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よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法  刊行
おはようございます。

新刊のご案内です。





よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法
単行本(ソフトカバー) – 2016/2/23 PHP研究所
¥594-
江部 康二 (著)


2016年2月23日発売です。
コンビニエンスストアでは、2月26日頃から店頭に並びます。

コンビニで販売というのも、興味深い試みなので、楽しみです。

本書は糖質制限食の理論、活用法、外食術、小わざなどが幅広く解説してあり、読みやすく便利な構成となっていて、価格もお安いのでなかなかリーズナブルでお奨めです。



江部康二


☆☆☆

以下は

よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法
のはじめにです。

はじめに。

本書で紹介する糖質制限食は、高雄病院で1999年から日本で初めて開始した食事療法です。

わかりやすく言うとご飯・パン・麺などの穀物製品や芋類などの糖質が多い食品を食べないで、肉・魚貝・卵・豆腐・葉野菜・海藻・茸などをしっかり摂取する食事療法です。

糖質を制限したぶん、脂質とたんぱくや食物繊維は充分量食べます。
 
糖質制限食というと現代の普通の食事である高糖質食と比べると変わった食事という風に思えます。
しかし、実は糖質制限食こそが、人類本来の自然な食事であり、人類の健康食なのです。

海外の動向をみても、例えば米国糖尿病学会は、2013年の栄養勧告において、地中海食やベジタリアン食などどともに「糖質制限食」も正式に認めました。

歴史的に考えて見ると、人類がチンパンジーと分かれて誕生したのが約700万年前です。
農耕が始まるまでは人類の生業は狩猟・採集であり、全ての人類が糖質制限食でした。
約10000年前に農耕が始まり、主食が穀物へと変化し、現在まで続いています。
即ち人類が穀物を主食としたのは、長い歴史の中でわずか1/700の期間に過ぎません。

歴史的に進化の過程をみると「糖質制限食」と「穀物を主食とする高糖質食」、どちらが人類にとって自然な食事なのかはいうまでもありません。

農耕以前の人類にとって糖質は言わばラッキー食材でした。
すなわち時々手に入る果物やナッツ、そして山芋や百合根などの根茎類くらいが比較的糖質の多い食材でした。

運良く手に入った果物を食べて血糖値が上昇するとインスリンが分泌され筋肉に取り込まれますが、余った血糖は中性脂肪に変わり脂肪組織に蓄えられます。

このように、ラッキー食材から得た糖質は、消化吸収されたあとインスリンにより脂肪に変わり、来るべき飢餓に備える唯一のセーフティーネットとなっていたと考えられます。

インスリンは今でこそ肥満ホルモンというありがたくない別称をもっていますが、狩猟・採集時代はその脂肪を蓄える能力は、とても重要な意味をもっていたわけです。

本来、脂肪を蓄えるためのラッキー食材だったはずの糖質を、農耕開始後は日常的に毎日食べるようになりました。さらにこの200~300年間は精製された炭水化物を食べるようになりました。

現在先進国では、精製された炭水化物であるご飯やパンや麺、そして砂糖水のような清涼飲料水を日常的に大量に摂取しています。このことが肥満や糖尿病や様々な生活習慣病の元凶となっていると私は思います。

人類の身体の消化・吸収・栄養・代謝システムは、700万年間の糖質制限食の過程を経て、突然変異を繰り返して完成されたものであり、糖質制限食に適合しています。

すなわち総摂取カロリーの50~60%が糖質という現代の穀物ベースの食生活は、人体にとってはとんでもなくバランスの悪いものなのです。

糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食ですので、糖尿病や肥満をはじめとして様々な生活習慣病が改善していきます。
しかも糖質制限食は、糖質を抜くだけで脂質やタンパク質はOKなので「美味しく楽しく」続けられるのが特長です。

2002年以来、糖尿病克服のため糖質制限食を足かけ15年続けている私にとっても、とても嬉しい食事療法なのです。 

おかげさまで、66歳現在、糖尿病合併症は皆無で、歯は全部残っていて虫歯もなく、聴力低下もなく、身長も縮んでおらず、夜間尿もなく、目も眼鏡なしで、「広辞苑」も読めますし日常生活には全く不自由なしであり、まさに人類の健康食と思えます。

本書は糖質制限食の理論、活用法、外食術、小わざなどが幅広く解説してあり、読みやすく便利な構成となっていますので、是非ご一読いただけば幸いです。


2016年2月 江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法~読後感!
江部先生に、命を救っていただいて、はや5年になろうとしています。
その間、ご著書、ブログ、講演…と、学び、江部式・糖質制限を実践し、また、糖質セイゲニストin北九州の皆様と、月例会で学ぶこと、49回になります。
この本は、見出しで内容を予想し、自分の記憶と比較しながら、読み進めました。タイトルの通り、よくわかるように、丁寧に書かれており、初心者の皆さんにお勧めするのに、最適だと思いました。
2016/02/28(Sun) 14:38 | URL | 北九州 三島 | 【編集
糖質制限いいですね
はじめまして。私はまだ糖尿病と診断はされていませんが、1年半前、36歳身長167の体重125で会社の健康診断で、まだ血液検査の数字は悪くなってないけど、そろそろ何とかしないとやばいよってことで、カロリー制限ダイエットで半年で95kgまで落としましたが、空腹に耐えるのは不可能とあきらめ、見事にリバウンドして本年1月には115kgに復帰。

そのころ、江部先生の糖質制限を知り、人類の進化から考えて理屈も大変納得できまして早速はじめました。だいたい1食の糖質15-20g程度に抑えて、朝昼夜(残業メシを追加し4食とする日もあります)で合計カロリー2500kcal程度を目安にして約1ヶ月経ちましたが体重111kgになりましたのでまずまず順調のようです。

ダイエットを契機に始めたロードバイクで長距離を走るのが趣味になってるんですが、以前は20-40kmおきに羊羹でも食べないとバテて動けなくなっておりましたが、この冬もやっと春めいてきたのでサイクリングに出たところ、補給なし(緑茶は飲みます)で50kmは走れるようになっていまして、冬のあいだのサボりで身体もなまってるのに、これは骨格筋がいままで手っ取り早く血糖を消費していたのが糖質制限で脂肪酸ケトン体を使うシステムが稼動して、腹にたっぷり溜め込んでいる脂肪を使うことで補給不要になったのかと感心しております。

その他、糖質制限を始めて気付いた点といえば、以前はこまめに歯を磨かないと歯がべたついて気持ち悪かったんですが、今は歯垢がほとんど付かなくなって1日歯磨きを忘れることすら起きるようになりまして、虫歯菌の餌って本当に糖分だったんだなと。それから以前はもう空腹が耐え難い苦痛に感じていたのですが、今は空腹は空腹なんですが苦痛に感じることは無くなってしまいまして、あの我慢できない空腹って禁断症状だったんじゃ・・・

ちょっと便秘気味になることが多いのが不快なんですが、不満はその一点だけで昼飯後の仕事のパフォーマンスを激減させていた眠気も無くなって糖質制限してよかったと思っています。ありがとうございます
2016/02/28(Sun) 21:07 | URL | nakatec | 【編集
糖質制限食を実施しています
こんばんは。
健康診断でインスリン抵抗性の値が
高いと指摘され、先生の本を購入して
糖質制限食を実施しています。

健康診断の結果は、
身長176.3cm
体重96.2キロ
空腹時の血糖値 107
HbA1c 6.1
LDL-C 139
HDL-C 59
総コレステロール206

HOWA-R 3.2
血中インスリン 12.0

でした。

現在、始めてから2週間がたちます。
体重は、6キロ減になりました。

このまま、糖質制限食を続けていっても大丈夫でしょうか?(スーパーを実施しています)

あと、運動も大事ということで、筋トレを続けています。運動後に、プロテインを飲んでいます。
栄養成分に
乳清たんぱく、ココアパウダー、デキストリン、植物油脂、食塩、乳化剤(大豆を含む)、V.C、香料、増粘剤(プルラン)、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ナイアシン、V.B2、V.B1、V.B6、パントテン酸Ca、葉酸、V.B12

炭水化物 2.9g

と書かれています。

糖質制限食中に、飲んでも大丈夫でしょうか?

2016/02/28(Sun) 21:15 | URL | ひだか | 【編集
Re: よくわかる! すぐできる! 「 糖質オフ! 」健康法~読後感!
北九州 三島 さん

ありがとうございます。
2016/02/29(Mon) 09:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限いいですね
nakatec さん

スーパー糖質制限食の利点の一つに、
運動の訓練もしていないのに、食事だけで「持久力向上」というのがあります。

nakatec さんも、見事に持久力向上ですね。

便通は、3ヶ月くらいで腸内細菌叢が安定してきたら、良くなると思います。
2016/02/29(Mon) 09:23 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限食を実施しています
ひだか さん

糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食ですので、本来誰が実践してもOKですが
以下の場合だけ要注意です。

診断基準を満たす膵炎は対象とならない。→糖質制限食は高脂質食。
肝硬変も適応とならない。→糖新生ができない。
長鎖脂肪酸代謝異常症も適応外。→脂肪の利用が上手くいかない。
糖尿病の経口薬を内服している人やインスリン注射をうっている人は、  
低血糖発作予防のため糖質制限食開始前に必ず医師と相談すること。

腎機能eGFR60ml/分までは、日本腎臓病学会CKDガイド2013に従いOK。
腎不全は、米国糖尿病学会2013年の声明を考慮し個別対応。



炭水化物 2.9g なら、プロテインも飲んで大丈夫です。
2016/02/29(Mon) 09:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
高血糖による死因について
昨日の勉強会お疲れ様でした。
第3部では、興味深いお話楽しかったです。
ありがとうございました。
お忙しい中、恐縮ですが、昨日時間切れで質問できなかったのですが、高血糖による死因について質問させてください。
宗田先生の著書も拝見し、インスリン能が保たれていれば、ケトン体による血液の酸性は緩衝作用により、人体に影響がないことは証明済みですが、インスリンが働かない高血糖状態の場合は、火消しに来たケトン体の酸性を緩衝できないため、死に至るのでしょうか。
それとも、高血糖が直接的な死因となるのでしょうか。
稚拙な質問で申し訳ございません。
お時間のある際で結構ですので、ご回答頂ければ幸いです。
今後のさらなるご活躍を影ながら応援しています。
2016/02/29(Mon) 10:36 | URL | のもと | 【編集
Re: 高血糖による死因について
のもと さん

医療従事者セミナー in 京都
へのご参加ありがとうございます。

講演資料の、糖尿病ケトアシドーシスのスライドをご参照頂けば幸いです。

インスリン作用の欠落の結果生じたケトン体上昇が、緩衝作用を凌駕した結果起こるアシドーシスと脱水が
糖尿病ケトアシドーシスの本態で、重症なら死に至ります。

「インスリン作用の欠乏→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用の低下・脂肪分解の亢進→高血糖・高遊離脂肪酸血症→ケトン体の産生亢進→ケトアシドーシス」
即ち、ケトン体高値は、始まりではなくあくまでも結果です。
2016/02/29(Mon) 11:22 | URL | ドクター江部 | 【編集
びわの葉、緑茶の混合発酵茶
今朝NHKラジオで長崎県立大学、長崎大学、九州大学との連携プロジェクト研究で開発した高機能発酵茶(びわ混合発酵茶)が、血糖値や中性脂肪を下げる効果があると紹介されていたのですが、先生はご存知ですか。
2016/11/18(Fri) 08:02 | URL | みち | 【編集
Re: びわの葉、緑茶の混合発酵茶
みち さん

知りませんでした。

ただ。所詮お茶ですから、効果があるとしても僅かな効果と思います。
2016/11/18(Fri) 08:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
びわの葉、緑茶の混合発酵茶
早速のご回答ありがとうございます。
ラジオでのお話では大学教授の研究とか、人気で売れきれ状態になっているとのことだったので期待して購入するところでした。
先生のおっしゃるように所詮お茶ですよね。
2016/11/18(Fri) 16:31 | URL | みち | 【編集
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