米の摂取が多い高糖質食こそが認知症発症の元凶。久山町研究。
『17/02/28 きゅう

江部先生、初めまして。
母と一緒に糖質制限を楽しみながら頑張ってます!

スマホのニュースアプリを見ていて気になる記事があったので、江部先生に報告にきました。

【認知症】糖質制限してる人はなりやすい!? 納豆&卵は最強の予防対策
http://kaigo.news-postseven.com/4130

江部先生はこの記事に対してどのようにお考えですか? 』


こんにちは。

きゅう さん から

【認知症】糖質制限してる人はなりやすい!? 納豆&卵は最強の予防対策
http://kaigo.news-postseven.com/4130

というサイトの記載について、コメント・質問を頂きました。

きゅうさん、情報をありがとうございます。

http://kaigo.news-postseven.com/4130 のサイトを見ました。

森由香子管理栄養士さんに認知症にならない食べ方について聞いたということです。

内容は旧態依然たる栄養学で、東大病院でさえ、2015年4月から、摂取比率40%の糖質制限食を提供しているという時代なのに、 全く進歩していないですね。

森由香子管理栄養士さん、

「糖質制限をしている人は認知症になりやすい」

として、

「脂質はとり過ぎず、炭水化物も適量とることが大事で、炭水化物は全摂取エネルギーの50~65%、脂質は20~30%を目安にしっかりとる。これが正しい“糖質制限”だと私は思います。」

と書いておられますが無根拠です。

それに、これは糖質制限ではなく、単なる高糖質食です。

高糖質食が、認知症の元凶であることは、信頼度の高い「久山町研究」において明白に証明されています。

久山町研究では、森由香子管理栄養士さんの推奨する「炭水化物60%」の食事により、糖尿病発症が激増し、アルツハイマー病の発症も激増しています。


<久山町研究>
A)
久山町研究において、1988年から2002年まで、14年間も運動療法と食事療法(従来の糖尿病食)をしっかり指導したにも関わらず、糖尿病発症予防に失敗して、かえって激増させてしまったことは、過去本ブログ記事で再三、述べてきました。

端的に言って、従来の糖尿病食(高糖質食)が、糖尿発症を激増させたという信頼度の高い結論がでたということです。

男性
        1988         2002
糖尿病    15.0        23.6%
IGT      19.2        21.6%
IFG      8.0         14.7%
合計      42.2        59.9%


女性 
        1988         2002
糖尿病     9.9         13.4%
IGT       18.8         21.3%
IFG       4.9          6.6%
合計      33.6         41.3%


B)
「久山町では1985年から2012年まで5回にわたり65歳以上の全住民を対象にした認知症に関する調査を実施。
過去5回で高齢者認知症の有病率が6.7%から17.9%まで急増。
認知症患者の6割を占めるアルツハイマー型に限れば、約9倍に増えていた。」


2012年の調査で、認知症が増加して、アルツハイマー病は、実に27年間で9倍に増加です。

1985年から2012年までの調査結果ですが、A)の1988~2002年の、従来の糖尿病食での食事療法介入期間もしっかり含まれています。

糖尿病患者のアルツハイマー型発症リスクはそうでない人の2.1倍ですから、従来の糖尿病食で、久山町の糖尿病を激増させたことが、久山町のアルツハイマー病激増に、おおいに関わっていると考えられます。

「従来の糖尿病食は、糖質摂取比率60%で、しっかりご飯を摂取する」というものです。


C)
「米の摂取量を減らして、大豆、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、牛乳・乳製品を多く摂るというパターンで認知症のリスクが下がる」

この久山町研究の結論は、私もその通りだと思います。

この食事パターンに、魚と肉と卵を加えたら、何とそのまま『糖質制限食』です。


A)B)C)の久山町研究で、米を多く摂取する「高炭水化物食」により、糖尿病発症が激増し、アルツハイマー病の発症も激増したことが報告されました。


<考察>
スーパー糖質制限食なら、そもそも糖尿病発症予防ができますし、すでに糖尿病を発症した人も、コントロール良好が維持できます。

糖尿病発症予防ができれば、そのままアルツハイマー病発症予防につながります。

糖尿病患者において『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』という酸化ストレスリスクを予防できるのは、糖質制限食だけです。

糖尿病患者における酸化ストレスが、糖尿病合併症だけでなく、アルツハイマー病、がん、動脈硬化、老化・・・様々な生活習慣病の元凶です。

血糖コントロール良好なら、酸化ストレスリスクは生じず、合併症は発生せず、アルツハイマー病などのリスクもありません。

ブログ読者の皆さんも、久山町のように、アルツハイマー病が激増しないように美味しく楽しく末長く糖質制限食に取り組みましょう。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
NHK・BS「血糖値スパイク」の内容は、NHKスペシャルより一歩前進か。
こんにちは。

都内河北 鈴木 さん、らこさん、ちゃほさんから、NHK・BS「血糖値スパイク」について、コメントを頂きました。

ありがとうございます。

鈴木さんがご指摘のように 、この番組、

「血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみで、たんぱく質・脂質は直接影響を与えることはない」

という一番肝腎な「生理学的事実」を説明しないのは、アンフェアですね。

らこさんがご指摘のように、食後高血糖は、糖尿病の本質のようなもので、大きな酸化ストレスリスクとなります。
そしてそれを生じるのは糖質摂取のみで、たんぱく質と脂質では生じません。

また久山町研究は1988年~2002年、九州大学が従来の糖尿病食を14年間指導して、結果として糖尿病有病率を著明に増加させた研究です。

つまり、当初の目的の糖尿病発症予防どころか、大幅に発症を増やしてしまいました。

従来の糖尿病食摂取により、糖尿発症が大幅に増えたという極めて信頼度の高いエビデンスが得られたということです。

まあ、イタリア学者が「食後高血糖が活性酸素を噴出させ血管内皮を傷付ける」と述べたのは真実の内容ですね。

それから、ちゃほさんのコメントで、最後のほうで、「低糖質食は、血糖値スパイクの解消に効果がある」との内容だったそうです。

2013年10月米国糖尿病学会が「成人糖尿病患者の食事療法に関する声明」において糖質制限食を正式に容認したことが、糖質制限食推進派にとって大きな追い風となりました。

このADA声明改訂委員の1人が、デューク大学のYancy 准教授です。

デューク大学では、日常臨床に炭水化物を20g/日未満に制限する「糖質制限-ケトジェニック食」(ケトン食)を用いています。

これは、高雄病院のスーパー糖質制限食(糖質30~60g/日)より、さらに厳しい制限であり、まさに厳格な糖質制限食です。

米国では、糖質制限食の範疇として、デューク大学のような「ケトン食」も正式に容認されているということです。

 NHK・BSにデューク大学のヤンシー准教授が登場して、

「低糖質の食事を取り入れることで、効果的に血糖値をコントロールでき、薬も減らせる」

とコメントされたということは、2016年10月8日のNHKスペシャル『血糖値スパイク』よりは、大分ましな内容ですね。


私も、NHKにおいても、糖質制限食に関して、一歩前進と思います。


江部康二


【17/02/04 ちゃほ
NHK・BS 「血糖値スパイク」
昨夜のNHK・BS「血糖値スパイク」を見ました。
大部分は、昨年10月放送の「NHKスペシャル」とほぼ同じ内容でしたが、最後の方で糖質制限に関する内容があり、「低糖質食は、血糖値スパイクの解消に効果がある」と言っていました。

アメリカのデューク大学では、糖尿病患者の状態に合わせて、軽い糖尿病患者には糖質のカロリーが全体の50%、重い糖尿病患者には糖質のカロリーが全体の10%、になる食事メニューにしているそうです。
デューク大学のヤンシー准教授は、「低糖質の食事を取り入れることで、効果的に血糖値をコントロールでき、薬も減らせる」とコメントされていました。
(欲を言えば、番組の中で、低糖質食で血糖値の変化をグラフ等の数値化したものを見せれば、「血糖値スパイク解消には糖質を減らすことがベスト」ということが客観的に一目瞭然だったはずですが、そこは何らかの事情があったのでしょうか)

世の中の物事は、たいてい、ある日、突然に認められることはありません。紆余曲折を経て、認められる方向に向かって行くものだと思います。従い、糖質制限も今は、その途中段階だと思います。
今回、NHKが「低糖質食は、血糖値スパイクの解消に効果がある」と言ったことは、さらに一歩前進したと思います。】


【17/02/04 らこ
江部ブログ全否定の為のNHK番組
1.食後高血糖は糖尿病とは別の病気
2.久山町研究が食後高血糖の研究を日本で先導
3.糖質ゼロは絶対忌避しろ
4.食事は3食絶対に食べる必要あり
5.朝食抜きは絶対回避

と言う「江部ブログ全否定」番組=NHK「血糖値スパイク」

でした。週内に再放送予定無しのスカ番組で

◎イタリア学者が「食後高血糖が活性酸素を噴出させ血管内皮を傷付ける」

だけが役だった情報です(笑)
江部先生の主張を悉く否定する、が日本糖尿病学会の新たな戦術のようです。】



【17/02/03 都内河北 鈴木

視聴して!
都内河北 鈴木です。

BS・NHK「血糖値スパイクス」視聴しましたが、
現時点で世界解明されている血糖値上昇根本原因・栄養素を説明しない!!

歯がゆい!!

江部先生「糖質制限理論」で理解把握し改善生還体感しているブログ読者私達には、「今更ながら、、、。」ですね。

九州大学が、久山町研究で糖尿病解明したかのように正当化しようとしている事が、研究結果バレバレ衆知の事なのに「見苦しい限り!!」

 [視聴内容感想]
・血糖値スパイク=グルコ~ススパイクの根本 原因・栄養素を説明しない!!
・睡眠不足など生活習慣のこじつけ!!
・香川県の子供達は、ヘモグロビン高値だと原因を説明しない!!
・食事は食材順番だと力説!!
 血糖上昇根本原因説明しない!!

番組終了して、「血糖改善」を理解した視聴者はいたのだろうか??
こんなデタラメ価値無い内容では、視聴料金徴収など有り得ないでしょ!!

視聴しなければ、感想も言えないので視聴しましたが、NHK何度視聴しても何も得るものありません!!

ネットグロ~バル時代に視聴者を愚弄し過ぎです!!
敬具】

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
日本病態栄養学会初日2017/1/13(金)の感想。
【17/01/13 しらねのぞるば

日本病態栄養学会(1日目)感想

20周年記念大会で,日程がゆったりしているので,本日は午後からの開催でした.

私は,江部診療所からの口演もあるので,栄養教育・指導のセッション24件を最初から最後までじっくりと聴いておりました.

以下,個別口演のメモから:

◇厳格なカロリー制限食を強制され,それを忠実に守ったら,透析に至ってしまった,実にお気の毒な例がありました.

◇病院の指示するカロリー制限食を忠実に実行しているのに,血糖値が下がらないから『指示した食事を守らず,
  間食をしているのだろう』と医師から罵倒され,食事・医療不信に陥った例も報告されていました.

◇「糖質制限食を行うと,ご飯をたべないから,塩分過剰になるのでは?」という質問に,糖質制限を実行している
側からは「ご飯のおかずだから,味が濃くなる. 糖質制限食ではむしろ薄味になる.」という回答がありました.

◇「糖質制限食に耐え切れず,Drop Outする人が多いのでは?」という質問に,「糖尿病患者にはすぐに結果が
よく出るので,むしろDrop Outは少ない」という回答.

◇患者はともかく,医師に対するアンケートでも,『糖質のみが血糖値を上げるとは知らなかった』とは! 病院に
行くのが恐ろしくなりました.

◇複数の口演で,大多数の患者は「病院の指示する(カロリー制限食の)食事療法は守れない」と答えていました.

◇【糖尿病治療は,まず食事療法】とガイドラインにあるのに,実際には医師は栄養指導を依頼するのを面倒くさ
がって実行していない. また,栄養指導を依頼する/しない の基準もあいまいだという報告には愕然としました.

◇血糖コントロール不良で肺癌手術を行えない患者に,糖質制限をわずか1ヶ月行っただけで,血糖値が安定し,
術後合併もなく手術が成功したという事例がありました.

◇糖質制限食とカロリー制限食とのクロスオーバー試験が報告されましたが,座長から「最初に糖質制限食を割り
当てられたグループは,すぐにいい結果が出るので,来月からカロリー制限食をしてくださいと言われても,実際
にはそうしないのではないか」というコメントがありました.

◇江部診療所の山本先生の発表はお見事でした. しかし,いい意味で先生の発表は目立ちませんでした. なぜ
なら,多くの病院でも糖質制限食が続々と実行されるようになり,こういう報告は珍しくなくなったからです.

全般感想から申しますと,医療最前線では,糖質制限食に対するあからさまな敵意・誹謗はすっかり影をひそめ,食事療法の選択枝としての糖質制限食は,すっかり定着したことが感じられました.

もう数年すれば,糖尿病食事療法の第一選択肢になっていくという,この流れはもう誰にもとどめられないでしょう

(「ケトン体」という言葉を聞いただけで,頭に血が上る,例の御仁はわかりませんが. 明後日のコントラバシー3,楽しみにしております).】



こんばんは。

しらねのぞるばさんから、第20回日本病態栄養学会年次学術集会(1日目)の感想を頂きました。

ありがとうございます。

私も、江部診療所の外来が終了して、午後3時頃駆けつけました。

山本心さんの発表、HbA1c7.0%未満と7.0%以上で、統計を取ると、いろんなデータで、明確に差が出ました。

自分の診療所のデータなのですが、統計を取るまでは、あまり把握できていませんでした。

興味深いのは、1回の食事の糖質量が「30~40g」の緩やかな糖質制限食だと、1日に90~120gであり、これだと7.0%未満は一人だけでした。

残りの5名は7.0%以上でした。

1日の食事の糖質量が60gで、スーパー糖質制限食なのに、7.0%以上の人が一人(7.5%)だけいましたが、カルテで確認すると過少申告の可能性ありです。

1日の食事の糖質量が60g以下の、残りの25名は、全員7.0%未満でした。

HbA1c7%未満群 36名  平均6.1%±0.4  平均糖質量55.2g±21.1
HbA1c7%以上群 15名  平均7.4%±0.4  平均糖質量123.6g±42.8

全員が、糖質制限食でしたが、スーパー糖質制限食群と緩やかな糖質制限群と二分されました。

当たり前ではありますが、やはりスーパー糖質制限食の方がコントロール良好ですね。



他の発表も聞きましたが、しらねのぞるばさんのご感想のように、糖質制限食に対するあからさまな誹謗中傷は、ほぼ皆無でしたね。

医学界、良い方にどんどん変化していますので、嬉しい限りです。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖尿病、戦後の「国民病」、高脂肪食が一因?・・・門脇孝氏への反論。
こんばんは。

毎日新聞のウェブサイト
http://mainichi.jp/articles/20161204/ddm/016/040/006000c に
達医
糖尿病 生活見直す機会

という記事が載りました。

精神科医師Aさん、情報をありがとうございます。

以下、一部引用します。

達医
糖尿病 生活見直す機会 
門脇孝・東京大教授(糖尿病・代謝内科学)


毎日新聞2016年12月4日 東京朝刊

 糖尿病は患者とその予備群が合計2000万人以上と推計される国民病だ。日本人は、糖を分解するために働くホルモン「インスリン」の分泌量が欧米人よりも少なく、戦後の生活習慣の変化によってインスリンが十分に働かない人が増えている。予防には食生活の見直しと運動が有効だ。それらのポイントを門脇孝・東京大教授(糖尿病・代謝内科学)に聞いた。【高野聡】

戦後の「国民病」、高脂肪食が一因
 戦後、日本人の糖尿病患者は増えてきた。2014年の国民健康・栄養調査によると、血糖値が高めの予備群は減少傾向にあるものの、患者数は増えていた。「日本人は、インスリンの分泌量が欧米人の半分。そこにインスリンの効きを悪くする高脂肪食と運動不足が加わった。その結果、内臓脂肪が蓄積され、糖尿病が増えたと考えられる」と門脇さんは指摘する。

 糖尿病の一因は肥満だが、日本人の食事からのエネルギー摂取量が高かったのは、1965~75年ごろ。1日平均2100キロカロリーを超えていた。しかし最近は1900キロカロリーを下回る。終戦直後と比べた最大の変化は、エネルギー摂取に占める炭水化物(糖質)が減り、脂質が全体の6~7%から26%程度に増えたことだ。脂質でも、肉のような動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸が増え、魚などに含まれる多価不飽和脂肪酸が減っている。

 高脂肪食が肥満につながる理由には、「レプチン」というホルモンがかかわる。脂肪細胞から分泌されるレプチンは、食べ過ぎると分泌が増え、脳の視床下部にある「レプチン受容体」に働き食欲を抑えたり、エネルギー消費を増やしたりして肥満にブレーキをかける。ところが、肥満が進むと、レプチンが分泌されてもブレーキが働きにくい状態になるという。その現象を起こすのが飽和脂肪酸だ。門脇さんは「肥満を予防するには、動物性脂肪を取り過ぎないようにする必要がある」と指摘する。

以下略』



門脇孝氏は、高脂肪食で糖尿病が増えたと述べていますが、正確ではありません。

2007年→2012年にかけて
糖尿病の増加率は激減し、糖尿病予備群は初めて減少しています。
この間、
2008年から2010年にかけて、炭水化物の摂取比率は1%減少し、
脂質摂取比率が、1%増えているのです。


スライド1


スライド2


「糖尿病疑い950万人 厚労省推計2007年から60万人増」

炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が急減し、糖尿病予備軍は減少。


2013年12月19日に厚生労働省が発表。

厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。

その中で、5年に1回、糖尿病有病率を集計しています。

今回2012年の糖尿病有病率は、2007年に比し、約60万人増加で、かなり歯止めがかかっています。

1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加)
2012年:950万人(5年間で60万人増加)

これで見ると、2002年→2007年の増加率が、半端じゃないですね。

2007年→2012年の増加は、60万人で
1997年→2002年の増加、50万人と似たようなもので、
2002年→2007年の増加、150万人に比しかなり少ないです。

さらに、糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少で、国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙です。

冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになります。

実はずっと増え続けいた炭水化物摂取比率が、2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減ってるのです。

そして、ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。

そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、糖尿病予備群は220万人も減少しているのです。

保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。

こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取が減って脂質摂取が増えて、糖尿病の激増に歯止めがかかったのは、糖質制限食の影響の可能性がありえますね。 

なお、2000年~2012年まで日本の人口は1億2000万ちょっとで大きな変化はありません。

そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。それが歯止めがかかったというわけです。

また、高脂肪食で肥満するということはありません。

複数のRCT論文により、少なくとも同一カロリーなら糖質制限食(高脂肪食)の方が、脂肪制限食(高糖質食)より減量効果が高いというエビデンスがあります。

肥満ホルモンインスリンを大量に分泌させるのは、糖質なのです。

「脂肪を操るインスリンを、炭水化物(糖質)が操る」ということです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
緩やかな糖質制限食の功罪。
【16/11/17 精神科医師A

緩やかな糖質制限食を推奨
糖尿病になるリスクが高い生活って何?(忍び寄る糖尿病3)
http://www.asahi.com/articles/SDI201611152436.html


おはようございます。

精神科医師Aさん。
コメントをありがとうございます。

朝日新聞デジタルの記事ですね。

医療センター代謝内科部長の岩岡秀明氏の解説です。
緩やかな糖質制限食を推奨しておられます。

1食あたり40gの糖質を推奨しておられますが、糖尿病発症予防に関しては、一理あると思います。

例えば、新潟労災病院消化器内科部長、前川智先生が、

『緩やかな糖質制限食(1食あたり糖質40g)が境界型糖尿病において、血糖コントロール及び2型糖尿病への進行を予防するのに有効である。』

という内容の英文論文を書いておられます。(*)


一方、既に糖尿病を発症している場合、1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させます。

そうすると、緩やかな糖質制限食(1食あたり糖質40g)では、120mgほどピークの血糖値が上昇しますので、

『食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満』

を達成することは、困難な糖尿人が多いと考えられます。

国際糖尿病連合・2011年「食後血糖値の管理に関するガイドライン」では、 「食後血糖値は、食後1~2時間で測定されるべきで、160mg/dl未満が目標」ですが、この達成もやはり困難です。

また、平均血糖変動幅増大も生じて、酸化ストレスリスクとなります。

従って、緩やかな糖質制限食(1食あたり糖質40g)は通常の糖質タップリ糖尿病食(1食あたり糖質が75~90g)よりは、ややましですが、糖尿病合併症を確実に予防することは、困難としか言いようがありません。

そして、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを生じないのは、スーパー糖質制限食(1食あたり糖質量が10~20g以下)だけです。

血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は与えません。

私も含めて日本の糖尿人の皆さん、このように生理学的見地から論理的に考えて、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを起こさず、糖尿病合併症を予防可能なのは、唯一『スーパー糖質制限食』だけであることを肝に銘じて下さいね。

5年、10年どころか、スーパー糖質制限食は、糖尿人においては、美味しく楽しく、一生続けるものです。


(*)
Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3


江部康二


☆☆☆
以下、朝日新聞デジタルの記事から抜粋。

糖尿病になるリスクが高い生活って何?

日本には糖尿病の患者と糖尿病の可能性を否定できない、いわゆる予備群の人たちと糖尿病の人を合わせると、2050万人いると推計されています。忍び寄る糖尿病シリーズ(2型糖尿病)の3回目は、「リスクが高い生活とは何か」をテーマに、日本糖尿病学会専門医・指導医で、船橋市立医療センター代謝内科部長の岩岡秀明さんに聞いてみました。(聞き手・岩崎賢一)


まず大事なことは、「生活習慣病」と言いますが、この言葉は今、医者の中であまり使わなくなってきています。生活習慣というと、本人が悪いので自己責任ということになってしまう。糖尿病の原因の半分は体質、つまり遺伝です。体質が半分、生活習慣が半分ということです。生活習慣が悪くなくても糖尿病になってしまう人がいます。両親や兄弟姉妹、祖父母の中に、糖尿病の人がいるかを確認して下さい。その中に、糖尿病の人がいる場合は、糖尿病になりやすい体質を持っていると考えて下さい。その体質に生活習慣が加わって糖尿病になります。

生活習慣で悪いのは、肥満、運動不足、ストレス。しかし、どんな人でもストレスはあります。「睡眠を十分とろう」「規則正しく仕事をしよう」「バランスよく食事を取ろう」といいますが、それができない人がいっぱいいるのが現代社会です。みんな車や電車に乗って、会社や駅ではエレベーターに乗っています。

こういった生活習慣の課題を解消するには、子どもの教育から始めないとだめだと思います。社会人になってから教育しようとしても、なかなかうまくいきません。今後は、学校教育で、肥満や糖尿病予防の教育をしていかなければいけないと思います。

20代、30代の人は、まず自分が太っているか自覚するところから始めるのがいいでしょう。私たちが患者に尋ねるとき、まず家族歴を聞きますが、同時に体重歴も聞きます。例えば、40歳の患者が来たとき、20歳のときの体重と過去の最大体重、現在の体重を聞きます。20歳のころ太っていなくて、だんだん太って、糖尿病が発症して進行してくると、むしろやせてくる人が多いです。最大体重のときぐらいに、血糖値をはかってみることが大事です。

例えば、私の場合、身長は172cmで20歳のときは65キロぐらいでした。一番太っていたときは8年前で78キロありました。その後、ダイエットして69キロまで落としました。血糖値をはかると、糖尿病予備軍ぐらいになっていたためです。体重歴をみることは大事というのは、そういうことがあるからです。

 
■生活習慣をどう変えればいいのか
肥満、喫煙、ストレス、睡眠不足、運動不足、飲酒。まず、酒とタバコでは、タバコの方が体によくありません。がんのリスクだけでなく、心臓病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などいろいろな病気の原因になるからです。タバコは禁煙外来に通ってでもやめた方がよいです。

アルコールは、糖尿病の患者でも血糖コントロールが良好なら、飲む量を減らせば大丈夫です。具体的に言うと、糖尿病の患者でも血糖コントロールがいい人は、日本酒なら1合、ビールなら350cc、ワインならグラス2杯。これくらいを週に2~3日ならそれほど糖尿病は悪化しません。アルコール性肝硬変の人とか、アルコール依存症でなければ、節酒でいいです。ただ、私は、糖質が少ないお酒(ウイスキー、焼酎)だからといって、いっぱい飲んでいいということは言っていません。

運動不足については、1日30分、40分、運動療法として歩けない人もいます。仕事の合間にこまめに体を動かしたり、エレベーターを使うのをやめたりするのが現実的な対応です。ちょっと早めに家を出て、バス停1つ分歩くとか、会社ではエレベーターで2~3階分は階段を使うとか、普段の生活の中で歩くことを心がけることです。

食生活については、3食食べることが大事です。朝食を食べない人がいますが、朝食はしっかり食べて、夜はなるべく少なくし、寝る前には食べない。毎日18時に仕事が終わる人ならいいですが、みなさんがそうとは限りません。消化吸収に3時間ぐらいかかるので、食べてすぐ寝てしまうと翌朝の血糖値が上がってしまいます。

翌朝何も食べずに受診してくる患者がいますが、「何で私の血糖値が高いのですか」と聞いてくるときがあります。たとえ眠っている真夜中でも、肝臓でのブドウ糖産生を適切にコントロールするためには24時間インスリンが必要ですが、糖尿病患者はインスリンの働きが悪いので、空腹時血糖値が上がってしまいます。

正常な人は、朝だと109mg/dl以下(1デシリットル当たりのミリグラム)ですが、糖尿病の人は朝食べていなくても180mg/dlとかいう値に上がってしまう。それはインスリンの働きが悪いからです。「夕食はなるべく早く食べるようにしましょう」「寝る前3時間は食べるのをやめましょう」というのは、糖尿病の患者だけでなく、予備軍の人もそうしたほうがよいと言えます。

食べる量は、できれば3食同じぐらいに食べるのがいいですが、どうしても夕食が多くなってしまいます。食事は、忙しくても20分かけてゆっくり食べること。ゆっくり食べた方が、血糖値の上昇を抑えられたり、満腹中枢が満足したりするからです。忙しいとき、仕事の合間に5分ぐらいで食事をしてしまうのは避けましょう。

食物繊維は血糖値を下げる効果があるので、海藻類やきのこ類はたくさん食べて下さい。また、野菜をいっぱい食べるというときに注意しなくてはいけないのは、ポテトやコーンです。ポテトサラダやコーンサラダをたくさん食べると、意外と血糖値が上がってしまいます。

野菜でたくさん食べた方がいいのは、トマト、キュウリ、レタス、ホウレンソウ、ニンジンなど。ドレッシングもいっぱいかけ過ぎないこと。果物は果糖なので血糖値を上げてしまいます。バナナなら1日1本、リンゴや柿なら1日半分、みかんは小さいものを1日2個まで。

体重を減らすことは、おいしいものが多いので難しい。ご飯1膳だけで野菜いっぱい食べてお魚食べて間食しない生活なんてそんなに続けられませんよね。ですから、糖尿病が増えているのです。私も体重を減らすために、飲み物はお茶と無糖のコーヒーだけにしましたし、アイスクリームやチョコレートは食べなくしました。夜寝る前は食べないようにして、体重を8キロ落としましたけど、これをやるのは大変でした。

■糖質制限の落とし穴

3食バランスよく食べて、ご飯は少なめにする。

「極端な糖質制限食」は良くありませんが、糖質は少なめの方がよいです。「緩やかな糖質制限食」は、血糖コントロールに有用だからです。ごはんの量を減らす、パンの量を減らす。若い人にありがちな「ラーメン・ライス」や「チャーハン・ラーメン」が一番良くありません。「カツ丼とざるそばセット」のようなものも良くありません。つまり、糖質ばかりのものを食べるのはよくないということです。だから、私はよく「幕の内弁当にしましょう。そしてご飯は半分残しましょう」と、提案しています。

米国糖尿病協会は、カロリー制限、糖質制限、どちらでも有用としています。ご飯が大好きな人は、ご飯を減らすだけである程度、血糖値は下がります。ご飯をあまり食べない人は、カロリー制限食でということになります。

時々、「糖質制限食原理主義」の人がいます。そいうところに行くと大変です。私が言う緩やかな糖質制限とは、1食あたり糖質40グラムが目安です。ごはんで軽く半膳ぐらい、パンで薄切り1枚です。これを1日3食とると、120グラムになります。これ以外からも糖質は体に入ってくるので、1日150グラム程度なら緩やかな糖質制限になると考えます。

「糖質は1食10グラム」といったような極論をいう人たちがいますが、普通の人はとても長くはやっていられません。

日本糖尿病学会は、「糖尿病における三大栄養素の推奨摂取比率」として、「一般的には、炭水化物50~60%(150g/日以上)、たんぱく質20%以下を目安とし、残りを脂質とする」としています。

ただし、米国糖尿病協会の診療ガイドラインには、栄養素の推奨摂取比率は必要ない、と書いています。

糖質制限で大事なのは、果物やお菓子、ジュースといった間食も減らすことです。つまり、緩やかな糖質制限食は、ご飯だけではないということです。炭水化物は、食物繊維と糖質を合わせたものです。食物繊維は血糖値を下げるのでたくさん食べた方がよいです。例えば、海藻やきのこ類です。ですから、炭水化物制限ではなく、糖質制限といった方が正しいのです。

私が、緩やかな糖質制限を推奨するのも、これを5年、10年続けないといけないためです。



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット