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NHKスペシャル  「新型コロナウイルス ビッグデータで闘う」 視聴
NHKスペシャル
 「新型コロナウイルス ビッグデータで闘う

Nスペ 社会
新型コロナウイルスをめぐり、
未知なる脅威と向き合いながら新たな生活を模索するステージに入りつつある。
番組はビッグデータを活用してウイルスに打ち勝つ新戦略を探す。
膨大な科学論文データをAIで解析、
専門家の協力も得て有益な情報を導き出すプロジェクトが始動。
さらにスマホなどのデータを使い感染拡大を防ぐ最前線にも密着した。
どのようにビッグデータを生かし不安と闘っていくのか。
山中伸弥さんと共に考えていく。

出演
山中伸弥
キャスター
高瀬耕造 、鎌倉千秋
2020年5月17日放送
(C)NHK


こんばんは。
NHKスペシャル
 「新型コロナウイルス ビッグデータで闘う」
70分間、視聴しました。
結構長かったけれど、役に立ちました。
以下、私なりに、まとめてみました。
ブログ読者の皆さんの参考になれば幸いです。


<タイムライン>
コロナウイルスの潜伏期間は1~14日で平均5.8日。
症状開始1日 発熱、空咳 だるさ
5日目、症状悪化。
15日で回復する方向か、悪化する方向かに分かれる。
80%は軽症、20%は重症でそのうち5%が集中治療室。

<侵入経路~広がり、重症化>

新型コロナの侵入経路はACE2受容体である。
ACE2受容体:肺の表面にあるタンパク質で、全身の血管壁にもある。
血管の障害⇒血管炎症⇒血症板機能亢進⇒血栓⇒全身症状

生活習慣病のメカニズムと同一である。
冠動脈疾患、糖尿病・・・慢性炎症がある。
慢性的な血管の炎症がベースにあるので、
こうした持病があると新型コロナ感染で、血管炎症が増大しやすい。

炎症性サイトカイン異常増加しサイトカインストーム⇒血管を攻撃⇒血管炎症拡大
ボヤ⇒火が燃えて火事⇒全身の炎症、大火事
高血圧、心血管疾患、糖尿病など血管の慢性炎症があると⇒コロナ感染の重症化
肥満があると、脂肪細胞に炎症があるのでコロナ感染で悪化・重症化しやすい。

<アクテムラ>
炎症を鎮める薬のアクテムラ投与で、1~2日で呼吸困難が改善し、
1週間で酸素なしになったケースもある。
しかし薬の効果検定に時間がかかる。
レムデシビルの効果を検定していく。

<山中教授>
子供の川崎病が欧米で増加しているが、新型コロナの影響は?
日本では、川崎病増えてない。
山中教授
①子供はかかりやすい、かかりにくい?
②子供からの感染力は?
③子供の重症化は?
この3点が気になる。


<BCG>
BCG・・・・・・ファクターX・・・日本人のコロナ死者が極端に少ない。
新型コロナに有効な何らかのファクターXの一つが、BCGかもしれない
BCGは免疫力を強化する。
結核以外の微生物に対しても免疫力強化する。
イスラエルの研究では、BCGで、新型コロナ感染率には差はないが、
重症化を防ぐか否かは今後の検討が必要。
本では、生後1歳未満に全員がBCG日本株を打っている。

<ワクチン開発>
ワクチン開発・・・ウィルス変異が壁
武漢・・・変異・・・5000種以上に変異した。
ニューヨークはヨーロッパから枝分かれしたウィルス。
西海岸はアジアタイプのウィルス。
日本では、アジアタイプうぃるすが主である。

長期的には、感染動物とウィルスは共存する方向になっていくはずです。
インフル研究者・・・ワクチンは出てくる。
2021年の冬に、コロナワクチンは間に合うかというくらいのタイムスパンであり、
そう簡単にはできない。。

<情報の変化>
新型であり、複雑であり、不明なことが多く、
肺、心臓、腎臓、肝臓、血管、全身に影響が及ぶ感染症である。。
山中教授「2月のコロナ情報と5月のコロナ情報が、全く異なってきている。」

<スマートフォンからのビックデータ>
密集度合いがわかる。
滋賀県のビッグデータ駆使の対応。
ヤフー検索から情報を、
検索ワード ボート、釣り、琵琶湖、外出
密集は、まだ部分的にある。
大津京は去年より密集度が上昇・・・10代以下の若者が商業施設に多い。
LINE・・・学生の手洗い頻度少なく、発熱者の割合いが多い。
GWには滋賀県の商業施設の密集度は減ったが、琵琶湖周辺に人の流れが向かった。

韓国
韓国・・・プライバシーに踏み込んで、24時間スマホを監視。
感染者もビッグデータで監視し追跡。
感染経路不明が5%以下に抑えることに成功。
  ⇒しかし規制緩和で、最新情報ではクラブでクラスター発生(5/11報道)。

シンガポール
保健相のアプリ、トレース・トウギャザー提供
接触記録をつける。国が管理。
懸念もある。監視懸念で普及率は2割にとどまっている。

日本
日本でも、接触情報管理のアプリ作成を検討している。
プライバシーの保護をできるアプリ。
透明性高い設計思想が必要。
匿名性を高めたアプリ。
接触記録は本人のスマホにのみ、とどめる。
陽性者のプライバシーも守られる。
接触者該当だけがわかる。
データ活用とプライバシー保護は必ずしも矛盾しない

スティグマ(☆)
スティグマの拡散・・・偏見、差別
SNSのビッグデータを解析・・・感情を分析
怒りの感情は広がりやすい。
感染者攻撃の書き込みは広がりやすい。
2020年3月、京都産業大学・・6日間で12万件の書き込み
攻撃とそれを諫める書き込みが半々くらい。

攻撃ツイートに賛成してしまう普通の人。
怒りの拡散は本能によるもので、脳の扁桃体が関与。
怒りや恐怖の感情に扁桃体が反応。
非常事態に対応なので、冷静になれない。

社会的スティグマ・・・差別・偏見、烙印を押す。
いじめも心配。

<災害時の心理学>
感染者と非感染者の間の断絶。
恐怖や不安に陥っているので排除の論理となる。
客観的事実をキッチリ把握して、不安・恐怖を防ぐ。
コロナウィルスの正体不明性が、不安と恐怖につながる。

『まずは情報を疑う』
『深呼吸をする』

<ニュージーランドは、成功している。>
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(39歳)は優れもの。
今回のコロナ危機では死者のいない段階でロックダウンを敢行し、
迅速で的確な対応と、毎日のわかりやすい情報発信で、
国民とコミュニケーションをとり、支持率抜群。
感染の抑え込みに成功、全世界から注目を集めている。

<さいごに>
山中教授『今回のピンチをチャンスに、専門家と市民のつなぎ役になります。』


(☆)
社会的スティグマとは、一般と異なるとされる事から
差別や偏見の対象として使われる属性、及びにそれに伴う負のイメージの事を指す。
社会的スティグマは特定の文化、人種、ジェンダー、知能、健康、障害、社会階級、
また生活様式などと関連する事が多い。


江部康二
コメント
ファクターXの正体は?
東大先端研の児玉龍彦名誉教授が、「日本人を含め東アジア沿岸部は、SARS以降に今回のウイルスに根幹の似たウイルスに暴露し免疫を持っている人が多いのかもしれない」という仮説を出されています。同教授が東京都内のコロナウイルスの感染状況を調べるために実施された抗体検査から、抗体反応のIgM値、IgG値、HBc抗体、HBs抗体などの現れ方が通常とは異なることから考察を深められたようです。日本を含め,東アジア諸国(中国大陸中央部でなく沿岸部)で死者数が少ないことはこれで説明ができるのではないかと感じます。これこそが山中先生がおっしゃる”ファクターX”ではないのでしょうか。児玉教授は「新型コロナウイルス抗体検査機利用者協議会」というプロジェクトに取組まれているそうで、今後の解明に大いに期待したいものです。
2020/05/20(Wed) 20:53 | URL | yasufumi | 【編集
Re: ファクターXの正体は?
yasufumi さん

情報をありがとうございます。
仮説ですが、今後の展開が注目されます。
2020/05/22(Fri) 15:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
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