コントロール良好の2型糖尿病とたんぱく質摂取。血糖値上昇は?
こんにちは。

たんぱく質は、直接血糖値に影響を与えることはありませんが、間接的にはグルカゴンによる糖新生で血糖値が上昇することがあります。

1型糖尿病で、インスリン分泌能力ゼロの場合は勿論、たんぱく質摂取で単純に血糖値が上昇します。

しかし、血糖コントロール良好で、インスリン分泌能力が充分ある2型糖尿病の場合でも血糖値の上昇があるようです。

インスリン分泌能が充分ある血糖値良好の2型糖尿病

2型糖尿病において、たんぱく質摂取時に
  1)グルカゴン分泌=インスリン分泌・・・血糖値不変
  2)グルカゴン分泌>インスリン分泌・・・血糖値上昇
  3)グルカゴン分泌<インスリン分泌・・・血糖値低下


理論的には、1)2)3)のパターンがありえます。

多くは1)のパターンのはずですが・・・?

臨床的に診ていて2)のパターンが結構あります。

私も蒸し鶏の単独を摂取したら、2)のパターンだったようでそれなりに血糖値が上昇しました。

江部康二、2016/10/2、66歳、HbA1c:5.9%、GA:13.5%。
17:00 111mg/dl
蒸し鶏150g(たんぱく質:22.1g、糖質は0.5g)摂取
摂取後2時間値がピークで、143mg/dl
結果として32mg/dl上昇。
その内たんぱく質分は30.5mg。
1gのたんぱく質が、1.38mg/dl血糖値を上昇。
グルカゴン>インスリン分泌タイプ。



2)のパターンは、私の糖尿病患者さんに試して貰って他に数名は確認しました。

3)のパターンは比較的まれなようですが、あることはあるようです。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
少なくとも、私はビールの糖質で血糖値が上昇しました。
こんにちは。

ヤフーニュースで2012/12/25(日)
[ビールで血糖値は上がらない?ウワサの真相を調べてみた]
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mamoruichikawa/20161225-00065357/

という記事が掲載されました。

結局、結論は曖昧なままでした。(∵)?

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によれば、

『ビール100g中に、炭水化物が3.1g,利用可能炭水化物はTr(痕跡)ていど、食物繊維はなし。 』

となっています。

利用可能炭水化物は、通常は糖質を意味します。

しかし、利用可能炭水化物が痕跡ていどで、食物繊維なしなら、【残る炭水化物3.1g】の実態は何なのか、謎です。

それで、自分で実験をすることにしました。


12/29(木)
18:30 血糖値:114mg
缶ビール330mlを1缶(100mlあたり3.8gの糖質)、
実質、糖質は12.54gを摂取。
19:22 血糖値:154mg

私は体重が57kgなので、64kg÷57kg=1.123
体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が、血糖値約3mg上昇。
体重57kgなら、1gの糖質が、血糖値約3.37mg上昇の予測。

缶ビール、330mlを1缶(12.54gの糖質)摂取して、40mg血糖値が上昇で、1gの糖質が約3.19mg血糖値を上昇させています。

まあ、ほぼ予測通りです。

少なくとも、2型糖尿人の江部康二においては、ビールは含有糖質通りに血糖を上昇させました。

他の糖尿人のご同輩も同様の可能性が高いですね。

実験したメーカー名は、何かの法律上、出せないのですが、日本のビールの製法は、どの大手メー-カーもほぼ一緒なので、どのメーカーのビールも血糖値を上昇させると考えられます。

世界のビールも、日本と同様に下面発酵ビールが9割なので、やはり血糖値を上昇させると思います。

下面発酵ビールは別名ラガータイプと呼ばれます。

上面発酵ビールはエールタイプと呼ばれます。

こちらは、今回実験していませんが、おそらく、糖質分は血糖値を上昇させると思います。

結論です。

缶ビールの糖質表示はそのまま、血糖値を上げると考えられます。

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」の炭水化物は、現実にはそのまま糖質とみなす方が実態に即しています。


ブログ読者の糖尿人のご同輩の皆さん、年末年始のビールには、ご用心、ご用心。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
菊芋と血糖値とイヌリン。
おはようございます。

菊芋について、血糖値が上昇するか否かを考察してみます。

五訂日本食品標準成分表によると、

・菊芋100g:35kcal
・タンパク質 :1.9g
・脂質:0.2g
・糖質:13.1 ほとんどがイヌリン
・食物繊維:2.0
・水分:81.2g


菊芋は名前はイモと付きますが、キク科の多年草で、根はショウガの形に似たイモ状です。

糖質はありますが、ジャガイモやサツマイモのようにデンプンは含まれていません。

菊芋の糖質は、ほとんどがイヌリンです。

フジ日本精糖は世界で初めて、砂糖からイヌリンを作ることに成功した会社です。

そのホームページからの引用です。

・・・・引用ここから・・・・

イヌリンは水に非常に良く溶ける食物繊維です。

普段よく食べているタマネギ、ゴボウなどといった多くの植物に存在します。
キクイモやチコリには 特に多く含まれています。

血糖値の上昇を抑制するなど多くの生理作用が期待されるため、欧米では古くから糖尿病患者用の食事に利用されています。

イヌリン含量

・キクイモ 15~20%
・チコリ 15~20%
・ニンニク 9~16%
・ニラ 3~10%
・タマネギ 2~6%

イヌリンは、ヒトの胃や腸などの消化管では消化・吸収されにくい難消化性の炭水化物(食物繊維)です。

消化・吸収される消化性糖質のでん粉やオリゴ糖とは異なり、胃や小腸ではまったく分解されません。

大腸ではじめて腸内の善玉菌であるビフィズス菌などの餌として利用されます。

イヌリンのカロリー値は、消化性糖質の約半分にあたる2kcal/gと推定されています。


・・・・引用ここまで・・・・

通常の糖質は4kcal/gですから、イヌリンは糖アルコールのマルチトール・ソルビトール・キシリトールなどと同じ程度のカロリーです。

血糖値に関してですが、イヌリンはカロリーは有していますが、血糖値は上昇させないと思います。

マルチトール・ソルビトール・キシリトールなどは、砂糖の半分くらい血糖値を上昇させると思います。

腸内細菌がイヌリン(食物繊維)を分解して、産生するのは、短鎖脂肪酸です。

短鎖脂肪酸はカロリーは有していますが、血糖値は上昇させません。

論より証拠ということで、私自身がイヌリンの粉を20g摂取して、人体実験しました。

2014年9月25日(木)

・午後6時、空腹時血糖値:124mg/dl 
 イヌリンを20gお湯に溶いて摂取。

・午後6:30、摂取30分後:119mg/dl

・午後7時、摂取1時間後:119mg/dl

従いまして、イヌリンは糖質制限OK食材です。

菊芋も含まれている糖質のほとんどがイヌリンなので、血糖値はほぼ上昇せず、糖質制限OK食材と言えます。


江部康二

テーマ:糖質制限食
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すき家の牛丼ライトと血糖値、再考です。
【時々利用しています

こんばんは。北関東は天気の宜しくない日が続いています。

すき家の牛丼ライトは、こちらで紹介されてから私も時々利用しています。流石に一人では入りづらいので、夫と買い物に出た時などですが。

その際、いつも「つゆ抜き・ゆずポン酢抜き」で頼むようにしています。牛丼の具の下にあるお豆腐とサラダにはゆずポン酢がかかっている上、牛丼そのもののつゆも結構味が濃いので、両方抜いておんたまをかけて混ぜると、薄味好みの人には丁度良い感じです。昔から、味の濃いものがかなり苦手なので…。糖質もこれで多少抑えられると思います。

それにお味噌汁をプラスするのが定番です。鮭は私には塩がきつくて1度でギブアップしました。

そういえば唐揚げがありましたね! 次回は是非頼んでみます。牛丼ライトとお味噌汁だけではほんの少し物足りないので^^;

糖質制限を始めて、10月で半年になりました。本当は昨日、半年目の詳細検査を受ける予定でしたが、仕事の都合で延期しました。今回はGAを検査して貰います。結果が出ましたら、またご報告させて戴きます。
2016/10/04(Tue) 22:08 | URL | 黒兎 | 】



おはようございます。

すき家の牛丼ライトと血糖値、再考です。

月曜日の夜は、連れ合いが江部診療所で仕事なので、私は一人飯です。

2016/11/14(月)夕食は、10/3(月)以来久しぶりに、すき家に行きました。

牛丼ライト、豚汁、唐揚げ2ケ、鮭1匹、温泉卵2個。

豚汁の里芋は、除去しました。

牛丼ライトは、黒兎さん のアドバイスに従って、ポン酢とつゆなしにしたら、甘さがかなり減りましたというか、ほとんど甘くなかったです。

こちらも黒兎さんのアドバイスに従って、牛丼ライトにおんたまを2つかけて、かき混ぜて食べました。

黒兎さん、アドバイスありがとうございます。

全メニュー完食で、ほぼ満腹となりました。

19:50 血糖値:102mg
20:00 牛丼ライト、豚汁、唐揚げ2ケ、鮭1匹、温泉卵2個・・・摂取開始
20:15 摂取終了。
21:00 血糖値:106mg(私の場合、食後1時間値がピ-クです)


4mgの上昇ですから、これだけ食べて、糖質1.3gの計算になります。
私の場合、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させるので、典型的な2型糖尿病です。

前回は、ポン酢とつゆありで、血糖値は20mg上昇ですので、糖質6.7gであり、今回は大分少ないです。

前回と同じメニューで、温泉卵が1個増えただけです。

温泉卵は1個で糖質が0.18gしかないので、ポン酢とつゆの砂糖で、16mg血糖値上昇していた計算です。

すき家のサイトで、メニューの糖質量を確認したら、微妙に変化していました。

牛丼ライトは、炭水化物16.2gですが、食物繊維をひくともう少し少ないでしょう。

ポン酢とつゆなしならその分の砂糖がカットできて、実際の糖質は、私の人体実験では、数g以下しかないようです。

豚汁が炭水化物14.1gですが、里芋と食物繊維を差し引けます。
差し引くと豚汁の糖質も、数g以下と思われます。

唐揚げ2個で、炭水化物は5.2gです。
鮭と温泉卵の糖質は、無視できる量です。

ということで、すき家の表示通りだと
「16.2g+14.1g+5.2g」→35.5gの炭水化物→食物繊維を引いて約28gくらいの糖質。

つゆとポン酢抜き、里芋除去など工夫して食べると、糖質はかなり減って、合計10g以下?。

今回も、合計約10gの糖質と想定しても、血糖値の上昇が大幅に少なかったです。

耐糖能が改善したのかな?不思議です。 (∵)?

ともあれ、すき家で、ガッツリ食べても、メニューの工夫次第で血糖値上昇がほとんどなしでいけることが再び確認できて、なかなかいい感じです。(^^)

なお、今回もこの時間帯のすき家は、お客の7~8割は、ひとり飯の男性で、私も行きやすい環境でした。  (^_^)



江部康二

テーマ:糖質制限食
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健常者および糖尿人における食後血糖値のピーク時間は?
こんばんは。

健常者および糖尿人における食後血糖値のピーク時間は、何時なのでしょうか?

答えは、
1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク


です。

ピークが、後にずれるほど、耐糖能が良くないと言えるようです。

上記データは慈恵医科大学の西村理明氏の研究結果です。(*)

西村氏はCGMを駆使して血糖の変動を研究しています。

例えば、耐糖能正常者の24人を調べたところ、朝食後、昼食後、夕食後ともに血糖のピークは、40分から50分の時間帯に収まっていました。

西村氏は、
「スクリーニングの観点では、食後1時間の血糖値を見るのが重要なのは明らか」
とこれまでの検討から考えています。

さらに、治療目標の観点から、糖尿病患者の血糖変化も検証しています。

その結果、HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピークがあったものの、8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピークがありました。

西村氏は、「管理目標として考える場合にも食後1時間をめどに血糖を測定するのが重要」としています。

現在、75gブドウ糖負荷試験では、負荷後2時間値で評価しています。

一方、IDF(国際糖尿病連合)の指針は2011年に改訂され、
「食後高血糖の目標値は食後の時間にかかわらず、160mg/dL未満にする」
と変更されました。

今後、食後2時間血糖値ではなく、食後1時間血糖値による評価が、糖尿病の早期発見には、有用である可能性が高まりました。

私も、糖質制限食を推進する立場としては、
食後1時間血糖値を、IDFの目標のように、160mg/dl未満を目指すのが良いと思います。
スーパー糖質制限食なら、ほとんどの2型糖尿病患者においてそれが可能となります。



(*)
m3.com
https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/152762
食後血糖値、1時間か2時間か?


江部康二
テーマ:糖質制限食
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