2021年12月10日 (金)
こんばんは。
産経新聞のWEBサイトに2021年12月5日、
https://www.sankei.com/article/20211205-5Y6S46FYEVP5TDKYYDPN3SWZCU/
経済インサイド
コロナもきっかけ
米国で温水洗浄便座販売が急増
という記事が掲載されました。
以下の青字の記載はその要約です。
【日本が誇る技術である温水洗浄便座の海外販売が急伸している。
文化の違いなどから長年反応が鈍かった米国でも上昇が顕著で、
企業によっては今年1~6月の北米での販売台数が2019年同期比で
3倍近くに達した。
理由は衛生面で優れていることや、
トイレットペーパーの使用量を抑えられる環境優位性が見直されたこと。
新型コロナウイルスによる紙不足が認知拡大のきっかけとなり、
業界では海外での普及に向けた手応えを感じている。
「ようやく海外普及に向けて軌道に乗った。
これからは拡大のスピードが全然違うだろう」
温水洗浄便座「ウォシュレット」の商標で知られる業界トップTOTOの田村信也常務は11月下旬、
産経新聞の取材に今後の海外販路拡大に自信を見せた。】
日本初の温水洗浄便座は
1967年10月に伊奈製陶(後のINAX、現LIXIL)が温水洗浄便座付きの便器として発売した「サニタリーナ61」です。
ウォシュレットの発売は1980年6月ですから、
随分前から、サニタリーナがあったわけです。
TOTOは1967年にアメリカンビデ社より特許を取得し、「ウォッシュエアシート」の国産化に踏み切ります。
しかし、初代ウォシュレットの発売まで、完成された商品は少なく、広告展開も難しいとされていたので、
なかなか普及には至りませんでした。
なぜなら、温水洗浄便座はお湯の温度を安定させることや水の角度が難しいなど、かなりの技術が必要だったのです。
やっと完成した「ウォシュレット」ですが、なかなか売れませんでした。
有名なCM「おしりだって洗って欲しい」の放映が1982年です。
このCMをきかっけに徐々に売れ始めて行き、
その後は右肩上がりで売れ行き上昇です。
今や2人以上世帯への普及率は80%を超えています。
内閣府が2018年3月にまとめた消費動向調査によると、
2人以上世帯の家庭の温水洗浄便座普及率は80.2%です。
日本では、もはやあって当たり前の ウォシュレットですが
海外ではなかなか売れませんでした。
日本の水は「軟水」ですが、海外では「硬水」の地域が非常に多く、
この水質の違いが海外でのウォシュレット普及の妨げになっていたと思われます。
ヨーロッパでは水道水が石灰分を含んだ、飲料にも適さない硬水であり、
これをウォシュレットに使用すると、含まれている石灰分が内部で凝固し、
ポンプが故障したりノズルが詰まる可能性があります。
あとトイレと浴室が別々なのが一般的な日本では、トイレにコンセントがあるのは当たり前です。
しかし、ユニットバスが普及している海外では、トイレの傍にコンセントを設置するという発想自体がないようです。
西欧のトイレはユニットバスが基本なので「水回りに電源を確保する」という難しさもあるようです。
こういった、海外での普及の困難さが
コロナ禍で、一掃されたと言えます。
衛生面での清潔さに紙の節約などのメリットがあり、
一気に普及が広まったと考えられます。
温水洗浄便座メーカーの
企業努力で、硬水への対応も
可能となったと思われます。
このまま海外でも、温水洗浄便座が普及していき
海外の方々にも快適な生活を送って欲しいものです。
江部康二
産経新聞のWEBサイトに2021年12月5日、
https://www.sankei.com/article/20211205-5Y6S46FYEVP5TDKYYDPN3SWZCU/
経済インサイド
コロナもきっかけ
米国で温水洗浄便座販売が急増
という記事が掲載されました。
以下の青字の記載はその要約です。
【日本が誇る技術である温水洗浄便座の海外販売が急伸している。
文化の違いなどから長年反応が鈍かった米国でも上昇が顕著で、
企業によっては今年1~6月の北米での販売台数が2019年同期比で
3倍近くに達した。
理由は衛生面で優れていることや、
トイレットペーパーの使用量を抑えられる環境優位性が見直されたこと。
新型コロナウイルスによる紙不足が認知拡大のきっかけとなり、
業界では海外での普及に向けた手応えを感じている。
「ようやく海外普及に向けて軌道に乗った。
これからは拡大のスピードが全然違うだろう」
温水洗浄便座「ウォシュレット」の商標で知られる業界トップTOTOの田村信也常務は11月下旬、
産経新聞の取材に今後の海外販路拡大に自信を見せた。】
日本初の温水洗浄便座は
1967年10月に伊奈製陶(後のINAX、現LIXIL)が温水洗浄便座付きの便器として発売した「サニタリーナ61」です。
ウォシュレットの発売は1980年6月ですから、
随分前から、サニタリーナがあったわけです。
TOTOは1967年にアメリカンビデ社より特許を取得し、「ウォッシュエアシート」の国産化に踏み切ります。
しかし、初代ウォシュレットの発売まで、完成された商品は少なく、広告展開も難しいとされていたので、
なかなか普及には至りませんでした。
なぜなら、温水洗浄便座はお湯の温度を安定させることや水の角度が難しいなど、かなりの技術が必要だったのです。
やっと完成した「ウォシュレット」ですが、なかなか売れませんでした。
有名なCM「おしりだって洗って欲しい」の放映が1982年です。
このCMをきかっけに徐々に売れ始めて行き、
その後は右肩上がりで売れ行き上昇です。
今や2人以上世帯への普及率は80%を超えています。
内閣府が2018年3月にまとめた消費動向調査によると、
2人以上世帯の家庭の温水洗浄便座普及率は80.2%です。
日本では、もはやあって当たり前の ウォシュレットですが
海外ではなかなか売れませんでした。
日本の水は「軟水」ですが、海外では「硬水」の地域が非常に多く、
この水質の違いが海外でのウォシュレット普及の妨げになっていたと思われます。
ヨーロッパでは水道水が石灰分を含んだ、飲料にも適さない硬水であり、
これをウォシュレットに使用すると、含まれている石灰分が内部で凝固し、
ポンプが故障したりノズルが詰まる可能性があります。
あとトイレと浴室が別々なのが一般的な日本では、トイレにコンセントがあるのは当たり前です。
しかし、ユニットバスが普及している海外では、トイレの傍にコンセントを設置するという発想自体がないようです。
西欧のトイレはユニットバスが基本なので「水回りに電源を確保する」という難しさもあるようです。
こういった、海外での普及の困難さが
コロナ禍で、一掃されたと言えます。
衛生面での清潔さに紙の節約などのメリットがあり、
一気に普及が広まったと考えられます。
温水洗浄便座メーカーの
企業努力で、硬水への対応も
可能となったと思われます。
このまま海外でも、温水洗浄便座が普及していき
海外の方々にも快適な生活を送って欲しいものです。
江部康二
コロナ禍になってからは、ウォシュレットの飛沫が怖くて外では使わなくなった。紙で拭いてる。
自宅でトイレ掃除の時にウォシュレットのノズルの汚れを確認する。汚れてる。
定期的清掃が入るトイレだとしても直前の人が感染していたらアウト。
自宅でトイレ掃除の時にウォシュレットのノズルの汚れを確認する。汚れてる。
定期的清掃が入るトイレだとしても直前の人が感染していたらアウト。
2021/12/10(Fri) 21:08 | URL | | 【編集】
腸管の中に、多くの新型コロナウイルスがいます。
そのため、公共施設などで、ウォシュレッを使用した場合、
ご指摘通り、ノズルや便器に新型コロナウイルスが付着している可能性がありまえます。
新型コロナウイルスの感染経路は、主として、
鼻粘膜、口腔粘膜、目の粘膜から、空気感染します。
ただ、ウイルスが付いたものに触った後、手を洗わずに、
目や鼻、口を触ることにより感染することもあります。
公共トイレを使用したあとは、手洗いと消毒が肝要です。
そのため、公共施設などで、ウォシュレッを使用した場合、
ご指摘通り、ノズルや便器に新型コロナウイルスが付着している可能性がありまえます。
新型コロナウイルスの感染経路は、主として、
鼻粘膜、口腔粘膜、目の粘膜から、空気感染します。
ただ、ウイルスが付いたものに触った後、手を洗わずに、
目や鼻、口を触ることにより感染することもあります。
公共トイレを使用したあとは、手洗いと消毒が肝要です。
2021/12/11(Sat) 07:55 | URL | ドクター江部 | 【編集】
| ホーム |