2022年10月25日 (火)
こんにちは。
今回は、
ホルモンと血糖値。
ストレスと血糖値。
運動と血糖値。
のお話です。
<ホルモンと血糖値>
血糖値を下げるホルモンはインスリンだけです。
これに対して血糖値を上昇させるホルモンは、
グルカゴン
アドレナリン
副腎皮質ホルモン(コルチゾール、アルドステロン)
副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)
成長ホルモン
甲状腺ホルモン
ソマトスタチン
と複数あります。
700万年の人類の進化過程において、
血糖値を下げる必要性は、たまに果物や根茎類が手に入ったときなどであり、
かなり限られていました。
そのためインスリンというかなり脆弱な装置がたった一つで
間に合っていたのでしょう。
これに対して、赤血球はミトコンドリアがないのでブドウ糖だけが唯一の
エネルギー源であり、それを確保するために
複数の装置が用意されていたと考えられます。
成長ホルモン、甲状腺ホルモン、アドレナリンなどは。
インスリン抵抗性を高めるホルモンで、過剰だと血糖値が上がります。
ソマトスタチンはインスリンの分泌を直接抑制して血糖を上昇させます。
アルドステロンはカリウムの低下に伴いインスリン分泌能を低下させます。
グルカゴンはインスリン分泌には関わりませんが、肝臓からの糖の放出を促進し、血糖を上昇させます。
<ストレスと血糖値>
ストレスでも血糖値は上昇します。
怒りとかの感情とか不眠などがストレスとなり、
アドレナリンや副腎皮質ホルモンが分泌されます。
一方、単純に心拍数が上がるレベルの運動を行うと、
アドレナリンが出て血糖値は上昇します。
これは、運動している本人が心理的ストレスを感じていなくても、
身体は何らかのストレッサーがあれば反応するのです。
運動も勿論ストレッサーになります。
ストレスの原因はストレッサーと呼ばれその外的刺激の種類から一般に、
物理的ストレッサー(寒冷、騒音、放射線、光など)
化学的ストレッサー(酸素、薬物、タバコなど)
生物的ストレッサー(炎症、感染)
心理的ストレッサー(怒り、不安など)
に分類されます。
<運動と血糖値>
運動は、上記分類にはあてはまらない、
非特異的ストレッサーという位置づけにでもなるのでしょうか?
コロナ前は、私は空いている日曜日はテニスに出かけていました。
早朝空腹時の血糖値が96~108mg/dl前後です。
ごく軽い食事(スーパー糖質制限食)を午前11時頃して、
夕方5時頃とか試合のあと血糖値を測定すると、
空腹時なのに140mg/dlくらいあることがあります。
おじさんのダブルスていどの運動30分ていど後のデータです。
30~60分くらいで通常のデータ(100mg/dl前後)に戻ります。
なお適度な運動は健康度を高めて、良いストレッサーとなります。
江部康二
今回は、
ホルモンと血糖値。
ストレスと血糖値。
運動と血糖値。
のお話です。
<ホルモンと血糖値>
血糖値を下げるホルモンはインスリンだけです。
これに対して血糖値を上昇させるホルモンは、
グルカゴン
アドレナリン
副腎皮質ホルモン(コルチゾール、アルドステロン)
副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)
成長ホルモン
甲状腺ホルモン
ソマトスタチン
と複数あります。
700万年の人類の進化過程において、
血糖値を下げる必要性は、たまに果物や根茎類が手に入ったときなどであり、
かなり限られていました。
そのためインスリンというかなり脆弱な装置がたった一つで
間に合っていたのでしょう。
これに対して、赤血球はミトコンドリアがないのでブドウ糖だけが唯一の
エネルギー源であり、それを確保するために
複数の装置が用意されていたと考えられます。
成長ホルモン、甲状腺ホルモン、アドレナリンなどは。
インスリン抵抗性を高めるホルモンで、過剰だと血糖値が上がります。
ソマトスタチンはインスリンの分泌を直接抑制して血糖を上昇させます。
アルドステロンはカリウムの低下に伴いインスリン分泌能を低下させます。
グルカゴンはインスリン分泌には関わりませんが、肝臓からの糖の放出を促進し、血糖を上昇させます。
<ストレスと血糖値>
ストレスでも血糖値は上昇します。
怒りとかの感情とか不眠などがストレスとなり、
アドレナリンや副腎皮質ホルモンが分泌されます。
一方、単純に心拍数が上がるレベルの運動を行うと、
アドレナリンが出て血糖値は上昇します。
これは、運動している本人が心理的ストレスを感じていなくても、
身体は何らかのストレッサーがあれば反応するのです。
運動も勿論ストレッサーになります。
ストレスの原因はストレッサーと呼ばれその外的刺激の種類から一般に、
物理的ストレッサー(寒冷、騒音、放射線、光など)
化学的ストレッサー(酸素、薬物、タバコなど)
生物的ストレッサー(炎症、感染)
心理的ストレッサー(怒り、不安など)
に分類されます。
<運動と血糖値>
運動は、上記分類にはあてはまらない、
非特異的ストレッサーという位置づけにでもなるのでしょうか?
コロナ前は、私は空いている日曜日はテニスに出かけていました。
早朝空腹時の血糖値が96~108mg/dl前後です。
ごく軽い食事(スーパー糖質制限食)を午前11時頃して、
夕方5時頃とか試合のあと血糖値を測定すると、
空腹時なのに140mg/dlくらいあることがあります。
おじさんのダブルスていどの運動30分ていど後のデータです。
30~60分くらいで通常のデータ(100mg/dl前後)に戻ります。
なお適度な運動は健康度を高めて、良いストレッサーとなります。
江部康二
食事以外でも血糖値を変動させる要因は色々とありますが、中でも心理的ストレッサーが血糖値を上げることは、度々経験しました。例えば仕事の会議などで白熱するとびっくりするくらい血糖値が上がります。90→140くらいの変化があります。私がスーパー糖質制限の食事をしたのと同じくらいの変動です。しかもかなり急激に変化するので健康には悪そうです。リブレをつけていなければこんなに変動しているとは気づかなかったと思います。きっと血圧も上がっているんでしょうね。
2022/10/26(Wed) 07:57 | URL | 西村 典彦 | 【編集】
4大ストレス
分かりやすくて参考になります。
ありがとうございます。
運動すると
酸素を多く体に取り込み、
結果的に活性酸素が増え、
酸化ストレスが増大すると思います。
酸素が化学的ストレスであれば
運動も同じ位置づけではないでしょうか?
分かりやすくて参考になります。
ありがとうございます。
運動すると
酸素を多く体に取り込み、
結果的に活性酸素が増え、
酸化ストレスが増大すると思います。
酸素が化学的ストレスであれば
運動も同じ位置づけではないでしょうか?
shunsuke さん
「運動すると
酸素を多く体に取り込み、
結果的に活性酸素が増え、
酸化ストレスが増大すると思います。
酸素が化学的ストレスであれば
運動も同じ位置づけではないでしょうか?」
そういう側面もあると思います。
それ以外にも、運動時には交感神経が亢進し、
副腎髄質への刺激によってホルモン(アドレナリンとノルアドレナリン)が分泌され
心拍数が増大し血糖値が上がると思います。
「運動すると
酸素を多く体に取り込み、
結果的に活性酸素が増え、
酸化ストレスが増大すると思います。
酸素が化学的ストレスであれば
運動も同じ位置づけではないでしょうか?」
そういう側面もあると思います。
それ以外にも、運動時には交感神経が亢進し、
副腎髄質への刺激によってホルモン(アドレナリンとノルアドレナリン)が分泌され
心拍数が増大し血糖値が上がると思います。
2022/10/26(Wed) 13:29 | URL | ドクター江部 | 【編集】
西村 典彦 さん
コメントありがとうございます。
「心理的ストレッサーが血糖値を上げることは、度々経験しました。例えば仕事の会議などで白熱するとびっくりするくらい血糖値が上がります。90→140くらいの変化があります」
なるほど参考になります。
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
「心理的ストレッサーが血糖値を上げることは、度々経験しました。例えば仕事の会議などで白熱するとびっくりするくらい血糖値が上がります。90→140くらいの変化があります」
なるほど参考になります。
ありがとうございます。
2022/10/26(Wed) 16:23 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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