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2016/7/2号の週刊東洋経済、糖質制限ダイエットの真実という記事。
【16/06/27 名古屋・h

糖質制限ダイエットの真実、論争に決着?

江部先生こんにちわ。

2016、7/2の週刊東洋経済に、糖質制限ダイエットの真実、論争に決着、専門医に直撃と題して、推進派の江部先生と元慎重派の日本糖尿病学会理事長門脇孝氏の見解が載っています。

糖質制限の圧勝。雑誌記者が記載した記事においても、死亡リスクを唱えた研究論文の信頼性がないことも詳細に述べ、糖質制限の有効性を明確に伝えています。

江部先生の見解、うまく伝わり説得力も見事と思います。

一方、門脇氏の見解がかなり糖質制限に近づいたことは驚きとともに、糖質制限の有効性が広く認められたことを示すものと思います。

患者向けの糖質量を従来の50~60%から、東大病院では40%を提供していると述べておられます。

門脇氏に、慎重派ではなく、元慎重派の名称が付されています。

但し、門脇見解の中で以下の3点は問題があり明確な根拠を示してもらいたいものです。

①筋肉量が低下しがちな65歳以上の人には推奨しない。(私は74歳、糖質制限5年になりますが、筋肉量は増加している。③の主張も矛盾する。)

②糖質を12%程度に抑えるものもあるが、入院して厳格に食事管理しない限り、極めて難しい。(多くのセイゲニストが実行、極めて容易)

③高タンパク食は筋肉量維持に効果があるが、反面、腫瘍の増殖を進行させるおそれもあり、60歳より若い人ではがんの危険性を高める。

あげ足をとるわけではありませんが、65歳以上は不適、60歳以下はがんになる危険があるなら、60~65歳にのみ推奨するのでしょうか?

なんとか、糖質制限を広めたくないという本心がかかる矛盾を起こすのかと邪推されるかもしれません。

日本を代表する経済雑誌の一つが糖質制限の有効性を認めた意義は大きく、江部先生の長年の努力が実りつつあることを嬉しく思います。

名古屋・h】



名古屋・hさんから
2016/7/2号の週刊東洋経済について情報・コメントを頂きました。
ありがとうございます。

78ページから81ページまで、

もはや意識高い系の生きざま
糖質制限ダイエットの真実(78~79ページ)

本当のところ、糖質制限って、どうなんですか(80~81ページ)


という記事が掲載されました。

私も写真入りで、糖質制限食推進派の医師として、しっかりコメントを述べました。(☆)

対して、元慎重派ということで、門脇孝、日本糖尿病学会理事長が見解を述べておられます。

私も、びっくりしましたが、門脇理事長、なんと緩い糖質制限食には既に賛成であり、2015年4月から東大病院では、糖質40%というメニューを提供されているそうです。

いやはや、大変身ですが、とてもいい方向への変化なので私としても嬉しい限りです。


①筋肉量が低下しがちな65歳以上の人には推奨しない。
糖質制限食は高たんぱく食になるので筋肉低下はしないですが、
カロリー制限食は低たんぱく質になる危険があるので注意が必要です。

②糖質を12%程度に抑えるものもあるが、入院して厳格に食事管理しない限り、極めて難しい。

これは、名古屋・hさんが、ご指摘のごとく日本中の糖質セイゲニストが、楽々と実践して、糖尿病やメタボのコントロールに成功してますね。

③高タンパク食は筋肉量維持に効果があるが、反面、腫瘍の増殖を進行させるおそれもあり、60歳より若い人ではがんの危険性を高める。

これは、根拠となる論文はないと思います。

例えば、厚生労働省の見解は以下の太字の如くです。

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
II  各論
たんぱく質(PDF:1,149KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
<97ページ>
3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。


江部康二



(☆)
以下は週刊東洋経済2106/7/2号 80ページの江部康二のコメントです。

インスリン注射による糖尿病患者の血糖コントロールが普及するまで、糖質制限は糖尿病の食事療法として一般的だった。「糖尿病学の父」、エリオット・ジョスリン医師の著作(1916年)によれば、炭水化物は総摂取カロリーの2割が標準と書かれている。糖尿病だった文豪の夏目漱石も、厳しい糖質制限食で症状を改善させている。

だが、21年に初めてインスリンが抽出され、患者の血糖コントロールに用いられるようになると、推奨される炭水化物量はどんどん増え続け、86年には6割に。患者の肥満解消にはカロリー制限が有効とされ、日本糖尿病学会もこれに追従。そして、糖質制限食は「異端」のレッテルを貼られたわけだ。

糖質制限食が国内で「再発見」されたのは、99年のこと。高雄病院院長(当時)だった兄が導入し、私も自ら糖尿病になったことで研究に取り組みはじめ、血糖の安定や肥満の解消に短期間で大きな効果があることを確信した。

その有効性や安全性をめぐっては様々な議論がされてきたが、13年に決着はついた。長らく糖質制限食を「推奨できない」としていた米国糖尿病学会が、2008年に1年間の安全保証期限付きで糖質制限の有効性を認め、13年には期限なしの容認に至ったのだ。

それにも関わらず、日本糖尿病学会の姿勢は旧態依然としていて、現時点でも炭水化物の極端な制限は推奨できないという提言を変えていない。医学部でもそう教えている。当然、上層部の人間はアメリカの動きを知っているはずだが、これまでカロリー制限食を唯一の食事療法として患者に強制してきた以上、ひっこみがつかなくなっているのではないか。

同学会が13年に出したメディア向け資料には、08年に聖路加国際病院の能登医師らが発表した「長期的糖質制限により死亡の危険性が高まる可能性がある」と結論づけた論文が引かれており、これが大手新聞に次々掲載されて糖質制限ネガティブキャンペーンの様相を呈した。だが、この論文のエビデンスレベルは低く、能登氏自身もそれを認めている。しかも、被験者は現在糖質制限食の上限である1日糖質130g以上食べている。きちんと糖質制限をしたら、死人が増えるどころか、寿命が延びるだろう。

また、脳の唯一の栄養はブドウ糖なのだから、糖質を制限したら頭が働かなくなるというのも誤解だ。脳は、ブドウ糖だけでなく脂肪を分解してできるケトン体も栄養にすることができるのだ。「日本人の主食は米である。それを減らして健康になるわけがない」と批判も凝り固まった考え。700万年間の人類の歴史を考えてごらんなさい。穀物の栽培がはじまったのは約1万年前。それまでの人類は今で言う糖質制限食で問題なく生きてきたのだ。

さらには、糖質制限をしてから力が入らない、生理が止まったという場合は、同時にカロリー制限をしてエネルギー不足になってしまっている場合がほとんど。ダイエット中の人は、脂身のある肉などを摂取することに心理的な抵抗感を感じる。それで動物性脂肪を摂らずに豆腐を食べるとか、脂肪の少ない鳥のササミばかり食べていると、当然エネルギー不足でヘロヘロになるだろう。

糖質制限を適切に行う秘訣は、食物繊維やビタミンCを葉野菜などからしっかり摂取したうえで、適正なカロリーを維持しながら、動物性脂肪・タンパク質をしっかり摂ることが大切だ。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
スーパー糖質制限食、一回の食事の糖質量。摂取比率は?
【16/05/28 サワ

いつもありがとうございます

先生こんにちは!今日も楽しく昼食を食べました!糖質制限は性格まで生き生きしてくれます。安心しながら食べれる事が糖尿人にとっては一番の旨味になりますね!

さて。昼食をとっていてふと疑問が湧きました。

私は現在46.5キロの30代女性ですから、必要なカロリーは多くありません。毎日1200から1500カロリー位摂取しています。

一方男性や体格の良い方は2000とか3000とかカロリーが必要になりますよね。糖質制限では毎食20g以下の糖質を摂取出来ますが、これは体格差がありますか?

毎日2000キロカロリー取る方は20g3食で60gの糖質を摂取してカロリーの12パーセントになりますが、 1200キロカロリー取る場合は12gに抑えなければ12パーセントになりませんよね。

また、1日2食にした場合も3食にした場合も同じパーセントで良いのでしょうか?

糖質制限をキチンと実行しますと、私位のカロリー摂取だと10g以下の糖質になることが多いですが、20gまで、私も食べて大丈夫なんでしょうか?しばらく10程度の糖質で抑えていますので、たまに20g近くの糖質をとるのが怖いです。

自己測定器を購入しましたので測っていますが、やはり糖質量が増えれば、次回食事前のかさ上げになってしまう気がしています。】


こんばんは。

サワさんから
「スーパー糖質制限食の一回の食事の糖質量と、一日の糖質摂取比率は?」
というコメント、質問をいただきました。

サワ さん

高雄病院のスーパー糖質制限食給食の平均値を取ると、結果として<糖質12%、脂質56%、たんぱく質32%>となったということです。

もちろん、一回の食事におけるバラつきはあります。
糖質が8%とか15%とかもあります。
従いまして、パーセントにはあまり拘らなくていいと思います。

糖質摂取比率12パーセントで固定して決めていくと、ご指摘通り、糖質の絶対量が、かなり変動します。

従って、スーパー糖質制限食では、1回の食事の糖質の絶対量を目安にしています。

欧米でも、現在は130g/日以下の糖質量の食事を糖質制限食とするという定義があります。

パーセントでは定義しにくいので、摂取糖質の絶対量による定義となったのだと思います。

スーパー糖質制限食で1回の食事の糖質量を「10~20g以下」というのは一つの目安です。

「10~20g以下」なら、糖尿人でも、過半数において、食後1時間血糖値が180mg/dl未満、食後2時間血糖値が140mg/dl未満に、コントロールしやすいためです。

境界人、糖尿人において、1gの糖質が何mg血糖値を上昇させるかには個人差があります。

「2型糖尿人は、体重64kgで、1gの糖質が血糖を3mg上昇させる」
「1型糖尿人は、体重64kgで、1gの糖質が血糖を5mg上昇させる」

というのも、一つの目安です。

血糖自己測定器を持っている人は、自分のデータが確認できるので便利ですね。


境界人でも症糖尿人でも、食後1時間血糖値が180mg/dl未満、食後2時間血糖値が140mg/dl未満にコントロールできる糖質量がその個人の適正糖質量です。

境界人や軽症糖尿病なら、一回の食事の糖質量が30gでも上記の目標を達成できる可能性があります。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
運動と糖尿病予防。運動と血糖値とGLUT4。
こんにちは。

運動にはどの程度糖尿病発症予防効果があるのでしょう。

また、運動の急性効果と筋肉細胞とGLUT4の関係はどうなのでしょう。

今日は、そこら辺を考えてみます。


<運動と糖尿病予防>
運動とは「からだの筋肉を動かすこと」です。

スポーツなどの運動と日常生活での活動(生活活動)とを合わせて身体活動と呼ばれています。

1999 年に発表された米国看護師 70,102人を対象とした大規模な追跡調査では、軽い運動により 2 型糖尿病の発症率が8年間の観察で40%も低下することが報告されています。(☆)

ほとんど運動をしない群では 13,283 人中 422 人が糖尿病を発症したのに対して、軽い運動(週に1 回 30 分程度のウォーキング)を行った群では 14,564 人中 296 人しか糖尿病を発症しませんでした。

また、歩くスピードも大切で、速いスピード(4.8km/時以上)で歩くと、ゆっくり歩く(3.2km/時未満)より 70% も糖尿病の発症率が低下していました。

このように運動は、骨格筋の血糖の取り込みを増加し、インスリン抵抗性を改善し、糖尿病を予防する有力な方法となっています。

健常人では、血糖の7割以上が骨格筋で利用されています。

一方、糖尿病患者では、全身の血糖の総利用量が健常者の約半分になっており、その原因は骨格筋での利用率が低下しているためです。


<軽い運動と血糖値とGLUT4>

安静時には、GLUT4は細胞表面に出てこれず、 運動時(筋収縮時)にはGLUT4がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。

この「運動時にGLUT4発現」ですが、どの程度の運動持続で発現してくるのでしょう。

連続して30-60分間歩き続けるという運動と、家事などで断続的に1-2分歩いて休んでの繰り返しは違うと思います。

立っているだけでは筋肉の収縮はないので、例えば料理している最中などは、腕は動いていても足はあまり動いていないはずです。

筋肉の収縮があれば、GLUT4は筋肉細胞の表面に移動しますので、30分歩き続けて家事をすれば、運動効果はあると思います。

軽い筋肉の収縮が合計何分あったかにより、血糖値がどの程度下がるかが決まります。

30分間~60分間くらいの軽い筋肉の収縮がGLUT4の充分な発現に必要と思います。

運動は軽い方がいいと「糖尿病は薬なしで治せる」に渡邊昌先生が書いておられます。

走るより歩く方が、確実に血糖値が下がるそうです。


<激しい運動と血糖値>

ある程度激しい運動だと、アドレナリンなども分泌され、糖新生で血糖値を上昇させるメカニズムが働き、血糖値がかえって上昇することがあります。

また運動により肝臓のグリコーゲン分解も亢進し血糖を上げます。

私も、テニスでダブルスを2試合連続したあと血糖値を測定したら、空腹時なのに160mg/dlもあって、びっくりしたことがあります。

そんなに激しいテニスではないのですが・・・( ̄_ ̄|||)


<日常生活における運動と糖尿病予防>

明治・大正・戦前の日本における、家事を含む日常生活は筋肉の収縮の連続だったと思います。

水道 → 井戸汲み
掃除機 →人力でぞうきん掛け、掃き掃除・・・
洗濯機 →人力で洗濯
電気・ガスなど燃料 → 薪を割ったり、火をおこしたり・・・
自転車 → 歩行
バス・電車 → 歩行
自動車 → 歩行

明治・大正・戦前なみの日常生活での運動による筋収縮があれば、総摂取カロリーの70%を糖質から摂取していても、糖尿病や肥満は極めて少なくなるでしょう。

ちなみに、糖尿病で亡くなった人の割合が10万人当たり日本一の徳島県は、公共道路交通網が日本で一番発達していない県で、どこに行くにも自家用車でとなり、運動不足の弊害を顕著に示していると言えます。

現代の日常の家事程度の運動では、全く役に立たないと言えます。

<運動の効果>

なお、運動の効果には、個人差があります。

BMI25以上で、肥満していると運動効果が出にくいことが多いです。

また、基礎分泌インスリンがある程度以上低下していると、運動でかえって血糖値が上昇することがありますので注意が必要です。


江部康二

(☆)Hu FB et al., JAMA. JAMA. 1999 Oct 20;282(15):1433-9.
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食と髪の毛。乳製品と発がんは?

【16/05/11 産婦人科医師
タイトルなし
断乳後3カ月ということですので、脱毛は授乳による低エストロゲン状態によるものと考えます。
授乳中は母乳の出る更年期状態です。

更年期の婦人が脱毛に悩むのと同じ理屈です。

月経が再開して、半年位すれば元通りになると思われます。
毛根のサイクルは非常に長いためかなり時間がかかるでしょう。】



【16/05/11 柚子
抜け毛は妊娠出産で
いつも大変興味深く拝見させていただいております。ありがとうございます。
さて、コアラさんの抜け毛についてですが、
妊娠出産に関係している可能性もあるのではないでしょうか?
私も4人の子供の妊娠出産のとき、毎回産後は抜け毛があり、そのあとごっそり生えてくるので、特に額の周りなど生えたての短い髪が目だったのを覚えております。
産婦人科の先生が、ホルモンの急激な変化の作用です、とおっしゃっておられました。】



産婦人科医さん。
明快なご説明、ありがとうございます。
納得です。

柚子 さん。
貴重な体験談をありがとうございます。

2016/5/12(木)
江部康二





【16/05/10 コアラ

抜け毛と動物性蛋白過多

私からも被災者の方々へのお見舞いを申しあげます。

さて妊娠糖尿病→予備軍の疑いがあり、1月から糖質制限を始めて早朝血糖値が100前後だったのが90前後と低くなってきました。ヘモは5.5です。今後も続けます。有難う御座います。

ところでここ数週間抜け毛が凄く悩んでいます。チーズ、魚、野菜、ナッツ、オリーブオイル、卵、たっぷりとっているのでカロリー不足ということはないと思います。元々やせ気味(BMI18)ですので体重変化はありません。この抜け毛は糖質制限とは関係ないものでしょうか。断乳後3ヶ月以上経っているのに生理が再開しないのも少し気になりますが糖質制限とは関係有りませんでしょうか。

また、私は元々お肉が苦手、乳製品が苦手でほぼマクロビオティック+魚、な生活を10年ほど続けてきました。恐らく玄米の食べ過ぎで予備軍となってしまったわけですが、現在の動物性(チーズ、魚、卵)を大量に食べるという食生活が少々不安です。現在卵1日2個、チーズ100グラム以上食べています。乳製品を取りすぎると将来乳がんになりやすいとも聞きますし、その辺り何かアドバイスありましたらお願いします。】



こんにちは。
コアラさんから、糖質制限食と髪の毛について、コメント・質問を頂きました。

コアラさん、世界がん研究基金2007年の報告では、「乳製品は議論があるため推奨していない。」という見解です。

つまり、乳製品と発がんに関しては、よくわかっていないというのが現状です。

それから糖質制限食で抜け毛というのは、聞いたことがありません。

どちらかというと、髪の毛が太くなったとか、睫毛がしっかりしたとか、全身の血流・代謝が良くなるので、髪にもよいことが多いです。

例えば、以下は、ぐうたら糖質制限さんから頂いたコメントですが、寄生虫博士で有名な、藤田紘一郎先生が、71歳で糖質制限食を開始して、76歳にして髪の毛が増えて、ハゲていたのがフサフサになったそうです。

『16/05/03 ぐうたら糖質制限
タイトルなし
http://www.amazon.co.jp/dp/4908273006/

藤田紘一郎先生が最近出版された本
「55歳のハゲた私が76歳でフサフサになった理由」です。

この本で、糖尿病になられた藤田先生は糖尿病克服のために国内外の文献を読み漁り、日本では江部康二先生が糖質制限食を提唱していることを知ったという記述があります。

71歳で糖質制限を初めて、体重減や体調がよくなった以外に髪が生えてきたということが書かれています。』



私の患者さんでも、毛髪が全て白髪となっていたのが、糖質制限食を開始して、1年くらいで、キッチリ半分が黒髪になった人がおられます。写真を見せて頂いて確認しました。

あと、ヒトには人体で作れない栄養素があります。

人体で作れないので、「必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維」は、食事から摂取する必要があります。

コアラさんは、摂取エネルギーは足りているとのことなのですが、これらの不足に、ご注意ください。

高雄病院のスーパー糖質制限食では、魚介類、肉類、卵、卵製品、乳製品、野菜、海草、茸、大豆製品・・・まんべんなく摂取するので、これらが不足することはまずありません。


A)必須アミノ酸

スーパー糖質制限食では魚介や肉や卵を充分量摂るので不足はまずないです。

ヒトでは、一般に次の9種類が必須アミノ酸に含まれます。
トリプトファン
リシン
メチオニン
フェニルアラニン
トレオニン
バリン
ロイシン
イソロイシン
ヒスチジン


B)必須脂肪酸

厳密にはαリノレン酸とリノール酸の2つだけが、必須脂肪酸です。

α-リノレン酸からEPAやDHAは合成できるのですが、効率は悪く、体内合成量だけでは足らない可能性があります。
従って、魚をしっかり摂取するのがよいと思います。

EPA、DHAは、サバ、サンマ、イワシなど青物の魚やクロマグロ、ミナミマグロの脂身等に豊富です。
魚を食べないと、EPAとDHAは不足しますので注意が必要です。

また、αリノレン酸は、エゴマ油やなたね油、くるみ、マヨネーズ、油揚げ、湯葉、大豆製品に豊富です。

これらの植物性食材を摂取しないと、αリノレン酸が不足するので注意が必要です。

C)ビタミン

例えばビタミンCは、野菜や海苔などに豊富です。

果物にもビタミンCは豊富ですが、糖質制限食では少量摂取ですので野菜や海苔を食べないと、ビタミンCが不足するので注意が必要です。

他のビタミンは、スーパー糖質制限食で不足することは、まずありません。

ビタミンA
β-カロテン
ビタミンD
ビタミンE
ビタミンK
ビタミンB1
ビタミンB2
ナイアシン
ビタミンB6
ビタミンB12
葉酸
パントテン酸
ビタミンC

D)ミネラル

亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リンの13元素がが健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として厚生労働省により定められています。

スーパー糖質制限食なら、ミネラルが不足することはありません。

E)食物繊維

大腸の唯一のエネルギー源は短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)です。
食材としては、バターくらいにしか含まれていません。
従って、ヒトは摂取した食物繊維を大腸の腸内細菌(酪酸菌など)が餌にして酪酸などの短鎖脂肪酸を作ることで、大腸のエネルギー源を確保していると考えられます。
従って、食物繊維の摂取は、ヒトにとって必須と言えます。
糖質制限食では、野菜、海草、茸、大豆製品などから食物繊維を摂取できます。
勿論体内で産生される、βヒドロキシ酪酸などの短鎖脂肪酸も大腸細胞は利用します。

A)B)C)D)E)を考慮すれば
スーパー糖質制限食なら、「必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維」が不足することはないと考えられます。


なお玄米菜食を厳密に行うと、動物性食品に含まれるビタミンB12や、魚に含まれるEPA・DHAが不足する可能性があるので注意が必要です。
ビタミンD、亜鉛、カルシウム、鉄不足にも注意が必要です。


**
そして必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jéquier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
主食なし ヘルシー 糖質抑えつつ満腹感 5/7日本経済新聞
【16/05/07 名古屋・h

主食なし ヘルシ-

江部先生こんにちわ。

5月7日の日経、13面、
トレンドサ-チの欄に「主食なし ヘルシ-」という見出の記事が載っています。

主食の麺やご飯を抜いたメニュ-を提供する飲食店が増え、若い女性や中高年の男性まで幅広い層に人気とのこと。
交流サイト(S N S)で話題となっているとのことで、
惣菜店の京香 渋谷店、
ちゃんぽん店のリンガ-ハット 銀座店、
名代 富士そば人形町店のちょい飲みサ-ビス のつゆと天ぷらだけの「天ぬき」
などが記されています。

「炭水化物を抜いたメニュ-が人気を集める背景には、肥満や糖尿病対策で、「糖質」を制限する手法が浸透したことも大きい。」とコメントしています。

保守的な日経が糖質制限の浸透を認め、肯定していることはすばらしいこと、時代は大きく変わってきたと感じます。

これは、江部先生の長年の努力が浸透してきたことを示すもので大変うれしく思います。

糖質制限を始めて5年、その間多くの糖尿病や予備軍の人に自分の経験を話、先生の著書も紹介してきました。

多くの方から、糖尿病から解放された、肥満から解放されたとうれしい連絡を受けます。

多くのセイゲニスト皆さんも同じ経験をお持ちのことと思います。

先生の更なるご尽力で糖尿病学会も変わる日はそう遠くはないと感じます。

名古屋・h】


こんにちは。

名古屋・hさんから、興味深いコメントを頂きました。
ありがとうございます。

早速、私も日本経済新聞を購入してみました。

以下、2016/5/7付日本経済新聞 朝刊 13面から引用です
主食なし ヘルシー
糖質抑えつつ満腹感
 主食の麺やご飯を抜いたメニューを提供する飲食店が増えている。
ヘルシーで意外性もあって、若い女性から中高年の男性まで幅広い層に人気だ。
 「食べ過ぎたときはいつもこれ」。
東京都世田谷区の会社員、吉井瞳さん(33)が昼休みに向かった先は
弁当・総菜店の「京香 渋谷店」(東京・渋谷)だ。
注文した肉野菜炒弁当には、ご飯の代わりに大量のブロッコリーが盛りつけられている。・・・』



 京香が、ご飯をブロッコリーに代えるサービスを始めたのは、2015年5月。
満腹感もあり野菜も取れると好評で、1日に平均で約30食でる人気メニューとなったそうです。

名古屋・hさんがご指摘のように、京香の他にも

☆ちゃんぽん店のリンガ-ハット、2015年4月から提供。
  麺が入っていない「野菜たっぷり食べるスープ」
☆日本サブウェイがサンドイッチの具材をサラダとして提供する
 「パン抜き」オーダー
☆立ち食いそばチェーン「名代 富士そば」
 ちょい飲みサ-ビス「ふじ酒場」 のつゆと天ぷらだけの「天ぬき」
 2015年7月から提供。


などが紹介してあります。

日本経済新聞は、名古屋・hさんが仰るように保守的傾向があり、
糖質制限食に関する今までの記事も「日本糖尿病学会」よりの内容が多かったです。

記事の担当記者が違うとは思うのですが、
ともあれその日経で「糖質制限食肯定」の記事が掲載されたのは
私としても嬉しい限りで、今昔(こんじゃく)の感(かん)があります。


糖質制限食OKの
発泡酒
日本酒
ワイン

糖質制限食OKの
パン
ケーキ
パスタ
お好み焼き
チョコレート
豆腐麺
蒟蒻麺



などが、コンビニやインターネットで簡単に手に入る時代となりました。
ここ2~3年はとくに糖質セイゲニストにとって暮らしやすい日本国となってきています。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット