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母乳と乳糖(ブドウ糖+ガラクトース)。糖質、脂質、タンパク質。
こんにちは。
今回は、母乳について考えてみました。

日本食品標準成分表2015(七訂)によれば、

人乳は100gで、65kcal、
炭水化物が7.2g、利用可能炭水化物(単糖当量)6.7g、
脂質が3.5g、タンパク質が1.1gくらいです。
糖質が総カロリーの44.9% 、
脂質が総カロリーの48.46%、
タンパク質は総カロリーの6.77%


です。

すなわち、糖質もそこそこ含まれていますが、かなりの高脂質食でもあります。
宗田先生のご研究(☆)により
新生児のケトン体値は、平均240.4μmol/L(312例、生後4日)であり、
成人基準値(85 μmol/L以下)の3倍~数倍レベルです。
この研究は英文論文で発表されています。
新生児のケトン体はこのように高値であり、
エネルギー源として、しっかり利用されています。
 
母乳が高脂質食なので、母乳育児中の乳児の血中ケトン体値は、
成人基準値よりはかなり高値となります。

一方、糖質も、日本糖尿病学会推奨の50~60%には及ばないものの、
44.9%と、そこそこの含有量です。
乳児の肝臓の糖新生機能はまだ未熟なので、
母乳から一日何回も糖質を補充して、
特に赤血球などのために血糖値を確保する必要があるのでしょう。

ヒトが吸収できる単糖には、ブドウ糖、果糖、ガラクトースがあります。
人乳あるいは哺乳類のお乳に、乳糖が含まれていることの意味は何か考えてみました。
乳糖は「ガラクトース+ブドウ糖」で構成されています。

エネルギー補給だけならブドウ糖だけでもいいようなものなのに、
ガラクトースが必要なのには、理由があるようです。
乳糖が母乳の糖質の 80% 以上で、全エネルギーの 約38%を占めます。
乳糖以外には微量のグルコース、ガラクトース、種々のオリゴ糖などを含有しています。
母乳は乳腺で血液からつくられます。

次に糖鎖について考えてみます。
「糖鎖」とはグルコースやガラクトースなどの糖が
共有結合で連結し鎖状になった分子です 。
糖鎖は、糖転移酵素の反応により多くのタンパク質や脂質に結合し、
それらの分子を正しく働 かせるために必要です。
それらの中で、ガラクトース糖鎖は自然免疫のブレーキ的な役割を果たすということがわかってきました。(☆☆)

免疫には、ほとんどの生物が持っている「自然免疫」というシステムと、
脊椎動物だけがもっている「獲得免疫」というシステムがあります。
細菌やウィルスなどの病原体が体内に侵入したときは、
まず自然免疫が活性化し、速やかにそれらを排除しようとします。

 自然免疫とは、受容体を介して、侵入してきた病原体などを感知し、
それを排除する仕組みであり、生体防御の最前線に位置しています。
ここで活躍している免疫担当細胞は、
主に好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞です。

 その後、自然免疫からの情報を得て、獲得免疫が活性化します。
獲得免疫とは、感染した病原体を特異的に見分け、それを記憶することで、
同じ病原体に出会った時に効果的に病原体を排除できる仕組みです。
獲得免疫で活躍している免疫担当細胞は、主にT細胞やB細胞といったリンパ球です。

自然免疫は最前線で活躍してくれていますが、
自然免疫も暴走したら、かえって身体に悪影響がでるので、
ガラクトース糖鎖が制御している
ものと思われます。

なお、ガラクトースは、急速に発達する乳児の中枢神経系の完成に
重要な役割を果た
すとされています。


(☆)
Glycative Stress Research 2016; 3 (3): 133-140
Ketone body elevation in placenta, umbilical cord,
newborn and mother in normal delivery
Tetsuo Muneta 1), Eri Kawaguchi 1), Yasushi Nagai 2), Momoyo Matsumoto 2),
Koji Ebe 3),Hiroko Watanabe 4), Hiroshi Bando 5)

(☆☆)
ガラクトース糖鎖に関しては
立教大学理学部、山本美樹PD、後藤聡教授等のご研究のプレスリリース
「免疫力は糖によって調節される!」
免疫反応の新しい ON/OFF の仕組みを解明
https://www.rikkyo.ac.jp/news/2015/04/16036.html
https://www.rikkyo.ac.jp/news/2015/04/qo9edr000000c13n-att/pic-news140417_002.pdf
を参考にしました。謝謝。



江部康二
コメント
本日記事を、理解把握できないのか??!!
都内河北 鈴木です。

私は、江部先生「糖質制限理論」で、
「生還、覚醒、再覚醒、」して、
更なる2度の「改善、」しています!!

本日記事は、「日本糖尿病学会」に、
殺されかけた私は、どの様に説明するのか、説明を聴いてみたです!!

【同様の説明でなければ、改善は皆無だからです!!】

 【無理でしょうが!!】

江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善、』している8年目に、
体調快調に成りながら生存しています!!
ありがとうございます。
敬具




2020/04/21(Tue) 19:14 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
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