2014年12月15日 (月)
【14/12/15 ぼたぼた
食後高脂血症
糖尿人歴2年になります。先生のブログで糖質制限に出会って血糖値は良好です。
毎月血液検査に行きますが毎回毎回反省の日々です。何かが良いと何かが悪い。先月の検査結果で中性脂肪値が241と高値だったのでショックで悩んでおります。血糖値が目的の検査なので朝は食べて行きます。この時はくるみとアーモンド少し多めに食べて行きました。大体食後4時間ぐらいで採血です。
食べ物に影響する値なのは知っておりましたが、食後高脂血症は動脈硬化リスクが高いと聞いて更に悩んでおります。
糖質制限食は中性脂肪も下げるとありますが、 自分なりに糖質制限をやって、中性脂肪を下げる有効なこともしているつもりですがどうしてこんなにも値が上がるのか疑問です。
空腹時には測ったことがないのですが一度空腹時と食後の値を検査してもらったほうがよいでしょうか?やはり食後高脂血症は危険なのでしょうか?】
ぼたぼたさんから、糖質制限食をしているのに、食後中性脂肪値が高値なのが疑問というコメント・質問を頂きました。
スーパー糖質制限食で、早朝空腹時の中性脂肪値は速やかに改善します。
中性脂肪値の基準値が50~149mg/dl くらいですが、そもそもこれは早朝空腹時の基準値です。
スーパー糖質制限食なら、100mg/dlを下回ることがほとんどです。
ちなみに私の早朝空腹時中性脂肪値は、50~70mg/dlくらいです。
スーパー糖質制限食を実践すれば、食事由来の脂肪とタンパク質は増えます。
スーパー糖質制限食実践で、食後の中性脂肪値はどうなるのか考えてみます。
まず、中性脂肪を中心とした代謝を整理してみます。
「外因性代謝」
食物摂取(中性脂肪)→小腸→キロミクロン→筋・脂肪組織→レムナント→肝
「内因性代謝」
肝で合成(中性脂肪)→VLDL→筋・脂肪組織→LDL→肝
食物中の脂質(ほとんどが中性脂肪)は、グリセロールと脂肪酸に分解されて小腸上皮から吸収されますが、そのなかで中性脂肪に再合成され集合します。
この集合体は、キロミクロンと呼ばれ、リンパ液に瞬時に入り、リンパ管に拡散します。
キロミクロンは、胸管を上行し鎖骨下静脈内に移行します。
キロミクロンの積み荷は、外部から摂取した食物由来の中性脂肪です。
鎖骨下静脈に入ったキロミクロンのほとんどは、肝臓、あるいは脂肪組織・筋肉組織などの毛細血管を通る間に、毛細血管壁にあるリポ蛋白リパーゼにより、その積み荷の中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールに分解されます。その分、中性脂肪は血液中から取り除かれます。
キロミクロンは、食後2~3時間以降に血中に出現し血清乳びを示しますが、通常5~6時間で清明となります。
キロミクロンは食後にのみ、出現します。
血液検査で測定されている中性脂肪値は、食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。
筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。
リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、脂肪酸とグリセロールに分解して、筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させ、余ったら中性脂肪に再合成して蓄えるのです。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内に戻るはずです。
しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、食事由来の中性脂肪が血中に乳び状態であるので、個人差はあると思いますが、高中性脂肪値となります。
スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで高中性脂肪血症になる理屈です。
この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。
従いまして、スーパー糖質制限食で、食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内に治まりますが、食後2~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。これは生理的な現象ですので心配はいりません。
ぼたぼたさんも、一度早朝空腹時の中性脂肪値を測定してみたください。
「食後高脂血症は動脈硬化リスク」というのは、インスリン抵抗性のある場合と思います。
糖尿病と共にインスリン抵抗性症候群(メタボリックシンドローム)が動脈硬化の重要な危険因子ということが解ってきました。
インスリン抵抗性症候群における脂質代謝異常の特徴としては、高中性脂肪血症(空腹時)、低HDL-コレステロール血症、食後高脂血症です。
肝臓でもインスリン抵抗性があると、遊離脂肪酸が中性脂肪の合成を促進して、VLDLとして血中に放出されます。
江部康二
食後高脂血症
糖尿人歴2年になります。先生のブログで糖質制限に出会って血糖値は良好です。
毎月血液検査に行きますが毎回毎回反省の日々です。何かが良いと何かが悪い。先月の検査結果で中性脂肪値が241と高値だったのでショックで悩んでおります。血糖値が目的の検査なので朝は食べて行きます。この時はくるみとアーモンド少し多めに食べて行きました。大体食後4時間ぐらいで採血です。
食べ物に影響する値なのは知っておりましたが、食後高脂血症は動脈硬化リスクが高いと聞いて更に悩んでおります。
糖質制限食は中性脂肪も下げるとありますが、 自分なりに糖質制限をやって、中性脂肪を下げる有効なこともしているつもりですがどうしてこんなにも値が上がるのか疑問です。
空腹時には測ったことがないのですが一度空腹時と食後の値を検査してもらったほうがよいでしょうか?やはり食後高脂血症は危険なのでしょうか?】
ぼたぼたさんから、糖質制限食をしているのに、食後中性脂肪値が高値なのが疑問というコメント・質問を頂きました。
スーパー糖質制限食で、早朝空腹時の中性脂肪値は速やかに改善します。
中性脂肪値の基準値が50~149mg/dl くらいですが、そもそもこれは早朝空腹時の基準値です。
スーパー糖質制限食なら、100mg/dlを下回ることがほとんどです。
ちなみに私の早朝空腹時中性脂肪値は、50~70mg/dlくらいです。
スーパー糖質制限食を実践すれば、食事由来の脂肪とタンパク質は増えます。
スーパー糖質制限食実践で、食後の中性脂肪値はどうなるのか考えてみます。
まず、中性脂肪を中心とした代謝を整理してみます。
「外因性代謝」
食物摂取(中性脂肪)→小腸→キロミクロン→筋・脂肪組織→レムナント→肝
「内因性代謝」
肝で合成(中性脂肪)→VLDL→筋・脂肪組織→LDL→肝
食物中の脂質(ほとんどが中性脂肪)は、グリセロールと脂肪酸に分解されて小腸上皮から吸収されますが、そのなかで中性脂肪に再合成され集合します。
この集合体は、キロミクロンと呼ばれ、リンパ液に瞬時に入り、リンパ管に拡散します。
キロミクロンは、胸管を上行し鎖骨下静脈内に移行します。
キロミクロンの積み荷は、外部から摂取した食物由来の中性脂肪です。
鎖骨下静脈に入ったキロミクロンのほとんどは、肝臓、あるいは脂肪組織・筋肉組織などの毛細血管を通る間に、毛細血管壁にあるリポ蛋白リパーゼにより、その積み荷の中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールに分解されます。その分、中性脂肪は血液中から取り除かれます。
キロミクロンは、食後2~3時間以降に血中に出現し血清乳びを示しますが、通常5~6時間で清明となります。
キロミクロンは食後にのみ、出現します。
血液検査で測定されている中性脂肪値は、食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。
筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。
リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、脂肪酸とグリセロールに分解して、筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させ、余ったら中性脂肪に再合成して蓄えるのです。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内に戻るはずです。
しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、食事由来の中性脂肪が血中に乳び状態であるので、個人差はあると思いますが、高中性脂肪値となります。
スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで高中性脂肪血症になる理屈です。
この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。
従いまして、スーパー糖質制限食で、食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内に治まりますが、食後2~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。これは生理的な現象ですので心配はいりません。
ぼたぼたさんも、一度早朝空腹時の中性脂肪値を測定してみたください。
「食後高脂血症は動脈硬化リスク」というのは、インスリン抵抗性のある場合と思います。
糖尿病と共にインスリン抵抗性症候群(メタボリックシンドローム)が動脈硬化の重要な危険因子ということが解ってきました。
インスリン抵抗性症候群における脂質代謝異常の特徴としては、高中性脂肪血症(空腹時)、低HDL-コレステロール血症、食後高脂血症です。
肝臓でもインスリン抵抗性があると、遊離脂肪酸が中性脂肪の合成を促進して、VLDLとして血中に放出されます。
江部康二
2014年09月27日 (土)
【14/09/27 ジャイアントキリング
無題
ためしてガッテンで、「果糖」は、血糖値を挙げないそうです。
はっきり言ってました!!
ドカベンがお亡くなりになりました。
糖尿病の合併症で人工透析をしているのはしていましたが。
52歳。
糖尿病の恐ろしさを改めて感じました。
合掌。】
ジャイアントキリングさん。
コメントありがとうございます。
ドカベンさん、残念でした。
私自身も、父親は糖尿病が原因で77才で足を切断して、80才で心筋梗塞、肺炎で永眠しました。
2001年12月のことでした。
私が、糖質制限食に取り組む以前の段階で、糖尿病合併症のオンパレードで、逝ったわけで、とても残念なことでした。
さて、果糖ですが、仰る通り、血糖値は、少ししかあげません。
しかし、ブドウ糖よりも中性脂肪に変わりやすいので、大変肥満しやすいです。
果糖は実に面白い性質をもっていますので、少し詳しく検討してみましょう。
まず、果糖は、ブドウ糖とは代謝経路が全く異なっています。
そして、果糖のGI(血糖上昇指数)は20くらいと低いです。
低いけれど、GIが20あるということは、
それくらいは血糖を上げるということです。
果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、残りの90%は、果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。
ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、インスリンの分泌もほとんど促しません。
つまり、果糖のGI値が低いのは、果糖が「ブドウ糖として」利用されるのはごく一部であるからであり、
果糖の吸収速度が遅いからGI値が低いというわけではありません。
消化吸収されて肝門脈に流れ込んだ果糖は肝臓で、ブドウ糖より速く解糖作用をうけます。
これは、ブドウ糖が解糖系に入って代謝されていく時には、ホスホフルクトキナーゼという酵素が必要なのですが、
果糖はこの段階をバイパスして、速やかに解糖系に入って代謝されるからです。
肝臓に取り込まれたブドウ糖、果糖は解糖系、TCAサイクルを経てATP産生に消費され、余分なものは、グリコーゲン、中性脂肪に変換されます。
肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるので、ブドウ糖より速やかに代謝された果糖の代謝産物により、脂肪酸合成が促進され、中性脂肪の合成が亢進し、高中性脂肪血症となります。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
ですから、果糖は、ブドウ糖に比べれば血糖値は少ししか上昇させませんが、
中性脂肪合成を促進させ、太りやすい性質をもっています。
果物の糖質の主成分は果糖ですので、血糖値はパンや米など穀物より上昇させにくいですが、
中性脂肪に変わるという意味では多く摂ればやはり太ると思います。
また果物には、果糖以外にブドウ糖やショ糖も含まれているのでその分はしっかり血糖を上げます。
農耕以前の人類は、来るべき冬の食糧難に備えて、実りの秋に果物を摂取して、
効率よく中性脂肪を蓄えていたと、考えられます。
果物には、果糖、ブドウ糖、ショ糖などが含まれています。
従って果物を摂取すれば
1)「果糖→中性脂肪」
2)「ブドウ糖→インスリン→中性脂肪」
1)2)の二つのルートで、中性脂肪を蓄えることができて、700万年にわたり、飢餓に対するセーフティーネットとして役だってきたと考えられます。
**
今回のブログは「ハーパー・生化学」
原書27版、上代淑人監訳、丸善株式会社、2007年
などを参考にしました。
江部康二
無題
ためしてガッテンで、「果糖」は、血糖値を挙げないそうです。
はっきり言ってました!!
ドカベンがお亡くなりになりました。
糖尿病の合併症で人工透析をしているのはしていましたが。
52歳。
糖尿病の恐ろしさを改めて感じました。
合掌。】
ジャイアントキリングさん。
コメントありがとうございます。
ドカベンさん、残念でした。
私自身も、父親は糖尿病が原因で77才で足を切断して、80才で心筋梗塞、肺炎で永眠しました。
2001年12月のことでした。
私が、糖質制限食に取り組む以前の段階で、糖尿病合併症のオンパレードで、逝ったわけで、とても残念なことでした。
さて、果糖ですが、仰る通り、血糖値は、少ししかあげません。
しかし、ブドウ糖よりも中性脂肪に変わりやすいので、大変肥満しやすいです。
果糖は実に面白い性質をもっていますので、少し詳しく検討してみましょう。
まず、果糖は、ブドウ糖とは代謝経路が全く異なっています。
そして、果糖のGI(血糖上昇指数)は20くらいと低いです。
低いけれど、GIが20あるということは、
それくらいは血糖を上げるということです。
果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、残りの90%は、果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。
ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、インスリンの分泌もほとんど促しません。
つまり、果糖のGI値が低いのは、果糖が「ブドウ糖として」利用されるのはごく一部であるからであり、
果糖の吸収速度が遅いからGI値が低いというわけではありません。
消化吸収されて肝門脈に流れ込んだ果糖は肝臓で、ブドウ糖より速く解糖作用をうけます。
これは、ブドウ糖が解糖系に入って代謝されていく時には、ホスホフルクトキナーゼという酵素が必要なのですが、
果糖はこの段階をバイパスして、速やかに解糖系に入って代謝されるからです。
肝臓に取り込まれたブドウ糖、果糖は解糖系、TCAサイクルを経てATP産生に消費され、余分なものは、グリコーゲン、中性脂肪に変換されます。
肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるので、ブドウ糖より速やかに代謝された果糖の代謝産物により、脂肪酸合成が促進され、中性脂肪の合成が亢進し、高中性脂肪血症となります。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
ですから、果糖は、ブドウ糖に比べれば血糖値は少ししか上昇させませんが、
中性脂肪合成を促進させ、太りやすい性質をもっています。
果物の糖質の主成分は果糖ですので、血糖値はパンや米など穀物より上昇させにくいですが、
中性脂肪に変わるという意味では多く摂ればやはり太ると思います。
また果物には、果糖以外にブドウ糖やショ糖も含まれているのでその分はしっかり血糖を上げます。
農耕以前の人類は、来るべき冬の食糧難に備えて、実りの秋に果物を摂取して、
効率よく中性脂肪を蓄えていたと、考えられます。
果物には、果糖、ブドウ糖、ショ糖などが含まれています。
従って果物を摂取すれば
1)「果糖→中性脂肪」
2)「ブドウ糖→インスリン→中性脂肪」
1)2)の二つのルートで、中性脂肪を蓄えることができて、700万年にわたり、飢餓に対するセーフティーネットとして役だってきたと考えられます。
**
今回のブログは「ハーパー・生化学」
原書27版、上代淑人監訳、丸善株式会社、2007年
などを参考にしました。
江部康二
2014年07月21日 (月)
新刊のご案内です。
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
予約受付中
こんばんは。
スーパー糖質制限食を実践すると、早朝空腹時の中性脂肪値は、正常範囲内で低めとなることがほとんどです。
もともと中性脂肪値がかなり高かった人でも、家族性・遺伝性の場合を除けば、スーパー糖質制限食で速やかに基準値内の数値となります。(*前の晩から10時間以上の絶食があれば、早朝空腹時とみなされます。)
さてそれでは、スーパー糖質制限食実践で、食後の中性脂肪値はどうなるのか考えてみます。
まず、中性脂肪を中心とした代謝を整理してみます。
「外因性代謝」
食物摂取(中性脂肪)→小腸→キロミクロン→筋・脂肪組織→レムナント→肝
「内因性代謝」
肝で合成→VLDL→筋・脂肪組織→LDL→肝
キロミクロンは、小腸で作られます。
キロミクロンの積み荷は、外部から摂取した食物由来の中性脂肪です。
食物中の脂質(ほとんどが中性脂肪)は、グリセロールと脂肪酸に分解されて小腸上皮から吸収されますが、そのなかで中性脂肪に再合成され集合します。
この集合体は、キロミクロンと呼ばれ、リンパ液に瞬時に入り、リンパ管に拡散します。
キロミクロン(中性脂肪が積み荷)は、胸管(リンパ管)を上行し鎖骨下静脈内に移行します。
鎖骨下静脈に入ったキロミクロンのほとんどは、肝臓、あるいは脂肪組織・筋肉組織などの毛細血管を通る間に、毛細血管壁にあるリポ蛋白リパーゼにより、その積み荷の中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールに分解されます。その分、中性脂肪は血液中から取り除かれます。
キロミクロンは、食後2~3時間以降に血中に出現し血清乳びを示しますが、通常5~6時間で清明となります。キロミクロンは食後にのみ、出現します。
血液検査で測定されている中性脂肪値は、食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。
筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、脂肪酸とグリセロールに分解して、筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させ、余ったら中性脂肪に再合成して蓄えるのです。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内にもどるはずです。
しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、食事中の脂肪が血中に乳び状態であるので、個人差はあると思いますが、高中性脂肪値となります。
スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで高中性脂肪血になる理屈です。
この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。
従ってスーパー糖質制限食なら、早朝空腹時の中性脂肪値は100mg/dlを切ることがほとんどです。
例えば、私の場合は空腹時中性脂肪値は、40~60mg程度です。
検査を依頼している会社の中性脂肪の基準値は50~148mgです。
従いまして、スーパー糖質制限食で、食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内におさまりますが、食後2~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。これは生理的な現象です。
江部康二
『炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません』
生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部康二著 東洋経済新報社
予約受付中
こんばんは。
スーパー糖質制限食を実践すると、早朝空腹時の中性脂肪値は、正常範囲内で低めとなることがほとんどです。
もともと中性脂肪値がかなり高かった人でも、家族性・遺伝性の場合を除けば、スーパー糖質制限食で速やかに基準値内の数値となります。(*前の晩から10時間以上の絶食があれば、早朝空腹時とみなされます。)
さてそれでは、スーパー糖質制限食実践で、食後の中性脂肪値はどうなるのか考えてみます。
まず、中性脂肪を中心とした代謝を整理してみます。
「外因性代謝」
食物摂取(中性脂肪)→小腸→キロミクロン→筋・脂肪組織→レムナント→肝
「内因性代謝」
肝で合成→VLDL→筋・脂肪組織→LDL→肝
キロミクロンは、小腸で作られます。
キロミクロンの積み荷は、外部から摂取した食物由来の中性脂肪です。
食物中の脂質(ほとんどが中性脂肪)は、グリセロールと脂肪酸に分解されて小腸上皮から吸収されますが、そのなかで中性脂肪に再合成され集合します。
この集合体は、キロミクロンと呼ばれ、リンパ液に瞬時に入り、リンパ管に拡散します。
キロミクロン(中性脂肪が積み荷)は、胸管(リンパ管)を上行し鎖骨下静脈内に移行します。
鎖骨下静脈に入ったキロミクロンのほとんどは、肝臓、あるいは脂肪組織・筋肉組織などの毛細血管を通る間に、毛細血管壁にあるリポ蛋白リパーゼにより、その積み荷の中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールに分解されます。その分、中性脂肪は血液中から取り除かれます。
キロミクロンは、食後2~3時間以降に血中に出現し血清乳びを示しますが、通常5~6時間で清明となります。キロミクロンは食後にのみ、出現します。
血液検査で測定されている中性脂肪値は、食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。
筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、脂肪酸とグリセロールに分解して、筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させ、余ったら中性脂肪に再合成して蓄えるのです。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内にもどるはずです。
しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、食事中の脂肪が血中に乳び状態であるので、個人差はあると思いますが、高中性脂肪値となります。
スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで高中性脂肪血になる理屈です。
この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。
従ってスーパー糖質制限食なら、早朝空腹時の中性脂肪値は100mg/dlを切ることがほとんどです。
例えば、私の場合は空腹時中性脂肪値は、40~60mg程度です。
検査を依頼している会社の中性脂肪の基準値は50~148mgです。
従いまして、スーパー糖質制限食で、食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内におさまりますが、食後2~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。これは生理的な現象です。
江部康二
2011年11月19日 (土)
こんばんは。
「高脂肪の食事が善玉菌殺す…北大グループ研究」という記事が読売オンラインに掲載されました。
結論から言えば、あくまでもラットの実験であり、ヒトには全く当てはまりませんのでブログ読者の皆さん、ご心配なく。
以下読売オンラインの記事を転載です。
【脂肪が多い食事を食べると、消化液(胆汁)が大腸の「善玉菌」を殺し、腸内細菌のバランスを壊すことが、北海道大の研究でわかった。
消化液の分泌が引き金となってメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や大腸がんが発症する可能性を示しており、米消化器病学会の専門誌11月号に掲載された。
研究したのは同大農学部の横田篤教授(微生物生理学)らのグループ。ラットの普通のえさに、高脂肪食で分泌される濃度に近い胆汁を混ぜて10日間食べさせ、盲腸の細菌の変化を調べた。
通常は、大腸や盲腸で約1000種類の細菌が見つかるが、胆汁を混ぜたえさのラットは「クロストリジウム」に分類される菌が98・6%を占め、菌の8割はたった4種類になった。この菌が大半を占めるのは、米国の肥満患者の研究と同じ傾向だった。通常は1割ほどいる乳酸菌などは、ほとんど見つからなかった。
(2011年11月18日17時33分 読売新聞)】
どんな研究でも手軽なので、マウスやラットが実験動物として使われやすいです。
しかし、マウスやラットで高脂肪食の実験をすること自体が、根本的なカテゴリー・エラーなのです。(*- -)(*_ _)
なぜなら、マウスやラットなどネズミ類は、本来の主食は草の種子(即ち今の穀物)です。
草原が地球上の有力な植生として現れる鮮新世(510万年前)以降、ネズミ科の動物が出現して爆発的に繁栄します。
510万年間、草原の草の種子(穀物)を食べ続けてきたネズミに高脂肪食を与えれば、代謝が破綻するのは当たり前です。
ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質食」なのです。
これは単純に、マウスの代謝に合わない(主食でない)高脂肪食を与えて病気を作るという実験です。
全ての代謝が狂って病気だらけになるのもいわずもがなです。
例えば、ゴリラの主食は「棘の多い大きな蔓や大きな草」です。
このように、超低脂質食が主食であるゴリラに高脂肪食を食べさせたら、代謝はガタガタになり、マウスやラットと同様、たちどころに様々な病気になるでしょう。
ゴリラだと、高脂肪食を食べさせることの間違いが、ラットよりイメージしやすいですね。
人類の主食が何であったかはともかくとして、農耕が始まる前の700万年は、穀物ではなかったことは確実です。
そして歴史的事実として、農耕の前は人類皆、糖質制限食でした。
またヒトの進化の過程で脳が急速に大きくなり、シナプシスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。
EPAとDHAは地上の植物性食品には含まれておらず、動物性食品にしか含まれていません。
従って少なくとも、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝・・・などの高脂肪・高タンパク食を、脳が急速に発達した20万年前頃、必要充分な量、食べてたことは間違いないでしょう。
このように人類は本来高脂肪食には慣れているので、高脂肪食の安全性は高いのです。
ラットやゴリラと、ヒトの食性は全く異なっているのです。
結論です。
薬物の作用や毒性をネズミ類で動物実験するのは、研究方法として特に問題はないと思います(動物実験自体の是非はおいておきます)。
しかし、本来主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で、人類の食物代謝の研究をおこなうのは出発点から
根本的に間違っている可能性があるので注意が必要です。
研究者の皆さん、「薬物の動物実験」と「食物の動物実験」は、全く意味が異なることを認識してほしいと思います。そこのところ、是非よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
「高脂肪の食事が善玉菌殺す…北大グループ研究」という記事が読売オンラインに掲載されました。
結論から言えば、あくまでもラットの実験であり、ヒトには全く当てはまりませんのでブログ読者の皆さん、ご心配なく。
以下読売オンラインの記事を転載です。
【脂肪が多い食事を食べると、消化液(胆汁)が大腸の「善玉菌」を殺し、腸内細菌のバランスを壊すことが、北海道大の研究でわかった。
消化液の分泌が引き金となってメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や大腸がんが発症する可能性を示しており、米消化器病学会の専門誌11月号に掲載された。
研究したのは同大農学部の横田篤教授(微生物生理学)らのグループ。ラットの普通のえさに、高脂肪食で分泌される濃度に近い胆汁を混ぜて10日間食べさせ、盲腸の細菌の変化を調べた。
通常は、大腸や盲腸で約1000種類の細菌が見つかるが、胆汁を混ぜたえさのラットは「クロストリジウム」に分類される菌が98・6%を占め、菌の8割はたった4種類になった。この菌が大半を占めるのは、米国の肥満患者の研究と同じ傾向だった。通常は1割ほどいる乳酸菌などは、ほとんど見つからなかった。
(2011年11月18日17時33分 読売新聞)】
どんな研究でも手軽なので、マウスやラットが実験動物として使われやすいです。
しかし、マウスやラットで高脂肪食の実験をすること自体が、根本的なカテゴリー・エラーなのです。(*- -)(*_ _)
なぜなら、マウスやラットなどネズミ類は、本来の主食は草の種子(即ち今の穀物)です。
草原が地球上の有力な植生として現れる鮮新世(510万年前)以降、ネズミ科の動物が出現して爆発的に繁栄します。
510万年間、草原の草の種子(穀物)を食べ続けてきたネズミに高脂肪食を与えれば、代謝が破綻するのは当たり前です。
ネズミの主食はあくまでも「穀物=低脂質食」なのです。
これは単純に、マウスの代謝に合わない(主食でない)高脂肪食を与えて病気を作るという実験です。
全ての代謝が狂って病気だらけになるのもいわずもがなです。
例えば、ゴリラの主食は「棘の多い大きな蔓や大きな草」です。
このように、超低脂質食が主食であるゴリラに高脂肪食を食べさせたら、代謝はガタガタになり、マウスやラットと同様、たちどころに様々な病気になるでしょう。
ゴリラだと、高脂肪食を食べさせることの間違いが、ラットよりイメージしやすいですね。
人類の主食が何であったかはともかくとして、農耕が始まる前の700万年は、穀物ではなかったことは確実です。
そして歴史的事実として、農耕の前は人類皆、糖質制限食でした。
またヒトの進化の過程で脳が急速に大きくなり、シナプシスが張り巡らされるためには、EPAとDHAの摂取が不可欠でした。
EPAとDHAは地上の植物性食品には含まれておらず、動物性食品にしか含まれていません。
従って少なくとも、肉・骨髄・昆虫・地虫・魚貝・・・などの高脂肪・高タンパク食を、脳が急速に発達した20万年前頃、必要充分な量、食べてたことは間違いないでしょう。
このように人類は本来高脂肪食には慣れているので、高脂肪食の安全性は高いのです。
ラットやゴリラと、ヒトの食性は全く異なっているのです。
結論です。
薬物の作用や毒性をネズミ類で動物実験するのは、研究方法として特に問題はないと思います(動物実験自体の是非はおいておきます)。
しかし、本来主食が全く異なるマウス・ラットなどネズミ類で、人類の食物代謝の研究をおこなうのは出発点から
根本的に間違っている可能性があるので注意が必要です。
研究者の皆さん、「薬物の動物実験」と「食物の動物実験」は、全く意味が異なることを認識してほしいと思います。そこのところ、是非よろしくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
2011年10月01日 (土)
おはようございます。
2011.07.02に、コメント・質問をいただきましたぴーこさんから、その後の経過をご報告いただきました。
中性脂肪をはじめ全てのデータが改善しておられます。
【11/09/30 ぴーこ
やりましたっ!
こんにちは。
以前(2011.07.02)に質問させて頂きましたぴーこです。
その節はアドバイスありがとうございました。
食生活十箇条&プチ糖質制限をスタートして3ヶ月弱。
早くも嬉しい結果が出ましたのでご報告です。
中性脂肪
3ヶ月前 207 → 現在 68
血糖(空腹時食後14時間後)
3ヶ月前 116 → 現在 108
ヘモグロビンA1c
3ヶ月前 5.2% → 現在 4.6
LDLコレステロール 悪玉
3ヶ月前 111 → 現在 96
HDLコレステロール 善玉
3ヶ月前 50 → 現在 61
身長 170
体重 60 → 変化なし
BMI 20.8
中性脂肪の驚異的な下がり様にはビックリです!
2桁代は人生初です。
運動しても下がらなかったのに...
凄過ぎる糖質制限。
始めは私のような根性なしには続けられないかなとも思ったのですが やってみると辛い感じもなく無理なく続けられました。 もちろんこれからも続けるつもりです。
本当にありがとうございました!
血糖値、中性脂肪で悩まれてる多くの方がこのブログに出会うことを切に願います。】
ぴーこさん。
全データ改善ですね。
良かったです。
体重はもともと、170cm、60kg、BMI20.8と標準ややスリムタイプなので、不変で調度よいと思います。
「中性脂肪の驚異的な下がり様にはビックリです!
2桁代は人生初です。
運動しても下がらなかったのに...
凄過ぎる糖質制限。」
人生初とは素晴らしいです。
今の「食生活十箇条&プチ糖質制限」でこれだけ改善しておられるのでこのまま続けられていいと思います。
朝・昼の主食は、できれば未精製の穀物を少量にしたほうがいいですね。
日頃、日常的に運動量が多い場合は、適宜主食の量を増やしてもOKです。
「始めは私のような根性なしには続けられないかなとも思ったのですが やってみると辛い感じもなく無理なく続けられました。 もちろんこれからも続けるつもりです。」
良かったです。
頭の中で
「エー!! ご飯もパンも麺類もなしなんて、耐えられない!!」
などと思いがちですが、糖質制限食を実際に始めると、ほとんどの人が案外つらくないと仰有います。
あと、糖質制限OKな、主食の代替品やスイーツとして、
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
ローカーボオート麦パン、メロンパン、シナモンパン、チーズケーキ、どら焼き、蒲鉾
・・・
などもありますので、適宜楽しんでいただけば幸いです。
江部康二
*Comment
■はじめまして
はじめまして。
炭水化物&お酒大好き、44歳、女性、東京在住のぴーこと申します。
よろしくお願いします。
先月の健康診断の中性脂肪と血糖値が少し高めで
どうしたものかと検索中、こちらのブログと出会いました。
中性脂肪 207
血糖 116(空腹時食後14時間後)
ヘモグロビンA1c 5.2%
身長 170
体重 60
BMI 20.8
手始めに「食生活十箇条」とプチを試してみようと思っているのですが
3つほど質問があります。
1. この数値で「食生活十箇条」とプチで良いのか?
2. 便秘解消のヨーグルト150g(メグミルク/恵/脂肪0)と
オリゴ糖3g(オリゴのおかげ)の摂取を日課にし続けてい良いのか?
3. 多数執筆なさっている書籍の中で薦める入門書は?
参考までに9ヶ月前の検査結果は
中性脂肪 228
血糖 104(空腹時食後14時間後)
ヘモグロビンA1c 4.5%
身長 170
体重 60
BMI 20.8
担当医には
「食べ過ぎ(特に揚げ物)、過剰飲酒は気をつけるように」
と注意され、取り合えず実行。
もともと揚げ物はそんなに食べる方ではなかったのですが、
さらに減らし1ヶ月に1回くらい。
お酒は赤ワイン0.5~1本/1日→麦焼酎25°200cc水割り/1日に変更。
その結果、中性脂肪はやや下がったものの、血糖値はup…。
運動は自転車、1週間平均50km位です。
ここで踏み止まらないと...と決意も新たにしています。
お忙しいと存じますが、お時間ある時にアドバイスよろしくお願いいたします。
ぴーこ | 2011.07.02(土) 19:23 |
■Re: はじめまして
ぴーこ さん。
「1. この数値で「食生活十箇条」とプチで良いのか? 」
主食の量は、日頃の運動量に応じて適宜決めていただけばよろしいです。
「2. 便秘解消のヨーグルト150g(メグミルク/恵/脂肪0)と
オリゴ糖3g(オリゴのおかげ)の摂取を日課にし続けてい良いのか? 」
この程度はOKと思います。
「3. 多数執筆なさっている書籍の中で薦める入門書は? 」
入門書としては宮本輝先生との対談本
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」がよいと思います。
ドクター江部 | 2011.07.03(日)
2011.07.02に、コメント・質問をいただきましたぴーこさんから、その後の経過をご報告いただきました。
中性脂肪をはじめ全てのデータが改善しておられます。
【11/09/30 ぴーこ
やりましたっ!
こんにちは。
以前(2011.07.02)に質問させて頂きましたぴーこです。
その節はアドバイスありがとうございました。
食生活十箇条&プチ糖質制限をスタートして3ヶ月弱。
早くも嬉しい結果が出ましたのでご報告です。
中性脂肪
3ヶ月前 207 → 現在 68
血糖(空腹時食後14時間後)
3ヶ月前 116 → 現在 108
ヘモグロビンA1c
3ヶ月前 5.2% → 現在 4.6
LDLコレステロール 悪玉
3ヶ月前 111 → 現在 96
HDLコレステロール 善玉
3ヶ月前 50 → 現在 61
身長 170
体重 60 → 変化なし
BMI 20.8
中性脂肪の驚異的な下がり様にはビックリです!
2桁代は人生初です。
運動しても下がらなかったのに...
凄過ぎる糖質制限。
始めは私のような根性なしには続けられないかなとも思ったのですが やってみると辛い感じもなく無理なく続けられました。 もちろんこれからも続けるつもりです。
本当にありがとうございました!
血糖値、中性脂肪で悩まれてる多くの方がこのブログに出会うことを切に願います。】
ぴーこさん。
全データ改善ですね。
良かったです。
体重はもともと、170cm、60kg、BMI20.8と標準ややスリムタイプなので、不変で調度よいと思います。
「中性脂肪の驚異的な下がり様にはビックリです!
2桁代は人生初です。
運動しても下がらなかったのに...
凄過ぎる糖質制限。」
人生初とは素晴らしいです。
今の「食生活十箇条&プチ糖質制限」でこれだけ改善しておられるのでこのまま続けられていいと思います。
朝・昼の主食は、できれば未精製の穀物を少量にしたほうがいいですね。
日頃、日常的に運動量が多い場合は、適宜主食の量を増やしてもOKです。
「始めは私のような根性なしには続けられないかなとも思ったのですが やってみると辛い感じもなく無理なく続けられました。 もちろんこれからも続けるつもりです。」
良かったです。
頭の中で
「エー!! ご飯もパンも麺類もなしなんて、耐えられない!!」
などと思いがちですが、糖質制限食を実際に始めると、ほとんどの人が案外つらくないと仰有います。
あと、糖質制限OKな、主食の代替品やスイーツとして、
糖質制限ドットコム http://www.toushitsuseigen.com/
ローカーボオート麦パン、メロンパン、シナモンパン、チーズケーキ、どら焼き、蒲鉾
・・・
などもありますので、適宜楽しんでいただけば幸いです。
江部康二
*Comment
■はじめまして
はじめまして。
炭水化物&お酒大好き、44歳、女性、東京在住のぴーこと申します。
よろしくお願いします。
先月の健康診断の中性脂肪と血糖値が少し高めで
どうしたものかと検索中、こちらのブログと出会いました。
中性脂肪 207
血糖 116(空腹時食後14時間後)
ヘモグロビンA1c 5.2%
身長 170
体重 60
BMI 20.8
手始めに「食生活十箇条」とプチを試してみようと思っているのですが
3つほど質問があります。
1. この数値で「食生活十箇条」とプチで良いのか?
2. 便秘解消のヨーグルト150g(メグミルク/恵/脂肪0)と
オリゴ糖3g(オリゴのおかげ)の摂取を日課にし続けてい良いのか?
3. 多数執筆なさっている書籍の中で薦める入門書は?
参考までに9ヶ月前の検査結果は
中性脂肪 228
血糖 104(空腹時食後14時間後)
ヘモグロビンA1c 4.5%
身長 170
体重 60
BMI 20.8
担当医には
「食べ過ぎ(特に揚げ物)、過剰飲酒は気をつけるように」
と注意され、取り合えず実行。
もともと揚げ物はそんなに食べる方ではなかったのですが、
さらに減らし1ヶ月に1回くらい。
お酒は赤ワイン0.5~1本/1日→麦焼酎25°200cc水割り/1日に変更。
その結果、中性脂肪はやや下がったものの、血糖値はup…。
運動は自転車、1週間平均50km位です。
ここで踏み止まらないと...と決意も新たにしています。
お忙しいと存じますが、お時間ある時にアドバイスよろしくお願いいたします。
ぴーこ | 2011.07.02(土) 19:23 |
■Re: はじめまして
ぴーこ さん。
「1. この数値で「食生活十箇条」とプチで良いのか? 」
主食の量は、日頃の運動量に応じて適宜決めていただけばよろしいです。
「2. 便秘解消のヨーグルト150g(メグミルク/恵/脂肪0)と
オリゴ糖3g(オリゴのおかげ)の摂取を日課にし続けてい良いのか? 」
この程度はOKと思います。
「3. 多数執筆なさっている書籍の中で薦める入門書は? 」
入門書としては宮本輝先生との対談本
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」がよいと思います。
ドクター江部 | 2011.07.03(日)