2015年09月08日 (火)
【15/09/08 高渕美那子
枝豆について
江部先生初めまして。
5月よりスーパー糖質制限しております。
私は糖尿病と診断を受けたわけではありませんが、母が糖尿病ということと、多嚢胞卵性症候群と産婦人科で7年前にで診断されたときに、数値から見ると将来糖尿になるかもといわれていました。
好き放題生活しているうちに体重80㎏になってしまい、これはさすがにやばいと5月よりスーパー糖質制限を始めました。
現在ようやく69㎏になりました。
夫も太っていまして私ほどではありませんが、炭水化物を減らす生活をしています。
夫は尿酸値が少し高くプリン体の多い食品に気を付けなければと思っているのですが、私は高タンパクを心がけ、納豆を食べたりしています。
糖質制限をしたからといって尿酸値が正値に戻るとこはないのでしょうか?
納豆や枝豆を私は食べたりするのですが、夫は食べない方がいいのでしょうか。
尿酸値の少し高い人の糖質制限で食べない方がいいというものはどんなものがありますでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんお教えいただければ幸いです。】
こんにちは。
高渕美那子さんから、糖質制限食と尿酸値について、コメント・質問を頂きました。
高渕さん、減量成功良かったですね。
今回の記事は、糖質制限食と血清尿酸値について少し詳しく「復習とリニューアル」です。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。
もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、これは問題ないですね。
肥満がある人が糖質制限食で減量に成功したら、尿酸値が基準値になることは考えられます。
もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践後にで高値となる人が時々おられます。
尿酸高値の一番多い原因は、糖質を制限したことではなく、結果として低カロリー過ぎた場合です。
糖質制限食開始後、急に尿酸値が上昇したときは、栄養指導で確認したところ、ほとんどの人において、摂取エネルギー不足でした。
尿酸は尿から排泄されるだけでなく、消化液や汗からも排泄されます。
腎臓からの排泄は約3/4を占め一番多いですが、 消化液や汗からの排泄機能も、血清尿酸値の個人差にある程度関係しているのでしょう。
体内で尿酸をつくり過ぎるか尿からの排泄が悪いため、高尿酸血症になると考えられてきましたが、これらに腸からの排泄障害や皮膚の汗からの排泄障害も加わることとなりました。
あくまでも私見ですが、この腸や皮膚からの尿酸排泄は、生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がします。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇するので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
断食前6mg/dlが、断食中は9~10mg/dlに急上昇したりします。
さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
一般に高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。
例えば、江部康二は、2002年以来13年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。
しかしながら、尿酸値はこの10年間、一貫して2.4~3.5mg/dl(基準値は3.4~7.0)程度と低い方です。
尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。
私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。
通常、糖質制限食開始後に、一旦、尿酸値が上昇した人も、摂取エネルギー不足を解消すれば速やかに元の値に戻ることが多いので経過をみて良いと思います。
ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服薬も考慮する必要があります。
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8~9mg/dlとかでも、経過をみてよいと思います。
過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で、尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来のプリン体は総量の約20%に過ぎず、体内で生合成するプリン体80%に比し、かなり少ないということが判明しました。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満の方が、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
<尿酸を上昇させる要因>
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
尿酸値に影響を与える5つの要素について、詳しく見ていきましょう。
1 ストレス
実はストレスが一番尿酸値を上昇させます。
鹿児島大学の納光弘先生もご自身が痛風でして、徹底的に自分で人体実験をされて、ビールより何よりストレスが高尿酸血症の原因と断定しておられます。
納先生ご自身は、学会の会頭を引き受けて忙しくてプレッシャーが高かった時期が最も尿酸値が上昇したそうです。
学会が終了したら、ビールを飲んでも下がったそうです。
これは、もっぱら心理的ストレスですね。
一方、断食は究極の肉体的ストレスという見方もできます。
2 肥満
体重増加も尿酸を増加させる要因なので、糖質制限食で減量すると、尿酸値も低下すると思います。
高渕さんのご主人も、肥満が改善すれば、尿酸値も改善する可能性があります。
3 飲酒
アルコールを大量に(日本酒1日3合程度以上)飲めば尿酸値は上昇し、断酒すれば下降します。
アルコールが尿酸値に影響を与える要因は二つあります。
一つは、アルコールが代謝の途中で乳酸になり、乳酸が腎臓からの尿酸排泄を抑制すること。
もう一つは、継続的に多量にアルコールを摂取したときに(日本酒1日4合以上を毎日)、アルコールが尿酸の代謝を促進させて尿酸値が上がることです。
なお、お酒に含まれているプリン体自身の量は、体内の尿酸プールの量に比べて少ないのでほとんど影響はありません。
例えばビール大瓶633㏄中のプリン体はたったの32.4㎎に過ぎません。
適量のアルコールならストレスが解消され尿酸値を下げます。
適量の目安は、日本酒1.5合、ビール約750㏄、ワイングラス2杯、焼酎のお湯割りコップ2杯程度です。
4 激しい運動
激しい運動は尿酸を上昇させますが、軽い有酸素運動は大丈夫です。
5 プリン体の摂りすぎ
プリン体が非常に多い食品はさすがに大量にはとらない方がいいでしょう。
しかし、日常的な食生活の中では、プリン体を気にするほどのことはなさそうです。
何故ならプリン体は約80%が体内で生合成され、食事由来のプリン体は約20%に過ぎないからです。
☆プリン体の多い食品
(1)きわめて多い(100g中300㎎以上):鶏レバー、白子など
(2)多い(100g中200-300㎎):豚レバー、牛レバー、かつお、
まいわし、大正えびなど
<尿酸の生成と排泄、尿酸プール>
☆尿酸の生成
プリン体の代謝産物として、尿酸が作られます。
一日で産生される尿酸の総量:約700㎎
☆尿酸の排泄
一日で排出される尿酸の量:約700㎎
・ 尿から排泄:約525㎎(3/4)
・ 汗や消化液から排泄:約175㎎(1/4)
☆尿酸の体内プール
・ 健康な人の体内には常に1200㎎程度の尿酸がプールされています。
尿酸は、このように毎日生産と排泄を繰り返しながら一定量を保っています。
しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。
**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
**プリン体
プリン体は核酸(DNAおよびRNA)の構成要素として体内で遺伝情報を保存しています。
また生物が生命活動を行う際に必要とするエネルギーは、プリン体の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)から供給されます。
**今回の記事は
帝人ファーマ株式会社
尿酸を下げるためのプロジェクト.com
医療関係者のための高尿酸血症総合情報サイト
https://243sageru.com/toranomaki/purine/1_1/index.html
を参考にし、一部引用させて頂きました。
ありがとうございました。
江部康二
枝豆について
江部先生初めまして。
5月よりスーパー糖質制限しております。
私は糖尿病と診断を受けたわけではありませんが、母が糖尿病ということと、多嚢胞卵性症候群と産婦人科で7年前にで診断されたときに、数値から見ると将来糖尿になるかもといわれていました。
好き放題生活しているうちに体重80㎏になってしまい、これはさすがにやばいと5月よりスーパー糖質制限を始めました。
現在ようやく69㎏になりました。
夫も太っていまして私ほどではありませんが、炭水化物を減らす生活をしています。
夫は尿酸値が少し高くプリン体の多い食品に気を付けなければと思っているのですが、私は高タンパクを心がけ、納豆を食べたりしています。
糖質制限をしたからといって尿酸値が正値に戻るとこはないのでしょうか?
納豆や枝豆を私は食べたりするのですが、夫は食べない方がいいのでしょうか。
尿酸値の少し高い人の糖質制限で食べない方がいいというものはどんなものがありますでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんお教えいただければ幸いです。】
こんにちは。
高渕美那子さんから、糖質制限食と尿酸値について、コメント・質問を頂きました。
高渕さん、減量成功良かったですね。
今回の記事は、糖質制限食と血清尿酸値について少し詳しく「復習とリニューアル」です。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。
もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、これは問題ないですね。
肥満がある人が糖質制限食で減量に成功したら、尿酸値が基準値になることは考えられます。
もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践後にで高値となる人が時々おられます。
尿酸高値の一番多い原因は、糖質を制限したことではなく、結果として低カロリー過ぎた場合です。
糖質制限食開始後、急に尿酸値が上昇したときは、栄養指導で確認したところ、ほとんどの人において、摂取エネルギー不足でした。
尿酸は尿から排泄されるだけでなく、消化液や汗からも排泄されます。
腎臓からの排泄は約3/4を占め一番多いですが、 消化液や汗からの排泄機能も、血清尿酸値の個人差にある程度関係しているのでしょう。
体内で尿酸をつくり過ぎるか尿からの排泄が悪いため、高尿酸血症になると考えられてきましたが、これらに腸からの排泄障害や皮膚の汗からの排泄障害も加わることとなりました。
あくまでも私見ですが、この腸や皮膚からの尿酸排泄は、生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がします。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇するので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
断食前6mg/dlが、断食中は9~10mg/dlに急上昇したりします。
さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
一般に高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。
例えば、江部康二は、2002年以来13年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。
しかしながら、尿酸値はこの10年間、一貫して2.4~3.5mg/dl(基準値は3.4~7.0)程度と低い方です。
尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。
私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。
通常、糖質制限食開始後に、一旦、尿酸値が上昇した人も、摂取エネルギー不足を解消すれば速やかに元の値に戻ることが多いので経過をみて良いと思います。
ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服薬も考慮する必要があります。
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8~9mg/dlとかでも、経過をみてよいと思います。
過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で、尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来のプリン体は総量の約20%に過ぎず、体内で生合成するプリン体80%に比し、かなり少ないということが判明しました。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満の方が、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
<尿酸を上昇させる要因>
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
尿酸値に影響を与える5つの要素について、詳しく見ていきましょう。
1 ストレス
実はストレスが一番尿酸値を上昇させます。
鹿児島大学の納光弘先生もご自身が痛風でして、徹底的に自分で人体実験をされて、ビールより何よりストレスが高尿酸血症の原因と断定しておられます。
納先生ご自身は、学会の会頭を引き受けて忙しくてプレッシャーが高かった時期が最も尿酸値が上昇したそうです。
学会が終了したら、ビールを飲んでも下がったそうです。
これは、もっぱら心理的ストレスですね。
一方、断食は究極の肉体的ストレスという見方もできます。
2 肥満
体重増加も尿酸を増加させる要因なので、糖質制限食で減量すると、尿酸値も低下すると思います。
高渕さんのご主人も、肥満が改善すれば、尿酸値も改善する可能性があります。
3 飲酒
アルコールを大量に(日本酒1日3合程度以上)飲めば尿酸値は上昇し、断酒すれば下降します。
アルコールが尿酸値に影響を与える要因は二つあります。
一つは、アルコールが代謝の途中で乳酸になり、乳酸が腎臓からの尿酸排泄を抑制すること。
もう一つは、継続的に多量にアルコールを摂取したときに(日本酒1日4合以上を毎日)、アルコールが尿酸の代謝を促進させて尿酸値が上がることです。
なお、お酒に含まれているプリン体自身の量は、体内の尿酸プールの量に比べて少ないのでほとんど影響はありません。
例えばビール大瓶633㏄中のプリン体はたったの32.4㎎に過ぎません。
適量のアルコールならストレスが解消され尿酸値を下げます。
適量の目安は、日本酒1.5合、ビール約750㏄、ワイングラス2杯、焼酎のお湯割りコップ2杯程度です。
4 激しい運動
激しい運動は尿酸を上昇させますが、軽い有酸素運動は大丈夫です。
5 プリン体の摂りすぎ
プリン体が非常に多い食品はさすがに大量にはとらない方がいいでしょう。
しかし、日常的な食生活の中では、プリン体を気にするほどのことはなさそうです。
何故ならプリン体は約80%が体内で生合成され、食事由来のプリン体は約20%に過ぎないからです。
☆プリン体の多い食品
(1)きわめて多い(100g中300㎎以上):鶏レバー、白子など
(2)多い(100g中200-300㎎):豚レバー、牛レバー、かつお、
まいわし、大正えびなど
<尿酸の生成と排泄、尿酸プール>
☆尿酸の生成
プリン体の代謝産物として、尿酸が作られます。
一日で産生される尿酸の総量:約700㎎
☆尿酸の排泄
一日で排出される尿酸の量:約700㎎
・ 尿から排泄:約525㎎(3/4)
・ 汗や消化液から排泄:約175㎎(1/4)
☆尿酸の体内プール
・ 健康な人の体内には常に1200㎎程度の尿酸がプールされています。
尿酸は、このように毎日生産と排泄を繰り返しながら一定量を保っています。
しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。
**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
**プリン体
プリン体は核酸(DNAおよびRNA)の構成要素として体内で遺伝情報を保存しています。
また生物が生命活動を行う際に必要とするエネルギーは、プリン体の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)から供給されます。
**今回の記事は
帝人ファーマ株式会社
尿酸を下げるためのプロジェクト.com
医療関係者のための高尿酸血症総合情報サイト
https://243sageru.com/toranomaki/purine/1_1/index.html
を参考にし、一部引用させて頂きました。
ありがとうございました。
江部康二
2015年03月04日 (水)
こんにちは。
過去の記事で、糖質制限食と血清尿酸値について書いたことがありますが、久しぶりに再考してみます。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。
もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、これは問題ないですね。
肥満がある人が糖質制限食で減量に成功したら、尿酸値が基準値になることは考えられます。
もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践で高値となる人がいます。
一番多いのは、低カロリー過ぎた場合です。
糖質制限食開始後、急に尿酸値が上昇したときは、大多数の人が、摂取エネルギー不足でした。
2012年4月4日の毎日新聞の記事によれば、
『激しい関節痛を起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、
腸から排出する機能が低下することも一因』
とのことです。
『尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出される』
とは、初めて知りました。
この腸からの排泄機能も、個人差に関係しているのでしょうね。
体内で尿酸をつくり過ぎるか、尿からの排泄が悪いため、高尿酸血症になると考えられてきましたが、これらに腸からの排泄障害も加わることとなりました。
あくまでも私見ですが、この腸からの尿酸排泄は、生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がしますね。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇するので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
断食前6mg/dlが、断食中は9~10mg/dlに上昇したりします。
さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
一般に高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。
例えば、江部康二は、2002年以来13年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。
しかしながら、尿酸値はこの10年間、一貫して2.4~3.5mg/dl(3.4~7.0)程度と低い方です。
尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。
私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。
通常、糖質制限食でいったん尿酸値が上昇した人も、摂取エネルギーが足りているならば、数ヶ月~1年で元の値に戻ることが多いので経過をみることが多いです。
ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服も考慮する必要があります。
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8~9mg/dlとかでも、経過をみてよいと思います。
過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。
例えば、納先生が学会の会頭をされたときに尿酸値が一番上昇して、学会が終了したら、ビールを飲んでも下がったそうです。
学会会頭という精神的ストレスで、腸からの尿酸排泄が減少した可能性がありますね。
これらに特殊例として肉体的ストレスである
「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」
というのが、一番上にくる感じですね。
**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
江部康二
過去の記事で、糖質制限食と血清尿酸値について書いたことがありますが、久しぶりに再考してみます。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。
もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、これは問題ないですね。
肥満がある人が糖質制限食で減量に成功したら、尿酸値が基準値になることは考えられます。
もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践で高値となる人がいます。
一番多いのは、低カロリー過ぎた場合です。
糖質制限食開始後、急に尿酸値が上昇したときは、大多数の人が、摂取エネルギー不足でした。
2012年4月4日の毎日新聞の記事によれば、
『激しい関節痛を起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、
腸から排出する機能が低下することも一因』
とのことです。
『尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出される』
とは、初めて知りました。
この腸からの排泄機能も、個人差に関係しているのでしょうね。
体内で尿酸をつくり過ぎるか、尿からの排泄が悪いため、高尿酸血症になると考えられてきましたが、これらに腸からの排泄障害も加わることとなりました。
あくまでも私見ですが、この腸からの尿酸排泄は、生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がしますね。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、尿酸値が上昇するので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
断食前6mg/dlが、断食中は9~10mg/dlに上昇したりします。
さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
一般に高タンパク食だと尿酸値が上昇するとされていますが、ことはそれほど単純ではありません。
例えば、江部康二は、2002年以来13年間、スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、かなりの高タンパク食です。
しかしながら、尿酸値はこの10年間、一貫して2.4~3.5mg/dl(3.4~7.0)程度と低い方です。
尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。
私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。
通常、糖質制限食でいったん尿酸値が上昇した人も、摂取エネルギーが足りているならば、数ヶ月~1年で元の値に戻ることが多いので経過をみることが多いです。
ただ、過去痛風発作を起こしたことがある人は、内服も考慮する必要があります。
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、尿酸8~9mg/dlとかでも、経過をみてよいと思います。
過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、食事由来の尿酸は約100mgで、一日に生産される総量約700mgに比し、かなり少ないということが判明しました。
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、食事よりストレスや肥満のほうが、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
納先生の指摘されているストレスは、精神的なもののようです。
例えば、納先生が学会の会頭をされたときに尿酸値が一番上昇して、学会が終了したら、ビールを飲んでも下がったそうです。
学会会頭という精神的ストレスで、腸からの尿酸排泄が減少した可能性がありますね。
これらに特殊例として肉体的ストレスである
「断食や極端な低カロリーのときは尿酸値上昇」
というのが、一番上にくる感じですね。
**参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
江部康二
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