2015年04月05日 (日)
【15/04/04 モン吉
本日のアレルギー講演会
江部先生、講演会お疲れ様でした。
私も参加させて頂きました。
最初の園城 三花トリオさんの演奏は 知っている曲ばかりだったと云う事もあり とても素晴らしかったです。
先生のお話では、私の娘二人もアトピーがあり 近くの医院でステロイド剤をよくもらっていたので あまり使わないように言っていたのですが 今日の先生のお話をお聴ききして 誤解であった事が分かりました。
私のように、危険だと誤解している人は 結構多いように思います。
先生と園城さんとのトークショーも とても面白かったですね
「エッ、先生そんな事言っていいんですか!?」
というようなお話もあり、笑いが絶えませんでしたね
今日は先生の「ええ声~」の歌が聴けなかったのは少し残念でした。
講演も演奏もとても素晴らしい内容でした。
ありがとうございました。】
モン吉 さん
健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~
講演会 医総会WEEK 2015/4/4(土)13:30~15:00
への、ご参加、ありがとうございました。
京都劇場で歌声を披露できるようになるには「10年早い?・・・10年遅い?」
いずれにせよ、夢にとどめておきます。(^^)
さて、ステロイド外用剤は、とても治療に役立つのですが、使い方にルールがあります。
ルールさえ守れば、副作用もなく大変有用な外用剤なのです。
実は、高雄病院でも、初期の段階では、副作用を恐れてステロイド外用剤を一切使用せずに、アトピー治療をしていたのです。
私は1978年から高雄病院に勤務していますが、アトピーの漢方治療が、マスコミに取り上げられたこともあり、1980年頃には多数のアトピー患者さんが受診されるようになりました。
1985年くらいまでは、一切ステロイド外用剤を使わないで漢方薬の内服とワセリンや亜鉛華軟膏、紫雲膏や太乙膏などで治療していました。
それで、上手くいくこともあるのですが、上手くいかないこともありました。
私の場合、上手くいかなかった症例を覚えているタイプなので、心がだんだんしんどくなっていきました。
特に、一気にステロイド外用剤を中止して、リバウンドで全身の発赤、浸出液、発熱などを生じ、顔面が腫れ上がったりした場合は、アトピー性白内障を発症する患者さんがありました。
白内障になれば、手術が必要ですし、患者さんは大変辛い思いをします。
そして治療者である私も、大変辛い思いを抱えることになりました。
この時点で、じっくり考え直して、一気にステロイド外用剤を中止するようなことはやめて、徐々に減量、離脱を目指すように方針を変更しました。
漢方治療や食事療法に本当に治療効果があるのなら、ステロイド外用剤を徐々に減量・離脱することが可能なはずであると考えたのです。
勿論、様々の試行錯誤はありましたが、この治療方針は、日を追って上手くいくようになっていきました。
ステロイド外用剤の上手な塗り方・やめ方の確立です。
さらに、プロトピック軟膏が1999年11月に世界で初めて、日本で発売されました。
その後、欧米でも発売され、米国ではプロトピックは
「人生を変える薬:life changing medicine」
と呼ばれたことがあります。
プロトピック軟膏は、ステロイド外用剤とは異なり、長期に使用しても副作用はニキビくらいで、他はほとんどない外用剤です。
プロトピック軟膏の上手な塗り方・やめ方も確立していきました。
このようにして、漢方薬と食事療法、ステロイド外用剤とプトトピック軟膏、これらをベースに医師と患者の信頼関係をしっかり築いてゆき、アトピーの根治を目指す「高雄病院方式のアトピー治療」が完成しました。
<高雄病院の治療方針 ~自然治癒力を高める~>
1)東洋医学的治療(漢方)を行なう。
2)適切な食事療法を行なう。
3)生活習慣(スキンケア,環境整備,ライフスタイルなど)を見直す。
4)副腎皮質ステロイドホルモン外用薬の上手な使用。
5)プロトピック軟膏の上手な使用。
6)治療の教育を実施→高雄病院アトピー学校。
7)信頼関係をしっかり築く。
*アトピー学校で症状を改善させ、治しかたを教育・指導する。
*学んだことを実践して治していくのは患者さん自身である。
<アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位>
1 生命を守る・・・極めてまれだが、かき傷から敗血症を起こし死亡例あり。
2 生活の質を保つ・・・仕事に行き、学校に通えることが大切。
3 副作用を出さない
<高雄病院アトピー治療四つのキーワ-ド>
1 アトピーは自己管理が大切な病気です。
2 信頼できる医師(治療者)を確保しましょう。→信頼関係の回復
3 生活習慣の見直しが治療のベースです。→行動変容
4 漢方の服用、外用薬の上手なぬりかた・やめかたを実践し根治を目指しましょう。
その後は、ステロイド外用剤の副作用を出すことなくアトピー性皮膚炎をコントロールし、さらには根本的に治ることも期待できるようになりました。
1980年ごろは、副作用を恐れるあまり「ステロイドは悪い奴」と思っていた私ですが、紆余曲折を経て、1985年~1990年にかけて変化していき、その後は、ルールさえ守れば「ステロイドはいい奴」というイメージに至りました。
江部康二
本日のアレルギー講演会
江部先生、講演会お疲れ様でした。
私も参加させて頂きました。
最初の園城 三花トリオさんの演奏は 知っている曲ばかりだったと云う事もあり とても素晴らしかったです。
先生のお話では、私の娘二人もアトピーがあり 近くの医院でステロイド剤をよくもらっていたので あまり使わないように言っていたのですが 今日の先生のお話をお聴ききして 誤解であった事が分かりました。
私のように、危険だと誤解している人は 結構多いように思います。
先生と園城さんとのトークショーも とても面白かったですね
「エッ、先生そんな事言っていいんですか!?」
というようなお話もあり、笑いが絶えませんでしたね
今日は先生の「ええ声~」の歌が聴けなかったのは少し残念でした。
講演も演奏もとても素晴らしい内容でした。
ありがとうございました。】
モン吉 さん
健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~
講演会 医総会WEEK 2015/4/4(土)13:30~15:00
への、ご参加、ありがとうございました。
京都劇場で歌声を披露できるようになるには「10年早い?・・・10年遅い?」
いずれにせよ、夢にとどめておきます。(^^)
さて、ステロイド外用剤は、とても治療に役立つのですが、使い方にルールがあります。
ルールさえ守れば、副作用もなく大変有用な外用剤なのです。
実は、高雄病院でも、初期の段階では、副作用を恐れてステロイド外用剤を一切使用せずに、アトピー治療をしていたのです。
私は1978年から高雄病院に勤務していますが、アトピーの漢方治療が、マスコミに取り上げられたこともあり、1980年頃には多数のアトピー患者さんが受診されるようになりました。
1985年くらいまでは、一切ステロイド外用剤を使わないで漢方薬の内服とワセリンや亜鉛華軟膏、紫雲膏や太乙膏などで治療していました。
それで、上手くいくこともあるのですが、上手くいかないこともありました。
私の場合、上手くいかなかった症例を覚えているタイプなので、心がだんだんしんどくなっていきました。
特に、一気にステロイド外用剤を中止して、リバウンドで全身の発赤、浸出液、発熱などを生じ、顔面が腫れ上がったりした場合は、アトピー性白内障を発症する患者さんがありました。
白内障になれば、手術が必要ですし、患者さんは大変辛い思いをします。
そして治療者である私も、大変辛い思いを抱えることになりました。
この時点で、じっくり考え直して、一気にステロイド外用剤を中止するようなことはやめて、徐々に減量、離脱を目指すように方針を変更しました。
漢方治療や食事療法に本当に治療効果があるのなら、ステロイド外用剤を徐々に減量・離脱することが可能なはずであると考えたのです。
勿論、様々の試行錯誤はありましたが、この治療方針は、日を追って上手くいくようになっていきました。
ステロイド外用剤の上手な塗り方・やめ方の確立です。
さらに、プロトピック軟膏が1999年11月に世界で初めて、日本で発売されました。
その後、欧米でも発売され、米国ではプロトピックは
「人生を変える薬:life changing medicine」
と呼ばれたことがあります。
プロトピック軟膏は、ステロイド外用剤とは異なり、長期に使用しても副作用はニキビくらいで、他はほとんどない外用剤です。
プロトピック軟膏の上手な塗り方・やめ方も確立していきました。
このようにして、漢方薬と食事療法、ステロイド外用剤とプトトピック軟膏、これらをベースに医師と患者の信頼関係をしっかり築いてゆき、アトピーの根治を目指す「高雄病院方式のアトピー治療」が完成しました。
<高雄病院の治療方針 ~自然治癒力を高める~>
1)東洋医学的治療(漢方)を行なう。
2)適切な食事療法を行なう。
3)生活習慣(スキンケア,環境整備,ライフスタイルなど)を見直す。
4)副腎皮質ステロイドホルモン外用薬の上手な使用。
5)プロトピック軟膏の上手な使用。
6)治療の教育を実施→高雄病院アトピー学校。
7)信頼関係をしっかり築く。
*アトピー学校で症状を改善させ、治しかたを教育・指導する。
*学んだことを実践して治していくのは患者さん自身である。
<アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位>
1 生命を守る・・・極めてまれだが、かき傷から敗血症を起こし死亡例あり。
2 生活の質を保つ・・・仕事に行き、学校に通えることが大切。
3 副作用を出さない
<高雄病院アトピー治療四つのキーワ-ド>
1 アトピーは自己管理が大切な病気です。
2 信頼できる医師(治療者)を確保しましょう。→信頼関係の回復
3 生活習慣の見直しが治療のベースです。→行動変容
4 漢方の服用、外用薬の上手なぬりかた・やめかたを実践し根治を目指しましょう。
その後は、ステロイド外用剤の副作用を出すことなくアトピー性皮膚炎をコントロールし、さらには根本的に治ることも期待できるようになりました。
1980年ごろは、副作用を恐れるあまり「ステロイドは悪い奴」と思っていた私ですが、紆余曲折を経て、1985年~1990年にかけて変化していき、その後は、ルールさえ守れば「ステロイドはいい奴」というイメージに至りました。
江部康二
2015年04月03日 (金)
こんばんは。
今回の記事は、4/4(土)の
【日本医学会総会2015。医総会WEEK。アレルギー・健康管理と癒し。】
市民公開講座
に向けて、
ステロイド拒否とアトピー、喘息。
医療不信。
吸入ステロイド薬と喘息。
アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位。
高雄病院アトピー治療四つのキーワ-ド。
などを考察してみました。
A)アトピー患者、医療不信とステロイド拒否
アトピー患者さんには、ステロイド外用剤への不安・恐怖・抵抗感があることが多いです。
1992年7月30日の報道番組「ニュース・ステーション」において、当時の久米宏キャスターが、 ステロイド外用剤の副作用を強調して報道しました。
ニュース・ステーション放送後、ステロイド拒否の患者が激増して、日本全国にステロイド外用剤を一気に中止して、いわゆる『リバウンド』を発症するアトピー患者さんが続出しました。
アトピービジネス業者が、それに便乗して「ステロイドは悪」のごとく宣伝して、アトピー患者さんや家族を洗脳していきました。
ステロイド拒否によりリバウンドを発症すれば、生活の質が破壊され、悲劇が生じます。
仕事にも学校にも通えなくなります。半年、1年ほとんど寝たきり状態で家にこもりきりになるなどもありました。
このような事態が起こった背景には、医療現場での医師の説明不足があり、治療も上手くいかず、医療不信に繋がったことがあります。
いわゆる『3分診療』では、アトピーは決してよくなりません。充分、手間暇をかけて、アトピーの治し方を説明することが大切です。その一つが『高雄病院アトピー学校』です。
ステロイド外用薬やプロトピック軟膏を上手に使うことで、生活の質を保ちながら
副作用をだすことなくアトピーは改善するのです。根治も期待できます。
B)気管支喘息と吸入ステロイド薬
喘息では、近年、標準治療である吸入ステロイド薬を拒否する患者さんは、ほとんどいません。
1989年頃、英国では気管支粘膜のアレルギー性炎症が喘息のベースにあるとして吸入ステロイド薬による抗炎症療法が第一選択剤になりました。
1991年、米国のNIH(国立衛生研究所)が、同様に、「気管支喘息は気道の慢性炎症性疾患」として、吸入ステロイド薬が第一選択剤になりました。
1993年、日本アレルギー学会の気管支喘息のガイドラインで吸入ステロイド薬の有用性が示されました。
1998年のガイドラインで第一選択剤になりました。
以後、日本でも入院治療が激減し1/10以下に、喘息死も1/3以下に減少しました。
吸入ステロイド薬は、気管支喘息治療において、画期的な貢献を成し遂げたのです。
C)アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位
1 生命を守る・・・極めてまれだが、かき傷から敗血症を起こし死亡例あり。
2 生活の質を保つ・・・仕事に行き、学校に通えることが大切。
3 副作用を出さない
☆アトピーでの死亡は極めてまれで、敗血症や心内膜炎による死亡は、年間数例を超えないと思います。
一方、気管支喘息では時に死亡がありえます。
1975~1996年、年間5000~7000人が気管支喘息により死亡していました。
吸入ステロイド薬が治療の主役となった後は、死亡例は劇的に減少し、2012年には2000人を下回るようになりました。
☆アトピービジネスは大変多いのですが、気管支喘息ビジネスはほとんどありません。
結局、ビジネス業者が、患者死亡という究極のトラブルを恐れて、気管支喘息患者さんには手を出さなかったためと考えられます。
☆ステロイド拒否患者も、アトピーはとても多く、気管支喘息はほとんどありません。
アトピービジネスや心ないマスコミによる洗脳により、アトピー患者さんや家族が「ステロイド恐怖」をすり込まれたためと思われます。
その点、喘息ビジネスはないので、喘息患者さんは「ステロイド恐怖」を洗脳 によりすり込まれる機会がほとんどなかったのだと思われます。
それで、喘息患者さんには、ステロイド拒否がほとんどないのです。
◇◇◇高雄病院アトピー治療四つのキーワ-ド
1 アトピーは自己管理が大切な病気です。
2 信頼できる医師(治療者)を確保しましょう。→信頼関係の回復
3 生活習慣の見直しが治療のベースです。→行動変容
4 漢方の服用、外用薬の上手なぬりかた・やめかたを実践し
根治を目指しましょう。
*高雄病院アトピー学校では症状を改善させ、根本的治しかたを教育・指導します。
*退院後、アトピー学校で学んだことを実践して治していくのは、患者さん自身の仕事です。
*アトピービジネスなどに惑わされずに、 自分の頭でしっかり考え判断し治療法を選択することが大切です。
江部康二
それでは、
2015年4月4日(土)13:30~15:00
★健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~
京都劇場(京都駅ビル構内)
でお待ちしています。
予約なしの当日参加も大歓迎です。
今回の記事は、4/4(土)の
【日本医学会総会2015。医総会WEEK。アレルギー・健康管理と癒し。】
市民公開講座
に向けて、
ステロイド拒否とアトピー、喘息。
医療不信。
吸入ステロイド薬と喘息。
アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位。
高雄病院アトピー治療四つのキーワ-ド。
などを考察してみました。
A)アトピー患者、医療不信とステロイド拒否
アトピー患者さんには、ステロイド外用剤への不安・恐怖・抵抗感があることが多いです。
1992年7月30日の報道番組「ニュース・ステーション」において、当時の久米宏キャスターが、 ステロイド外用剤の副作用を強調して報道しました。
ニュース・ステーション放送後、ステロイド拒否の患者が激増して、日本全国にステロイド外用剤を一気に中止して、いわゆる『リバウンド』を発症するアトピー患者さんが続出しました。
アトピービジネス業者が、それに便乗して「ステロイドは悪」のごとく宣伝して、アトピー患者さんや家族を洗脳していきました。
ステロイド拒否によりリバウンドを発症すれば、生活の質が破壊され、悲劇が生じます。
仕事にも学校にも通えなくなります。半年、1年ほとんど寝たきり状態で家にこもりきりになるなどもありました。
このような事態が起こった背景には、医療現場での医師の説明不足があり、治療も上手くいかず、医療不信に繋がったことがあります。
いわゆる『3分診療』では、アトピーは決してよくなりません。充分、手間暇をかけて、アトピーの治し方を説明することが大切です。その一つが『高雄病院アトピー学校』です。
ステロイド外用薬やプロトピック軟膏を上手に使うことで、生活の質を保ちながら
副作用をだすことなくアトピーは改善するのです。根治も期待できます。
B)気管支喘息と吸入ステロイド薬
喘息では、近年、標準治療である吸入ステロイド薬を拒否する患者さんは、ほとんどいません。
1989年頃、英国では気管支粘膜のアレルギー性炎症が喘息のベースにあるとして吸入ステロイド薬による抗炎症療法が第一選択剤になりました。
1991年、米国のNIH(国立衛生研究所)が、同様に、「気管支喘息は気道の慢性炎症性疾患」として、吸入ステロイド薬が第一選択剤になりました。
1993年、日本アレルギー学会の気管支喘息のガイドラインで吸入ステロイド薬の有用性が示されました。
1998年のガイドラインで第一選択剤になりました。
以後、日本でも入院治療が激減し1/10以下に、喘息死も1/3以下に減少しました。
吸入ステロイド薬は、気管支喘息治療において、画期的な貢献を成し遂げたのです。
C)アトピー性皮膚炎治療目標の優先順位
1 生命を守る・・・極めてまれだが、かき傷から敗血症を起こし死亡例あり。
2 生活の質を保つ・・・仕事に行き、学校に通えることが大切。
3 副作用を出さない
☆アトピーでの死亡は極めてまれで、敗血症や心内膜炎による死亡は、年間数例を超えないと思います。
一方、気管支喘息では時に死亡がありえます。
1975~1996年、年間5000~7000人が気管支喘息により死亡していました。
吸入ステロイド薬が治療の主役となった後は、死亡例は劇的に減少し、2012年には2000人を下回るようになりました。
☆アトピービジネスは大変多いのですが、気管支喘息ビジネスはほとんどありません。
結局、ビジネス業者が、患者死亡という究極のトラブルを恐れて、気管支喘息患者さんには手を出さなかったためと考えられます。
☆ステロイド拒否患者も、アトピーはとても多く、気管支喘息はほとんどありません。
アトピービジネスや心ないマスコミによる洗脳により、アトピー患者さんや家族が「ステロイド恐怖」をすり込まれたためと思われます。
その点、喘息ビジネスはないので、喘息患者さんは「ステロイド恐怖」を洗脳 によりすり込まれる機会がほとんどなかったのだと思われます。
それで、喘息患者さんには、ステロイド拒否がほとんどないのです。
◇◇◇高雄病院アトピー治療四つのキーワ-ド
1 アトピーは自己管理が大切な病気です。
2 信頼できる医師(治療者)を確保しましょう。→信頼関係の回復
3 生活習慣の見直しが治療のベースです。→行動変容
4 漢方の服用、外用薬の上手なぬりかた・やめかたを実践し
根治を目指しましょう。
*高雄病院アトピー学校では症状を改善させ、根本的治しかたを教育・指導します。
*退院後、アトピー学校で学んだことを実践して治していくのは、患者さん自身の仕事です。
*アトピービジネスなどに惑わされずに、 自分の頭でしっかり考え判断し治療法を選択することが大切です。
江部康二
それでは、
2015年4月4日(土)13:30~15:00
★健康管理と癒し ~アレルギーとのつきあい方~
京都劇場(京都駅ビル構内)
でお待ちしています。
予約なしの当日参加も大歓迎です。
2015年03月05日 (木)
こんにちは
福助さんから朝日新聞デジタルの情報をコメントいただきました。
「乳児期からピーナツ、アレルギー抑制か 英米の研究班」という記事です。
精神科医師Aさんから、その記事のもとになった、ニューイングランド・ジャーナルの論文情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。
以下朝日新聞デジタルより転載。
【http://digital.asahi.com/articles/ASH342J20H34ULBJ003.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH342J20H34ULBJ003
乳児期からピーナツ、アレルギー抑制か 英米の研究班
ワシントン=小林哲2015年3月4日12時42分
乳児のうちからピーナツを食べた方が、食べなかった子よりアレルギーになりにくいとする研究結果を、ロンドン大や米国立衛生研究所(NIH)などの研究チームが発表した。「食物アレルギーの予防に一石を投じる成果」とする一方、アレルギーになりやすい体質の子に与えるときは、専門医に相談するよう注意を呼びかけている。
米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)に論文が掲載された。
研究チームは、イスラエルと英国に住むユダヤ人の幼児では、遺伝的な体質は似ているはずなのに、英国の方がピーナツアレルギーの子どもの割合が高い点に注目。イスラエルの家庭では、幼いうちからピーナツを食べさせる習慣があるため、分析を始めた。
卵アレルギーや皮膚炎があるなど、アレルギーになりやすい体質の乳児(4~11カ月)600人以上を対象に選定。ピーナツをまったく食べさせないグループと、1週間あたり最低でも6グラムのピーナツたんぱく質を含む食事をとるグループに分け、5歳になるまで追跡調査を続けた。重いピーナツアレルギーを発症した子は、調査から除外した。
その結果、ピーナツを食べたグループは、アレルギーを発症する割合が食べなかったグループの約7分の1だったという。
研究チームは「早いうちにピーナツを与えることが、実際に有益であることを初めて示せた」と説明している。(ワシントン=小林哲)】
Randomized Trial of Peanut Consumption in Infants at Risk for Peanut Allergy
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1414850#t=article
「卵アレルギーや皮膚炎があるなど、アレルギーになりやすい体質の乳児(4~11カ月)600人以上を対象に選定。ピーナツをまったく食べさせないグループと、1週間あたり最低でも6グラムのピーナツたんぱく質を含む食事をとるグループに分け、5歳になるまで追跡調査を続けた」
福助さん、無作為化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)に基づく研究論文で600人以上が対象ですし、ニューイングランド・ジャーナルに掲載されてますので、かなり信頼度が高いと言えそうですよ。
早い内にピーナッツを与えると、ピーナッツアレルギーを発症する割合が約1/7となったわけですから、糖質制限食的には嬉しいですね。
離乳食にピーナッツを採用すれば、将来ピーナッツアレルギーを発症する予防になる可能性が高いです。
江部康二
福助さんから朝日新聞デジタルの情報をコメントいただきました。
「乳児期からピーナツ、アレルギー抑制か 英米の研究班」という記事です。
精神科医師Aさんから、その記事のもとになった、ニューイングランド・ジャーナルの論文情報をコメントいただきました。
ありがとうございます。
以下朝日新聞デジタルより転載。
【http://digital.asahi.com/articles/ASH342J20H34ULBJ003.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH342J20H34ULBJ003
乳児期からピーナツ、アレルギー抑制か 英米の研究班
ワシントン=小林哲2015年3月4日12時42分
乳児のうちからピーナツを食べた方が、食べなかった子よりアレルギーになりにくいとする研究結果を、ロンドン大や米国立衛生研究所(NIH)などの研究チームが発表した。「食物アレルギーの予防に一石を投じる成果」とする一方、アレルギーになりやすい体質の子に与えるときは、専門医に相談するよう注意を呼びかけている。
米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)に論文が掲載された。
研究チームは、イスラエルと英国に住むユダヤ人の幼児では、遺伝的な体質は似ているはずなのに、英国の方がピーナツアレルギーの子どもの割合が高い点に注目。イスラエルの家庭では、幼いうちからピーナツを食べさせる習慣があるため、分析を始めた。
卵アレルギーや皮膚炎があるなど、アレルギーになりやすい体質の乳児(4~11カ月)600人以上を対象に選定。ピーナツをまったく食べさせないグループと、1週間あたり最低でも6グラムのピーナツたんぱく質を含む食事をとるグループに分け、5歳になるまで追跡調査を続けた。重いピーナツアレルギーを発症した子は、調査から除外した。
その結果、ピーナツを食べたグループは、アレルギーを発症する割合が食べなかったグループの約7分の1だったという。
研究チームは「早いうちにピーナツを与えることが、実際に有益であることを初めて示せた」と説明している。(ワシントン=小林哲)】
Randomized Trial of Peanut Consumption in Infants at Risk for Peanut Allergy
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1414850#t=article
「卵アレルギーや皮膚炎があるなど、アレルギーになりやすい体質の乳児(4~11カ月)600人以上を対象に選定。ピーナツをまったく食べさせないグループと、1週間あたり最低でも6グラムのピーナツたんぱく質を含む食事をとるグループに分け、5歳になるまで追跡調査を続けた」
福助さん、無作為化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)に基づく研究論文で600人以上が対象ですし、ニューイングランド・ジャーナルに掲載されてますので、かなり信頼度が高いと言えそうですよ。
早い内にピーナッツを与えると、ピーナッツアレルギーを発症する割合が約1/7となったわけですから、糖質制限食的には嬉しいですね。
離乳食にピーナッツを採用すれば、将来ピーナッツアレルギーを発症する予防になる可能性が高いです。
江部康二
2014年04月29日 (火)
【14/04/29 かわの
アトピーとプロトピック
本ブログとはずれるとは思いますが…
ある時期アトピー治療のメッカでもあった高雄病院
当時プロトピック日本一の処方量を誇る?江部先生に是非現在の忌憚ないお考えをお聞きしたくコメントしました。
今はどういうスタンスでおられるのでしょうか?
発売当初よりプロトピックを使用し13年以上が経とうとしていますが…】
こんばんは。
かわのさんから、高雄病院のアトピー治療とプロトピック軟膏についてコメント・質問をいただきました。
プロトピック軟膏は1999年11月に世界で初めて、日本で発売されました。
その後、欧米でも発売され、米国ではプロトピックは
「人生を変える薬:life changing medicine」
と呼ばれたことがあります。
高雄病院には2014年現在も、たくさんのアトピー患者さんが来院されます。
アトピーの外来患者さんは今も一番多いですし、入院患者さんも糖尿病についで多いです。
高雄病院方式のアトピー性皮膚炎治療は 、入院しての「アトピー学校」につきると思います。
アトピー学校とは1995年から開始された「アトピー治療のための教育プログラム」です。
1999年からプロトピック軟膏が使えるようになり、アトピー患者さんの改善率や治癒率は劇的に向上しました。
<漢方治療+食事療法+ステロイド外用薬+プロトピック軟膏>により、アトピー性皮膚炎の根治を目指すのが高雄病院のアトピー性皮膚炎治療です。
15年間プロトピック軟膏を日本で一番多く使ってきて、まさに人生を変える力のある素晴らしい薬と認識しています。
高雄病院アトピー学校では、まずは入院していただき、漢方生薬や漢方エキスを内服して、ステロイド外用薬やプロトピック軟膏を塗布して、症状のコントロールをします。
そのあとは、退院したあともコントロール良好が保てるように、食生活、外用薬の上手なぬりかた・やめかた、漢方薬の役割など・・・、アトピーの自己管理に必要な知識や技を入院中に学んでもらい、また体験していただきます。
高雄病院アトピー学校で、アトピーを治すというよりも、アトピーの根本的な治し方を学んでいただくということですね。
入院してアトピーの皮膚症状が良くなるのは、ある意味当たり前なのですが、退院後もその良い状態を保つことは結構難しいことなのです。
他の病院と高雄病院の入院治療における一番大きな違いは、退院後の自己管理のための教育システムがあるかないかです。
この入院システムを学校と呼んでいるのは、教育の意味が大きいからなのです。
また、食生活(高雄病院食生活十箇条)指針の提供・勉強や漢方薬の投与も、他の病院とはひと味違う特徴です。
ともあれ、皮膚のコントロール良好の状態を保ち続けることが根治への道です。
表皮細胞は表面から、角層、顆粒層、有刺層、基底層の順に並んでいます。
一番表面の角層は約10層からなり、皮膚のバリア機能を担っています。
基底細胞が分裂して、娘細胞が生まれて表皮表面で脱落するまでの時間を
ターンオーバー時間と呼び、約45日と言われています。
ターンオーバーの速度ですが、細胞分裂を繰り返し、上へ上へと押し上げられ、
角質に到達するまで約14日間、そして表層でバリアとして活躍し、垢としてはがれ落ちるまでに14日間、
合計でおよそ28日間で生まれ変わるという説もあります。
一方、28日周期は20代のサイクルで、年齢とともに徐々に遅くなるとも言われています。
アトピー性皮膚炎では、もともとバリア機能に問題があり、
慢性に表皮に皮膚炎を繰り返して、
皮膚が分厚くなる苔癬化や色素沈着を生じていることが多いのですが、
そうなるとますます皮膚バリア機能が悪くなって悪循環します。
幸い、表皮にはターンオーバー機能があるので、
掻きむしったり慢性炎症で乱れた細胞も必ず入れ替わっていきます。
一般にアトピーは治りにくいと言われていますが、コントロール良好を保ちバリア機能回復まで持って行ければ、
その部位の皮膚に関しては、根本的治癒も夢ではありません。
バリア機能回復までに要する期間は、
罹病期間や重症度により個人差はありますが、経験的には半年~1年くらいが一つの目安です。
よく「アトピーは治りにくいから一生付き合うつもりで・・・。」とか医師が言うことがあるのですが、
そんなことはありません。
皮膚炎を繰り返せば、いつまで経っても治りませんが、悪循環を断ち切り皮膚炎を繰り返さずにコントロール良好を維持すれば、
ターンオーバー機能により表皮はバリア機能を回復して、いくらでも治るのです。
コントロール良好を維持するため、おおいに役に立つのがプロトピック軟膏なのです。
漢方生薬やエキス治療も、皮膚が赤く熱をもって腫れている炎症が主の時は、熱をとり腫れを退かせる対症療法が中心です。
症状がコントロールできたあとは、細胞が早く入れ替わるように、気の巡り、血の巡りをよくするような生薬に、シフトさせていきます。
食生活や漢方薬で身体の中から、良い細胞に早く入れ替わるようサポートし、プロトピック軟膏を中心に時々ステロイド軟膏も使用し、掻爬行為を予防して、アトピーの根本的治癒を目指すのが、高雄病院方式のアトピー治療です。
なお、食生活に関してですが、糖質制限食でも勿論アトピーは良くなることが多いですが、糖尿病ではありませんので、未精製穀物を主食として適量摂取する高雄病院食生活十箇条でもいいと思います。
江部康二
(*)
『高雄病院食生活十箇条』 -アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防に-
一、主食は未精製の穀物(玄米、全粒粉のパンなど)を運動量に応じて適量
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は少量とし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで
(**)<ブドウ糖スパイクとブドウ糖ミニスパイク>
空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きいことを「ブドウ糖スパイク」といいます。
糖尿病の人が糖質を摂取すればブドウ糖スパイクは100~200,300mg/dlとなり、リアルタイムに血管内皮に悪影響をあたえ、
将来の動脈硬化や心筋梗塞のリスクとなります。
正常の人でも白いパンなど精製された糖質を食べると、60~70mgのブドウ糖ミニスパイクを生じて代謝が乱れます。ミニスパイクの度にインスリンが大量に追加分泌されます。
基礎分泌の10~30倍レベル、インスリンが追加分泌される事態は、救急車の出動に等しいととらえるのが正確と思います。(=_=;)
このブドウ糖ミニスパイクとインスリン追加分泌を毎日頻回に繰り返すことが、アトピー性皮膚炎や糖尿病など生活習慣病の根本要因と私は考えています。
玄米なら、正常の人だと20~40mgしか血糖を上昇させず、代謝が安定します。
しかし、残念ながら糖尿病になってしまったら、私自身でも明らかなように、玄米でも100~200mgのブドウ糖スパイクを起こしてしまうので、スーパー糖質制限食が必要となるのです。
スーパー糖質制限食なら、血糖値の上下動は正常人ではほとんどなくなり、糖尿人でも少なくなります。
アトピーとプロトピック
本ブログとはずれるとは思いますが…
ある時期アトピー治療のメッカでもあった高雄病院
当時プロトピック日本一の処方量を誇る?江部先生に是非現在の忌憚ないお考えをお聞きしたくコメントしました。
今はどういうスタンスでおられるのでしょうか?
発売当初よりプロトピックを使用し13年以上が経とうとしていますが…】
こんばんは。
かわのさんから、高雄病院のアトピー治療とプロトピック軟膏についてコメント・質問をいただきました。
プロトピック軟膏は1999年11月に世界で初めて、日本で発売されました。
その後、欧米でも発売され、米国ではプロトピックは
「人生を変える薬:life changing medicine」
と呼ばれたことがあります。
高雄病院には2014年現在も、たくさんのアトピー患者さんが来院されます。
アトピーの外来患者さんは今も一番多いですし、入院患者さんも糖尿病についで多いです。
高雄病院方式のアトピー性皮膚炎治療は 、入院しての「アトピー学校」につきると思います。
アトピー学校とは1995年から開始された「アトピー治療のための教育プログラム」です。
1999年からプロトピック軟膏が使えるようになり、アトピー患者さんの改善率や治癒率は劇的に向上しました。
<漢方治療+食事療法+ステロイド外用薬+プロトピック軟膏>により、アトピー性皮膚炎の根治を目指すのが高雄病院のアトピー性皮膚炎治療です。
15年間プロトピック軟膏を日本で一番多く使ってきて、まさに人生を変える力のある素晴らしい薬と認識しています。
高雄病院アトピー学校では、まずは入院していただき、漢方生薬や漢方エキスを内服して、ステロイド外用薬やプロトピック軟膏を塗布して、症状のコントロールをします。
そのあとは、退院したあともコントロール良好が保てるように、食生活、外用薬の上手なぬりかた・やめかた、漢方薬の役割など・・・、アトピーの自己管理に必要な知識や技を入院中に学んでもらい、また体験していただきます。
高雄病院アトピー学校で、アトピーを治すというよりも、アトピーの根本的な治し方を学んでいただくということですね。
入院してアトピーの皮膚症状が良くなるのは、ある意味当たり前なのですが、退院後もその良い状態を保つことは結構難しいことなのです。
他の病院と高雄病院の入院治療における一番大きな違いは、退院後の自己管理のための教育システムがあるかないかです。
この入院システムを学校と呼んでいるのは、教育の意味が大きいからなのです。
また、食生活(高雄病院食生活十箇条)指針の提供・勉強や漢方薬の投与も、他の病院とはひと味違う特徴です。
ともあれ、皮膚のコントロール良好の状態を保ち続けることが根治への道です。
表皮細胞は表面から、角層、顆粒層、有刺層、基底層の順に並んでいます。
一番表面の角層は約10層からなり、皮膚のバリア機能を担っています。
基底細胞が分裂して、娘細胞が生まれて表皮表面で脱落するまでの時間を
ターンオーバー時間と呼び、約45日と言われています。
ターンオーバーの速度ですが、細胞分裂を繰り返し、上へ上へと押し上げられ、
角質に到達するまで約14日間、そして表層でバリアとして活躍し、垢としてはがれ落ちるまでに14日間、
合計でおよそ28日間で生まれ変わるという説もあります。
一方、28日周期は20代のサイクルで、年齢とともに徐々に遅くなるとも言われています。
アトピー性皮膚炎では、もともとバリア機能に問題があり、
慢性に表皮に皮膚炎を繰り返して、
皮膚が分厚くなる苔癬化や色素沈着を生じていることが多いのですが、
そうなるとますます皮膚バリア機能が悪くなって悪循環します。
幸い、表皮にはターンオーバー機能があるので、
掻きむしったり慢性炎症で乱れた細胞も必ず入れ替わっていきます。
一般にアトピーは治りにくいと言われていますが、コントロール良好を保ちバリア機能回復まで持って行ければ、
その部位の皮膚に関しては、根本的治癒も夢ではありません。
バリア機能回復までに要する期間は、
罹病期間や重症度により個人差はありますが、経験的には半年~1年くらいが一つの目安です。
よく「アトピーは治りにくいから一生付き合うつもりで・・・。」とか医師が言うことがあるのですが、
そんなことはありません。
皮膚炎を繰り返せば、いつまで経っても治りませんが、悪循環を断ち切り皮膚炎を繰り返さずにコントロール良好を維持すれば、
ターンオーバー機能により表皮はバリア機能を回復して、いくらでも治るのです。
コントロール良好を維持するため、おおいに役に立つのがプロトピック軟膏なのです。
漢方生薬やエキス治療も、皮膚が赤く熱をもって腫れている炎症が主の時は、熱をとり腫れを退かせる対症療法が中心です。
症状がコントロールできたあとは、細胞が早く入れ替わるように、気の巡り、血の巡りをよくするような生薬に、シフトさせていきます。
食生活や漢方薬で身体の中から、良い細胞に早く入れ替わるようサポートし、プロトピック軟膏を中心に時々ステロイド軟膏も使用し、掻爬行為を予防して、アトピーの根本的治癒を目指すのが、高雄病院方式のアトピー治療です。
なお、食生活に関してですが、糖質制限食でも勿論アトピーは良くなることが多いですが、糖尿病ではありませんので、未精製穀物を主食として適量摂取する高雄病院食生活十箇条でもいいと思います。
江部康二
(*)
『高雄病院食生活十箇条』 -アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防に-
一、主食は未精製の穀物(玄米、全粒粉のパンなど)を運動量に応じて適量
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は少量とし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで
(**)<ブドウ糖スパイクとブドウ糖ミニスパイク>
空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きいことを「ブドウ糖スパイク」といいます。
糖尿病の人が糖質を摂取すればブドウ糖スパイクは100~200,300mg/dlとなり、リアルタイムに血管内皮に悪影響をあたえ、
将来の動脈硬化や心筋梗塞のリスクとなります。
正常の人でも白いパンなど精製された糖質を食べると、60~70mgのブドウ糖ミニスパイクを生じて代謝が乱れます。ミニスパイクの度にインスリンが大量に追加分泌されます。
基礎分泌の10~30倍レベル、インスリンが追加分泌される事態は、救急車の出動に等しいととらえるのが正確と思います。(=_=;)
このブドウ糖ミニスパイクとインスリン追加分泌を毎日頻回に繰り返すことが、アトピー性皮膚炎や糖尿病など生活習慣病の根本要因と私は考えています。
玄米なら、正常の人だと20~40mgしか血糖を上昇させず、代謝が安定します。
しかし、残念ながら糖尿病になってしまったら、私自身でも明らかなように、玄米でも100~200mgのブドウ糖スパイクを起こしてしまうので、スーパー糖質制限食が必要となるのです。
スーパー糖質制限食なら、血糖値の上下動は正常人ではほとんどなくなり、糖尿人でも少なくなります。
2011年03月11日 (金)
こんにちは。
下記のユーチューブへのリンクをクリックしていただくと、とても嬉しいです。
よろしくお願い申し上げます。江部康二。 m(_ _)m
さて、いよいよ花粉症の季節到来です。
今年は、例年に比べ10倍のスギ花粉が飛来するという前口上のわりに、実際は大した事無いなと思ってました。
ところが、とうとう先週3月初旬くらいから、もろに症状のでる患者さんが相次ぎました。
今回は、のばやんから、糖質制限食でHbA1c改善、花粉症改善という嬉しいコメントをいただきました。
【11/03/10 のばやん
本日、5ヶ月ぶりに先生の診察を受けましたが、丁寧に診ていただき、有難うございました。
スーパー糖質制限を始めて8ヶ月がたちましたが、おかげ様でその間のHBa1Cの平均値が4.83と絶好調でした。今後も、アルコールは適量をまもり、美味しく楽しく糖質制限を続けていきたいと思います。
それから、今日言い忘れたましたが、私は30年来の杉花粉症持ちで、毎年この季節には、激しい目の痒みや、くしゃみなどに悩まされておりました。
しかし、今年は内服薬はまったく使用していないにもかかわらず、今のところ、症状はほとんど出ていません。
まだ、油断は出来ないと思っていますが、次回の診察には良いご報告が出来そうです。 スーパー糖質制限、本当に素晴らしいですね。】
のばやんさん。
高雄病院まで、診察に来て頂いていたのですね。ありがとうございました。
HbA1c:4.8%とはグレートな改善です。
これからも美味しく楽しく永く糖質制限食をお続け下さいね。
さて、30年来のスギ花粉症が、ほとんど出ていないとはすごいです。
3月10日なら、私の外来の花粉症の患者さん、くしゃみ・鼻水・鼻つまり・目痒・・・全開の方がほとんどでしたので、のばやんさんは、きっともう大丈夫と思いますよ。
他にも、糖質制限食で花粉症が改善された方は、たくさんおられます。のばやんさんと同様に、ほとんど出ない人、半減した人など様々です。中には不変の人もおられますが、過半数の人が良くなっておられます。
糖質制限食実践により、代謝全てが安定し(ブドウ糖スパイクがない)、動脈硬化のリスク要因全てが改善し、血流も毛細血管に到るまでさらさらとなります。
これにより、人体の自然治癒力が高まるので、糖尿病・メタボは勿論のこと、ほとんどの生活習慣病の改善が期待できます。
例えば、アトピー性皮膚炎などでも、皮膚がしっとりしてくることが多いです。また数人の人からは、毛髪が太くしっかりして抜けにくくなったと報告を受けました。花粉症に関しても、ブログ読者の皆さんのコメントでも、かなり確率で改善するようです。
お馴染み、糖質制限ドットコムのあらてつさん、小学生からのスギ花粉症で、年々症状がきつくなっていったそうです。
2004年の花粉症シーズン、耳鼻科医のお薦め通り、1ヶ月前から抗アレルギー剤を内服し、点眼薬、点鼻薬も開始して準備万端整えていたそうです。
しかしあに図らんや、例年にも増してくしゃみ・鼻水・鼻詰まりのフルコースで、息も絶え絶えで、仕事も手につかない状態でした。(+_+)
自称、1000の病を持つ男「あらてつ」、この頃までは漢方薬など全く信じておらず、ひたすら十数年間耳鼻科へ通い続けていた訳ですが、一向に良くならないどころか年々悪化していく事態に、藁をもすがる思いで高雄病院江部洋一郎院長(当時、私の兄です)に診察して貰いました。
その頃はあらてつさん、数年来高雄病院職員でしたが、
まあ、
「漢方なんてせいぜい藁?」
くらいのサムい認識だったのでしょうね。
ところがどっこい、西洋薬を一切中止して煎じ薬を飲んだその日から、くしゃみ・鼻水・鼻づまりがぴったりとまって、奇蹟のように改善したのです。ヾ(゜▽゜)
煎じ薬、はっきり言ってメチャまずいです。σ(=_=;)ヾ
それでも男あらてつ、まずさに耐えて、それからシーズン中はずっと飲み続けました。
そしてその年の冬からは、花粉症予防薬の漢方エキスを飲んで、翌シーズン中は煎じ薬に切り替えて、2005年、2006年はほとんど花粉症が出ずに済みました。
この頃からスーパー糖質制限食も開始して、2007年、2008年、2009年、2010年も、まったく西洋薬なしで、花粉症予防の漢方エキスだけで、花粉症ほぼフリー状態、999の病を持つ男となりました。
耳鼻科の先生、売り上げを減らして申し訳ありません・・・。m(_ _)m
そして2011年も1月から、アレルギー予防の漢方薬を内服して、勿論スーパー糖質制限食も継続で、3月11日現在、ほとんど花粉症の症状はでていません。
江部康二
下記のユーチューブへのリンクをクリックしていただくと、とても嬉しいです。
よろしくお願い申し上げます。江部康二。 m(_ _)m
画期的な糖尿病治療食「糖質制限食を語る」|DVD、絶賛発売中!
糖質制限食の第一人者、高雄病院理事長、江部康二医師の講演が臨場感溢れるDVDに。二つの講演会を収録し、この一枚に糖質制限食のエッセンスを凝縮!お求めはこちらから http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.phpさて、いよいよ花粉症の季節到来です。
今年は、例年に比べ10倍のスギ花粉が飛来するという前口上のわりに、実際は大した事無いなと思ってました。
ところが、とうとう先週3月初旬くらいから、もろに症状のでる患者さんが相次ぎました。
今回は、のばやんから、糖質制限食でHbA1c改善、花粉症改善という嬉しいコメントをいただきました。
【11/03/10 のばやん
本日、5ヶ月ぶりに先生の診察を受けましたが、丁寧に診ていただき、有難うございました。
スーパー糖質制限を始めて8ヶ月がたちましたが、おかげ様でその間のHBa1Cの平均値が4.83と絶好調でした。今後も、アルコールは適量をまもり、美味しく楽しく糖質制限を続けていきたいと思います。
それから、今日言い忘れたましたが、私は30年来の杉花粉症持ちで、毎年この季節には、激しい目の痒みや、くしゃみなどに悩まされておりました。
しかし、今年は内服薬はまったく使用していないにもかかわらず、今のところ、症状はほとんど出ていません。
まだ、油断は出来ないと思っていますが、次回の診察には良いご報告が出来そうです。 スーパー糖質制限、本当に素晴らしいですね。】
のばやんさん。
高雄病院まで、診察に来て頂いていたのですね。ありがとうございました。
HbA1c:4.8%とはグレートな改善です。
これからも美味しく楽しく永く糖質制限食をお続け下さいね。
さて、30年来のスギ花粉症が、ほとんど出ていないとはすごいです。
3月10日なら、私の外来の花粉症の患者さん、くしゃみ・鼻水・鼻つまり・目痒・・・全開の方がほとんどでしたので、のばやんさんは、きっともう大丈夫と思いますよ。
他にも、糖質制限食で花粉症が改善された方は、たくさんおられます。のばやんさんと同様に、ほとんど出ない人、半減した人など様々です。中には不変の人もおられますが、過半数の人が良くなっておられます。
糖質制限食実践により、代謝全てが安定し(ブドウ糖スパイクがない)、動脈硬化のリスク要因全てが改善し、血流も毛細血管に到るまでさらさらとなります。
これにより、人体の自然治癒力が高まるので、糖尿病・メタボは勿論のこと、ほとんどの生活習慣病の改善が期待できます。
例えば、アトピー性皮膚炎などでも、皮膚がしっとりしてくることが多いです。また数人の人からは、毛髪が太くしっかりして抜けにくくなったと報告を受けました。花粉症に関しても、ブログ読者の皆さんのコメントでも、かなり確率で改善するようです。
お馴染み、糖質制限ドットコムのあらてつさん、小学生からのスギ花粉症で、年々症状がきつくなっていったそうです。
2004年の花粉症シーズン、耳鼻科医のお薦め通り、1ヶ月前から抗アレルギー剤を内服し、点眼薬、点鼻薬も開始して準備万端整えていたそうです。
しかしあに図らんや、例年にも増してくしゃみ・鼻水・鼻詰まりのフルコースで、息も絶え絶えで、仕事も手につかない状態でした。(+_+)
自称、1000の病を持つ男「あらてつ」、この頃までは漢方薬など全く信じておらず、ひたすら十数年間耳鼻科へ通い続けていた訳ですが、一向に良くならないどころか年々悪化していく事態に、藁をもすがる思いで高雄病院江部洋一郎院長(当時、私の兄です)に診察して貰いました。
その頃はあらてつさん、数年来高雄病院職員でしたが、
まあ、
「漢方なんてせいぜい藁?」
くらいのサムい認識だったのでしょうね。
ところがどっこい、西洋薬を一切中止して煎じ薬を飲んだその日から、くしゃみ・鼻水・鼻づまりがぴったりとまって、奇蹟のように改善したのです。ヾ(゜▽゜)
煎じ薬、はっきり言ってメチャまずいです。σ(=_=;)ヾ
それでも男あらてつ、まずさに耐えて、それからシーズン中はずっと飲み続けました。
そしてその年の冬からは、花粉症予防薬の漢方エキスを飲んで、翌シーズン中は煎じ薬に切り替えて、2005年、2006年はほとんど花粉症が出ずに済みました。
この頃からスーパー糖質制限食も開始して、2007年、2008年、2009年、2010年も、まったく西洋薬なしで、花粉症予防の漢方エキスだけで、花粉症ほぼフリー状態、999の病を持つ男となりました。
耳鼻科の先生、売り上げを減らして申し訳ありません・・・。m(_ _)m
そして2011年も1月から、アレルギー予防の漢方薬を内服して、勿論スーパー糖質制限食も継続で、3月11日現在、ほとんど花粉症の症状はでていません。
江部康二