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酸化ストレスが慢性病の元凶。
こんばんは。

最近、酸化ストレスが慢性病の元凶として、問題となっています。 

今回は、酸化ストレスについて検討してみます。

人体は、酸化反応と抗酸化反応のバランスがとれていると、正常に機能します。

酸化反応が抗酸化反応を上まわった状態を酸化ストレスといいます。細胞内のミトコンドリア(*)の活動で日常的に活性酸素が発生しますが、生体の抗酸化反応で処理しています。

スーパーーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) は、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素です。生体内のビタミンC、ビタミンE、グルタチオンなどが抗酸化作用を有しています。ヒトにおいて、最も一般的な酸化ストレスの発生源は喫煙と高血糖です。

『高血糖→糖化蛋白生成亢進→糖化蛋白が種々の酵素と反応して活性酸素生成。』

高血糖は、糖化蛋白(**)の生成を亢進させます。
糖化蛋白は、様々な酵素と反応して、活性酸素を生成します。
活性酸素は生体の酸化反応の大本です。
酸化ストレスが、動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。

血糖値に関しては食後高血糖と平均血糖変動幅増大が最大の酸化ストレスリスクとされています。これは世界中の医学界において、認められています。

糖質・脂質・蛋白質のうち、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を引き起こすのは、糖質だけです。

従って、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)を、つらいのに一生懸命我慢して頑張っても食後高血糖と平均血糖変動幅増大を予防することは、理論的に不可能なのです。

糖尿病の食事療法において、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を予防できるのは糖質制限食だけです。

日本糖尿病学会は、「食事療法」と「食後高血糖と平均血糖変動幅増大の予防」について、学会として指針を示すべきだと思います。

(*)ミトコンドリア
ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギー生産装置です。
酸素の存在下において、ミトコンドリアの中でTCA回路(クエン酸回路)が作動して、エネルギーを作って、
それにより身体は活動しています。
ミトコンドリアの活動の過程で出る「廃棄物」が活性酸素です。

(**)糖化蛋白
糖化反応(とうかはんのう)とは、グルコースなどの糖が、直接タンパク質または脂質に結合する反応の事です。
糖尿病の検査指標のHbA1cは、糖化したヘモグロビンのことです。
糖化反応の初期段階のアマドリ化合物としては、HbA1cやグリコアルブミンなどが代表的な物質です。
糖化反応系はアマドリ化合物生成までの反応を初期段階と呼び、以降の後期段階反応と区別しています。
最近AGEs(advanced glycation endprpducts:糖化最終産物)が注目されています。
AGEsは血管内皮を障害して動脈硬化の元となり、活性酸素も発生させます。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット