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アルコールは糖質ではありません。糖アルコールは例外。
こんばんは。

うだるような暑さが続く京都です。
ブログ読者の皆さんも脱水には充分、気をつけて下さいね。

さて、リオオリンピック2016、連日、日本選手が大活躍です。

ロンドンオリンピックを遙かに上まわる快進撃で、実に痛快な映像に心躍る毎日です。

普段はあまりテレビは見ない私ですが、今度ばかりは毎日、焼酎の水割り片手にテレビにかじり付いています。

2016/8/14(日)0:00 から 
テニス男子シングルス、錦織選手とマレー選手の準決勝です。

この試合は絶対に観戦ですが、身の程をわきまえて寝不足とアルコールの飲み過ぎに気をつけます。(^^)

そのアルコールですが、ネットでは、アルコールも血糖を上げるという説もありますので考察してみます。

アルコールとは炭化水素の水素原子を水酸基で置換した形の化合物の総称です。

普通は、エチルアルコール(エタノール)を指します。

それ以外にも、メチルアルコール(メタノール) 、プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、
イソペンチルアルコールなどがあります。

ウィキペディアによれば、アルコール類は、生体内での主要代謝物の1つであり、生物体に多種多様なアルコール体が広く見いだされるそうです。(☆)

例えば中性脂肪は、多価アルコールのグリセリンと脂肪酸のエステルです。

このようにアルコール類は、脂肪や糖質の原料という面がありますね。

一般にいうアルコールは、もっぱら、お酒のエチルアルコールのことと思いますので、それに絞って考えて見ます。

まず、エチルアルコールが体重増加作用がないことは、確定しています。(☆☆)

従って、血糖上昇作用もないと考えられます。

五訂増補日本食品標準成分表によれば(☆☆☆)、炭水化物は基本として[水分、たんぱく質、脂質及び灰分]の合計を100から差し引いたものと定義しています。

さらに[硝酸イオン、アルコール分、酢酸、タンニン、カフェイン又はテオブロミン]を多く含む食品では、これらも差し引くとしています。

つまり、五訂増補日本食品標準成分表の定義に基づけば、アルコールは炭水化物(糖質+食物繊維)には含まれていません。

例えば、清酒100g中、エネルギー109kcal、水分82.4g、タンパク質4g、脂質ほとんどなし、炭水化物4,9g、食物繊維0gです。

備考欄にアルコール12.3gと記載してあります。

なお、多価アルコールの最初の酸化生成物が単糖(ブドウ糖、果糖など)です。

このようにアルコールは単糖の原料ですので、同様に血糖を上げるだろうと短絡しそうですが、違うのです。

また糖質とは、単糖あるいは単糖を構成成分とする有機化合物をいいます。

例外として糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトールなど)があります。
糖アルコールは、糖質でもありアルコールでもあります。
糖アルコールの中で、エリスリトールだけは、ほぼゼロカロリーで血糖値もあげません。
他の、キシリトール、ソルビトール、マルチトールなどは砂糖の半分くらい血糖値を上昇させますし、
2~3kcal/gくらいのカロリーがあります。


結論です。

お酒のアルコールは、五訂増補日本食品標準成分表の定義に基づけば、糖質には属さないし、血糖値も上昇させないし、エンプティーカロリーで体重も上昇させません。



(☆)ウィキペディア

アルコール類は、生体内での主要代謝物の1つであり、生物体に多種多様なアルコール体が広く見いだされる。

蝋はセタノールなど高級アルコールであり、脂肪(中性脂肪)は、多価アルコールのグリセリンと脂肪酸とのエステルである。

そして、糖類もアルコール体である。ケトースやアルドースのカルボニル基が還元されたエリトリトールやキシリトール、ソルビトールなどは、糖アルコールと呼ばれる。

(☆☆)糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版P81


(☆☆☆)五訂増補日本食品標準成分表

[一般成分の測定法 成分 測定法]

・水分
直接法もしくは乾燥助剤添加法の常圧又は減圧加熱乾燥法による減量法。

ただし、アルコール飲料は乾燥減量からアルコール分の重量を、食酢類は乾燥減量から酢酸の重量をそれぞれ差し引いた。

・たんぱく質
改良ケルダール法によって定量した窒素量に、「窒素-たんぱく質換算係数」を乗じて算出。

なお、茶類及びコーヒーはカフェインを、ココア類及びチョコレート類はカフェイン及びテオブロミンを別に定量し、これら由来の窒素を差し引いてから算出。

また、野菜類はサリチル酸添加改良ケルダール法で硝酸態窒素を含む全窒素量を定量し、別に定量した硝酸態窒素を差し引いてから算出。

・脂質
ジエチルエーテルによるソックスレー抽出法、クロロホルム-メタノール改良抽出法、レーゼ・ゴットリーブ法又は酸分解法。

・炭水化物
差し引き(水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(数)を100から差し引く)法。

硝酸イオン、アルコール分、酢酸、タンニン、カフェイン又はテオブロミンを多く含む食品では、これらも差し引いた。

・灰分
食品中の無機質の総量を反映している。
直接灰化法


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
最近の話題
ダイエット目標達成で衣料品2割引きも…糖質制限、百貨店が支援
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160813-OYTET50004/

めいてつ ローカーボ生活
http://www.e-meitetsu.com/mds/event/meitetsu_low-carbohydrate-life/

AERA 2016年7月25日号
糖質制限で筋肉が低下
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18256

Number Do
糖質と上手くつき合うための7つの新常識
http://number.bunshun.jp/articles/-/825902
2016/08/14(Sun) 16:23 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 最近の話題
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。

名鉄百貨店は、本格的に糖質制限食に取り組みですね。
糖質制限市場にどんどん企業が参加してきています。

AERA・・・たんぱく質を充分摂取するので糖質制限で筋肉が低下することはありません。
筋肉量が低下するのはカロリー制限のし過ぎでたんぱく質摂取が不足した場合です。
2016/08/14(Sun) 17:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限の効果は素晴らしいです。ただ最近食費がかかり困っています。食費がかからない食べ物てありますでしょうか?
2016/08/14(Sun) 17:38 | URL | とある大学生 | 【編集
Re: タイトルなし
とある大学生 さん

工夫次第ですね。
可能なら外食より内食が安いですね。

1)牛肉は高価なので、豚肉や鶏肉にする。
2)レバーも安価、卵も安価。
3)豆腐や厚揚げや油揚げも安価。
4)主婦の皆さんのように、スーパーの安売りコーナーの肉・魚・野菜などを目指す。
5)刺身などは、閉店前の半額セールを目指す。
6)インターネットで、糖質セイゲニストのレシピがたくさん公開されているので、値段が安いものを参考にする

いろいろあると思いますよ。



2016/08/14(Sun) 18:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
筋肉の維持、増量
前から疑問に思っていたのですが、江部先生はタンパク質を摂取するだけで筋肉を維持または、増量するとお考えなんでしょうか?
私は高雄病院式の糖質制限でタンパク質を十分に摂取しても筋肉が落ちることはあると思います。
「糖質制限は運動しなくても痩せる」という宣伝もされているので、尚更今までジム通いや運動を意識されていた人達が、糖質制限を行うにあたりそれをやめてしまったら筋肉量は減ると思われますが。
筋肉は負荷をかけることにより維持、増量すると思うんです。
タンパク質だけで筋肉が維持、増量できるなら宇宙飛行士の宇宙の無重力下での地球帰還にあたる筋力トレーニングに苦労しないと思われます。
日本の無期懲役囚が1日30分だけできる運動時間のトレーニングで、筋骨隆々になっていましたが、刑務所の食事では到底十分なタンパク質など摂取できないでしょう。
ネットで借りてきた無期懲役囚の画像です→http://livedoor.blogimg.jp/diet2channel/imgs/9/1/91771ff3.jpg

筋肉の維持、増量は負荷をかけることが一番なのではないでしょうか。
2016/08/15(Mon) 19:50 | URL | のび太 | 【編集
Re: 筋肉の維持、増量
のび太 さん

仰る通りと思います。
筋肉量を増やすには、負荷をかけるしかないと思います。
高雄病院式の糖質制限でタンパク質を十分に摂取しても運動ゼロでは、筋肉量は減ると思います。

私自身は、なかなかまとめて運動や筋トレする時間などはありませんので、日常生活では
エレベーターは使わないで階段にする、やや早歩き(中強度の活動)にする、家でできるときは腹筋とか・・・
1/1~2週は日曜日にテニスとかして、筋肉が減らないようにしてます。

東京都健康長寿医療センターの研究によれば、
8000歩/日くらいを確保してその内、20分くらいを中強度の活動にすれば
中年や高齢者の健康度が維持できて、生活習慣病の予防・改善ができるそうです。

2016/08/16(Tue) 10:10 | URL | ドクター江部 | 【編集
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