ビジュアル版糖質制限の教科書 江部 康二 (監修) 2017/2/25 刊行。
こんにちは。

ビジュアル版糖質制限の教科書 2017/2/25 ¥1296-
江部 康二 (監修) 洋泉社 

https://www.amazon.co.jp/dp/4800311756/ref

が、2017年2月25日(土)に刊行です。

「ハンディ版 糖質制限の教科書」(洋泉社)¥864-
江部 康二 (監修) 洋泉社

が2016年4月9日に発売開始となり、現在まで、3万部と好調ですが、
これも、ブログ読者の皆さんの応援のおかげです。
ありがとうございました。 m(_ _)m

今回、これを増補改訂して、新書サイズから読みやすい大きさ(B5)にして
リニューアルして、「ビジュアル版糖質制限の教科書」として発売です。

糖質制限の教科書という如く、とてもわかりやすい構成となっています。

図や写真も豊富で、読みやすい内容です。

日頃、本が苦手の人でも、すっと一気に読めると思います。

糖質制限食を知らない友人、知人、ご家族、親戚などに糖質制限食を奨めるときには
最適の本と思います。

すでに糖質制限食を実践されている人も、
糖質制限の全体像や知識を整理するにはとても良いと思います。

簡潔で読みやすい本ですが、科学的根拠も示してあり、
疑問点にも答えていて結構密度の濃い内容となったと自負しています。

食品成分の数値などは、すべて新しい日本食品標準成分表2015年版(七訂)に即した最新のものに刷新しています。

これから糖質制限食を始める人にはおおいにお役に立てると思いますので、
是非ご一読いただけば幸いです。



江部康二
コーヒー、カフェインと血糖値
こんばんは。

寒い日は、温かいコーヒーが飲みたくなりますね。
私はよくブラックコーヒー、あるいは生クリームを入れたコーヒーを飲みます。
コーヒーが好きで毎日、4-5杯は飲んでいるので、いろいろ調べてみました。

今回は、コーヒー(カフェイン)と血糖値について考えてみます。

コーヒーは血糖値を上げる、下げると両極端な見解がありますが、
もう少し詳しく見てみましょう。

コーヒー・浸出液100g中には、
・エネルギー(kcal) 4.0
・たんぱく質(g) 0.2
・脂質(g) 0.0
・炭水化物(g) 0.7 ※食物繊維(g) 0.0
・カフェイン60mg

が含まれています。


調べてみると、結構沢山、コーヒーと糖尿病の研究がありました。

成分表からみると、コーヒー1杯が約150gとして、
1回の糖質量は、1.05gと少量ですので、
糖質そのものによる血糖値への影響は少ないです。

一方、コーヒーにはカフェインが入っています。

「カフェインが血糖値を上げる」という報告が、
医学雑誌「Diabetes Care」2008年2月号に掲載されました。
糖尿病患者10例を対象にした小規模な研究です。

対象者に1日4杯分のコーヒーに相当するカフェインを錠剤で摂取させたところ、
血糖値が8%上昇したとのことです。

この研究は、24時間の短期間の血糖値をみたもので、長期間ではありません。

また、カフェインは錠剤で、コーヒーそのものとは違います。

さらに、極めて少人数なので、研究としての価値はボチボチです。


コーヒーと糖尿病に関する大規模研究を三つ紹介します。

◆1. 2002年のLancet誌に、1日7杯以上コーヒーを飲む人は、
1日2杯以下の人よりも、糖尿病の発症率が5割少ないという報告が掲載されました。
オランダで実施された、男女1万7000人を7年間追跡した研究です。


◆2.「Annals of Internal Medicine誌1月6日号、2004年」に
米国の大規模コホート研究結果が掲載されました。

男性4万人、女性8万人を最長18年間追跡し、
コーヒーを1日6杯以上飲む人では、
2型糖尿病の発症率がコーヒーを飲まない人より大幅に低い。
一方、カフェイン抜きコーヒーを飲む人では、
2型糖尿病の発症率が飲まない人より低いものの
“予防効果”は通常のコーヒーほどではない。

という内容です。2型糖尿病の予防には、
カフェインが有効な可能性が高いと、研究グループはみているそうです。


◆3.
米医師会雑誌Journal of American Medical Association(JAMA)
2004年3月10日号に掲載された、
前向きコホート研究「Uppsala Long itudinal Study of Adult Men(ULSAM)」
というものがあります。

スウェーデンのUppsala大学公衆衛生・介護学部の
Johan Arnlov氏らの研究グループによるものです。

これには、コーヒーの飲用に関する記述があり、
2型糖尿病患者でない936人のデータを分析対象としています。

その結果、コーヒー摂取とインスリン分泌量には、関連性が見られませんでした。



これら三つのオランダと米国とスウェーデンの大規模研究では、
コーヒーおよびカフェインが、糖尿病に対して良い方向に働くことを示しています。

コーヒー党の私としては一安心ですヾ(^▽^)

研究としては[10人で24時間の研究]に対し、
三つの大規模研究のほうがはるかに価値が高いのです。


結論です。

カフェインは、ごく短期的に血糖値上昇作用が少しある可能性は否定できません。

しかし、カフェインを含む食品の代表であるコーヒーは、
日常的な長期的な摂取により、2型糖尿病発症のリスクを低減させることが、
複数の疫学的調査で確認されているので、
安心して、コーヒーや緑茶などを飲んでよいと思います。

なおカフェインを1日200~300mg以上摂取した場合 個人差はありますが、
不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などの
カフェイン過剰症状がでることがありますので、
コーヒーの飲みすぎには要注意ですね。( ̄_ ̄|||)

なおカフェインを含む飲料には、コーヒー以外にお茶がありまね。
以下、ご参考まで。

**福岡市薬剤師会のサイト
http://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/50.pdf

飲料別カフェイン含有量
滲出液100ml中

玉露 160mg
煎茶 20mg
番茶 10mg
ほうじ茶 20mg
釜炒り茶 10mg
玄米茶 10mg
ウーロン茶 20mg
紅茶  30mg
コーヒー  60mg
麦茶    0mg


江部康二
糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ 佐々木栄子著 PHP 刊行。
【17/02/22 今井
中鎖脂肪酸・・・ココナッツオイル
3年ぐらい前になると思います。
まだ糖質制限をやってなかった、知らなかった時です。

還暦に到達してしまい、認知症の予防にココナッツオイルが良いと聞きました。
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸だからとのこと。
その後、今に至ってココナッツオイルのサプリを適当に摂っています。

糖質制限、頭の回転など速く、記憶力も確かで、これから地獄の沙汰の仕事にも効果大です。
佐々木栄子先生の『置きかえ』料理本、今はまっています。】



今井 さん
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸が主成分で、
ケトン体が上昇し易いので、とてもいいです。

佐々木栄子先生の、
糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ PHP
も、とてもいいですね。
江部康二「監修」です。

先日販売開始となりました。
生協会員の方向けの限定販売で、一般書店では販売されませんが、
生協に加入されていない方でも、PHP研究所さんのHP(※)より
直接ご購入いただけます。

http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83505

糖質制限食が体によい、ダイエットによいとわかっていても、
「でも、どうしてもごはんが食べたい」「ケーキなど甘いものがやめられなくて」
「お好み焼きやたこ焼きだって食べたいのに……」「ボリュームたっぷりのとんかつが食べたい……」
という方は非常に多くいらっしゃいます。
大好きなものをたくさん食べて、でもやせられるというのは、難しいのでしょうか? 
そんなあなたでも、大丈夫です。
本書では、ごはん・パン・めん・粉もの・いも・おかしなど、
本来であれば糖質が多く、
制限しなくてはいけない食品を豆腐や野菜などを使っておきかえるレシピを紹介しています。
想像以上に本物そっくりで、しかもボリュームがあり、満足感を得られます。
どれでも好きなものから、是非作ってみてください。  (「はじめに」より)


☆☆☆
佐々木栄子 管理栄養士・健康運動実践指導者
プロフィール

ローカーボクラブ代表/医療法人鴻生会 小室クリニック(埼玉県)/
医療法人まゆき会 菊池クリニック(栃木県)/
(一社)日本糖質制限医療推進協会アドバイザー

2010年 に「ローカーボクラブ」を立ち上げ、病院やクリニックでの栄養指導と両軸で、糖質制限食の普及啓発活動を精力的に行っている。
ローカーボクラブでは、埼玉県朝霞市を拠点に、低糖質の料理教室をはじめ、糖質制限食や健康に関する学習会、低糖質菓子を楽しむスイーツの会等を多彩に催している。
スイーツ店・パン店の低糖質商品の開発、監修にも携わり、2014年には朝霞市の市民大学で糖質制限食講座の講師を務める。
日本糖質制限医療推進協会(理事長:江部康二医師)には2013年の発足当初より参画。企画やレシピ提供、メールマガジン執筆、講演会・料理教室講師など多岐に渡って活躍している。


江部康二
中鎖脂肪酸油を含むケトン食による高齢者の認知機能向上
【17/02/21 精神科医師A
Re: 糖質制限と痴呆症
世界初の研究成果
中鎖脂肪酸油を含むケトン食による高齢者の認知機能向上
~国際科学雑誌Psychopharmacologyで発表~

 国立精神・神経医療研究センター神経研究所(所長:武田伸一)の疾病研究第三部太田深秀室長、功刀浩部長らと株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)の共同研究グループは、中鎖脂肪酸油※1(MCT)を含むケトン食の摂取により、認知症でない 高齢者の認知機能が向上することを世界で初めて明らかにしました。
 本研究成果は、2016年8月30日に国際科学雑誌Psychopharmacologyのオンライン版で公開されました。

http://www.ncnp.go.jp/press/release.html?no=116



こんにちは。

精神科医師Aさんから、
大変興味深くかつ嬉しい情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。

国立精神・神経医療研究センター神経研究所の共同研究グループの発表で、
中鎖脂肪酸油を含むケトン食により高齢者の認知機能向上が明らかとなり
公開されました。

世界初の研究成果だそうです。
ケトン食摂取により、血中ケトン体濃度が高まり
それにより認知症でない 高齢者の認知機能が改善したと考えられます。

近年、ケトン体の腎保護作用を示唆する論文も発表されており、
ケトン体に対する評価がどんどん良い方に高まっているのは
嬉しい限りです。


江部康二

『プレスリリース詳細
平成28年9月15日

世界初の研究成果
中鎖脂肪酸油を含むケトン食による高齢者の認知機能向上
~国際科学雑誌Psychopharmacologyで発表~

 国立精神・神経医療研究センター神経研究所(所長:武田 伸一)の疾病研究第三部太田深秀室長、功刀浩部長らと株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)の共同研究グループは、中鎖脂肪酸油※1(MCT)を含むケトン食の摂取により、認知症でない 高齢者の認知機能が向上することを世界で初めて明らかにしました。
 本研究成果は、2016年8月30日に国際科学雑誌Psychopharmacologyのオンライン版で公開されました。

 【内容】
■論文タイトル:
Effect of a ketogenic meal on cognitive function in elderly adults : potential for cognitive enhancement
(高齢者の認知機能に対するケトン食の効果:認知機能向上の可能性)

■概要:
 脳は通常、糖をエネルギー源として利用しますが、加齢により糖を利用する機能が低下することが報告されています。脳は糖に代わるエネルギー源として、生体内で主に脂肪酸から生成されるケトン体※2を利用することができます。本研究では、このケトン体の生成が高まるように中鎖脂肪酸油(MCT)を配合した特別な粉ミルク(明治ケトンフォーミュラ®※3、以下ケトン食)を用いて高齢者の認知機能を高めることができるか否かについて検討しました。認知症でない高齢者にケトン食と対照食(ケトン食のMCTを同カロリーの長鎖脂肪酸油に置き換えたミルク)をそれぞれ別の日に摂取していただき、血中のケトン体濃度の変化と複数の認知機能テストの成績を比較しました。対照食を摂取した時に比べ、ケトン食を摂取した時に血中ケトン体濃度が高く推移し、さらに作業記憶※4や遂行機能※5に関するテストの成績および一連の認知機能テストの総合成績※6が高いという結果が得られました(添付図参照)。試験参加者を、対照食を摂取した時の認知機能テストの総合成績が低かった群と高かった群に分けたところ、成績の低かった群でケトン食による総合成績の向上がより顕著に見られました。今回の結果から中鎖脂肪酸油(MCT)を含むケトン食は高齢者の認知機能を 改善する可能性が示されました。


図1
図1 MCTを含むケトン食、または対照食を摂取した後の
血中ケトン体濃度の変化

図2
図2 MCTを含むケトン食、または対照食を摂取した後に行った
認知機能テストの成績

【ご参考】
(※1)中鎖脂肪酸油(MCT)
炭素の数が6個から12個までの脂肪酸(中鎖脂肪酸)で構成される油脂の総称です。中鎖脂肪酸はココナッツオイルや牛乳にも含まれています(ただし、ココナッツオイルの中鎖脂肪酸では炭素数が12個のラウリン酸が主成分)。今回のケトン食には炭素数が8個の脂肪酸であるカプリル酸を多く含む油脂を使用しました。一般に、中鎖脂肪酸の中でも炭素数が少ないものの方が、ケトン体が産生され易いとされています。一方で炭素の数が14個以上の脂肪酸から構成される油脂が長鎖脂肪酸油(LCT)で、食品や調理に一般的に使用されている油です。LCTに比べMCTは摂取後に速やかに消化、吸収され、その一部が肝臓でケトン体に変換されます。

(※2)ケトン体
アセト酢酸、ベータヒドロキシ酪酸、アセトンの総称です。長時間の絶食や極端な高脂肪低糖質な食事を続けた時など、エネルギー源としての糖が不足する場合に、脂肪酸や一部のアミノ酸が肝臓でケトン体に変えられます。このケトン体のうちアセト酢酸、ベータヒドロキシ酪酸が糖に代わるエネルギー源として脳をはじめとする様々な体の器官で使われます。そのため今回の試験では血中ケトン体濃度としてアセト酢酸とベータヒドロキシ酪酸を測定しました。

(※3)明治ケトンフォーミュラ®
生まれつき糖質をエネルギーとして利用できない先天代謝異常や、薬で治療が困難な難治性てんかんなど、お子さまのケトン食療法のために使用される粉ミルクです。㈱明治で製造を行い、特殊ミルク事務局を通じて医療機関に提供しています。

(※4)作業記憶
今回の試験では作業記憶と呼ばれる認知機能を評価するために3種類のテストを行いました。このうち日本語版ウェクスラー記憶検査法改訂版(WMS-R)の下位検査である数唱課題(Digit span)において、試験食による成績の違いが認められました。数唱課題は検査者が読み上げた数字の並びをどれだけ正確に、同じ順序で復唱(順唱)したり、逆の順序で復唱(逆唱)したりできるかを検査し、点数化しています。作業記憶は、作動記憶、ワーキングメモリーともいわれ、必要な情報を一時的に保持しておく役割を果たし、日常のあらゆる作業を進める上で、必須の機能です。

(※5)遂行機能
今回の試験では遂行機能と呼ばれる認知機能を評価するためにトレイルメイキングテストAおよびBという2つの検査を行いました。このうちトレイルメイキングテストBにおいて試験食による成績の違いが認められました。このテストはテスト用紙に無作為に配置された数字と平仮名を1→あ→2→い→3→う・・・という順に線で結び終えるまでの時間を測定し、点数化しています。遂行機能は実行機能ともいわれ、物事の段取りをつけたり、計画を見直す上で重要であり、目的をもった活動を成し遂げるのに必須機能です。

(※6)認知機能テストの総合成績
異なる認知機能を統合して評価するために考案した評価指標です。今回の試験で実施した3種類の作業記憶テストと2種類の遂行機能テストの各点数を使って算出しています。

本リリースは、厚生労働記者会、厚生日比谷クラブ、東商記者クラブ、農政記者クラブに配布しております。


【研究詳細のお問い合わせ】
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部
部長:功刀 浩(くぬぎ ひろし)
E-mail:
TEL/FAX: 042-346-1714

【報道に関するお問い合わせ先】
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 広報係
〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1
TEL: 042-341-2711 FAX:042-344-6745

株式会社 明治 広報部
〒136-8908 東京都江東区新砂1-2-10
TEL:03-5653-0300 FAX:03-5653-0400』
米国糖尿病学会の歴史的変化と糖質制限食の容認。
【17/02/19 糖質制限ママ
自然派医師の意見について
こんばんは。1型の主人と共に超糖質制限に取り組んでおり、ブログや書籍、いつも有り難く拝読させて頂いております。
子供のワクチンなどのことを調べておりましたら、自然派医師と称される本間真二郎先生が、昨日一昨日、糖質制限食は今すぐやめるべき!糖質制限をすると身体が中身のない現代農法の野菜と同じ状態になる。見た目は元気でも中身はスカスカだ!腸内細菌目線ではない、間違っている!とブログや雑誌にて声高に申され、糖質制限者がコメント欄にて不服申立てをし、炎上している状態でした。
付け加えるように一部の人には仕方なし、くらいに書かれており、非常に不愉快極まり無かったです…。子供のワクチンは否定するのにインスリン注射は肯定なのか?と矛盾を感じずにはいられませんでした。
江部先生の記事にて腸内細菌も適応していくと述べられておりましたが、モヤモヤして悔しい気持ちでいっぱいです。。
江部先生のご意見がお伺い出来ましたら幸いでございます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。】


こんばんは。

糖質制限ママ さんから
自然派医師と称しておられる本間真二郎医師が糖質制限に否定的な意見を述べておられるとのコメントを頂きました。

ネットを見てみると、確かに、ご自身のブログで
『腸および腸内細菌の状態が人の健康にとって最も大事~糖質制限は今すぐやめましょう!~』と記載してありました。

一人の医師が、自己責任で個人的な意見を述べるのは、もちろん個人の自由ですので、
本間医師の見解も、そういう仮説があるのだなということです。
つまりエビデンスレベルのお話では全くないということです。

本間医師の仮説を信じるか否かは、そのブログを見た読者が、自分自身で考えて判断することが大切です。

その判断材料として、米国糖尿病学会の糖質制限食に対するスタンスの歴史的変遷が
とても参考になると思います。

まずは米国糖尿病学会の糖質制限食に対する立場の変遷を確認しましょう。

1)2007年までは、糖質制限食を否定です。
2)2008年に、肥満を伴う糖尿病患者に1年間の期限つきで有効性を認めました。
3)2011年に、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限つきで有効性を認めました。
4)2013年10月、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明を2008年以来5年ぶりに改訂し、
  適切な三大栄養素比率は確立されていないことを明言しました。
  そして「糖質130g/日が平均的な最小必要量」という文言を削除し、
  肥満の有無は関係なく、期限なしで、正式に糖質制限食を容認しました。
患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食, DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能。

つまり、米国糖尿病学会は2008年以降、
数々のエビデンスに基づいて糖質制限を容認の方向に踏み出しました。

その後、5年間のエビデンスの蓄積(糖質制限食肯定も否定も含めて)を経て
糖質制限食を正式容認です。

米国糖尿病学会の見解は、一個人の医師の見解とは異なり
多くのエビデンスに基づくものですから、意義は大変大きいです。

2型糖尿病に対する食事療法として、
米国では今や糖質制限食は重要な位置を占めるようなってきています。

例えば、米国のデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)は、
糖質制限食に関する臨床研究を積極的に行っています。

デューク大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授は2013年10月のADA声明改訂委員の1人でもあります。

一般内科のEric C. Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長です。

Westman准教授は、炭水化物20g/日未満をクリニックで実践しています。

このようにデューク大学では、
高雄病院のスーパー糖質制限食よりさらに厳格な
ケトジェニックダイエットを糖尿病治療食の標準として実践しています。


江部康二