2016年10月09日 (日)
おはようございます。
2016年10月8日(土)
午後7時30分~8時43分
NHKスペシャル
“血糖値スパイク”が危ない
~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~
視聴しました。
おおたさん、岸和田のセイゲニストさんからコメントを頂きました。
ありがとうございます。
お二人が仰っているように、私が日頃、警鐘を鳴らし続けてきた「グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)」について、詳しく解説があったのは大変良かったです。
糖尿病と診断される前の段階で、健康診断では正常な人でも、ブドウ糖スパイクがあり、心筋梗塞、脳梗塞、ガン、認知症のリスクとなることがきちんと説明されていました。
また、インスリンの過剰分泌が認知症のリスクになることも説明されました。
ある会社では、65人中20人にブドウ糖スパイクが認められたそうです。
ご本人は、全く気がついてないわけですから、実に危険です。
早期に、発見するには、食事開始後、60分で採血して血糖値で測定することです。
例えば、午前8時に食事開始なら、午前9時に医院で血糖測定です。
また出演した医師が、血糖自己測定器を奨めていました。
これは、とても良いことです。
血糖自己測定器、大分、安価となりました。
私から見ると、『糖尿病学会さん、墓穴を掘った』と思いました。
血糖自己測定器が普及すれば、<糖質摂取→血糖値上昇→ブドウ糖スパイク>という流れが一目瞭然です。
ステーキを食べても、ブドウ糖スパイクを生じないことはすぐに分かります。
そうなると、糖質制限食の理論的正当性が認識されると思います。
それにしても、「ブドウ糖スパイク」「インスリン過剰分泌」は、糖質摂取のときだけ生じて、たんぱく質と脂質では生じないという肝腎なことが説明なしだったのは如何なものでしょう?
このように前半はそれなりに良いところが多かったのですが、ブドウ糖スパイクに対する対策が、残念でした。
◆対策1 食べる順番は「野菜」⇒「肉・魚」⇒「ご飯・パン」
こんな方法では効果は限定的です。
結局、6人が試みて、2人しか改善していません。
糖質の摂取量を減らす糖質制限食こそが、ブドウ糖スパイク改善の根本的な食事療法です。
糖質制限食なら、全員が改善です。
◆対策2 「朝ごはん」はちゃんと食べよう!「ごはん抜き」は厳禁
そもそも人類は長い間、1日2食です。
日本でも1日3食になったのは、江戸中期以降です。
そして糖質制限食なら、朝食抜きの、1日2食でもブドウ糖スパイクは、まったく生じません。
◆対策3 「食後すぐ」の「ちょこちょこ動き」が効果的!
これは、良いと思います。
やる価値があります。
糖質制限食に関して、折角視聴者から質問があったのですが、回答した医師は、「ブドウ糖スパイクは予防できる。体重も改善する。極端な糖質制限は良くない」と煮え切らない説明をしました。
ともあれ、NHKさん、喝!ですね。
このようなテーマの番組を企画したならば、
『「ブドウ糖スパイク」「インスリン過剰分泌」は糖質摂取のときだけ生じて、たんぱく質と脂質では生じない。』
『糖質制限食実践で、ブドウ糖スパイクとインスリン過剰分泌は防げる』
という明確な事実を、NHKは国民に広く知らせる義務があったと思います。
江部康二
【16/10/09 岸和田のセイゲニスト
昨夜のNHKスペシャル「血糖値スパイクが危ない」観ました。
http://www6.nhk.or.jp/special/sp/detail/index.html?aid=20161008
放送内容は、血糖値スパイクの身体への影響が取り上げられてました。これは、江部先生がいつも言われてる事が放送されたのは、本当に嬉しかったです。
ですが「誰でも食事をすれば血糖値スパイクが起こりえる」という流れから、最後は、「野菜から食べる」「食後の運動」などありきたりのお茶を濁す感じになりました。
この糖質(炭水化物)制限は、酒やタバコとは違い、日本の食生活の根幹(生産から加工供給に至るまで、関わってる人口が多すぎる)に関わる事なので、本当にこれからも苦難な道のりと再認識出来ました。
今後は、現在の血圧計の様な(さらに出来ればスマホで)針を刺すことなく、簡単に血糖値が計測出来る物が出回れば、より説得力が強まると思いました。】
【16/10/08 おおた
NHKスペシャル「血糖値スパイク」
本日、放送のNHKスペシャルを見ました。
1.良かった点
江部先生が重要視されていらっしゃる、血糖値スパイクをこれだけ大々的に特集した番組は、おそらく初めてではないでしょうか。
番組の説明で、血糖値スパイクは糖尿病とは別の病気であり、健康診断で正常な人でも血糖値スパイクになり得る。 血糖値スパイクは認知症、心筋梗塞、脳梗塞、ガンの元となる。これらのことを解りやすく説明されており、私を含めて多くの視聴者は、血糖値スパイクの恐ろしさが良く理解できたのではないでしょうか?
2.悪かった点
肝心な糖質制限の話がほんの少ししか出ませんでした。視聴者の糖質制限の質問に慶応大の先生が肯定的なのか、否定的なのか、よく分からない回答をしていました。
また、血糖値スパイクの改善方法として、「食べる順番に気を付けろ」で最後にしっかり糖質を食べて「改善した」という人は6人中たった2人であり、根本的な改善とは言えないではないでしょうか?
以上、乱文申し訳ありませんが、取り急ぎ御報告までです。】
☆☆☆
以下、NHKのサイトから一部抜粋
http://www.nhk.or.jp/special/kettouchi/result/index.html
NHKスペシャル
“血糖値スパイク”が危ない
~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~
放送:10月8日(土)午後7時30分~午後8時43分
健康診断では「血糖値は正常」と言われたのに、知らないうちに体中の大事な血管が痛めつけられ、突然死やがん、認知症まで招いてしまう――。そんな恐ろしい「血糖値の異常」がいま日本人に蔓延しているという事実が、最新研究によって明らかになってきました。名付けて“血糖値スパイク”(食後高血糖)。
その知られざる実態と、超簡単な撃退法を大特集!
健康診断では見つかりにくい「血糖値の異常」
「血糖値」とは血液中を流れる糖分の量を示すもので、一般的な健康診断の検査項目にも入っています。これが一定値より高い状態が続くと「糖尿病」と診断されます。
ところが最近の研究で、糖尿病ではない人の中に、「普段は正常だが、“食後の短時間だけ”血糖値が急上昇する」という現象が起きていることがわかってきました。それこそが、今回取り上げた「血糖値スパイク」。番組の調査では、健康診断で正常と言われていた働き盛りの世代65人のうち、20人で“血糖値スパイク”が起きていることが判明。また別の調査では、やせ型の20代女性の5人に1人に、“血糖値スパイク”が起きているというデータもあります。老若男女、誰にでも起こりうる問題なのです。
厄介なことに、この“血糖値スパイク”は「空腹時の血糖値」を調べる通常の健康診断などではなかなか見つけられません。食後1~2時間のうちに血糖値を調べない限り、“血糖値スパイク”が起きていることに気づきにくいのです。
青線は、健康な人の1日の典型的な血糖値の変化。ゆるやかに上下している。
一方、赤線が「血糖値スパイク」が起きている人。
とがった針のような血糖値の急上昇が、食後にだけ起きるのが特徴だ。
(血糖値が140以上に急上昇すると、「血糖値スパイク」と判定される。)
突然死のリスクを高める”血糖値スパイク”
心筋梗塞を起こして病院に運ばれた40代の男性。検査の結果、心臓から延びる太い血管が「動脈硬化」を起こして細くくびれ、血流が滞っていました。これまで男性は、健康診断で心臓に問題を指摘されたことはありません。しかし、医師から告げられた思いもよらない動脈硬化の原因は、“血糖値スパイク”。なぜ食後の血糖値の急上昇が、動脈硬化を引き起こすのでしょうか?
イタリアの最新研究で、そのメカニズムが突き止められました。血管の内壁の細胞を糖分の多い液と少ない液にかわるがわる浸し、“血糖値スパイク”が繰り返し起きている状態を再現したところ、細胞から大量の「活性酸素」が発生することが判明。活性酸素は、細胞を傷つける有害物質です。“血糖値スパイク”の状態を2週間続けると、細胞のおよそ4割が死んでしまいました。実はこれが動脈硬化につながる原因。
血管の壁が傷つくと、それを修復しようと集まった免疫細胞が、傷ついた血管壁の内側に入り込んで壁を厚くし、血管の内側を狭めていきます。それが「動脈硬化」です。“血糖値スパイク”が起きている人は、血管の随所で動脈硬化が多発し、やがて心筋梗塞や脳梗塞を引き起こして、突然死のリスクが高まることになります。
動脈硬化によってふさがり、血流が滞った状態の心臓の血管。
こうした動脈硬化が至るところで多発するのが、「血糖値スパイク」を起こしている人の特徴であることがわかってきた。
認知症・がんのリスクを高めることも
通常、食事から摂取された糖分は、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きによって筋肉の細胞などに取り込まれ、血液中に残る糖分の量(=血糖値)は適正に調整されています。
ところが、生まれ持った体質や生活習慣の乱れが原因で、細胞が糖を吸収する能力が低下することがあります。すると、インスリンが頑張っても、血液中の糖をうまくに細胞に送りこむことができず、血糖値が急上昇します。そこですい臓は、さらに大量のインスリンを出し、なんとか糖を細胞に取り込ませて血糖値を正常レベルに戻します。このようにして、針のように上がり下がりする“血糖値スパイク”が生じるのです。
最近、この「インスリンの多い状態」が体に及ぼす“悪影響”が、明らかになってきました。インスリンが多い状態では、記憶力が衰えやすいことが、ネズミの実験で確かめられたのです。脳を調べると、「アミロイドベータ」という物質が蓄積していました。この物質は、アルツハイマー型認知症の原因とも言われ、脳の神経細胞を死に至らしめる有害な老廃物です。つまり“血糖値スパイク”が生じて体内のインスリンが多い状態の人は、脳内で「アミロイドベータ」の蓄積が進んでいる可能性があるのです。 さらにインスリンには細胞を増殖させる働きがあるため、がん細胞の増殖も促す危険性が指摘されています。
アミロイドベータが脳に蓄積すると、神経細胞が死んで脳が萎縮してしまう。
これがアルツハイマー型認知症の原因とも考えられている。
「血糖値スパイク」は、そんなアミロイドベータを増やしてしまうことが、最新研究でわかってきた。
“血糖値スパイク”が起きているかどうか、どうすればわかる?
福岡県久山町では九州大学と共同で、40代以上の住民およそ8000人を対象に大規模な健康調査を行い、そのおよそ2割に“血糖値スパイク”が生じていることを突き止めました。同様な状況が全国で生じているとすると、日本全体で“血糖値スパイク”を生じている人は1400万人以上もいると推定されます。
さらに大量の調査データを分析したところ、どんな人が“血糖値スパイク”を起こしやすいかという「条件」も明らかになってきました。それを基に、今回番組では九州大学の研究者と共同で、“血糖値スパイク”の危険度を判定できる「チェックテスト」を作成しました。“血糖値スパイク”の起こりやすさに影響する8つの大きな要素から、あなたが“血糖値スパイク”を起こしているかどうか、その危険性を判定することができます。ぜひ試してみてください。
どうすれば”血糖値スパイク”を解消できる?
チェックテストで“血糖値スパイク”の危険度が高いと判定されたら、どうすれば良いのか?ご安心ください。実は最新研究で、恐ろしい“血糖値スパイク”も、ごく簡単な食事や生活の工夫によって、たちまち解消できることがわかってきているのです。
重要なポイントは、ご飯やパンなどに多く含まれる糖質が体に吸収されるスピードを遅くし、血糖値の急上昇を抑えること。
番組では、大きく3つの対策をご紹介しました。
◆対策1 食べる順番は「野菜」⇒「肉・魚」⇒「ご飯・パン」
食物繊維を多く含む野菜などを最初に食べると、食物繊維が腸の壁をコーティングし、後から糖が入ってきた時に、その吸収をゆっくりにする作用があります。
その次に食べるなら、タンパク質や脂質を含む肉や魚など。胃から腸へ運ばれる際、タンパク質や脂質に反応して「インクレチン」というホルモンが放出され、その働きで胃腸の動きが遅くなります。
その後にご飯やパンなど糖質を含むものを食べれば、消化吸収に時間がかかるため、血糖値の上昇が緩やかになるのです。(とはいえ、糖質をたくさんとれば、やはり食後の血糖値の過剰な上昇を招きます。糖のとりすぎには気をつけましょう。)
◆対策2 「朝ごはん」はちゃんと食べよう!「ごはん抜き」は厳禁
実験によれば、1日3食を規則正しく食べている時には“血糖値スパイク”が生じなかった人でも、朝ごはんを抜くと、昼食の後に“血糖値スパイク”が発生。朝食も昼食も抜くと、夕食の後にさらに大きな“血糖値スパイク”が生じてしまうことがわかりました。つまり、しばらく何も食べずにいた後の食事では、“血糖値スパイク”が一層起きやすくなるのです。
忙しくても、きちんと3食食べることが、“血糖値スパイク”を解消する重要なポイントだったのです。
◆対策3 「食後すぐ」の「ちょこちょこ動き」が効果的!
“血糖値スパイク”を抑えるには、運動も大事。と言っても、そんなに大したことをしなくても効果があることが、最近の研究で明らかになってきました。食事のあと、「食休み」と思って動かずにいると、とくに “血糖値スパイク”が起きている人はなかなか血糖値が下がらず、血糖値の高い状態が続いてしまいます。ところが食後すぐにちょっとした散歩をした程度でも、速やかに血糖値が下がることがわかったのです。
食後15分間程度は、消化吸収をよくするため、全身の血液が胃腸に集められます。すると胃腸の動きが活発になり、食事中の糖分もどんどん腸から吸収されて、血糖値が急速に上がりがちです。ところがこの間に体を動かすと、手や足の筋肉などに血液が奪われ、胃腸の活動が低下します。すると、食べたものに含まれる糖分の吸収にも時間がかかり、“血糖値スパイク”が抑えられるのです。
つまり、体を動かすなら「食後すぐ」が効果的!少し離れたところまでランチを食べに出て、食後すぐ歩いて帰るのも良いでしょう。日常的な動作程度でも、とにかく意識して食後すぐに活発に体を動かしてみることをお勧めします。
糖尿病ばかりか、心筋梗塞・脳梗塞、がん、認知症まで招く、恐ろしい“血糖値スパイク”。でも、血糖値が上昇するメカニズムを知り、それを抑える生活習慣を心がければ、たちまち解消できます!大事なのは、健康診断の「正常」という結果だけで慢心せず、自分の日ごろの血糖値の変化に意識・関心を持つことです。
「危険度チェック」でリスクが高いと判定された人も、上記のような対策を続けるうちに、血糖値が上がりにくい体が取り戻され、様々な病気のリスクを解消することができます。ぜひこれを機会に、ふだんの食事や生活の習慣を見直して、“血糖値スパイク”の脅威と決別しましょう!
2016年10月8日(土)
午後7時30分~8時43分
NHKスペシャル
“血糖値スパイク”が危ない
~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~
視聴しました。
おおたさん、岸和田のセイゲニストさんからコメントを頂きました。
ありがとうございます。
お二人が仰っているように、私が日頃、警鐘を鳴らし続けてきた「グルコーススパイク(ブドウ糖スパイク)」について、詳しく解説があったのは大変良かったです。
糖尿病と診断される前の段階で、健康診断では正常な人でも、ブドウ糖スパイクがあり、心筋梗塞、脳梗塞、ガン、認知症のリスクとなることがきちんと説明されていました。
また、インスリンの過剰分泌が認知症のリスクになることも説明されました。
ある会社では、65人中20人にブドウ糖スパイクが認められたそうです。
ご本人は、全く気がついてないわけですから、実に危険です。
早期に、発見するには、食事開始後、60分で採血して血糖値で測定することです。
例えば、午前8時に食事開始なら、午前9時に医院で血糖測定です。
また出演した医師が、血糖自己測定器を奨めていました。
これは、とても良いことです。
血糖自己測定器、大分、安価となりました。
私から見ると、『糖尿病学会さん、墓穴を掘った』と思いました。
血糖自己測定器が普及すれば、<糖質摂取→血糖値上昇→ブドウ糖スパイク>という流れが一目瞭然です。
ステーキを食べても、ブドウ糖スパイクを生じないことはすぐに分かります。
そうなると、糖質制限食の理論的正当性が認識されると思います。
それにしても、「ブドウ糖スパイク」「インスリン過剰分泌」は、糖質摂取のときだけ生じて、たんぱく質と脂質では生じないという肝腎なことが説明なしだったのは如何なものでしょう?
このように前半はそれなりに良いところが多かったのですが、ブドウ糖スパイクに対する対策が、残念でした。
◆対策1 食べる順番は「野菜」⇒「肉・魚」⇒「ご飯・パン」
こんな方法では効果は限定的です。
結局、6人が試みて、2人しか改善していません。
糖質の摂取量を減らす糖質制限食こそが、ブドウ糖スパイク改善の根本的な食事療法です。
糖質制限食なら、全員が改善です。
◆対策2 「朝ごはん」はちゃんと食べよう!「ごはん抜き」は厳禁
そもそも人類は長い間、1日2食です。
日本でも1日3食になったのは、江戸中期以降です。
そして糖質制限食なら、朝食抜きの、1日2食でもブドウ糖スパイクは、まったく生じません。
◆対策3 「食後すぐ」の「ちょこちょこ動き」が効果的!
これは、良いと思います。
やる価値があります。
糖質制限食に関して、折角視聴者から質問があったのですが、回答した医師は、「ブドウ糖スパイクは予防できる。体重も改善する。極端な糖質制限は良くない」と煮え切らない説明をしました。
ともあれ、NHKさん、喝!ですね。
このようなテーマの番組を企画したならば、
『「ブドウ糖スパイク」「インスリン過剰分泌」は糖質摂取のときだけ生じて、たんぱく質と脂質では生じない。』
『糖質制限食実践で、ブドウ糖スパイクとインスリン過剰分泌は防げる』
という明確な事実を、NHKは国民に広く知らせる義務があったと思います。
江部康二
【16/10/09 岸和田のセイゲニスト
昨夜のNHKスペシャル「血糖値スパイクが危ない」観ました。
http://www6.nhk.or.jp/special/sp/detail/index.html?aid=20161008
放送内容は、血糖値スパイクの身体への影響が取り上げられてました。これは、江部先生がいつも言われてる事が放送されたのは、本当に嬉しかったです。
ですが「誰でも食事をすれば血糖値スパイクが起こりえる」という流れから、最後は、「野菜から食べる」「食後の運動」などありきたりのお茶を濁す感じになりました。
この糖質(炭水化物)制限は、酒やタバコとは違い、日本の食生活の根幹(生産から加工供給に至るまで、関わってる人口が多すぎる)に関わる事なので、本当にこれからも苦難な道のりと再認識出来ました。
今後は、現在の血圧計の様な(さらに出来ればスマホで)針を刺すことなく、簡単に血糖値が計測出来る物が出回れば、より説得力が強まると思いました。】
【16/10/08 おおた
NHKスペシャル「血糖値スパイク」
本日、放送のNHKスペシャルを見ました。
1.良かった点
江部先生が重要視されていらっしゃる、血糖値スパイクをこれだけ大々的に特集した番組は、おそらく初めてではないでしょうか。
番組の説明で、血糖値スパイクは糖尿病とは別の病気であり、健康診断で正常な人でも血糖値スパイクになり得る。 血糖値スパイクは認知症、心筋梗塞、脳梗塞、ガンの元となる。これらのことを解りやすく説明されており、私を含めて多くの視聴者は、血糖値スパイクの恐ろしさが良く理解できたのではないでしょうか?
2.悪かった点
肝心な糖質制限の話がほんの少ししか出ませんでした。視聴者の糖質制限の質問に慶応大の先生が肯定的なのか、否定的なのか、よく分からない回答をしていました。
また、血糖値スパイクの改善方法として、「食べる順番に気を付けろ」で最後にしっかり糖質を食べて「改善した」という人は6人中たった2人であり、根本的な改善とは言えないではないでしょうか?
以上、乱文申し訳ありませんが、取り急ぎ御報告までです。】
☆☆☆
以下、NHKのサイトから一部抜粋
http://www.nhk.or.jp/special/kettouchi/result/index.html
NHKスペシャル
“血糖値スパイク”が危ない
~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~
放送:10月8日(土)午後7時30分~午後8時43分
健康診断では「血糖値は正常」と言われたのに、知らないうちに体中の大事な血管が痛めつけられ、突然死やがん、認知症まで招いてしまう――。そんな恐ろしい「血糖値の異常」がいま日本人に蔓延しているという事実が、最新研究によって明らかになってきました。名付けて“血糖値スパイク”(食後高血糖)。
その知られざる実態と、超簡単な撃退法を大特集!
健康診断では見つかりにくい「血糖値の異常」
「血糖値」とは血液中を流れる糖分の量を示すもので、一般的な健康診断の検査項目にも入っています。これが一定値より高い状態が続くと「糖尿病」と診断されます。
ところが最近の研究で、糖尿病ではない人の中に、「普段は正常だが、“食後の短時間だけ”血糖値が急上昇する」という現象が起きていることがわかってきました。それこそが、今回取り上げた「血糖値スパイク」。番組の調査では、健康診断で正常と言われていた働き盛りの世代65人のうち、20人で“血糖値スパイク”が起きていることが判明。また別の調査では、やせ型の20代女性の5人に1人に、“血糖値スパイク”が起きているというデータもあります。老若男女、誰にでも起こりうる問題なのです。
厄介なことに、この“血糖値スパイク”は「空腹時の血糖値」を調べる通常の健康診断などではなかなか見つけられません。食後1~2時間のうちに血糖値を調べない限り、“血糖値スパイク”が起きていることに気づきにくいのです。
青線は、健康な人の1日の典型的な血糖値の変化。ゆるやかに上下している。
一方、赤線が「血糖値スパイク」が起きている人。
とがった針のような血糖値の急上昇が、食後にだけ起きるのが特徴だ。
(血糖値が140以上に急上昇すると、「血糖値スパイク」と判定される。)
突然死のリスクを高める”血糖値スパイク”
心筋梗塞を起こして病院に運ばれた40代の男性。検査の結果、心臓から延びる太い血管が「動脈硬化」を起こして細くくびれ、血流が滞っていました。これまで男性は、健康診断で心臓に問題を指摘されたことはありません。しかし、医師から告げられた思いもよらない動脈硬化の原因は、“血糖値スパイク”。なぜ食後の血糖値の急上昇が、動脈硬化を引き起こすのでしょうか?
イタリアの最新研究で、そのメカニズムが突き止められました。血管の内壁の細胞を糖分の多い液と少ない液にかわるがわる浸し、“血糖値スパイク”が繰り返し起きている状態を再現したところ、細胞から大量の「活性酸素」が発生することが判明。活性酸素は、細胞を傷つける有害物質です。“血糖値スパイク”の状態を2週間続けると、細胞のおよそ4割が死んでしまいました。実はこれが動脈硬化につながる原因。
血管の壁が傷つくと、それを修復しようと集まった免疫細胞が、傷ついた血管壁の内側に入り込んで壁を厚くし、血管の内側を狭めていきます。それが「動脈硬化」です。“血糖値スパイク”が起きている人は、血管の随所で動脈硬化が多発し、やがて心筋梗塞や脳梗塞を引き起こして、突然死のリスクが高まることになります。
動脈硬化によってふさがり、血流が滞った状態の心臓の血管。
こうした動脈硬化が至るところで多発するのが、「血糖値スパイク」を起こしている人の特徴であることがわかってきた。
認知症・がんのリスクを高めることも
通常、食事から摂取された糖分は、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きによって筋肉の細胞などに取り込まれ、血液中に残る糖分の量(=血糖値)は適正に調整されています。
ところが、生まれ持った体質や生活習慣の乱れが原因で、細胞が糖を吸収する能力が低下することがあります。すると、インスリンが頑張っても、血液中の糖をうまくに細胞に送りこむことができず、血糖値が急上昇します。そこですい臓は、さらに大量のインスリンを出し、なんとか糖を細胞に取り込ませて血糖値を正常レベルに戻します。このようにして、針のように上がり下がりする“血糖値スパイク”が生じるのです。
最近、この「インスリンの多い状態」が体に及ぼす“悪影響”が、明らかになってきました。インスリンが多い状態では、記憶力が衰えやすいことが、ネズミの実験で確かめられたのです。脳を調べると、「アミロイドベータ」という物質が蓄積していました。この物質は、アルツハイマー型認知症の原因とも言われ、脳の神経細胞を死に至らしめる有害な老廃物です。つまり“血糖値スパイク”が生じて体内のインスリンが多い状態の人は、脳内で「アミロイドベータ」の蓄積が進んでいる可能性があるのです。 さらにインスリンには細胞を増殖させる働きがあるため、がん細胞の増殖も促す危険性が指摘されています。
アミロイドベータが脳に蓄積すると、神経細胞が死んで脳が萎縮してしまう。
これがアルツハイマー型認知症の原因とも考えられている。
「血糖値スパイク」は、そんなアミロイドベータを増やしてしまうことが、最新研究でわかってきた。
“血糖値スパイク”が起きているかどうか、どうすればわかる?
福岡県久山町では九州大学と共同で、40代以上の住民およそ8000人を対象に大規模な健康調査を行い、そのおよそ2割に“血糖値スパイク”が生じていることを突き止めました。同様な状況が全国で生じているとすると、日本全体で“血糖値スパイク”を生じている人は1400万人以上もいると推定されます。
さらに大量の調査データを分析したところ、どんな人が“血糖値スパイク”を起こしやすいかという「条件」も明らかになってきました。それを基に、今回番組では九州大学の研究者と共同で、“血糖値スパイク”の危険度を判定できる「チェックテスト」を作成しました。“血糖値スパイク”の起こりやすさに影響する8つの大きな要素から、あなたが“血糖値スパイク”を起こしているかどうか、その危険性を判定することができます。ぜひ試してみてください。
どうすれば”血糖値スパイク”を解消できる?
チェックテストで“血糖値スパイク”の危険度が高いと判定されたら、どうすれば良いのか?ご安心ください。実は最新研究で、恐ろしい“血糖値スパイク”も、ごく簡単な食事や生活の工夫によって、たちまち解消できることがわかってきているのです。
重要なポイントは、ご飯やパンなどに多く含まれる糖質が体に吸収されるスピードを遅くし、血糖値の急上昇を抑えること。
番組では、大きく3つの対策をご紹介しました。
◆対策1 食べる順番は「野菜」⇒「肉・魚」⇒「ご飯・パン」
食物繊維を多く含む野菜などを最初に食べると、食物繊維が腸の壁をコーティングし、後から糖が入ってきた時に、その吸収をゆっくりにする作用があります。
その次に食べるなら、タンパク質や脂質を含む肉や魚など。胃から腸へ運ばれる際、タンパク質や脂質に反応して「インクレチン」というホルモンが放出され、その働きで胃腸の動きが遅くなります。
その後にご飯やパンなど糖質を含むものを食べれば、消化吸収に時間がかかるため、血糖値の上昇が緩やかになるのです。(とはいえ、糖質をたくさんとれば、やはり食後の血糖値の過剰な上昇を招きます。糖のとりすぎには気をつけましょう。)
◆対策2 「朝ごはん」はちゃんと食べよう!「ごはん抜き」は厳禁
実験によれば、1日3食を規則正しく食べている時には“血糖値スパイク”が生じなかった人でも、朝ごはんを抜くと、昼食の後に“血糖値スパイク”が発生。朝食も昼食も抜くと、夕食の後にさらに大きな“血糖値スパイク”が生じてしまうことがわかりました。つまり、しばらく何も食べずにいた後の食事では、“血糖値スパイク”が一層起きやすくなるのです。
忙しくても、きちんと3食食べることが、“血糖値スパイク”を解消する重要なポイントだったのです。
◆対策3 「食後すぐ」の「ちょこちょこ動き」が効果的!
“血糖値スパイク”を抑えるには、運動も大事。と言っても、そんなに大したことをしなくても効果があることが、最近の研究で明らかになってきました。食事のあと、「食休み」と思って動かずにいると、とくに “血糖値スパイク”が起きている人はなかなか血糖値が下がらず、血糖値の高い状態が続いてしまいます。ところが食後すぐにちょっとした散歩をした程度でも、速やかに血糖値が下がることがわかったのです。
食後15分間程度は、消化吸収をよくするため、全身の血液が胃腸に集められます。すると胃腸の動きが活発になり、食事中の糖分もどんどん腸から吸収されて、血糖値が急速に上がりがちです。ところがこの間に体を動かすと、手や足の筋肉などに血液が奪われ、胃腸の活動が低下します。すると、食べたものに含まれる糖分の吸収にも時間がかかり、“血糖値スパイク”が抑えられるのです。
つまり、体を動かすなら「食後すぐ」が効果的!少し離れたところまでランチを食べに出て、食後すぐ歩いて帰るのも良いでしょう。日常的な動作程度でも、とにかく意識して食後すぐに活発に体を動かしてみることをお勧めします。
糖尿病ばかりか、心筋梗塞・脳梗塞、がん、認知症まで招く、恐ろしい“血糖値スパイク”。でも、血糖値が上昇するメカニズムを知り、それを抑える生活習慣を心がければ、たちまち解消できます!大事なのは、健康診断の「正常」という結果だけで慢心せず、自分の日ごろの血糖値の変化に意識・関心を持つことです。
「危険度チェック」でリスクが高いと判定された人も、上記のような対策を続けるうちに、血糖値が上がりにくい体が取り戻され、様々な病気のリスクを解消することができます。ぜひこれを機会に、ふだんの食事や生活の習慣を見直して、“血糖値スパイク”の脅威と決別しましょう!
2016年07月01日 (金)
【16/06/30 ひらがなげんない
私も朝の番組を見ておりました。
江部先生、こんにちは。
いつも貴重な情報をありがとうございます。
私も朝の番組を見ておりましたが 3年も前にフジテレビで同様の内容を放送されていたようで 江部先生のブログでも取り上げていただいています。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2419.html
モーニングショー
https://www.youtube.com/watch?v=FfA4M6gixoI
27万人の追跡調査というネタで新しい情報という訳でもないのに 未だに否定をするというのはどういう事なんでしょうかね。】
ひらがなげんない さん
コメント、情報をありがとうございます。
ユーチューブの映像をみてみましたが、2016年6月30日の羽鳥慎一モーニングショーにおける糖質制限批判、間違いだらけの情報発信で視聴者に大変迷惑です。
番組関係者の方、本ブログをみて、糖質制限の現状、真実を理解して頂き、羽鳥慎一氏にお伝え頂けば幸いです。
羽鳥慎一モーニングショーのスタッフの方々の良識を信じたいと思います。
羽鳥慎一さん、学んで下さい。お願いします。
1)
『ADA(米国糖尿病学会)は、
2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていました。
2008年、「食事療法に関する声明2008」において、
「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、
1年の期限付きで糖質制限食の有効性を認める見解を記載しました。
2011年、肥満を伴う糖尿病患者に
2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認しました。
2013年10月、 「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、
糖質制限食を容認しました。』
2007年までは全面否定していた、ADA(米国糖尿病学会)ですが、
6年間のの歳月を経て、肯定も批判も含めて多数の研究論文を検証して、
2013年糖質制限食を正式に容認したわけです。
勿論、羽鳥慎一モーニングショーで糖質制限批判論文として引用されていた
能登氏の論文も含めて検討したうえで、糖質制限食を容認です。
すなわち糖質制限食の有効性と安全性に関しては、
ADAにおいては、エビデンスレベルで担保されたと考えられます。
このように、2013年10月の時点で、糖質制限食の是非については、
米国においては、すでに決着はついているということです。
2)
日本でもADA「食事療法に関する声明2013」以降、明らかに流れが変わりました。
その流れを受けて、2016/7/2号の週刊東洋経済の記事において、
日本糖尿病学会の門脇孝理事長は、緩い糖質制限食には既に賛成の立場であり、自身は
元慎重派であると述べておられます。
2015年4月から東大病院では、糖質40%というメニューを提供されているそうです。
門脇孝理事長、大変身ですが、とてもいい方向への変化なので私としても嬉しい限りです。
1)により、米国では勿論正式に受容ですし、
2)より日本でも糖質制限食容認の方向に舵をきっているのがわかります。
さて、2016/6/30羽鳥モーニングショーの内容ですが、間違いだらけです。
秋葉原クリニック院長の大和田潔医師は、誤解と知識不足です。
森谷敏夫京大名誉教授は、脳のエネルギー源はブドウ糖だけと信じておられ、脳がケトン体をエネルギー源にすることもご存じない知識レベルです。
羽鳥慎一モーニングショーで糖質制限食批判として引用されていた能登氏の論文は、ご本人も認めているようにエビデンスレベルの低いもので、なおかつ信頼度も低いものです。
糖質制限食で糖新生により、ブドウ糖を作りますが、原料はアミノ酸、乳酸、グリセロール(脂肪酸の分解物)などです。
糖新生は、糖質を食べている人でも空腹時や睡眠時には行っています。
体操選手やテコンドー選手や自転車選手と糖質制限食の研究論文もあり、糖質制限で筋肉は落ちません。
全身の血流・代謝が良くなるので、肌は荒れませんし、しっとりしてきますし、髪の毛も抜けませんし、顎の下もたるみません。
食後の眠気がリアルタイムに改善し、勉強や作業能率が向上し、やる気がでます。
糖質制限中は、糖新生が活発になるので、血糖値は正常に保たれ脳や赤血球などのエネルギー源になりますます。
また脳はケトン体という脂肪酸の分解物をいくらでも利用します。
糖質制限中は、血中ケトン体は高値となります。
普通に糖質を食べている人でも、空腹時や睡眠時は、心筋・骨格筋など多くの体細胞はケトン体と脂肪酸を主なエネルギー源としています。
『肌荒れ、髪の毛が抜ける、眠くなる、顎の下がたるむ、やる気がでない』
これらの症状は、全て摂取カロリー不足が原因であり、糖質制限は無関係です。
人類がチンパンジーと分かれて誕生したのが、700万年前、農耕開始が1万年前です。
狩猟・採集時代の700万年間は穀物などないので、人類は皆糖質制限食でした。
すなわち糖質制限食こそが、人類本来の食事であり、人類の健康食なのです。
江部康二
私も朝の番組を見ておりました。
江部先生、こんにちは。
いつも貴重な情報をありがとうございます。
私も朝の番組を見ておりましたが 3年も前にフジテレビで同様の内容を放送されていたようで 江部先生のブログでも取り上げていただいています。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2419.html
モーニングショー
https://www.youtube.com/watch?v=FfA4M6gixoI
27万人の追跡調査というネタで新しい情報という訳でもないのに 未だに否定をするというのはどういう事なんでしょうかね。】
ひらがなげんない さん
コメント、情報をありがとうございます。
ユーチューブの映像をみてみましたが、2016年6月30日の羽鳥慎一モーニングショーにおける糖質制限批判、間違いだらけの情報発信で視聴者に大変迷惑です。
番組関係者の方、本ブログをみて、糖質制限の現状、真実を理解して頂き、羽鳥慎一氏にお伝え頂けば幸いです。
羽鳥慎一モーニングショーのスタッフの方々の良識を信じたいと思います。
羽鳥慎一さん、学んで下さい。お願いします。
1)
『ADA(米国糖尿病学会)は、
2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていました。
2008年、「食事療法に関する声明2008」において、
「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、
1年の期限付きで糖質制限食の有効性を認める見解を記載しました。
2011年、肥満を伴う糖尿病患者に
2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認しました。
2013年10月、 「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、
糖質制限食を容認しました。』
2007年までは全面否定していた、ADA(米国糖尿病学会)ですが、
6年間のの歳月を経て、肯定も批判も含めて多数の研究論文を検証して、
2013年糖質制限食を正式に容認したわけです。
勿論、羽鳥慎一モーニングショーで糖質制限批判論文として引用されていた
能登氏の論文も含めて検討したうえで、糖質制限食を容認です。
すなわち糖質制限食の有効性と安全性に関しては、
ADAにおいては、エビデンスレベルで担保されたと考えられます。
このように、2013年10月の時点で、糖質制限食の是非については、
米国においては、すでに決着はついているということです。
2)
日本でもADA「食事療法に関する声明2013」以降、明らかに流れが変わりました。
その流れを受けて、2016/7/2号の週刊東洋経済の記事において、
日本糖尿病学会の門脇孝理事長は、緩い糖質制限食には既に賛成の立場であり、自身は
元慎重派であると述べておられます。
2015年4月から東大病院では、糖質40%というメニューを提供されているそうです。
門脇孝理事長、大変身ですが、とてもいい方向への変化なので私としても嬉しい限りです。
1)により、米国では勿論正式に受容ですし、
2)より日本でも糖質制限食容認の方向に舵をきっているのがわかります。
さて、2016/6/30羽鳥モーニングショーの内容ですが、間違いだらけです。
秋葉原クリニック院長の大和田潔医師は、誤解と知識不足です。
森谷敏夫京大名誉教授は、脳のエネルギー源はブドウ糖だけと信じておられ、脳がケトン体をエネルギー源にすることもご存じない知識レベルです。
羽鳥慎一モーニングショーで糖質制限食批判として引用されていた能登氏の論文は、ご本人も認めているようにエビデンスレベルの低いもので、なおかつ信頼度も低いものです。
糖質制限食で糖新生により、ブドウ糖を作りますが、原料はアミノ酸、乳酸、グリセロール(脂肪酸の分解物)などです。
糖新生は、糖質を食べている人でも空腹時や睡眠時には行っています。
体操選手やテコンドー選手や自転車選手と糖質制限食の研究論文もあり、糖質制限で筋肉は落ちません。
全身の血流・代謝が良くなるので、肌は荒れませんし、しっとりしてきますし、髪の毛も抜けませんし、顎の下もたるみません。
食後の眠気がリアルタイムに改善し、勉強や作業能率が向上し、やる気がでます。
糖質制限中は、糖新生が活発になるので、血糖値は正常に保たれ脳や赤血球などのエネルギー源になりますます。
また脳はケトン体という脂肪酸の分解物をいくらでも利用します。
糖質制限中は、血中ケトン体は高値となります。
普通に糖質を食べている人でも、空腹時や睡眠時は、心筋・骨格筋など多くの体細胞はケトン体と脂肪酸を主なエネルギー源としています。
『肌荒れ、髪の毛が抜ける、眠くなる、顎の下がたるむ、やる気がでない』
これらの症状は、全て摂取カロリー不足が原因であり、糖質制限は無関係です。
人類がチンパンジーと分かれて誕生したのが、700万年前、農耕開始が1万年前です。
狩猟・採集時代の700万年間は穀物などないので、人類は皆糖質制限食でした。
すなわち糖質制限食こそが、人類本来の食事であり、人類の健康食なのです。
江部康二
2016年03月30日 (水)
【16/03/27 オスティナート
Re:Re: Re: 炭水化物成分表
2015年版の食品成分表から、これまでの「差引き法による炭水化物量」と 、新しく炭水化物成分表で単糖類、二糖類等(でん粉、ぶどう糖、果糖、しょ糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、トレハロース)を直接定量分析する方法が用いられているようです。
2015年版の食品成分表ではコーヒーの侵出液の炭水化物の質量が0.7gと記載があります。
2015年版の炭水化物成分表では、炭水化物との記載はなく「利用可能炭水化物(単糖当量)」と記載されています。
よってデータのないものは豪州、米国、英国などの成分表から推計したのではないでしょうか。
多糖類および二糖類の単糖当量への換算係数についてついても次のような記載がありました。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/008/attach/1341939.htm
「単糖当量で利用可能炭水化物量を収載している(知り限りにおいて)唯一の成分表である英国成分表(Food Standards Agency, 2002)において、二糖類については1.05およびでん粉については1.10の換算係数を用いているので、FAO/INFOODSはこの数値を採用したと考えられる。」
版を重ねるごとに、英国成分表からの推計ではなく、日本版の数値が掲載なされる用になるといいですね。】
こんばんは。
オスティナートさんから、2015年版の日本食品標準成分表と炭水化物成分表(新規)についてコメント頂きました。
ありがとうございます。
文部科学省
新しい日本食品標準成分表
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365295.htm
A)日本食品標準成分表2015年版(七訂)
B)日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編
C)日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編
D)日本食品標準成分表2015年版(七訂)炭水化物成分表編(新規)
A)
2015年版の日本標準食品成分表では、コーヒーの侵出液の炭水化物の質量が0.7gです。
利用可能炭水化物(単糖当量)は0gだけれど、別個に炭水化物0.7gとなっているのが、まず、意味がよくわかりません。
下記の(☆)の記載によれば
「2015年に予定されている日本食品標準成分表(食品成分表)の次期改訂において,炭水化物のうち直接分析した成分(でん粉、ぶどう糖、果糖、しょ糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、トレハロース)の合計値は、成分項目名を「利用可能炭水化物」とし,単位を「単糖当量(g/100 g)」として収載することとしている。」
とあります。
とすれば利用可能炭水化物(単糖当量)というのは、直接測定したデータということになります。
直接分析した成分以外の炭水化物って、一体何? (・・?)
一方、D)炭水化物成分表編(新規)の方では、コーヒーの侵出液の利用可能炭水化物(単糖当量)は0と記載されています。
欄外には、米国成分表から推計し、でん粉は英国成分表から推計と記載されています。
これも、利用可能炭水化物(単糖当量)は直接測定という規定のはずであり、その値に関しては、日本標準食品成分表と一致していて0gです。D)では、炭水化物の記載がありません。
直接測定したのなら米国や英国の成分表を参考にしなくてもいいのですから、やや矛盾です。
利用可能炭水化物は、直接分析した成分の合計値と規定してあります。
一方の炭水化物の規定が明確でないのが、問題です。
濃い口しょうゆに関しても同様で、2015年版の日本標準食品成分表では、炭水化物が10.1g、利用可能炭水化物が1.6gとありますが
炭水化物成分表編(新規)には、炭水化物の記載がなくて利用可能炭水化物が1.6gとだけ記載してあります。
いやはや、よくわかりません (∵)?
いくらお役所仕事とはいえ、我々門外漢にも理解できるように、わかりやすい日本語で説明できないものですかね ( ̄_ ̄|||)
<疑問点>
1)2015年版の日本標準食品成分表や炭水化物成分表編(新規)の
利用可能炭水化物(単糖当量)は直接測定という規定通りなのか?
2)「炭水化物」と「利用可能炭水化物」とは、規定あるいは定義は何が違うのか?
3)何故、2015年版の日本標準食品成分表には、両者が記載されているのに
炭水化物成分表編(新規)の方には、利用可能炭水化物しか記載されてないのか?
どなたか、詳しい方、ご教示頂ければ幸いです。 m(_ _)m
江部康二
(☆)
以下、オスティナートさんご指摘の
文部科学省のサイトから転載
文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/008/attach/1341939.htm
多糖類および二糖類の単糖当量への換算係数について(案)
背景
2015年に予定されている日本食品標準成分表(食品成分表)の次期改訂において,炭水化物のうち直接分析した成分(でん粉、ぶどう糖、果糖、しょ糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、トレハロース)の合計値は、成分項目名を「利用可能炭水化物」とし,単位を「単糖当量(g/100 g)」として収載することとしている。食品成分表においては,初めて単糖当量という用語および単位を用いるため、予め規定しておくべき事項がある。
この資料は、多糖類であるでん粉ならびに二糖類であるしょ糖、麦芽糖、乳糖およびトレハロースに関して、質量から単糖当量への換算係数についての提案等を取りまとめたものである。なお、直接分析した成分のうち、単糖類であるぶどう糖、果糖およびガラクトースについては、質量から単糖当量への換算は必要ない。
換算係数の種類
(1) 分子量(式量)に基づく換算係数
1) 六炭糖の単糖類(ぶどう糖、果糖、ガラクトース)の分子量を180.16とする;六炭糖のみからなる二糖類(しょ糖,麦芽糖,乳糖およびトレハロース)の分子量を342.30とする;水の分子量を18.02(18.0153を小数点以下2桁にまるめた)とすると、でん粉中のぶどう糖残基の式量は180.16-18.02=162.14となる。
2) 従って、二糖類の質量を単糖当量に換算するための係数は、(180.16 + 180.16) / 342.30= 1.0526(4388...) である。また、でん粉の質量を単糖当量に換算するための係数は、180.16/ 162.14= 1.1111(3852...)である。
(2) FAO/INFOODSの指針(FAO/INFOODS, 2012)に基づく換算係数
1) 二糖類についての単糖当量への換算係数は1.05とし、多糖類についての単糖当量への換算係数は1.10とする。
なお、この指針には係数の根拠が示されていない。しかし、単糖当量で利用可能炭水化物量を収載している(知り限りにおいて)唯一の成分表である英国成分表(Food Standards Agency, 2002)において、二糖類については1.05およびでん粉については1.10の換算係数を用いているので、FAO/INFOODSはこの数値を採用したと考えられる。
換算係数についての提案
(1) わが国の食品成分表の策定過程においては、これまでもFAO/INFOODSの提案や指針をできる限り尊重しているので、独自の換算係数を採用することはしない。単糖当量への換算係数は、二糖類については1.05とし、でん粉については1.10とする。
(2) 科学的には、上記、「換算係数の種類」(1)2)に示した係数が適切であるため、利用者が当然の疑問をもつことが予想される。そこで、食品成分表の適切な箇所に、食品成分表ではFAO/INFOODS(2012)の指針に従って、「換算係数についての提案」(1)の数値を採用した旨を記載する。
関連する事項についての提案
(1) 日本食品標準成分表における炭水化物量に関する妥当性検証調査 成果報告書(日本食品分析センター、2010)では、でん粉、ぶどう糖、果糖、しょ糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、トレハロース以外に、ラフィノース、スタキオース(三糖類以上のオリゴ糖類)およびフラクタン(果糖を構成単糖とする二糖-多糖類)についても分析している(これらのラフィノース系列のオリゴ糖類およびフラクタンは、利用可能炭水化物ではなく、〈水溶性〉食物繊維である)。これらの糖類は、食品成分表2010で採用している食物繊維の分析法(プロスキー変法等)の特性により、食物繊維には含まれず、炭水化物に含まれている。しかし、将来見込まれる食物繊維の定義の変更により、食物繊維を構成する成分として扱われるので、ラフィノース系列のオリゴ糖類およびフラクタンについては、単糖当量への換算係数は規定しない。
なお、FAO/INFOODSの指針(FAO/INFOODS, 2012)では、ラフィノース系列のオリゴ糖類であるラフィノース(三糖類)、スタキオース(四糖類)およびベルバスコース(五糖類)の単糖類への換算係数は,それぞれ1.07、1.08および1.09としている。
(2) 上記報告書(日本食品分析センター、2010)には、イソマルト-スおよびアラビノースが存在する食品が収載されている。
イソマルトースは、利用可能炭水化物である。次期改訂では、上記報告書(日本食品分析センター、2010)において存在が認められた食品については、二糖類の換算係数を適用し、利用可能炭水化物に含める。
アラビノースは五炭糖であり、ヒト体内での挙動が六炭糖とは異なると予想されるので、ヒトにおけるエネルギー換算係数等についての情報収集をすることとする。次期改訂では、上記報告書(日本食品分析センター、2010)において存在が認められた食品については、食品群別留意点等にその量を記すことにとどめ、利用可能炭水化物には含めない。
(3) これまで、魚介類、肉類および卵類の炭水化物は、ぶどう糖を標準物質として、アンスロン-硫酸法を用いて、(差し引き法ではなく)直接分析により全糖を分析している(文部科学省、2004)。アンスロン-硫酸法の特徴として、硫酸の添加および加熱の過程で、二糖類以上の糖類は加水分解により単糖類となりアンスロンと反応し発色する。このため、二糖類以上の糖類の構成単糖がぶどう糖のみであり、共存物資の影響がないと仮定すれば、該当する食品の全糖の質量は、(単糖当量で示した)ぶどう糖の質量に相当すると考えられる。従って、次期改訂では,アンスロン-硫酸法で炭水化物を分析した食品(=アンスロン-硫酸法以外の方法で炭水化物を分析していない食品)については、該当する食品の利用可能炭水化物(単糖当量)の収載値は、食品成分表2010における炭水化物の収載値を用いることとする。この場合、全糖を構成する糖類についての情報はないので、(別冊における)単糖類や二糖類等の収載値は空欄(-)とする。
なお、魚介類、肉類および卵類のうち、炭水化物組成を分析した食品については、その分析値を参考に利用可能炭水化物(単糖当量)の収載値および別冊における単糖類や二糖類等の収載値を決定する。
(4) 水あめ等の食品には,利用可能炭水化物であるマルトオリゴ糖類やα-グルカン(重合度<~18かつα-1,4あるいはα-1,6結合のもの;この程度重合度のものは80% EtOHに溶解するといわれている)(以下、マルトオリゴ糖類等)が含まれる。炭水化物組成を分析している食品のうち、これらの糖類の存在が予想される食品については、EtOH処理をしない条件下でもでん粉を分析しておくことが望ましい。
理由:その分析値とEtOH処理をしたでん粉の分析値との差は、マルトオリゴ糖類等+麦芽糖+ぶどう糖の(でん粉量としての)合計値と考えられる。従って,直接分析した麦芽糖+ぶどう糖の(でん粉量に換算した)分析値を差し引く等の方法により,マルトオリゴ糖類等の(でん粉量に換算した)質量を求め,それにでん粉の換算係数(1.10)を乗ずれば,利用可能炭水化物としてのマルトオリゴ糖類等の量を知ることができるためである。
文献
FAO/INFOODS (2012) FAO/INFOODS Guidelines for Converting Units, Denominators and Expressions, version 1.0. FAO, Rome.
Food Standards Agency (2002) McCance and Widdowson’s The Composition of Foods, Sixth summary edition, Cambridge: Royal Society of Chemistry.
日本食品分析センター(2010)日本食品標準成分表における炭水化物量に関する妥当性検証調査 成果報告書(平成22年度 文部科学省委託調査報告書)、財団法人 日本食品分析センター,平成22年10月29日.
文部科学省(2004)五訂増補 日本食品標準成分表 分析マニュアル,文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分科会 食品成分委員会 資料,平成16年12月.
お問合せ先
科学技術・学術政策局政策課資源室
(科学技術・学術政策局政策課資源室)
-- 登録:平成25年12月 --
Re:Re: Re: 炭水化物成分表
2015年版の食品成分表から、これまでの「差引き法による炭水化物量」と 、新しく炭水化物成分表で単糖類、二糖類等(でん粉、ぶどう糖、果糖、しょ糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、トレハロース)を直接定量分析する方法が用いられているようです。
2015年版の食品成分表ではコーヒーの侵出液の炭水化物の質量が0.7gと記載があります。
2015年版の炭水化物成分表では、炭水化物との記載はなく「利用可能炭水化物(単糖当量)」と記載されています。
よってデータのないものは豪州、米国、英国などの成分表から推計したのではないでしょうか。
多糖類および二糖類の単糖当量への換算係数についてついても次のような記載がありました。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/008/attach/1341939.htm
「単糖当量で利用可能炭水化物量を収載している(知り限りにおいて)唯一の成分表である英国成分表(Food Standards Agency, 2002)において、二糖類については1.05およびでん粉については1.10の換算係数を用いているので、FAO/INFOODSはこの数値を採用したと考えられる。」
版を重ねるごとに、英国成分表からの推計ではなく、日本版の数値が掲載なされる用になるといいですね。】
こんばんは。
オスティナートさんから、2015年版の日本食品標準成分表と炭水化物成分表(新規)についてコメント頂きました。
ありがとうございます。
文部科学省
新しい日本食品標準成分表
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365295.htm
A)日本食品標準成分表2015年版(七訂)
B)日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編
C)日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編
D)日本食品標準成分表2015年版(七訂)炭水化物成分表編(新規)
A)
2015年版の日本標準食品成分表では、コーヒーの侵出液の炭水化物の質量が0.7gです。
利用可能炭水化物(単糖当量)は0gだけれど、別個に炭水化物0.7gとなっているのが、まず、意味がよくわかりません。
下記の(☆)の記載によれば
「2015年に予定されている日本食品標準成分表(食品成分表)の次期改訂において,炭水化物のうち直接分析した成分(でん粉、ぶどう糖、果糖、しょ糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、トレハロース)の合計値は、成分項目名を「利用可能炭水化物」とし,単位を「単糖当量(g/100 g)」として収載することとしている。」
とあります。
とすれば利用可能炭水化物(単糖当量)というのは、直接測定したデータということになります。
直接分析した成分以外の炭水化物って、一体何? (・・?)
一方、D)炭水化物成分表編(新規)の方では、コーヒーの侵出液の利用可能炭水化物(単糖当量)は0と記載されています。
欄外には、米国成分表から推計し、でん粉は英国成分表から推計と記載されています。
これも、利用可能炭水化物(単糖当量)は直接測定という規定のはずであり、その値に関しては、日本標準食品成分表と一致していて0gです。D)では、炭水化物の記載がありません。
直接測定したのなら米国や英国の成分表を参考にしなくてもいいのですから、やや矛盾です。
利用可能炭水化物は、直接分析した成分の合計値と規定してあります。
一方の炭水化物の規定が明確でないのが、問題です。
濃い口しょうゆに関しても同様で、2015年版の日本標準食品成分表では、炭水化物が10.1g、利用可能炭水化物が1.6gとありますが
炭水化物成分表編(新規)には、炭水化物の記載がなくて利用可能炭水化物が1.6gとだけ記載してあります。
いやはや、よくわかりません (∵)?
いくらお役所仕事とはいえ、我々門外漢にも理解できるように、わかりやすい日本語で説明できないものですかね ( ̄_ ̄|||)
<疑問点>
1)2015年版の日本標準食品成分表や炭水化物成分表編(新規)の
利用可能炭水化物(単糖当量)は直接測定という規定通りなのか?
2)「炭水化物」と「利用可能炭水化物」とは、規定あるいは定義は何が違うのか?
3)何故、2015年版の日本標準食品成分表には、両者が記載されているのに
炭水化物成分表編(新規)の方には、利用可能炭水化物しか記載されてないのか?
どなたか、詳しい方、ご教示頂ければ幸いです。 m(_ _)m
江部康二
(☆)
以下、オスティナートさんご指摘の
文部科学省のサイトから転載
文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/008/attach/1341939.htm
多糖類および二糖類の単糖当量への換算係数について(案)
背景
2015年に予定されている日本食品標準成分表(食品成分表)の次期改訂において,炭水化物のうち直接分析した成分(でん粉、ぶどう糖、果糖、しょ糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、トレハロース)の合計値は、成分項目名を「利用可能炭水化物」とし,単位を「単糖当量(g/100 g)」として収載することとしている。食品成分表においては,初めて単糖当量という用語および単位を用いるため、予め規定しておくべき事項がある。
この資料は、多糖類であるでん粉ならびに二糖類であるしょ糖、麦芽糖、乳糖およびトレハロースに関して、質量から単糖当量への換算係数についての提案等を取りまとめたものである。なお、直接分析した成分のうち、単糖類であるぶどう糖、果糖およびガラクトースについては、質量から単糖当量への換算は必要ない。
換算係数の種類
(1) 分子量(式量)に基づく換算係数
1) 六炭糖の単糖類(ぶどう糖、果糖、ガラクトース)の分子量を180.16とする;六炭糖のみからなる二糖類(しょ糖,麦芽糖,乳糖およびトレハロース)の分子量を342.30とする;水の分子量を18.02(18.0153を小数点以下2桁にまるめた)とすると、でん粉中のぶどう糖残基の式量は180.16-18.02=162.14となる。
2) 従って、二糖類の質量を単糖当量に換算するための係数は、(180.16 + 180.16) / 342.30= 1.0526(4388...) である。また、でん粉の質量を単糖当量に換算するための係数は、180.16/ 162.14= 1.1111(3852...)である。
(2) FAO/INFOODSの指針(FAO/INFOODS, 2012)に基づく換算係数
1) 二糖類についての単糖当量への換算係数は1.05とし、多糖類についての単糖当量への換算係数は1.10とする。
なお、この指針には係数の根拠が示されていない。しかし、単糖当量で利用可能炭水化物量を収載している(知り限りにおいて)唯一の成分表である英国成分表(Food Standards Agency, 2002)において、二糖類については1.05およびでん粉については1.10の換算係数を用いているので、FAO/INFOODSはこの数値を採用したと考えられる。
換算係数についての提案
(1) わが国の食品成分表の策定過程においては、これまでもFAO/INFOODSの提案や指針をできる限り尊重しているので、独自の換算係数を採用することはしない。単糖当量への換算係数は、二糖類については1.05とし、でん粉については1.10とする。
(2) 科学的には、上記、「換算係数の種類」(1)2)に示した係数が適切であるため、利用者が当然の疑問をもつことが予想される。そこで、食品成分表の適切な箇所に、食品成分表ではFAO/INFOODS(2012)の指針に従って、「換算係数についての提案」(1)の数値を採用した旨を記載する。
関連する事項についての提案
(1) 日本食品標準成分表における炭水化物量に関する妥当性検証調査 成果報告書(日本食品分析センター、2010)では、でん粉、ぶどう糖、果糖、しょ糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、トレハロース以外に、ラフィノース、スタキオース(三糖類以上のオリゴ糖類)およびフラクタン(果糖を構成単糖とする二糖-多糖類)についても分析している(これらのラフィノース系列のオリゴ糖類およびフラクタンは、利用可能炭水化物ではなく、〈水溶性〉食物繊維である)。これらの糖類は、食品成分表2010で採用している食物繊維の分析法(プロスキー変法等)の特性により、食物繊維には含まれず、炭水化物に含まれている。しかし、将来見込まれる食物繊維の定義の変更により、食物繊維を構成する成分として扱われるので、ラフィノース系列のオリゴ糖類およびフラクタンについては、単糖当量への換算係数は規定しない。
なお、FAO/INFOODSの指針(FAO/INFOODS, 2012)では、ラフィノース系列のオリゴ糖類であるラフィノース(三糖類)、スタキオース(四糖類)およびベルバスコース(五糖類)の単糖類への換算係数は,それぞれ1.07、1.08および1.09としている。
(2) 上記報告書(日本食品分析センター、2010)には、イソマルト-スおよびアラビノースが存在する食品が収載されている。
イソマルトースは、利用可能炭水化物である。次期改訂では、上記報告書(日本食品分析センター、2010)において存在が認められた食品については、二糖類の換算係数を適用し、利用可能炭水化物に含める。
アラビノースは五炭糖であり、ヒト体内での挙動が六炭糖とは異なると予想されるので、ヒトにおけるエネルギー換算係数等についての情報収集をすることとする。次期改訂では、上記報告書(日本食品分析センター、2010)において存在が認められた食品については、食品群別留意点等にその量を記すことにとどめ、利用可能炭水化物には含めない。
(3) これまで、魚介類、肉類および卵類の炭水化物は、ぶどう糖を標準物質として、アンスロン-硫酸法を用いて、(差し引き法ではなく)直接分析により全糖を分析している(文部科学省、2004)。アンスロン-硫酸法の特徴として、硫酸の添加および加熱の過程で、二糖類以上の糖類は加水分解により単糖類となりアンスロンと反応し発色する。このため、二糖類以上の糖類の構成単糖がぶどう糖のみであり、共存物資の影響がないと仮定すれば、該当する食品の全糖の質量は、(単糖当量で示した)ぶどう糖の質量に相当すると考えられる。従って、次期改訂では,アンスロン-硫酸法で炭水化物を分析した食品(=アンスロン-硫酸法以外の方法で炭水化物を分析していない食品)については、該当する食品の利用可能炭水化物(単糖当量)の収載値は、食品成分表2010における炭水化物の収載値を用いることとする。この場合、全糖を構成する糖類についての情報はないので、(別冊における)単糖類や二糖類等の収載値は空欄(-)とする。
なお、魚介類、肉類および卵類のうち、炭水化物組成を分析した食品については、その分析値を参考に利用可能炭水化物(単糖当量)の収載値および別冊における単糖類や二糖類等の収載値を決定する。
(4) 水あめ等の食品には,利用可能炭水化物であるマルトオリゴ糖類やα-グルカン(重合度<~18かつα-1,4あるいはα-1,6結合のもの;この程度重合度のものは80% EtOHに溶解するといわれている)(以下、マルトオリゴ糖類等)が含まれる。炭水化物組成を分析している食品のうち、これらの糖類の存在が予想される食品については、EtOH処理をしない条件下でもでん粉を分析しておくことが望ましい。
理由:その分析値とEtOH処理をしたでん粉の分析値との差は、マルトオリゴ糖類等+麦芽糖+ぶどう糖の(でん粉量としての)合計値と考えられる。従って,直接分析した麦芽糖+ぶどう糖の(でん粉量に換算した)分析値を差し引く等の方法により,マルトオリゴ糖類等の(でん粉量に換算した)質量を求め,それにでん粉の換算係数(1.10)を乗ずれば,利用可能炭水化物としてのマルトオリゴ糖類等の量を知ることができるためである。
文献
FAO/INFOODS (2012) FAO/INFOODS Guidelines for Converting Units, Denominators and Expressions, version 1.0. FAO, Rome.
Food Standards Agency (2002) McCance and Widdowson’s The Composition of Foods, Sixth summary edition, Cambridge: Royal Society of Chemistry.
日本食品分析センター(2010)日本食品標準成分表における炭水化物量に関する妥当性検証調査 成果報告書(平成22年度 文部科学省委託調査報告書)、財団法人 日本食品分析センター,平成22年10月29日.
文部科学省(2004)五訂増補 日本食品標準成分表 分析マニュアル,文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分科会 食品成分委員会 資料,平成16年12月.
お問合せ先
科学技術・学術政策局政策課資源室
(科学技術・学術政策局政策課資源室)
-- 登録:平成25年12月 --
2016年02月25日 (木)
おはようございます。
朝日新聞デジタルに、桐山さん関連の無根拠な記事が掲載されたので反論します。
以下、
朝日新聞デジタル
炭水化物を食べない「糖質制限ダイエット」のリスク
から、 【】 部分を引用
【http://www.asahi.com/and_M/interest/SDI2016022397141.html?iref=andM_kiji_backnum
炭水化物を食べない「糖質制限ダイエット」のリスク
「糖質制限ダイエット」を実践し、著書などで成果を紹介していたノンフィクションライターの桐山秀樹氏(62)が、今月初めに急逝し、ダイエット法との関連を各週刊誌が取り上げている。6年前の桐山氏は身長167.8センチ、体重92キロ、ウエストも100センチ以上あり、かなりの肥満であった。糖尿病も患っていて、医者から「このままでは生命にかかわる」と警告されて始めたのが糖質制限ダイエットだった。
「ご飯や蕎麦(そば)、パスタなどの炭水化物を一切食べないようにした。代わりに主食として食べるのは、豆腐やチーズ、肉、魚。酒は焼酎、ウイスキーはOKで、赤ワインも少量なら問題ない」(『週刊現代』2月27日号)という過激なもので、1カ月で15キロ、3カ月目には20キロの減量に成功、血糖値もほぼ正常に戻ったという。桐山氏はその後も炭水化物をいっさい摂らない食事を続けていたが、やはり身体への負担は大きかったのか。『女性セブン』(3月3日号)で順天堂大学糖尿病内分泌内科の綿田裕孝教授はこう解説している。
「過度に糖質制限をし、結果的にたんぱく質を摂りすぎると腎機能の悪化を招きます。また、脂肪の中で飽和脂肪酸が過剰になれば、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化を招きやすくなり、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の原因にもなります」
桐山氏の死因は心不全だった。ご飯やパンなどを食べないで満腹感を得ようとすれば、その分を肉などで満たすことになる。結果として、脂肪の摂りすぎで悪玉コレステロールが増え、血管の壁を厚くするという。
痩せたのも「脂肪が落ちたからではなく、体内の水分がなくなっただけなんです。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、筋肉を分解してアミノ酸に変えて脳に送ります。その時に水分を使用するので、体重が落ちるんです。でも脂肪は減っていない」(『週刊現代』京都大学大学院・森谷敏夫教授)
しかし、桐山氏は減量しなければやはり命を縮めていたかもしれない。心筋梗塞、脳梗塞の予防に詳しい真島康雄医師はこんなアドバイスをしている。「ダイエットで体重が減っただけで健康と判断することが間違っているのです。血圧が下がったら、コレステロールが下がったらというのも同じ」「身体全体の健康のバランスが保たれていることが重要なのです」(『週刊新潮』2月25日号)
やはり、バランスのいい食事、適度な運動、規則正しい生活ということになるのだろうが、これがなかなか難しい。】
上記の記事において、順天堂大学糖尿病内分泌内科の綿田裕孝教授は、根拠がない自説(仮説)を断定的に述べておられますが、
「高たんぱく食が腎機能の悪化を招く」
というエビデンスはありません。
以下【】部分は、「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)からの引用です。
【3)「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
II 各論
たんぱく質(PDF:1,149KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
<97ページ>
3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。】
結局、現時点では、正常人がタンパク質をたくさん食べて危険という根拠もないけれど、たくさん食べても安全という根拠もないということです。
まさに、自分で考えて選択して自己責任で食事療法を実践することとなります。
ちなみに、江部康二は、糖尿病発覚の2002年(52歳)からスーパー糖質制限食を開始して2016年2月(66才)現在まで続けています。
タンパク質の摂取量は、一日あたり130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
体重あたり2.4gのタンパク質ですね。
それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
2015年9月(65歳)の検査データは
尿酸:3.7mg/dl(3.4~7.0)
BUN:13.8mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.67mg/dl(0.6~1.1) eGFR:90.7ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.63mg/dl(0.53~0.95) eGFR:120.3ml/min./1.73m2
尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
です。
クレアチニン、シスタチンC、eGFR、尿中微量アルブミンの検査が全て基準値内なので、腎機能に何の問題もありません。
「脂肪の中で飽和脂肪酸が過剰になれば、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化を招きやすくなり、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の原因にもなります。」
こちらもそのようなエビデンスはありません。
「飽和脂肪酸をたくさん摂取しても脳心血管疾患のリスクにならない」という以下の信頼度の高いエビデンスがあります。
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない
2010年のAm J Clin Nutrの総説
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない
2010年のAm J Clin Nutrの総説
21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
従来、医学界の定説で『動物性脂肪を主とした飽和脂肪酸摂取が脳心血管イベント発生のリスクとなる』とされてきたのが、この論文で明確に否定されました。21論文、35万人のメタ解析ですから信頼度は高いです。
京都大学大学院・森谷敏夫教授には
せめて
「脳は、ブドウ糖だけでなくケトン体をエネルギー源にする」
「必須アミノ酸、必須脂肪酸はあるが、必須糖質はない」
「肝臓でアミノ酸、乳酸、グリセロールなどからブドウ糖を作る(糖新生)」
ことぐらいは、理解してほしいですね。
京都大OBとして、何とかしてほしいと思います。
どなたか、京大の関係者の方、桐山秀樹さん関係の一連の本ブログ記事を森谷敏夫教授にご教示いただけば、幸いです。
江部康二
朝日新聞デジタルに、桐山さん関連の無根拠な記事が掲載されたので反論します。
以下、
朝日新聞デジタル
炭水化物を食べない「糖質制限ダイエット」のリスク
から、 【】 部分を引用
【http://www.asahi.com/and_M/interest/SDI2016022397141.html?iref=andM_kiji_backnum
炭水化物を食べない「糖質制限ダイエット」のリスク
「糖質制限ダイエット」を実践し、著書などで成果を紹介していたノンフィクションライターの桐山秀樹氏(62)が、今月初めに急逝し、ダイエット法との関連を各週刊誌が取り上げている。6年前の桐山氏は身長167.8センチ、体重92キロ、ウエストも100センチ以上あり、かなりの肥満であった。糖尿病も患っていて、医者から「このままでは生命にかかわる」と警告されて始めたのが糖質制限ダイエットだった。
「ご飯や蕎麦(そば)、パスタなどの炭水化物を一切食べないようにした。代わりに主食として食べるのは、豆腐やチーズ、肉、魚。酒は焼酎、ウイスキーはOKで、赤ワインも少量なら問題ない」(『週刊現代』2月27日号)という過激なもので、1カ月で15キロ、3カ月目には20キロの減量に成功、血糖値もほぼ正常に戻ったという。桐山氏はその後も炭水化物をいっさい摂らない食事を続けていたが、やはり身体への負担は大きかったのか。『女性セブン』(3月3日号)で順天堂大学糖尿病内分泌内科の綿田裕孝教授はこう解説している。
「過度に糖質制限をし、結果的にたんぱく質を摂りすぎると腎機能の悪化を招きます。また、脂肪の中で飽和脂肪酸が過剰になれば、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化を招きやすくなり、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の原因にもなります」
桐山氏の死因は心不全だった。ご飯やパンなどを食べないで満腹感を得ようとすれば、その分を肉などで満たすことになる。結果として、脂肪の摂りすぎで悪玉コレステロールが増え、血管の壁を厚くするという。
痩せたのも「脂肪が落ちたからではなく、体内の水分がなくなっただけなんです。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、筋肉を分解してアミノ酸に変えて脳に送ります。その時に水分を使用するので、体重が落ちるんです。でも脂肪は減っていない」(『週刊現代』京都大学大学院・森谷敏夫教授)
しかし、桐山氏は減量しなければやはり命を縮めていたかもしれない。心筋梗塞、脳梗塞の予防に詳しい真島康雄医師はこんなアドバイスをしている。「ダイエットで体重が減っただけで健康と判断することが間違っているのです。血圧が下がったら、コレステロールが下がったらというのも同じ」「身体全体の健康のバランスが保たれていることが重要なのです」(『週刊新潮』2月25日号)
やはり、バランスのいい食事、適度な運動、規則正しい生活ということになるのだろうが、これがなかなか難しい。】
上記の記事において、順天堂大学糖尿病内分泌内科の綿田裕孝教授は、根拠がない自説(仮説)を断定的に述べておられますが、
「高たんぱく食が腎機能の悪化を招く」
というエビデンスはありません。
以下【】部分は、「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)からの引用です。
【3)「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
II 各論
たんぱく質(PDF:1,149KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
<97ページ>
3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。】
結局、現時点では、正常人がタンパク質をたくさん食べて危険という根拠もないけれど、たくさん食べても安全という根拠もないということです。
まさに、自分で考えて選択して自己責任で食事療法を実践することとなります。
ちなみに、江部康二は、糖尿病発覚の2002年(52歳)からスーパー糖質制限食を開始して2016年2月(66才)現在まで続けています。
タンパク質の摂取量は、一日あたり130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。
体重あたり2.4gのタンパク質ですね。
それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
2015年9月(65歳)の検査データは
尿酸:3.7mg/dl(3.4~7.0)
BUN:13.8mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.67mg/dl(0.6~1.1) eGFR:90.7ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.63mg/dl(0.53~0.95) eGFR:120.3ml/min./1.73m2
尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
です。
クレアチニン、シスタチンC、eGFR、尿中微量アルブミンの検査が全て基準値内なので、腎機能に何の問題もありません。
「脂肪の中で飽和脂肪酸が過剰になれば、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化を招きやすくなり、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の原因にもなります。」
こちらもそのようなエビデンスはありません。
「飽和脂肪酸をたくさん摂取しても脳心血管疾患のリスクにならない」という以下の信頼度の高いエビデンスがあります。
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない
2010年のAm J Clin Nutrの総説
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない
2010年のAm J Clin Nutrの総説
21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
従来、医学界の定説で『動物性脂肪を主とした飽和脂肪酸摂取が脳心血管イベント発生のリスクとなる』とされてきたのが、この論文で明確に否定されました。21論文、35万人のメタ解析ですから信頼度は高いです。
京都大学大学院・森谷敏夫教授には
せめて
「脳は、ブドウ糖だけでなくケトン体をエネルギー源にする」
「必須アミノ酸、必須脂肪酸はあるが、必須糖質はない」
「肝臓でアミノ酸、乳酸、グリセロールなどからブドウ糖を作る(糖新生)」
ことぐらいは、理解してほしいですね。
京都大OBとして、何とかしてほしいと思います。
どなたか、京大の関係者の方、桐山秀樹さん関係の一連の本ブログ記事を森谷敏夫教授にご教示いただけば、幸いです。
江部康二
2016年02月24日 (水)
おはようございます。
週刊現代記事(2016/2/27号)への反論②です。
週刊現代記事(2016/2/27号)
やっぱり危ない!?
「糖質制限ダイエット」第一人者が急死した
真っ二つに分かれる評価
から、以下 【】 部分、引用。
【真っ二つに分かれる評価
現在、糖質制限ダイエットについては、専門家の間でも肯定派と否定派、真っ二つに意見が分かれている。
京都大学大学院の森谷敏夫人間・環境学研究科教授はこう警鐘を鳴らす。
「糖質は摂らないほうが良いと言う医者がいますが、これは大きな間違い。そもそも医学部には栄養学を学ぶ機会がないので、食生活に関する知識が不足している医者が多いんです。ラットの実験では糖質を摂らなくても問題ない事が証明されているので、多くの医者は人間の体にも当てはまると言うのですが、それは無理がある。ラットと人間では脳の大きさが全然違うんですから。
言っておきたいのは、脳を動かすエネルギーは100%、『糖』だということです。炭水化物を食べずに、脳を正常に保つためには、一日に大量のたんぱく質や脂質を摂らなければなりません。数kgもの肉を食べ続けることは現実的じゃない」
とはいえ、痩せれば血糖値も下がり、健康になるのではないか。
「痩せたのは脂肪が落ちたからではなく、体内の水分が無くなっただけなんです。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、筋肉を分解してアミノ酸に変えて脳に送ります。その時に水分を使用するので、体重が落ちるんです。でも脂肪は減っていない。
糖質制限ダイエットをしている人は、慢性的な眠気を抱えており、すぐ眠ってしまうのが特徴です。これは脳が極力エネルギーを使わないように指示を出すためなんです。動かないのが一番エネルギーを使いませんからね。
一方で筋肉量はどんどん落ちるので、骨がスカスカになり骨粗しょう症になる危険性もある」(森谷氏) 】
森谷教授のコメントは、ほとんどが誤解なので、反論しておきます。
1)
まず脳はエネルギー源としてケトン体をいくらでも利用できます。
脳がケトン体を利用することは米国の有名な医学の教科書である
『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書27版』154ページ、
『ガイトン臨床生理学』監訳・早川弘一、医学書院、1999年、870ページに記載されています。
ケトン体は脂肪酸の分解物であるアセチルCoAから肝臓で生成されます。
2)
糖質を一切摂取しなくても、肝臓で乳酸、グリセロール、アミノ酸から、ブドウ糖をつくります。
これを糖新生といいます。
人類のご先祖が、食料がなくて、水だけで1~2週間も過ごさなければいけないときも肝臓がブドウ糖を作って血糖値を正常に保ちしのいでいたのです。
この糖新生はもっぱら、ブドウ糖しかエネルギー源にできない赤血球のためです。
赤血球はミトコンドリアを持っていないのでブドウ糖しかエネルギー源にできません。
脳はケトン体だけでもをエネルギー源として充分生きていけます。
必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然と存在します。
ビタミンやミネラルや微量元素も同様に必須です。
これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
としています。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jéquier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.
3)
糖質制限食開始初期の1~3日間は、確かに水分の排泄で体重が減りますが、そこから先は体脂肪が燃えて、「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が活性化されます。
脂肪が燃えている証拠に、血中ケトン体が高値となります。
こうして減っていく体重は脂肪の減少ということです。
あとは、2016/2/23(火)のブログ記事をご参照いただけば幸いです。
4)
糖質制限食実践で食後の眠気がなくなります。
逆に言えば、糖質を普通に食べると食後の眠気を生じます。
小学校の給食のあとの午後の授業は、居眠り続出で、教師はとてもやりにくいそうです。
食後の車の運転で眠くなった経験は多くの人があると思います。
私も糖質制限食開始後食後の眠気がなくなりました。
ドライバーの皆さんも、長距離ドライブのときだけでも、糖質制限食を実践していただけば、居眠り運転が激減すると思います。
5)
糖質制限食で、脂肪が燃えて筋肉は燃えないので、筋肉量が落ちることはありません。
またたんぱく質摂取量が豊富なので、骨粗鬆症のリスクもへります。
週刊現代記事(2016/2/27号)への反論②です。
週刊現代記事(2016/2/27号)
やっぱり危ない!?
「糖質制限ダイエット」第一人者が急死した
真っ二つに分かれる評価
から、以下 【】 部分、引用。
【真っ二つに分かれる評価
現在、糖質制限ダイエットについては、専門家の間でも肯定派と否定派、真っ二つに意見が分かれている。
京都大学大学院の森谷敏夫人間・環境学研究科教授はこう警鐘を鳴らす。
「糖質は摂らないほうが良いと言う医者がいますが、これは大きな間違い。そもそも医学部には栄養学を学ぶ機会がないので、食生活に関する知識が不足している医者が多いんです。ラットの実験では糖質を摂らなくても問題ない事が証明されているので、多くの医者は人間の体にも当てはまると言うのですが、それは無理がある。ラットと人間では脳の大きさが全然違うんですから。
言っておきたいのは、脳を動かすエネルギーは100%、『糖』だということです。炭水化物を食べずに、脳を正常に保つためには、一日に大量のたんぱく質や脂質を摂らなければなりません。数kgもの肉を食べ続けることは現実的じゃない」
とはいえ、痩せれば血糖値も下がり、健康になるのではないか。
「痩せたのは脂肪が落ちたからではなく、体内の水分が無くなっただけなんです。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、筋肉を分解してアミノ酸に変えて脳に送ります。その時に水分を使用するので、体重が落ちるんです。でも脂肪は減っていない。
糖質制限ダイエットをしている人は、慢性的な眠気を抱えており、すぐ眠ってしまうのが特徴です。これは脳が極力エネルギーを使わないように指示を出すためなんです。動かないのが一番エネルギーを使いませんからね。
一方で筋肉量はどんどん落ちるので、骨がスカスカになり骨粗しょう症になる危険性もある」(森谷氏) 】
森谷教授のコメントは、ほとんどが誤解なので、反論しておきます。
1)
まず脳はエネルギー源としてケトン体をいくらでも利用できます。
脳がケトン体を利用することは米国の有名な医学の教科書である
『イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書27版』154ページ、
『ガイトン臨床生理学』監訳・早川弘一、医学書院、1999年、870ページに記載されています。
ケトン体は脂肪酸の分解物であるアセチルCoAから肝臓で生成されます。
2)
糖質を一切摂取しなくても、肝臓で乳酸、グリセロール、アミノ酸から、ブドウ糖をつくります。
これを糖新生といいます。
人類のご先祖が、食料がなくて、水だけで1~2週間も過ごさなければいけないときも肝臓がブドウ糖を作って血糖値を正常に保ちしのいでいたのです。
この糖新生はもっぱら、ブドウ糖しかエネルギー源にできない赤血球のためです。
赤血球はミトコンドリアを持っていないのでブドウ糖しかエネルギー源にできません。
脳はケトン体だけでもをエネルギー源として充分生きていけます。
必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然と存在します。
ビタミンやミネラルや微量元素も同様に必須です。
これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
としています。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jéquier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.
3)
糖質制限食開始初期の1~3日間は、確かに水分の排泄で体重が減りますが、そこから先は体脂肪が燃えて、「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が活性化されます。
脂肪が燃えている証拠に、血中ケトン体が高値となります。
こうして減っていく体重は脂肪の減少ということです。
あとは、2016/2/23(火)のブログ記事をご参照いただけば幸いです。
4)
糖質制限食実践で食後の眠気がなくなります。
逆に言えば、糖質を普通に食べると食後の眠気を生じます。
小学校の給食のあとの午後の授業は、居眠り続出で、教師はとてもやりにくいそうです。
食後の車の運転で眠くなった経験は多くの人があると思います。
私も糖質制限食開始後食後の眠気がなくなりました。
ドライバーの皆さんも、長距離ドライブのときだけでも、糖質制限食を実践していただけば、居眠り運転が激減すると思います。
5)
糖質制限食で、脂肪が燃えて筋肉は燃えないので、筋肉量が落ちることはありません。
またたんぱく質摂取量が豊富なので、骨粗鬆症のリスクもへります。