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蛋白尿と糖質制限食、糖尿病腎症と糖質制限食 。
こんばんは。

蛋白尿と糖質制限食、糖尿病腎症と糖質制限食についてコメント・質問が時々あります。
検討してみます。
早朝第一尿で、蛋白尿が陰性なら、随時尿で蛋白尿が陽性でも、「生理的蛋白尿」の可能性が高いです。
早朝第一尿で、尿蛋白陽性なら、「尿細管性蛋白尿」「糸球体性蛋白尿」などの腎疾患の可能性があるので、医療機関でまずは、尿沈査という検査をしましょう。

尿沈渣(にょうちんさ)とは、尿を遠心分離器にかけたときに沈殿してくる様々な固形成分を顕微鏡で観察する検査です。
尿沈渣で腎臓などの異常が疑われれば、より詳しい検査を腎臓内科(腎臓専門医)で実施する必要があります。

糖尿病の治療として糖質制限食を実践する場合、蛋白尿が陽性でも、血液検査で腎機能が保たれていれば、スーパー糖質制限食OKです。米国糖尿病学会は『糖尿病腎症にタンパク質制限は推奨しない』>と明言しています。

具体的には、血清クレアチニン検査や血清シスタチンCの検査をして、計算式でeGFRを算定します。これは医療機関や検査機関がしてくれます。あるいは、グーグルで、<eGFR シスタチンC><eGFR クレアチニン>で検索すればeGFRを計算してくれるサイトがでてきます。腎機能検査としては、血清シスタチンCのほうが、腎機能に特化した信頼度の高い検査です。

日本腎臓病学会のCKD診療ガイド2018によれば、eGFRが60ml/分/1.73m2以上あれば、蛋白尿が陽性でも蛋白制限の必要はないので、糖質制限食OKです。

即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分/1.73m2以上あれば蛋白制限必要なしです。

CKD診療ガイド2018では、糖尿病腎症第3期で、eGFR60mL/分/1.73m2未満には、エビデンスレベルは低い(科学的根拠は低い)けれどタンパク制限を推奨です。
ただ低タンパク食を実践した場合、免疫力低下などで肺炎を起こしやすくなるので、、個別の検討が必要と記載されています。

結論です。

1)eGFRが60ml/分/1.73m2以上なら、
  糖尿病腎症で蛋白尿が陽性でもスーパー糖質制限食を実践して、OKです。

2)eGFRが60m/分/1.73m2未満の糖尿病腎症第3期以降の糖尿人は、 
  個別によく医師と相談して糖質制限食をするか否かを決めることとなります。
  月に1回クレアチニン、3月に1回シスタチンCを検査しつつ、腎機能悪化がなければ
  糖質制限食を続ければ良いです。
  血糖コントロール良好を保つことは、腎機能保護にも通じます。



江部康二
コメント
Hba1cと貧血の関係について。
いつもブログを拝読させて頂いています。


今年の5月から貧血の治療で鉄剤を1日1回服用し、8月の貧血検査で数値がHbは10→12.5に改善しました。

9月からは1日おきに鉄剤を服用し、現在はほぼ服用していません。(医師の指示による)

10月初めの特定健診でHbA1cが5.9で高値でした。(空腹時血糖値90)

最近、薬局で血糖検査が出来ると聞き、検査した所、HbA1cは5.3でした。

1ヶ月でこの様に下がる事はあるのでしょうか?
体重は変わりません。

貧血が改善し、HbA1cが基準値になったと考えて良いのでしょうか?

または、病院と薬局との検査方法による誤差でしょうか?

母親が糖尿なので、心配です。
2022/11/19(Sat) 07:57 | URL | もも | 【編集
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