スーパー糖質制限食1年で、HDL-Cが77%増加と驚異的改善。
【17/01/17 善玉・悪玉くん

HDLについて

江部先生
いつも楽しく拝見させて頂いております。
今回、コレステロール、特にHDLにつきご質問をさせて下さい。

175cm31歳の男です。この1年、糖質制限に取組み下記の通り数値改善しました。

体重 80→68kg
総コレステロール 220→241
HDL 30→53
LDL 147→174
中性脂肪 175→71

ブログ・ご著書拝見し、総コレステロール、LDLの増加、中性脂肪の減少に問題無いことは理解しますが、HDLはわずかに上がった程度です。

過去ブログでは糖質制限の改善でHDLも大幅上昇の方ばかり?なので、不思議です。

糖質制限下で、HDLは目指すべき数値の指標はありますでしょうか?

それとも数値は本質ではなく「HDLの数値が改善した」という事実のほうを重要視すべきなのでしょうか?

3食スーパー糖質制限を実践。。。ですが食べるものは肉・卵・チーズばかり、ほぼ運動なしで3000Kalは食べる大食漢手前です。

ご回答頂けますと幸いです】



こんにちは。

善玉・悪玉くんから、スーパー糖質制限食でデータ改善というコメントを頂きました。

善玉・悪玉くん
拙著のご購入、ありがとうございます。

体重 80→68kg
BMI 26.1→22.2
総コレステロール 220→241
HDL 30→53
LDL 147→174
中性脂肪 175→71


1年間の変化は素晴らしい改善です。
BMI、中性脂肪も正常となっています。

実は、HDL-Cが30mg/dlというのはかなりリスキーな数字です。

40mg/dl以上という基準値を大幅に下回っていて、これは心筋梗塞などの明白なリスクとなります。

そして医学的には、HDL-Cを増やす薬はないのです。

それが糖質制限食で、53mg/dlと増加とはすごいです。

1年前と比べて、23mgの増加ですから、
『23 ÷ 30 =0.77』
実に、77%も増えていますので、わずかどころか驚異的な改善です。


HDL-Cが53mgと正常で、
中性脂肪が71mgと正常低め

なので、LDL-C174mg/dlも、肝臓から抹消組織に細胞膜の原料であるコレステロールを運ぶ役目を有す善玉のLDL-Cですので、心配ないです。

現在のデータなら、動脈硬化のリスク要因は、ほとんどないと言えます。

『3食スーパー糖質制限を実践。。。ですが食べるものは肉・卵・チーズばかり、ほぼ運動なしで3000Kalは食べる大食漢手前です。』

これで、減量できておられるので、おそらく基礎代謝が高いのでしょう。

しかし、ビタミンCと食物繊維確保のためにピーマン、ブロコリー、ゴーヤ、葉野菜、焼き海苔なども食べたほうがいいですね。

腸内細菌と大腸が健康な状態で共存共栄するには、腸内細菌の餌としての食物繊維が必要なのです。

それで初めて、腸内細菌が大腸のエネルギー源となる酪酸という短鎖脂肪酸を生産してくれます。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食とコレステロール
【16/11/24 ゆん

コレステロールについて

江部先生、こんにちは。
私は、スーパー糖質制限食を始めて8年3ヶ月になります。
ひとつ、どうしても気になることがあるので、お聞きしたいのですが・・・。

今の主治医の先生は、糖質制限のことは知ってみえて、私がそれを出来るのであれば、反対はしませんと言って下さったので、3ヶ月に一度、血液検査でお世話になっています。

今日の検査結果は下記の数値でした。

HbA1c、5.5
食後2時間後の血糖値、110
中性脂肪、62
総コレステロール、315
HDLコレステロール、109
LDLコレステロール、194

でした。

前々回の検査では、HDLが104、LDLが208、前回は、HDLが91、LDLが158と、基準値を上回ってます。

いくら、糖質制限をしてるからといって、これでは、コレステロールが高すぎる!と言われ、このままコレステロールが標準枠に入らなければコレステロール降下薬を使うと言われました。

「糖質制限では、血糖値は問題なく管理できているようですが、コレステロールは問題みたいですね。」と言われました。

8年間、コレステロールはこの位の間の値を行ったり来たりしている状態なので、やはり、薬を使わなくてはいけないのでしょうか?
お教えていただけないでしょうか?m(_ _)m 】



おはようございます。

糖質制限食8年3ヶ月のゆんさんから、コレステロールについて、コメント・質問を頂きました。

前々回
HDL:104、LDL:208

前回
HDL:91、LDL:158

今回
中性脂肪:62
総コレステロール:315
HDLコレステロール:109
LDLコレステロール:194



ゆん さん

今回のデータですが中性脂肪が基準値内で低めであり、 HDLコレステロールが高めです。

このパターンは、LDLコレステロールも標準の大きさの、肝臓から末梢組織にコレステロールを運んでくれている良いLDLです。

コレステロールは、細胞膜の原料であり人体にとって必要不可欠な成分です。

正常サイズのLDLは中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運びます。

組織の細胞で細胞膜の原料として使用されたあと、余ったコレステロールをHDLが回収して肝臓に運びます。

即ち、LDLもHDLも人体にとってコレステロール運搬のための必須成分です。

LDLコレステロールの中で問題となるのは、小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL)と酸化LDLコレステロールです。

小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。

小粒子LDLコレステロールは血管内皮の傷に侵入しやすくそこで酸化され酸化LDLになります。

酸化LDLコレステロールは、もはやコレステロールというより異物です。

酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。

中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は、小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので、危険です。

HDLコレステロールが多くて中性脂肪が少ない人は、小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。
→ 糖質制限食実践者は、こちらのパターンです。


☆☆☆
遺伝性の家族性高コレステロール血症の人は、内服薬、プラズマアフェレーシスなどの治療が必要と考えられます。
200~500人に一人で、患者数は推定30万人です。
小中学生時代からLDLコレステロール高値があります。
治療しないと男性は40代、女性は50代で心筋梗塞を発症し、平均寿命も10年前後短くなります。


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
糖質制限食とコレステロール値、尿酸値。2016年7月。
【16/07/04 イオリ

はじめまして。
はじめまして。
初めてコメントしますイオリです。

今年の1月ごろから糖質制限をしており 先生のブログを大変参考させていただいてます。

本日、5月末に受けた会社の健康診断の結果が 帰ってきたのですが、尿酸が要再検査、血中脂質 が要受診となっており、少し不安を覚えました。

特にLDL-C/HDL-Cが2.4であり、糖質制限中としても かなり高い値であるため、やり方に問題があったのかと・・・

やり方を変えた方が良いのでしょうか?

▼ 健康診断
※去年⇒今年
--------
身長:168
体重:63.3⇒54.0
腹囲:79.0⇒65.2
--------
AST(GOT):23⇒26
ALT(GPT):8⇒8
γ-GT:19⇒14
--------
総コレステロール:158⇒333
中性脂肪:104⇒75
HDL-C:70⇒89
◎LDL-C:73⇒221
--------
尿素窒素:16⇒18
クレアチニン:0.88⇒0.86
--------
血糖:95⇒64
HbA1c:5.2⇒5.4
--------
◎尿酸:4.0⇒8.0
--------
白血球数:3.8⇒4.0
--------
赤血球数:503⇒507
血色素量:15.2⇒15.0
ヘマト:47.4⇒46.1
--------

▼ 私の糖質制限に関して
私は糖尿病ではないのですが、
「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」
という本の影響を受けて、健康のため完全無欠ダイエットを始めました。

完全無欠ダイエットはご存知でしょうか。糖質制限に加えて、食材に拘り、より毒素(カビ毒など)の少ない食べ物を食べようという考え方です。

糖質制限より実践が難しいので、一部(バターコーヒーなど)だけ取り入れる形としています。

1月から食生活はいろいろ変化していますが、 今現在、以下のような食生活を続けております。
・朝食:バターコーヒー(バター35g、MCTオイル15g)
   ※ 水筒に入れて昼過ぎぐらいまでチビチビと飲んでます。
・昼食:ステーキ300g+サラダ(いきなりステーキ)
・夕食:コンビニ弁当(最近は80g程度の白米付き)】



おはようございます。

イオリさんから、糖質制限食とコレステロール値、尿酸値についてコメント・質問をいただきました。

私は「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」 という本があるのは知っていますが、読んだことはありません。

イオリさんの脂質の変化は、もともと、菜食中心だった人が、糖質制限したときのパターンですね。

HDLコレステロールが増加して、中性脂肪が正常でも低めですので、LDLコレステロールも善玉が多いと思います。
悪玉の小粒子LDLや酸化LDLは少ないのでリスクは少ないです。

1年から数年レベルで肝臓が生産調整して基準値になることが多いですがLDLコレステロール値が気になれば、ゼチーアが糖質制限食の場合よく効きますし、副作用が比較的少ないです。

尿酸は、9mg/dlを超えれば治療対象ですが、過去痛風発作がなければ、経過をみてもいいと思います。
168cm 54kgと10kg近い減量で、BMIが19.1です。
摂取エネルギー不足で尿酸が上昇しますので、ご注意ください。

「魚:肉」の比率を「1:1」くらいにすると、脂質や尿酸も安定しやすいです。


さて、人体はタンパク質、脂質、無機質、水分等の主要成分により構成されています。
男と女で比べると、一般に女性は少し脂肪の割合が多いです。
人体全体の体組成はおよそですが以下のようです。

水分:55~65%
タンパク質:14~18%
脂肪:15~30%
ミネラル:5~6%
糖質は:1%以下・・・


つまり糖質は人体の構成成分としては極微量

その中で、脳は脂質に富み、ヒト脳の乾燥重量の65%が脂質です。

脳脂質の半分がリン脂質、コレステロールが1/4、糖脂質が1/4です。

コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。

このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、重要な構成成分の一つです。

ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。

そのため血清コレステロール値は、摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、一定量を必ず確保するよう調整しています。

一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これは正確ではありません。

正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。

HDLは末梢組織の細胞で原料として使用されたあと、余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。 

即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。

LDLコレステロールの中で本当に問題となるのは、小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL)と酸化LDLコレステロールです。

小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。

小粒子LDLコレステロールは血管内皮に侵入しやすくそこで酸化されます。

酸化LDLは、血管内皮中で異物と見なされて大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ、動脈硬化を起こし心筋梗塞のリスクとなります。

酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
 
中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は、小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので要注意です。

HDLコレステロールが多くて中性脂肪が少ない人は、小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。

そして糖質制限食実践中の人は、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ないです。

つまり糖質制限食実践中であれば、少々LDLコレステロールが高値でも問題ないわけです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
75g経口ブドウ糖負荷試験の結果と血清コレステロール値の評価
【16/01/03 ふぁに

先生、はじめまして。
9ヶ月ほど前から日に何度もブログを読んで勉強させていただいている ふぁに と申します。
数年位前から何となく体の不調があったり、疲れやすかったりということが度々ありましたが、毎年受ける人間ドックでは特に大きな異常も無く・・・。
気になるといえば、Hba1cが5.6や5.8という数字で。
炭水化物も好きで、毎日の間食も痩せ型(165.5センチ47kgほど)をいいこと?に続けていました。
去年の春先にあまりにも疲れやすいのと2kg程の体重減で、まさかと思い市販の尿糖試験紙を買い求め検査してみたところ、食後に尿糖が検出されました。
あまりのショックに半分パニックになりながらいろいろ検索をし、江部先生のブログにたどり着きました。
先生と先にコメントを書いていらっしゃる方々に感謝してもしきれない思いです。
それから書店にて先生の御著書を数冊買い求め「食品別糖質量ハンドブック」をもとに一回の食事の糖質量を20g以下に抑えるように食事をしてきました。
とは言っても週一は一回の食事の糖質が50g程度になる回もあったり、3泊四日の旅行では糖質三昧をやってみたり・・・(汗)
前置きがとても長くなりましたが、意を決して先月やっと75g負荷検査を受けてきました。(前3日間は150g以上の糖質を摂って)

その時の結果です。
       血糖値         インスリン
空腹時    112           6.7
30分     202            23.1
60分     265           79.5
120分     137            57.1

60分の数値があまりにも高く驚いています。

尚、コレステロール値も高く医者から注意を受けるほどでした。
総コレステロール値320
中性脂肪       38
HDLコレステロール 125
LDLコレステロール 187

この結果の数値をどう解釈し、今後どのように生活を続ければよいのか、ご教示いただけたら幸いです。

運動不足もあったので、先月中旬頃より毎日夕方食前に30分程度2.5kmほどの早足ウォーキングも始めました。

糖質制限を始めてしばらく経った頃、原因のよくわからない足の痛みが消えていることにも気付きました。

まとまりの無い文章で申し訳ありません。】



こんにちは。

ふぁに さんから、75g経口ブドウ糖負荷試験の結果と血清コレステロール値についてコメント・質問をいただきました。

ふぁに さん
拙著の御購入、ありがとうございます。

2015年春に、食後で尿糖陽性ですので、食後血糖値も170~180mg/dlを超えていたものと思われます。

食後高血糖が数年間続いたあとに、早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上の糖尿病型になるケースが多いとされています。

(前3日間は150g以上の糖質を摂って)
75g経口ブドウ糖負荷試験
      血糖値         インスリン
空腹時  112           6.7
30分   202            23.1
60分   265           79.5
120分   137            57.1


75g経口ブドウ糖負荷試験の結果は

早朝空腹時血糖値が112mg/dlで境界型(110~125mg/dl)
負荷後2時間血糖値は137mg/dlで正常型(140mg/dl未満)

となります。

現時点では、境界型となりますが、60分血糖値が265mg/dlと180mg/dlを超えているので、将来糖尿病になりやすいとされています。

1回に「60~70~80g」とか野放しに糖質を摂取すれば、将来糖尿病発症の確率は極めて高いです。

1gの糖質が、ピーク60分後で2mg/dlほど血糖値を上昇させていますので、こちらも境界型レベルです。

ふぁにさんは、ごく早期に、耐糖能異常(境界型)が判明して、結果としてよかったと思います。

食後高血糖もはっきりしているので、今後も糖質制限食を続けていけば、糖尿病発症が予防できると思います。

目標は
早朝空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後1時間血糖値:180mg/dl未満
食後2時間血糖値:140mg/dl未満

を、達成することです。

つらくなければ、1食の糖質摂取量「10~20g」以下のスーパー糖質制限食を実践されればいいと思います。

ふぁにさんの場合は、1回30gの糖質量なら、食後1時間値も180mg/dl未満を達成できると思います。

50gの糖質を摂取すれば、食後1時間血糖値は、200mg/dlを超える可能性が高いです。

まあ、週に1回くらいそんなことがあっても大丈夫と思います。


総コレステロール値  320
中性脂肪        38
HDLコレステロール  125
LDLコレステロール  187


HDLコレステロール値が高めで、中性脂肪値が低めなのでLDLコレステロールも善玉のものです。

悪玉の小粒子LDLコレステロールや超悪玉の酸化LDLコレステロールは少ないので心配ありません。

善玉のLDLコレステロールは、肝臓から末梢組織に細胞膜の原料であるコレステロールを運ぶ重要な役目を果たしています。

末梢組織で余ったコレステロールを肝臓まで回収してくるのがHDLコレステロールです。

両方とも人体にとって必要不可欠なものなのです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コレステロールと糖質制限食について。
【15/12/01 そらママ

コレステロールについて

いつもお世話になります。甲状腺機能低下で血糖値が予備軍の者です。

糖質制限をはじめて、7ヶ月がたちます。

本日、定期検診を受けて、総コレステロール244 LDLコレステロール158 HDLコレステロール80 で医師からは、やっぱり糖質制限はよくないと言われ困惑です。

中性脂肪は32です。

3ヶ月前は総コレステロール190
LDLコレステロール121
HDlコレステロール61

でした。

先生のブログを拝見してますと、中性脂肪が低めならば、そこまで問題じゃないと思ったのですが、次回さらに悪化してたらコレステロールの薬を飲まされそうで、糖質制限は脂質の取り過ぎだからダメ!と念をおされます。

今までコレステロールが高くなった事がなく、また痩せすぎなため、バター、チーズ、アーモンド、豚肉バラ肉を多く食べてます。ヘモグロビンa1cはずっと5.3です。

やはり卵や肉類、炒めもの、揚げ物は避けた方が良いでしょうか?】



こんにちは。

そらママさんから、コレステロールと糖質制限食についてコメント・質問を頂きました。


A)
2015年5月1日
日本動脈硬化学会が、「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表しました。

B)
厚生労働省は、5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、科学的根拠が得られなかったとしてコレステロールの摂取基準を撤廃しました。

C)
米農務省は「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を2015年見直す方向です。



A)B)C)のいずれもコレステロール摂取基準撤廃です。

これらを考慮すると今まで、日米共に長い間、コレステロールの摂取基準を設定して摂取制限を推奨してきたことが、無意味だったと認めたわけです。

米国ではずっと

「1日あたりのコレスレテロール摂取量上限は300mg。棒状のバター1本、または小さい卵2個、ステーキ300グラムに含まれる量」

を推奨し続けていましたが撤廃です。

日本の厚生労働省もこれまでは、コレステロール摂取量に関して

「18歳以上の男性は1日当たり750mgム未満、女性は600mg未満の摂取基準値」

を推奨でしたが撤廃です。


厚生労働省は

「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」

と解説しています。

こんなことは、とっくにわかっていたこととなのですが、いまさらでも、厚生労働省がお墨付きを出してくれたのは良いことです。

卵や肉類、炒めもの、揚げ物など、コレステロールの多い食材も大丈夫ということですね。

そらママ さんの検査データですが

総コレステロール244
LDLコレステロール158
HDLコレステロール80
中性脂肪は32


なら、まったく問題ないデータです。

糖質制限食を続けていけば、いずれ基準値に戻ると思います。

さて、人体はタンパク質、脂質、無機質、水分等の主要成分により構成されています。
男と女で比べると、一般に女性は少し脂肪の割合が多いです。
人体全体の体組成はおよそですが以下のようです。

水分:55~65%
タンパク質:14~18%
脂肪:15~30%
ミネラル:5~6%
糖質は:1%以下・・・

つまり糖質は人体の構成成分としては極微量。


その中で、脳は脂質に富み、ヒト脳の乾燥重量の65%が脂質です。

脳脂質の半分がリン脂質、コレステロールが1/4、糖脂質が1/4です。

コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。

このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、重要な構成成分の一つです。

ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。

そのため血清コレステロール値は、摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、一定量を必ず確保するよう調整しています。

一般にLDLコレステロールは悪玉でHDLコレステロールは善玉という言い方をしますが、これは正確ではありません。

正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。

HDLは末梢組織の細胞で原料として使用されたあと余ったコレステロールを回収して肝臓に運んでいます。 

即ち、LDLもHDLも人体に必要なものであり、日々良い仕事をしており逆に少なすぎたら困るわけです。

LDLコレステロールの中で本当に問題となるのは、小粒子LDLコレステロール(小さくて高密度のLDL)と酸化LDLコレステロールです。

小粒子LDLは、真の悪玉である酸化LDLに変化しやすく危険な存在です。

酸化LDLは血液中で異物と見なされて大食細胞という免疫系の細胞に取り込まれていき、血管内皮細胞内でコレステロールを蓄積させ、動脈硬化を起こし心筋梗塞のリスクとなります。

酸化していない普通のLDLは、異物ではないので血管内皮に障害を起こしません。
 
中性脂肪が多くて、HDLコレステロールが少ない人は、小粒子LDLがたくさんある可能性が高いので要注意です。

HDLコレステロールが多くて中性脂肪が少ない人は、小粒子LDLコレステロールと酸化LDLコレステロールは少ないので安全です。

そして糖質制限食実践中の人は、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少ないです。

つまり糖質制限食実践中であれば、少々LDLコレステロールが高値でも問題ないわけです。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット