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人工甘味料の許容量と安全性。1日許容摂取量(ADI)とは?
【15/07/20 柳川克典

古い記事なので仕方ありませんが、今は砂糖よりも人工甘味料の方が身体に悪いとされていますよね。自分も加工食品は原材料の表示を確認してから買うようにしています。特にアスパルテームや果糖ブドウ糖液糖などの人工甘味料は血糖値を上昇させて糖尿病や肥満に影響すると言われているので必ず避けます。炭酸飲料で人工甘味料が使われていないのは自分が調べた商品の中では、コカコーラライフだけでした。日本は食品後進国だと思っていますが、先生はどの様にお考えですか?教えてください。】



こんにちは。

人工甘味料の許容量に関して、柳川克典さんから、コメント・質問をいただきました。

確かに人工甘味料に関してネガティブなことを書いているサイトが多くて気になりますよね。

結論から言えば、私はそれほど気にしていません。

まず、果糖ブドウ糖液化糖は、血糖値を上昇させますが、アスパルテームなどの人工甘味料は血糖値を上昇させません。

基本的に厚生労働省やFAO/WHOの指針を守っていれば、人工甘味料、適量以内なら大丈夫と思います。

私自身も、サントリーオールフリーをよく飲んでいます。

オールフリーの栄養成分
麦芽、ホップ、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、苦味料、
甘味料(アセスルファムK)


人工甘味料のアセスルファムKが含まれていますが、オールフリー350ml缶を3本/日くらいならなんの問題もないと思います。

さて、まず人工の添加物に対する無毒性量という基準があります。

無毒性量というのは「これ以上食べると毒になる」という量の2分の1の量のことです。

無毒性量を、さらに安全係数100で割ったものが1日許容摂取量(ADI)です。

例えばスクラロースは、

厚生労働省のホームページ
http://www.ffcr.or.jp/Zaidan/mhwinfo.nsf/0/06717d18e8757f2b4925672e0026538a?OpenDocument

に、動物実験の結果などが詳しく載っています。

これによるとスクラロースは、無毒性量が1500mg/kg体重/日です。

そうすると1日許容摂取量(ADI)は15mg/kg体重/日

日本人のショ糖の平均摂取量(35.0g)を、全てスクラロース(ショ糖の600倍の甘さ)に置き換えたとして計算される1日推定摂取量は、58.3mgとなります。

日本人の平均体重50kgで除すると、1日あたり1.17mg/kg体重を摂取することとなります。

これは、ADI:15mgの、12分の1ですね。

このページにケーキや飲料水などにおける使用基準も記載してあります。

例えば清涼飲料水は1kgにつき0.40g以下が使用基準です。

体重が50kgの人の1日許容摂取量(ADI)は750mgです。

ダイエット飲料に1kgにつき0.4gの上限のスクラロースが含まれているとしたら1875ccを飲むと、調度750mgですね。

他の人工甘味料は調べていませんが、350ml缶で3本(1050ml)くらいまでなら、まず1日許容摂取量(ADI)を超えることはないと思います。

より詳しくは、厚生労働省のサイトや、下記のJECFAのサイトで自分でお調べいただけば幸いです。

各添加物の安全性に関しては、

JECFA安全性評価-指定添加物のサイト
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/JECFA-ADI-D07

を見ると、あいうえお順で、人工甘味料を始めとしてほとんどの添加物が記載されています。

なお、ラカントSの主成分である
糖アルコールのエリスリトールはJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。(1999年6月)



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
カロリーゼロ、糖質ゼロ表示と健康増進法
こんばんは。。

カロリーゼロ、糖質ゼロ、カロリーオフ・・・
いろいろな表示があり、存外わかりにくいですね。


「健康増進法」では、食品において栄養に関する表示を行える制度として、「栄養成分表示」(第31条)を定めています。

この「栄養表示基準に基づく栄養成分表示」において、

1.「無」「ゼロ」「ノン」「レス」など“含まない”という表示
2.「低」「ひかえめ」「少」「ライト」「ダイエット」「オフ」など“低い”という表示

を記載する時に、守るべき基準値が定められています。


具体的には、

「カロリーゼロ」
 食品100gあたり5kcal未満
(一般に飲用の液体では100mlあたり5kcal未満)

「カロリーオフ」
 食品100gあたり40kcal以下
(一般に飲用の液体では100mlあたり20kcal以下)

 と定められています。

「糖質ゼロ」
食品100gあたり0.5g未満
(一般に飲用の液体では100mlあたり0.5g未満)

と定められています。

従って、「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」という表示がしてあっても、カロリーが全くないとか糖質が全く含まれていない、ということではありませんので、一定の注意が必要です。

例えば糖質ゼロの表示があっても、100mlあたり0.4gの糖質が含まれている可能性があるのです。

従って糖質ゼロ発泡酒350m缶を1本飲めば、1.4gの糖質がある可能性はあることとなります。

4本飲んだら、5.6gの糖質の可能性ですね。

まあともあれ、余程大量に飲まない限り、糖質ゼロとカロリーゼロの表示があれば、糖質制限OK食品と考えて大丈夫と思います。


東京都の食品安全情報サイト 食品衛生の窓 の健康増進法のPDFファイルでは、熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウムは、強調表示(カロリーオフなど・・・)に関しての記載があります。

しかし糖質に関しての記載はありません。

強調表示の基準が定められていない栄養成分について、「強調表示を行うことは差し支えないが、誇大な表示とならないよう十分な注意が必要である。」

という記載があります。

某ビールメーカーの広報によれば、
「糖質オフ」:飲用の液体では100mlあたり2.5g以下が、
表示できるとしています。


なお
「健康増進法」では、

ゼロ表示のときは・・・未満
オフ表示のときは・・・以下

としてあります。

参考:東京都の食品安全情報サイト 食品衛生の窓
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hoei/hoei_016/hoei_16b.html


最後に「糖類ゼロ」という表示は、単糖類(ブドウ糖、果糖など)と2糖類(ショ糖、乳糖など)が含まれていないという意味ですので、マルチトールなどの甘味料が使用されていることがほとんどです。
マルチトールは砂糖の半分くらいは血糖を上げますので、
糖質制限食ではNG食品です。


糖質ゼロ、カロリーゼロは、糖質制限OK食品で、糖類ゼロは、糖質制限NG食品と覚えておきましょう。


 
江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
国民の健康対策として、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税強化
おはようございます。

昨夜から自宅のパソコンがインターネットに繋がらなくなって、ブログ記事を更新できませんでした。

一度直してもらったはずなのですが、またダメになりました。(-_~-)

さて、6月9日(火)に興味深いニュースが配信されました。
ますゆきさんからコメントをいただきました。
ありがとうございます。

「15/06/09 ますゆき
国を動かした
砂糖に課税とのニュース

糖質制限が国を動かした」


厚生労働省の有識者会議が「タバコ、砂糖、アルコールなどへの課税強化を求めている」とのことです。

砂糖はもともと、嗜好品ですから、無くてもいいようなものです。

世界保健機関(WHO)は2015年3月4日、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとする新指針を発表しています。

従来は10%までと推奨していましたが、各種の研究結果から基準を引き下げました。

平均的な成人で25グラム(ティースプーン6杯分)程度になります。

今回、有職者会議に拍手を送りたいのは、提言書にある「たばこ、アルコール、砂糖など、健康リスクに対する課税」という文言です。

WHOと同様に、砂糖の健康リスクについてはっきり言及したのは大変良いことと思います。

私も、砂糖の健康リスクは、たばこやアルコールと同類と思います。

日本国民に、砂糖など糖類(単糖類と二糖類)の健康リスクを知らしめるには、この文言は、おおいに役立つと思います。

「お砂糖"真"時代協議会」の反応が見たいですね。

まあ、さらに進んで、糖質の健康リスクにまで踏み込んでくれれば花丸だったですが・・・。

江部康二



以下、ヤフーニュースから転載です。

<ヤフーニュース フジテレビ系

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150609-00000381-fnn-soci


国民の健康対策として、砂糖などへの課税強化求める提言書まとめ

フジテレビ系(FNN) 6月9日(火)19時5分配信
国民の健康対策として、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税強化を求めることなどを盛り込んだ提言書を、厚生労働省の有識者会議がまとめた。
いわゆる「団塊ジュニア」の世代が65歳を迎える、2035年までに実現すべき保険医療システムを示した提言書には、国民の健康対策として、たばこ、アルコール、砂糖などへの課税を強化することを求めている。
また、医療費抑制策として、風邪などの軽い病気の患者の自己負担は高くして、自分で治療することを促すなど、病気に応じて、負担割合を変えることなどが盛り込まれた。
また、たばこについては、2020年の東京オリンピックまでに、受動喫煙のない「たばこフリー」社会を実現し、2035年までには、喫煙者自体をゼロに近づけるためのあらゆる手段を講じるという。
また、厚労省内に推進本部を設置し、実行可能な施策から実施すべきだとしている。
現在、嗜好(しこう)品であるたばこ、そしてお酒には、税金がかけられている。
たばこ税は、1本およそ12円。
酒税は、酒の種類によって異なるが、ビールなら1缶350mlで、77円の税金が課せられている。
さらに、購入する際には、消費税も支払っている。
今回、まとめられた提言書の中には、たばこ、アルコール、砂糖など、健康リスクに対する課税という文言があり、嗜好品のお酒や、たばこに加えて、普段よく使う調味料の砂糖などにも課税を検討していくべきと書かれている。
こうした必需品が課税されるかもしれない事態に、疑問の声が上がっている。
街の人は、「生活必需品だから、(課税は)やめてほしいですね」、「(生活に)必要なものに税金かければ、みんな買うんだろうと思うけれど。そこから糖尿病などのリスクがっていうつながりは、難しいなと」、「食べ物は、絶対生きていくうえでいると思うので、違う税つけられても」などと話した。>


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ダイエット飲料で糖尿病リスクが高まる!?ネイチャーの論文。
おはようございます。

mmxさんと精神科医師Aさんから

ダイエット飲料で糖尿病リスクが高まる!?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150305-00000020-pseven-life


という記事に関して、コメントをいただきました。

この記事は、2014年9月17日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文に関するものです。

2014年09月19日 (金)の本ブログ記事
「人工甘味料で糖尿病リスク増加、ネイチャー誌に論文」

でとりあげました。

結局、この論文、メインは動物実験(マウス)の話なので、ヒトに再現性があるかどうかは、よくわかりません。

人工甘味料が、マウスの腸内細菌に影響を与えて、耐糖能を障害しているという仮説です。

ヒトでは、7人中の4人に腸内細菌の構成変化と血糖値の上昇がみられたということですが、あまりに少数ですので、今後のより大規模な研究が待たれるといったところですね。

現時点では、この論文のように、「ヒトにおける推奨最大摂取量」を、毎日のように継続摂取しない限りほとんど心配ないと思います。

以下、再掲します。


☆☆☆
人工甘味料で糖尿病リスク増加、ネイチャー誌に論文
2014年09月19日 (金)の本ブログ記事

こんばんは。

「人工甘味料で糖尿病リスク増加、ネイチャー誌に論文」
という記事が、新聞やネットに載りました。

その中で下記(☆)は、比較的良くまとまっている、BB NEWS のAFPというサイトの記事です。

ネイチャーですから、一流紙です。

しかし、

「複数のマウスと少人数の人間に対して実験を行った結果」
「広く使用されている3種類のNAS(アスパルテーム、スクラロース、サッカリン)を選び、人間の推奨最大摂取量をマウスの体の大きさに合わせて換算した量を飲み水に混ぜてマウスに与えた」


つまり、人間の推奨最大量をマウスに与えた実験で、

「NASを与えられたマウスには耐糖能障害がみられたが、ただの水や砂糖水を摂取したマウスにはみられなかった。」

ということです。

まあ、とりあえず、いわゆる人工甘味料は、少量にとどめておけば、めったなことはないと思います。

もともと、人工甘味料は大量に摂取するようなものではないと思います。

なお、エリスリトールはいわゆる人工甘味料の範疇には入りませんのでご安心を。


江部康二


(☆)
AFP
BB NEWS
http://www.afpbb.com/articles/-/3026232

人工甘味料で糖尿病リスク増加、ネイチャー誌に論文
2014年09月18日 10:34 発信地:パリ/フランス

【9月18日 AFP】
健康的とされる人工甘味料が、実際には糖尿病のリスクを高めている可能性があるとする研究論文が17日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

人工甘味料が幅広い食品に使用され推奨されている現状の見直しを訴えている。

 ノンカロリー人工甘味料(NAS)とも呼ばれるこの添加物は、ソーダやシリアル、デザートなどに使用されており、体重増加や糖分摂取を気にする人々向けの巨大市場となっている。

 一部の専門家らは、世界各国で増加している2型糖尿病患者や、血糖値の上昇を伴う「耐糖能障害」と呼ばれる糖尿病の前段階に当たる状態の患者に対して、NASを推奨している。

 NAS分子は、舌の上に甘い味覚を残した後、体内に吸収されることなく腸管を通過する。これが、砂糖とは違い、カロリー量が無視できる程度(あるいはゼロ)になる理由だ。

 しかし論文によると、複数のマウスと少人数の人間に対して実験を行った結果、NASが腸内細菌の増殖と機能を阻害し、実は耐糖能障害を促進していることが分かったという。

 イスラエル・ワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)のエラン・エリナフ(Eran Elinav)氏とエラン・セガル(Eran Segal)氏が率いる研究チームは、広く使用されている3種類のNAS(アスパルテーム、スクラロース、サッカリン)を選び、人間の推奨最大摂取量をマウスの体の大きさに合わせて換算した量を飲み水に混ぜてマウスに与えた。

 その結果、NASを与えられたマウスには耐糖能障害がみられたが、ただの水や砂糖水を摂取したマウスにはみられなかった。

 また研究チームは、NASを摂取したマウスとブドウ糖を摂取したマウスの排せつ物を、腸内細菌を持たないマウスの体内に注入した。すると、NASの排せつ物を注入されたマウスの血糖値は急上昇し、腸内細菌が別のグループと比べより活発に栄養分からブドウ糖を搾取する働きを見せた。

 チームは次の段階として、研究対象を人間に移した。まず、糖尿病ではない381人から得たアンケートや健康データを入念に調べたところ、耐糖能障害とNAS摂取量増加との間には「重要な」関連性があることが分かった。

 さらに研究チームは、普段はNASを摂取しないボランティア7人に、米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)が推奨する最大摂取量の甘味料を含んだ食事を7日間とってもらった。結果、マウスと同様に、4人の血糖値は5~7日以内に上昇し、腸内細菌の構成にも変化が見られたという。(c)AFP/Richard INGHAM ]



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甘味料について
こんにちは。

今回は久しぶりに、甘味料のことを復習を兼ねて考えてみます。

まず大きく分けて、天然甘味料と人工甘味料の2つに分類できます。

次に、人工甘味料を合成甘味料と糖アルコールに分けてみました。

1 天然甘味料

ショ糖(サトウキビ、テンサイなど)、ステビオサイド(ステビア)、グリチルリチン酸(甘草)、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖など、天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のこと。

2 人工甘味料(広義の意味)

人工的に作られた甘みのある物質のこと。
合成甘味料、糖アルコールなどがあります。

a)合成甘味料

人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)のこと。
砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴がある。

狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。

サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アドバンテームなどがあります。
これらの6種は、FDA(アメリカ食品医薬品局)および厚生労働省が認可しています。

b)糖アルコール

キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。

キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、
エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。

マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。

自然界に存在するものなので、糖アルコールは合成甘味料には分類されません。

糖アルコールの安全性は確立しています。

糖アルコールの中でエリスリトールだけは、血糖値を上昇させず、カロリーもゼロです。

糖アルコールのカロリーですが、欧州連合 (EU) では、エリスリトール以外のすべての糖アルコールに対し一律に 2.4 kcal/g という値を表示することが義務付けられているようです。

合成甘味料のなかで、ズルチンとチクロは戦後間もない日本で貴重な甘みとして広く使用されたのですが、発ガン性などのため、1969年と1970年にそれぞれ使用禁止となっています。

サッカリンも発癌性テストが陽性に出て、食品衛生法により1973年にいったん全面禁止となりました。

ところが1ヶ月後、食品別の使用基準が制定されると、制限付きながらサッカリンはあっさり再認可されました。

米国では長期間にわたり結構大量に使っているようです。

アスパルテームは、FDA(米国食料医薬品庁)により人工甘味料として1981年に使用が許可されています。

現在、製法特許は味の素が持っており、国内ではアスパルテームを使った食卓用甘味料「パルスイート® カロリーゼロ」が販売されています。

アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンという2つの天然アミノ酸が結合したものです。

体内に吸収されると、速やかに2つのアミノ酸とごく微量のメタノールに分解されます。

欠点は添加物として比較的不安定であることです。

メタノール(メチルアルコール)は、大量だと失明を起こすなど毒性が強いですが、本来、ひと、動物、植物の体内に天然に存在するもので、ひと血液中の常成分の一つです。

現在、FDAおよび厚生労働省が食品への使用を許可している人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテームの6種です。

これらの人工甘味料は「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的ではあります。

カロリーはないのでダイエットにはよいし、血糖値を上昇させないという意味では糖尿病にもOKですが、一日摂取許容量が決められている合成甘味料をわざわざ大量に摂取する必要もないと思います。

アセスルファムカリウムは、アスパルテームと違って酸性・高温条件でも変化しにくいので、炭酸飲料のほかクッキーなどの焼き菓子にも利用できます。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット