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運動とエネルギー源⑪糖尿病と胃麻痺
おはようございます。今日は春霞全開です。

今回は、久しぶりに運動とエネルギー源シリーズです。本シリーズ、たくさんコメントいただきましてありがとうございます。読者の皆さん、やや小難しいところはとばして読んで頂いて結構ですので・・・

今回は糖尿病と胃麻痺のお話です。

『たかたろうさんのコメントに「筋力トレーニング直後以外の食事で意図せずに糖質を摂りすぎてしまったときなどは、食事開始後30~60分頃に30分程ウォーキングをして血糖値を下げるようにしていてますが、加減が難しいと感じています。私の場合、200mg前後の血糖値が30分のウォーキングで100mg前後まで下がりますが、ウォーキング終了後30分後にはまた200mg位まで上がってしまっていることがあります。」とありましたが、自分も同じ経験をしています。 なぜなのかとても不思議です。
2008/03/04(火) 16:16:45 | URL | 街のクマ 』


『街のクマさん。そうですか。同じ経験ですか。
運動と血糖値、なかなか一筋縄ではいきませんね。
2008/03/04(火) 22:21:44 | URL | 江部康二』

『私も難しいと感じています。
先生、街のくまさん、こんばんは。
私は1型で枯渇組なのですが、 やはり、食後1時間でBG200―250で時速6キロ、3%の傾斜のウォーキングを30分程度行います。 BGは100くらい落ちます。 クマさんと一緒ですね。
ですが、私の場合、上昇しません。 さらに、その後は何もしなくても50くらい、下がります。 難しいデス。
2008/03/04(火) 23:23:03 | URL | my』


『糖尿が進むと自律神経の働きが悪くなり、消化器系の働きが遷延することがあると伺いました。胸焼け胃もたれがいい証拠らしいです。
投薬・運動なしでも、2H後血糖は高くないのに、消化吸収が進むそれ以降で、血糖値が上昇するというケースを読んだことがあるのですが、たかたろおうさんや私のケースでは当てはまるような気が致します。
特に消化が遅れる油脂の多い食事の場合では。
先生も糖質を摂取なさって、同一条件でお試しになられたら、興味深い結果が得られるのではないのでしょうか。

自分は運動の有無を問わず、先生の提唱なさるスーパー糖質制限食こそ糖尿人を救うことになると信じています。
ちなみに朝晩合計23kmの自転車通勤と、昼休みの40分速歩でも、1週間に二回ほど昼食に糖質を摂取したところ、HaA1cが6.2まで上がってしまいました。
軽度の糖尿人には食後運動は効果があるのかもしれませんが、中等度を超えると、やはり糖質制限食の方が体に優しいのではないかと感じました。素人が生意気言って済みません。どうかお許し下さい。

話は変わるのですが、単調になりがちな糖質制限食を救うにあっては、(自分の昼食は毎日キャベツの千切りと鯖の水煮缶と、半丁の豆腐です。いい加減に厭きました。)だからこそ、美味しげな糖質・制限食コムでの食品開発はたいへんに有難いものに思われます。今日アップされたラーメン食べたいです。よだれが出て困りました。
あらてつさん、是非とも頑張ってください。

2008/03/04(火) 23:25:14 | URL | 街のクマ』


『こんばんは、たかたろうです。
街のクマさんのコメントに「特に消化が遅れる油脂の多い食事の場合では。」とありますが、そういわれてみれば、比較的あっさりした物を食べたときには再び血糖値が上昇することは無かったような気がします(記憶が曖昧でスミマセン)。

筋収縮によるGlut4トランスロケーションについてですが、インスリン依存のGlut4トランスロケーションは筋肉細胞・脂肪細胞の両方で起きますが、筋収縮によるインスリン非依存のGlut4トランスロケーションは筋肉細胞においてのみ起きるという理解で正しいでしょうか?また、安静時かつ筋グリコーゲン満タン時には筋肉細胞による糖の取り込みは行われないという理解も正しいでしょうか? だとすると、単純にそのときそのときで、(消化吸収による糖の血液への放出)-(筋肉細胞による糖の取り込み)=(血糖値の上下)、ということになるような気がします。
消化吸収が速いときは、運動終了までに糖の血液への放出が終了し、運動中の筋肉細胞が血糖を消費してしまうため、運動終了後に血糖値は上がらない。
消化吸収が遅いときは、運動終了までに糖の血液への放出は終了せず、運動中の筋肉細胞は血糖を消費するが、運動終了後の筋肉細胞は糖を消費しないので、運動終了後に血糖値が上がる。
(実際に糖尿人の運動中の呼吸商とかを測定してエネルギー代謝の割合を観測すれば新たな発見があるかもしれませんね。)

済みません、調子に乗って生意気なこと言ってしまいましたが、素人の戯言だと思ってお許し下さい。

P.S. ハンターXハンターの連載が再開されましたね。ストーリーを思い出すのに一苦労です。「ハギャ」が誰なのか思い出せません。

2008/03/05(水) 02:39:14 | URL | たかたろう』



街のくまさん、たかたろうさん、myさん、いつもコメントありがとうございます。

皆さんの体験データ、とても参考になります。

街のくまさんとたかたろうさんが仰有るとおり、消化吸収の遅延が関係しているようです。
まずは、脂肪と糖質を同時に摂取すると、糖質の吸収が少し遅れることが関係してますね。

それから、バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている、街のくまさんご指摘の<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が年期の入った糖尿人ではあります。欧米人には胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。

30分の軽い運動で一旦下がった血糖値が、運動終了後30分でまた上昇した理由は、上記のように脂質と一緒に食べたか胃不全麻痺があったかで、食物の消化吸収が遅れたことが考えられます。
myさんは、1型糖尿病ですが胃不全麻痺はないので、運動終了後の血糖値再上昇がなかったのでしょう。

ところで、街のくまさん。
昼食は<毎日キャベツの千切りと鯖の水煮缶と、半丁の豆腐>ですか!?おかずは何を食べてもいいので、美味しく楽しくを目指してくださいね。

私の昼食は、高雄病院ではスーパー糖質制限食の給食です。江部診療所では、「ごはん日和」でおかずばっかり買ってきたり、コンビニのおでんとかです。

糖質制限ドットコムの、ローカーボフスマパンとか蒟蒻ラーメン、京のおばんざいも強い味方になってくれてますね。

街のくまさん、糖質制限ドットコム御贔屓、ありがとうございます。あらてつさんにより一層、食品開発に励んでもらうよう伝えておきます。

たかたろうさん。
血糖値の調節機構はとても複雑なので次回の宿題とさせてくださいね。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
勉強させていただいてます。
いつもありがとうございます。
解り易く、読ませていただきました。
2008/03/12(Wed) 13:22 | URL | my | 【編集
はじめまして
私は1型糖尿病歴18年の38歳女子で4ケ月前から突然胃が動かなくなり胃不全麻痺だと思われます。普通の胃腸科では拉致があかず専門の病院に行きたいのですが熊本ではどこの病院に行けばいいのでしょうか?ネット情報も少ないので是非教えて下さい。お願いします。
2011/09/26(Mon) 05:46 | URL | ねっくす | 【編集
Re: はじめまして
ねっくす さん。

私も胃不全麻痺の治療経験はありません。
「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」によれば、プリンペランかナウゼリンのどちらかが
胃不全麻痺に効く可能性があるそうです。
これらの薬はどの医療機関でも手に入ります。
2011/09/26(Mon) 17:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます。
ダメ元でコメしたのにお返事いただき本当にありがとうございます。病歴長いわりには勉強不足で皆さんのお話がほとんど理解できませんが今後はちょこちょこ覗いてみようと思います。一応病歴紹介しておきます。IDDMは21歳からで18年目で30歳、8年前に脳出血(後遺症何も無し)・足の深部静脈血栓症(2年前にワーファリンを止めてましたがまた足に血栓ができた為10日前から内服薬復活)全て原因不明。胃の消化不良は急激に動かなくなったのは5ケ月前からで胃カメラ結果、食後12時間で残留物大量。終始口の苦みお腹の膨脹、食後低血糖などありますが私の場合7KG太りました。長くなったのでまたご報告します。
2011/09/27(Tue) 06:04 | URL | ねっくす | 【編集
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