2017年02月28日 (火)
こんにちは。
我が家は、冬は鍋料理が多いです。
冬はお酒も美味しいですが、あまりに寒い日は、最初の1杯は焼酎のお湯割りで、その後は水割りに切り替えます。
焼酎も、基本25%のものが主で、濃いアルコールはできるだけ避けるようにしています。
さてアルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。
一方、糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、アルコールは体重増加作用がないので、お酒のカロリーは計算しなくてもよいと思います。
そして、アルコール単体では、血糖を上昇させることはありません。
蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)は糖質を含まないので血糖を上昇させません。
醸造酒(ビール、日本酒など)は糖質を含むので血糖値を上昇させます。
<アルコールの適量>
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。
米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml
に相当します。
<アルコールのリスク>
世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。
それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
<アルコールと血糖低下作用>
ご存知の方も多いと思いますが、アルコールには、血糖低下作用があります。
ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、低下させるというように一律にはいきません。
エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。
なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると低血糖になりやすいので要注意です。
正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、低血糖になる可能性もあります。
<江部康二の酒量は?>
私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶、その後、焼酎の水割りを3~5杯です。
焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶と赤ワインを1/2本とかです。
家でたまに、赤ワイン、ボトル1本のむこともあります。
外で飲食のときは、焼酎の水割りを5~6杯のこともあります。
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。
従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量=30ml」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)
上述のようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか?
勿論、私は、アルコール摂取のリスクは充分承知した上で、自己責任でそれなりに飲酒しています。 (^^)
江部康二
我が家は、冬は鍋料理が多いです。
冬はお酒も美味しいですが、あまりに寒い日は、最初の1杯は焼酎のお湯割りで、その後は水割りに切り替えます。
焼酎も、基本25%のものが主で、濃いアルコールはできるだけ避けるようにしています。
さてアルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。
一方、糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、アルコールは体重増加作用がないので、お酒のカロリーは計算しなくてもよいと思います。
そして、アルコール単体では、血糖を上昇させることはありません。
蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)は糖質を含まないので血糖を上昇させません。
醸造酒(ビール、日本酒など)は糖質を含むので血糖値を上昇させます。
<アルコールの適量>
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。
米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml
に相当します。
<アルコールのリスク>
世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。
それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
<アルコールと血糖低下作用>
ご存知の方も多いと思いますが、アルコールには、血糖低下作用があります。
ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、低下させるというように一律にはいきません。
エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。
なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると低血糖になりやすいので要注意です。
正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、低血糖になる可能性もあります。
<江部康二の酒量は?>
私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶、その後、焼酎の水割りを3~5杯です。
焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶と赤ワインを1/2本とかです。
家でたまに、赤ワイン、ボトル1本のむこともあります。
外で飲食のときは、焼酎の水割りを5~6杯のこともあります。
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。
従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量=30ml」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)
上述のようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか?
勿論、私は、アルコール摂取のリスクは充分承知した上で、自己責任でそれなりに飲酒しています。 (^^)
江部康二
2017年02月23日 (木)
こんばんは。
寒い日は、温かいコーヒーが飲みたくなりますね。
私はよくブラックコーヒー、あるいは生クリームを入れたコーヒーを飲みます。
コーヒーが好きで毎日、4-5杯は飲んでいるので、いろいろ調べてみました。
今回は、コーヒー(カフェイン)と血糖値について考えてみます。
コーヒーは血糖値を上げる、下げると両極端な見解がありますが、もう少し詳しく見てみましょう。
コーヒー・浸出液100g中には、
・エネルギー(kcal) 4.0
・たんぱく質(g) 0.2
・脂質(g) 0.0
・炭水化物(g) 0.7 ※食物繊維(g) 0.0
・カフェイン60mg
が含まれています。
調べてみると、結構沢山、コーヒーと糖尿病の研究がありました。
成分表からみると、コーヒー1杯が約150gとして、1回の糖質量は、1.05gと少量ですので、糖質そのものによる血糖値への影響は少ないです。
一方、コーヒーにはカフェインが入っています。
「カフェインが血糖値を上げる」という報告が、医学雑誌「Diabetes Care」2008年2月号に掲載されました。
糖尿病患者10例を対象にした小規模な研究です。
対象者に1日4杯分のコーヒーに相当するカフェインを錠剤で摂取させたところ、血糖値が8%上昇したとのことです。
この研究は、24時間の短期間の血糖値をみたもので、長期間ではありません。
また、カフェインは錠剤で、コーヒーそのものとは違います。
さらに、極めて少人数なので、研究としての価値はボチボチです。
コーヒーと糖尿病に関する大規模研究を三つ紹介します。
◆1. 2002年のLancet誌に、1日7杯以上コーヒーを飲む人は、1日2杯以下の人よりも、糖尿病の発症率が5割少ないという報告が掲載されました。オランダで実施された、男女1万7000人を7年間追跡した研究です。
◆2.「Annals of Internal Medicine誌1月6日号、2004年」に米国の大規模コホート研究結果が掲載されました。
男性4万人、女性8万人を最長18年間追跡し、コーヒーを1日6杯以上飲む人では、2型糖尿病の発症率がコーヒーを飲まない人より大幅に低い。
一方、カフェイン抜きコーヒーを飲む人では、2型糖尿病の発症率が飲まない人より低いものの“予防効果”は通常のコーヒーほどではない。
という内容です。
2型糖尿病の予防には、カフェインが有効な可能性が高いと、研究グループはみているそうです。
◆3.
米医師会雑誌Journal of American Medical Association(JAMA)
2004年3月10日号に掲載された、
前向きコホート研究「Uppsala Long itudinal Study of Adult Men(ULSAM)」
というものがあります。
スウェーデンのUppsala大学公衆衛生・介護学部のJohan Arnlov氏らの研究グループによるものです。
これには、コーヒーの飲用に関する記述があり、2型糖尿病患者でない936人のデータを分析対象としています。
その結果、コーヒー摂取とインスリン分泌量には、関連性が見られませんでした。
これら三つのオランダと米国とスウェーデンの大規模研究では、コーヒーおよびカフェインが、糖尿病に対して良い方向に働くことを示しています。
コーヒー党の私としては一安心ですヾ(^▽^)
研究としては[10人で24時間の研究]に対し、三つの大規模研究のほうがはるかに価値が高いのです。
結論です。
カフェインは、ごく短期的に血糖値上昇作用が少しある可能性は否定できません。
しかし、カフェインを含む食品の代表であるコーヒーは、日常的な長期的な摂取により、2型糖尿病発症のリスクを低減させることが、複数の疫学的調査で確認されているので、安心して、コーヒーや緑茶などを飲んでよいと思います。
なおカフェインを1日200~300mg以上摂取した場合 個人差はありますが、不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などのカフェイン過剰症状がでることがありますので、コーヒーの飲みすぎには要注意ですね。( ̄_ ̄|||)
なおカフェインを含む飲料には、コーヒー以外にお茶がありまね。
以下、ご参考まで。
**福岡市薬剤師会のサイト
http://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/50.pdf
飲料別カフェイン含有量
滲出液100ml中
玉露 160mg
煎茶 20mg
番茶 10mg
ほうじ茶 20mg
釜炒り茶 10mg
玄米茶 10mg
ウーロン茶 20mg
紅茶 30mg
コーヒー 60mg
麦茶 0mg
江部康二
寒い日は、温かいコーヒーが飲みたくなりますね。
私はよくブラックコーヒー、あるいは生クリームを入れたコーヒーを飲みます。
コーヒーが好きで毎日、4-5杯は飲んでいるので、いろいろ調べてみました。
今回は、コーヒー(カフェイン)と血糖値について考えてみます。
コーヒーは血糖値を上げる、下げると両極端な見解がありますが、もう少し詳しく見てみましょう。
コーヒー・浸出液100g中には、
・エネルギー(kcal) 4.0
・たんぱく質(g) 0.2
・脂質(g) 0.0
・炭水化物(g) 0.7 ※食物繊維(g) 0.0
・カフェイン60mg
が含まれています。
調べてみると、結構沢山、コーヒーと糖尿病の研究がありました。
成分表からみると、コーヒー1杯が約150gとして、1回の糖質量は、1.05gと少量ですので、糖質そのものによる血糖値への影響は少ないです。
一方、コーヒーにはカフェインが入っています。
「カフェインが血糖値を上げる」という報告が、医学雑誌「Diabetes Care」2008年2月号に掲載されました。
糖尿病患者10例を対象にした小規模な研究です。
対象者に1日4杯分のコーヒーに相当するカフェインを錠剤で摂取させたところ、血糖値が8%上昇したとのことです。
この研究は、24時間の短期間の血糖値をみたもので、長期間ではありません。
また、カフェインは錠剤で、コーヒーそのものとは違います。
さらに、極めて少人数なので、研究としての価値はボチボチです。
コーヒーと糖尿病に関する大規模研究を三つ紹介します。
◆1. 2002年のLancet誌に、1日7杯以上コーヒーを飲む人は、1日2杯以下の人よりも、糖尿病の発症率が5割少ないという報告が掲載されました。オランダで実施された、男女1万7000人を7年間追跡した研究です。
◆2.「Annals of Internal Medicine誌1月6日号、2004年」に米国の大規模コホート研究結果が掲載されました。
男性4万人、女性8万人を最長18年間追跡し、コーヒーを1日6杯以上飲む人では、2型糖尿病の発症率がコーヒーを飲まない人より大幅に低い。
一方、カフェイン抜きコーヒーを飲む人では、2型糖尿病の発症率が飲まない人より低いものの“予防効果”は通常のコーヒーほどではない。
という内容です。
2型糖尿病の予防には、カフェインが有効な可能性が高いと、研究グループはみているそうです。
◆3.
米医師会雑誌Journal of American Medical Association(JAMA)
2004年3月10日号に掲載された、
前向きコホート研究「Uppsala Long itudinal Study of Adult Men(ULSAM)」
というものがあります。
スウェーデンのUppsala大学公衆衛生・介護学部のJohan Arnlov氏らの研究グループによるものです。
これには、コーヒーの飲用に関する記述があり、2型糖尿病患者でない936人のデータを分析対象としています。
その結果、コーヒー摂取とインスリン分泌量には、関連性が見られませんでした。
これら三つのオランダと米国とスウェーデンの大規模研究では、コーヒーおよびカフェインが、糖尿病に対して良い方向に働くことを示しています。
コーヒー党の私としては一安心ですヾ(^▽^)
研究としては[10人で24時間の研究]に対し、三つの大規模研究のほうがはるかに価値が高いのです。
結論です。
カフェインは、ごく短期的に血糖値上昇作用が少しある可能性は否定できません。
しかし、カフェインを含む食品の代表であるコーヒーは、日常的な長期的な摂取により、2型糖尿病発症のリスクを低減させることが、複数の疫学的調査で確認されているので、安心して、コーヒーや緑茶などを飲んでよいと思います。
なおカフェインを1日200~300mg以上摂取した場合 個人差はありますが、不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などのカフェイン過剰症状がでることがありますので、コーヒーの飲みすぎには要注意ですね。( ̄_ ̄|||)
なおカフェインを含む飲料には、コーヒー以外にお茶がありまね。
以下、ご参考まで。
**福岡市薬剤師会のサイト
http://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/50.pdf
飲料別カフェイン含有量
滲出液100ml中
玉露 160mg
煎茶 20mg
番茶 10mg
ほうじ茶 20mg
釜炒り茶 10mg
玄米茶 10mg
ウーロン茶 20mg
紅茶 30mg
コーヒー 60mg
麦茶 0mg
江部康二
2017年02月07日 (火)
こんにちは。
たんぱく質は、直接血糖値に影響を与えることはありませんが、間接的にはグルカゴンによる糖新生で血糖値が上昇することがあります。
1型糖尿病で、インスリン分泌能力ゼロの場合は勿論、たんぱく質摂取で単純に血糖値が上昇します。
しかし、血糖コントロール良好で、インスリン分泌能力が充分ある2型糖尿病の場合でも血糖値の上昇があるようです。
インスリン分泌能が充分ある血糖値良好の2型糖尿病
2型糖尿病において、たんぱく質摂取時に
1)グルカゴン分泌=インスリン分泌・・・血糖値不変
2)グルカゴン分泌>インスリン分泌・・・血糖値上昇
3)グルカゴン分泌<インスリン分泌・・・血糖値低下
理論的には、1)2)3)のパターンがありえます。
多くは1)のパターンのはずですが・・・?
臨床的に診ていて2)のパターンが結構あります。
私も蒸し鶏の単独を摂取したら、2)のパターンだったようでそれなりに血糖値が上昇しました。
江部康二、2016/10/2、66歳、HbA1c:5.9%、GA:13.5%。
17:00 111mg/dl
蒸し鶏150g(たんぱく質:22.1g、糖質は0.5g)摂取
摂取後2時間値がピークで、143mg/dl
結果として32mg/dl上昇。
その内たんぱく質分は30.5mg。
1gのたんぱく質が、1.38mg/dl血糖値を上昇。
グルカゴン>インスリン分泌タイプ。
2)のパターンは、私の糖尿病患者さんに試して貰って他に数名は確認しました。
3)のパターンは比較的まれなようですが、あることはあるようです。
江部康二
たんぱく質は、直接血糖値に影響を与えることはありませんが、間接的にはグルカゴンによる糖新生で血糖値が上昇することがあります。
1型糖尿病で、インスリン分泌能力ゼロの場合は勿論、たんぱく質摂取で単純に血糖値が上昇します。
しかし、血糖コントロール良好で、インスリン分泌能力が充分ある2型糖尿病の場合でも血糖値の上昇があるようです。
インスリン分泌能が充分ある血糖値良好の2型糖尿病
2型糖尿病において、たんぱく質摂取時に
1)グルカゴン分泌=インスリン分泌・・・血糖値不変
2)グルカゴン分泌>インスリン分泌・・・血糖値上昇
3)グルカゴン分泌<インスリン分泌・・・血糖値低下
理論的には、1)2)3)のパターンがありえます。
多くは1)のパターンのはずですが・・・?
臨床的に診ていて2)のパターンが結構あります。
私も蒸し鶏の単独を摂取したら、2)のパターンだったようでそれなりに血糖値が上昇しました。
江部康二、2016/10/2、66歳、HbA1c:5.9%、GA:13.5%。
17:00 111mg/dl
蒸し鶏150g(たんぱく質:22.1g、糖質は0.5g)摂取
摂取後2時間値がピークで、143mg/dl
結果として32mg/dl上昇。
その内たんぱく質分は30.5mg。
1gのたんぱく質が、1.38mg/dl血糖値を上昇。
グルカゴン>インスリン分泌タイプ。
2)のパターンは、私の糖尿病患者さんに試して貰って他に数名は確認しました。
3)のパターンは比較的まれなようですが、あることはあるようです。
江部康二
2016年12月30日 (金)
こんにちは。
ヤフーニュースで2012/12/25(日)
[ビールで血糖値は上がらない?ウワサの真相を調べてみた]
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mamoruichikawa/20161225-00065357/
という記事が掲載されました。
結局、結論は曖昧なままでした。(∵)?
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によれば、
『ビール100g中に、炭水化物が3.1g,利用可能炭水化物はTr(痕跡)ていど、食物繊維はなし。 』
となっています。
利用可能炭水化物は、通常は糖質を意味します。
しかし、利用可能炭水化物が痕跡ていどで、食物繊維なしなら、【残る炭水化物3.1g】の実態は何なのか、謎です。
それで、自分で実験をすることにしました。
12/29(木)
18:30 血糖値:114mg
缶ビール330mlを1缶(100mlあたり3.8gの糖質)、
実質、糖質は12.54gを摂取。
19:22 血糖値:154mg
私は体重が57kgなので、64kg÷57kg=1.123
体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が、血糖値約3mg上昇。
体重57kgなら、1gの糖質が、血糖値約3.37mg上昇の予測。
缶ビール、330mlを1缶(12.54gの糖質)摂取して、40mg血糖値が上昇で、1gの糖質が約3.19mg血糖値を上昇させています。
まあ、ほぼ予測通りです。
少なくとも、2型糖尿人の江部康二においては、ビールは含有糖質通りに血糖を上昇させました。
他の糖尿人のご同輩も同様の可能性が高いですね。
実験したメーカー名は、何かの法律上、出せないのですが、日本のビールの製法は、どの大手メー-カーもほぼ一緒なので、どのメーカーのビールも血糖値を上昇させると考えられます。
世界のビールも、日本と同様に下面発酵ビールが9割なので、やはり血糖値を上昇させると思います。
下面発酵ビールは別名ラガータイプと呼ばれます。
上面発酵ビールはエールタイプと呼ばれます。
こちらは、今回実験していませんが、おそらく、糖質分は血糖値を上昇させると思います。
結論です。
缶ビールの糖質表示はそのまま、血糖値を上げると考えられます。
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」の炭水化物は、現実にはそのまま糖質とみなす方が実態に即しています。
ブログ読者の糖尿人のご同輩の皆さん、年末年始のビールには、ご用心、ご用心。
江部康二
ヤフーニュースで2012/12/25(日)
[ビールで血糖値は上がらない?ウワサの真相を調べてみた]
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mamoruichikawa/20161225-00065357/
という記事が掲載されました。
結局、結論は曖昧なままでした。(∵)?
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によれば、
『ビール100g中に、炭水化物が3.1g,利用可能炭水化物はTr(痕跡)ていど、食物繊維はなし。 』
となっています。
利用可能炭水化物は、通常は糖質を意味します。
しかし、利用可能炭水化物が痕跡ていどで、食物繊維なしなら、【残る炭水化物3.1g】の実態は何なのか、謎です。
それで、自分で実験をすることにしました。
12/29(木)
18:30 血糖値:114mg
缶ビール330mlを1缶(100mlあたり3.8gの糖質)、
実質、糖質は12.54gを摂取。
19:22 血糖値:154mg
私は体重が57kgなので、64kg÷57kg=1.123
体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が、血糖値約3mg上昇。
体重57kgなら、1gの糖質が、血糖値約3.37mg上昇の予測。
缶ビール、330mlを1缶(12.54gの糖質)摂取して、40mg血糖値が上昇で、1gの糖質が約3.19mg血糖値を上昇させています。
まあ、ほぼ予測通りです。
少なくとも、2型糖尿人の江部康二においては、ビールは含有糖質通りに血糖を上昇させました。
他の糖尿人のご同輩も同様の可能性が高いですね。
実験したメーカー名は、何かの法律上、出せないのですが、日本のビールの製法は、どの大手メー-カーもほぼ一緒なので、どのメーカーのビールも血糖値を上昇させると考えられます。
世界のビールも、日本と同様に下面発酵ビールが9割なので、やはり血糖値を上昇させると思います。
下面発酵ビールは別名ラガータイプと呼ばれます。
上面発酵ビールはエールタイプと呼ばれます。
こちらは、今回実験していませんが、おそらく、糖質分は血糖値を上昇させると思います。
結論です。
缶ビールの糖質表示はそのまま、血糖値を上げると考えられます。
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」の炭水化物は、現実にはそのまま糖質とみなす方が実態に即しています。
ブログ読者の糖尿人のご同輩の皆さん、年末年始のビールには、ご用心、ご用心。
江部康二
2016年12月02日 (金)
おはようございます。
菊芋について、血糖値が上昇するか否かを考察してみます。
五訂日本食品標準成分表によると、
・菊芋100g:35kcal
・タンパク質 :1.9g
・脂質:0.2g
・糖質:13.1 ほとんどがイヌリン
・食物繊維:2.0
・水分:81.2g
菊芋は名前はイモと付きますが、キク科の多年草で、根はショウガの形に似たイモ状です。
糖質はありますが、ジャガイモやサツマイモのようにデンプンは含まれていません。
菊芋の糖質は、ほとんどがイヌリンです。
フジ日本精糖は世界で初めて、砂糖からイヌリンを作ることに成功した会社です。
そのホームページからの引用です。
・・・・引用ここから・・・・
イヌリンは水に非常に良く溶ける食物繊維です。
普段よく食べているタマネギ、ゴボウなどといった多くの植物に存在します。
キクイモやチコリには 特に多く含まれています。
血糖値の上昇を抑制するなど多くの生理作用が期待されるため、欧米では古くから糖尿病患者用の食事に利用されています。
イヌリン含量
・キクイモ 15~20%
・チコリ 15~20%
・ニンニク 9~16%
・ニラ 3~10%
・タマネギ 2~6%
イヌリンは、ヒトの胃や腸などの消化管では消化・吸収されにくい難消化性の炭水化物(食物繊維)です。
消化・吸収される消化性糖質のでん粉やオリゴ糖とは異なり、胃や小腸ではまったく分解されません。
大腸ではじめて腸内の善玉菌であるビフィズス菌などの餌として利用されます。
イヌリンのカロリー値は、消化性糖質の約半分にあたる2kcal/gと推定されています。
・・・・引用ここまで・・・・
通常の糖質は4kcal/gですから、イヌリンは糖アルコールのマルチトール・ソルビトール・キシリトールなどと同じ程度のカロリーです。
血糖値に関してですが、イヌリンはカロリーは有していますが、血糖値は上昇させないと思います。
マルチトール・ソルビトール・キシリトールなどは、砂糖の半分くらい血糖値を上昇させると思います。
腸内細菌がイヌリン(食物繊維)を分解して、産生するのは、短鎖脂肪酸です。
短鎖脂肪酸はカロリーは有していますが、血糖値は上昇させません。
論より証拠ということで、私自身がイヌリンの粉を20g摂取して、人体実験しました。
2014年9月25日(木)
・午後6時、空腹時血糖値:124mg/dl
イヌリンを20gお湯に溶いて摂取。
・午後6:30、摂取30分後:119mg/dl
・午後7時、摂取1時間後:119mg/dl
従いまして、イヌリンは糖質制限OK食材です。
菊芋も含まれている糖質のほとんどがイヌリンなので、血糖値はほぼ上昇せず、糖質制限OK食材と言えます。
江部康二
菊芋について、血糖値が上昇するか否かを考察してみます。
五訂日本食品標準成分表によると、
・菊芋100g:35kcal
・タンパク質 :1.9g
・脂質:0.2g
・糖質:13.1 ほとんどがイヌリン
・食物繊維:2.0
・水分:81.2g
菊芋は名前はイモと付きますが、キク科の多年草で、根はショウガの形に似たイモ状です。
糖質はありますが、ジャガイモやサツマイモのようにデンプンは含まれていません。
菊芋の糖質は、ほとんどがイヌリンです。
フジ日本精糖は世界で初めて、砂糖からイヌリンを作ることに成功した会社です。
そのホームページからの引用です。
・・・・引用ここから・・・・
イヌリンは水に非常に良く溶ける食物繊維です。
普段よく食べているタマネギ、ゴボウなどといった多くの植物に存在します。
キクイモやチコリには 特に多く含まれています。
血糖値の上昇を抑制するなど多くの生理作用が期待されるため、欧米では古くから糖尿病患者用の食事に利用されています。
イヌリン含量
・キクイモ 15~20%
・チコリ 15~20%
・ニンニク 9~16%
・ニラ 3~10%
・タマネギ 2~6%
イヌリンは、ヒトの胃や腸などの消化管では消化・吸収されにくい難消化性の炭水化物(食物繊維)です。
消化・吸収される消化性糖質のでん粉やオリゴ糖とは異なり、胃や小腸ではまったく分解されません。
大腸ではじめて腸内の善玉菌であるビフィズス菌などの餌として利用されます。
イヌリンのカロリー値は、消化性糖質の約半分にあたる2kcal/gと推定されています。
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通常の糖質は4kcal/gですから、イヌリンは糖アルコールのマルチトール・ソルビトール・キシリトールなどと同じ程度のカロリーです。
血糖値に関してですが、イヌリンはカロリーは有していますが、血糖値は上昇させないと思います。
マルチトール・ソルビトール・キシリトールなどは、砂糖の半分くらい血糖値を上昇させると思います。
腸内細菌がイヌリン(食物繊維)を分解して、産生するのは、短鎖脂肪酸です。
短鎖脂肪酸はカロリーは有していますが、血糖値は上昇させません。
論より証拠ということで、私自身がイヌリンの粉を20g摂取して、人体実験しました。
2014年9月25日(木)
・午後6時、空腹時血糖値:124mg/dl
イヌリンを20gお湯に溶いて摂取。
・午後6:30、摂取30分後:119mg/dl
・午後7時、摂取1時間後:119mg/dl
従いまして、イヌリンは糖質制限OK食材です。
菊芋も含まれている糖質のほとんどがイヌリンなので、血糖値はほぼ上昇せず、糖質制限OK食材と言えます。
江部康二