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妊娠糖尿病とスーパー糖質制限食、母乳育児で乳腺炎なし。
こんにちは。

ばんちゃん さんから、「妊娠糖尿病をスーパー糖質制限食で乗り切り無事出産」という、嬉しいコメントを頂きました。

ありがとうございます。

妊娠中、インスリン治療なしで、GA値はコントロール良好であり、スーパー糖質制限食の効果はバッチリですね。

授乳中もスーパー糖質制限食で完全母乳育児を実施で、乳腺炎もなく、とても順調な経過です。

第一子のときは、普通食(高糖質食)で乳腺炎にかかりやすかったということなので、糖質制限食の威力は素晴らしいです。

さらに、スーパー糖質制限食のまま、インスリンなしで、GA値良好で第三子を妊娠・出産されました。

糖質制限食ベビー、二人目ですね。
おめでとうございます。

母子共にお元気で何よりです。

低容量ピルに関して、精神科医師Aさん、宗田哲男先生、コメントをありがとうございます。

糖尿病でも、ピル内服はOKとのことです。


江部康二


【14/12/09 ばんちゃん

境界型糖尿病とピル

いつも、拝見して勉強させて頂いております。

三年前の妊娠時に、妊娠糖尿病となり、こちらのブログで糖質制限を知りました。先生の御著書でも勉強させて頂き、スーパー糖質制限でインスリンなし、GA値も基準内で無事出産することができました。

産後1ヶ月の75gOGTTにて、境界型糖尿病との診断され、以降スーパー糖質制限を続けております。

授乳中もスーパー糖質制限でしたが、完全母乳育児が出来ました。(産院では、母乳のためにご飯や芋類をたくさん食べなさいと言う指導でしたが…)

余談ですが、不思議なことに、妊娠糖尿病となる前に出産した上の子どもに授乳していた時(ご飯や芋類などの糖質たっぷりの食事)の方が、乳腺炎になりやすかったです。

スーパー糖質制限をしての授乳中では、一回も乳腺炎になりませんでした。

そして、スーパー糖質制限をしたまま、また妊娠、先々月に無事出産することが出来ました。

もちろん、今回もインスリンなし、GA値も良好。赤ちゃんも産後低血糖になることなく、母乳もたくさん出ています。

先生にお聞きしたいのですが、授乳期間が終わったら、避妊と子宮内膜症の為に低用量ピルを服用したいと思っております。
糖尿病でも血糖値の管理が良好であれば、低用量ピルの服用は可能でしょうか?

また服用することによってのリスクや、血糖値への影響などあれば教えて頂きたいのです。

お忙しい中すみませんが宜しくお願いいたします。】



【14/12/09 精神科医師A

Re: 境界型糖尿病とピル
婦人科関連の質問は、宗田Drのblogをご利用されほうがよいでしょう
https://www.facebook.com/tetsuo.muneta


【14/12/09 宗田 哲男
Re: 境界型糖尿病とピル

ばんちゃんさん、千葉で開業している産婦人科医です。

スーパー糖質制限をしたまま、妊娠、出産おめでとうございます。

スーパー糖質制限をしての授乳中では、一回も乳腺炎になりませんでした

とのこと、脂肪の多い食事が乳腺炎になるという迷信は、またしても砕かれたようですね。離乳食も糖質制限で行うと快調だと思います。

さてピルのお話ですが、糖尿病であってももちろん内服には何も問題はありません。産後3か月ないしは6か月くらいから開始していいと思います。頑張ってくださいね。】





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ジャンル:ヘルス・ダイエット
「糖尿病妊娠」「妊娠糖尿病」と『糖質制限食』『従来の糖尿病食』
こんばんは。

今回は、「糖尿病妊娠」「妊娠糖尿病」と『糖質制限食』『従来の糖尿病食』について、わかりやすく考察してみました。


A)「糖尿病妊娠」と「妊娠糖尿病」

すでに糖尿病であった人が妊娠したら「糖尿病妊娠」です。

糖尿病ではなかった人が、妊娠後初めて基準をみたした場合は「妊娠糖尿病」です。

妊娠糖尿病は、糖尿病にいたっていない糖代謝異常であり、妊娠時に診断された明らかな糖尿病は含まれません。

妊娠糖尿病は75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)によって診断されます。

前値が92mg/dl以上、1時間値180mg/dl以上、2時間値153mg/dl以上のいずれかがあれば、妊娠糖尿病(GDM)と診断されます。


B)<妊娠中の血糖値コントロール目標>は

朝食前血糖値70~100mg/dl
食後1時間血糖値140mg/dl未満
食後2時間血糖値120mg/dl未満
GA(グリコアルブミン)15.8%未満

となります。

HbA1c6.2未満、NGSP値、も目標なのですが、妊婦で鉄欠乏状態があると、HbA1cは正確な数値を示さないので、GA(グリコアルブミン)の方が頼りになるのです。


C)妊婦の高血糖によるリスクと弊害

高血糖による母体、胎児への合併症として

【胎児への影響】
・流産、奇形、巨大児、未熟児、低血糖児、心臓病、胎児死亡 など

【母体への影響】
・糖尿病腎症の悪化、糖尿病網膜症の悪化
・早産、
・尿路感染症
・妊娠高血圧症候群、羊水過多
・赤ちゃんが巨大児になることにより、難産になったり、帝王切開になるリスクの増加などがあります。

高血糖により、これだけのリスクが母体と胎児に生じます。


D)従来の糖尿病食(高糖質食)の欠陥

日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)で食後高血糖を防ぐことは、インスリン注射をしていても至難の業です。

さらに、食後高血糖を防ごうとして、インスリンの量を増やせば、今度は母体は低血糖のリスクが大きく増加します。

そして、普通に糖質を摂取して、インスリン注射で厳格にコントロールしようとすると、一日の血糖値の変動幅が、増大します。

食後高血糖と平均血糖変動幅の増大が一番大きな酸化ストレスリスクとなります。(*)

酸化ストレスは、母体にも胎児にも当然、悪影響を及ぼします。

「糖尿病妊娠」あるいは「妊娠糖尿病」で、糖質を普通に食べてインスリン注射を打っている場合は、上記のリスクは常にあるわけです。

糖尿病妊娠で糖質を普通に食べてインスリンを注射して、無事出産されている方も多いと思いますが、このように見てくると、それはある意味運が良い人と言えるのかもしれません。


E)スーパー糖質制限食の利点

スーパー糖質制限食に切り替えると、「糖尿病妊娠」あるいは「妊娠糖尿病」でもインスリンフリーになり、血糖コントロールが一日を通して、とても良好となります。

そして、食後高血糖、低血糖、平均血糖変動幅増大、酸化ストレス増大といった母体と胎児に悪影響を及ぼす要因が、
全てなくなります。

また妊婦体重コントロールも、糖質制限食なら、ほとんど苦労はいりません。

その結果、安産で、元気な赤ちゃん誕生の可能性がとても高いということとなります。


F)βヒドロキシ酪酸(ケトン体)の安全性

2014年1月12日(日)第17回日本病態栄養学会年次学術集会(大阪国際会議場)で、宗田哲男先生が、画期的な研究成果を発表されました。

人工流産胎児(58検体)の絨毛の組織間液のβヒドロキシ酪酸値の測定です。

何と平均1730μmol/Lとかなりの高値です。

成人の基準値は76~85μmol/L以下くらいなのですが、胎児の絨毛間液においては、1730μmol/L程度が基準値ということになります。

糖質を普通に摂取している成人の基準値の、約20~30倍です。

また生後4日目の新生児312名において、一般食、糖質制限食にかかわらず、βヒドロキシ酪酸値の平均値は240.4μmol/L、同様に生後1ヶ月の新生児40名において、βヒドロキシ酪酸値の平均値は400μmol/Lと、一般的な基準値(76~85μmol/L以下)より、はるかに高値であることを報告されました。

インスリン作用が保たれている場合、ケトン体が現行の基準値よりはるかに高値でも、安全であることの証明がなされたと言えます。

そして、胎児・新生児のケトン体の基準値は、現行の基準値よりはるかに高値であることがわかりました。

胎児、新生児は、ケトン体を主たるエネルギー源として利用している可能性が高いことを示唆する、画期的な研究です。

このように、胎盤、新生児のケトン体の基準値は、現行の基準値よりはるかに高値であることが確認されたわけですから、妊婦のケトン体が少々高値でも胎児へ悪影響などあるはずもないのです。

スーパー糖質制限食で、妊婦のケトン体が、一般的基準値より高値になりますが、妊婦においても、胎児においても、ケトン体の安全性(基準値より高値でも)が確認されたと言えます。



(*)
酸化ストレスに関しては、
2014年07月14日 (月)の本ブログ記事
酸化ストレス・・・て何?食後高血糖と平均血糖変動幅増大がリスク!
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3030.html
をご参照いただけば幸いです。



江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
宗田哲男先生のご報告。長崎での糖尿病妊娠学会。
【14/12/04 宗田 哲男

学会発表報告

11月27日 長崎での糖尿病妊娠学会発表が終わりました。

私たちは永井クリニックと共同研究で、4演題を発表しました!

30年目という歴史的節目の「糖尿病妊娠学会」で総括的な講演が多かったのですが、総括の共通点教訓は、「血糖値を上下させない管理が大切だ」ということでした。

でも今のやり方は、ネズミ(血糖値)の動き回るのがいけないと言いながら、ネズミにエサ(糖質)を与えてさんざん動き回らせて、医者はいかに槍や銃(インスリンほか薬剤)で押さえようかとしているのです。なかなか、ネズミはすばしっこいのでつかまりません。エサをやめたらすぐにおとなしくなるのですが。

私たちの演題は以下です。今年は昨年のような、学会会長が襲撃するといようなにぎやかさはなく、粛々と発表ができました。昨年は、「糖質制限したらケトン体が出て、知能指数が下がって馬鹿になる。」とか「こんなことしたら、許せん、倫理委員会にかけろ」などと学会幹部が怒鳴り込んできたのでした。

この4演題はその幹部たちへの回答です。1-3は永井クリニック、4は宗田マタニティクリニックです。

1)妊娠末期における母体の血中β-ヒドロキシ酪酸濃度の測定
2)臍帯動脈血中のケトン体測定による胎児・新生児の熱源の検討-第2報
3)2型糖尿病合併妊娠の低糖質食事療法による管理の1例
4)インスリンを使わないで分娩に至った1型糖尿病合併妊娠管理の1例

1)は妊娠後期に、普通妊婦と妊娠糖尿病妊婦 各1人を普通食と従来の糖尿病食と低糖質食を同じ方に2日間づつ食べてもらい毎食前のケトン体をはかったものです。

これでどの食事でも食前にはケトン体が上昇していて日常的にβーヒドロキシ酪酸が産生されていることがわかりました。この値は「ケトン体で知能が下がる」と言ったRizzo論文(1991)よりも半分以上は、高値でした。

また前の食事との間隔が空くほど、ケトン体が産生され200-400μmol/lにもなることがわかりました。

ケトン体は、つわりでも3000μmol/lにもなりますし、知能指数が下がるという論文が180μmol/l程度での話ですから、論外だと思います。

2)は、468人の正常経過の妊婦の臍帯血を調べてみると、ヒドロキシ酪酸は 中央値400μmol/l 血糖値は75mg/mlであった。ヒドロキシ酪酸の正常値は80μmol/l前後であり、これが胎児・新生児の熱源となると発表した。

永井クリニックでも、こういうデーターが出ていることは、私のクリニックとともに胎児、新生児のケトン体高値の環境が明らかになり、安全性も証明されました。

3)は80キロのⅡ型糖尿病合併妊婦が、体重は81キロで分娩した例で、低糖質で管理し、妊娠中に1キロ増でも2595gの子を分娩しています。

昨年、ある大学病院から、同様なケースで1600キロカロリーとインスリンを、135単位使っても高血糖と低血糖を繰り返して、難渋した例が報告されて いましたが、インスリンを使わないで、カロリーはそれほど制限しないでも、体重は管理できて、肥満型糖尿病には特に、糖質制限が有効であることを示しました。 

4)は、インスリンを使わないで、管理した1型糖尿病です。驚くことに、妊娠中にも分娩後も、さらにインスリン分泌が増加し、膵臓機能が回復している例です。

私の1つ前の演題は同じく急性発症型1型糖尿病で、妊娠初期にわかった方ですが、妊娠11週で、妊娠中絶していましたし、2つ前の発表は1型糖尿病にて、持続皮下インスリン注入法をしていて、後期に入院中に、刺入針の不具合で高血糖となりケトアシドーシスを起こして、結局、帝王切開した例でした。

1型糖尿病で、HbA1cが11.5で妊娠がわかり、インスリンをまったく使わないで、まったく入院しないで普通にお産した方なんて、まるでありえない別世界のケースでしようから、私の発表は、理解不能の人が多かったのかもしれません。好意的な質問もありまして、昨年とは大きく雰囲気が変わった発表でした。

この症例につきましては、また報告させていただきます。

この4演題を合わせますと、ケトン体の妊婦、胎児、新生児の環境での安全性と2型糖尿病、あるいは1型糖尿病にも糖質制限が有効、有利であることが示せたかと思います。

いろいろご指導いただきありがとうございました。】



こんばんは。

宗田マタニティクリニックの宗田 哲男先生から、長崎での糖尿病妊娠学会のご報告をいただきました。

宗田先生。
またまた、画期的なご発表、ありがとうございます。m(_ _)mV

1)
妊娠後期には、普通の妊婦でも妊娠糖尿病妊婦でも日常的にβ-ヒドロキシ酪酸が高値であることが示されたのは、
画期的なことです。

普通食と従来の糖尿病食と低糖質食で検討して、どの食事でも食前には日常的にβーヒドロキシ酪酸が上昇していることが示唆されました。

つまり、少なくとも妊娠後期においては、全ての妊婦で日常的にβ-ヒドロキシ酪酸が高値ということであり、危険でもなんでもないということです。

2)
468人の正常経過の妊婦の臍帯血において、βーヒドロキシ酪酸の中央値は、400μmol/lと成人の基準値(80μmol/l)よりはるかに高値であることが示されました。

本研究でも、胎児・新生児において、βーヒドロキシ酪酸が主たるエネルギー源である可能性が示唆されました。

3)
肥満のある2型糖尿病妊娠において、糖質制限食が画期的な成果をあげた症例です。

肥満がある糖尿病にインスリンを打つとますます肥満しやすくなり、体重コントロールに苦慮するのは、臨床でよく経験します。

ましてそれが妊婦であれば、体重・血糖コントロールに難渋するのは、当然と言えます。

糖尿病妊娠において、インスリンなしの糖質制限食による血糖・体重コントロールが、如何に優れた治療法であるかがわかります。

4)
1型糖尿病で妊娠時にHbA1cが11.5%ということが判明。

大学病院の糖尿病専門医に、中絶を薦められたけれど、一念発起して自力でスーパー糖質制限食を開始されて、血糖コントロール良好を確保して宗田先生に受信。

実は私のブログ経由で、宗田マタニティ-クリニックに受診された方です。

宗田先生はいつでもインスリン治療に切り替えるバックアップ体制は整えておられましたが、結局、インスリンなしで満期安産達成。

私としても、驚愕の一症例であり、ヾ(゜▽゜)

この1型の妊婦さんとそれを支えられた宗田先生に、脱帽です。ヾ(^▽^)



江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病妊娠、妊娠糖尿病、血糖コントロール目標。インスリン値。
【14/12/01 涼子

妊娠中の血糖値について

江部先生。いつも楽しくブログや本を拝見させていただいています。

昨年、不妊治療をしている病院で受精卵の質が悪く、BMI22、空腹時血糖やA1cは問題なかったのですが、一応ブドウ糖負荷試験を勧められ、結果2H値の血糖が204で、「糖尿病」と診断されてしまいました。

そこから卵子の質改善のためジャヌビアを飲みながら、昼だけ玄米1日1膳のゆるい糖質制限をしてきました。

結果、BMI20、ブドウ糖負荷試験の結果も
血糖:空腹時88 30分154 60分185 120分146
インスリン2.8    3.1   36.9   51.6
A1C4.8
と、境界型に落ち着きました。

そして糖質制限のお陰で、無事妊娠することができました。
今までにない質のいい受精卵を得ることができました。
江部先生のお陰だと思っております!
先生有難うございます。

世の中には、そう太ってもいないけど、なぜか受精卵の質が悪いという方がたくさんみえると思います。
「かくれ糖尿病」の方が多いと、不妊の先生もおっしゃってみえました。

今は妊娠したので、ジャヌビアは飲んでいません。

自己血糖測定してみたところ、
空腹時:88~90
30分:120~148
1H:120
2H:104
でした。

やはり、玄米を食べると血糖は140を越えてしまうため、妊娠中は玄米はやめようかなと考えています。

そこで先生にご質問なのですが

①妊娠すると血糖値が上昇しやすくなるということですが、実際はどのくらい血糖が上昇することが考えられますか。

②ジャヌビアは今は服用していませが、血糖が高い時に作用すると聞いております。
 実際はどのくらいの血糖上昇がみられると作用するのでしょうか。  

 私の場合、高くても150台まで血糖は上昇しませんが、ジャヌビアを飲むと、インスリンの働きが改善されると
 聞いています。 改善目的での服用はしても問題ないでしょうか。

③私の場合、インスリンの初期分泌が殆どないようなデータです。
 初期分泌を改善させる方法がございましたら ご教示ください。

今から、また江部先生の本3冊を読み、夕食を作る予定です。

健康な赤ちゃんが授かるように頑張ります。】


涼子さん。
75g経口ブドウ糖負荷試験において、緩い糖質制限食実践により、糖尿病型が境界型に改善とのこと、良かったですね。

拙著のご購入、ありがとうございます。
そして妊娠、おめでとうございます。


A)
糖尿病の場合、HbA1c7.0未満が、妊娠許容の条件です。

B)
妊娠中のコントロール目標は、「糖尿病妊娠」も「妊娠糖尿病」も
<妊娠中の血糖値コントロール目標>糖尿病治療ガイド(2014-2015)によれば
朝食前血糖値70~100mg/dl
食後2時間血糖値120mg/dl未満
HbA1c6.2%未満、NGSP値、
です。

C)
さらに、科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013、223ページによれば
「HbA1cが、鉄欠乏状態の影響を受け、血糖コントロール状態を反映しいない」
ため、GA(グリコアルブミン)15.8%未満が目標としています。
また食後1時間値140mg/dl未満が目標として好ましいとされています。


B)C)をまとめると、具体的な
<妊娠中の血糖値コントロール目標>は
朝食前血糖値70~100mg/dl
食後1時間血糖値140mg/dl未満
食後2時間血糖値120mg/dl未満
GA(グリコアルブミン)15.8%未満

となります。


『①妊娠すると血糖値が上昇しやすくなるということですが、実際はどのくらい血糖が上昇することが考えられますか。』

これは、個人差が大きいでしょうね。

耐糖能が正常な人は、妊娠して血糖値が上昇しやすくなった場合も、リアルタイムにインスリンを分泌調整して正常血糖値に保ちます。

しかし、耐糖能に一定の問題がある場合、妊娠前は正常型でも、妊娠後の血糖上昇要因をうまくカバーできずに「妊娠糖尿病」となると思われます。

『②ジャヌビアは今は服用していませが、血糖が高い時に作用すると聞いております。
実際はどのくらいの血糖上昇がみられると作用するのでしょうか。
私の場合、高くても150台まで血糖は上昇しませんが、ジャヌビアを飲むと、インスリンの働きが改善されると聞いています。
改善目的での服用はしても問題ないでしょうか。』


DPP-4阻害薬(ジャヌビアなど)は高血糖の時は作用し、血糖値が108mg/dlくらいになると作用しなくなるので、単独使用では、理論的に低血糖は生じにくいです。

しかし妊娠中は、ジャヌビア服用はなしです。

妊娠中は原則として経口血糖降下薬は使用せず、必要なときはインスリンを使います。

涼子さんのデータなら、糖質制限食で、勿論インスリンも要りません。


『③私の場合、インスリンの初期分泌が殆どないようなデータです。 初期分泌を改善させる方法がございましたら ご教示ください。』

空腹時血糖値88mg/dl
インスリン2.8μU/ml

インスリンの基準値も検査機関で異なります。
3~15μU/ml
とか
5~15μU/ml
とかです。

涼子さんの場合、2.8μU/mlと確かにやや低めです。

しかし、空腹時血糖値は88mg/dlと良好で、少量のインスリンで血糖コントロールができている状況なので、インスリン抵抗性が少なくてとても良いことと思います。

ちなみに、
インスリン抵抗性の指数HOMA-Rは0.61(1.6以下)と正常です。
インスリン分泌指数HOMA-βは40.32(40-60)と正常です。
従って、空腹時インスリンも問題なしです。

今後も美味しく楽しく糖質制限食で、上記血糖コントロール目標とGA値をクリアしてくださいね。

そして元気な赤ちゃんの誕生をお祈りしてます。

☆☆☆

<HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405 >
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり。
空腹時血糖値140mg以下なら信頼度高い。

☆☆☆
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
空腹時血糖値130mg以下なら信頼度高い。
正常値:40-60
HOMA-βはブドウ糖負荷試験における、2時間値のインスリン分泌能と相関する。

***
HOMA-RもHOMA-βも糖尿病が進行した状態では適応がない。
耐糖能異常から軽度の糖尿病までの時期において有用な方法である。

***参考
改訂第4版「糖尿病専門医研修ガイドブック」日本糖尿病学会編(診断と治療社)2009
183ページ



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
玄米菜食なのに妊娠糖尿病発症、人工甘味料の安全性は?糖質の危険性は?
こんばんは

みききさんから、人工甘味料に関してコメント質問をいただきました。

みききさんは玄米菜食を実践していたのに、妊娠糖尿病を発症されました。
今は糖質制限ライフでお元気です。

私自身も、34才(1984年)から、高雄病院給食では玄米魚菜食、家では胚芽米と魚菜食を主として油脂や肉はできるだけ控えめにして、健康には留意していたつもりでした。

それなのに、52才(2002年)のときに、糖尿病を発症してしまいました(*- -)(*_ _)

その後は、スーパー糖質制限食で、速やかに糖尿病は改善し、全く藥はなしで、64才(2014年)の現在まで元気に過ごしています。

玄米魚菜食も18年間していましたが、その長所と欠点も今ではよく分かっています。

そして糖質制限食は、人類本来の食事・人類の健康食ですので、「百利あって一害なし」と考えています。

さて、

『人工甘味料は砂糖より悪く神経錯乱させるとかあまいものがもっと食べたくなる』

というコメントですが、科学的根拠となる信頼度の高い論文はありません。

そして人工甘味料に関しては、許容量が定められています。

まず人工の添加物に対する無毒性量というのがあります。

無毒性量というのは「これ以上食べると毒になる」という量の2分の1の量のことです。

無毒性量を、さらに安全係数100で割ったものが1日許容摂取量(ADI)です。

人工甘味料を使用した飲料やチョコレートなどを常用量摂取したとしても、1日許容摂取量(ADI)を超えることは、まずありえません。

厚生労働省が、食品を許可するときに人工甘味料の使用量を1日許容摂取量(ADI)を考慮して設定しているからです。

例えば人工甘味料入りの飲料を、350ml缶で3本(1050ml)くらいまでなら、1日許容摂取量(ADI)を超えることはありません。

各添加物の安全性に関しては、下記のJECFAのサイトで自分でお調べいただけば幸いです。

JECFA安全性評価-指定添加物のサイト
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/JECFA-ADI-D07

をみると、あいうえお順で、人工甘味料を始めとしてほとんどの添加物が記載されています。

なお、ラカントSの主成分である糖アルコールのエリスリトールは、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により

『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』

との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。(1999年6月)

従いまして、どうしても信念として人工甘味料が嫌という人は、サラヤの「ラカントS」を使用するか、エリスリトールを使用すればいいですね。

ラカントSの主成分はエリスリトールでごく少量の羅漢果エキスが含まれています。

エリスリトールは果物やワインの甘み成分で、羅漢果は果物ですので、全て自然界に存在するものです。

私自身は、味の素の「パルスイートゼロ」や浅田飴の「シュガーカットゼロ」もOKと思います。

それぞれ少量のアスパルテームとスクラロースという人工甘味料が含まれていますが、1日許容摂取量(ADI)的には全く問題ありません。

糖質制限OKのサントリーの「オールフリー」もよく飲んでいます。アセスルファムKが含まれていますが、全く気にしていません。

日本小児神経学会のサイト 
http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a36.html
36:てんかんの食事療法(ケトン食療法)について。

においても、「・・・砂糖の代わりに人工甘味料を使用し、・・・」と記載してあります。

つまり小児科医の学会という非常に慎重な集団においても、このように人工甘味料を受容しています。

人工甘味料のことよりも、福助さんもご指摘のように、糖質の害のほうがはるかに大きく深刻なのです。

糖質の過剰摂取により、糖尿人だけで考えても、食後高血糖と平均血糖変動幅増大による酸化ストレスで、透析、足切断、失明、心筋梗塞、脳梗塞、がん・・・多大な被害が出ています。

さらに日本人の

四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)

に関しても、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。

近年のうつ病の増加に関しても糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。

無根拠に人工甘味料の批判をするよりも、現実に存在する糖質摂取の実害をしっかり見つめることの方が、優先順位の一位です。


江部康二




【14/10/31 みきき

お久しぶりにコメントします★

江部先生、おはようございます。

次男妊娠中糖尿病になり、 玄米菜食が糖尿病予防に良いと信じて続けてたから 粗食のすすめの幕内さんや、乳がんと牛乳の佐藤さんの影響でした) 添加物は控えたりいわゆるマクロビに近い考えをとりいれていて 健康に気を付けてたつもりだったから 糖尿病とわかったときは相当ショックでした。

でも江部先生に初心者むけのレシピ本をブログで 丁寧に教えて頂き、救われた一人です。

その節は本当にありがとうございました。

あれから約2年たちますが今ではガイドブックを見ずに 食材の糖質量も把握できて料理が出来るようになり 楽しく糖質制限ライフを過ごせています。

今日コメントしたのは、どうしても疑問があり、 江部先生や江部先生ブログ愛読者の大先輩にアドバイス頂けたら‥と思い 先生お忙しいなか本当に申し訳ないですがコメントさせて頂きました。

糖質制限を続けていくなかで なにか不安なことや解らないことがあったら 江部先生のブログからキーワード検索すれば いつも解決できて不安がなくなって 有用な情報量に感謝でした。

今回、玄米菜食してたころのブログを 放置していて久しぶりにログインしたら、 最新記事に血糖値に影響しない甘味料一覧などの記事だけあげてたんですが

http://blog.livedoor.jp/mikiki_boss/archives/51842246.html
上記リンクの記事に書かれたコメントです。

人工甘味料は砂糖より悪く 神経錯乱させるとか あまいものがもっと食べたくなる

というような内容でした。

わたし自身体感として 炭水化物、糖質たっぷりなスイーツを見ても 血糖値が急上昇することは自己測定していくなかで
いやというほど解っているからなのか 体質変化なのか、全く食べたい欲求は起こらなくなりました。

あえて食べたいなら、菓子職人さんの 糖質制限仕様のプロが作る血糖値に影響しないスイーツを かんばったごほうびに♪というくらいです♪ヽ(´▽`)/

個人的な体感としてだけですが 人工甘味料で甘いものがもっと食べたくなるどころか 炭水化物たっぷり糖質たっぷりの食べ物をみても何も思わなくなっているんですが わたし一人の体感としてだけでは根拠に乏しく 上記リンクの記事に書かれたしらないかたからのコメントの内容には 科学的事実や科学的根拠など何か情報はありますでしょうか?

江部先生ブログを検索したのですが、 神経錯乱だとか、甘いものの欲求が増えるなど そのようなデータは見つけられませんでした

私のブログに不安を煽るコメント入れてきた方はデータに基づいた上で コメントしてきたのか、ご存知の方いらっしゃいましたらご教授頂けましたら幸いです。m(__)m 】



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