2017年01月01日 (日)
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
【16/12/31 たがしゅう
集合知
江部先生
いつも大変お世話になっております。
今年もいろいろな事があった一年でしたね。
10大ニュースの番号は先生が注目に値すると思われた順につけられているかと想像していますが、 確かに宗田先生の英語論文は今年文句なし一位の話題であったように思います。
なにせ糖質制限がどうのこうのではなく、ケトン体の安全性というものを誰も確かめなかった方法で明確に証明されたわけです。
この後に及んでまだケトン体が危険とか言う人は、それだと人類が胎児の時点から危険な状態に晒されるというおかしな状態になってしまうということをどう説明できるというのでしょうか。完全なる論理破綻です。
という事はケトン体産生に近づける糖質制限食が本来の人類の食事であるという先生の見解が正しいという話になると私は思います。
さて、毎年年末に先生へコメントを書くことを誠に勝手ながら自分の中での恒例行事とさせて頂いておりますが、 今年先生にお伝えしたいのは「集合知」というものについてです。
最近私はフランスの民族学者、レヴィ=ストロースの「野生の思考」という本の存在を知りました。
その中には「構造主義」というものの考え方が提示されています。
「構造主義」というのは、自然界にあるものは全て自然界に存在する在り合わせのものを組み合わせ、部品を組み立てて、それぞれを組み替えて、ある種の「構造」を創り出し成り立っているという考え方です。
例を挙げれば私達が話す「言葉」も、構造を分解して崩していけば元はただの音子(おんし)であり、組み立てられて構造化されたのが「言語」だと考えます。
またタンポポの美しい花びらも、元を正せば周囲にある炭素や酸素や水素などといったあり合わせの原子を組み合わせ、組み替えて構造化させていった結果出来上がったものと考えるのです。
そうして自然に出来上がった構造が常に正しいものとは限らないので、環境に適応できなければ構造を分解し、また新しく構造化しという作業をくり返し、結果的に環境適応できたものだけが今に残ると考えられているわけです。
何が言いたいのかと申しますと、 江部先生がなぜ数多ある情報発信システムの中から「ブログ」という形式に行き着いたのかという事について想いを馳せてみました。
ブログという存在に出会うきっかけはあったとしても、別に他のSNSに先生がハマっても不思議ではなかったわけなのに、なぜ先生はブログでこれほどまでに積極的に情報発信されているのでしょうか。
それは先生が意識されているかどうかわかりませんが、ネット世界という言わばヒトだけが生息する広大な自然界の中の様々な情報を集めて集合させ、そして「構造」が組み立てられ一つの「集合知」になっていくという形式に先生が魅せられたからではないかと私は想像しています。
私もお粗末ながら自分のブログを運営していて思うのは、これがもし非公開のただの日記であったら、同じような発展は決して期待できなかったであろうという事です。
先生のブログは賛成意見も反対意見も含めて平等に集まれる知恵の樹のような存在で、そこに垣根がなく様々な情報が集まってくる事がよりよい構造化につながっていくのではないかとも思うのです。
一人ひとりが持っている知識はちっぽけで役に立たないものかもしれませんが、それが広く集まっていく事で時に素晴らしい集合知が出来上がる。先生のブログはその事をまさに体現なさっているように私には思えます。
間違っていれば御容赦下さい。
少なくとも私にはブログというスタイルに新しい世界を形作っていく可能性が今のところ最も高く感じられます。
これからも先生のブログから学ばせて頂き、新たな集合知が出来上がっていく事を楽しみにしていきたいと思います。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。】
たがしゅう 先生
毎年、素晴らしいコメントを、ありがとうございます。
たがしゅう先生に、客観的な意見を述べて頂くことで私の頭の中が整理されて、視界が開ける気がします。
今回は、レヴィ=ストロースとは格調高いです。
レヴィ=ストロースと構造主義、学生時代に読んだような記憶がありますが、内容はほとんど覚えていません。
構造主義、懐かしいです。忘れてましたのでまた勉強します。
『それは先生が意識されているかどうかわかりませんが、ネット世界という言わばヒトだけが生息する広大な自然界の中の様々な情報を集めて集合させ、そして「構造」が組み立てられ一つの「集合知」になっていくという形式に先生が魅せられたからではないかと私は想像しています。 』
なるほど、今回も言われてみたら、まさにその通りだと思います。
アドラー心理学の本を教えて貰ったときのことを思い出します。
たがしゅう先生、鋭いですね。
確かに、フェイスブックやツイッターでは、練り上げた「集合知」には結びつきません。
フェイスブックやツイッターは、情報の速さに特徴があると思います。
そのため、推敲して考えを練るといったプロセスが省かれていて、私には向いていないと考えました。
私自身は、「構造」「集合知」というほど格調高い認識はありませんでしたが、 じっくり情報を発信できて、複数の相手もじっくりコメントを書けるという、 しっかりとした情報とコミュニケーションが可能だという思いで、ブログにしました。
『一人ひとりが持っている知識はちっぽけで役に立たないものかもしれませんが、それが広く集まっていく事で時に素晴らしい集合知が出来上がる。先生のブログはその事をまさに体現なさっているように私には思えます。』
ありがとうございます。
「集合知」というのは、『見ず知らずの他人同士が知恵を出し合って構築する知』と、 東京経済大学教授、情報学者の西垣通さんが、定義していました。
東日本大震災のときは、ツイッターが大活躍で、安否確認とか電車情報には、非常に役だったそうで、これも一種の集合知と言えるそうです。
このような単純情報には、ツイッターでも「集合知」が形成されて役に立つのですが、より複雑な事柄になるとツイッターでは無理です。
例えば、糖質制限食、ケトン体、糖尿病、インスリン、たんぱく質と血糖値、食後高血糖、平均血糖変動幅、糖質制限食実践時の好ましくない症状・・・
これらの複雑な問題は、ブログ内で、多様な意見交換を繰り返すことで、「集合知」が形成され、その精度も高まって行きます。
様々な質問に回答することも、「集合知」に結びついていきますね。
集合知が成り立つカギは「多様性」にあるそうなので、様々な意見をコメント頂くのは嬉しい限りです。
江部康二
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
【16/12/31 たがしゅう
集合知
江部先生
いつも大変お世話になっております。
今年もいろいろな事があった一年でしたね。
10大ニュースの番号は先生が注目に値すると思われた順につけられているかと想像していますが、 確かに宗田先生の英語論文は今年文句なし一位の話題であったように思います。
なにせ糖質制限がどうのこうのではなく、ケトン体の安全性というものを誰も確かめなかった方法で明確に証明されたわけです。
この後に及んでまだケトン体が危険とか言う人は、それだと人類が胎児の時点から危険な状態に晒されるというおかしな状態になってしまうということをどう説明できるというのでしょうか。完全なる論理破綻です。
という事はケトン体産生に近づける糖質制限食が本来の人類の食事であるという先生の見解が正しいという話になると私は思います。
さて、毎年年末に先生へコメントを書くことを誠に勝手ながら自分の中での恒例行事とさせて頂いておりますが、 今年先生にお伝えしたいのは「集合知」というものについてです。
最近私はフランスの民族学者、レヴィ=ストロースの「野生の思考」という本の存在を知りました。
その中には「構造主義」というものの考え方が提示されています。
「構造主義」というのは、自然界にあるものは全て自然界に存在する在り合わせのものを組み合わせ、部品を組み立てて、それぞれを組み替えて、ある種の「構造」を創り出し成り立っているという考え方です。
例を挙げれば私達が話す「言葉」も、構造を分解して崩していけば元はただの音子(おんし)であり、組み立てられて構造化されたのが「言語」だと考えます。
またタンポポの美しい花びらも、元を正せば周囲にある炭素や酸素や水素などといったあり合わせの原子を組み合わせ、組み替えて構造化させていった結果出来上がったものと考えるのです。
そうして自然に出来上がった構造が常に正しいものとは限らないので、環境に適応できなければ構造を分解し、また新しく構造化しという作業をくり返し、結果的に環境適応できたものだけが今に残ると考えられているわけです。
何が言いたいのかと申しますと、 江部先生がなぜ数多ある情報発信システムの中から「ブログ」という形式に行き着いたのかという事について想いを馳せてみました。
ブログという存在に出会うきっかけはあったとしても、別に他のSNSに先生がハマっても不思議ではなかったわけなのに、なぜ先生はブログでこれほどまでに積極的に情報発信されているのでしょうか。
それは先生が意識されているかどうかわかりませんが、ネット世界という言わばヒトだけが生息する広大な自然界の中の様々な情報を集めて集合させ、そして「構造」が組み立てられ一つの「集合知」になっていくという形式に先生が魅せられたからではないかと私は想像しています。
私もお粗末ながら自分のブログを運営していて思うのは、これがもし非公開のただの日記であったら、同じような発展は決して期待できなかったであろうという事です。
先生のブログは賛成意見も反対意見も含めて平等に集まれる知恵の樹のような存在で、そこに垣根がなく様々な情報が集まってくる事がよりよい構造化につながっていくのではないかとも思うのです。
一人ひとりが持っている知識はちっぽけで役に立たないものかもしれませんが、それが広く集まっていく事で時に素晴らしい集合知が出来上がる。先生のブログはその事をまさに体現なさっているように私には思えます。
間違っていれば御容赦下さい。
少なくとも私にはブログというスタイルに新しい世界を形作っていく可能性が今のところ最も高く感じられます。
これからも先生のブログから学ばせて頂き、新たな集合知が出来上がっていく事を楽しみにしていきたいと思います。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。】
たがしゅう 先生
毎年、素晴らしいコメントを、ありがとうございます。
たがしゅう先生に、客観的な意見を述べて頂くことで私の頭の中が整理されて、視界が開ける気がします。
今回は、レヴィ=ストロースとは格調高いです。
レヴィ=ストロースと構造主義、学生時代に読んだような記憶がありますが、内容はほとんど覚えていません。
構造主義、懐かしいです。忘れてましたのでまた勉強します。
『それは先生が意識されているかどうかわかりませんが、ネット世界という言わばヒトだけが生息する広大な自然界の中の様々な情報を集めて集合させ、そして「構造」が組み立てられ一つの「集合知」になっていくという形式に先生が魅せられたからではないかと私は想像しています。 』
なるほど、今回も言われてみたら、まさにその通りだと思います。
アドラー心理学の本を教えて貰ったときのことを思い出します。
たがしゅう先生、鋭いですね。
確かに、フェイスブックやツイッターでは、練り上げた「集合知」には結びつきません。
フェイスブックやツイッターは、情報の速さに特徴があると思います。
そのため、推敲して考えを練るといったプロセスが省かれていて、私には向いていないと考えました。
私自身は、「構造」「集合知」というほど格調高い認識はありませんでしたが、 じっくり情報を発信できて、複数の相手もじっくりコメントを書けるという、 しっかりとした情報とコミュニケーションが可能だという思いで、ブログにしました。
『一人ひとりが持っている知識はちっぽけで役に立たないものかもしれませんが、それが広く集まっていく事で時に素晴らしい集合知が出来上がる。先生のブログはその事をまさに体現なさっているように私には思えます。』
ありがとうございます。
「集合知」というのは、『見ず知らずの他人同士が知恵を出し合って構築する知』と、 東京経済大学教授、情報学者の西垣通さんが、定義していました。
東日本大震災のときは、ツイッターが大活躍で、安否確認とか電車情報には、非常に役だったそうで、これも一種の集合知と言えるそうです。
このような単純情報には、ツイッターでも「集合知」が形成されて役に立つのですが、より複雑な事柄になるとツイッターでは無理です。
例えば、糖質制限食、ケトン体、糖尿病、インスリン、たんぱく質と血糖値、食後高血糖、平均血糖変動幅、糖質制限食実践時の好ましくない症状・・・
これらの複雑な問題は、ブログ内で、多様な意見交換を繰り返すことで、「集合知」が形成され、その精度も高まって行きます。
様々な質問に回答することも、「集合知」に結びついていきますね。
集合知が成り立つカギは「多様性」にあるそうなので、様々な意見をコメント頂くのは嬉しい限りです。
江部康二
2007年03月23日 (金)
こんばんは、江部康二です。
今回は、テーラーメイドダイエット編の最終話です。
ところで玄米魚菜食、糖質制限食、断食に共通する現象があります。それは血糖値の上下動が少なくて代謝が安定することで、これが各食事療法の効果という点で決定的に重要といえます。
空腹時血糖値と食後血糖値の差を「ブドウ糖スパイク」といいます。糖尿病の人が糖質を摂取すればブドウ糖スパイクは100~200,300mg/dlとなりリアルタイムに血管内皮を傷つけ動脈硬化を生じ、将来の心筋梗塞のリスクとなります。
正常の人でも白いパンなど精製された糖質を食べると、60~70mgのミニスパイクを生じて代謝が乱れます。このミニスパイクを30年、40年、50年と毎日繰り返すことが生活習慣病の根本要因と私は考えています。玄米なら正常の人だと20~30mgしか血糖を上昇させず代謝が安定します。
残念ながら糖尿病になってしまったら私自身でも明らかなように玄米でも100~200のブドウ糖スパイクを起こしてしまうので糖質制限食が必要となるのです。糖質制限食なら血糖値の上下動は正常人ではほとんどなくなり、糖尿人でもかなり小さくなります。
また断食を行えば、速やかに脂肪エネルギーシステムが活性化され、やはり血糖値や代謝が安定します。糖尿病やメタボリック・シンドロームがない人は断食のあと主食を玄米とすれば肉を含めておかずはしっかり食べてもブドウ糖スパイクは生じないので健康を維持できます。
2007年3月現在まで、私は糖質制限食を継続しており体重も56kgを保っています。この食事を続ける限り私は正常人であり糖尿人脱却です。
今回は、テーラーメイドダイエット編の最終話です。
ところで玄米魚菜食、糖質制限食、断食に共通する現象があります。それは血糖値の上下動が少なくて代謝が安定することで、これが各食事療法の効果という点で決定的に重要といえます。
空腹時血糖値と食後血糖値の差を「ブドウ糖スパイク」といいます。糖尿病の人が糖質を摂取すればブドウ糖スパイクは100~200,300mg/dlとなりリアルタイムに血管内皮を傷つけ動脈硬化を生じ、将来の心筋梗塞のリスクとなります。
正常の人でも白いパンなど精製された糖質を食べると、60~70mgのミニスパイクを生じて代謝が乱れます。このミニスパイクを30年、40年、50年と毎日繰り返すことが生活習慣病の根本要因と私は考えています。玄米なら正常の人だと20~30mgしか血糖を上昇させず代謝が安定します。
残念ながら糖尿病になってしまったら私自身でも明らかなように玄米でも100~200のブドウ糖スパイクを起こしてしまうので糖質制限食が必要となるのです。糖質制限食なら血糖値の上下動は正常人ではほとんどなくなり、糖尿人でもかなり小さくなります。
また断食を行えば、速やかに脂肪エネルギーシステムが活性化され、やはり血糖値や代謝が安定します。糖尿病やメタボリック・シンドロームがない人は断食のあと主食を玄米とすれば肉を含めておかずはしっかり食べてもブドウ糖スパイクは生じないので健康を維持できます。
2007年3月現在まで、私は糖質制限食を継続しており体重も56kgを保っています。この食事を続ける限り私は正常人であり糖尿人脱却です。
2007年03月22日 (木)
こんにちは、江部康二です。
前回まで、私が糖尿病を発祥した経緯を書きました。
糖尿病は、遺伝的要素や食生活、ストレスなど様々な要因が重なって発症すると言われています。その中にあって、遺伝的要素と、やはり近年異常なくらいに増えた精製炭水化物の摂取が、糖尿病発症の大きな原因になっていると私は考えています。
アトピー治療や糖尿病治療に携わるなかで、精製炭水化物(糖質)過多の食生活を見直し、玄米魚菜食や糖質制限食など、個々の状態に合わせた食事が病気の予防や治療に必要だと痛感しました。
そして、食事療法として最終的に私がたどり着いたのが、タイトルにもなっている『テーラーメイドダイエット』です。この自分史シリーズも、ようやく『テーラーメイドダイエット』編までやってまいりました。
今回、次回と『糖質制限食とテーラーメイドダイエットに至るまで』の本編(?)です。
<代謝の安定する食事療法>
玄米魚菜食時代、糖質制限食時代を経て、今私は食生活において一人ひとりの体質・病状・嗜好にあわせたテーラーメードの食事療法(tailor made diet)を提唱しています。
たとえば小児、青少年、アトピーや喘息の若い人、成人でも糖尿病やメタボリック・シンドロームなどがないひとなら、主食を未精製の穀物(例えば玄米)にして食生活十カ条(ブログ第一回目参照)の実践ですし、すでに糖尿病を患っている人やメタボリック・シンドロ-ムの人は糖質制限食がベストの選択です。
また、糖質制限食は糖質摂取が少ないので、常に脂肪を燃やすエネルギーシステムが活性化しており、肥満解消にもおおいに役立ちます。
このように「テーラーメード ダイエット」の枠組のなかで考えていけば、玄米魚菜食と糖質制限食は適応対象が異なっているわけで矛盾は生じません。
前回まで、私が糖尿病を発祥した経緯を書きました。
糖尿病は、遺伝的要素や食生活、ストレスなど様々な要因が重なって発症すると言われています。その中にあって、遺伝的要素と、やはり近年異常なくらいに増えた精製炭水化物の摂取が、糖尿病発症の大きな原因になっていると私は考えています。
アトピー治療や糖尿病治療に携わるなかで、精製炭水化物(糖質)過多の食生活を見直し、玄米魚菜食や糖質制限食など、個々の状態に合わせた食事が病気の予防や治療に必要だと痛感しました。
そして、食事療法として最終的に私がたどり着いたのが、タイトルにもなっている『テーラーメイドダイエット』です。この自分史シリーズも、ようやく『テーラーメイドダイエット』編までやってまいりました。
今回、次回と『糖質制限食とテーラーメイドダイエットに至るまで』の本編(?)です。
<代謝の安定する食事療法>
玄米魚菜食時代、糖質制限食時代を経て、今私は食生活において一人ひとりの体質・病状・嗜好にあわせたテーラーメードの食事療法(tailor made diet)を提唱しています。
たとえば小児、青少年、アトピーや喘息の若い人、成人でも糖尿病やメタボリック・シンドロームなどがないひとなら、主食を未精製の穀物(例えば玄米)にして食生活十カ条(ブログ第一回目参照)の実践ですし、すでに糖尿病を患っている人やメタボリック・シンドロ-ムの人は糖質制限食がベストの選択です。
また、糖質制限食は糖質摂取が少ないので、常に脂肪を燃やすエネルギーシステムが活性化しており、肥満解消にもおおいに役立ちます。
このように「テーラーメード ダイエット」の枠組のなかで考えていけば、玄米魚菜食と糖質制限食は適応対象が異なっているわけで矛盾は生じません。
2007年03月20日 (火)
こんにちは、江部康二です。
締め切りに追われる作家の気持ちが分かるような気がする今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回から、表題を『江部康二の新徒然日記Web編』から、『江部康二の糖尿病徒然日記』に変更致しました。
「江部康二の新徒然日記」としてアトピー・ネットワーク リボーン の機関紙に連載してますが、同じ題名ではヒネリがないのと、こちらは糖尿病の話が中心なので、『江部康二の糖尿病徒然日記』に表題を改めました。他紙の締め切りに負けずに頑張って書き続けようと思います。
今回は、糖尿病発症編の続きです。
「脳細胞が人体で一番エネルギーを消費するんやから、頭脳労働者である私は決して太れない!!」と常々豪語していた江部康二としては、穴があったら入りたい心境でした。久しぶりにあう親切な友人達は、私のふくよかになったお腹を見ながら「・・・。」
52歳糖尿病発覚時にはとうとう体重67kgになって、血圧は160/100、腹囲は86cmと、今流行のメタボリック・シンドロームの診断基準を見事に満たしていました。
ここに至り、一念発起して、2002年6月から糖質制限食を開始しました。高雄病院では1999年から院長江部洋一郎が低糖質を基本とした糖尿病治療食(糖質制限食)を実践し画期的な成果をあげていました。
当初、半信半疑だった私も2001年に糖尿病の患者さんに初めて実施し劇的改善を得ていたので、うまくいく確信はありました。肉・魚・野菜・豆腐などおかずは食べ放題で主食(糖質)だけはなしです。酒は日本酒、ビールなどの糖質を含んでいる醸造酒は中止し、もっぱら焼酎(蒸留酒)としました。赤ワインだけは醸造酒の中でも血糖値を上昇させないので適宜飲んでいます。
その結果1年間の糖質制限食で、体重は56kgにおち、血圧も120/70、HbA1Cも4.9%と改善しました。メタボリック・シンドロームも解消しました。
純米大吟醸・恵比寿ビール時代を知る友人達からは非難囂々、ブーイング続出でしたが、糖尿病とおさらばするために背に腹は代えられません。
締め切りに追われる作家の気持ちが分かるような気がする今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回から、表題を『江部康二の新徒然日記Web編』から、『江部康二の糖尿病徒然日記』に変更致しました。
「江部康二の新徒然日記」としてアトピー・ネットワーク リボーン の機関紙に連載してますが、同じ題名ではヒネリがないのと、こちらは糖尿病の話が中心なので、『江部康二の糖尿病徒然日記』に表題を改めました。他紙の締め切りに負けずに頑張って書き続けようと思います。
今回は、糖尿病発症編の続きです。
「脳細胞が人体で一番エネルギーを消費するんやから、頭脳労働者である私は決して太れない!!」と常々豪語していた江部康二としては、穴があったら入りたい心境でした。久しぶりにあう親切な友人達は、私のふくよかになったお腹を見ながら「・・・。」
52歳糖尿病発覚時にはとうとう体重67kgになって、血圧は160/100、腹囲は86cmと、今流行のメタボリック・シンドロームの診断基準を見事に満たしていました。
ここに至り、一念発起して、2002年6月から糖質制限食を開始しました。高雄病院では1999年から院長江部洋一郎が低糖質を基本とした糖尿病治療食(糖質制限食)を実践し画期的な成果をあげていました。
当初、半信半疑だった私も2001年に糖尿病の患者さんに初めて実施し劇的改善を得ていたので、うまくいく確信はありました。肉・魚・野菜・豆腐などおかずは食べ放題で主食(糖質)だけはなしです。酒は日本酒、ビールなどの糖質を含んでいる醸造酒は中止し、もっぱら焼酎(蒸留酒)としました。赤ワインだけは醸造酒の中でも血糖値を上昇させないので適宜飲んでいます。
その結果1年間の糖質制限食で、体重は56kgにおち、血圧も120/70、HbA1Cも4.9%と改善しました。メタボリック・シンドロームも解消しました。
純米大吟醸・恵比寿ビール時代を知る友人達からは非難囂々、ブーイング続出でしたが、糖尿病とおさらばするために背に腹は代えられません。
2007年03月16日 (金)
歌って踊れる漢方医、高雄病院の江部康二です。
今日は、20:00から京都嵐山にある「赤マンマ」というカフェ・レストランにて、ライブを行います。
何を隠そうこの私、バンドのボーカルをやっておりまして、月に一度ライブをやっております。主に第三金曜がライブの日なので、お近くの方や京都に来られた折は、是非のぞいてみて下さい。
で、自分史の続きですが、今回から、私、江部康二が糖尿病の発症した経緯と糖質制限食にたどり着くまでです。
すでに糖尿病を発症されている方も、糖尿病予備軍の方にも参考になる内容です。
<糖尿病発症と糖質制限食>
もともと父も母も糖尿病で、父は77歳の時糖尿病による血流傷害のため右大腿切断手術をし、その後心筋梗塞や肺炎にもなり、80歳で永眠しました。家族歴は完璧なので、私もそこそこ警戒はしていたのですが2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.3%と糖尿病の域に達しており、慌てて食後2時間の血糖値を測定してみると260mg/dlもあり愕然としました。血糖値を上昇させにくい玄米で実験してみても食後血糖値は260前後で変わりませんでした。
通常健康診断で調べる朝一番の空腹時血糖値は十数年間ずっと108mg以下で安心していました。しかし1998年には115mgで初めて糖尿病と正常の境界領域になっていたのに油断して放置していたのです。もっとも玄米は食べているし魚中心で肉は控えめで、週に1.2回テニスはしているし一般的にみれば健康的なライフスタイルのはずでしたが・・・?
40歳過ぎから「酒をやるなら純米大吟醸、ビール飲むなら恵比寿ビール、愛読書並びに推薦書は夏子の酒・・・」てなキャッチコピーでそれまでのウィスキーやブランデーから純米酒と恵比寿ビールに切り替えて当時浴びるように飲んでいたのが今から思えば敗因でした。通常食後高血糖が数年間続いたあとに、空腹時血糖値が上昇すると言われているので、実は1990年代の初めごろからとっくに食後高血糖が存在した可能性が高かったのです。(読者の皆さんも糖尿病の早期チェックには空腹時血糖値ではなく主食摂取後2時間血糖値を調べてくださいね。)
42~43歳ごろから毎日食事の度に食後高血糖を繰り返し、だめ押しに毎晩毎晩、雨の日も風の日も雪の日も律儀に純米酒と恵比寿ビールで飲酒後高血糖を生じていたのでしょう。このごろはテニスの帰りにスポーツジムにもよって自転車こぎや腹筋・背筋運動もやってましたが、なぜか体重は徐々に増加し腹回りも順調に育っていきました。しっかり摘めるお肉なので筋肉増強ではなく脂肪増強に間違いありません。「何故だ!!」戸惑いと憤りが湧いてくるものの誰のせいでもありませんし現実は厳しいものでした。
今日は、20:00から京都嵐山にある「赤マンマ」というカフェ・レストランにて、ライブを行います。
何を隠そうこの私、バンドのボーカルをやっておりまして、月に一度ライブをやっております。主に第三金曜がライブの日なので、お近くの方や京都に来られた折は、是非のぞいてみて下さい。
で、自分史の続きですが、今回から、私、江部康二が糖尿病の発症した経緯と糖質制限食にたどり着くまでです。
すでに糖尿病を発症されている方も、糖尿病予備軍の方にも参考になる内容です。
<糖尿病発症と糖質制限食>
もともと父も母も糖尿病で、父は77歳の時糖尿病による血流傷害のため右大腿切断手術をし、その後心筋梗塞や肺炎にもなり、80歳で永眠しました。家族歴は完璧なので、私もそこそこ警戒はしていたのですが2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.3%と糖尿病の域に達しており、慌てて食後2時間の血糖値を測定してみると260mg/dlもあり愕然としました。血糖値を上昇させにくい玄米で実験してみても食後血糖値は260前後で変わりませんでした。
通常健康診断で調べる朝一番の空腹時血糖値は十数年間ずっと108mg以下で安心していました。しかし1998年には115mgで初めて糖尿病と正常の境界領域になっていたのに油断して放置していたのです。もっとも玄米は食べているし魚中心で肉は控えめで、週に1.2回テニスはしているし一般的にみれば健康的なライフスタイルのはずでしたが・・・?
40歳過ぎから「酒をやるなら純米大吟醸、ビール飲むなら恵比寿ビール、愛読書並びに推薦書は夏子の酒・・・」てなキャッチコピーでそれまでのウィスキーやブランデーから純米酒と恵比寿ビールに切り替えて当時浴びるように飲んでいたのが今から思えば敗因でした。通常食後高血糖が数年間続いたあとに、空腹時血糖値が上昇すると言われているので、実は1990年代の初めごろからとっくに食後高血糖が存在した可能性が高かったのです。(読者の皆さんも糖尿病の早期チェックには空腹時血糖値ではなく主食摂取後2時間血糖値を調べてくださいね。)
42~43歳ごろから毎日食事の度に食後高血糖を繰り返し、だめ押しに毎晩毎晩、雨の日も風の日も雪の日も律儀に純米酒と恵比寿ビールで飲酒後高血糖を生じていたのでしょう。このごろはテニスの帰りにスポーツジムにもよって自転車こぎや腹筋・背筋運動もやってましたが、なぜか体重は徐々に増加し腹回りも順調に育っていきました。しっかり摘めるお肉なので筋肉増強ではなく脂肪増強に間違いありません。「何故だ!!」戸惑いと憤りが湧いてくるものの誰のせいでもありませんし現実は厳しいものでした。