2017年01月22日 (日)
【17/01/21 深作秀春
糖質制限への糖尿病学会の無理解
今日、1月21日での横浜パシフィコ開催の日本糖尿病学会で、「過度な糖質制限食で起こしたケトアシドーシス」なる表題の発表がありました。
演者はケトン体値が高いというだけで、とんでもない悪さで重体と結論つけているのです。
アシドーシスの方の検査値は出ていません。
私は眼科外科医ですが、糖尿病性網膜症を多く診ることもあり、糖尿病学会の会員でもあります。
今までの経験から、糖尿病専門医による治療が開始すると、糖尿病性網膜症が悪化することが多くて困り果てていました。
この経験をもって、江部先生の糖質制限食を患者に進めることができるようになってから、非常に安定した糖尿病性網膜症の治療ができるようになっています。
さらに、宗田先生のケトン体の安全性とエネルギーとしての有効性は、患者だけでなく、自分自身を被験者にして実感してきています。
このような状況ですのに、地元横浜で行われた糖尿病学会では相変わらず、極端な糖質制限はケトアシドーシスを起こすので危険だ、と決めつけているのです。
しかも、ケトン体値が高い事がイコールでケトアシドーシスと言っているのです。
つまり、医学の基本を捻じ曲げているのです。
高ケトン値はケトアシドーシスとは別物ですが、医学部時代に刷りこまれたケトン体悪玉説に何の疑問も持たないで、科学としての医学の面を無視しているのです。
糖質制限を勧める眼科医の立場ですが、最近はますます従来の糖尿病治療で悪化して、糖尿病性網膜症が末期となり、網膜剥離を合併する患者の来院が、日本中から増えました。
手術には難渋しますが、網膜復位手術後の網膜の安定化には、糖質制限が非常に有効であることを実感しております。】
こんにちは。
眼科外科医の深作秀春先生から、ケトン体と糖尿病網膜症についてのコメントを頂きました。
深作先生、ありがとうございます。
1月21日の横浜パシフィコ開催の日本糖尿病学会での発表、血液ガスなど、アシドーシスの検査なしで、ケトン体高値だけで「ケトアシドーシス」と決めつけるとは 、その発表者は、科学的な態度とはほど遠いです。
「インスリン作用が確保されている生理的なケトーシス」と 「インスリン作用が欠落していることが前提の糖尿病ケトアシドーシス」を
混同しているのでしょう。
勉強不足のひと言に尽きます。
生理的ケトーシスは、ケトン食、絶食療法、スーパー糖質制限食で、日常的に観察されます。
この場合、インスリン作用が確保されているので、人体の緩衝作用により、アシドーシスは速やかに是正され、生理的で安全です。
宗田医師らは、2016年9月、胎盤・臍帯・新生児のケトン体値に関する研究を英文で発表しました。(*)
胎盤・臍帯のケトン体値論文は、世界初と思われます。
私も共著者の一人です。
以下の太字が、宗田論文の要約です。
胎盤のケトン体値(βヒドロキシ酪酸値)は基準値の20~30倍、
平均2235.0μmol/L(60検体)
臍帯のケトン体値は基準値の数倍~10倍、平均779.2μmol/L(60検体)
新生児のケトン体値は、基準値の3倍~数倍、平均240.4μmol/L(312例、生後4日)
βヒドロキシ酪酸の基準値は85 μmol/L以下。
この研究により、胎盤と臍帯と新生児では、ケトン体高値が当たり前であることが示されました。
このことは、そのままケトン体の安全性の担保と言えます。
胎盤と臍帯と新生児のケトン体高値も、もちろんインスリン作用は確保されている生理的ケトーシスです。
『今までの経験から、糖尿病専門医による治療が開始すると、糖尿病性網膜症が悪化することが多くて困り果てていました。
この経験をもって、江部先生の糖質制限食を患者に進めることができるようになってから、非常に安定した糖尿病性網膜症の治療ができるようになっています。』
『糖質制限を勧める眼科医の立場ですが、最近はますます従来の糖尿病治療で悪化して、糖尿病性網膜症が末期となり、網膜剥離を合併する患者の来院が、日本中から増えました。
手術には難渋しますが、網膜復位手術後の網膜の安定化には、糖質制限が非常に有効であることを実感しております』
糖尿病眼科合併症に関して、深作先生の説得力あるコメントがわれわれ糖質セイゲニストに勇気を与えてくれます。
重ねてありがとうございます。
日本糖尿病学会は、従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)では、糖尿病合併症の予防が困難である現実を真摯に受けとめるべきだと思います。
その上で、米国糖尿病学会のように正式に、糖質制限食を容認する時期がきていると思います。
(*)Ketone body elevation in placenta, umbilical cord,newborn and mother in normal delivery
Glycative Stress Research 2016; 3 (3): 133-140
Tetsuo Muneta 1), Eri Kawaguchi 1), Yasushi Nagai 2), Momoyo Matsumoto 2), Koji Ebe 3),Hiroko Watanabe 4), Hiroshi Bando 5)
江部康二
糖質制限への糖尿病学会の無理解
今日、1月21日での横浜パシフィコ開催の日本糖尿病学会で、「過度な糖質制限食で起こしたケトアシドーシス」なる表題の発表がありました。
演者はケトン体値が高いというだけで、とんでもない悪さで重体と結論つけているのです。
アシドーシスの方の検査値は出ていません。
私は眼科外科医ですが、糖尿病性網膜症を多く診ることもあり、糖尿病学会の会員でもあります。
今までの経験から、糖尿病専門医による治療が開始すると、糖尿病性網膜症が悪化することが多くて困り果てていました。
この経験をもって、江部先生の糖質制限食を患者に進めることができるようになってから、非常に安定した糖尿病性網膜症の治療ができるようになっています。
さらに、宗田先生のケトン体の安全性とエネルギーとしての有効性は、患者だけでなく、自分自身を被験者にして実感してきています。
このような状況ですのに、地元横浜で行われた糖尿病学会では相変わらず、極端な糖質制限はケトアシドーシスを起こすので危険だ、と決めつけているのです。
しかも、ケトン体値が高い事がイコールでケトアシドーシスと言っているのです。
つまり、医学の基本を捻じ曲げているのです。
高ケトン値はケトアシドーシスとは別物ですが、医学部時代に刷りこまれたケトン体悪玉説に何の疑問も持たないで、科学としての医学の面を無視しているのです。
糖質制限を勧める眼科医の立場ですが、最近はますます従来の糖尿病治療で悪化して、糖尿病性網膜症が末期となり、網膜剥離を合併する患者の来院が、日本中から増えました。
手術には難渋しますが、網膜復位手術後の網膜の安定化には、糖質制限が非常に有効であることを実感しております。】
こんにちは。
眼科外科医の深作秀春先生から、ケトン体と糖尿病網膜症についてのコメントを頂きました。
深作先生、ありがとうございます。
1月21日の横浜パシフィコ開催の日本糖尿病学会での発表、血液ガスなど、アシドーシスの検査なしで、ケトン体高値だけで「ケトアシドーシス」と決めつけるとは 、その発表者は、科学的な態度とはほど遠いです。
「インスリン作用が確保されている生理的なケトーシス」と 「インスリン作用が欠落していることが前提の糖尿病ケトアシドーシス」を
混同しているのでしょう。
勉強不足のひと言に尽きます。
生理的ケトーシスは、ケトン食、絶食療法、スーパー糖質制限食で、日常的に観察されます。
この場合、インスリン作用が確保されているので、人体の緩衝作用により、アシドーシスは速やかに是正され、生理的で安全です。
宗田医師らは、2016年9月、胎盤・臍帯・新生児のケトン体値に関する研究を英文で発表しました。(*)
胎盤・臍帯のケトン体値論文は、世界初と思われます。
私も共著者の一人です。
以下の太字が、宗田論文の要約です。
胎盤のケトン体値(βヒドロキシ酪酸値)は基準値の20~30倍、
平均2235.0μmol/L(60検体)
臍帯のケトン体値は基準値の数倍~10倍、平均779.2μmol/L(60検体)
新生児のケトン体値は、基準値の3倍~数倍、平均240.4μmol/L(312例、生後4日)
βヒドロキシ酪酸の基準値は85 μmol/L以下。
この研究により、胎盤と臍帯と新生児では、ケトン体高値が当たり前であることが示されました。
このことは、そのままケトン体の安全性の担保と言えます。
胎盤と臍帯と新生児のケトン体高値も、もちろんインスリン作用は確保されている生理的ケトーシスです。
『今までの経験から、糖尿病専門医による治療が開始すると、糖尿病性網膜症が悪化することが多くて困り果てていました。
この経験をもって、江部先生の糖質制限食を患者に進めることができるようになってから、非常に安定した糖尿病性網膜症の治療ができるようになっています。』
『糖質制限を勧める眼科医の立場ですが、最近はますます従来の糖尿病治療で悪化して、糖尿病性網膜症が末期となり、網膜剥離を合併する患者の来院が、日本中から増えました。
手術には難渋しますが、網膜復位手術後の網膜の安定化には、糖質制限が非常に有効であることを実感しております』
糖尿病眼科合併症に関して、深作先生の説得力あるコメントがわれわれ糖質セイゲニストに勇気を与えてくれます。
重ねてありがとうございます。
日本糖尿病学会は、従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)では、糖尿病合併症の予防が困難である現実を真摯に受けとめるべきだと思います。
その上で、米国糖尿病学会のように正式に、糖質制限食を容認する時期がきていると思います。
(*)Ketone body elevation in placenta, umbilical cord,newborn and mother in normal delivery
Glycative Stress Research 2016; 3 (3): 133-140
Tetsuo Muneta 1), Eri Kawaguchi 1), Yasushi Nagai 2), Momoyo Matsumoto 2), Koji Ebe 3),Hiroko Watanabe 4), Hiroshi Bando 5)
江部康二
2016年01月19日 (火)
【16/01/19 深作 秀春
眼科外科医の糖質制限食
江部先生の本「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」を読んで目からうろこが落ちる思いです。私は眼科外科医ですが、糖尿病の患者が非常に多くて糖質制限やケトン体の概念を導入しようと思っています。
医学部時代の同級生の話ですが糖尿病の専門医でした。ところが彼自身が糖尿病になり、自身が専門である従来の糖尿病の治療を行ってきました。
しかし、糖尿病のコントロールが悪く、さらに糖尿病性網膜症が進行してしまいました。彼は数年前に、江部先生の講演を聞き、糖質制限療法を始めました。全身のコントロールは改善し、インスリンも中止できました。
しかし、網膜症は既に重症の増殖性糖尿病性網膜症となり、網膜剥離も合併し視力をほぼ失ったのです。この重症の糖尿病性網膜症での網膜剥離は難しい症例で、世界の標準からみると遅れている日本の大学病院ではもはや手術もできないとされました。
私はインターンからアメリカで修業し、さらに網膜硝子体手術はドイツで修業をしています。その後、欧米での国の管轄の専門家となり(アメリカでは大学の関与をさせないで、日本のような大学に縛り付ける意味での大学が行う専門医制度では無く、国が厳密な専門医制度を行っています)世界基準の手術を行っています。
卒業以来没交渉だった彼が、大学の同僚や近医の眼科専門医の提案で、日本では唯一世界基準での手術治療を行っている当院を頼って来院しました。
彼の眼を、ドイツの仲間と一緒に開発した小切開硝子体手術をし、幸い網膜も復位し、すぐに視力を回復しました。彼は深く感謝し、日本の大学よりはるかに進んだ方法を開業医の眼科病院で行っているのに驚きました。
そして後日、彼が現在自身でも自分の施設でも行っている、糖質制限食の解説のある江部康二先生の著書をくれました。実に興味深いことを知りました。
普段我々の眼科外来で糖尿病性網膜症が見つかることで、多くの糖尿病が見つかることが多いのです。
しかし、網膜症を悪化させないために彼らのDMコントロールが難しい。現実に血糖の上下変動が糖尿病性網膜症を悪化させるのです。
何度も大学の糖尿病専門医に、血糖の上下変動を少なくするように低血糖を起こさせないようにと教育しましたが、ほとんどの内科医はインシュリンや内服薬で血糖を下げればよいんだ、としか考えていません。眼底など分からないのか、どんどん糖尿病性網膜症が悪化します。
しかも、日本の大学が作った分類では増殖性網膜症の進行は止められない福田分類など使っています。つまり同級生の彼のような増殖性糖尿病性網膜症からおきた網膜剥離は日本国内ではまず治らないのです。
これを欧米でいまや教育をしている、当院の方法による世界基準で手術して、ほとんどの症例を治癒させています。しかし、大学のボスのような輩は、治した症例を別の患者だとか、口にはできない酷い誹謗中傷を陰で行う有様です。
私は世界の中心のアメリカ眼科学会で最高賞を19回受賞し、国際学科学会の理事や眼科殿堂審査員など世界を指導する立場を経験してきました。多くの手術方法を開発していますが、そんな欧米では指導者である当方でも日本で発表する新しい方法は侮蔑を受け誹謗中傷を受けるのです。
世界の学会では新しい方法で無いと誰も賛辞しませんし尊敬もしません。一方では日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがります。
日本の大学人が自分の知らない方法を認めると、自分が無能であることを認めることになるとの無意識の恐怖から、無視したり誹謗したりするのです。この為に、常に世界最先端と比べると20年ほどの認識のずれが有るのです。
例えば欧米の眼科医が驚き絶賛しその功績で私が理事になった「無縫合白内障手術」を世界で最初に発表したエピソードを言います。
最高賞の授賞式で、日本人で初めてのライバルが出来たとアメリカ学会会長から握手を求められたほどの評価を得た方法です。これは、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法で、学会で大賞を受けました。
翌年日本の全国的学会で同じ方法を発表すると、誰も意味を理解できないのです。ある大学人が、「最近変わった方法がアメリカで流行っているが単なる名前を売る方法だ」、などと侮蔑するありさまです。
その後も、世界の眼科手術を根底から変えた方法をいくつも開発して最高賞を19回も受賞しました。しかし、欧米では絶賛されているのに、日本ではほぼ理解されないのです。新しい画期的な正しい方法は日本の学会では常に嫌な反応を受けます。
江部先生の発表を、日本の糖尿病専門医の多くが理解していないのも、他人ごとでは無いのです。
私の発表も日本では理解されなくても、世界ではよく理解し採用されています。この私が考えた方法が世界を巡って日本に再上陸をすると、西洋人コンプレックスの日本の大学人はありがたがって認めるのです。その西洋人医師たちが私の弟子たちなのに日本人の私へは侮蔑したがるのです。
10年から20年経つと酷い侮蔑をした日本の大学人が反省の言葉も無く、まるで以前から私の方法をやっていたかのごとく発表するのにはブラックジョークなのかと笑えてきます。
ぜひ江部先生の糖質制限食を患者さんの糖尿病治療に取り入れようと思います。これが糖尿病性網膜症を悪化させる血糖の極端な上下変動や低血糖を防ぐ切り札だと信じるからです。糖質制限食などにつきご指導をお願いいたします。江部先生の本をさらに追加してレシピなども何冊も購入し、他の当院医師や入院食担当の当院の管理栄養士とも江部先生のご指導を情報共有していきます。】
こんにちは。
世界的眼科外科医の 深作 秀春 先生から、興味深いコメントを頂きました。
深作先生、ありがとうございます。
拙著の御購入もありがとうございます。
『医学部時代の同級生の話ですが糖尿病の専門医でした。ところが彼自身が糖尿病になり、自身が専門である従来の糖尿病の治療を行ってきました。
しかし、糖尿病のコントロールが悪く、さらに糖尿病性網膜症が進行してしまいました。彼は数年前に、江部先生の講演を聞き、糖質制限療法を始めました。全身のコントロールは改善し、インスリンも中止できました。
しかし、網膜症は既に重症の増殖性糖尿病性網膜症となり、網膜剥離も合併し視力をほぼ失ったのです。この重症の糖尿病性網膜症での網膜剥離は難しい症例で、世界の標準からみると遅れている日本の大学病院ではもはや手術もできないとされました。』
糖質制限食でインスリンも中止できるくらい、血糖コントロール良好となったのに、重症糖尿病網膜症と網膜剥離で視力低下したのは、高血糖の記憶(過去の高血糖による動脈硬化の消えない借金)のためと思われます。
日本の眼科手術が、世界水準から遅れているとは、初めて知りました。勉強になりました。
日本の大学病院では手術不能と言われた、同級生の「重症糖尿病性網膜症での網膜剥離」に対して、ドイツの仲間と一緒に開発された小切開硝子体手術を実践され、見事視力回復とは素晴らしいです。まさに世界水準のお仕事です。
『普段我々の眼科外来で糖尿病性網膜症が見つかることで、多くの糖尿病が見つかることが多いのです。しかし、網膜症を悪化させないために彼らのDMコントロールが難しい。現実に血糖の上下変動が糖尿病性網膜症を悪化させるのです。
何度も大学の糖尿病専門医に、血糖の上下変動を少なくするように低血糖を起こさせないようにと教育しましたが、ほとんどの内科医はインシュリンや内服薬で血糖を下げればよいんだ、としか考えていません。眼底など分からないのか、どんどん糖尿病性網膜症が悪化します。』
仰有る通りと思います。
従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)では、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が必ず生じます。そして食後高血糖を起こさないように強力に薬物治療を行えば低血糖のリスクが大きく増大します。
これでは、糖尿病専門医の治療を受けていても、ご指摘通り糖尿病網膜症は悪化の一途だと思います。
『私は世界の中心のアメリカ眼科学会で最高賞を19回受賞し、国際学科学会の理事や眼科殿堂審査員など世界を指導する立場を経験してきました。多くの手術方法を開発していますが、そんな欧米では指導者である当方でも日本で発表する新しい方法は侮蔑を受け誹謗中傷を受けるのです。
世界の学会では新しい方法で無いと誰も賛辞しませんし尊敬もしません。一方では日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがります。日本の大学人が自分の知らない方法を認めると、自分が無能であることを認めることになるとの無意識の恐怖から、無視したり誹謗したりするのです。この為に、常に世界最先端と比べると20年ほどの認識のずれが有るのです。』
「世界の学会では新しい手術方法を賛辞し尊敬するにの対して、日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがる。」
これは、お粗末です。
深作先生、日本眼科学会の現状をよくぞ仰有ってくださいました。
自分たちの見栄のために、新しい手術方法を検討することさえ拒否するような態度は、医師として極めて問題であり、結局世界水準の眼科外科治療を受けることができない日本の患者さんが大迷惑を被ります。
世界最先端の治療水準から20年もずれたような眼科外科治療は、誰でも受けたくないと思います。
『例えば欧米の眼科医が驚き絶賛しその功績で私が理事になった「無縫合白内障手術」を世界で最初に発表したエピソードを言います。
最高賞の授賞式で、日本人で初めてのライバルが出来たとアメリカ学会会長から握手を求められたほどの評価を得た方法です。これは、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法で、学会で大賞を受けました。
翌年日本の全国的学会で同じ方法を発表すると、誰も意味を理解できないのです。ある大学人が、「最近変わった方法がアメリカで流行っているが単なる名前を売る方法だ」、などと侮蔑するありさまです。』
白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法「無縫合白内障手術」が、米国学会で大賞を受けたのに、日本の眼科学会では、無視あるいは侮蔑とはひどいです。
私のような、内科医からみても、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し、術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法「無縫合白内障手術」と聞いただけでも画期的と思います。
『10年から20年経つと酷い侮蔑をした日本の大学人が反省の言葉も無く、まるで以前から私の方法をやっていたかのごとく発表するのにはブラックジョークなのかと笑えてきます。』
「湿潤療法」の夏井睦先生が、同様のことを仰有っていました。
「傷は消毒するな」に対して、強硬に反対していた大学の医師が、10年くらい経ったら何の自己批判もなく、まるで自分が昔から「湿潤療法」をしていたみたいな本を書いたりすると苦笑いしておられました。
『糖質制限食を患者さんの糖尿病治療に取り入れようと思います。これが糖尿病性網膜症を悪化させる血糖の極端な上下変動や低血糖を防ぐ切り札だと信じるからです。
糖質制限食などにつきご指導をお願いいたします。江部先生の本をさらに追加してレシピなども何冊も購入し、他の当院医師や入院食担当の当院の管理栄養士とも江部先生のご指導を情報共有していきます。』
ありがとうございます。
仰有る通り、「糖質制限食」が、血糖の極端な上下変動や低血糖そして食後高血糖を防ぐ、唯一の糖尿病治療食です。
これらのリスクが断ち切れれば、糖尿病網膜症の予後も良好になると思います。
深作先生のような、世界最高水準の眼科外科医が、糖質制限食を導入して頂けるとは嬉しい限りで、糖尿病患者さんへの朗報です。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
江部康二
眼科外科医の糖質制限食
江部先生の本「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」を読んで目からうろこが落ちる思いです。私は眼科外科医ですが、糖尿病の患者が非常に多くて糖質制限やケトン体の概念を導入しようと思っています。
医学部時代の同級生の話ですが糖尿病の専門医でした。ところが彼自身が糖尿病になり、自身が専門である従来の糖尿病の治療を行ってきました。
しかし、糖尿病のコントロールが悪く、さらに糖尿病性網膜症が進行してしまいました。彼は数年前に、江部先生の講演を聞き、糖質制限療法を始めました。全身のコントロールは改善し、インスリンも中止できました。
しかし、網膜症は既に重症の増殖性糖尿病性網膜症となり、網膜剥離も合併し視力をほぼ失ったのです。この重症の糖尿病性網膜症での網膜剥離は難しい症例で、世界の標準からみると遅れている日本の大学病院ではもはや手術もできないとされました。
私はインターンからアメリカで修業し、さらに網膜硝子体手術はドイツで修業をしています。その後、欧米での国の管轄の専門家となり(アメリカでは大学の関与をさせないで、日本のような大学に縛り付ける意味での大学が行う専門医制度では無く、国が厳密な専門医制度を行っています)世界基準の手術を行っています。
卒業以来没交渉だった彼が、大学の同僚や近医の眼科専門医の提案で、日本では唯一世界基準での手術治療を行っている当院を頼って来院しました。
彼の眼を、ドイツの仲間と一緒に開発した小切開硝子体手術をし、幸い網膜も復位し、すぐに視力を回復しました。彼は深く感謝し、日本の大学よりはるかに進んだ方法を開業医の眼科病院で行っているのに驚きました。
そして後日、彼が現在自身でも自分の施設でも行っている、糖質制限食の解説のある江部康二先生の著書をくれました。実に興味深いことを知りました。
普段我々の眼科外来で糖尿病性網膜症が見つかることで、多くの糖尿病が見つかることが多いのです。
しかし、網膜症を悪化させないために彼らのDMコントロールが難しい。現実に血糖の上下変動が糖尿病性網膜症を悪化させるのです。
何度も大学の糖尿病専門医に、血糖の上下変動を少なくするように低血糖を起こさせないようにと教育しましたが、ほとんどの内科医はインシュリンや内服薬で血糖を下げればよいんだ、としか考えていません。眼底など分からないのか、どんどん糖尿病性網膜症が悪化します。
しかも、日本の大学が作った分類では増殖性網膜症の進行は止められない福田分類など使っています。つまり同級生の彼のような増殖性糖尿病性網膜症からおきた網膜剥離は日本国内ではまず治らないのです。
これを欧米でいまや教育をしている、当院の方法による世界基準で手術して、ほとんどの症例を治癒させています。しかし、大学のボスのような輩は、治した症例を別の患者だとか、口にはできない酷い誹謗中傷を陰で行う有様です。
私は世界の中心のアメリカ眼科学会で最高賞を19回受賞し、国際学科学会の理事や眼科殿堂審査員など世界を指導する立場を経験してきました。多くの手術方法を開発していますが、そんな欧米では指導者である当方でも日本で発表する新しい方法は侮蔑を受け誹謗中傷を受けるのです。
世界の学会では新しい方法で無いと誰も賛辞しませんし尊敬もしません。一方では日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがります。
日本の大学人が自分の知らない方法を認めると、自分が無能であることを認めることになるとの無意識の恐怖から、無視したり誹謗したりするのです。この為に、常に世界最先端と比べると20年ほどの認識のずれが有るのです。
例えば欧米の眼科医が驚き絶賛しその功績で私が理事になった「無縫合白内障手術」を世界で最初に発表したエピソードを言います。
最高賞の授賞式で、日本人で初めてのライバルが出来たとアメリカ学会会長から握手を求められたほどの評価を得た方法です。これは、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法で、学会で大賞を受けました。
翌年日本の全国的学会で同じ方法を発表すると、誰も意味を理解できないのです。ある大学人が、「最近変わった方法がアメリカで流行っているが単なる名前を売る方法だ」、などと侮蔑するありさまです。
その後も、世界の眼科手術を根底から変えた方法をいくつも開発して最高賞を19回も受賞しました。しかし、欧米では絶賛されているのに、日本ではほぼ理解されないのです。新しい画期的な正しい方法は日本の学会では常に嫌な反応を受けます。
江部先生の発表を、日本の糖尿病専門医の多くが理解していないのも、他人ごとでは無いのです。
私の発表も日本では理解されなくても、世界ではよく理解し採用されています。この私が考えた方法が世界を巡って日本に再上陸をすると、西洋人コンプレックスの日本の大学人はありがたがって認めるのです。その西洋人医師たちが私の弟子たちなのに日本人の私へは侮蔑したがるのです。
10年から20年経つと酷い侮蔑をした日本の大学人が反省の言葉も無く、まるで以前から私の方法をやっていたかのごとく発表するのにはブラックジョークなのかと笑えてきます。
ぜひ江部先生の糖質制限食を患者さんの糖尿病治療に取り入れようと思います。これが糖尿病性網膜症を悪化させる血糖の極端な上下変動や低血糖を防ぐ切り札だと信じるからです。糖質制限食などにつきご指導をお願いいたします。江部先生の本をさらに追加してレシピなども何冊も購入し、他の当院医師や入院食担当の当院の管理栄養士とも江部先生のご指導を情報共有していきます。】
こんにちは。
世界的眼科外科医の 深作 秀春 先生から、興味深いコメントを頂きました。
深作先生、ありがとうございます。
拙著の御購入もありがとうございます。
『医学部時代の同級生の話ですが糖尿病の専門医でした。ところが彼自身が糖尿病になり、自身が専門である従来の糖尿病の治療を行ってきました。
しかし、糖尿病のコントロールが悪く、さらに糖尿病性網膜症が進行してしまいました。彼は数年前に、江部先生の講演を聞き、糖質制限療法を始めました。全身のコントロールは改善し、インスリンも中止できました。
しかし、網膜症は既に重症の増殖性糖尿病性網膜症となり、網膜剥離も合併し視力をほぼ失ったのです。この重症の糖尿病性網膜症での網膜剥離は難しい症例で、世界の標準からみると遅れている日本の大学病院ではもはや手術もできないとされました。』
糖質制限食でインスリンも中止できるくらい、血糖コントロール良好となったのに、重症糖尿病網膜症と網膜剥離で視力低下したのは、高血糖の記憶(過去の高血糖による動脈硬化の消えない借金)のためと思われます。
日本の眼科手術が、世界水準から遅れているとは、初めて知りました。勉強になりました。
日本の大学病院では手術不能と言われた、同級生の「重症糖尿病性網膜症での網膜剥離」に対して、ドイツの仲間と一緒に開発された小切開硝子体手術を実践され、見事視力回復とは素晴らしいです。まさに世界水準のお仕事です。
『普段我々の眼科外来で糖尿病性網膜症が見つかることで、多くの糖尿病が見つかることが多いのです。しかし、網膜症を悪化させないために彼らのDMコントロールが難しい。現実に血糖の上下変動が糖尿病性網膜症を悪化させるのです。
何度も大学の糖尿病専門医に、血糖の上下変動を少なくするように低血糖を起こさせないようにと教育しましたが、ほとんどの内科医はインシュリンや内服薬で血糖を下げればよいんだ、としか考えていません。眼底など分からないのか、どんどん糖尿病性網膜症が悪化します。』
仰有る通りと思います。
従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)では、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」が必ず生じます。そして食後高血糖を起こさないように強力に薬物治療を行えば低血糖のリスクが大きく増大します。
これでは、糖尿病専門医の治療を受けていても、ご指摘通り糖尿病網膜症は悪化の一途だと思います。
『私は世界の中心のアメリカ眼科学会で最高賞を19回受賞し、国際学科学会の理事や眼科殿堂審査員など世界を指導する立場を経験してきました。多くの手術方法を開発していますが、そんな欧米では指導者である当方でも日本で発表する新しい方法は侮蔑を受け誹謗中傷を受けるのです。
世界の学会では新しい方法で無いと誰も賛辞しませんし尊敬もしません。一方では日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがります。日本の大学人が自分の知らない方法を認めると、自分が無能であることを認めることになるとの無意識の恐怖から、無視したり誹謗したりするのです。この為に、常に世界最先端と比べると20年ほどの認識のずれが有るのです。』
「世界の学会では新しい手術方法を賛辞し尊敬するにの対して、日本の学会は日本の大学が中心で、新しい方法は必ず無視するか馬鹿にしたがる。」
これは、お粗末です。
深作先生、日本眼科学会の現状をよくぞ仰有ってくださいました。
自分たちの見栄のために、新しい手術方法を検討することさえ拒否するような態度は、医師として極めて問題であり、結局世界水準の眼科外科治療を受けることができない日本の患者さんが大迷惑を被ります。
世界最先端の治療水準から20年もずれたような眼科外科治療は、誰でも受けたくないと思います。
『例えば欧米の眼科医が驚き絶賛しその功績で私が理事になった「無縫合白内障手術」を世界で最初に発表したエピソードを言います。
最高賞の授賞式で、日本人で初めてのライバルが出来たとアメリカ学会会長から握手を求められたほどの評価を得た方法です。これは、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法で、学会で大賞を受けました。
翌年日本の全国的学会で同じ方法を発表すると、誰も意味を理解できないのです。ある大学人が、「最近変わった方法がアメリカで流行っているが単なる名前を売る方法だ」、などと侮蔑するありさまです。』
白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法「無縫合白内障手術」が、米国学会で大賞を受けたのに、日本の眼科学会では、無視あるいは侮蔑とはひどいです。
私のような、内科医からみても、白内障手術後の乱視を無くし術後の社会復帰を2週間ほどから2日程に短縮し、術後の合併症をほぼ無くした革新的な方法「無縫合白内障手術」と聞いただけでも画期的と思います。
『10年から20年経つと酷い侮蔑をした日本の大学人が反省の言葉も無く、まるで以前から私の方法をやっていたかのごとく発表するのにはブラックジョークなのかと笑えてきます。』
「湿潤療法」の夏井睦先生が、同様のことを仰有っていました。
「傷は消毒するな」に対して、強硬に反対していた大学の医師が、10年くらい経ったら何の自己批判もなく、まるで自分が昔から「湿潤療法」をしていたみたいな本を書いたりすると苦笑いしておられました。
『糖質制限食を患者さんの糖尿病治療に取り入れようと思います。これが糖尿病性網膜症を悪化させる血糖の極端な上下変動や低血糖を防ぐ切り札だと信じるからです。
糖質制限食などにつきご指導をお願いいたします。江部先生の本をさらに追加してレシピなども何冊も購入し、他の当院医師や入院食担当の当院の管理栄養士とも江部先生のご指導を情報共有していきます。』
ありがとうございます。
仰有る通り、「糖質制限食」が、血糖の極端な上下変動や低血糖そして食後高血糖を防ぐ、唯一の糖尿病治療食です。
これらのリスクが断ち切れれば、糖尿病網膜症の予後も良好になると思います。
深作先生のような、世界最高水準の眼科外科医が、糖質制限食を導入して頂けるとは嬉しい限りで、糖尿病患者さんへの朗報です。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
江部康二
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