スーパー糖質制限食実践だとビタミンC必要量は?
おはようございます。

日本脂質栄養学会の浜崎智仁先生が脂質栄養雑誌に発表された論文(☆)

の63ページにおいて、

「しかも面白いことに、超低炭水化物食だとビタミン C が尿細管で再吸収されるため、ビタミン C の必要量が極端に減る。これは食後血糖の上昇がなければ、糖が尿細管にあまり排出されず、類似構造のビタミン C の再吸収が亢進するためである8)。」

と述べておられます。

浜崎先生が引用されている論文が手に入ったので検討してみました。

論文8)の要約
『組織には、血漿中に存在するものを上回る濃度でビタミンCがある。
試験管内ではブドウ糖濃度が膜輸送機構に影響を与える。
これに基づけば、糖尿病においては組織のビタミンCの状態の障害が存在する可能性がある。
1974年にマンが最初に提案したこの仮説を支持する最近の証拠を考察する』

本文も読んでみましたが結局、この論文の要旨は、

『高血糖があると組織のビタミンC濃度が減少する可能性がある』

という趣旨でした。

膜透過輸送機構において、高血糖があるとビタミンCの輸送が阻害される可能性があるという仮説です。

そしてインスリンも膜透過輸送機構において、ビタミンC輸送に関与していて、インスリンが不足すれば組織へのビタミンC輸送が阻害される可能性があるということも述べてありました。

低炭水化物食の話や尿細管の話は、この論文には出てきません。

従いまして、スーパー糖質制限食実践だとビタミンC必要量が減るかどうかは、よくわからないままです。

根拠となる文献がないので、調べようがありません。

スーパー糖質制限食実践者が、マサイ族タイプなら、ビタミンC必要量はかなり少なくてすむし、イヌイットタイプなら、ビタミンCは普通に摂取しなくてはなりません。

ともあれ現時点では、スーパー糖質制限食実践者においても、厚生労働省のいうビタミンC必要量を摂取する方が良いと思います。


(☆)浜崎智仁,糸村美保:低炭水化物食の意義,J. Lipid Nutr. Vol.19, No.1 :59-63,2010
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/19/1/19_1_59/_pdf


8)Cunningham JJ. Altered vitamin C transport in diabetes mellitus. Med Hypotheses
26:263-265, 1988.
Abstract
Tissues sequester vitamin C in concentrations exceeding that present in plasma. The transmembrane transport mechanisms have been shown to be influenced by the concentration of glucose in vitro. On this basis an impairment of tissue vitamin C status may be present in diabetes mellitus. Recent evidence in support of this hypothesis, first proposed by Mann in 1974, is reviewed.




江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット