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新型コロナ「再感染」世界で報告相次ぐ  ワクチンは効くのか?
こんばんは。
NHKのサイトに、2020年10月12日、

新型コロナ「再感染」世界で報告相次ぐ
ワクチンは効くのか?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/medical/detail/detail_41.html


という記事が掲載されました。
香港を始めとして、世界各地から報告が相次いでいるので
新型コロナウィルスは、、1回感染して治ったとしても、
また、再感染しうるということです。
インフルエンザでも、毎年罹る人もいるので、
再感染していますね。
普通の風邪の原因になるほうのコロナウィルスも
再感染どころか、まあ何回でも風邪をひく人はひきます。

新型コロナウイルスやインフルエンザウィルスは、
鼻やのどといった上気道の粘膜から侵入します。
粘膜面を防御している抗体はIgA抗体ですが、
IgA抗体は、1回感染して抗体ができたとしても、
比較的短い期間で減ってしまいます。
このため、再感染を水際でくい止めるのは難しいのです。

次にワクチンですが、安全性を確かめて有効性を確かめて初めて、
ワクチンとして認可されますので、通常2.3年以上はかかると思います。
すでに完成しているらしいロシアや中国のワクチンは、
早すぎるので安全性が担保されているのかおおいに疑問です。
本来健康な人に感染予防のためにワクチンを打つわけですから、
有害事象が生じたら、非常によろしくないのです。

また有効性に関しても、
同じ呼吸器感染症のインフルエンザワクチンの有効性から考えても
新型コロナワクチンも、多くは期待できない可能性があります。
ちなみにインフルエンザワクチンは、
『感染防御はできないが、重症化を防ぐことが期待される』
ていどの有効性です。

一方で、日本人は、BCGワクチンを打っているので『自然免疫力』が向上していて
新型コロナを防御できている可能性が高いです。

BCGの新型コロナに対する有効性ですが、
2020年3月初旬から6月にかけて実施された
アラブ首長国連邦のエミレーツ国際病院で行われた研究で、
明らかにされています。
71人の被験者がブースターBCGワクチン接種を受けて、
この群では COVID 19 感染陽性例はゼロでした。
209人の被験者はワクチン接種を受けておらず、
18例のPCR陽性COVID 19感染が確認されました。
ワクチン未接種群の感染率は8.6%であったのに対し、
ブースターワクチン接種群ではゼロでした。
BCGの新型コロナ感染予防効果が立証された研究と言えます。

また、糖質セイゲニストにおいては
『ケトン体高値』『AGEsの蓄積が少ない』ということがあるので
自然免疫力の向上が期待できます。


江部康二



以下の青字は記事の要約です。

「再感染」 世界初の科学的な報告は香港から

新型コロナウイルスに1回感染して回復した人が再び感染したという報告が、最初に出されたのは香港でした。
1回目と2回目の感染では、ウイルスの遺伝子の配列が一部で異なっており、
世界で初めて科学的に裏付けられた「再感染」の報告だとしています。

「再感染」 最初の感染より症状が重い場合も

その後、各地の研究グループから再感染の報告が出されています。
多くのケースで再感染のときは軽い症状ですが、アメリカ・ネバダ州の25歳の男性は、
最初の感染よりも症状が重くなり、肺炎で入院したと報告されています。
オランダの通信社は再感染の情報をまとめ、9月30日までに22件あったと紹介しています。

ウイルス学の専門家「再感染は“ありうる”」
北里大学 中山哲夫特任教授
新型コロナウイルスは本当に再感染するのか。
ウイルス学の専門家、北里大学の中山哲夫特任教授は、
「ほかのいろいろなウイルス感染症と同じように、再感染はありうる。」
と述べています。

再感染で軽いケース 重いケース 他のウイルスでは
再感染した場合、多くのウイルスでは、軽症か無症状で済むことが多いと言います。
たとえば、かぜのような症状を引き起こすRSウイルス。
幼い子どもが感染すると肺炎になって重症化することもあります。
中山特任教授の研究では、1歳ごろに感染した場合、作られた抗体は少量にとどまりましたが、
感染を繰り返すうちに抗体の量が増えていくことが分かりました。
抗体の量が増えるのにつれて症状は軽くなり、鼻水程度の症状でおさまるケースが多かったということです。
一方で、蚊が媒介し、高熱や激しい頭痛などを引き起こすデング熱の場合、
2度目以降の感染の方が症状が重くなるケースも多く見られるということです。
北里大学 中山哲夫特任教授
「新型コロナウイルスの場合、再感染しても症状が出ず、気付いていない人が多くいる可能性もある。
再感染によってどういった症状が引き起こされるかはまだ分かっていないため、慎重に見ていく必要がある」

新型コロナ 抗体が減るのが早いという報告も
頼みの抗体が減るのが早いという報告もあります。
中国の重慶医科大学などのグループは、ことし6月、
新型コロナウイルスに感染して症状が出た患者37人と症状が出なかった患者37人について、抗体の量の変化を調べた研究結果を発表しました。
それによると、ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の量は、
感染からおよそ2か月の時点で、無症状の人だと81.1%、症状が出た人でも62.2%減っていたなどとしています。
抗体の減少の報告は、アメリカやブラジルなどからも出されています。

「再感染の阻止は難しい」という指摘も
北里大学 片山和彦教授
新型コロナウイルスを使った実験も行ってきた北里大学の片山和彦教授は、
感染するメカニズムから考えても、再感染を阻止するのは難しいと指摘します。
新型コロナウイルスは、鼻やのどといった上気道の粘膜から侵入します。
ところが、片山教授によりますと、上気道の粘膜にでき、ウイルスが入り込む、
いわば入り口で感染を防ぐ「IgA」と呼ばれる抗体は、1回感染して抗体ができたとしても、
比較的短い期間で減ってしまうというのです。このため、再感染を入り口で阻止するのは難しいのではないかと言います。

ワクチンは効くのか? 接種するメリットは?
ワクチンは、活性を失わせたウイルスなどを「疑似感染」させることで、体の中に抗体を作り出し、感染を防ぐものです。
1回感染すると、その抗体ができているはずなのに、
それでも感染するなら、ワクチンは効かないのでは?そんな疑問が浮かびます。
これについて中山特任教授は「再感染するからワクチンにも効果がない」というような短絡的な考え方はしないよう、
くぎを刺しています。
今後、ワクチンが開発されて接種しても、再感染する可能性はあるが、それでも接種するメリットはあると言います。
北里大学 中山哲夫特任教授
「ワクチンは感染を確実に防ぐことだけを目的としているわけではない。重症化を防ぐなどほかの効果も期待できる」

効果高めようと別タイプのワクチン開発も
多くのワクチンは血液中に抗体を作るものですが、
別の考え方で感染を防ぐ効果を高めるワクチンの開発研究も始まっています。
片山教授は、鼻に噴霧する新しいタイプのワクチンを開発しています。
鼻に噴霧して、ウイルスの入り口となる、上気道に抗体を作ることで、入り口でウイルスをブロックできると考えています。
今後数年かけて研究を進めたいとしています。
また、長崎大学の佐々木均教授は、肺の粘膜で抗体を作らせようというワクチンの研究を進めています。
ウイルスが肺の粘膜にくっつくと、肺炎につながりますが、その肺の粘膜での感染を防ごうというのです。

「何度も感染する前提で対応を考えるべき」
感染の収束の見通しが立たない中、やっかいなウイルスにどう向き合っていけばよいのか。
日本ウイルス学会の理事長で大阪大学の松浦善治教授は、
かぜを引き起こす一般的なコロナウイルスと同様に、何度も感染するものだという前提で対応を考えるべきだと指摘しています。
大阪大学 松浦善治教授
「再感染しないウイルスのほうが珍しい。ただウイルスにとっても、宿主を殺してしまっては生き延びることができないので、感染を重ねるにつれて重い症状を引き起こさないようになってくるのが、人間とウイルスの長い歴史で多く見られたパターンだ。過剰に怖がらずに受け止めてほしい」

やはり大事なのは基本の感染対策
再感染するかもしれないし、ワクチンを接種しても感染するかもしれない。
ワクチンは近い将来に手に入るように開発や調整が進められていますが、
安心しすぎず、引き続き手洗いの徹底や3密を避ける、人との距離を取るといった、
基本の感染対策を徹底することが、改めて大事だと専門家は話しています。
新型コロナウイルスはまだまだ分からないことが多く、
さまざまな形で取り組まれている研究の進展を注視していく必要がありますが、
引き続き、私たち一人ひとりが基本的な感染対策をしっかりと徹底して行うこと、
これが何より大事だということには変わりがないといえます。
食後の眠気について。糖質制限食でも眠気あり?
【20/10/18 岡田
食後の眠気について
以前コメントにご教示頂きありがとうございました。
糖質制限を実施し3ヶ月で8kg程減量しました。
病院を受診しておりませんので、糖尿病の診断は受けてません。
食後の眠気がひどく、血糖測定器を購入し測定したところ
…糖質制限前は空腹時100〜110 食後2時間が150〜200程度
現在は空腹時80〜110 食後2時間が110〜130程度です。
糖質は一日で100g程度に抑えていますが、
食後の眠気が改善されずやはり糖尿病なのかなと悩んでおります。
もし宜しければ江部先生の見解をお聞きしたいです。
よろしくお願い致します。】



こんばんは。
岡田さんから、
糖質制限食実施3ヶ月で8kg減量成功という嬉しいコメントを頂きました。
岡田さん、減量成功良かったです。

【食後の眠気がひどく、血糖測定器を購入し測定したところ
…糖質制限前は空腹時100〜110。食後2時間が150〜200程度。】


このデータなら、食後高血糖タイプの<境界型糖尿病>ですね。
幸い、まだ糖尿病にはなっていません。

【糖質制限食後の現在は空腹時80〜110 。食後2時間が110〜130程度。
糖質は一日で100g程度。しかし食後の眠気改善せず。】


境界型ですので、1gの糖質がピークで約1.5mgくらい血糖値を上げると思います。
1日に100gの糖質なら、1回の食事の糖質量は33gくらいです。
そうすると、食後血糖血のピーク時は約50mgくらい血糖値が上昇します。
境界型ですから、食後血糖値上昇のピークは30~60分くらいと思われます。
一度、<食前、30分後、60分後、90分後、120分後>と血糖値を測定して
ピークが何分後かを実験してみましょう。

おそらく、食後30~60分に血糖値上昇のピークがあり、

50mgくらい上昇していると思います。

空腹時100〜110mg/dlならば、
食後30~60分のピーク時は150~160mg/dlに上昇している可能性が高いです。
1時間に50mg/dlくらいの血糖変動があると、眠気を生じます
これは、血糖上昇時でも下降時でも同様です。
従って、食後30~60分くらいの血糖上昇時と、
食後90~120分くらいの血糖下降時に、
2回眠気が生じても不思議ではありません。

眠気の解決法としては、スーパー糖質制限食を実践すればOKです。
一回の食事の糖質摂取量を10~20g以下にすれば、
血糖値上昇のピークの変動は15~30mg/dlですみます。
血糖変動幅が30mg/dl以下なら、」眠気は生じないと思います。
是非、試してみてください。


江部康二
WHO「有効」デキサメタゾンのみ、他剤は無効。
こんばんは。
2020年10月17日(土)の毎日新聞のウェブサイト
https://mainichi.jp/articles/20201017/k00/00m/030/190000c


WHO「有効」デキサメタゾンのみ 
レムデシビル、ヒドロキシクロロキン「効果なし」


という記事が掲載されました。
以下は要約です。

 【WHOは10月15日(木)、臨床試験の結果、新型コロナウイルス感染症に対して、
抗ウイルス薬「レムデシビル」は死亡率の改善や入院期間の短縮に効果がなかったと発表しました。
抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」、
抗エイズウイルス(HIV)薬「ロピナビル、リトナビル」
抗ウイルス作用のあるたんぱく質「インターフェロン」
も、効果を立証できませんでした。
  WHO首席科学者のスミヤ・スワミナタン氏は16日の記者会見で
「WHOの臨床試験は世界最大規模で、結果の精度は高い」と述べました。
WHOは今後、治療薬の投与に関する専門家向けのガイドラインを作成するとしています。
 WHOは、世界30カ国の医療機関で約1万3000人を対象に臨床試験を実施して効果を見極めています。
新型コロナ治療薬として有効なのは、
これまでのところ重症患者向けに投与されるステロイド系抗炎症薬「デキサメタゾン」だけとしています。
WHOのテドロス事務局長は「抗体医薬品や(既存の)抗ウイルス薬で、
新型コロナ治療に効果があるかどうか臨床試験を続ける」としています。】


デキサメサゾンが有効というのは、
新型コロナウィルス感染で生じるサイトカインストーム(免疫の暴走)に対して
副腎脂質ステロイドホルモン剤が それを一定予防したということと思います。
新型コロナ重症化の大きな要因が、サイトカインストームなので
使用価値はあると思います。

一方、デキサメサゾン(副腎皮質ホルモン製剤)は、
新型コロナウィルス感染予防効果とか、
ウィルスそのものを無害化するといった根本的治療法ではありません。

こうなると、感染を予防し重症化を防ぐには、自分自身の免疫力を高めることが
重要であり、これこそが根本的治療法と思われます。
そして免疫力を高めるには糖質制限食実践がベストです

糖質セイゲニストにおいては、糖質を食べている人に比べると
<①ケトン体高値><②AGEsの蓄積が少ない><③血糖変動幅が小さい>
①②③という3つの免疫力を高めるアドバンテージがあります。

<①ケトン体高値>
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
SGLT2阻害薬(糖尿病治療薬)の大規模臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。

その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、さらに期待できますね。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。

<②AGEsの蓄積が少ない>
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然です。
AGEs(終末糖化産物)の蓄積が、老化症状の元凶と言えます。
AGEsが蓄積すれば全身の血流・代謝が悪くなるので当然免疫力も低下します。
同年代の糖質を摂取している人に比べたら、
糖質セイゲニストは、老化の少ない分、免疫力はかなり高いと思います。

<③血糖変動幅が小さい>
糖尿病でない正常型の人でも、中年以降は、普通に糖質を摂取していると、
食後1時間血糖値は160~180mg/dlくらいになります。
国際糖尿病連合は、
食後1時間も2時間も血糖値160mg/dl未満を目標としていますので、
糖尿病ない人も当然この目標を満たす必要があります。

さらに正常型でインスリン分泌能力が充分ある人は、
食後160mg/dlとかの血糖値になると大量のインスリンを追加分泌します。
その結果、食後3~4~5時間血糖値が60~70mg/dlくらいに下がって、
凸凹状態となります。
すなわち血糖変動幅増大でこれが酸化ストレスリスクとなります。
またインスリン過剰分泌そのものも活性酸素を発生させ酸化ストレスとなります。

酸化ストレスは免疫力を低下させますが、糖質制限食なら、
血糖変動幅増大もインスリン過剰分泌もないので酸化ストレスを防ぎ、
免疫力を向上させます。

<結論>
①②③により、糖質セイゲニストの免疫力は高いと思います。
ブログ読者の皆さんも、是非スーパー糖質制限食を実践されて、
免疫力を高めて、新型コロナ感染予防を心がけて頂ければ幸いです。


江部康二
食品別糖質量ハンドブック 江部 康二 (監修) 宝島社 2020/9/10刊行。
こんばんは。

ダイエット・糖質制限に必携! 食品別糖質量ハンドブック 江部 康二 (監修)
宝島社 2020/9/10
https://www.amazon.co.jp/dp/4299008561/


が刊行されました。
2012年11月に『食品別糖質制限ハンドブック』(洋泉社)を上梓して以降、
累計約17万部となっています。
2015年12月に日本食品標準成分表が改訂され、七訂となりました。
15年ぶりの大幅な改訂で、項目が200増え、
成分表のデータもかなりの変更がありました。
『食品別糖質量ハンドブック』もこれに対応して、収録食品の数も増やしました。

今回、版元の合併で宝島社の刊行となる本書では、さらに内容を追加しています。
この間、米国糖尿病学会は、2013年10月に糖質制限食を正式に容認し、
2019年4月には、『エビデンスが一番豊富なのは、糖質制限食である』と明言しました。

日本でも、近年、飲食業界において、
糖質制限食がおおいにクローズアップされてきました。
今や糖尿病や肥満・メタボだけでなく、
健康のためにもよい人類の正解の食事であり、糖質制限食の時代到来と言えます。

以下の青字は、本書の「はじめに」です。


はじめに

私が理事長を務める高雄病院は1999年、
日本で初めて糖質制限食を糖尿病治療に導入しました。
以来、高雄病院では入院患者と外来患者を合わせると
5000人以上の、糖質制限食による劇的な血糖値改善の治療実績を持っています。
そうした中で、手近に食品別の糖質量がひと目でわかる本があれば
というニーズに応えようと、
2012年11月に『食品別糖質制限ハンドブック』(洋泉社刊)を刊行し、
おかげさまで読者の皆さまの大きな支持を得て、版を重ねることができました。
現在、発行部数は17万部に達しようとする勢いです。 
この間の2015年12月に日本食品標準成分表が改訂され、七訂となりました。
15年ぶりの大幅な改訂で、項目が200増え、
成分表のデータもかなりの変更がありました。
『食品別糖質ハンドブック』もこれに完全に対応して、
収録食品を見直すとともに、収録食品の数も1200に増やしました。
今回、版元の合併で宝島社の刊行となる本書では、さらに内容を追加しています。
身近な食品や料理の糖質・カロリー・たんぱく質・脂質・塩分量などが
写真入りでわかるように工夫されている本書は、
糖質制限食を指導する立場の医師・栄養士はもちろん、
糖質制限食実践中の方々の強い味方となってくれると思います。 
近年、糖質制限食は社会的に広く認知されるようになり、
糖尿病、メタボリック・シンドローム、肥満の患者さんだけでなく、
健康のために実践されている方も多くなっています。
2013年10月に米国糖尿病学会が「栄養療法に関する声明」において、
地中海食やベジタリアン食、低脂質食などとともに糖質制限食を正式に受容したのは、
糖質制限食の普及にとり大きな追い風となりました。おかげで日本においても医師の支持がかなり増えてきました。 
糖質制限食というと、
現代の普通の食事である高糖質食と比べて特別な食事と思いがちですが、
実は糖質制限食こそが人類本来の食事なのです。 
諸説ありますが、人類がチンパンジーと分かれて誕生したのが約700万年前、
農耕がはじまったのが約1万年前です。
農耕がはじまる前は、「狩猟」「採集」「漁労」で食べものを手に入れていて、
穀物はなかったのですから、人類皆糖質制限食といえます。
すなわち、糖質制限食は約700万年間の人類の食事であり、
人類の健康食といえるのです。 
読者の皆さまには、本書を参考に、おいしく楽しく末永く糖質制限食を実践されて、
健康を保っていただければ幸いです。

2020年8月
高雄病院理事長 江部康二
糖尿病とうつ病と糖質制限食。
こんばんは。
新型コロナによる自粛で、
外出が減って運動不足で『コロナ太り』したとか、
私の糖尿病患者さんでもかなりの人が仰ってました。
また、飲み会、女子会などコミュニケーション機会が減って
『コロナうつ』だと仰る方も時におられました。
まあ、本格的うつ病というよりは、
うつ状態、うつ傾向といった軽いものですが・・・。

糖尿病という病気と心理的な問題は、何か関係あるのでしょうか?
糖尿病の治療というと、
<厳格なカロリー制限の食事療法、
お酒は飲んではだめ、運動療法、内服薬、インスリン注射・・・>

複雑で時間がかかり制限と苦痛を伴う治療を、
長期間続けなくてはならないのですから、糖尿人は結構大変です。
このように、経済的にも肉体的にも一定の負担があり、
結果として心理的負担もかなり大きいので当然気分も滅入りやすいし、
うつにもなりやすいのです。

しかもカロリー制限の食事療法を続けている限りは、HbA1c 6.9%
以下のコントロール良好を達成できている糖尿人は、
インスリンを打っても薬を飲んでも、統計的には約半分です。

つまり、現状では、半分の糖尿人は血糖コントロール不良で、
医師や栄養士から無言の非難を浴びている感じがしますし、
自分でも言われたとおりにちゃんと食事も運動もしているのに
「なぜだー!」という心境でしょう。
こうなると投げやりになったり、うつっぽくなっても不思議ではありませんね。

実際、糖尿病とうつ病ですが、Diabetes Care という米国の医学雑誌に
『糖尿病患者はうつ病になるリスクが2倍も高い』
という論文がのったことがあります。

つまり、糖尿人はうつになりやすいようですし、また厄介なことに、
うつがあると糖尿病も悪化しやすいという側面もあります。
うつがあると運動不足、肥満などが出現しやすく、インスリン抵抗性が増します。
また、うつにより治療へのコンプライアンスの悪さもでてきます。
これらにより糖尿病が悪化するのです。

また、たとえHbA1cが基準値内でも、
普通の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)で、
血糖値が急に上昇したり下がったりする『質の悪いHbA1c』だと、
心理的に不安定になりやすく、うつ状態にもなりやすいのです。

ここまで糖尿人にとってやや暗いお話でしたが、救いはあります。
つまり、逆に言えば、うつ病の治療をきっちりすることで、
糖尿病が改善することもあるということですね。

そして、高雄病院お奨めの『糖質制限食』だと、カロリー計算は要らないし、
お酒も飲めるし、お肉もお魚も食べ放題。運動もしたくない方はしなくてもOKです。
HbA1cも、血糖変動幅が最小限ですむ『質の良いHbA1c』です。
カロリー制限の糖尿病食に比べれば、面倒くささや制約が殆どありません。
糖質摂取さえ制限すればあとは自由ですので、長期に渡って実践でき、
苦痛は少なく、心理的にはずいぶん楽ですね。 (^^)

私もスーパー糖質制限食がベースで、
たまに、ごく少量の果物を摂取するパターンですが、つらさは全くありません。
糖質制限食なら血糖変動幅の上昇がほとんどないので、
代謝が安定しますし、心理的にも安定します。
うつもスーパー糖質制限食で改善することが多いですが、
その改善の度合いには個人差があります。

お魚をたくさん食べればEPAやDHAも豊富に摂取されるので、
脳の活動にもプラスに働きます。
糖尿人の皆さん、是非とも、
美味しく楽しく末長く糖質制限食を実践してくださいね。


江部康二