低カロリーでも糖質制限でも太る?適正体重はいろいろです。
【17/02/08 サワ

肥満とインスリンについて

先生こんにちは。数年前から肥満遺伝子、倹約遺伝子というものが騒がれていましたが、私は女性には珍しく、手足が細く腹部が大きなタイプ、りんご型です。

りんご型は糖質代謝が苦手で糖尿病、脂肪肝などになりやすいそうです。
その通りの結果になりましたが笑

欧米人並みの肥満 73キロから43キロまで糖質制限で痩せました。身長152センチです。少し痩せすぎ月経が止まったのですが、秋から太り始め47キロで月経回復致しました。

どんどん太る気配と、腹部の膨らみが気になるので、47キロで必死にキープしています。体脂肪も5パーセントほど増えています。どうもすぐに内臓脂肪になるのです。月経などを考えればプラス3キロは必要でしたが、内臓脂肪型なので、すぐに血圧や血糖値にも影響しています。

ちなみに月経はそれ以降順調です。

一旦痩せた経緯から脂肪肝などになりやすい状態かもしれません。

消化器内科の先生には、全体的に内臓が大きい、発達していると言われた経緯があります笑笑

肝臓も膵臓も脾臓も何もかも大きいそうです。病気というか、ただ全体的に人より大きい。大きな男性の腹部の様だ!そうです。私の様な小柄な女性の中にあるとは思えない内臓だそうです。

糖質は一日15g以下。インスリンの追加分泌は最小限です。
夏場1400キロカロリー食べて痩せていった食事を1000キロカロリーに減らしてやっとキープです。
1200など食べれば、増えていきます。
1000キロカロリーなら、血糖値もまた安定しだしました。

インスリンを最小限に抑える生活は、太りやすい私にはピッタリですが、
①糖質は太るし血糖値が上がるため最小限。
②タンパク質は昨日の先生の記事内容、グルカゴン人間なので、血糖値が上がる。また糖新生が活発になる為、あまり食べれない。
③以上①②から脂質を増やしていたが、どんどん太るのであまり食べれない。

以上の状態に陥っています。

もはやカロリー制限より厳しい状態に陥ってしまっています。お腹がすいて大変です。
出来るかぎり、身体を動かしていますし、ケトン体も沢山あります。
先生、今の状態、何とかならないでしょうか。
遺伝子的に不利な事は仕方ないですが、今まではこんな事はなく、ある程度沢山食べてもキープ出来ていたのです。
あまりに制限がある為、人との会食などは一切出来ません。オカラ、海藻、こんにゃくばかりです。】


こんばんは。

サワさんから、低カロリーでも糖質制限でも太るので困惑しているというコメントをいただきました。

サワさん。
身長が152cm 体重が47kg BMIが20.3 です。
正常、やせ型です。
経年的に、少し適正体重が増えても、全く問題ありません。
適正体重は一人一人違います。

ニューイングランド・ジャーナルの論文では、アジア人はBMI:23~27 が 総死亡率が一番低いとされています。

サワさんは、53.14kgで、BMIが23です。

美味しく楽しくの原点に戻って、しっかり空腹感がないくらいは食べましょう。
メンタルの健康には、それがとても大事と思います。

お腹が空くということは、身体はもっと食べて欲しいと求めていると考えてはどうでしょう。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食による体重減少効果、その理由。2016年12月。
こんにちは。

糖質制限食による体重減少効果に関して、よく質問があります。

スーパー糖質制限食なら、 運動量不変で、体脂肪が減ります。

例えば、血中総ケトン体の基準値は、26~122μM/Lですが、スーパー糖質制限食実践中は、 400~1000~2000μM/Lくらいに上昇します。

肝臓で脂肪酸の分解物のアセチルCoAからケトン体を作ります。

ケトン体の上昇は、まさに脂肪が燃えている証拠ですね。

かくいう私も、52歳のとき、167cm、67kgから、運動量は不変で、半年で57kgに減量し、学生時代の体重に戻りました。

階段は駆け上がるし、週1テニスは普通にしてましたので、 筋肉は落ちていないと思いますので、脂肪が燃えて減量できたと考えられます。

66歳現在も57kgで、階段は駆け上がります。

但し、4階くらいまでですが・・・。(^^;)

なお、筋肉は年齢相応ていどあると思いますが、増えてはいません。
筋肉を増やすには筋トレが必要です。

今回は、復習を兼ねて糖質制限食で何故、脂肪が燃えて減量できるのかを考えて見ます。

まず、インスリンについて考えて見ます。

◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制します。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄えます。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませますが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませ て中性脂肪として蓄えます。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積と考えられます。
◇インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみです。
◇インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれています。


<スーパー糖質制限食の4つの利点>

◆<糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)追加分泌が少量ですむ。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。

高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。

DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。

食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。


◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。


①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。

たとえ低脂質食でカロリー制限していても、糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。

これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。


<摂取エネルギーと消費エネルギー、基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生>

1)摂取エネルギー > 消費エネルギー   → 体重増加
  摂取エネルギー = 消費エネルギー   → 体重不変
  摂取エネルギー < 消費エネルギー   → 体重減少

2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
  「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」

3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
 「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
 「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加 」
 が認められる。

1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、体重が減少しやすいことは明白です。


<推定エネルギー必要量と糖質制限食>

減量を目指す時に、日本糖尿病学会推奨のように

男性:1400~2000kcal/日
女性:1200~1800kcal/日

といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量/日
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150          2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。

スーパー糖質制限食実践と「日本人の食事摂取基準」の標準的な摂取エネルギーなら、適正体重になると思います。


<倹約遺伝子タイプ>

なお、倹約遺伝子をもつ基礎代謝が体質的に低い方々は痩せにくいです。

この場合は「スーパー糖質制限食+カロリー制限食」が必要です。

身長にもよりますがおよそ

男性1600~1800kcal/日
女性1200~1400kcal/日

くらいが目安でしょうか?

倹約遺伝子タイプは、女性が多いと思います。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食でやせすぎる。生理が来ない。
【16/10/29 雨音

体重減少と生理不順

こんばんは。
以前、ステビアについてお伺いした雨音です。

あの後、糖質制限ドットコムにて菓子パンとパウンドケーキを注文し、少しずつ大事に食べています。

実は、少し困ったことになりまして、お忙しいところ恐縮なのですが、ご相談にのっていただけるとありがたいです。

糖質制限を始めて4か月が過ぎましたが、今月の生理が来ないのです。

産婦人科で診てもらうと、「ホルモンバランスが悪いのだろう」と言われました。

今まで、若い頃に無理なダイエットをした時と妊娠・授乳期以外に生理が来なかったことはないので、ストレスのせいかと思っていたのですが、昨日の朝何となく体重を測ってみたら、45.2kgになっていました。

糖質制限を始める前は多分49kgぐらいだったと思います。

身長が166cmなので、BMI16.4となり、痩せ過ぎの範疇に入ってしまいました。

生理が止まったのはもしかしたらそのせいなのでしょうか…ただ、第2子を妊娠した時は確か46kg台で、生理も順調だったので、関係ないかもしれませんが…

あと、基礎体温が低いのも気になります。平熱はだいたい36.5℃ぐらいだったのですが、最近35℃台のことが多いです。糖質制限をすると代謝が良くなるはずなので体温も上がるのではないかと思うのですが…

食事はたっぷり食べています。
ある1日の例です。

朝 : 卵2個入り野菜たっぷり味噌汁・ヨーグルト130g強に乳菓オリゴ糖シロップをかけたもの・りんご1/4個・くるみ30gぐらい・キャンディーチーズ3個

昼 : 豚こま切れ肉250〜300gともやし1袋200gと舞茸1袋と青ネギ3本を炒めて塩コショウで味付けしたもの・ラカントカロリーゼロ飴1個

おやつ : アーモンド50gぐらい

夜 : 鯖の缶詰190gと白菜1/4個を酒と醤油で煮たもの・朝の味噌汁に絹ごし豆腐150gを入れたもの・ヨーグルト130g強にラカントS液状をかけたもの


といった感じです。

もともとすごい大食漢(女性ですが…)なので、食べようと思えばもっと食べられますが(むしろ食べたい)、現状でもかなり多いですよね?何せ私の分の食費が糖質制限前の3倍以上になったくらいなので…(汗)

空腹感も糖質制限を始める前に比べて軽くなりました。夕食時はいつもお腹が空いていないぐらいです(食べるのが好きなので食べますが…)

それでも痩せてしまうということは、もう少し食べた方がいいということなのでしょうか?

そもそも妊娠希望で体質改善のため糖質制限を始めたのですが、機能性低血糖症であることが判明し、糖質制限は必須となりました。ですので、やめるという選択肢はないのですが、両親が「そんなに痩せるなんて糖質制限が良くないに決まっている。今日からもうやめなさい」と言ってききません。

どのように説得すればよいでしょうか?

先生の本を読んでもらえれば一番良いのでしょうが、はなから「糖質制限=健康を害する間違った食事法」と思い込んでいるため、とても読んでくれそうにありません。

あと、体温が低いのはどういう理由が考えられるでしょうか?
先生は、糖質制限を始められてから体温は上がりましたか?

お時間のある時で構いませんので、お返事いただければ幸いです。】


糖質制限食でやせすぎるというコメントと質問を雨音さんから、頂きました。


朝:約562kcal
卵2個・・・約170kcal
ヨーグルト130g・・・約80kcal
りんご1/4個・・・約36kcal
くるみ30g・・・約200kcal
キャンディーチーズ3個・・・約46kcal
味噌汁の野菜・・・30kcal

昼:約800kcal
豚こまぎれ肉300g・・・カロリーは700~900kcal
もやし200g・・・約28kcal

アーモンド50g・・・約300kcal

夜:約540kcal
鯖缶190g・・・約360kcal
豆腐150g・・・約100kcal
ヨーグルト130g・・・約80kcal


この日は、合計約2200kcal/日摂取ですので、摂取エネルギーは一般的にみれば、足りているはずです。

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050           1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800            1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500           1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い



しかし、現実に糖質制限食開始4ヶ月で、体重が49kgから45.2kgに減少して、BMI16.4となり、生理がとまっていますので、相対的には摂取エネルギー不足と考えられます。

体重が回復して生理が再開するよう、摂取エネルギーを増やす必要があります。

基礎体温が下がったのも、相対的摂取エネルギー不足のためと思われます。

ハードに運動をしておられるのでしょうか?

私自身は、糖質制限食開始時、体温を測定していません。

またほとんど風邪もひかないので、普段体温を測定する習慣がありません。

一度、測定してみます。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
適正体重とBMI
【16/07/11 塩田光重

BMIは尺度と出来ますか?

江部先生

ご無沙汰致しております。
3年前に京都洛北に お伺いし診察戴き 大変有難う御座いました。
引き続き断糖食を継続しております。
お忙しいところ誠に恐縮で御座いますが、ご教示戴けましたら幸いに存じます。

①私 出来れば
BMI 22~24
を維持したいのですが、 目標BMIを維持する、この考えは間違いでしょうか?

②断糖食を続けて自然と落ち着く処はBMI
幾ら位になるのでしょうか?個人差が有るのでしょうか?

③私は現在、BMI 20程度が、この三年間 続いています。顔は、頬が少し痩けて見えます。もう少し断糖食事量を増やし頬の感じを改善したいのですが、良いのでしょうか?食事量を増やすとしたら、何のバロメーターを目安とすれば良いのでしょうか? BMI値をバロメーターとして見て、食事量を加減して良いのでしょうか?そもそも、食事量を加減する事でBMIをコントロールする事は可能なのでしょうか?

以上、できますれば ご教示戴きたくお願い申し上げる次第で御座います。

なお、これまでの経過は、20歳頃の体重は48㎏、身長158cm で 痩せていました。数年前 糖尿病発症、直前は54㎏、急激に痩せてきまして、3か月で頬が痩け、腹廻りも落ち50㎏、HbA1c 8.4になりました。江部先生の教えを知り、断糖食に直ちに変え、直ぐにHbA1cは6.0以下に。その後 維持しています。体重は現在50〜51㎏です。

メールで誠に失礼で御座いますが、 ご教示戴きたく宜しくお願い申し上げます。】


こんにちは。
塩田光重さんから、適正体重とBMIについて
コメント・質問を頂きました。

塩田さん、
HbA1c8.4% → その後6.0%以下
素晴らしい改善で、良かったです。

さて、糖質制限食で肥満の人は体重減少しますが、痩せ過ぎの人は体重が増加します。

いずれもその人における適正体重になって落ち着きます。

塩田さんは、現在51kgならBMI:20.4 なので、適正体重の下限くらいです。


1)世界ガン研究基金の報告(2007)では、ガン予防にはBMI:20~25未満 が目標。
2)ランセットの論文では欧米人はBMI:22.5~25 が総死亡率が一番低い。(*)
3)ニューイングランド・ジャーナルの論文では、アジア人はBMI:23~27 が 
  総死亡率が一番低い。(**)



1)2)3)を考慮すれば、現在痩せすぎの人は、少なくともBMI:20 は確保する方が、安全といえます。

ガン予防も含めると、適正体重はBMI:20~25 くらいで、その個人の一番体調の良い体重が目標です。

私個人は、2002年167cm、67kgでメタボの基準を全て満たしていましたが、半年間のスーパー糖質制限食で、10kgの減量に成功して、そのまま維持して現在にいたります。

現在の167cm、57kgというのは、よく動いていた学生時代の体型であり、体調もいいです。

私においては、『167cm、57kg、BMI:20.4』が適正体重と考えられます。

学生時代や20才のころの体重も、適正体重の一つの目安ですね。

塩田さんも、BMIが20.4で、体調良好なら、今の体重でもOKと思います。

糖質制限食の場合は、カロリー制限はしません。

厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」が目安となります。

もし、推定エネルギー必要量に足りてなければ、必要量を摂取してみましょう。


「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才         1850 2200  2500           1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い


(*)
Prospective Studies Collaboration
PSC, Whitlock G, et al. Lancet 2009; 373: 1083–96

(**)
Zheng W, et al.N Engl J Med. 2011 Feb 24;364(8):719-29.
Association between body-mass index and risk of death in more than 1 million Asians.



江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
低糖質高タンパク質食が体重減少にもっとも効果的。ストライヤー生化学。
『16/03/15 オスティナート

カロリー恒常性と肥満

江部先生こんにちは、

今回の投稿、肥満に関連して、ストライヤーの生化学からカロリー恒常性と肥満について、抜粋して投稿します

最後に「肥満と戦うために、食事療法がおこなわれる」で低糖質高タンパク質食についての記述がありました。
全1101ページの中のたった12行ですがやっと糖質制限に関する記述を発見しました。
版を重ねるごとに、もっと増やしていってもらいたいものです。

【ストライヤーの生化学第7版 東京化学同人 742p・743p・744p

●レプチンとインスリンはカロリー恒常性の長期的な制御を行う

数時間から数日という尺度でエネルギーの恒常性を調節する重要なシグナル分子が二つある。
脂肪細胞から分泌されるレプチン(leptin)と、膵臓β細胞から分泌されるインスリン(insulin)である。
レプチンはトリアシルグリセロールの貯蔵状況を知らせ、インスリンは血中のグルコース量、すなわち糖質の供給状況を示す。

中略

●レプチンは脂肪細胞が分泌する数種類のホルモンの一つである。



●レプチン抵抗性は肥満の要因になる可能性がある

レプチンが体の脂肪量に比例して産生され、食べるのを抑制するのだとすれば、なぜヒトは肥満になるのだろう。
肥満したヒトでもほとんどの場合は、正しく機能するレプチンをもち、その血中濃度も高い。
レプチンの食欲抑制効果に対応できないことを、レプチン抵抗性(leptin resistance)という。
レプチン抵抗性の原因はなんだろう。

中略

よくわかっていないが、最近得られた証拠が示すようにサイトカインシグナル抑制因子(suppressor of cytokin signaring)(SOCS)と呼ばれる一群のタンパク質がかかわっているらしい。

中略

SOCSがレプチンの抵抗性にかかわっている事を裏付ける証拠は、POMC発現ニューロンから、SOCSを選択的に欠損させたマウスの研究で得られた。

中略

◎肥満と戦うために、食事療法がおこなわれる。

現在我々は肥満の蔓延とそれに関連した病気に直面しており、
どのような食事療法で最も体重を減らせるかが関心の的になっている。

一般に、カロリー摂取を調節しようとして行われる食事療法は大きく分けて二つある。

低糖質食と低脂肪食である。

低糖質食では普通、タンパク質の摂取を奨励する。

食事療法の効果の研究は非常に手間がかかるが、低糖質高タンパク質食が体重減少にもっとも効果的であることを示す証拠が増えている。

詳しい理由は不明だが、二つの説が広く言われている。

第一に、タンパク質は脂肪や糖質よりも満腹感を得やすいらしい。

第二に、タンパク質は脂肪や糖質に比べて消化するのに多くのエネルギーが必要で、エネルギー消費の増加が体重減少につながるという。

たとえば最近の研究で、タンパク質30%の食事は、タンパク質10%の食事よりも消化に必要なエネルギーが約30%多いことが明らかとなった。

タンパク質の多い食事がエネルギー消費を促進するしくみ、満足感を亢進するしくみは、まだわかっていない。

食事の量を減らして、運動量を増やせば、すべてに当てはまる。]


最後の食事誘発性熱産生DITまたは特異動的作用SDAについては
江部康二著「糖質制限パーフェクトガイド88p」が解り易く参考になりました。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-category-106.html

厚生労働省のサイト e-ヘルスネット
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html



こんばんは。

オスティナートさんから、ストライヤー生化学に記載してある「肥満と戦うために、食事療法がおこなわれる」について、貴重な情報をコメントいただきました。ありがとうございます。

オスティナートさん、高価な本をご購入され、肥満に対する糖質制限食の有効性についての記載を発見していただき、重ねてありがとうございます。

ストライヤー生化学 (第7版)は以下の如く、最新の知識が取り入れられていて
2013/02/22が、出版日です。

ストライヤー生化学 (第7版)
J. M. Berg  J. L. Tymoczko  L. Stryer 著
入村 達郎  岡山 博人 清水 孝雄 監訳
出版社 東京化学同人
本体13,900円+税

内容説明
監訳者のことばから:かつて,生化学の興味の中心は,代謝であり,“ストライヤー生化学”もその過半をこの代謝の記述に当てているが,本書の大きな特徴は,最新の分子生物学,細胞生物学の成果をいち早く取入れ,分子の構造と機能とに視点をおいて各領域の生命現象を論じ,解説している点である.今回の改訂では,代謝の全体像が最新の情報に基づいて見直され,また遺伝子調節の生化学的側面の解明が急速に進んでいることを受けて記述が増えている.新しい実験技術についても,最新の生化学研究における重要性を意識して詳しく述べてある.


『今回の投稿、肥満に関連して、ストライヤーの生化学からカロリー恒常性と肥満について、抜粋して投稿します。

最後に「肥満と戦うために、食事療法がおこなわれる」で低糖質高タンパク質食についての記述がありました。
全1101ページの中のたった12行ですがやっと糖質制限に関する記述を発見しました。
版を重ねるごとに、もっと増やしていってもらいたいものです。』


オスティナートさん。
同感です。

代謝の全体像が最新の情報に基づいて見直されたということで糖質制限食に有利な記載につながったのですね。


『低糖質食では普通、タンパク質の摂取を奨励する。

食事療法の効果の研究は非常に手間がかかるが、低糖質高タンパク質食が体重減少にもっとも効果的であることを示す証拠が増えている。

詳しい理由は不明だが、二つの説が広く言われている。

第一に、タンパク質は脂肪や糖質よりも満腹感を得やすいらしい。

第二に、タンパク質は脂肪や糖質に比べて消化するのに多くのエネルギーが必要で、エネルギー消費の増加が体重減少につながるという。

たとえば最近の研究で、タンパク質30%の食事は、タンパク質10%の食事よりも消化に必要なエネルギーが約30%多いことが明らかとなった。』


低糖質高タンパク食が体重減少に効果的であることを示す証拠が増えているとは嬉しいですね。

タンパク質が、満腹感を得やすいとのことですが、確かに、本ブログでもよく取り上げている有名な「DIRECT」というニューイングランド・ジャーナルに掲載されたイスラエルの研究があります。
Iris Shai et al. :NENGLJ MED , VOL359.NO.3 :229-241,2008
322人を
1)脂肪制限食(カロリー制限あり)
2)地中海食(カロリー制限あり)
3)糖質制限食(カロリー制限なし)
の3群に分けて2年間経過をみたものです。
その結果、糖質制限食は、カロリー無制限だったのに
自然に、脂肪制限食、地中海食と同じだけカロリー摂取が減って
結局3群とも同カロリーとなったのです。
そして結果は、糖質制限食が一番体重が減って、HDLコレステロールも一番増えたのです。

カロリー無制限なのに、自然に摂取カロリーが減ったのは、糖質制限食群では満腹感が得られやすかったからと思われます。

糖質制限食群では他の2群に比し、タンパク質の摂取比率は一番増えていました。

同様に、ストライヤー生化学で述べているように高タンパク食だと、食事誘発性熱産生DITまたは特異動的作用SDAが増加して消費エネルギーが増えることとなり、体重減少に有益です。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット