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 江部康二とライブ、バンド、ターニング・ポイント。アンチェインド・メロディー。
こんばんは。
現在は、知る人ぞ知るといった状況ですが、私は、コロナ前は、バンドとライブ活動を長年やってきました。
まずは、以下のYouTubeをご視聴頂ければ幸いです。
https://www.youtube.com/watch?v=4bIWnkhJhwc
Unchained Melody (Cover) Voc. 江部康二


京都のとあるライブハウスでの2013年頃の映像です。
私が歌っている「アンチェインドメロディー」は
1965年6月にライチャス・ブラザーズが録音したバージョンです。
1990年の映画『ゴースト/ニューヨークの幻』の主題歌に採用され、
全英シングルチャートで1位となりました。
ウィキペディアによれば、2012年12月28日に
BBC Fourが放送した『ザ・リッチエスト・ソングス・イン・ザ・ワールド』 (The Richest Songs in the World) で、
音楽著作権で史上最も稼いだ曲の第5位に選出されたそうです。


ターニング・ポイント(TURNING POINT)1987年結成、
当初年1回のライブ活動、
1992年から年3回のライブ活動。
1994年11月からマンスリー第三金曜ライブを開始。

第三金曜ライブは、2014年12月が最後で20周年で、いったん終了しました。
理由は、ライブハウス(憧夢)が閉店してしまったからです。
まあ20年よく続いたと思いますので、一区切りでした。

そこからは、年二回、春と秋に
京都のライブハウス「モダンタイムス」や「アメリカングラフィティー」で貸し切りのライブパーティーを開催してきました。
¥4500-で、2ドリンクつきで、バイキング形式の食べ放題ですから、お得感が満載です。

「下手な歌がなければもっとお得だけど・・・」。という影の声も聞こえてきそうですが、大丈夫です。
わたし、そこそこ歌はそこそこ上手なのです。 (^^)
まあ、好みはあると思いますが、聞いて頂ければわかると思います。

年二回のライブパーティーも、新型コロナ感染症の影響で、2020年からは開催できていません。
2019年秋までは、年2回の貸し切りライブパーティーは続いていたので、なかなかに息の長いバンドであったといえます。

レパートリーは、ビートルズ、ジョン・レノン、オールディーズ、レイ・チャールズ、エリック・クラプトン、
サイモンとガーファンクル、カーペンターズ、キャロル・キング、CCR、テンプテーションズ、ベン・E・キング、
ローリング・ストーンズ、ベット・ミドラー、ママス&パパス、ルイ・アームストロング、
日本のフォークソング、サザンオースターズ、尾崎豊、バンバン、井上陽水、
ワイルド・ワンズ、安全地帯、ユーミン、中島みゆき、モップス、いるか、坂本九、Jウォーク、ズー・ニー・ブー、と、
要するに何でもありのバンドです。

まあだからこそ煮詰まることなく長く続いたのかなと思います。
プレスリーバンドとか、特化すると、レパートリーが限られるので年二回とかのライブでも曲目がかぶってしまい、
お客さんもあきるので、なかなか長続きしないようです。

そろそろ、なんとか再開したい想いは強いのですが、
ボーカル3名・ギター1名・ドラムス1名・キーボード1名・ベース1名と大所帯であり、
練習も大変で、一部高齢化もあり、なかなか踏み切れないのです。

現在まだまだ思案中なのですが、ライブ活動再開の際は、
ブログ読者の皆さん、是非、応援よろしくお願い申し上げます。  m(_ _)m      

江部康二
病院食で血糖値が上がるのが心配。
【24/02/22 菊丸
病院食で血糖値が上がるので心配
お世話になります。
男 68歳

3月に入院することになり病院食で心配しています。
病院食は糖質制限しているからと希望が通るとも思えません。
糖尿病食になると考えています。

一時的には上がるかもしれませんが、
その後退院して自宅では従来通りに糖質制限した食事になれば、
時間はかかるけど元に戻るでしょうか。】



こんばんは。
菊丸さんから、
「病院食で血糖値が上がるのが心配」
というコメント・質問を頂きました。

【3月に入院することになり病院食で心配しています。
病院食は糖質制限しているからと希望が通るとも思えません。
糖尿病食になると考えています。】


そうですね。
私も、以前、声帯ポリープの手術で入院したことがあります。
お酒を飲んで、歌いすぎて、声帯ポリープができてしまったのです。
外来で、簡単に切除することもできたのですが、入院して
全身麻酔下で「プロボーカリスト」対応の手術をお願いしました。
当然、入院中は、丼飯や、食パンありの「糖尿病食」 でした。

結局、看護師さんに怪しまれながらも、(こっそり)、ゴミ箱に、
ご飯やパンを捨てて、おかずだけを食べるようにしました。
足らない分は、家から持ち込んだ糖質制限OK食品で補いました。
また、病院内のコンビニで、「豚しゃぶサラダ」「蒸し鶏サラダ」
おでんの「ダイコン」「ガンモドキ」「スジ肉」「豆腐」などを購入
して
しのぎました。


【一時的には上がるかもしれませんが、
その後退院して自宅では従来通りに糖質制限した食事になれば、
時間はかかるけど元に戻るでしょうか。】


上述の、持ち込みや、コンビ二の糖質制限OK食品で対処できないときは、
糖質を摂取するのもやむを得ないと思います。
でも退院して、糖質制限食に戻れば、すぐに元に戻ると思います。
可能なら、現在通院中の主治医に相談して、

「①αGI薬」「②グリニド系薬」を処方して貰って、準備しましょう。

「①αGI薬」
α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI:アルファー・ジーアイ)
アカルボース(グルコバイ)、ボグリボース(ベイスン)、ミグリトール(セイブル)など

デンプンのような多糖類は、α-アミラーゼという消化酵素の作用を得て、
二糖類(麦芽糖や蔗糖)やオリゴ糖に分解されます。

つまり、α-アミラーゼは、
穀物や芋のデンプンと呼ばれる多くの糖の集合体を
まず第一段階で分解して少し大きさを小さくしています。

その後、この二糖類やオリゴ糖は、
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素により、
単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて小腸から体内に吸収されます。

マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を総称して、
α-グルコシダーゼと呼びます。

この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、
腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、
食後高血糖を抑制するお薬が、
『α-グルコシダーゼ阻害薬』(アカルボース、ベイスン、セイブル)です。

それぞれ常用量で下記程度に血糖値を下げるとされています。

アカルボース: 1時間値50mg、 2時間値40mg
ベイスン:  1時間値40mg、 2時間値30mg
セイブル:  1時間値60mg、 2時間値20mg


より詳しくは、以下の本ブログ記事をご参照頂ければ幸いです。
『α-GI薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブル)の役割と糖質制限食。
2023年05月02日 (火)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6267.html


「②グリニド系薬」

グルファスト、スターシスなどの「グリニド系薬(即効性インスリン分泌促進薬)」
を、糖質摂取直前30秒に内服して、対応しましょう。

グリニド系薬剤に関しては、
冠婚葬祭や旅行など、やむを得ず糖質を摂取せざるをえないようなとき
食直前30秒に内服しますが、このていどなら、
膵臓のβ細胞への負担は全く問題ありません。

私も、糖尿病患者さんに、
旅行中とか外食でやむを得ないときなどのために、
αGI薬やグリニド系薬剤を処方しています。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を、約3mg血糖値を上昇させます。

グリニド系薬剤の効果には個人差があり、
1錠で20~60mgくらい血糖値を下げる
とされています。


江部康二
糖質制限食で血糖値が劇的改善。でも合併症検査は必要。
こんばんは。
ブログ読者の皆さんから、「糖質制限食で血糖値が劇的に改善した」という、
とても嬉しいコメントを頂くことがあります。

例えば

「空腹時血糖値:200mg/dl以上
HbA1c:14%以上」

といった数値で、
医師から重度の糖尿病と診断されたようなケースが
糖質制限食で劇的に改善することはよくあります。
私のブログや本を参考に、糖質制限食を開始して
1週間後、購入した血糖値測定器が届いたので、
計測したところ空腹時95、食後125と正常値に戻っていたといった
ケースもあります。

空腹時血糖値:200mg/dl以上
HbA1c:14%以上
なら、医師は即入院が必要と説明すると思いますが、
入院したら、丼飯を食べさせられ、インスリンを打たれたと思います。(→ο←) 

血糖自己測定器の購入も正解だと思います。

『血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、蛋白質・脂質は与えない』

という生理学的事実を、自分で確認することができて、便利です。

「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が、
酸化ストレスの最大のリスクであり、糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら、この二つを予防することができますが、
糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、この二つが必ず生じます。
従って、糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)は合併症予防が困難どころか、
誠に遺憾ながら「合併症製造食」としか言いようがありません。

しかしながら、糖質制限食で血糖値が劇的に改善したとしても、
いつ頃から糖尿病であったのか、わかりませんので、
糖尿病合併症の検査は必須です。
数年以上食後高血糖が続いたあと、
初めて糖尿病に気がついたというような場合もあり得るのです。


まずは眼科で眼底検査を行い、糖尿病網膜症の有無をチェックしましょう。
次いで循環器科で、頸動脈エコーを行い、
心電図・心エコーなど冠動脈・心臓の検査も実施しましょう。

それから、朝空腹時(前夜の食事から10時間以上絶食)に、
血中インスリン値と血糖値を測定しましょう。
この二つのデータで、HOMA-βとHOMA-Rが計算できます。
なお、カフェインが血糖値を上げることがあり得るので、
朝の水分補給は、お茶もなしで、水だけとしましょう。

あとは、、美味しく楽しく糖質制限食を実践して、
末長く健康ライフを目指しましょう。
なお、糖質制限食実践でAGEsの蓄積も最小限で済むので
将来の<糖化→老化>がかなり予防できると思います。

AGEs
に関しては、以下の本ブログ記事をご参照頂けば幸いです。
[ 高血糖の記憶(消えない借金)と糖質制限食。
2019年10月20日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5043.html ]



【HOMA-β】
HOMA-βは内因性インスリン分泌機能を推定する指数です。
HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で計算するのですが、
経口血糖負荷試験(OGTT)時の2時間値のインスリン分泌量と、
よく相関することがわかっています。
homeostatic model assessment beta cell function
→略してHOMA-β

という式で計算します。
空腹時血糖値130mg/dl以下なら信頼度が高いです。
正常値:40-60

【HOMA-R】

HOMA-Rとはインスリン抵抗指数のことです。

という式で計算します。
homeostasis model assessment insulin resistance
→略して HOMA-R
HOMA-Rが大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。
1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
空腹時血糖値140mg/dl以下なら信頼度が高いです。



江部康二
糖質制限食とコレステロール値。


【24/02/20 倉田
肉中心の糖質制限食とコレステロール
江部先生、いつもお世話になっています。

スーパー糖質制限は、タンパク質・脂質無制限食とされていますが、
肉や卵を無制限に食べた場合も、コレステロールに影響はないのでしょうか。
近所の内科医は、コレステロールが高い場合、肉や卵を控えて、
魚と野菜をしっかり食べるようにと言っています。

私は、江部先生が説明されている縄文時代の肉を中心とした食事については
理解していますが、それでも、コレステロールとの関係はどうなのか、
コレステロール値を下げるには、肉より魚のほうが良いのか、
という点がよく分かりません。その点は、どうなのでしょうか。

また、その点がどうであれ、私が特にお尋ねしたいのは、
LDLの基準値は140mg未満とされていますが、
140mg以上であった場合は、薬で下げたほうが良いのかどうかということです。】



こんにちは。
倉田さんから、「糖質制限食とコレステロール値」について
コメント・質問を頂きました。

Ⅰ 米国糖尿病学会の見解
米国糖尿病学会は、2019年4月「コンセンサス・リコメンデーション」において
「糖質制限食(超低炭水化物食も含めて)は最も研究されている食事療法の一つである」
と明言して、一推しで推奨しました。
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも同様の見解です。
米国糖尿病学会の見解ですから、エビデンスに基づいています。
急性心筋梗塞は、日本で年間約8万人、米国では約100万人が発症しています。
一般に、LDLコレステロール値が高値だと心筋梗塞のリスクとされていますが、
心筋梗塞が日本よりはるかに多い米国で、糖尿病学会が糖質制限食を一推しで推奨ですので、
「糖質制限食とLDLコレステロール値」に関しては、心配ないと思います。


Ⅱ 江部康二のコレステロール値
52歳から74歳現在まで、22年間スーパー糖質制限食を実践中の私のデータです。
コレステロール値は、2023年6月で
TC:176mg/dl
LDL-C:89mg/dl
HDL-C:74mg/dl
TG:65mg/dl



Ⅲ 肉 or 魚
「私は、江部先生が説明されている縄文時代の肉を中心とした食事については
理解していますが、それでも、コレステロールとの関係はどうなのか、
コレステロール値を下げるには、肉より魚のほうが良いのか、
という点がよく分かりません。その点は、どうなのでしょうか。」


日本列島にヒトが居住し始めたのは、38000年前の旧石器時代からです。
旧石器時代は22000間と長期にわたり続いて、そのまま縄文時代に移行しました。
旧石器時代は「ウルム氷期」という大変寒い時期で、針葉樹しかありませんでした。
当時は漁労の技術も未発達だったので、基本、肉ばかり食べていました。
ナウマン象、ヘラシカ、オオツノシカ、イノシシ・・・などです。
北海道ではマンモスも食べていたと思われます。
植物食としては、自然薯、松ぼっくり、コケモモくらいしかありませんでした。
日本人の身体は、22000年間、肉ばかり食べて形成されており、
肉に特化して適合していると考えられますので、肉食中心で問題ないと考えられます。
勿論、現代人は魚も食べて良いと思います。
江部康二の上述の検査データは、肉と魚が半々で野菜も食べてのものです。


Ⅳ LDLコレステロールが140mg/dl以上は内服薬は?
「また、その点がどうであれ、私が特にお尋ねしたいのは、
LDLの基準値は140mg未満とされていますが、
140mg以上であった場合は、薬で下げたほうが良いのかどうかということです。」


空腹時の採血で、
HDL-Cが60mg/dl以上、
TGが60~80mg/dl以下、

なら、悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cはほとんどないので安心です。
LDL-Cが140mg/dl以上の高値でも標準の大きさの善玉なので問題ないです。(☆)


①標準の大きさのLDLコレステロール:
 肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉。
②小粒子LDLコレステロール:
 コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
 活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
③酸化LDLコレステロール:
 異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉。

つまり、危険なのは②と③であり、
①はなくてはならない大切なものなのです。


(☆)http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと
に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)

清水先生、ありがとうございます。


江部康二

1900年代初期からの米国糖尿病食事療法の変遷。
こんにちは。
今回は、<1900年代初期からの米国糖尿病食事療法の変遷>
について考察してみます。

米国糖尿病食事療法の変遷 

<インスリン発見前>

1900年代初期までは米国では糖尿病治療食としては、糖質制限食が主流でし た。
それも、ほぼスーパー糖質制限食です。
おそら くヨーロッパでも同様で あった思われます。
この頃すでに、食後血糖値を上昇させるのは、
3大栄養素 のなかで主として糖質であるという ことが、認識されていたからです。
例えば、糖尿病学の父と呼ばれるエリオット・ジョスリン医師が執筆した
「ジョスリン糖尿病学」の初版は1916年出版ですが、
炭水化物は総摂取カロリーの20%が標準と記載してあります。

当時 は血糖値の測定はまだあまり一般的でなかったたので、
もっぱら尿糖を検査し ていました。
尿糖が でない食事療法が糖尿病治療において優れているとさ れ、
それが糖質制限食でした。
個人差はありますが尿に糖が出始めるのは、
血 糖値が 170~180mg/dLを超えたときですので、
当時としてはなかなか良い指標 でした。

このころ1型糖尿病は、診断後平均余命6ヶ月の致命的な病気でした。
その1型糖尿病患者に、フレデリック・アレ ン医師の考案した
「飢餓療法(炭水化物をほとんど含まない400kcal/日てい どの食 事)」が適用されて、
極端な低カロリー食で、寿命を数ヶ月から1~2 年、まれに3年延ばしましたが、
結局は致命的な疾患でした。
飢餓療法が一定の 効果をあげたのは、
内因性インスリンゼロの1型糖尿病においては、
糖質が直接血糖値を上昇させると共に、
タンパク質も間接的に糖新生により血糖値を上昇させることが
関与していたと考えられます。
ちなみにジョスリン医師とア レン医師は、
ハーバード大学医学 部の同窓生で良い友人でした。

<インスリン抽出以後>

1921年にカナダの整形外科医フレデリック・バンティングと
医学生チャール ズ・ベストがインスリンの抽出に初めて成功しまし た。
トロント総合病院に おいて、
1922年に当時14才の1型糖尿病患者(レナード・トンプスン少年)に 初めて注射し、血糖コント ロールに成功しました。
1型糖尿病はインスリン の登場までは、致命的な病気でしたが、
インスリンにより生命を保つことが可能となりました。

その後、インスリンを注射しておけば糖質を摂取しても血 糖値が上昇しないことが、
徐々に周知されるようになりました。
その結果、 正常人なみに糖質を食べても、
インスリンさえ打っておけばいいという流れと なっていき、
1型においても2型においても、米国糖尿人の糖質摂取量は徐々に増えていきました。

<ADA(米国糖尿病学会)食事療法ガイドラインの変遷など>

ADA(米国糖尿病学会)ガイドラインが初めて制定されたのが1950年です。
上 述の流れを受けて、第一回目のガイドライン制 定時には、
ADAは総摂取カロリーに対して、炭水化物の摂取量を以前より増やしました。

1950年のガイドラ インでは炭水化物40% を推奨。
1971年のガイドラインでは炭水化物45%に増えました。
1986年のガイドライン でさらに炭水化物60%と増加。

1994 年のガイドラインでは、
総摂取カロリー に対してタンパク質10~20%という規定がありますが、
炭水化物・脂質の規定 はなくなりまし た。
1994年のガイドラインの時、
オリーブオイルたっぷりの 地中海食も選択肢に加わわりました。
1994年以降、ガイドラインでは 炭水化 物と脂肪のカロリー比を固定しなくなりました。

1993年に発表された米国の1 型糖尿病研究・DCCTにおいて、
糖質管理食 (カーボカウント)が成功を収め たことから、
欧米では、糖質管理食が、1型糖尿病患者を中心に広まっていき ました。

1997年版米国 糖尿病学会の患者用テキストブックには
「糖質は 100%、タンパク質が50%、脂質が10%未満血糖に変わる」
とされていましたが、 2004年版では
「血糖値を上昇させるのは、糖質だけで、タンパク質・脂 質は上昇させない」
という記載に変更されました。

2005年、ボストンのジョ スリン糖尿病センターは、
炭水化物の推奨量を40%に下げました。
(Joslin Diabetes Mellitus 第14版、2005年、616ページ)。

ジョスリン糖尿病セン ターは、全米で最も評価の高い糖尿病治療センターの一つです。

<近年のADA(米国糖尿病学会)の、「食事療法に関する声明」の変遷>

2007年までは、ADA(米国糖尿病学会)は、
食事療法において、糖質制限食は 推奨しないとしていました。

ADA(米国糖尿 病学会)の「食事療法に関する声 明2008」において
「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」とランクAで 推奨され、
「減量が望 まれる糖尿病患者には低カロリー食、
もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」
と低糖質食を一定支持する見解が初めてだされました。

さらに2013年10月のADA(米国糖尿病学会)の、
成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)では、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは
存在しないとの見 解を表明しました。

そして、患者ごとにさまざまな食事パターン
〔地中海 食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH食(高血圧食))食〕が受容可能であるとしています。
*DASH食は、Dietary Approaches to Stop Hypertensionの略称です。

糖質制限食も正式 に認められています。

このADAの見解は、1969年の食品交換表第2版 以降 2013年の第7版まで、
40年以上一貫して唯一無二のカロリー制限食を推奨し続 けている日本糖尿病学会への
痛烈な批判となっ ています。

ADAの「食事療法に 関する声明2013」は、日本の糖質制限食にとって、
大きな追い風となりました。

さらに、米国糖尿病学会は、
2019年4月「コンセンサス・リコメンデーション」において
「糖質制限食(超低炭水化物食も含めて)は最も研究されている食事療法の一つである」
と明言して、一推しで推奨しました。
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも同様の見解です。
このことは、日本の糖質制限食推進派医師にとって
これ以上ない強力な援軍となりました。


江部康二