GLUT-1欠損症と髄液糖と血糖。赤血球のエネルギー源は?
【15/08/17 平山貴久

ご質問宜しいでしょうか?

いつも御著書やブログで勉強させて頂いております。ありがとうございます。

ふと思ったのですが、GLUT1が欠損した場合、ミトコンドリアを持たない赤血球は何をエネルギー源とするのでしょうか?赤血球にはGLUT1のみではなく、GLUT4も存在するのであれば腑に落ちるのですが。

ご教示頂けましたら幸甚です。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。】



こんにちは。

平山貴久さんから、GLUT-1欠損症で、赤血球のエネルギー源は何かというコメント・質問をいただきました。

まず、結論ですが、赤血球はブドウ糖しかエネルギー源にできません。

GLUT-1欠損症でも、赤血球のエネルギー源はブドウ糖だけです。

さて、血液脳関門にあるGLUT-1が正常に機能すれば、脳脊髄液中のブドウ糖は、血液中のブドウ糖濃度の60%くらいです。
髄液糖/血糖比、正常は0.6-0.7です。

髄液(脳脊髄液)とは、脳室系とクモ膜下腔を満たす、リンパ液のように無色透明な液体です。

GLUT-1欠損症の場合は、血液中の血糖値が正常値でも髄液検査では、髄液糖は 40 mg/dL 以下です。

髄液糖/血糖比は 0.45 以下(平均 0.35)です。

ということは、平均正常の半分くらいは、ブドウ糖を取り込めていることとなります。

つまりGLUT-1欠損症という診断名がついていても、ブドウ糖取り込み能力がかなり低下しているけれど、ゼロではないということです。

GLUT-1欠損症の赤血球も、脳の血液脳関門と同様にブドウ糖取り込み能力が低下していますが、平均、正常の半分程度は取り込めます。

血糖値が100mgとすれば、赤血球内に35mgとか45mgとかは取り込めます。

私が本断食をしたとき、血糖35mg/dlでしたが、脳はケトン体(断食中で高値)をエネルギー源として意識を保ち、赤血球は血糖35mg/dlでも事足りていたのだと思います。

即ち脳は血糖値35mg/dlでは、ケトン体がなければ意識不明ですが、赤血球は、血糖35mg/dlくらいあれば生きていけるのだと思います。


<追加>

血液脳関門にあるGLUT-1が正常に機能すれば、脳脊髄液中のブドウ糖は、血液中のブドウ糖濃度の60%くらいです。

糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第4版、2009年)293ページには、低血糖症の定義として、

「低血糖症状があり血糖値60mg/dl以下」

と記載されています。

血糖値が60mg/dlなら、脳脊髄液のブドウ糖濃度は36mg/dlです。

そうすると、赤血球も脳細胞も、それぞれブドウ糖濃度が35~36~37mg/dlくらいで、エネルギー源としては何とか足りているということのようです。

血糖値35mg/dlなら、脳脊髄液のブドウ糖濃度は21mg/dlですので、ケトン体髙値がなければ、意識不明ですね。




江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット