2023年03月23日 (木)
こんばんは。
今回はインスリンシリーズの3回目です。
農耕前、狩猟・採集時代のインスリンの役割について考察してみます。
細胞がブドウ糖を取り込むためには「糖輸送体」という特別なタンパク質が必要です。
英語の頭文字からGLUT(グルット)と呼ばれ、現時点でグルット1〜グルット14までが確認されています。
正式にはグルコーストランスポーター(glucose transporter)です。
このうちグルット1は赤血球・脳・網膜などの糖輸送体で、脳細胞や赤血球の表面にあるため、
血流さえあればいつでも血液中からブドウ糖を取り込めます。
これに対して筋肉細胞と脂肪細胞に特化した糖輸送体がグルット4で、
ふだんは細胞の内部に沈んでいるのでブドウ糖をほとんど取り込めません。
しかし血糖値が上昇してインスリンが追加分泌されると、
細胞内に沈んでいたグルット4が細胞表面に移動してきて、ブドウ糖を取り込めるようになるのです。
グルット14種の中でインスリンに依存しているのはグルット4だけです。
インスリンとグルット4の役割を、農耕が始まる前の時代までさかのぼって考えてみました。
グルット4は、糖質過剰摂取時代の今でこそ獅子奮迅の大活躍なのですが、
農耕前はほとんど活動することはなかったと考えられます。
すなわち農耕後、日常的に穀物を食べるようになってからは
「食後血糖値の上昇→インスリン追加分泌→グルット4が筋肉細胞・脂肪細胞の表面に移動→ブドウ糖を細胞内へ取り込む」
というシステムが、毎日食事のたびに稼働するようになったのです。
しかし、狩猟・採集時代には穀物はなかったので、たまの糖質摂取でごく軽い血糖値上昇があり、
インスリン少量追加分泌のときだけグルット4の出番があったにすぎません。
運よく野生の小さな果物やナッツ類や自然薯などが採集できた場合のみです。
この頃は、血糖値は慌てて下げなくてはいけないほど上昇しないので、グルット4の役割は、
筋肉細胞で血糖値を下げるというよりは、
脂肪細胞で中性脂肪をつくらせて脂肪組織に蓄えて、
来たるべき冬の飢餓に備えるほうが、はるかに大きな意味を持っていたと思います。
すなわち、農耕前は「インスリン+グルット4」のコンビは、
たまに糖質(野生の果物やナッツ類)を摂ったときだけ、
もっぱら中性脂肪の生産・蓄積システムとして活躍していたものと考えられます。
狩猟・採集時代の「インスリン+グルット4」は、
もっぱら飢餓に対するセーフティーネットとして貢献していたと思われます。
また、摂取した糖質は肝臓にも取り込まれてグリコーゲンを蓄えますが、
あまった血糖が中性脂肪に変えられて脂肪細胞に蓄えられます。
このようにインスリンの中性脂肪蓄積システムは、長い間、
人類の生存におおいに貢献してきたのですが、
いまは日常的に1日に3~5回糖質を摂取する時代です。
このため「インスリン+グルット4」のコンビは今や「肥満システム」と化してしまい、
インスリンは肥満ホルモンと呼ばれるようになってしまったのです。
江部康二
今回はインスリンシリーズの3回目です。
農耕前、狩猟・採集時代のインスリンの役割について考察してみます。
細胞がブドウ糖を取り込むためには「糖輸送体」という特別なタンパク質が必要です。
英語の頭文字からGLUT(グルット)と呼ばれ、現時点でグルット1〜グルット14までが確認されています。
正式にはグルコーストランスポーター(glucose transporter)です。
このうちグルット1は赤血球・脳・網膜などの糖輸送体で、脳細胞や赤血球の表面にあるため、
血流さえあればいつでも血液中からブドウ糖を取り込めます。
これに対して筋肉細胞と脂肪細胞に特化した糖輸送体がグルット4で、
ふだんは細胞の内部に沈んでいるのでブドウ糖をほとんど取り込めません。
しかし血糖値が上昇してインスリンが追加分泌されると、
細胞内に沈んでいたグルット4が細胞表面に移動してきて、ブドウ糖を取り込めるようになるのです。
グルット14種の中でインスリンに依存しているのはグルット4だけです。
インスリンとグルット4の役割を、農耕が始まる前の時代までさかのぼって考えてみました。
グルット4は、糖質過剰摂取時代の今でこそ獅子奮迅の大活躍なのですが、
農耕前はほとんど活動することはなかったと考えられます。
すなわち農耕後、日常的に穀物を食べるようになってからは
「食後血糖値の上昇→インスリン追加分泌→グルット4が筋肉細胞・脂肪細胞の表面に移動→ブドウ糖を細胞内へ取り込む」
というシステムが、毎日食事のたびに稼働するようになったのです。
しかし、狩猟・採集時代には穀物はなかったので、たまの糖質摂取でごく軽い血糖値上昇があり、
インスリン少量追加分泌のときだけグルット4の出番があったにすぎません。
運よく野生の小さな果物やナッツ類や自然薯などが採集できた場合のみです。
この頃は、血糖値は慌てて下げなくてはいけないほど上昇しないので、グルット4の役割は、
筋肉細胞で血糖値を下げるというよりは、
脂肪細胞で中性脂肪をつくらせて脂肪組織に蓄えて、
来たるべき冬の飢餓に備えるほうが、はるかに大きな意味を持っていたと思います。
すなわち、農耕前は「インスリン+グルット4」のコンビは、
たまに糖質(野生の果物やナッツ類)を摂ったときだけ、
もっぱら中性脂肪の生産・蓄積システムとして活躍していたものと考えられます。
狩猟・採集時代の「インスリン+グルット4」は、
もっぱら飢餓に対するセーフティーネットとして貢献していたと思われます。
また、摂取した糖質は肝臓にも取り込まれてグリコーゲンを蓄えますが、
あまった血糖が中性脂肪に変えられて脂肪細胞に蓄えられます。
このようにインスリンの中性脂肪蓄積システムは、長い間、
人類の生存におおいに貢献してきたのですが、
いまは日常的に1日に3~5回糖質を摂取する時代です。
このため「インスリン+グルット4」のコンビは今や「肥満システム」と化してしまい、
インスリンは肥満ホルモンと呼ばれるようになってしまったのです。
江部康二
2023年03月22日 (水)
1)
基礎分泌インスリンは、ヒトの生命維持に必要不可欠です。
2)
スーパー糖質制限食でも、基礎分泌の2~3倍レベルのインスリンは分泌されますし、 追加分泌インスリンも必要不可欠です。
3)
インスリン注射で、1型糖尿病患者の命が助かるようになり、
近年、寿命が延びてきました。
4)
一方、過剰なインスリンは、酸化ストレスとなり、がん、老化、動脈硬化、
糖尿病合併症、アルツハイマー病などのリスクとなります。
こんにちは。
今回はインスリンの功罪のうち、主としてその役割について考察してみます。
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、
糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。
タンパク質摂取でも少量のインスリンが追加分泌されますが、脂質摂取では、インスリンは追加分泌されません。
これでまず解るのは、食物を摂取していないときでも、人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。
このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。
つまり、基礎分泌のインスリンがないと、全身の高度な代謝失調が生じ、生命の危険があります。
例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、
インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。
もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、運動で血糖値はかえって上昇します。
また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり、
空腹時血糖値が300mg/dl~400mg/dl、或いはこれ以上にもなります。
また、糖質を食べて血糖値が上昇したとき、追加分泌のインスリンがでなければ、高血糖が持続します。
高血糖の持続は糖毒といわれ、膵臓のβ細胞を傷害し、インスリン抵抗性を悪化させます。
急激に発症するタイプの1型糖尿病であれば、短期間でインスリン分泌がゼロになるので、
基礎分泌も追加分泌もなくなり血糖値が急上昇して、
随時で250~500mgとか600mg/dl以上1000mgにもなります。
細胞はブドウ糖を利用できないので、脂肪の分解産物のケトン体が急上昇し、
エネルギー源にしますが、酸性血症となり意識障害を生じ、放置すれば死に至ります。
インスリン作用が欠落しているときの血中ケトン体上昇は病態であり、極めて危険です。
上述のインスリン作用欠落による糖尿病ケトアシドーシスは、
インスリン作用が確保されていて糖質制限食や断食で
生理的にケトン体が上昇する場合とは、まったく異なる病態です。
さてブドウ糖が、細胞膜を通過するためには、特別な膜輸送タンパク質が必要です。
それが糖輸送体(GLUT)であり、現在GLUT1~GLUT14まで確認されています。
GLUT1は赤血球・脳・網膜などの糖輸送体で常に細胞の表面にあり、血流さえあれば即血糖を取り込めます。
これに対して筋肉細胞と脂肪細胞に特異的なのがGLUT4で、
基礎分泌のインスリンレベルだと、通常は細胞内部に沈んでいます。
GLUT1~GLUT14の中で、インスリンに依存しているのはGLUT4だけで特殊です。
筋肉細胞と脂肪細胞にあるGLUT-4は、インスリン追加分泌がないと細胞内に沈んでいるのでブドウ糖を取り込めません。
インスリンが追加分泌されるとGLUT-4は細胞表面に移動して血糖を取り込むのです。
このようにインスリンは、生命の維持に必須の重要なホルモンであることが確認できました。
また近年、1型糖尿病患者の寿命は延びています。
以下、糖尿病ネットワークから一部抜粋。
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/024725.php
1975年に米国で行われた調査では1型糖尿病患者の寿命は、健康人に比べて27年短いとされていました。
スコットランドのダンディー大学が2万4,691人の1型糖尿病患者を対象に行った調査では、
20代前半の糖尿病患者の予想される平均余命は、
健康な人に比べ男性で11.1年、女性で12.9年短いという結果になりました(2015年1月報告)。
このようにインスリンの使用法や種類が改善されたことで、1型糖尿病患者の寿命はかなり改善されてきています。
インスリン注射が、おおいに役に立っているわけです。
☆☆☆インスリンの作用
インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む。
インスリンが作用するのは、主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓である。
1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。
2)タンパク質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。
3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。
江部康二
2023年03月21日 (火)
【23/03/20
ひのえうま
ご報告です!
こんにちは、江部先生!
早速のお返事、ありがとうございます。
主人のデータですが、
A1c10.5だった頃は、57歳で、身長165cm 体重85kg
現在、A1c5.3時点では、61歳、165cm 体重68kg
です!
短期間で下着から、スーツまで、全部ブカブカになって、買い直しになってしまいました。(経済的にはダメージ大きいですが(笑)嬉しい誤算でもあります!)
体重は、グルファスト飲んでいた時は、65kgだったこともありましたが、やめた途端68kgになって少し焦りましたが、それをキープしています。
主治医の先生も、糖質制限がこんなに効果があって、継続していれば、ほぼ健康がキープできることに感心されてくださっているそうです。
薬を飲まずに済む生活は、本当に気分がいいですね。
時々、チートデイを儲けながら、気づけば、4年、続けていたんだな、と、しみじみ思います。
おうちご飯がいちばんの薬となっていますので、お弁当も、特別なことがない限り、仕事のある日は作っています。
外食時は、ご飯は要りません、と、断れるようにもなりました。最初から、ご飯なしを選べるお店も増えましたしね!
江部先生が、糖質制限を提唱してくださっていなければ、こんなに家庭内が平和だったか、甚だ疑問です。
薬を飲みながら、体の至る所を痛めつけ、合併症に怯えながら、暮らしていたと思うのです。
ですので、本当に感謝しかありません。
ありがとうございます。
ちなみに、最後に私の体重も聞いてください!
糖質制限の前は、150.4cm 57kg
今年の健康診断は150.4cm 46.1kgでした!
50代でも、痩せることはできるんだって証明できます!
また、血管年齢の見方も教えていただき、ありがとうございました。
次回は、血糖値ももっと下げてお邪魔します!
それではまた、ROMに戻らせていただきます。 】
こんいちは。
ひのえうまさんから、追加報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。
【主人のデータですが、
A1c10.5だった頃は、57歳で、身長165cm 体重85kg・・・BMI:31.2
現在、A1c5.3時点では、61歳、165cm 体重68kg・・・BMI:24.98】
当初は、 BMI:31.2ですから、米国でも肥満ですね。
現在は、 BMI:24.98なので、ギリギリですが、肥満脱却で、良かったです。
【主治医の先生も、糖質制限がこんなに効果があって、継続していれば、
ほぼ健康がキープできることに感心されてくださっているそうです。】
主治医も糖質制限食に反対しないで感心してくれているとは、素晴しいです。
good job です。
闇雲に糖質制限反対するの医師も多いので、ご主人は良い医師に巡り合えて良かったです。
【時々、チートデイを儲けながら、気づけば、4年、続けていたんだな、と、しみじみ思います。
おうちご飯がいちばんの薬となっていますので、
お弁当も、特別なことがない限り、仕事のある日は作っています。
外食時は、ご飯は要りません、と、断れるようにもなりました。
最初から、ご飯なしを選べるお店も増えましたしね!】
まさに「継続は力なり」です。
愛妻糖質制限弁当の継続・・・ひのえうまさんも、good job です。
そうですね。
最近は、ご飯なしを選べる店も増えてきて、糖質制限食が実践しやすくなって
嬉しい限りです。
2005年に「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社 )
を糖質制限食の最初の本として刊行したころは、
そんなお店は全くなくて苦労したことが思い出されます。
【江部先生が、糖質制限を提唱してくださっていなければ、
こんなに家庭内が平和だったか、甚だ疑問です。
薬を飲みながら、体の至る所を痛めつけ、合併症に怯えながら、暮らしていたと思うのです。】
ありがとうございます。
おっしゃる通り、現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、
人工透析、下肢切断、失明などの糖尿病合併症をふせぐことは困難です。
日本糖尿病学会推奨の糖尿病食は、誠に遺憾ながら『合併症製造食』としかいいようがありません。
【ちなみに、最後に私の体重も聞いてください!
糖質制限の前は、150.4cm 57kg
今年の健康診断は150.4cm 46.1kgでした!
50代でも、痩せることはできるんだって証明できます!】
BMIが、25.2から20.4に改善ですね。
これ以上の減量は必要ないので、動物製たんぱく質と動物製脂肪はしっかり充分量を食べて
筋力が低下しないように心がけましょう。
【それではまた、ROMに戻らせていただきます。】
ROMって、なんのことかわからなかったので調べたら、
見るだけで、コメントはしないというスタンスのことでした。
江部康二
スーパー糖質制限食でHbA1c劇的改善、質の良いHbA1cと質の悪いHbA1c。
2023年03月20日 (月)
【23/03/19 ひのえうま
主人の結果も私の健康診断良かったです!
こんにちは、江部先生!
夫のA1cが、5.3になったので、嬉しくてご報告にまいりました!
他の数値も、全て問題なく、高血圧が残るのみ、となりました。
A1c10.5を叩き出して、ハッキリ糖尿病、と、診断された人には、
5台に戻るのはなかなか難しい、と聞いていたので、
ましてや、5.5以下になるなんて、本当に驚きました。
途中、一度、6.0に戻って焦ったこともありましたが(笑)
やはり、コロナで、プール通いも一時中断していましたし、
私の捻挫で、ウォーキングもままならなくなっていたのがテキメンでした。
(ご近所が物騒になって、ウォーキングなどは、2人で行うように、
とお達しが出ていたので、1人では腰が重かった…)
すぐに、数値に出てくるので、対処も早く、
普段はスタンダードとスーパーの間くらいでしたが、
運動があまりできない間は、スーパー糖質制限に戻したところ、
スッと戻りました。いや、むしろ良くなりました。
ただ、主人の場合、どれくらいの期間かはわかりませんが、
高血糖を放置していたツケは回って来て、白内障の進行が思ったより早く、
この春には、白内障の手術が決まりました。
毎年、キチンと検診に通っていたので、そろそろと言われてはいて、
落ち着いて受け止めることができました。
一方、私の方は去年、コロナ騒動で、健診ものびのびになってしまい、
ご報告もできませんでした。
(いつも1月だったのが、この3年間は3月になってしまいました)
2年まとめてご報告に…
2022年3月→2023年3月
血圧 131/87→118/79
総コレステロール 229→246
中性脂肪 76→75
HDL 60→67
LDL 159→163
血糖値 98→110
A1c 5.9→6.0
血糖値は100前後、A1cは6.0前後をウロウロして、
スパッと下がりきりませんが、糖質制限をしての6.0なので、
昔みたいに心配していません。
コレステロールは、近所のお魚屋さんが店じまいをしてしまい、
いいお魚がなかなか手に入り辛くなっていて、
肉食が増えていたことも原因の一つかな、と反省しています。
このくらいの数値のうちに、立て直そうと思います。
ちょっと車で出なくてはなりませんが、
いい魚介を扱っているスーパーまで買いに行きます。
女性は更年期からコレステロールが高くなりがちとは聞いていたので、
心配ではあり、今年はオプションで、動脈硬化度の検査もしてみました。
CAVIは8.4で、境界線とは言え、ギリギリセーフ!
アテロームABI 1.03(左)1.02(右)全くの正常と出ました。
少々硬くなって来てるので、高血圧もなるほどと頷けました。
来年までに、改革して、今より良くできるよう、がんばります!
PS 高血糖になったと悩んでいた知人にも、
先生の本を一冊プレゼントしましたところ、大変喜んでもらえました。
こちらのブログも併せて紹介させていただきました。
これからも、ますますのご活躍をお祈り致しております。
長々と申し訳ございませんでした。
これからもよろしくお願い致します。】
こんにちは。
ひのえうまさんから、とても嬉しいコメント頂きました。
ありがとうございます。
【お連れ合いののA1cが、10.5% ⇒ 5.3%
他の数値も、全て問題なく、高血圧が残るのみ。】
スーパー糖質制限食で、素晴らしい改善です。
ご指摘通り、通常の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)による治療では、
例え薬物を併用しても10.5%の人が、6%をきるというのは極めて困難です。
ちなみに身長と年齢は、どのくらいでしょう。
また体重の変化は糖質制限食実践前と後ではどうなりましたか?
有酸素運動は、筋力維持や健康のためにしたほうが、良いのですが、
今回のお連れ合いのように、運動が困難な状況のときもあります。
それでも、スーパー糖質制限食実践なら、血糖値はリアルタイムにメキメキと
改善します。
【主人の場合、どれくらいの期間かはわかりませんが、
高血糖を放置していたツケは回って来て、白内障の進行が思ったより早く、
この春には、白内障の手術が決まりました。
毎年、キチンと検診に通っていたので、そろそろと言われてはいて、
落ち着いて受け止めることができました。】
そうですね。
糖尿人において一定期間血糖コントロールが不良であれば、
高血糖の記憶が「借金」のように生体内に残り、
その後良好なコントロールが得られても、
合併症リスクの差は縮まらないことが、わかっています。
この借金の正体が、組織沈着AGEs(☆)ではないかと言われています。
お連れ合いは、HbA1cが良好なので、安心して白内障手術を受けることができます。
HbA1cが7%以上あると、手術を嫌がられます。
ひのえうまさんのデータ
【2022年3月 → 2023年3月
血圧 131/87 → 118/79
総コレステロール 229 → 246
中性脂肪 76 → 75
HDL 60 → 67
LDL 159 → 163
血糖値 98 → 110
A1c 5.9 → 6.0 】
血圧は良好ですね。
2023年3月は、中性脂肪が75mgと80mg以下で、HDLコレステロールが67と
60以上でgoodです。
これなら、LDLコレステロールも全て標準の大きさの善玉であり、
肝臓から細胞膜の原料であるコレステロールを末梢組織に運んでいく重要な役割を果たしています。
血糖値110mgも境界型くらいですが、スーパー糖質制限食継続で
109以下の基準値になると思います。
【血糖値は100前後、A1cは6.0前後をウロウロして、
スパッと下がりきりませんが、糖質制限をしての6.0なので、
昔みたいに心配していません。】
仰る通り、スーパー糖質制限食でHbA1cが6.0%くらいの場合は、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のない質の良いHbA1cであり合併症の問題はないです。
内服薬を飲んだりインスリン注射をして、糖質を食べてのHbA1cは、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」を伴う、質の悪いHbA1cであり、
これでは酸化ストレスを生じるので合併症は防げません。
現実に、毎年新たに、
16000人以上の人工透析、3000人以上の失明、3000人以上の足切断患者が
発症しているのがその証拠です。
すなわち、現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では
糖尿病合併症は防げないのです。
なお、ABIは下肢の末梢動脈硬化病変の診断の手がかりとして、又
重症度のマーカーとしてもちいられる信頼できる指標ですが、
CAVIは信頼度の低い検査ですので、こちらの検査結果も心配は要りません。
(☆)
AGEsとは、Advanced Glycation End Productsの略語であり、
終末糖化産物、後期糖化生成物などと訳されます。
タンパク質に糖が曝露されることによる糖化反応で作られた最終的な生成物のことであり、身体の様々な老化に関与する物質と言えます。
また糖尿病合併症の元凶の一つとされています。
江部康二
ひのえうま
ご報告です!
こんにちは、江部先生!
早速のお返事、ありがとうございます。
主人のデータですが、
A1c10.5だった頃は、57歳で、身長165cm 体重85kg
現在、A1c5.3時点では、61歳、165cm 体重68kg
です!
短期間で下着から、スーツまで、全部ブカブカになって、買い直しになってしまいました。(経済的にはダメージ大きいですが(笑)嬉しい誤算でもあります!)
体重は、グルファスト飲んでいた時は、65kgだったこともありましたが、やめた途端68kgになって少し焦りましたが、それをキープしています。
主治医の先生も、糖質制限がこんなに効果があって、継続していれば、ほぼ健康がキープできることに感心されてくださっているそうです。
薬を飲まずに済む生活は、本当に気分がいいですね。
時々、チートデイを儲けながら、気づけば、4年、続けていたんだな、と、しみじみ思います。
おうちご飯がいちばんの薬となっていますので、お弁当も、特別なことがない限り、仕事のある日は作っています。
外食時は、ご飯は要りません、と、断れるようにもなりました。最初から、ご飯なしを選べるお店も増えましたしね!
江部先生が、糖質制限を提唱してくださっていなければ、こんなに家庭内が平和だったか、甚だ疑問です。
薬を飲みながら、体の至る所を痛めつけ、合併症に怯えながら、暮らしていたと思うのです。
ですので、本当に感謝しかありません。
ありがとうございます。
ちなみに、最後に私の体重も聞いてください!
糖質制限の前は、150.4cm 57kg
今年の健康診断は150.4cm 46.1kgでした!
50代でも、痩せることはできるんだって証明できます!
また、血管年齢の見方も教えていただき、ありがとうございました。
次回は、血糖値ももっと下げてお邪魔します!
それではまた、ROMに戻らせていただきます。 】
こんいちは。
ひのえうまさんから、追加報告をコメント頂きました。
ありがとうございます。
【主人のデータですが、
A1c10.5だった頃は、57歳で、身長165cm 体重85kg・・・BMI:31.2
現在、A1c5.3時点では、61歳、165cm 体重68kg・・・BMI:24.98】
当初は、 BMI:31.2ですから、米国でも肥満ですね。
現在は、 BMI:24.98なので、ギリギリですが、肥満脱却で、良かったです。
【主治医の先生も、糖質制限がこんなに効果があって、継続していれば、
ほぼ健康がキープできることに感心されてくださっているそうです。】
主治医も糖質制限食に反対しないで感心してくれているとは、素晴しいです。
good job です。
闇雲に糖質制限反対するの医師も多いので、ご主人は良い医師に巡り合えて良かったです。
【時々、チートデイを儲けながら、気づけば、4年、続けていたんだな、と、しみじみ思います。
おうちご飯がいちばんの薬となっていますので、
お弁当も、特別なことがない限り、仕事のある日は作っています。
外食時は、ご飯は要りません、と、断れるようにもなりました。
最初から、ご飯なしを選べるお店も増えましたしね!】
まさに「継続は力なり」です。
愛妻糖質制限弁当の継続・・・ひのえうまさんも、good job です。
そうですね。
最近は、ご飯なしを選べる店も増えてきて、糖質制限食が実践しやすくなって
嬉しい限りです。
2005年に「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社 )
を糖質制限食の最初の本として刊行したころは、
そんなお店は全くなくて苦労したことが思い出されます。
【江部先生が、糖質制限を提唱してくださっていなければ、
こんなに家庭内が平和だったか、甚だ疑問です。
薬を飲みながら、体の至る所を痛めつけ、合併症に怯えながら、暮らしていたと思うのです。】
ありがとうございます。
おっしゃる通り、現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、
人工透析、下肢切断、失明などの糖尿病合併症をふせぐことは困難です。
日本糖尿病学会推奨の糖尿病食は、誠に遺憾ながら『合併症製造食』としかいいようがありません。
【ちなみに、最後に私の体重も聞いてください!
糖質制限の前は、150.4cm 57kg
今年の健康診断は150.4cm 46.1kgでした!
50代でも、痩せることはできるんだって証明できます!】
BMIが、25.2から20.4に改善ですね。
これ以上の減量は必要ないので、動物製たんぱく質と動物製脂肪はしっかり充分量を食べて
筋力が低下しないように心がけましょう。
【それではまた、ROMに戻らせていただきます。】
ROMって、なんのことかわからなかったので調べたら、
見るだけで、コメントはしないというスタンスのことでした。
江部康二
スーパー糖質制限食でHbA1c劇的改善、質の良いHbA1cと質の悪いHbA1c。
2023年03月20日 (月)
【23/03/19 ひのえうま
主人の結果も私の健康診断良かったです!
こんにちは、江部先生!
夫のA1cが、5.3になったので、嬉しくてご報告にまいりました!
他の数値も、全て問題なく、高血圧が残るのみ、となりました。
A1c10.5を叩き出して、ハッキリ糖尿病、と、診断された人には、
5台に戻るのはなかなか難しい、と聞いていたので、
ましてや、5.5以下になるなんて、本当に驚きました。
途中、一度、6.0に戻って焦ったこともありましたが(笑)
やはり、コロナで、プール通いも一時中断していましたし、
私の捻挫で、ウォーキングもままならなくなっていたのがテキメンでした。
(ご近所が物騒になって、ウォーキングなどは、2人で行うように、
とお達しが出ていたので、1人では腰が重かった…)
すぐに、数値に出てくるので、対処も早く、
普段はスタンダードとスーパーの間くらいでしたが、
運動があまりできない間は、スーパー糖質制限に戻したところ、
スッと戻りました。いや、むしろ良くなりました。
ただ、主人の場合、どれくらいの期間かはわかりませんが、
高血糖を放置していたツケは回って来て、白内障の進行が思ったより早く、
この春には、白内障の手術が決まりました。
毎年、キチンと検診に通っていたので、そろそろと言われてはいて、
落ち着いて受け止めることができました。
一方、私の方は去年、コロナ騒動で、健診ものびのびになってしまい、
ご報告もできませんでした。
(いつも1月だったのが、この3年間は3月になってしまいました)
2年まとめてご報告に…
2022年3月→2023年3月
血圧 131/87→118/79
総コレステロール 229→246
中性脂肪 76→75
HDL 60→67
LDL 159→163
血糖値 98→110
A1c 5.9→6.0
血糖値は100前後、A1cは6.0前後をウロウロして、
スパッと下がりきりませんが、糖質制限をしての6.0なので、
昔みたいに心配していません。
コレステロールは、近所のお魚屋さんが店じまいをしてしまい、
いいお魚がなかなか手に入り辛くなっていて、
肉食が増えていたことも原因の一つかな、と反省しています。
このくらいの数値のうちに、立て直そうと思います。
ちょっと車で出なくてはなりませんが、
いい魚介を扱っているスーパーまで買いに行きます。
女性は更年期からコレステロールが高くなりがちとは聞いていたので、
心配ではあり、今年はオプションで、動脈硬化度の検査もしてみました。
CAVIは8.4で、境界線とは言え、ギリギリセーフ!
アテロームABI 1.03(左)1.02(右)全くの正常と出ました。
少々硬くなって来てるので、高血圧もなるほどと頷けました。
来年までに、改革して、今より良くできるよう、がんばります!
PS 高血糖になったと悩んでいた知人にも、
先生の本を一冊プレゼントしましたところ、大変喜んでもらえました。
こちらのブログも併せて紹介させていただきました。
これからも、ますますのご活躍をお祈り致しております。
長々と申し訳ございませんでした。
これからもよろしくお願い致します。】
こんにちは。
ひのえうまさんから、とても嬉しいコメント頂きました。
ありがとうございます。
【お連れ合いののA1cが、10.5% ⇒ 5.3%
他の数値も、全て問題なく、高血圧が残るのみ。】
スーパー糖質制限食で、素晴らしい改善です。
ご指摘通り、通常の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)による治療では、
例え薬物を併用しても10.5%の人が、6%をきるというのは極めて困難です。
ちなみに身長と年齢は、どのくらいでしょう。
また体重の変化は糖質制限食実践前と後ではどうなりましたか?
有酸素運動は、筋力維持や健康のためにしたほうが、良いのですが、
今回のお連れ合いのように、運動が困難な状況のときもあります。
それでも、スーパー糖質制限食実践なら、血糖値はリアルタイムにメキメキと
改善します。
【主人の場合、どれくらいの期間かはわかりませんが、
高血糖を放置していたツケは回って来て、白内障の進行が思ったより早く、
この春には、白内障の手術が決まりました。
毎年、キチンと検診に通っていたので、そろそろと言われてはいて、
落ち着いて受け止めることができました。】
そうですね。
糖尿人において一定期間血糖コントロールが不良であれば、
高血糖の記憶が「借金」のように生体内に残り、
その後良好なコントロールが得られても、
合併症リスクの差は縮まらないことが、わかっています。
この借金の正体が、組織沈着AGEs(☆)ではないかと言われています。
お連れ合いは、HbA1cが良好なので、安心して白内障手術を受けることができます。
HbA1cが7%以上あると、手術を嫌がられます。
ひのえうまさんのデータ
【2022年3月 → 2023年3月
血圧 131/87 → 118/79
総コレステロール 229 → 246
中性脂肪 76 → 75
HDL 60 → 67
LDL 159 → 163
血糖値 98 → 110
A1c 5.9 → 6.0 】
血圧は良好ですね。
2023年3月は、中性脂肪が75mgと80mg以下で、HDLコレステロールが67と
60以上でgoodです。
これなら、LDLコレステロールも全て標準の大きさの善玉であり、
肝臓から細胞膜の原料であるコレステロールを末梢組織に運んでいく重要な役割を果たしています。
血糖値110mgも境界型くらいですが、スーパー糖質制限食継続で
109以下の基準値になると思います。
【血糖値は100前後、A1cは6.0前後をウロウロして、
スパッと下がりきりませんが、糖質制限をしての6.0なので、
昔みたいに心配していません。】
仰る通り、スーパー糖質制限食でHbA1cが6.0%くらいの場合は、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のない質の良いHbA1cであり合併症の問題はないです。
内服薬を飲んだりインスリン注射をして、糖質を食べてのHbA1cは、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」を伴う、質の悪いHbA1cであり、
これでは酸化ストレスを生じるので合併症は防げません。
現実に、毎年新たに、
16000人以上の人工透析、3000人以上の失明、3000人以上の足切断患者が
発症しているのがその証拠です。
すなわち、現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では
糖尿病合併症は防げないのです。
なお、ABIは下肢の末梢動脈硬化病変の診断の手がかりとして、又
重症度のマーカーとしてもちいられる信頼できる指標ですが、
CAVIは信頼度の低い検査ですので、こちらの検査結果も心配は要りません。
(☆)
AGEsとは、Advanced Glycation End Productsの略語であり、
終末糖化産物、後期糖化生成物などと訳されます。
タンパク質に糖が曝露されることによる糖化反応で作られた最終的な生成物のことであり、身体の様々な老化に関与する物質と言えます。
また糖尿病合併症の元凶の一つとされています。
江部康二
2023年03月20日 (月)
【23/03/19 ひのえうま
主人の結果も私の健康診断良かったです!
こんにちは、江部先生!
夫のA1cが、5.3になったので、嬉しくてご報告にまいりました!
他の数値も、全て問題なく、高血圧が残るのみ、となりました。
A1c10.5を叩き出して、ハッキリ糖尿病、と、診断された人には、
5台に戻るのはなかなか難しい、と聞いていたので、
ましてや、5.5以下になるなんて、本当に驚きました。
途中、一度、6.0に戻って焦ったこともありましたが(笑)
やはり、コロナで、プール通いも一時中断していましたし、
私の捻挫で、ウォーキングもままならなくなっていたのがテキメンでした。
(ご近所が物騒になって、ウォーキングなどは、2人で行うように、
とお達しが出ていたので、1人では腰が重かった…)
すぐに、数値に出てくるので、対処も早く、
普段はスタンダードとスーパーの間くらいでしたが、
運動があまりできない間は、スーパー糖質制限に戻したところ、
スッと戻りました。いや、むしろ良くなりました。
ただ、主人の場合、どれくらいの期間かはわかりませんが、
高血糖を放置していたツケは回って来て、白内障の進行が思ったより早く、
この春には、白内障の手術が決まりました。
毎年、キチンと検診に通っていたので、そろそろと言われてはいて、
落ち着いて受け止めることができました。
一方、私の方は去年、コロナ騒動で、健診ものびのびになってしまい、
ご報告もできませんでした。
(いつも1月だったのが、この3年間は3月になってしまいました)
2年まとめてご報告に…
2022年3月→2023年3月
血圧 131/87→118/79
総コレステロール 229→246
中性脂肪 76→75
HDL 60→67
LDL 159→163
血糖値 98→110
A1c 5.9→6.0
血糖値は100前後、A1cは6.0前後をウロウロして、
スパッと下がりきりませんが、糖質制限をしての6.0なので、
昔みたいに心配していません。
コレステロールは、近所のお魚屋さんが店じまいをしてしまい、
いいお魚がなかなか手に入り辛くなっていて、
肉食が増えていたことも原因の一つかな、と反省しています。
このくらいの数値のうちに、立て直そうと思います。
ちょっと車で出なくてはなりませんが、
いい魚介を扱っているスーパーまで買いに行きます。
女性は更年期からコレステロールが高くなりがちとは聞いていたので、
心配ではあり、今年はオプションで、動脈硬化度の検査もしてみました。
CAVIは8.4で、境界線とは言え、ギリギリセーフ!
アテロームABI 1.03(左)1.02(右)全くの正常と出ました。
少々硬くなって来てるので、高血圧もなるほどと頷けました。
来年までに、改革して、今より良くできるよう、がんばります!
PS 高血糖になったと悩んでいた知人にも、
先生の本を一冊プレゼントしましたところ、大変喜んでもらえました。
こちらのブログも併せて紹介させていただきました。
これからも、ますますのご活躍をお祈り致しております。
長々と申し訳ございませんでした。
これからもよろしくお願い致します。】
こんにちは。
ひのえうまさんから、とても嬉しいコメント頂きました。
ありがとうございます。
【お連れ合いののA1cが、10.5% ⇒ 5.3%
他の数値も、全て問題なく、高血圧が残るのみ。】
スーパー糖質制限食で、素晴らしい改善です。
ご指摘通り、通常の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)による治療では、
例え薬物を併用しても10.5%の人が、6%をきるというのは極めて困難です。
ちなみに身長と年齢は、どのくらいでしょう。
また体重の変化は糖質制限食実践前と後ではどうなりましたか?
有酸素運動は、筋力維持や健康のためにしたほうが、良いのですが、
今回のお連れ合いのように、運動が困難な状況のときもあります。
それでも、スーパー糖質制限食実践なら、血糖値はリアルタイムにメキメキと
改善します。
【主人の場合、どれくらいの期間かはわかりませんが、
高血糖を放置していたツケは回って来て、白内障の進行が思ったより早く、
この春には、白内障の手術が決まりました。
毎年、キチンと検診に通っていたので、そろそろと言われてはいて、
落ち着いて受け止めることができました。】
そうですね。
糖尿人において一定期間血糖コントロールが不良であれば、
高血糖の記憶が「借金」のように生体内に残り、
その後良好なコントロールが得られても、
合併症リスクの差は縮まらないことが、わかっています。
この借金の正体が、組織沈着AGEs(☆)ではないかと言われています。
お連れ合いは、HbA1cが良好なので、安心して白内障手術を受けることができます。
HbA1cが7%以上あると、手術を嫌がられます。
ひのえうまさんのデータ
【2022年3月 → 2023年3月
血圧 131/87 → 118/79
総コレステロール 229 → 246
中性脂肪 76 → 75
HDL 60 → 67
LDL 159 → 163
血糖値 98 → 110
A1c 5.9 → 6.0 】
血圧は良好ですね。
2023年3月は、中性脂肪が75mgと80mg以下で、HDLコレステロールが67と
60以上でgoodです。
これなら、LDLコレステロールも全て標準の大きさの善玉であり、
肝臓から細胞膜の原料であるコレステロールを末梢組織に運んでいく重要な役割を果たしています。
血糖値110mgも境界型くらいですが、スーパー糖質制限食継続で
109以下の基準値になると思います。
【血糖値は100前後、A1cは6.0前後をウロウロして、
スパッと下がりきりませんが、糖質制限をしての6.0なので、
昔みたいに心配していません。】
仰る通り、スーパー糖質制限食でHbA1cが6.0%くらいの場合は、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のない質の良いHbA1cであり合併症の問題はないです。
内服薬を飲んだりインスリン注射をして、糖質を食べてのHbA1cは、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」を伴う、質の悪いHbA1cであり、
これでは酸化ストレスを生じるので合併症は防げません。
現実に、毎年新たに、
16000人以上の人工透析、3000人以上の失明、3000人以上の足切断患者が
発症しているのがその証拠です。
すなわち、現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では
糖尿病合併症は防げないのです。
なお、ABIは下肢の末梢動脈硬化病変の診断の手がかりとして、又
重症度のマーカーとしてもちいられる信頼できる指標ですが、
CAVIは信頼度の低い検査ですので、こちらの検査結果も心配は要りません。
(☆)
AGEsとは、Advanced Glycation End Productsの略語であり、
終末糖化産物、後期糖化生成物などと訳されます。
タンパク質に糖が曝露されることによる糖化反応で作られた最終的な生成物のことであり、身体の様々な老化に関与する物質と言えます。
また糖尿病合併症の元凶の一つとされています。
江部康二
主人の結果も私の健康診断良かったです!
こんにちは、江部先生!
夫のA1cが、5.3になったので、嬉しくてご報告にまいりました!
他の数値も、全て問題なく、高血圧が残るのみ、となりました。
A1c10.5を叩き出して、ハッキリ糖尿病、と、診断された人には、
5台に戻るのはなかなか難しい、と聞いていたので、
ましてや、5.5以下になるなんて、本当に驚きました。
途中、一度、6.0に戻って焦ったこともありましたが(笑)
やはり、コロナで、プール通いも一時中断していましたし、
私の捻挫で、ウォーキングもままならなくなっていたのがテキメンでした。
(ご近所が物騒になって、ウォーキングなどは、2人で行うように、
とお達しが出ていたので、1人では腰が重かった…)
すぐに、数値に出てくるので、対処も早く、
普段はスタンダードとスーパーの間くらいでしたが、
運動があまりできない間は、スーパー糖質制限に戻したところ、
スッと戻りました。いや、むしろ良くなりました。
ただ、主人の場合、どれくらいの期間かはわかりませんが、
高血糖を放置していたツケは回って来て、白内障の進行が思ったより早く、
この春には、白内障の手術が決まりました。
毎年、キチンと検診に通っていたので、そろそろと言われてはいて、
落ち着いて受け止めることができました。
一方、私の方は去年、コロナ騒動で、健診ものびのびになってしまい、
ご報告もできませんでした。
(いつも1月だったのが、この3年間は3月になってしまいました)
2年まとめてご報告に…
2022年3月→2023年3月
血圧 131/87→118/79
総コレステロール 229→246
中性脂肪 76→75
HDL 60→67
LDL 159→163
血糖値 98→110
A1c 5.9→6.0
血糖値は100前後、A1cは6.0前後をウロウロして、
スパッと下がりきりませんが、糖質制限をしての6.0なので、
昔みたいに心配していません。
コレステロールは、近所のお魚屋さんが店じまいをしてしまい、
いいお魚がなかなか手に入り辛くなっていて、
肉食が増えていたことも原因の一つかな、と反省しています。
このくらいの数値のうちに、立て直そうと思います。
ちょっと車で出なくてはなりませんが、
いい魚介を扱っているスーパーまで買いに行きます。
女性は更年期からコレステロールが高くなりがちとは聞いていたので、
心配ではあり、今年はオプションで、動脈硬化度の検査もしてみました。
CAVIは8.4で、境界線とは言え、ギリギリセーフ!
アテロームABI 1.03(左)1.02(右)全くの正常と出ました。
少々硬くなって来てるので、高血圧もなるほどと頷けました。
来年までに、改革して、今より良くできるよう、がんばります!
PS 高血糖になったと悩んでいた知人にも、
先生の本を一冊プレゼントしましたところ、大変喜んでもらえました。
こちらのブログも併せて紹介させていただきました。
これからも、ますますのご活躍をお祈り致しております。
長々と申し訳ございませんでした。
これからもよろしくお願い致します。】
こんにちは。
ひのえうまさんから、とても嬉しいコメント頂きました。
ありがとうございます。
【お連れ合いののA1cが、10.5% ⇒ 5.3%
他の数値も、全て問題なく、高血圧が残るのみ。】
スーパー糖質制限食で、素晴らしい改善です。
ご指摘通り、通常の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)による治療では、
例え薬物を併用しても10.5%の人が、6%をきるというのは極めて困難です。
ちなみに身長と年齢は、どのくらいでしょう。
また体重の変化は糖質制限食実践前と後ではどうなりましたか?
有酸素運動は、筋力維持や健康のためにしたほうが、良いのですが、
今回のお連れ合いのように、運動が困難な状況のときもあります。
それでも、スーパー糖質制限食実践なら、血糖値はリアルタイムにメキメキと
改善します。
【主人の場合、どれくらいの期間かはわかりませんが、
高血糖を放置していたツケは回って来て、白内障の進行が思ったより早く、
この春には、白内障の手術が決まりました。
毎年、キチンと検診に通っていたので、そろそろと言われてはいて、
落ち着いて受け止めることができました。】
そうですね。
糖尿人において一定期間血糖コントロールが不良であれば、
高血糖の記憶が「借金」のように生体内に残り、
その後良好なコントロールが得られても、
合併症リスクの差は縮まらないことが、わかっています。
この借金の正体が、組織沈着AGEs(☆)ではないかと言われています。
お連れ合いは、HbA1cが良好なので、安心して白内障手術を受けることができます。
HbA1cが7%以上あると、手術を嫌がられます。
ひのえうまさんのデータ
【2022年3月 → 2023年3月
血圧 131/87 → 118/79
総コレステロール 229 → 246
中性脂肪 76 → 75
HDL 60 → 67
LDL 159 → 163
血糖値 98 → 110
A1c 5.9 → 6.0 】
血圧は良好ですね。
2023年3月は、中性脂肪が75mgと80mg以下で、HDLコレステロールが67と
60以上でgoodです。
これなら、LDLコレステロールも全て標準の大きさの善玉であり、
肝臓から細胞膜の原料であるコレステロールを末梢組織に運んでいく重要な役割を果たしています。
血糖値110mgも境界型くらいですが、スーパー糖質制限食継続で
109以下の基準値になると思います。
【血糖値は100前後、A1cは6.0前後をウロウロして、
スパッと下がりきりませんが、糖質制限をしての6.0なので、
昔みたいに心配していません。】
仰る通り、スーパー糖質制限食でHbA1cが6.0%くらいの場合は、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のない質の良いHbA1cであり合併症の問題はないです。
内服薬を飲んだりインスリン注射をして、糖質を食べてのHbA1cは、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」を伴う、質の悪いHbA1cであり、
これでは酸化ストレスを生じるので合併症は防げません。
現実に、毎年新たに、
16000人以上の人工透析、3000人以上の失明、3000人以上の足切断患者が
発症しているのがその証拠です。
すなわち、現行の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では
糖尿病合併症は防げないのです。
なお、ABIは下肢の末梢動脈硬化病変の診断の手がかりとして、又
重症度のマーカーとしてもちいられる信頼できる指標ですが、
CAVIは信頼度の低い検査ですので、こちらの検査結果も心配は要りません。
(☆)
AGEsとは、Advanced Glycation End Productsの略語であり、
終末糖化産物、後期糖化生成物などと訳されます。
タンパク質に糖が曝露されることによる糖化反応で作られた最終的な生成物のことであり、身体の様々な老化に関与する物質と言えます。
また糖尿病合併症の元凶の一つとされています。
江部康二
2023年03月18日 (土)
【23/03/17 アリス
江部先生ありがとうございます
糖尿病歴8年 市の健診でHBA1Cが12を超えていたので 即入院1か月間カロリー制限の勉強とインシュリンを打つ練習 退院してすぐ先生のブログに出会い 糖質制限を始めました
今も元気に保育士の仕事ができる喜びを感じています
江部先生のこのブログを知らずに市民病院インシュリンをうちつずけていたら今頃どうなっていたでしょう~糖質制限を教えてくださった江部先生に感謝の気持ちでいっぱいです
カロリー制限では合併症は防げないのに それを知りながら 正しいことを教えないお医者様は悪魔ですね 私はそう思っています】
23/03/18 ドクター江部
アリス さん
HbA1c12%超えから、糖質制限食でインスリン注射なしで
血糖値が改善して、元気に保育士の仕事をしておられるとは、よかったです。
多くの医師が、『自分の頭で考える』
という習慣がないので
ガイドライン通りの治療しかご存じないし、それが当たり前で、
それ以外の治療があるという選択肢がないのが日本の糖尿病医療の現状です。
しかし、現状の糖尿病食で、合併症が防げていないのですから
『自分の頭で考えない』というのも、悪魔ではないにしても、一定の罪と言えます。
インスリン注射に関しては、
医師は、その有用な面ばかりを強調することがほとんどなのですが、
実はインスリン注射にはデメリットもあるのです。
<インスリンの功罪①。特に「罪」について。>
先日、ある製薬メーカーさんの社内勉強会で
糖尿病と糖質制限食のお話しをしてきました。
製薬メーカーの社員で、医師や薬剤師に製品の
「効能、副作用、トピック、研究論文・・・」など
様々な情報を紹介してくれるのが、MRさんです。(*)
皆さん、よく勉強しておられるので
私もいろいろ教えて貰うことも多いです。
そんな、MRさんの社内勉強会ですから、
インスリン注射のこともよくご存知です。
ところがインスリンの、「功罪」のうち、「功」のほうは
よくご存知でしたが、「罪」のほうは、ほとんどご存知ないのです。
それで、本日のブログはインスリンの功罪というお題とすることとしました。
まずは、インンスリンがないと、人は死亡します。
基礎分泌のインスリンは生命維持に絶対に必要なのです。
実際、1921年にインスリンが合成されるまでは、
1型糖尿病で内因性インスリンゼロの場合は平均余命は半年程度でした。
インスリンが開発されて以降、1型糖尿病の寿命は劇的に改善しています。
一方で過剰なインスリンの害にはエビデンスがあります。
たとえ基準値内でも、インスリンの血中濃度が高いほど、
アルツハイマー病、がん、老化、肥満、高血圧などのリスクとなります。
また、高インスリン血症は活性酸素を発生させ、酸化ストレスを増加させます。
酸化ストレスは、老化・癌・動脈硬化・その他多くの疾患の元凶とされています。
パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、アルツハイマー病などにも
酸化ストレスの関与の可能性があります。
1)ロッテルダム研究によれば、
インスリン使用中の糖尿人ではアルツハイマー病の相対危険度は4.3倍です。
Rotterdam研究(Neurology1999:53:1937-1942)
「高齢者糖尿病における、脳血管性痴呆(VD)の相対危険度は2.0倍。
アルツハイマー型痴呆(AD)の相対危険度は1.9倍。
インスリン使用者の相対危険度は4.3倍」
2)インスリン注射をしている糖尿人は、
メトグルコで治療している糖尿人に比べて
ガンのリスクが1.9倍というカナダの研究もあります。
2005年の第65回米国糖尿病学会、
カナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告、
その後論文化。コホート研究。
「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。SU剤(インスリン分泌促進剤)を内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」
Diabetes Care February 2006 vol. 29 no. 2 254-258
3)Cペプタイド値が高い男性は、低い男性に比べ最大で3倍程度、大腸癌になりやすい。
国立がん研究センター、「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果。
57%が空腹時、他は非空腹時で共に大腸癌群は高値。厚生労働省研究班が2007年、疫学調査結果を発表し英文論文化。研究班は、全国9地域で40-69歳の男女約4万人を、1990年から2003年まで追跡。
Int J Cancer. 2007 May 1;120(9):2007-12.
このように過剰インスリンの弊害を見てみると、
インスリンは血糖コントロールができている限り少なければ少ないほど、
身体には好ましいことがわかります。
別の言い方をすれば、農耕開始後、精製炭水化物開始後、
特に第二次大戦後に世界の食糧事情が良くなってからの糖質の頻回・過剰摂取が、
インスリンの頻回・過剰分泌を招き、酸化ストレスを生じ、
様々な生活習慣病の元凶となった構造が見えてきます。
スーパー糖質制限食を実践すれば、インスリンの分泌は必要最小限で済むようになり、
様々な生活習慣病の予防が期待できます。
ブログ読者の皆さんも、スーパー糖質制限食実践で、
必要最低限のインスリンで血糖こントロールを維持して、
健康ライフを送ってくださいね。
(*)
【MR】[medical representative]医薬情報担当者。
薬についての知識や情報を医師や薬剤師に提供する製薬メーカーの営業担当者。
江部康二
江部先生ありがとうございます
糖尿病歴8年 市の健診でHBA1Cが12を超えていたので 即入院1か月間カロリー制限の勉強とインシュリンを打つ練習 退院してすぐ先生のブログに出会い 糖質制限を始めました
今も元気に保育士の仕事ができる喜びを感じています
江部先生のこのブログを知らずに市民病院インシュリンをうちつずけていたら今頃どうなっていたでしょう~糖質制限を教えてくださった江部先生に感謝の気持ちでいっぱいです
カロリー制限では合併症は防げないのに それを知りながら 正しいことを教えないお医者様は悪魔ですね 私はそう思っています】
23/03/18 ドクター江部
アリス さん
HbA1c12%超えから、糖質制限食でインスリン注射なしで
血糖値が改善して、元気に保育士の仕事をしておられるとは、よかったです。
多くの医師が、『自分の頭で考える』
という習慣がないので
ガイドライン通りの治療しかご存じないし、それが当たり前で、
それ以外の治療があるという選択肢がないのが日本の糖尿病医療の現状です。
しかし、現状の糖尿病食で、合併症が防げていないのですから
『自分の頭で考えない』というのも、悪魔ではないにしても、一定の罪と言えます。
インスリン注射に関しては、
医師は、その有用な面ばかりを強調することがほとんどなのですが、
実はインスリン注射にはデメリットもあるのです。
<インスリンの功罪①。特に「罪」について。>
先日、ある製薬メーカーさんの社内勉強会で
糖尿病と糖質制限食のお話しをしてきました。
製薬メーカーの社員で、医師や薬剤師に製品の
「効能、副作用、トピック、研究論文・・・」など
様々な情報を紹介してくれるのが、MRさんです。(*)
皆さん、よく勉強しておられるので
私もいろいろ教えて貰うことも多いです。
そんな、MRさんの社内勉強会ですから、
インスリン注射のこともよくご存知です。
ところがインスリンの、「功罪」のうち、「功」のほうは
よくご存知でしたが、「罪」のほうは、ほとんどご存知ないのです。
それで、本日のブログはインスリンの功罪というお題とすることとしました。
まずは、インンスリンがないと、人は死亡します。
基礎分泌のインスリンは生命維持に絶対に必要なのです。
実際、1921年にインスリンが合成されるまでは、
1型糖尿病で内因性インスリンゼロの場合は平均余命は半年程度でした。
インスリンが開発されて以降、1型糖尿病の寿命は劇的に改善しています。
一方で過剰なインスリンの害にはエビデンスがあります。
たとえ基準値内でも、インスリンの血中濃度が高いほど、
アルツハイマー病、がん、老化、肥満、高血圧などのリスクとなります。
また、高インスリン血症は活性酸素を発生させ、酸化ストレスを増加させます。
酸化ストレスは、老化・癌・動脈硬化・その他多くの疾患の元凶とされています。
パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、アルツハイマー病などにも
酸化ストレスの関与の可能性があります。
1)ロッテルダム研究によれば、
インスリン使用中の糖尿人ではアルツハイマー病の相対危険度は4.3倍です。
Rotterdam研究(Neurology1999:53:1937-1942)
「高齢者糖尿病における、脳血管性痴呆(VD)の相対危険度は2.0倍。
アルツハイマー型痴呆(AD)の相対危険度は1.9倍。
インスリン使用者の相対危険度は4.3倍」
2)インスリン注射をしている糖尿人は、
メトグルコで治療している糖尿人に比べて
ガンのリスクが1.9倍というカナダの研究もあります。
2005年の第65回米国糖尿病学会、
カナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告、
その後論文化。コホート研究。
「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。SU剤(インスリン分泌促進剤)を内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」
Diabetes Care February 2006 vol. 29 no. 2 254-258
3)Cペプタイド値が高い男性は、低い男性に比べ最大で3倍程度、大腸癌になりやすい。
国立がん研究センター、「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果。
57%が空腹時、他は非空腹時で共に大腸癌群は高値。厚生労働省研究班が2007年、疫学調査結果を発表し英文論文化。研究班は、全国9地域で40-69歳の男女約4万人を、1990年から2003年まで追跡。
Int J Cancer. 2007 May 1;120(9):2007-12.
このように過剰インスリンの弊害を見てみると、
インスリンは血糖コントロールができている限り少なければ少ないほど、
身体には好ましいことがわかります。
別の言い方をすれば、農耕開始後、精製炭水化物開始後、
特に第二次大戦後に世界の食糧事情が良くなってからの糖質の頻回・過剰摂取が、
インスリンの頻回・過剰分泌を招き、酸化ストレスを生じ、
様々な生活習慣病の元凶となった構造が見えてきます。
スーパー糖質制限食を実践すれば、インスリンの分泌は必要最小限で済むようになり、
様々な生活習慣病の予防が期待できます。
ブログ読者の皆さんも、スーパー糖質制限食実践で、
必要最低限のインスリンで血糖こントロールを維持して、
健康ライフを送ってくださいね。
(*)
【MR】[medical representative]医薬情報担当者。
薬についての知識や情報を医師や薬剤師に提供する製薬メーカーの営業担当者。
江部康二