアメリカADAなどが血糖値上昇栄養素は糖質だと解明世界発表していました。
2009年にはアメリカ医学会は血糖値上昇栄養素は糖質だと統一しています。
また福岡久山町・山形舟形町の研究データの事実も江部先生ブログより知りました確認しました!
上記の事は未だに信者医者達からは説明ありません。
この様な事から如何に可能性無い治療を受けていたかの事実被害体験者です。
そして私患者が改善してゆく事へ、担当医TとK病院は反省学習するどころか、数々の嫌がらせ。
転院をする羽目になりました。
江部先生に糖質制限理論に対しての現状報告として送付した転院紹介状などに何故あのような事を書くのでしょうか。
送付転院紹介状には日本において名のある病院の名前もあるかと思います。
私は日本糖尿病学会信者医者・信者病院は治療し改善することへ真摯な考えが無いことを実体験しました。
現在糖尿病など病態に悩んでいる患者の皆さんは、この国の権威・肩書きなどから既成概念打破するべきです。
パターナリズム覚醒して欲しいです。
病態悪化進行する前に!!!
私は面識無い江部先生の糖質制限理論により改善生還した証明者です。!!
後遺症の眼・脳は進行性であり今後も気が抜けませんが、 今後も江部先生の情報発信でより改善策を勉強したいです。
江部先生、ご苦労でしょうが今後も御尽力下さい。
お願い致します。
敬具 】
こんにちは。
糖尿病歴21年の都内河北 鈴木 さんから、貴重な体験談をコメントいただきました。
ありがとうございます。
鈴木さんは「従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)+薬物療法」で治療されていて、糖尿病が徐々に悪化していき、右目眼圧破裂失明、同時緑内障発症されました。
その後、糖尿病専門医の治療を受けておられたにも関わらず、5年後には脳梗塞発症で救急搬送。
さらにその後、糖尿病悪化のために入院加療され、カロリー制限食(高糖質食)を出され、入院3日後にはインスリン注射の開始となりました。
退院後も糖尿病のコントロールは困難で、インスリン注射や投薬量は増える一方。
インスリン注射開始後、3年数ヶ月経過した2012年10月1日からスーパー糖質制限食を開始され、血糖コントロールがどんどん良く
なり、2~3ヶ月後には、インスリンを離脱されました。
その後は、スーパー糖質制限食により、血糖値、HbA1cは良好を保っておられます。
鈴木さん、大変辛い目に会われ、苦労されましたね。
幸い、糖質制限食に巡り会われて、ご自分で考えて糖質制限食を選択し実践され、インスリン離脱されたのは素晴らしいです。
鈴木さんと同様に、糖尿病専門医や栄養士の指導に従って、「従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)+薬物療法」で治療され、結局合併症を発症された糖尿人は、数多くおられると思います。
合併症発症を予防できる食事療法は、糖質制限食だけです。
糖尿人の皆さんは、早くこのことに気がついて欲しいと思います。
本やインターネットで糖質制限食の情報を簡単に得られる時代ですので、
自分で考えて決断し選択してほしいと思います。
糖質制限食実践が早ければ早いほど合併症のリスクは減少します。
A)米国糖尿病協会(ADA)の
患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、
「摂取後直接、血糖に変わるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
と記載されています。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
B)米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
A)B)を糖尿人が、知識として獲得すれば、誰も従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を食べようとは思わないでしょう。
江部康二
2015年08月11日 (火)
【15/08/10 無名糖尿病専門医
江部先生
江部先生取り上げて頂きありがとうございます。
都内河北鈴木さん、血糖コントロール改善してて本当に良かったですね。糖尿病は血糖コントロールが正常化しても治癒したとはいわないことになっています。減少したインスリン産生細胞が大幅に復活するということが今のところ考えにくいからです。
また、私が申し上げたかった点は、医療統計では糖尿病と一度診断されると薬を飲まなくて済むようになっても糖尿病とカウントされているということです。
糖尿病予備群は、ブドウ糖負荷試験が改善したりHbA1cが改善すれば正常者にカウントされるのと大きく違います。
前回私が申し上げたかったのは、米国でも我が国でも糖尿病合併症の発症率の減少はあまり変わらないだろうということです。
それは、この間の合併症の減少は降圧治療や脂質管理の改善がかなり貢献していると考えられているからでもあります(多くの文献があります)し、血糖コントロールについてもあまり大きな差がないように思われるからです(専門医のデータしかありませんが)。
江部先生、US Renal Data System (http://www.usrds.org)で米国の毎年の末期腎不全患者の発症数を見ることができます。
CDCの論文の20年間で末期腎不全発症数は年々増加し最近頭打ちです。そのうち50%位が糖尿病で、その数はやはり20年間で増加し最近頭打ちという我が国と同じ傾向であることが分かります。
したがって日米の末期腎不全発症率の変化は同じ方向を向いていると思います。
心血管イベントについては、一般住民コホートである久山町の中のごく一部の糖尿病患者のデータと専門医が診ている疾患コホートであるJDCSを直接比較することはあまり意味がないと思います(同じく専門医が診ている患者さんの介入研究で現在進行中のJ-DOIT3ではJDCSよりイベント発症率が大幅に減少しているとのことです)。
また、先生が引用しておられる西村先生自身がやっておられるJDCSから10年遅く始まったJDCPでも心筋梗塞や脳卒中の発症率は減っているそうです。
日本は高齢化してきていますので、動脈硬化性疾患や CKDでは加齢の影響がありますので、年齢構成の違う国のデータを比較するには年齢調整や他の危険因子の調整も必要なことは言うまでもありません。
失明や足切断については眼科学会や整形外科学会にもデータがないそうですが、先生があげておられるように随分昔からあまり根拠なく3000人といわれています。
もしこの数字が本当だとすれば、糖尿病患者は増加していますのでやはり発症率は下がっているということになります。
日本の標準的な治療は米国や欧州と変わりませんし(前回も申し上げましたとおり欧州各国でも糖尿病合併症の発症率は減少しているという論文は多くみられます)、米国で暮らしておりましたときにも米国糖尿病学会に出席しても、この20年間に非常に低糖質食が浸透してきたという実感はあまりありません。実際、米国の患者さんのBMIは高止まりです。
以上の様なこともあり、糖質摂取率の違いで日米の合併症の発症率が違いが出ているという江部先生の説には賛同できません。
そのような科学的根拠に基づかないお話しを先生がされるのは、検査や治療を受ける必要がある患者さんを医療不信に陥らせ医療機関から遠ざける危険があると申し上げているだけです。
私は、患者さんのデータが改善してまたそれで食事が楽しいのであれば、低糖質食であれ地中海食であれまたカロリー制限であれそれがその方にとって最も良い食事療法と思って診療において実践しています。糖尿病患者さんの合併症が0になる日が早く来るといいと思います。】
おはようございます。
無名糖尿病専門医さんから再度コメントをいただきました。
日本でも、欧米諸国と同様、糖尿病合併症発症率は減少傾向ということです。
忌憚のないニュートラルな立場からのご意見と思います。
ありがとうございます。
「US Renal Data System (http://www.usrds.org)で米国の毎年の末期腎不全患者の発症数を見ることができます。CDCの論文の20年間で末期腎不全発症数は年々増加し最近頭打ちです。そのうち50%位が糖尿病で、その数はやはり20年間で増加し最近頭打ちという我が国と同じ傾向であることが分かります。」
貴重な情報をありがとうございます。
このデータなら、日本の人工透析患者数の推移と同じ傾向ですね。
そうすると、米国の糖尿病末期腎不全発症率が28.3%減ったというのは不思議です。
今回の「米国の糖尿病合併症発症率が激減」という、CDCの発表は統計のとりかたに一定の問題があるのでしょうか?
「心血管イベントについては、一般住民コホートである久山町の中のごく一部の糖尿病患者のデータと専門医が診ている疾患コホートであるJDCSを直接比較することはあまり意味がないと思います」
久山町研究は、40才以上の住民の8割が健康診断に協力という精度の高いもので、信頼度も高いと思います。
久山町研究との比較は、私ではなく東京慈恵会医科大学の西村理明先生が、論文でそのように述べておられます。
専門医がきっちり診察しているJDCSのほうが、専門医の診察を受けていない久山町研究より虚血性心疾患の発症率の明らかな上昇ですので、専門医の治療効果に対して、一定の疑問が湧く結果ではあります。
「(同じく専門医が診ている患者さんの介入研究で現在進行中のJ-DOIT3ではJDCSよりイベント発症率が大幅に減少しているとのことです)。また、先生が引用しておられる西村先生自身がやっておられるJDCSから10年遅く始まったJDCPでも心筋梗塞や脳卒中の発症率は減っているそうです。」
日本でも、心筋梗塞や脳卒中の発症率が減少しているとは、嬉しいですね。
こちらは、専門医による糖尿病や高血圧の治療が一定の効果をあげて合併症発症率が減少したということで、とても良いことと思います。
「糖質摂取率の違いで日米の合併症の発症率が違いが出ているという江部先生の説には賛同できません。そのような科学的根拠に基づかないお話しを先生がされるのは、検査や治療を受ける必要がある患者さんを医療不信に陥らせ医療機関から遠ざける危険があると申し上げているだけです。」
米国では、ジョスリン糖尿病センターが糖質40%で、内科医や婦人科医などや患者会も糖尿病患者には糖質40%くらいを推奨することが多いようです。
「日本60%で米国40%の差が合併症発症率の差かもしれない」というのは、あくまでも仮説と断ってのお話ですが、そのような懸念をお感じになったとしたら、すいません。
医療不信というよりは、今の日本糖尿病学会の食事療法に関する治療方針に対して、糖尿病患者さんには疑問・不信をもって欲しいと思っています。
「私は、患者さんのデータが改善してまたそれで食事が楽しいのであれば、低糖質食であれ地中海食であれまたカロリー制限であれそれがその方にとって最も良い食事療法と思って診療において実践しています。糖尿病患者さんの合併症が0になる日が早く来るといいと思います。」
大賛成です。
先生のようなスタンスの糖尿病専門医が増えてくれば、日本の糖尿病患者さんも救われていくと思います。
さて2013年の統計で
糖尿病腎症からの人工透析は、年間新規導入16000人
糖尿病網膜症からの失明は、年間3000人
糖尿病足病変からの切断は、年間3000人以上
です。
欧州各国と同様に、日本でも近年糖尿病合併症の発症率は減少し始めているのかも知れませんが、やはり絶対数として多いとしか言いようがありません。
糖尿病合併症が発症する最大の理由として、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」があります。
これらが酸化ストレスの元凶となり、動脈硬化のリスクとなるからです。
そして糖尿病患者さんが「カロリー制限・高糖質食(糖質60%)」を摂取する限り、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が、必ず生じます。
そうすると、従来の糖尿病食では理論的に合併症の予防は極めて困難ということになります。
インスリンや内服薬を使用しても、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」をきっちり防ぐことは困難ですが、合併症発症率が減少しているなら、薬物療法はその分くらいは有効と考えられます。
これに対して、糖質制限食で血糖コントロール良好なら「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は生じませんので、理論的には、合併症はほとんど生じないと考えられます。
私は、早急に、糖質摂取を減らして、日本の糖尿病患者さんを、合併症の悲劇から守る必要があると考えています。
私は患者さんサイドに立って、物事を考えます。
まあ、私自身が糖尿病患者ですので・・・。(^^)
日本糖尿病学会は、
「血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけである」
という米国糖尿病学会の見解や
「米国糖尿病学会は2013年、糖質制限食を正式に受容した。」
という重要な事実を、国民や一般の医師に、早急に情報公開する義務があると思います。
私は、一医師そして一糖尿病患者として、今の日本糖尿病学会には、不信感を持っています。
糖尿病患者さんにも、今の日本糖尿病学会の食事療法には不信感を持って欲しいと思って、毎日ブログで、情報を発信しています。
糖質制限食に関する正確な情報を得て、自分で考えて治療法を選択する権利が患者さんにはありますが、現状はそれが無視されています。
多くの糖尿病専門医が、一方的に「カロリー制限・高糖質食」を唯一無二の食事療法として患者さんに押しつけています。
「カロリー制限・高糖質食」は、合併症誘発食であり、もっと過激に言えば、慢性殺人食とも言えます。
私は、日本糖尿病学会に、喧嘩を売っているのではありません。
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が酸化ストレスリスクであるということは糖尿病専門医において周知の事実なのに何故それを唯一生じる糖質を、大量摂取させるような、矛盾した食事療法を推奨するのか?理解に苦しみますので、できれば理論的に回答して欲しいと思っているわけです。
各糖尿病専門医も、それぞれ自分の頭で考えて、理論的に正しいと判断して治療法を選んで欲しいと思います。
江部康二
江部先生
江部先生取り上げて頂きありがとうございます。
都内河北鈴木さん、血糖コントロール改善してて本当に良かったですね。糖尿病は血糖コントロールが正常化しても治癒したとはいわないことになっています。減少したインスリン産生細胞が大幅に復活するということが今のところ考えにくいからです。
また、私が申し上げたかった点は、医療統計では糖尿病と一度診断されると薬を飲まなくて済むようになっても糖尿病とカウントされているということです。
糖尿病予備群は、ブドウ糖負荷試験が改善したりHbA1cが改善すれば正常者にカウントされるのと大きく違います。
前回私が申し上げたかったのは、米国でも我が国でも糖尿病合併症の発症率の減少はあまり変わらないだろうということです。
それは、この間の合併症の減少は降圧治療や脂質管理の改善がかなり貢献していると考えられているからでもあります(多くの文献があります)し、血糖コントロールについてもあまり大きな差がないように思われるからです(専門医のデータしかありませんが)。
江部先生、US Renal Data System (http://www.usrds.org)で米国の毎年の末期腎不全患者の発症数を見ることができます。
CDCの論文の20年間で末期腎不全発症数は年々増加し最近頭打ちです。そのうち50%位が糖尿病で、その数はやはり20年間で増加し最近頭打ちという我が国と同じ傾向であることが分かります。
したがって日米の末期腎不全発症率の変化は同じ方向を向いていると思います。
心血管イベントについては、一般住民コホートである久山町の中のごく一部の糖尿病患者のデータと専門医が診ている疾患コホートであるJDCSを直接比較することはあまり意味がないと思います(同じく専門医が診ている患者さんの介入研究で現在進行中のJ-DOIT3ではJDCSよりイベント発症率が大幅に減少しているとのことです)。
また、先生が引用しておられる西村先生自身がやっておられるJDCSから10年遅く始まったJDCPでも心筋梗塞や脳卒中の発症率は減っているそうです。
日本は高齢化してきていますので、動脈硬化性疾患や CKDでは加齢の影響がありますので、年齢構成の違う国のデータを比較するには年齢調整や他の危険因子の調整も必要なことは言うまでもありません。
失明や足切断については眼科学会や整形外科学会にもデータがないそうですが、先生があげておられるように随分昔からあまり根拠なく3000人といわれています。
もしこの数字が本当だとすれば、糖尿病患者は増加していますのでやはり発症率は下がっているということになります。
日本の標準的な治療は米国や欧州と変わりませんし(前回も申し上げましたとおり欧州各国でも糖尿病合併症の発症率は減少しているという論文は多くみられます)、米国で暮らしておりましたときにも米国糖尿病学会に出席しても、この20年間に非常に低糖質食が浸透してきたという実感はあまりありません。実際、米国の患者さんのBMIは高止まりです。
以上の様なこともあり、糖質摂取率の違いで日米の合併症の発症率が違いが出ているという江部先生の説には賛同できません。
そのような科学的根拠に基づかないお話しを先生がされるのは、検査や治療を受ける必要がある患者さんを医療不信に陥らせ医療機関から遠ざける危険があると申し上げているだけです。
私は、患者さんのデータが改善してまたそれで食事が楽しいのであれば、低糖質食であれ地中海食であれまたカロリー制限であれそれがその方にとって最も良い食事療法と思って診療において実践しています。糖尿病患者さんの合併症が0になる日が早く来るといいと思います。】
おはようございます。
無名糖尿病専門医さんから再度コメントをいただきました。
日本でも、欧米諸国と同様、糖尿病合併症発症率は減少傾向ということです。
忌憚のないニュートラルな立場からのご意見と思います。
ありがとうございます。
「US Renal Data System (http://www.usrds.org)で米国の毎年の末期腎不全患者の発症数を見ることができます。CDCの論文の20年間で末期腎不全発症数は年々増加し最近頭打ちです。そのうち50%位が糖尿病で、その数はやはり20年間で増加し最近頭打ちという我が国と同じ傾向であることが分かります。」
貴重な情報をありがとうございます。
このデータなら、日本の人工透析患者数の推移と同じ傾向ですね。
そうすると、米国の糖尿病末期腎不全発症率が28.3%減ったというのは不思議です。
今回の「米国の糖尿病合併症発症率が激減」という、CDCの発表は統計のとりかたに一定の問題があるのでしょうか?
「心血管イベントについては、一般住民コホートである久山町の中のごく一部の糖尿病患者のデータと専門医が診ている疾患コホートであるJDCSを直接比較することはあまり意味がないと思います」
久山町研究は、40才以上の住民の8割が健康診断に協力という精度の高いもので、信頼度も高いと思います。
久山町研究との比較は、私ではなく東京慈恵会医科大学の西村理明先生が、論文でそのように述べておられます。
専門医がきっちり診察しているJDCSのほうが、専門医の診察を受けていない久山町研究より虚血性心疾患の発症率の明らかな上昇ですので、専門医の治療効果に対して、一定の疑問が湧く結果ではあります。
「(同じく専門医が診ている患者さんの介入研究で現在進行中のJ-DOIT3ではJDCSよりイベント発症率が大幅に減少しているとのことです)。また、先生が引用しておられる西村先生自身がやっておられるJDCSから10年遅く始まったJDCPでも心筋梗塞や脳卒中の発症率は減っているそうです。」
日本でも、心筋梗塞や脳卒中の発症率が減少しているとは、嬉しいですね。
こちらは、専門医による糖尿病や高血圧の治療が一定の効果をあげて合併症発症率が減少したということで、とても良いことと思います。
「糖質摂取率の違いで日米の合併症の発症率が違いが出ているという江部先生の説には賛同できません。そのような科学的根拠に基づかないお話しを先生がされるのは、検査や治療を受ける必要がある患者さんを医療不信に陥らせ医療機関から遠ざける危険があると申し上げているだけです。」
米国では、ジョスリン糖尿病センターが糖質40%で、内科医や婦人科医などや患者会も糖尿病患者には糖質40%くらいを推奨することが多いようです。
「日本60%で米国40%の差が合併症発症率の差かもしれない」というのは、あくまでも仮説と断ってのお話ですが、そのような懸念をお感じになったとしたら、すいません。
医療不信というよりは、今の日本糖尿病学会の食事療法に関する治療方針に対して、糖尿病患者さんには疑問・不信をもって欲しいと思っています。
「私は、患者さんのデータが改善してまたそれで食事が楽しいのであれば、低糖質食であれ地中海食であれまたカロリー制限であれそれがその方にとって最も良い食事療法と思って診療において実践しています。糖尿病患者さんの合併症が0になる日が早く来るといいと思います。」
大賛成です。
先生のようなスタンスの糖尿病専門医が増えてくれば、日本の糖尿病患者さんも救われていくと思います。
さて2013年の統計で
糖尿病腎症からの人工透析は、年間新規導入16000人
糖尿病網膜症からの失明は、年間3000人
糖尿病足病変からの切断は、年間3000人以上
です。
欧州各国と同様に、日本でも近年糖尿病合併症の発症率は減少し始めているのかも知れませんが、やはり絶対数として多いとしか言いようがありません。
糖尿病合併症が発症する最大の理由として、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」があります。
これらが酸化ストレスの元凶となり、動脈硬化のリスクとなるからです。
そして糖尿病患者さんが「カロリー制限・高糖質食(糖質60%)」を摂取する限り、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が、必ず生じます。
そうすると、従来の糖尿病食では理論的に合併症の予防は極めて困難ということになります。
インスリンや内服薬を使用しても、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」をきっちり防ぐことは困難ですが、合併症発症率が減少しているなら、薬物療法はその分くらいは有効と考えられます。
これに対して、糖質制限食で血糖コントロール良好なら「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は生じませんので、理論的には、合併症はほとんど生じないと考えられます。
私は、早急に、糖質摂取を減らして、日本の糖尿病患者さんを、合併症の悲劇から守る必要があると考えています。
私は患者さんサイドに立って、物事を考えます。
まあ、私自身が糖尿病患者ですので・・・。(^^)
日本糖尿病学会は、
「血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけである」
という米国糖尿病学会の見解や
「米国糖尿病学会は2013年、糖質制限食を正式に受容した。」
という重要な事実を、国民や一般の医師に、早急に情報公開する義務があると思います。
私は、一医師そして一糖尿病患者として、今の日本糖尿病学会には、不信感を持っています。
糖尿病患者さんにも、今の日本糖尿病学会の食事療法には不信感を持って欲しいと思って、毎日ブログで、情報を発信しています。
糖質制限食に関する正確な情報を得て、自分で考えて治療法を選択する権利が患者さんにはありますが、現状はそれが無視されています。
多くの糖尿病専門医が、一方的に「カロリー制限・高糖質食」を唯一無二の食事療法として患者さんに押しつけています。
「カロリー制限・高糖質食」は、合併症誘発食であり、もっと過激に言えば、慢性殺人食とも言えます。
私は、日本糖尿病学会に、喧嘩を売っているのではありません。
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が酸化ストレスリスクであるということは糖尿病専門医において周知の事実なのに何故それを唯一生じる糖質を、大量摂取させるような、矛盾した食事療法を推奨するのか?理解に苦しみますので、できれば理論的に回答して欲しいと思っているわけです。
各糖尿病専門医も、それぞれ自分の頭で考えて、理論的に正しいと判断して治療法を選んで欲しいと思います。
江部康二
2015年08月05日 (水)
こんにちは。
2015年8月4日(火)夕、1年5ヶ月ぶりに眼科を受診してきました。
私は病歴13年間に及ぶ糖尿病患者ですから、本来は年1回くらいの眼科検診は必須なのです。
高雄病院や江部診療所に来られる糖尿病患者さんには、
「年に一回くらいは必ず眼科受診をしてください。糖尿病網膜症が発見されれば眼科主治医の指示に従ってください。」
と説明している私ですが、医者の不養生というか忙しかったというか、言い訳ばかりですが、ずっと眼科受診していませんでした。
2014年3月に、やっと約10年ぶりに眼科受信したときは、必ず1/年は検診と心に決めたのですが、結局、また間延びしていましました。2014年の眼科検診は、アレルギー性結膜炎以外は全く異常なしでした。
ともあれ
HbA1c(NGSP):5.6~5.9%
空腹時血糖値:90~110~125mg/dl
食後血糖値:140mg/dl未満
が、2002年6月に糖尿病発症(発覚?)以降の52歳~65歳までの13年間の検査データです。
ちなみに私は血糖自己測定器(SMBG)を持っています。
空腹時血糖値が時に境界型になることがありますが、あとは基本的に基準値内です。
<日本糖尿病学会2013年5月までの目標値>
空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後血糖値:1時間180mg/dl、2時間140mg/dl未満
HbA1c:6.2%(NGSP)未満
<日本糖尿病学会2013年6月からの目標値>
HbA1c(NGSP):7.0%未満 → 合併症予防のための目標
空腹時血糖値:130mg/dl未満
食後2時間血糖血:180mg/dl未満
*血糖正常化を目指す際の目標:HbA1c6.0%未満
なので、日本糖尿病学会の2013年6月以降の目標値は完全にクリアですし、2013年5月までの、より厳しい目標値も、早朝空腹時血糖値が時に境界型になるくらいであとはクリアなので、合併症は、まあ大丈夫だろうとは思っています。
江部診療所の近くの西村眼科医院を受診しました。
連れ合いをはじめ、江部診療所のスタッフもお世話になっています。
眼科医院のスタッフによりまず各種検査(眼底、眼圧、視力・・・)をして頂きました。
次いで西村先生の診察で、拡大鏡で角膜の傷の有無など確認して頂きました。
西村先生は女性医師です。
眼底写真の検査結果などてきぱきと説明していただき、待ち時間5分、検査・診察時間15分くらいで、サクサクと診察終了でした。
西村先生、ありがとうございました。
結果は、
眼底検査は両目共正常。
勿論糖尿病網膜症なし。
眼圧右13、左15で正常。
視力:右1.0、左0.6・・・近眼、老眼、乱視あり
白内障なし。
角膜も綺麗。
ただし両目ともアレルギー性結膜炎ありでしたが、点眼薬なしでOKとのことでした。
近眼・老眼・乱視ありですが、相変わらず裸眼で広辞苑も見えますし、日常生活もまったく不自由はないです。
視力ですが
右:2014年0.6・・・2015年1.0
左:2014年0.2・・・2015年0.6
と、大幅に改善していました。
自分ではとてもびっくりして、スーパー糖質制限食の成果かと早速同級生の眼科医にメールしたところ、裸眼の視力は、ちょっとしたことで結構変動するとのことでした。特に乱視がある場合は変動しやすいそうです。
まあ安心したような、ちょっぴり残念なような気持ちですが・・・。 (n^。^)/
糖尿人の皆さん、糖質制限食開始時には、必ず眼科検診をしてくださいね。
その後、何もなくても、1/年は眼科検診を習慣としましょう。
☆☆☆
西村眼科医院
〒606-0862
京都府京都市左京区下鴨本町11
久米衣料品店ビル1階
075-712-0190
江部康二
2015年8月4日(火)夕、1年5ヶ月ぶりに眼科を受診してきました。
私は病歴13年間に及ぶ糖尿病患者ですから、本来は年1回くらいの眼科検診は必須なのです。
高雄病院や江部診療所に来られる糖尿病患者さんには、
「年に一回くらいは必ず眼科受診をしてください。糖尿病網膜症が発見されれば眼科主治医の指示に従ってください。」
と説明している私ですが、医者の不養生というか忙しかったというか、言い訳ばかりですが、ずっと眼科受診していませんでした。
2014年3月に、やっと約10年ぶりに眼科受信したときは、必ず1/年は検診と心に決めたのですが、結局、また間延びしていましました。2014年の眼科検診は、アレルギー性結膜炎以外は全く異常なしでした。
ともあれ
HbA1c(NGSP):5.6~5.9%
空腹時血糖値:90~110~125mg/dl
食後血糖値:140mg/dl未満
が、2002年6月に糖尿病発症(発覚?)以降の52歳~65歳までの13年間の検査データです。
ちなみに私は血糖自己測定器(SMBG)を持っています。
空腹時血糖値が時に境界型になることがありますが、あとは基本的に基準値内です。
<日本糖尿病学会2013年5月までの目標値>
空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後血糖値:1時間180mg/dl、2時間140mg/dl未満
HbA1c:6.2%(NGSP)未満
<日本糖尿病学会2013年6月からの目標値>
HbA1c(NGSP):7.0%未満 → 合併症予防のための目標
空腹時血糖値:130mg/dl未満
食後2時間血糖血:180mg/dl未満
*血糖正常化を目指す際の目標:HbA1c6.0%未満
なので、日本糖尿病学会の2013年6月以降の目標値は完全にクリアですし、2013年5月までの、より厳しい目標値も、早朝空腹時血糖値が時に境界型になるくらいであとはクリアなので、合併症は、まあ大丈夫だろうとは思っています。
江部診療所の近くの西村眼科医院を受診しました。
連れ合いをはじめ、江部診療所のスタッフもお世話になっています。
眼科医院のスタッフによりまず各種検査(眼底、眼圧、視力・・・)をして頂きました。
次いで西村先生の診察で、拡大鏡で角膜の傷の有無など確認して頂きました。
西村先生は女性医師です。
眼底写真の検査結果などてきぱきと説明していただき、待ち時間5分、検査・診察時間15分くらいで、サクサクと診察終了でした。
西村先生、ありがとうございました。
結果は、
眼底検査は両目共正常。
勿論糖尿病網膜症なし。
眼圧右13、左15で正常。
視力:右1.0、左0.6・・・近眼、老眼、乱視あり
白内障なし。
角膜も綺麗。
ただし両目ともアレルギー性結膜炎ありでしたが、点眼薬なしでOKとのことでした。
近眼・老眼・乱視ありですが、相変わらず裸眼で広辞苑も見えますし、日常生活もまったく不自由はないです。
視力ですが
右:2014年0.6・・・2015年1.0
左:2014年0.2・・・2015年0.6
と、大幅に改善していました。
自分ではとてもびっくりして、スーパー糖質制限食の成果かと早速同級生の眼科医にメールしたところ、裸眼の視力は、ちょっとしたことで結構変動するとのことでした。特に乱視がある場合は変動しやすいそうです。
まあ安心したような、ちょっぴり残念なような気持ちですが・・・。 (n^。^)/
糖尿人の皆さん、糖質制限食開始時には、必ず眼科検診をしてくださいね。
その後、何もなくても、1/年は眼科検診を習慣としましょう。
☆☆☆
西村眼科医院
〒606-0862
京都府京都市左京区下鴨本町11
久米衣料品店ビル1階
075-712-0190
江部康二
2015年04月25日 (土)
【15/04/25 Momo
ダイエットに成功しました。
2014年の11月末から糖質制限を始めました。糖尿病はありませんでしたが、体重増加、高血圧、高コレステロール、網脈静脈閉塞症などがあり、とにかく体重を落とすことを目標にしました。
始めて2週間は炭水化物を抜くことが非常に辛かったのですが、その後は徐々に慣れ、5ヶ月経った今、10kg以上の減量に成功しました。太る前に着ていた洋服が緩くなるほど瘦せました。糖質制限のダイエット効果に驚いています。
実は兄が糖尿病で先日心筋梗塞で病院に運ばれ、カテーテルでステントを入れる手術を受けました。
5日間入院しました。兄は標準体重を大幅に越えていますが、入院中糖尿病の兄の食事は180グラムのご飯とほんの少しのおかずというものでした。
糖尿病なのに、ご飯中心の食事ってと驚いたのと同時にそのような食事では本人の空腹感も強く、とても辛そうでした。
兄には糖質制限で体重を落とし、糖尿病の状態を改善することが絶対に必要だと思うのですが、病院での食事指導でもご飯を抜かないでカロリー制限をすることを言われたようです。
病院は東京信濃町にある有名なK大学病院です。そんな立派な病院のお医者様の指導に間違いがあるはずはないと、兄は糖質制限を試みる気持ちを持てないでいます。
とても残念なことです。
義太夫さんの記事を読んで、このままでは兄も同じ道を歩むのではと心配でたまりません。
義太夫さんはカロリー制限で空腹と戦うことの大変さを嘆いていらっしゃいましたが、糖質制限でダイエットをしている私は空腹に悩まされることは一切無く、たったの5ヶ月で10キロ以上のダイエットに成功しました。
今日は誕生日でしたので、5ヶ月ぶりに、好きな物を好きなだけ食べる「爆発の日」にしようと決めていましたが、甘いものを食べても、甘さが強く感じられ過ぎてあまり美味しいとも思わなくなっていました。
用意されたバースデーケーキはせっかくなのでかなりの量をいただきましたが、明日からまたしっかりと糖質制限生活に戻りたいと思っています。
糖質制限ノートをつけていくうちに、食べている食品の糖質もおおよその見当がつくようになりました。
私は取り返しがつかないことになる前に糖質制限でダイエットに成功できました。
世の中の多くの方が取り返しがつかないことになる前に糖質制限で健康を取戻せるよう、心から願っております。】
こんにちは。
Momo さんから、糖質制限でダイエット成功というコメントをいただきました。
一方、兄上は、<糖尿病+肥満+心筋梗塞>で大学病院入院中ですが、つらいカロリー制限・高糖質食を実践しておられ、
立派な病院のお医者様の指導に間違いがあるはずがないと、糖質制限食には否定的ということです。
Momo さん
糖質制限食で、つらい思いをすることもなく5ヶ月で、10kgの減量成功、良かったです。
ひもじくてつらいカロリー制限食とは、えらい違いですね。
兄上の心筋梗塞ですが、まずはステントで救命できて良かったです。
しかし、ステントは、厳密にいうと緊急避難的に金属の管を心臓の冠動脈に挿入して、血流を回復させたということです。
つまり根本的に心臓の血管が良くなっているわけではありません。
このまま糖尿病で従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を続ければ「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」のために今度は、また別の場所の冠動脈が狭窄を起こして、再度ステントを挿入するということになります。
そのうち、3本、4本、5本とステントが入って、とうとうそれでは追いつかなくて、結局、冠動脈バイパス手術を開胸して行うような事態になります。
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、糖尿病合併症の進行を防ぐことや予防は、大変困難なのです。
兄上には、わかりやすいので、まずは週刊ポストの記事を読んで貰ってください。
その後、さらに私の本を読んで、兄上ご自身が判断して、糖質制限食を選択していただけば良いと思います。
日本では、糖尿病合併症があとを絶ちません。
糖尿病腎症・・・毎年16000人が新たに人工透析開始です。
糖尿病網膜症・・・毎年3000人が、新たに失明です。
糖尿病足病変・・・毎年3000人が、新たに足切断です。
上記の事実は、立派な病院の指導によって行われている日本の現行の糖尿病治療(カロリー制限・高糖質食+薬物療法)が、ほとんど合併症を防げていない、動かぬ証拠と思います。
米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しました。
米国では、
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8%
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4%
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%
ですが、日本では、ほとんど減っていないと思います。
日米の糖尿病薬物治療には大きな差はありません。
そうなると、あくまでも仮説ですが、
糖質摂取比率が、40%の米国の糖尿病患者と
糖質摂取比率が、60%の日本の糖尿病患者の差が、
合併症の差に繋がった可能性は高いと私は思います。
2015年03月12日 (木)
「米国、糖尿病合併症20年間で大幅減少、心筋梗塞は60%以上減」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3309.html
をご参照いただけば幸いです。
江部康二
ダイエットに成功しました。
2014年の11月末から糖質制限を始めました。糖尿病はありませんでしたが、体重増加、高血圧、高コレステロール、網脈静脈閉塞症などがあり、とにかく体重を落とすことを目標にしました。
始めて2週間は炭水化物を抜くことが非常に辛かったのですが、その後は徐々に慣れ、5ヶ月経った今、10kg以上の減量に成功しました。太る前に着ていた洋服が緩くなるほど瘦せました。糖質制限のダイエット効果に驚いています。
実は兄が糖尿病で先日心筋梗塞で病院に運ばれ、カテーテルでステントを入れる手術を受けました。
5日間入院しました。兄は標準体重を大幅に越えていますが、入院中糖尿病の兄の食事は180グラムのご飯とほんの少しのおかずというものでした。
糖尿病なのに、ご飯中心の食事ってと驚いたのと同時にそのような食事では本人の空腹感も強く、とても辛そうでした。
兄には糖質制限で体重を落とし、糖尿病の状態を改善することが絶対に必要だと思うのですが、病院での食事指導でもご飯を抜かないでカロリー制限をすることを言われたようです。
病院は東京信濃町にある有名なK大学病院です。そんな立派な病院のお医者様の指導に間違いがあるはずはないと、兄は糖質制限を試みる気持ちを持てないでいます。
とても残念なことです。
義太夫さんの記事を読んで、このままでは兄も同じ道を歩むのではと心配でたまりません。
義太夫さんはカロリー制限で空腹と戦うことの大変さを嘆いていらっしゃいましたが、糖質制限でダイエットをしている私は空腹に悩まされることは一切無く、たったの5ヶ月で10キロ以上のダイエットに成功しました。
今日は誕生日でしたので、5ヶ月ぶりに、好きな物を好きなだけ食べる「爆発の日」にしようと決めていましたが、甘いものを食べても、甘さが強く感じられ過ぎてあまり美味しいとも思わなくなっていました。
用意されたバースデーケーキはせっかくなのでかなりの量をいただきましたが、明日からまたしっかりと糖質制限生活に戻りたいと思っています。
糖質制限ノートをつけていくうちに、食べている食品の糖質もおおよその見当がつくようになりました。
私は取り返しがつかないことになる前に糖質制限でダイエットに成功できました。
世の中の多くの方が取り返しがつかないことになる前に糖質制限で健康を取戻せるよう、心から願っております。】
こんにちは。
Momo さんから、糖質制限でダイエット成功というコメントをいただきました。
一方、兄上は、<糖尿病+肥満+心筋梗塞>で大学病院入院中ですが、つらいカロリー制限・高糖質食を実践しておられ、
立派な病院のお医者様の指導に間違いがあるはずがないと、糖質制限食には否定的ということです。
Momo さん
糖質制限食で、つらい思いをすることもなく5ヶ月で、10kgの減量成功、良かったです。
ひもじくてつらいカロリー制限食とは、えらい違いですね。
兄上の心筋梗塞ですが、まずはステントで救命できて良かったです。
しかし、ステントは、厳密にいうと緊急避難的に金属の管を心臓の冠動脈に挿入して、血流を回復させたということです。
つまり根本的に心臓の血管が良くなっているわけではありません。
このまま糖尿病で従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を続ければ「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」のために今度は、また別の場所の冠動脈が狭窄を起こして、再度ステントを挿入するということになります。
そのうち、3本、4本、5本とステントが入って、とうとうそれでは追いつかなくて、結局、冠動脈バイパス手術を開胸して行うような事態になります。
従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、糖尿病合併症の進行を防ぐことや予防は、大変困難なのです。
兄上には、わかりやすいので、まずは週刊ポストの記事を読んで貰ってください。
その後、さらに私の本を読んで、兄上ご自身が判断して、糖質制限食を選択していただけば良いと思います。
日本では、糖尿病合併症があとを絶ちません。
糖尿病腎症・・・毎年16000人が新たに人工透析開始です。
糖尿病網膜症・・・毎年3000人が、新たに失明です。
糖尿病足病変・・・毎年3000人が、新たに足切断です。
上記の事実は、立派な病院の指導によって行われている日本の現行の糖尿病治療(カロリー制限・高糖質食+薬物療法)が、ほとんど合併症を防げていない、動かぬ証拠と思います。
米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しました。
米国では、
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8%
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4%
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%
ですが、日本では、ほとんど減っていないと思います。
日米の糖尿病薬物治療には大きな差はありません。
そうなると、あくまでも仮説ですが、
糖質摂取比率が、40%の米国の糖尿病患者と
糖質摂取比率が、60%の日本の糖尿病患者の差が、
合併症の差に繋がった可能性は高いと私は思います。
2015年03月12日 (木)
「米国、糖尿病合併症20年間で大幅減少、心筋梗塞は60%以上減」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3309.html
をご参照いただけば幸いです。
江部康二
2015年03月12日 (木)
こんばんは。
米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しました
医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に2014年4月17日付けで発表されました。
米国では、
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8%
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4%
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%
日本では
1)心筋梗塞はもともと米国に比べて発症率が少ないので、
比較しにくいですが67.8%も減っていないと思います。
2)高血糖そのものによる死亡は、かなり少ないので、やはり比較しにくいです。
3)脳卒中に関しては、やはり52.7%も減ってはいないと思います。
4)下肢切断は、ほとんど減っていないと思います。
5)末期腎不全は、新規透析に占める糖尿病腎症の割は合増え止まりましたが、絶対数は増加し続けています。
1)3)に関しては、日本では米国ほど減少していません。
4)は、ほとんど減少していません。
5)は、1983年から2007年まで24年間、糖尿病腎症の割合は増え続けたあと増え止まったようです。
しかし透析患者数全体が増え続けているので、糖尿病腎症からの透析絶対数は2013年まで増え続けています。
年間透析患者の割合で、1998年に慢性糸球体腎炎を抜いて疾患別一位になっています。
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
糖尿病腎症の割合 43.4 43.3 44.5 43.6 44.3 44.2 43.8%
透析患者数全体 275,242 283,421 290,661 298,252 304,856 310,007 314,180
結局、米国では、1990~2010年にかけての20年間で、糖尿病合併症が大幅に減少していますが、日本ではほとんど減少していません。
糖尿病の治療薬としては、米国も日本もそんなに差はありません。なので、合併症発症率の差は、薬以外に要因があることとなります。
運動療法もそんなに差があるとは思えません。そうなると残るのは、糖尿病の食事療法だけです。
米国では1993年から糖質管理食が広まりはじめました。
米国では1994年に炭水化物と脂質の割合を固定しなくなりました。
2005年、ボストンのジョスリン糖尿病センターは、炭水化物の推奨量を40%に下げました。
全米最大の糖尿病患者会は、大分前から炭水化物40%ていどを推奨しているそうですが、いつ頃からそうなのかは、判然としません。
ともあれ、米国では糖尿病と診断されたら、糖質摂取を意識することは、1993年糖質管理食が広まり始めたころからは、常識になっていったと思われます。
これに対して日本の糖尿病食は、1969年から一貫して糖質60%を推奨しています。
あくまでも仮説ですが、
糖質摂取比率が、40%の米国の糖尿病患者と
糖質摂取比率が、60%の日本の糖尿病患者の差が、
合併症の差に繋がった可能性は高いと私は思います。
なお米国でも、糖尿病合併症の発症率は減少ですが、糖尿病患者数は増え続けています。
これは、糖尿病患者以外の米国人は、50%くらいの糖質摂取比率のため、糖尿病発症が予防できていない可能性があります。
江部康二
☆☆☆
以下糖尿病ネットワークより抜粋
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/021697.php
糖尿病合併症が20年間で大幅減少
心筋梗塞や高血糖は60%以上減
2014年04月25日
カテゴリー:2014年 医療の進歩 糖尿病合併症
心臓病や脳卒中、腎臓病、下肢切断といった糖尿病合併症の発症率が、米国でこの20年間に急速に低下していることが判明した。「糖尿病は数百万の患者の生活に影響をもたらす破壊的な病気ですが、医療は進歩しており、糖尿病合併症は減りつつあります」と、研究者はこの調査結果を歓迎している。
「脳卒中」や「下肢切断」も、20年間で50%以上減少
この調査は、米国疾病予防管理センター(CDC)から研究助成を得て行われたもので、医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に4月17日付けで発表された。
研究チームは、「米国医療聞取り調査」(National Health Interview Survey)、「全米退院調査」(National Hospital Discharge Survey)、「米国腎臓データシステム」(U.S. Renal Data System)、「米国人口動態統計」(National Vital Statistics System)の4件の大規模調査のデータを用いて、1990~2010年の糖尿病合併症の発症について調べた。
その結果、2010年までに、以下の5つの合併症すべてにおいて、相対的な発生率が低下していることが判明した。
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% (95%信頼区間[CI] -76.2~-59.3)
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% (同-68.0~-60.9)
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3% (同-34.6~-21.6)
絶対的減少がもっとも大きかったのは「急性心筋梗塞」(1万人あたりマイナス95.6人)で、もっとも小さかったのは「高血糖による死亡」(同マイナス2.7)だった。
「糖尿病合併症を長期間予防すれば、生活の質(QOL)の低下を防ぐことができます。糖尿病をもつ人は、治療を続けながら、より良く生活していくことができます」と、CDCのシニア研究員のエドワード グレッグ氏は述べている。
糖尿病合併症が急速に減っている背景として、新しい治療薬が開発されるなど、糖尿病の治療の選択幅が拡大していることや、コレステロールなどの脂質や、血圧をコントロールする治療が普及したことを挙げている。
「医療の進歩が影響しているのはもちろんのことですが、患者自身が食事や運動、禁煙などの生活スタイルを改善し、自己管理することが一般的に行われるようになったことも、大きく貢献しています。糖尿病は、医師や医療スタッフが合併症の危険因子を管理するよりも、患者自身が生活スタイルを改善することで得られるメリットが多い病気です」(グレッグ氏)。
糖尿病の治療では、医療従事者が患者の生活習慣の指導を行い、自己管理を促しており、その努力が成果をもたらしはじめている。「生活習慣の指導はますます重要です」と指摘している。
20年で糖尿病人口は3倍に増加 医療費も急増
良いニュースをもたらした調査結果だが、一方では、米国を含め世界中で糖尿病の患者数が増え続けていることが懸念されている。
「米国だけでも糖尿病有病数が20年間で650万人から2,070万人と、3倍以上に増えています。さらに、糖尿病予備群の数は7,900万人以上に上ります。糖尿病合併症の発症率を抑えられても、糖尿病の全体の有病数が増え続けているので、糖尿病合併症は減っているとは言えないのです」と、グレッグ氏は注意を促している。
糖尿病の経済的な負担も深刻だ。米国の糖尿病や合併症の医療費は年間18兆円(1,760億ドル)に上り、毎年増え続けている。
「糖尿病腎症による腎不全、脳卒中、下肢切断などの数は、まだ多いのが現状です。糖尿病合併症を予防するとともに、2型糖尿病の発症数を減らす対策を行う必要があります」と、グレッグ氏は言う。
なお、20年間の調査は情報が不足しており、1型糖尿病と2型糖尿病を識別できていないことや、糖尿病が原因となる視覚障害や、低血糖の影響などについても不明な点も多いことを付け加えている。
米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しました
医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に2014年4月17日付けで発表されました。
米国では、
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8%
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4%
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%
日本では
1)心筋梗塞はもともと米国に比べて発症率が少ないので、
比較しにくいですが67.8%も減っていないと思います。
2)高血糖そのものによる死亡は、かなり少ないので、やはり比較しにくいです。
3)脳卒中に関しては、やはり52.7%も減ってはいないと思います。
4)下肢切断は、ほとんど減っていないと思います。
5)末期腎不全は、新規透析に占める糖尿病腎症の割は合増え止まりましたが、絶対数は増加し続けています。
1)3)に関しては、日本では米国ほど減少していません。
4)は、ほとんど減少していません。
5)は、1983年から2007年まで24年間、糖尿病腎症の割合は増え続けたあと増え止まったようです。
しかし透析患者数全体が増え続けているので、糖尿病腎症からの透析絶対数は2013年まで増え続けています。
年間透析患者の割合で、1998年に慢性糸球体腎炎を抜いて疾患別一位になっています。
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
糖尿病腎症の割合 43.4 43.3 44.5 43.6 44.3 44.2 43.8%
透析患者数全体 275,242 283,421 290,661 298,252 304,856 310,007 314,180
結局、米国では、1990~2010年にかけての20年間で、糖尿病合併症が大幅に減少していますが、日本ではほとんど減少していません。
糖尿病の治療薬としては、米国も日本もそんなに差はありません。なので、合併症発症率の差は、薬以外に要因があることとなります。
運動療法もそんなに差があるとは思えません。そうなると残るのは、糖尿病の食事療法だけです。
米国では1993年から糖質管理食が広まりはじめました。
米国では1994年に炭水化物と脂質の割合を固定しなくなりました。
2005年、ボストンのジョスリン糖尿病センターは、炭水化物の推奨量を40%に下げました。
全米最大の糖尿病患者会は、大分前から炭水化物40%ていどを推奨しているそうですが、いつ頃からそうなのかは、判然としません。
ともあれ、米国では糖尿病と診断されたら、糖質摂取を意識することは、1993年糖質管理食が広まり始めたころからは、常識になっていったと思われます。
これに対して日本の糖尿病食は、1969年から一貫して糖質60%を推奨しています。
あくまでも仮説ですが、
糖質摂取比率が、40%の米国の糖尿病患者と
糖質摂取比率が、60%の日本の糖尿病患者の差が、
合併症の差に繋がった可能性は高いと私は思います。
なお米国でも、糖尿病合併症の発症率は減少ですが、糖尿病患者数は増え続けています。
これは、糖尿病患者以外の米国人は、50%くらいの糖質摂取比率のため、糖尿病発症が予防できていない可能性があります。
江部康二
☆☆☆
以下糖尿病ネットワークより抜粋
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/021697.php
糖尿病合併症が20年間で大幅減少
心筋梗塞や高血糖は60%以上減
2014年04月25日
カテゴリー:2014年 医療の進歩 糖尿病合併症
心臓病や脳卒中、腎臓病、下肢切断といった糖尿病合併症の発症率が、米国でこの20年間に急速に低下していることが判明した。「糖尿病は数百万の患者の生活に影響をもたらす破壊的な病気ですが、医療は進歩しており、糖尿病合併症は減りつつあります」と、研究者はこの調査結果を歓迎している。
「脳卒中」や「下肢切断」も、20年間で50%以上減少
この調査は、米国疾病予防管理センター(CDC)から研究助成を得て行われたもので、医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に4月17日付けで発表された。
研究チームは、「米国医療聞取り調査」(National Health Interview Survey)、「全米退院調査」(National Hospital Discharge Survey)、「米国腎臓データシステム」(U.S. Renal Data System)、「米国人口動態統計」(National Vital Statistics System)の4件の大規模調査のデータを用いて、1990~2010年の糖尿病合併症の発症について調べた。
その結果、2010年までに、以下の5つの合併症すべてにおいて、相対的な発生率が低下していることが判明した。
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% (95%信頼区間[CI] -76.2~-59.3)
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% (同-68.0~-60.9)
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3% (同-34.6~-21.6)
絶対的減少がもっとも大きかったのは「急性心筋梗塞」(1万人あたりマイナス95.6人)で、もっとも小さかったのは「高血糖による死亡」(同マイナス2.7)だった。
「糖尿病合併症を長期間予防すれば、生活の質(QOL)の低下を防ぐことができます。糖尿病をもつ人は、治療を続けながら、より良く生活していくことができます」と、CDCのシニア研究員のエドワード グレッグ氏は述べている。
糖尿病合併症が急速に減っている背景として、新しい治療薬が開発されるなど、糖尿病の治療の選択幅が拡大していることや、コレステロールなどの脂質や、血圧をコントロールする治療が普及したことを挙げている。
「医療の進歩が影響しているのはもちろんのことですが、患者自身が食事や運動、禁煙などの生活スタイルを改善し、自己管理することが一般的に行われるようになったことも、大きく貢献しています。糖尿病は、医師や医療スタッフが合併症の危険因子を管理するよりも、患者自身が生活スタイルを改善することで得られるメリットが多い病気です」(グレッグ氏)。
糖尿病の治療では、医療従事者が患者の生活習慣の指導を行い、自己管理を促しており、その努力が成果をもたらしはじめている。「生活習慣の指導はますます重要です」と指摘している。
20年で糖尿病人口は3倍に増加 医療費も急増
良いニュースをもたらした調査結果だが、一方では、米国を含め世界中で糖尿病の患者数が増え続けていることが懸念されている。
「米国だけでも糖尿病有病数が20年間で650万人から2,070万人と、3倍以上に増えています。さらに、糖尿病予備群の数は7,900万人以上に上ります。糖尿病合併症の発症率を抑えられても、糖尿病の全体の有病数が増え続けているので、糖尿病合併症は減っているとは言えないのです」と、グレッグ氏は注意を促している。
糖尿病の経済的な負担も深刻だ。米国の糖尿病や合併症の医療費は年間18兆円(1,760億ドル)に上り、毎年増え続けている。
「糖尿病腎症による腎不全、脳卒中、下肢切断などの数は、まだ多いのが現状です。糖尿病合併症を予防するとともに、2型糖尿病の発症数を減らす対策を行う必要があります」と、グレッグ氏は言う。
なお、20年間の調査は情報が不足しており、1型糖尿病と2型糖尿病を識別できていないことや、糖尿病が原因となる視覚障害や、低血糖の影響などについても不明な点も多いことを付け加えている。