空腹時血糖値の変動2009.9.9
おはようございます。

朝夕めっきり涼しくなってきましたね。夜が眠りやすくて助かります。

ブログ読者の皆さんに、ちょっぴり嬉しいお知らせです。

「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」東洋経済新報社

が、3万部突破、第3刷となりました。ヾ(^▽^)

8月10日発売ですから、約1ヶ月くらいです。この勢いを持続して欲しいですね。 (^^)

さて今回はふじさんから、空腹時血糖値の変動についてコメント・質問をいただきました。

「09/09/08 ふじ
ありがとうございました!
お忙しい中、お答えいただいた上に取り上げていただきましてありがとうございます。
腎臓に負担がかかるということはないとのことで、安心しました^^

またひとつ気になることができてしまったのですが、早朝空腹時の血糖値は80〜100を保っていたのが、先週末から120に上がり始め、日曜日からは140以上になってしまっています。
暁現象かな?とあまり考え込まないでいたのですが、就寝前も130〜145と高く出てしまいます。
30〜40分ほどのウォーキングをしても10程度しか下がらず・・・。
本日、17時(昼食後6時間)に測定した時は100、夕食をとる直前の20時に測定した時は147と高めに出てしまいました。

特に運動も何もしておらず、???な状態です。

今まで暁現象とは、就寝時〜朝にかけておこる糖新生のメカニズムによるものだと認識していましたが、時間帯は関係ないのでしょうか?

しばらく調子がいいと浮かれていると、血糖値が上昇してしまったり・・・なかなか一筋縄ではいかない人体は興味深いものがありますね(笑)」



ふじさん。
コメントありがとうございます。

「早朝空腹時の血糖値は80〜100を保っていたのが、先週末から120に上がり始め、日曜日からは140以上になってしまっています。」

正常人ではこういう変動はないのですが、糖尿人ではたまにあります。 (∵)?

スーパー糖質制限食で、再び改善するとは思うのですが・・・。

人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。

血糖値は「食事」、「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」、「運動」、「ストレス」、「インスリン・グルカゴンなどホルモン」・・・いろいろな要素が合わさって調節されています。

ご質問の空腹時血糖値ですが、食物吸収が終了した直後には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生に切り替わります。

ふじさん、しばらくは早朝空腹時血糖値が80〜100mg/dlでしたので、基礎分泌インスリンはあるていど保たれていることは間違いありません。一方、120mg、140mgになるのは、基礎分泌インスリンの一定の不足もある可能性が高いです。

早朝空腹時血糖値、80〜100〜120〜140mgていどは、ほんの少しのことで変動します。例えば、睡眠が浅かったとか、風邪気味だったとか、前の日の夕食が遅かったとか、餃子・トンカツ・天ぷらなどちょっと食べ過ぎたとか・・・.。

ちなみに、私の早朝空腹時血糖値も、90〜100〜110〜120〜130mgくらいで、上述のような、ちょっとしたことで変動します。

本当にきっちりスーパー糖質制限食を実践していると90〜115mgです。まあ私の場合は、基礎分泌のインスリンが、既にやや不足気味の段階なのですが・・・(;_;)

早朝空腹時血糖値高値の一番の原因は、やはり基礎分泌のインスリンが不足しているためと考えられます。(*)

基礎分泌のインスリンが不足気味だと、夜間の肝臓の糖新生がコントロールできなくて、早朝空腹時血糖値が高値となります。眠前の血糖値より早朝〜午前中の空腹時血糖値が高値となる、「暁現象」を呈すこともあります。(**)暁現象はご指摘通り、基本的に早朝〜午前中に起こるものです。

「本日、17時(昼食後6時間)に測定した時は100、夕食をとる直前の20時に測定した時は147と高めに出てしまいました。」

食後6時間血糖値が100mg→食後9時間血糖値が147mgです。

何も食べていないのに夕方から夜にかけて血糖値が上昇していて、これは暁現象では説明できませんね。

よくわからないのですが、血糖自己測定器のたまたまの誤差ということも考えられますね。血糖自己測定器、有用なのですが、そこそこ誤差もあると思いますので・・・。


江部康二


(*)インスリン
人体で唯一血糖値を下げるホルモン。膵臓のβ細胞でつくられ分泌される。24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと血糖値が上昇したときにその10〜20倍の量がでる追加分泌がある。インスリンが追加分泌されると、筋肉細胞が血糖を取り込むが、余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれる。

(**)暁現象早朝空腹時血糖値
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となる。
また、就寝時より起床時の血糖値の方が、高値となることがある。就寝後8〜10時間で、血糖値が上昇する暁現象である。
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるため肝臓の糖新生が高まり、起床時に就寝時より血糖値が高くなる。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
早朝空腹時血糖値とアマリール
こんばんは。

だいぶ暖かくなってきました。啓蟄(けいちつ)を過ぎて春ですね。

毎年3月6日ごろを啓蟄といい、地中が暖まり冬ごもりしていた虫が穴からはい出してくるという意味だそうです。高雄病院は東と北は山なので、啓蟄のオンパレードです。

さて今回は伊達さんから、早朝空腹時血糖値とアマリールについてコメント・質問をいただきました。

【伊達
『江部先生おはようございます』

江部先生はじめまして。私は2型糖尿病歴8年の伊達と申します。
いつも親切丁寧解りやすく説得力ある江部先生のブログに癒しと安心感を与えて下さる事に本当に感謝しております
今回の記事からずれた質問になってしまい恐縮ですが...
私はA1cが7.7に悪化した昨年11月に糖質制限食と出逢い、1ヶ月後の検診で6.2まで効果が出ました。その後6.2->6.3と推移しております
(現在網膜症や腎症などの合併症はありません)
7年間服用していたアマリール1mgも今月から無くなりました。
所が、アマリールの服用が無くなり4日たった頃から早朝空腹時が140〜160と高くなっています。
先生が過去何度も質問に答えてこられた暁現象なのでしょうか...
この状態が続くとすれば悪化していくのでしょうか?
また、アマリールなどの投薬をするべきなのでしょうか?
糖質制限食を始めて数ヵ月、極めて良好な血糖値だった為、
ここ数日、心配で睡眠不足気味になってます(笑)
多忙な江部先生ですからお時間許す時にご指導いただければと思います。m(__)m

2009/03/05(木)】


伊達さん。コメントありがとうございます。

「A1cが7.7に悪化した昨年11月に糖質制限食と出逢い、1ヶ月後の検診で6.2」

見事な改善ですね。良かったです。

「7年間服用していたアマリール1mgも今月から無くなりました。」

これも素晴らしいですね。

「アマリールの服用が無くなり4日たった頃から早朝空腹時が140〜160と高くなっています。」

早朝空腹時血糖値に関しては、自分自身のインスリン分泌能力がどのくらい残存しているかが、大きく関わっています。

早朝空腹時血糖値高値、この一番の原因は、基礎分泌のインスリンが不足しているためと考えられます。

基礎分泌のインスリンが不足気味だと、夜間の肝臓の糖新生がコントロールできなくて、早朝空腹時血糖値が高値なります。眠前の血糖値より早朝空腹時血糖値が高値となる、「暁現象」を呈すこともあります。

早朝空腹時血糖値、私自身も90〜130mg/dl程度のバラツキがあります。いつ調べても2.2〜2.4μU/ml(3〜15)程度と、基礎分泌のインスリンがやや低値なのです。私の場合、非常に真面目に糖質制限食をやれば、90mgを切ることもあります。

たとえば、<小樽フードリーム>http://www.foodreams.com/foodreams/html/index.htmlの宅配の「糖質制限食」のみを2日間食べて、3日目の早朝空腹時血糖値は86mg/dlでした。

一方、前の晩に餃子とか豚カツとかを油断して沢山食べると、翌朝の空腹時血糖値が130mg/dlだったりします。

また私の場合、糖質制限食でも夜遅く食べると(午後9時以降)、翌朝の空腹時血糖値が120mg/dl、午後6時頃食べたら、96mg/dlといった差があります。

美味しく楽しく糖質制限食ですから、早朝空腹時血糖値126mg/dl未満、できれば110mg/dl未満くらいで折り合いがついていれば、合併症の危険もないので、よしとしています。 (^_^)

食後高血糖がなくて、早朝空腹時血糖値126mg未満なら、血管の合併症のリスクはほとんどありません。

徹底的にスーパー糖質制限食を実践して膵臓が休養できたら、ある程度β細胞が回復して、早朝空腹時血糖値が改善する可能性はあります。伊達さんも、まずは早朝空腹時血糖値140mg/dl未満を目指しましょう。

それから保険が効きますので、早朝空腹時IRI(インスリン)を測定して、基礎分泌のインスリンがどのていどでているか調べましょう。

高雄病院入院中の糖尿人で、入院時空腹時血糖値が200mg/dlを超えていたのが、2週間後には100mg/dlになった例もあります。

しかし個人差が大きいです。入院して徹底的に糖質制限食を実践しても、早朝空腹時血糖値が140mg/dl未満とならない人もおられます。

早朝空腹時血糖値が140mg/dlを日常的に超えていると、血管の合併症を生じやすくなります。
インスリン基礎分泌が、ある程度以上障害されていて、糖質制限食実践でも回復不能で、いつも早朝空腹時血糖値が140mgを超えていれば、アマリール(1)1/2錠くらいをを再開されてもいいと思います。

**インスリン
人体で唯一血糖値を下げるホルモン。膵臓のβ細胞でつくられ分泌される。24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリン血糖値が上昇したときにその10〜20倍の量がでる追加分泌がある。インスリンが追加分泌されると、筋肉細胞が血糖を取り込むが、余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれる。

**暁現象早朝空腹時血糖値
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となる。
また、就寝時より起床時の血糖値の方が、高値となることがある。就寝後8〜10時間で、血糖値が上昇する暁現象である。
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるため肝臓の糖新生が高まり、起床時に就寝時より血糖値が高くなる。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
早朝空腹時血糖値
おはようございます。今朝は、とてもいい天気です。

一歩一歩、冬・忘年会・クリスマス・・・が目白押しで近づいてますね。糖質制限食では蒸留酒OKとはいっても、皆さん度を超さないようご自愛くださいね。

さて今回は、パパ林さんから早朝空腹時血糖値についてコメント・質問をいただきました。

『08/11/26 パパ林
早朝の血糖値
こんにちは。
糖質制限食血糖値を管理してますが食後は全然問題ないですが 早朝の血糖値が100-150までバラツキがあってどういうふうにすれば改善できるのかアドバイスを お願いします。
(遺伝で父、弟は薬を飲んでます。私は4年くらい前の検診から 早朝空腹時の血糖値が126で出てから最近の検査では147が出てます。普段家では朝、夕飯は糖質制限食でずっとやって、早朝の血糖値も体の状態が良い時は100−110で正常に近いですがある時は130−145が出たりします。
何か方法がないでしょうか。 (年齢49歳の男性です。)

宜しくお願いします。』


パパ林さん。コメントありがとうございます。

早朝空腹時血糖値高値、これは、一番の原因は、基礎分泌のインスリンが不足しているためと考えられます。

基礎分泌のインスリンが不足気味だと、夜間の肝臓の糖新生がコントロールできなくて、早朝空腹時血糖値が高値なります。眠前の血糖値より早朝空腹時血糖値が高値となる、「暁現象」を呈すこともあります。

早朝空腹時血糖値、私自身も90〜130mg/dl程度のバラツキがあります。いつ調べても2.2〜2.4μU/ml(3〜15)程度と、基礎分泌のインスリンがやや低値なのです。私の場合、非常に真面目に糖質制限食をやれば90mgをきることもあります。

たとえば、<ふうどりーむずhttp://www.foodreams.com/foodreams/html/index.htmlの「小樽・愛の糖質制限食」のみを2日間食べて、3日目の早朝空腹時血糖値は86mg/dlでした。

一方、前の晩に餃子とか豚カツとかを油断して沢山食べると、翌朝の空腹時血糖値が130mg/dlだったりします。

私の場合、美味しく楽しく糖質制限食ですから、早朝空腹時血糖値126mg/dl未満、できれば110mg/dl未満くらいで折り合いがついていれば、合併症の危険もないので、よしとしています。 (^_^)

通常はそんなもんです。

己の弱さをそれなりに認識してますので、清く正しくで100mg/dl未満は決して目指しませんor目指せません。(-_-;)

それでもHbA1cは5.1%〜5.2%ですので、パパ林さんと同様、食後高血糖はほとんど無いと考えられます。

食後高血糖がなくて、早朝空腹時血糖値126mg未満なら、血管の合併症のリスクはほとんどありません。

パパ林さんも徹底的にスーパー糖質制限食を実践して膵臓が休養できたら、ある程度β細胞が回復して、早朝空腹時血糖値が改善する可能性はあります。

高雄病院入院中の糖尿人で、入院時空腹時血糖値が200mg/dlを超えていたのが、2週間後には100mg/dlになった例もあります。

しかし個人差が大きいです。入院して徹底的に糖質制限食を実践しても、早朝空腹時血糖値が140mg/dl未満とならない人もおられます。

早朝空腹時血糖値が140mg/dlを日常的に超えていると、血管の合併症を生じやすくなります。
インスリン基礎分泌が、ある程度以上障害されていて、糖質制限食実践でも回復不能で、いつも早朝空腹時血糖値が140mgを超えていれば、長時間作用型のインスリン(ランタスかレベミル)を1日に1回注射して、基礎分泌のインスリンを補うこと考慮します。そうすれば1日1回のインスリン注射と糖質制限食でコントロール良好となります。

**インスリン
人体で唯一血糖値を下げるホルモン。膵臓のβ細胞でつくられ分泌される。24時間少量持続的にでている基礎分泌のインスリンと血糖値が上昇したときにその10〜20倍の量がでる追加分泌がある。インスリンが追加分泌されると、筋肉細胞が血糖を取り込むが、余った血糖が中性脂肪に変わるので、インスリンは別名肥満ホルモンと呼ばれる。

**暁現象早朝空腹時血糖値
インスリン基礎分泌が不足してくると、夜間の肝の糖新生を制御できずに、早朝空腹時血糖値が高値となります。
また、就寝時より起床時の血糖値の方が、高値となることがあります。就寝後8〜10時間で、血糖値が上昇する暁現象です。
肝臓が早朝には、他の時間帯以上に、血液中に循環しているインスリンを不活化させるため肝臓の糖新生が高まり、起床時に就寝時より血糖値が高くなるのです。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
早朝空腹時血糖値
おはようございます。

昨夕から雨がしとしと降り続いています。まるで梅雨時のような空模様です。今日は夜、高雄病院の新任医師歓迎会なので、雨あがって欲しいですね。

さて今回は、でぃあべーちゃさんからコメント・質問をいただきました。

『ひさしぶりに、カキコです。
12月にスーパー糖質制限を開始後、私と相方のその後の生活&HbA1cは 私は12月の結果がHbA1c5.2と最小値更新!となり、 (忙しさにかまけて、それ以来検査は先週までしてないです)
相方は、ワインをやめ(神経障害が疑われるため)、 3月検査結果6.3となりました。
12月が11.1だったので、やはり糖質制限食は 偉大だなー、と体感中です。

ぜいたくを言えば、 どうしても相方の早朝空腹時のHbA1cが高いです。 180前後もしばしば。160がデフォルトですね。 なんとか下げる方法はないのでしょうか、、、 夕食は、高カロリー高たんぱくな食事で、ナッツ類も結構食べてますね、、、これが原因でしょうか。

でもでも、6.3まで下がりましたよ!! ありがとうございました。

2008/04/15(火) 12:27:52 | URL | でぃあべーちゃ』


でぃあべーちゃさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。

「12月の結果がHbA1c5.2と最小値更新!」
これは正常人の範囲ですね。おめでとうございます。

相方さんは「12月11.1%→3月検査結果HbA1c6.3%」なら劇的な改善です。

6.3%以下なので、コントロール良好の範囲にはいりますのでまずは良かったです。

しかしながら、うーむ、早朝空腹時血糖値が再び高値となりましたか。早朝空腹時血糖値が高値になる要因は大きく分けて以下の如くです。

<食事時間と胃麻痺と>

夕食を夜9時以降に摂取すると、 糖質制限食でも翌朝の空腹時血糖値が少々上昇することがあります。摂取したタンパク質が1.2時間から数時間半分ほどかけて血糖値に変わりますが、その影響があるようです。

また脂質は1割弱が十数時間かけて血糖値に変わりますので、夕方6時頃でも大量の脂質を摂取すると翌朝の空腹時血糖値に多少の影響がでる可能性があります。

それからバーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が年期の入った糖尿人ではありえます。欧米人には胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。

胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。

<基礎分泌インスリンの不足> 2008.1.15ブログを再掲

早朝空腹時血糖値は夜中の肝の糖新生が一番関係しています。夜間絶食時には、肝臓で乳酸やアミノ酸(アラニンなど)、グリセロール(中性脂肪の分解物)からブドウ糖をつくります(糖新生)。この肝の糖新生を抑制するのが、インスリンの基礎分泌です。

従って、インスリン基礎分泌があるていど減少している糖尿人は、夜間の肝の糖新生が抑制できずに早朝空腹時血糖値が高めになります。

例えば、夜10時の血糖値が110mgで何も食べていないのに、翌朝7時は130mgもあったりすることがあるのはこのためです。

日本人に一番多いのは、食後高血糖があるのを数年間見過ごされたあと、インスリン基礎分泌が徐々に減少し、とうとう早朝空腹時血糖値が上昇してきて糖尿病と診断されるパターンです。かくいう私もその一人です。

従いまして、その時点で膵臓のβ細胞がどの程度生き残っているのかということになります。軽症糖尿病は1〜2割のβ細胞は死滅していて、2〜3割は疲れて機能が落ちている状態です。

スーパー糖質制限食を実践すれば膵臓はしっかり休養できるので、疲れて機能が落ちている細胞は回復してきます。そうすると基礎分泌もあるていど回復して、早朝空腹時血糖値も110mg未満の正常に戻ることもあります。

実際、入院してきっちり糖質制限食を実践して、空腹時血糖値180mgとかだった方が108mgとかに改善した例もあります。

一方、β細胞が既に3〜4割ダメージを受けて回復不能の場合は、 糖質制限食を実践してもインスリン基礎分泌の改善に限界があり、早朝空腹時血糖値が高値となります。この場合、何とか126mg未満、無理なら140mg未満を目指すこととなります。早朝空腹時血糖値が140mg/dlを超えてくると合併症のリスクが高まります。

β細胞のダメージがある程度あって、基礎分泌のインスリン不足があり、 糖質制限食を実践していても、早朝空腹時血糖値が常に140mg/dl以上がある糖尿人はランタス注オプチクリック300という22時間半持続するインスリン注射を、一日一回だけ打つ選択肢もあります。

この注射は、ジワジワと同じペースで一定量が吸収されるので、血中濃度を一定に保つことができます。即ちピークがないので低血糖も起こしにくいです。

ランタスが基礎分泌のインスリンの役割をしてくれるわけで、一日一回だけうって、既に回復不能の分だけ補充して、 糖質制限食を実践すれば血糖値は正常を保つことが可能になります。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
早朝空腹時血糖値と赤ワイン療法
こんばんは。
今日もしっかり寒いです。この寒波、いつまで続くのでしょうね? (*_*)

さて、でぃあべーちゃさんから、赤ワイン療法のその後のコメントをいただきました。

『現代西洋医学的な限界
さっそく、読みました^^
現代の西洋医学的な治療アプローチでは 血糖を下げるだけでもいっぱいいっぱいなのですね。 薬(人工的純物質)で人間の体を総合的になんとかするっていうのは難しいんですね。
仮説、大変わかりやすいです。

そういえば相方も私も糖質制限食1ヶ月目で中性脂肪が250前後から60前後になりました。

まだ、ワイン続けてます。 私も相方も早朝血糖値はほとんど110前後となりました。
糖質制限食を続けている限り、血糖コントロールは楽勝そうです。( ̄ー ̄)b

ここのところ寒いですね。シックデイ(高血糖)=風邪 に気をつけなければ。
江部先生もご自愛ください。
2008/01/25 Fri 10:29:30
でぃあべーちゃ』


でぃあべーちゃさん、良かったですね。
おめでとうございます。貴重なデータを報告して頂いてありがとうございます。

糖質制限食+「赤ワインを夕食時150ml療法」(1.9ブログをご参照くださいね)で、200mg/dl前後もあった相方さんの早朝空腹時血糖値が110mg前後なんて夢のよう、大成功ではないですか!! iiii~  (⌒O⌒)

糖質制限食を続けていると早朝空腹時血糖値も下がってくることが多いのですが、相方さんの場合なかなか下がらなかったですから、赤ワインが効いた可能性が高いですね。

夕食時赤ワイン療法150ml、お酒の好きな人には量的に物足りないですが、それなりの人には流行るかもしれませんね。

また、お二人とも中性脂肪が250mg前後→60mg/dl前後と驚異的な改善ですが、こちらは 糖質制限食単独で簡単に達成ですね。

相方さんの成功に力を得て糖質制限食でも早朝空腹時血糖値が下がりにくい糖尿病患者さんに、夕食時赤ワイン150ml療法を奨めてみたいと思います。 (^o^)v

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット