2017年11月16日 (木)
こんばんは。
スーパー糖質制限食で、体重がすみやかに減少して、
標準体重になる人も数多くおられます。
一方、体重が30kg減少したけれど、90kgくらいでぴったり減り止まり、
スーパー糖質制限食をきっちり継続しているのに
BMIは30以上のままという人も時々おられます。
この体重が減り止まるという現象に関して、
以前福助さんから、興味深い仮説をコメント頂きました。
以下の①②③です。
①大きくなった脂肪細胞は、
スーパー糖質制限食ですみやかに標準の大きさまで小さくなる。
②標準の大きさの脂肪細胞になれば、それ以上は小さくならない。
③脂肪細胞の数は、減少しない。
④成人でも、脂肪細胞が一定以上大きくなって限界に達すると分裂して
脂肪細胞の数が増える。分裂して増えた脂肪細胞がまた大きくなり体重が増える。
①の分までは体重は、すみやかに減少します。
しかし、②③により、そこで体重は減り止まります。
④に関しては、田頭秀悟先生から、論文をご教示頂きました。
今まで、子供のころは脂肪細胞の数が増えるけれど、
成人になると脂肪細胞の数は増えないというのが定説でしたが、
そうではなかったということです。
結論です。
A)脂肪細胞の数が、標準の数で、脂肪細胞の大きさが大きくなって体重が増えたタイプは
スーパー糖質制限食で、すみやかに、元の体重まで減少します。
B)一方、脂肪細胞の大きさと共に数まで増えたタイプは、スーパー糖質制限食で
大きさは小さくなってすみやかに体重も減少しますが、標準の大きさになった時点で
脂肪細胞の数は減少しないので、そこで減り止まります。
福助さん、田頭先生、ありがとうございました。 m(_ _)m
江部康二
スーパー糖質制限食で、体重がすみやかに減少して、
標準体重になる人も数多くおられます。
一方、体重が30kg減少したけれど、90kgくらいでぴったり減り止まり、
スーパー糖質制限食をきっちり継続しているのに
BMIは30以上のままという人も時々おられます。
この体重が減り止まるという現象に関して、
以前福助さんから、興味深い仮説をコメント頂きました。
以下の①②③です。
①大きくなった脂肪細胞は、
スーパー糖質制限食ですみやかに標準の大きさまで小さくなる。
②標準の大きさの脂肪細胞になれば、それ以上は小さくならない。
③脂肪細胞の数は、減少しない。
④成人でも、脂肪細胞が一定以上大きくなって限界に達すると分裂して
脂肪細胞の数が増える。分裂して増えた脂肪細胞がまた大きくなり体重が増える。
①の分までは体重は、すみやかに減少します。
しかし、②③により、そこで体重は減り止まります。
④に関しては、田頭秀悟先生から、論文をご教示頂きました。
今まで、子供のころは脂肪細胞の数が増えるけれど、
成人になると脂肪細胞の数は増えないというのが定説でしたが、
そうではなかったということです。
結論です。
A)脂肪細胞の数が、標準の数で、脂肪細胞の大きさが大きくなって体重が増えたタイプは
スーパー糖質制限食で、すみやかに、元の体重まで減少します。
B)一方、脂肪細胞の大きさと共に数まで増えたタイプは、スーパー糖質制限食で
大きさは小さくなってすみやかに体重も減少しますが、標準の大きさになった時点で
脂肪細胞の数は減少しないので、そこで減り止まります。
福助さん、田頭先生、ありがとうございました。 m(_ _)m
江部康二
私は境界型糖尿病です。食後高血糖なのでスーパー糖質制限をしています。血糖値は正常人を保てるようになりましたが、逆流性食道炎になってしまいました。主治医は高蛋白食は逆流性食道炎の原因の一つだと言い、タンパク質の分解には大変な量の消化酵素が必要になりますので、必然的に胃液の量が増えてしまうと言われました。
糖質制限で逆流性食道炎になってしまった方は糖質制限をやめない限り逆流性食道炎のままなのでしょうか。。。?
江部先生の食生活の炭水化物、タンパク質、脂質の割合を教えてください。
知りたい方はたくさんいると思います。
糖質制限で逆流性食道炎になってしまった方は糖質制限をやめない限り逆流性食道炎のままなのでしょうか。。。?
江部先生の食生活の炭水化物、タンパク質、脂質の割合を教えてください。
知りたい方はたくさんいると思います。
2017/11/16(Thu) 23:07 | URL | ななみ | 【編集】
江部先生、こんにちは。先生の糖質制限に出会ってから1年。我ながら完璧と言えるようなスーパー糖質宣言を美味しく楽しく実行している57歳のえりちゃんです。肝機能が悪くなり脂肪肝と言われたことと、食後1時間の血糖値が200を超えたことがスーパー糖質制限を始めたきっかけでした。そして1年。肝機能は改善され、歯周病や骨粗鬆症の進行は止まっているようです。嬉しいこともたくさんあったのですが、先日の健康診断の結果、糖質制限を始める前とHbA1cの数値が変わらなかったのです。始める前の平成28年11月は空腹時108、HbA1c5.6、ブドウ糖負荷検査で食後30分180、1時間後203、2時間後130でした。1年後の今は空腹時94、HbA1c5.6でした。ブドウ糖負荷検査は今年はしていません。負荷検査をするには糖質を何日間か食べないといけないと先生のブログで見た気がしたからです。肝機能は異常なしになっていました。中性脂肪が41、LDLが131、HDLが83.5という結果でした。身長は155.1、体重は45.4キロでこちらも1年前と全く変わっていませんが、何と体脂肪率が昨年の20から今年は23に増えているではありませんか。これが心配のないものならいいのですが、糖質制限を始めるとみなさん体重や体脂肪率が減っているように書いてあるし、私には糖質制限がどのようにプラスになっているのかな、と思って先生にお尋ねしようと思いメールをさしあげたところです。HbA1cが減らないのと体脂肪が増えたのと、何か理由があったら教えていただけると幸いです。お忙しいのによろしくお願いいたします。
江部先生
いつもお世話になっております。
脂肪細胞の増殖についてこちらの論文の事ですね。
http://jams.med.or.jp/symposium/full/124071.pdf
脂肪細胞は成人後も分裂する方には分裂するくせに、減る方には減らないという太ったものにとってはいけずな性質を持っていますね。
経験的に言われている「糖質制限をすれば二十歳の頃の体重に戻る」というのは、二十歳くらいで脂肪細胞が分裂が止まる人が多数派という事の傍証でしょうか。
ところが中には糖質への反応が高い人、言い換えればインスリン分泌能力が高い人がいて、そういう場合は二十歳を超えても脂肪細胞が増殖しうるということで、糖質制限をしても二十歳の頃に戻らないということなのかもしれません。
インスリンの細胞増殖、同化作用、がんのリスクとしての高インスリン血症などを考えればそれもさもありなんという感じです。
しかし太っている身としては何か他に方法はないのかと言いたくなる状況です。私なども何度断食をしても、断食を止めればあっという間に元の体重に戻ってしまうこの身体がにくいです。
けれど裏を返せばそれは栄養飢餓に対して強い抵抗力を持っている体質だということかもしれず、視点を変えれば悪い事ばかりではないのかもしれません。
唯一の希望は別の文献で「白色脂肪細胞の寿命が10年」だと示されていることです。
http://www.yakult.co.jp/healthist/215/img/pdf/p20_23.pdf
断固として数が減らない脂肪細胞も、流石に10年経てば寿命が来ます。ということは10年間糖質制限状態を維持すれば、それまでの人生でむやみに増やしてしまった脂肪細胞を一旦リセットできるという可能性はないでしょうか。
私が糖質制限を始めてもうすぐ6年です。かすかな期待を抱えつつ、今後も糖質制限を続けていきたいと思います。
いつもお世話になっております。
脂肪細胞の増殖についてこちらの論文の事ですね。
http://jams.med.or.jp/symposium/full/124071.pdf
脂肪細胞は成人後も分裂する方には分裂するくせに、減る方には減らないという太ったものにとってはいけずな性質を持っていますね。
経験的に言われている「糖質制限をすれば二十歳の頃の体重に戻る」というのは、二十歳くらいで脂肪細胞が分裂が止まる人が多数派という事の傍証でしょうか。
ところが中には糖質への反応が高い人、言い換えればインスリン分泌能力が高い人がいて、そういう場合は二十歳を超えても脂肪細胞が増殖しうるということで、糖質制限をしても二十歳の頃に戻らないということなのかもしれません。
インスリンの細胞増殖、同化作用、がんのリスクとしての高インスリン血症などを考えればそれもさもありなんという感じです。
しかし太っている身としては何か他に方法はないのかと言いたくなる状況です。私なども何度断食をしても、断食を止めればあっという間に元の体重に戻ってしまうこの身体がにくいです。
けれど裏を返せばそれは栄養飢餓に対して強い抵抗力を持っている体質だということかもしれず、視点を変えれば悪い事ばかりではないのかもしれません。
唯一の希望は別の文献で「白色脂肪細胞の寿命が10年」だと示されていることです。
http://www.yakult.co.jp/healthist/215/img/pdf/p20_23.pdf
断固として数が減らない脂肪細胞も、流石に10年経てば寿命が来ます。ということは10年間糖質制限状態を維持すれば、それまでの人生でむやみに増やしてしまった脂肪細胞を一旦リセットできるという可能性はないでしょうか。
私が糖質制限を始めてもうすぐ6年です。かすかな期待を抱えつつ、今後も糖質制限を続けていきたいと思います。
ななみ さん
通常、逆流性食道炎があったのが、スーパー糖質制限食で改善したというケースが多いです。
その場合、糖質を摂取すれば、胸焼けなどが再発します。
糖質制限で逆流性食道炎になるというケースは、まれです。
食後高血糖にならない範囲で、緩い糖質制限など、いろいろ試してみられては如何でしょう。
私も高雄病院の糖質制限給食を食べていますが、メニューの平均値は
脂質:56%
蛋白質:32%
糖質:12%
です。
あとは、1回の食事の糖質量を、10gていどに制限しています。
蛋白質の摂取量はかなり多いと思います。
<1800~2000kcal/日+アルk-ル>として、蛋白質140~150~160g/日です。
勿論、逆流性食道炎はありません。
過去に一度、エイヤ!と夕食にトンカツを普通に食べた夜中に「胸焼け」したことがあります。
衣の糖質のせいと思います。
通常、逆流性食道炎があったのが、スーパー糖質制限食で改善したというケースが多いです。
その場合、糖質を摂取すれば、胸焼けなどが再発します。
糖質制限で逆流性食道炎になるというケースは、まれです。
食後高血糖にならない範囲で、緩い糖質制限など、いろいろ試してみられては如何でしょう。
私も高雄病院の糖質制限給食を食べていますが、メニューの平均値は
脂質:56%
蛋白質:32%
糖質:12%
です。
あとは、1回の食事の糖質量を、10gていどに制限しています。
蛋白質の摂取量はかなり多いと思います。
<1800~2000kcal/日+アルk-ル>として、蛋白質140~150~160g/日です。
勿論、逆流性食道炎はありません。
過去に一度、エイヤ!と夕食にトンカツを普通に食べた夜中に「胸焼け」したことがあります。
衣の糖質のせいと思います。
2017/11/17(Fri) 08:14 | URL | ドクター江部 | 【編集】
先生、
糖質制限だけを考えるのではなく
タンパク質を1日50〜60gは摂りたいなぁと
そこも意識して考えるようになったのですが
タンパク質摂取はなかなか大変な量がいる事がだんだんわかってきました
オイコスとゆうギリシャヨーグルトの砂糖不使用味があって
一個食べるだけでタンパク質が10gも摂取できる商品です
これはなかなか高い商品ですよね
でも、炭水化物も10gほどあります
糖質は5gほどでした
これは糖質制限オッケー商品だと思うのですが
炭水化物の量は気にしなくていいのでしょうか?
炭水化物=米、パン
というイメージがあり
炭水化物=糖質を含むもの
という考えがありました
糖質制限するにあたって
炭水化物の量は全く気にすることはありませんか?
糖質だけを気をつけていればいいのでしょうか?
よろしくお願いします
糖質制限だけを考えるのではなく
タンパク質を1日50〜60gは摂りたいなぁと
そこも意識して考えるようになったのですが
タンパク質摂取はなかなか大変な量がいる事がだんだんわかってきました
オイコスとゆうギリシャヨーグルトの砂糖不使用味があって
一個食べるだけでタンパク質が10gも摂取できる商品です
これはなかなか高い商品ですよね
でも、炭水化物も10gほどあります
糖質は5gほどでした
これは糖質制限オッケー商品だと思うのですが
炭水化物の量は気にしなくていいのでしょうか?
炭水化物=米、パン
というイメージがあり
炭水化物=糖質を含むもの
という考えがありました
糖質制限するにあたって
炭水化物の量は全く気にすることはありませんか?
糖質だけを気をつけていればいいのでしょうか?
よろしくお願いします
2017/11/17(Fri) 17:56 | URL | マリマリ | 【編集】
えりちゃん 様
始める前の平成28年11月は
「空腹時108、HbA1c5.6、ブドウ糖負荷検査で食後30分180、1時間後203、2時間後130」
スーパー糖質制限食1年後
「中性脂肪が41、LDLが131、HDLが83.5、肝機能正常化、HbA1c5.6、空腹時94」
これは素晴らしいデータです。
HbA1cは、見かけ上は同じ値ですが、質はおおいに改善しています。
平成28年11月のHbA1cは食後高血糖と空腹時低血糖の乱高下の平均値で、一見正常でも質の悪いHbA1cです。
スーパー糖質制限食開始1年後のHbA1cは、血糖値の乱高下のない質の良いHbA1cで多いに違うのです。
体脂肪率はそんなに正確なものでではないと思いますので、気にしなくていいと思います。
57歳女性で、体脂肪率20%は痩せすぎなので今でいいと思います。
始める前の平成28年11月は
「空腹時108、HbA1c5.6、ブドウ糖負荷検査で食後30分180、1時間後203、2時間後130」
スーパー糖質制限食1年後
「中性脂肪が41、LDLが131、HDLが83.5、肝機能正常化、HbA1c5.6、空腹時94」
これは素晴らしいデータです。
HbA1cは、見かけ上は同じ値ですが、質はおおいに改善しています。
平成28年11月のHbA1cは食後高血糖と空腹時低血糖の乱高下の平均値で、一見正常でも質の悪いHbA1cです。
スーパー糖質制限食開始1年後のHbA1cは、血糖値の乱高下のない質の良いHbA1cで多いに違うのです。
体脂肪率はそんなに正確なものでではないと思いますので、気にしなくていいと思います。
57歳女性で、体脂肪率20%は痩せすぎなので今でいいと思います。
2017/11/17(Fri) 19:24 | URL | ドクター江部 | 【編集】
たがしゅう 先生
コメントをありがとうございます。
あと4年間、スーパー糖質制限食を続けられれば、
脂肪細胞の数がリセットされて減少して、体重減少となるかもしれないですね。
4年後のたがしゅう先生に期待です。
コメントをありがとうございます。
あと4年間、スーパー糖質制限食を続けられれば、
脂肪細胞の数がリセットされて減少して、体重減少となるかもしれないですね。
4年後のたがしゅう先生に期待です。
2017/11/17(Fri) 19:27 | URL | ドクター江部 | 【編集】
マリマリ さん
<炭水化物=糖質+食物繊維>
です。
食物繊維は腸内細菌が分解して短鎖脂肪酸を産生するので、0~2kcal/gのカロリーがあります。
しかし食物繊維は血糖値を上昇させません。
ともあれ糖質制限であって、食物繊維は摂取OKです。
肉類や魚貝類は糖質制限OK食材で、たんぱく質が豊富ですよ。
<炭水化物=糖質+食物繊維>
です。
食物繊維は腸内細菌が分解して短鎖脂肪酸を産生するので、0~2kcal/gのカロリーがあります。
しかし食物繊維は血糖値を上昇させません。
ともあれ糖質制限であって、食物繊維は摂取OKです。
肉類や魚貝類は糖質制限OK食材で、たんぱく質が豊富ですよ。
2017/11/17(Fri) 19:33 | URL | ドクター江部 | 【編集】
今日のブログの内容だと、脂肪細胞の数は減らないが、増え続ける…という事は、減量は限界があり、増量は無制限という事ですね。
という事は、外科的処置で脂肪細胞を除去し、その後糖質制限すれば、完璧な減量が可能になるんでしょうか?
という事は、外科的処置で脂肪細胞を除去し、その後糖質制限すれば、完璧な減量が可能になるんでしょうか?
2017/11/20(Mon) 16:18 | URL | 糖質セイゲニスト | 【編集】
糖質セイゲニスト さん
純粋理論的には仰る通りです。
しかし、成人しての肥満は、何とか脂肪細胞の数が分裂して増えないレベルに止めたいですね。
それなら、元の体重に戻ることができると思います。
純粋理論的には仰る通りです。
しかし、成人しての肥満は、何とか脂肪細胞の数が分裂して増えないレベルに止めたいですね。
それなら、元の体重に戻ることができると思います。
2017/11/20(Mon) 21:32 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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