テーラーメイドダイエットと糖尿病・アレルギー疾患
こんばんは、今テニスから帰ってきた江部康二です。

今、西洋医学では、一人一人の患者さんの体質に合わせて処方を工夫しようという、テーラーメード(tailor made)の薬物療法が注目され始めています。

従来、画一的な処方内容だった西洋医学においても、個に対応しようとする、好ましい変化と言えます。

高雄病院で実践している漢方医学は、まさにテーラーメードの治療なのですが、食生活においても、私は最近テーラーメードの食事療法(tailor made diet)を提唱しています。

どんな病気の人でも共通に食べてよいもの、個別の病気において避けたほうがいいもの、誰もが食べないほうがいいもの、個人の嗜好・・・などを考慮して一人一人に最適の食事療法を選んでいきます。

具体的には、アレルギー疾患、膠原病、消化器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患など、糖尿病以外の病気の治療食に、そして、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病予防に、「ブドウ糖ミニスパイク」が生じにくい「食生活十箇条」を提案しました。


『高雄病院食生活十箇条』 −アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防に−
一、主食は未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は極力減らし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで 

一方、既に糖尿病になった人や肥満・メタボリックシンドロームの人には、糖質制限食がお奨めです。

糖質制限食十箇条』 −糖尿病や肥満が気になる人に−
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食  べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控え   る。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶も   OK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は   控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルー   ツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。

糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。


☆☆☆
グルコーススパイクブドウ糖スパイク)と
グルコースミニスパイク (ブドウ糖ミニスパイク

近年の糖尿病関係の話題として、『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞の危険性が高まる』という説が有力となっています。

糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。

例えば、空腹時血糖値が100〜120mgとかでも、糖質摂取後の血糖値は200、300mgとなってしまいます。(*脂質やタンパク質を食べても、ブドウ糖スパイクは起こりませんので、念のため。)

一方、糖尿病がない人でも、精製された糖質(高GI食品)を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、ブドウ糖スパイクが生じますから、代謝全般に乱れが生じてアレルギー疾患や高脂血症・肥満など様々な生活習慣病にも悪影響がでる可能性があります。

私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ミニスパイク』と呼んでいます。

精製された糖質は、特に血糖を上昇させやすい食品です。中でも白パン、ケーキなどの精製小麦粉製品は血糖上昇指数(GI)が100もあります。ちなみに白米は70、玄米は50です。

糖尿病が無ければ、玄米などGIの低いものを主食としていれば、ミニスパイクもほとんど起こらず、血管内皮の障害のリスクも無くなりますし代謝も安定します。

過去経験的に、「玄米魚菜食がいろんな病気の改善に良い」と言われ、高雄病院でも1984年から玄米魚菜食を給食で提供してきました。

なぜ良いのか、理論的根拠に長年悩んでいましたが、「ブドウ糖スパイク理論」でやっと説明がつきました。

世界中に、今まで様々な食事療法があり、それぞれ治療効果を謳っていますが、やはり「ブドウ糖スパイクが少ない」という一点で共通していることが多いようです。

なお、糖質制限食ならミニスパイクも全く起こらず、血糖値は勿論、代謝全てが安定します。

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
テーラーメイドダイエットと糖尿病・アレルギー疾患
こんばんは、江部康二です。

今、西洋医学では一人一人の患者さんの体質に合わせて処方を工夫しようというテーラーメード(tailor made)の薬物療法が注目され始めています。

従来画一的な処方内容だった西洋医学においても、個に対応しようとする好ましい変化と言えます。

高雄病院で実践している漢方医学は、まさにテーラーメードの治療なのですが、食生活においても、私は最近テーラーメードの食事療法(tailor made diet)を提唱しています。

どんな病気の人でも共通に食べてよいもの、個別の病気において避けたほうがいいもの、誰もが食べないほうがいいもの、個人の嗜好・・・などを考慮して一人一人に最適の食事療法を選んでいきます。

具体的にはアレルギー疾患、膠原病、消化器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患など糖尿病以外の病気の治療食に、そして糖尿病や高脂血症などの生活習慣病予防に、ブドウ糖スパイク(7.26ブログ)が生じにくい「食生活十箇条」を提案しました。

『高雄病院食生活十箇条』 −アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防に−
一、主食は未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は極力減らし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで 

一方、既に糖尿病になった人や肥満・メタボリックシンドロームの人には、糖質制限食がお奨めです。

糖質制限食十箇条』 −糖尿病や肥満が気になる人に−
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食  べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控え   る。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶も   OK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は   控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルー   ツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。


糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。

*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。

2008年1月20日(日)の
「テーラーメードダイエットと糖質制限食」東京講演では、テーラーメードダイエットの枠組みの中で、『玄米魚菜食』『糖質制限食』それぞれの役割を実例をあげてわかりやすくお話したいと思います。ブログ読者の皆さん、是非奮ってご参加くださいね。

「テーラーメードダイエットと糖質制限食
東京講演・第6弾

2008年1月20日(日)
食事で治すアトピー・糖尿病

糖質制限食は、糖尿病の治療のみならず、
アトピー・喘息などのアレルギーをはじめ、
生活習慣病全般に劇的な症状の改善がみとめられています。
それは、代謝機能全般が安定するため。
ぜひ、ドクター江部康二の話を聞いて、
症状改善に役立ててください。

2008年初の東京講演です。
『なんでも相談』の時間も充実!
あなたの治療の悩みにドクター江部が答えます!
皆様のご参加お待ちしています!!(事務局/曽我部ゆかり)

◆講 師◆江部康二(高雄病院理事長/リボーン運営委員代表)
◆開 場◆9時20分
◆開 演◆9時30から。11時30分まで
◆会 場◆なかの芸能小劇場
(JR・東西線中野駅下車、北口改札をでて中野通り徒歩2分)
◆会 費◆1000円(定員100名/申し込み先着順)


[お申し込み方法]
◆予約申込◆席に限りがあります。なるべく予約申込してください。
・電話、ファックスまたはeメールで予約してください。
◆当日受付◆席に余裕がある場合受付けます。
・直接会場にお越しください。
・満席の場合にはお断りすることになりますので、ご了承ください。
・前日に留守電のメッセージで空席の状況を流しますのでお聞きください。
※託児保育はございませんが、お子さん連れでの参加を歓迎しています。

<申し込み・連絡先>
アトピー・ネットワーク・リボーン
TEL・ファックス/03-3388-5428
(平日午前10時から午後5時まで/不在時は留守電で対応します)
e-メール/reborn@big.or.jp

主催:アトピー・ネットワーク・リボーン
共催:糖質制限食普及センター東京事務所
協力:(株)京都高雄倶楽部
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
高タンパク質食とアレルギー?
おはようございます。今朝も良い天気です。秋らしい澄んだひんやりした空気が心地よいですね。

さて、甘いみかんさんからの質問です。

「■高たんぱく質とアレルギーについて
初めてここに投稿させてもらいます
このブログで、一般人にも良くわかる解説大変うれしく、糖質制限食が万病に対して予防効果があると言う説は目から鱗です
さて、ここで糖質制限食がアレルギーにも効果があると言うことですが、今日朝のテレビでどこかのお医者様が高タンパク質食がアレルギー症状を促進するとおっしゃっていました
糖質制限食と高たんぱく質食は、似て非なるものなのでしょうか?
この春に自分も糖尿病境界型と(めでたく?)診断され、糖質制限食を実施し、72キロから59キロまでの減量に成功したのですが、この質問宜しくお願いします m(__)m
甘いみかん | 2007.10.14(日) 13:47」

甘いみかんさん。コメント・質問ありがとうございます。また、糖質制限食で減量成功おめでとうございます。

さて、糖質制限食は、必然的に高タンパク・高脂質食となりますが、アレルギー症状が悪化するようなことは経験していません。

『高タンパク質食がアレルギー症状を促進する』どこかの医師がテレビで仰っていたとのことですが、文献的に根拠があるのでしょうか?私の知る範囲では、EBM的にはっきりしたものはないと思います。

少なくとも高雄病院の経験では、 糖質制限食でアレルギー症状が悪化した人は皆無です。アレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎糖質制限食で良くなった人はいます。 

また、イヌイット(エスキモー)さんは、生肉・生魚など高タンパク・高脂質食ですが、虚血性心疾患アレルギー疾患糖尿病などが少ないことが疫学的に報告されています。

甘いみかんさんも安心して、 糖質制限食を続けてくださいね。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
マクロビオティックについて
こんばんは。
雷のなか、こわごわパソコンを操ってます。
今日はマクロビオティックのお話です。

tom 2007/08/08(水) 17:55
本文
件名 : マクロビオティック
先生のブログを毎日楽しく拝見させて頂き、食養生に関して興味を持つようになりました。最近は、玄米魚野菜食を少しずつ実践しています。
ところで、先生は「マクロビオティック」に関してどのようにお考えですか? 」

tomさん。コメント・質問ありがとうございます。マクロビオティックに関しては、高雄病院に1984年に絶食療法を導入した時に、食養生の一環として興味を持ちました。同年に高雄病院の給食に、玄米を供給できるようにしました。

厳格な菜食主義は、ビタミンB12とEPA・DHAが不足する恐れがありますから、そこだけは注意が必要です。高雄病院の食養生は、当初から玄米魚菜食の立場でした。

tomさんも玄米魚菜食なら安心・安全だと思います。

この食養生は、アレルギー疾患の治療や生活習慣病予防のための「食生活十箇条」に引き継がれています。(2.27のブログ参照していただけば幸いです)

1984年当時に比べると油脂、肉、乳製品のことなどで若干バージョンアップしていますが、マクロビオティックと未精製の穀物が主体という基本は一緒だと思います。

高雄病院の「食生活十箇条」は、魚介類・乳製品・卵・肉も食べてよいので、ここはマクロビオティックと異なります。

従いまして、糖尿病になっていない方は、極端な菜食はやめてせめて魚貝類を一緒に摂取してもらえば、個人の好みに合っていればマクロビオティックでOKと思います。

しかし、糖尿病を既に発症している方は、糖質をしっかり摂取するマクロビオティックでは、それほど改善は期待できません。糖尿病には、やはり糖質制限食が第一選択なのです。

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EPAやDHAは、魚油に多く含まれていて脳の代謝に良く血液をサラサラにする作用もあります。

穀物中心の厳格な菜食だと、EPA・DHA(ω3系必須脂肪酸)の摂取が不足する可能性があります。

これらは、穀物や野菜・果物・ナッツなど植物性食品にはほとんど含まれていません。一部の海草や苔や肉微小藻類には含まれています。

肉微小藻類を食べる水棲小動物や地虫・水鳥・魚・は虫類・両生類・昆虫・肉・臓器・脳・骨髄などの動物性食品に含まれています。

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ビタミンB12は、体の中でも最も少ないビタミンで コバルト原子を含むため「赤いビタミン」と呼ばれています。葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンの合成を助け悪性貧血を予防します。
アサリ・カキ・レバー・しじみ・にしん・筋子・サンマ・卵・鮭・たらなどの動物性食品に多く含まれています。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット