2021年12月28日 (火)
【21/12/26 江本
糖質制限と心臓について
江部先生いつも楽しく有益なブログ見させて頂いています。
コメン失礼致します。
もし宜しければ下記の「糖質制限による遊離脂肪酸と心臓の関係」について江部先生のご意見をお聞かせ頂けましたら幸いです。
「極端な糖質制限を行うと、エネルギー代謝は遊離脂肪酸のみとなり、常に血液中には過剰な遊離脂肪酸が存在することになります。
心臓は遊離脂肪酸にて心筋の興奮性が亢進し、不整脈を誘発する。場合によっては心室細動による心臓突然死の原因となります。
心臓突然死の発症は、疫学的には午前中に多く、マラソン時に多いのが知られています。空腹時、マラソン時のエネルギー代謝は遊離脂肪酸であり、交感神経緊張状態の時に発症する共通点があります。」
http://www.kawamura-cvc.jp/contents/onepoint/point56.html
またこれ以外にも下記の様な糖質制限により心臓病のリスクが上がるという情報がいくつもありまして心配になってしまいました。
https://twitter.com/ToshiyukiHorie/status/1439822185783181319
現在私も糖質制限を5年間行っていまして、最近、頻繁に不整脈が起こることがありましてコメントさせて頂きました。
何卒よろしくお願い致します。】
こんにちは。
糖質制限食と心臓について、江本さんから、コメントと質問を頂きました。
「極端な糖質制限を行うと、エネルギー代謝は遊離脂肪酸のみとなり、
常に血液中には過剰な遊離脂肪酸が存在することになります。
心臓は遊離脂肪酸にて心筋の興奮性が亢進し、
不整脈を誘発する。場合によっては心室細動による心臓突然死の原因となります。
心臓突然死の発症は、疫学的には午前中に多く、マラソン時に多いのが知られています。空腹時、マラソン時のエネルギー代謝は遊離脂肪酸であり、交感神経緊張状態の時に発症する共通点があります。」
この主張ですが、
「極端な糖質制限を行うと、エネルギー代謝は遊離脂肪酸のみとなり、・・・」
この前提自体が、すでに間違っています。
厳格な糖質制限食でも、断食中でも、糖新生によりブドウ糖が作られ血糖値を保ちます。
すなわち、厳格な糖質制限実践者においては
<ケトン体、脂肪酸、ブドウ糖>の三者がエネルギー源となります。
ちなみに、
「ハーパー・生化学」(原著27版)の訳本、
155ぺージ・図16-9の説明に、
「心臓のような肝外組織では代謝エネルギー源は次の順に好まれて酸化される。
(1)ケトン体.(2)脂肪酸.(3)グルコース」
との記載があります。
心筋が最も好むエネルギー源は、実はケトン体なのです。
157ページ左側27行には、
「遊離脂肪酸は肝臓、心臓、骨格筋において好まれて利用される代謝エネルギー源であ り、グル コースの消費を節約することができる。」
とあり、
157ページ、左側38行には、
「ケトン体は、骨格筋と心筋の主要な代謝エネルギー源であり、脳のエネルギーの必要 性を部分 的に満たす。」
とあります。
また、米国糖尿病学会は、
2019年4月のコンセンサス・レポートで、
糖質制限食が最もエビデンスが豊富と明言しました。
その後、2020年、2021年のガイドラインでも、同様の見解です。
糖質制限食は厳格なものも緩やかなものも、共に容認しています。
つまり糖質制限食の有効性と安全性は、米国糖尿病学会の保証付きということです。
なお、現米国糖尿病学会CEOのトレーシー・ブラウンは、
自らスーパー糖質制限食を実践中とのことです。
それにより、インスリン注射から離脱に成功しています。
ただ、頻繁に不整脈が起こるということなら、
循環器的精査をしたほうが良いです。
心電図、ホルター心電図、心エコーなどです。
江部康二
糖質制限と心臓について
江部先生いつも楽しく有益なブログ見させて頂いています。
コメン失礼致します。
もし宜しければ下記の「糖質制限による遊離脂肪酸と心臓の関係」について江部先生のご意見をお聞かせ頂けましたら幸いです。
「極端な糖質制限を行うと、エネルギー代謝は遊離脂肪酸のみとなり、常に血液中には過剰な遊離脂肪酸が存在することになります。
心臓は遊離脂肪酸にて心筋の興奮性が亢進し、不整脈を誘発する。場合によっては心室細動による心臓突然死の原因となります。
心臓突然死の発症は、疫学的には午前中に多く、マラソン時に多いのが知られています。空腹時、マラソン時のエネルギー代謝は遊離脂肪酸であり、交感神経緊張状態の時に発症する共通点があります。」
http://www.kawamura-cvc.jp/contents/onepoint/point56.html
またこれ以外にも下記の様な糖質制限により心臓病のリスクが上がるという情報がいくつもありまして心配になってしまいました。
https://twitter.com/ToshiyukiHorie/status/1439822185783181319
現在私も糖質制限を5年間行っていまして、最近、頻繁に不整脈が起こることがありましてコメントさせて頂きました。
何卒よろしくお願い致します。】
こんにちは。
糖質制限食と心臓について、江本さんから、コメントと質問を頂きました。
「極端な糖質制限を行うと、エネルギー代謝は遊離脂肪酸のみとなり、
常に血液中には過剰な遊離脂肪酸が存在することになります。
心臓は遊離脂肪酸にて心筋の興奮性が亢進し、
不整脈を誘発する。場合によっては心室細動による心臓突然死の原因となります。
心臓突然死の発症は、疫学的には午前中に多く、マラソン時に多いのが知られています。空腹時、マラソン時のエネルギー代謝は遊離脂肪酸であり、交感神経緊張状態の時に発症する共通点があります。」
この主張ですが、
「極端な糖質制限を行うと、エネルギー代謝は遊離脂肪酸のみとなり、・・・」
この前提自体が、すでに間違っています。
厳格な糖質制限食でも、断食中でも、糖新生によりブドウ糖が作られ血糖値を保ちます。
すなわち、厳格な糖質制限実践者においては
<ケトン体、脂肪酸、ブドウ糖>の三者がエネルギー源となります。
ちなみに、
「ハーパー・生化学」(原著27版)の訳本、
155ぺージ・図16-9の説明に、
「心臓のような肝外組織では代謝エネルギー源は次の順に好まれて酸化される。
(1)ケトン体.(2)脂肪酸.(3)グルコース」
との記載があります。
心筋が最も好むエネルギー源は、実はケトン体なのです。
157ページ左側27行には、
「遊離脂肪酸は肝臓、心臓、骨格筋において好まれて利用される代謝エネルギー源であ り、グル コースの消費を節約することができる。」
とあり、
157ページ、左側38行には、
「ケトン体は、骨格筋と心筋の主要な代謝エネルギー源であり、脳のエネルギーの必要 性を部分 的に満たす。」
とあります。
また、米国糖尿病学会は、
2019年4月のコンセンサス・レポートで、
糖質制限食が最もエビデンスが豊富と明言しました。
その後、2020年、2021年のガイドラインでも、同様の見解です。
糖質制限食は厳格なものも緩やかなものも、共に容認しています。
つまり糖質制限食の有効性と安全性は、米国糖尿病学会の保証付きということです。
なお、現米国糖尿病学会CEOのトレーシー・ブラウンは、
自らスーパー糖質制限食を実践中とのことです。
それにより、インスリン注射から離脱に成功しています。
ただ、頻繁に不整脈が起こるということなら、
循環器的精査をしたほうが良いです。
心電図、ホルター心電図、心エコーなどです。
江部康二
先生、そしてセイゲニストの皆様、今年もお世話になりました。
少し早いですが、佳いお年をお迎えください。
さて、ヤフーニュースで軽くピックアップされてました。
現代人は食べ過ぎだと。
↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ee5820d9b2bed29e3d00bfefff3a34134060cca
↑
来年はコロナ脳の圧力が強まるかもしれませんが、私もナカムラクリニックの先生のごとく、地面に引き倒されてワクチン接種させられるまでは、現状維持と緩い糖質制限を行っていきたいものです。
これからもよろしくお願いいたします。
少し早いですが、佳いお年をお迎えください。
さて、ヤフーニュースで軽くピックアップされてました。
現代人は食べ過ぎだと。
↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ee5820d9b2bed29e3d00bfefff3a34134060cca
↑
来年はコロナ脳の圧力が強まるかもしれませんが、私もナカムラクリニックの先生のごとく、地面に引き倒されてワクチン接種させられるまでは、現状維持と緩い糖質制限を行っていきたいものです。
これからもよろしくお願いいたします。
2021/12/29(Wed) 08:13 | URL | 猫 | 【編集】
猫 さん
情報をありがとうございます。
猫さんも、よいお年をお迎えください。
情報をありがとうございます。
猫さんも、よいお年をお迎えください。
2021/12/30(Thu) 09:42 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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