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海外旅行の食事とDPP-4阻害剤。よく歩くと有効。
【15/05/22 rikko

海外旅行の食事

いつも拝見させて頂いています。

この度 1週間イタリア旅行に出かけました。

パスタ、リゾットの街。自分たちで食事を選択す旅行ならともかく、添乗員さんにひたすらついて回る旅。もちろん食事は出されるままです。

H22年9月に境界型と言われ1か月カロリー制限。その後糖質制限を続けていますが、時々飲み会・食事会の時のみグルファストを服用。しかし海外旅行となると往復の飛行機の中を含めずっとということになりますので、今回テネリア20を飲んでみることにしました。その結果を報告します。

5/15
朝食前     97
朝食1時間後  130
昼食前     95 
昼食1時間後  134
夕食前     87
夕食1時間後  123

5/18
夕食2時間後  127

5/19
夕食2時間後  109

これはなかなか良いぞと思っていました。

帰国後21日昼食に買ってきたリゾットを1人前弱食べました。その朝までテネリアは服用しています。

昼食後1時間後 206

旅行中はとにかく歩きました。なにせJTBの☆1という盛だくさんというかとにかく動き回るツアー。そのおかげで血糖値が抑えられたと思います。昨日は疲れ果て何もせずグターっとしているときの測定。

結論です。DPP4 阻害剤は低血糖も起こさず良い薬だと思います。しかしそれだけでは不十分。運動が必要です。旅行中の選択の一つとしてはありだと思います。

昨夜から糖質制限に戻りました。
また頑張ります。】



おはようございます。

rikko さんから、海外旅行の食事とDPP-4阻害剤について、コメントをいただきました。

よく歩いていた場合は、DPP-4阻害剤はかなり有効とのことです。

rikko さん、わかりやすい体験データをありがとうございます。

イタリア旅行中、テネリア(20)1錠(DPP-4阻害剤)を内服して食事。

5/15
朝食前     97
朝食1時間後  130
昼食前     95 
昼食1時間後  134
夕食前     87
夕食1時間後  123

5/18
夕食2時間後  127

5/19
夕食2時間後  109


イタリア旅行ですから、当然、パスタやピザを食べておられると思いますが、食後1時間血糖値も食後2時間血糖値も140mg/dl未満であり、コントロール極めて良好ですね。

ところが、帰国後、同じようにテネリア(20)1錠を内服していて
昼食にリゾットを1人前弱食べたところ
1時間後血糖値は206mg/dlと高値。


この差は、rikko さんのご考察の通り、運動量の差と考えられます。

イタリア旅行中は終日よく歩いたので
<DPP-4阻害剤+運動>の相乗効果がでたと考えられます。
帰国後は
<DPP-4阻害剤単独>なので、効果が運動ありに比し、激減しています。
単純には、運動が食後の血糖値を70~80mg下げている見当です。

私も、DPP-4阻害剤は、時々処方しますが、糖質を1人前食べて、食後1時間血糖値、食後2時間血糖値を140mgt/dl未満に保つような効果はありません。

rikko さんの、帰国後の運動なしの場合の、食後血糖値がDPP-4単独の効果の実態と思います。

食後血糖値に関して「糖質制限食の効果」と「運動の効果」を調べるため、2008年に高雄病院と東海大学で共同研究を実施しました。

研究結果は、2009年の日本糖尿病学会年次学術集会で発表されました。

「糖質制限食の効果」は見事に証明されました。

一方「運動の効果」に関して研究の結論は

1)基礎分泌インスリンがあるていど以上不足している段階の糖尿人には、運動療法の効果がほとんどない。

2)BMI25以上の糖尿人も運動効果はほとんど期待できない。


3)BMIが25未満の普通の体型の人で、インスリン基礎分泌があるていど残っていれば、運動療法の効果は
 期待できる


ということでした。 (^^)

rikko さんも、基礎分泌インスリンがあるていど以上残っていて肥満がないので、運動の効果が顕著に出たのだと思います。



江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
有難うございました。
おはようございます。

先生のブログを開いて私のコメントを記事にして頂いているのを見て、ビックリするやら感激するやら・・・。

という感慨はさておき、やはりDPP4阻害剤のみで食後血糖値140以下は無理なんですね。しかしアマリールやグルファストとの併用は低血糖が怖い。もうこれは糖質制限食しかないですね。

今後も基本糖質制限。たま~に薬に頼る食生活でいきたいと思います。

今後も先生の御活躍を祈念します。

2015/05/24(Sun) 11:31 | URL | rikko | 【編集
旅行時の食事対策
古い記事へのコメント失礼いたします。
糖質制限を始めて3年、今の血液検査の結果では糖尿病とは言えないとかかりつけ医に言われている糖尿人です。江部先生のおかげと深く感謝しています。

海外旅行で糖質を免れない食事をすることになり
こちらの記事を参考に薬を処方してもらおうとしたところ、この薬は強めで膀胱炎を起こしやすくなり女性向きではないとのことでボグリボース0.3mgを処方されました。
薬局では低血糖対策にとブドウ糖粉末を一緒に渡されました。
糖質を食べざるを得ない食事のときのみこのボグリボースを服用することにして、低血糖になる可能性は稀でもあるのでしょうか。
痩せ型で血糖値の上がり方が激しいので普段の食事は1回10-20g程度の糖質摂取になるようにしています。
お忙しいところ申しわけありませんが、お返事をいただければありがたくお願いいたします。
2018/04/25(Wed) 13:17 | URL | naff | 【編集
Re: 旅行時の食事対策
naff さん

ボグリボース0.3mgの単独内服で低血糖になる可能性は、まずありません。

SU剤などど併用では、低血糖の可能性がありえると思います。
その際、砂糖などはボグリボースが吸収を妨げるので「ブドウ糖」支給となります。
2018/04/25(Wed) 20:46 | URL | ドクター江部 | 【編集
お忙しい中お返事をいただきありがとうございます。
現在何の薬も服用していないので、低血糖の心配は不要とわかり安心して旅行に出かけられます。
ありがとうございました。
2018/04/26(Thu) 11:52 | URL | naff | 【編集
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