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江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? (洋泉社) 刊行。
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?

(洋泉社)江部 康二 (著)  \1404-
2015/4/11刊行。アマゾンで予約受付中。






こんばんは。

米国糖尿病学会では、2013年10月、すでに「糖質制限食」は正式に容認されています。

それにも関わらず、日本では相変わらず、「糖質制限食」に対する無根拠な批判が後を絶ちません。

それらの批判に対して、科学的根拠に基づき一刀両断に論破したのが本書です。

全国の糖質セイゲニストの悩みを一掃する本になったと自負しています。

本書が読者の皆さんのお役にたてばとても嬉しいです。


江部康二

<内容紹介>
一度でも不安、疑問に思ったすべての方へ
「糖質制限食を続けると死亡率が上がる?」
「糖質を摂らないと筋肉量が減る?」
「高タンパク・高脂質の食事で病気になる?」
「ずっと続けても安全?」etc.
糖質制限食第一人者が、間違いだらけのバッシングに科学的に回答します!


<まえがき>

 日本で初めての糖質制限食の本「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を世に出したのは、2005年1月のことでした。

1999年に私の兄である江部洋一郎院長(当時)が、高雄病院において糖尿病患者さんに糖質制限食を開始しました。

2001年から私も本格的に糖質制限食による糖尿病治療に取り組み、画期的な成果をあげてきました。

4年間の臨床経験に基づき日本初の糖質制限食の本を上梓したのですが、おかげさまでロングセラーとなり、「糖質制限食」という言葉が日本に定着していったきっかけになったと自負しています。

その後、理論面の本やレシピ本などを各社から多数出版してきました。この間、糖質制限食を日本に広める役目を確実に果たしてきたかなと自負しています。

この4~5年、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミが、こぞって糖質制限食を取り上げ、世間一般の認知度は格段に上がりました。特に、2012年は、糖質制限食普及において、飛躍の年となりました。

2012年1月15日、京都国際会館で開催された第15回日本病態栄養学会年次学術集会において「糖尿病治療に糖質制限食は是か?非か?」というディベートセッションが行われ、私は是側の演者として講演しました。通常は3000人規模の学会に4000人の医師・栄養士が参加し大きな反響を巻き起こしました。

このことは糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味で、大きな一歩といえます。私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」のアクセス件数もこの日を境に1000件以上増えて、2015年現在1日に10000件のアクセスがある人気ブログとなりました。

このセッション以降、日本全国の医師会や病院から講演依頼が相次ぐようになり、医学界にも爆発的に糖質制限食が広がり始めています。

さらに2013年以降、糖質制限食に追い風となる大きな変化がありました。米国で、糖尿病の食事療法の選択肢として糖質制限食が正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した「栄養療法に関する声明」で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。

米国糖尿病学会の声明は、「唯一無二のカロリー制限・高糖質食」を1969年以来、一貫して推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

糖質制限食が、これだけ普及していくなかで、糖質制限食に対する批判も登場してきました。根拠のない批判に対してブログなどで、根拠を示して糖質制限食の有効性・安全性を証明してきました。

糖質制限食に肯定的な信頼度の高い英文論文は多数ありますが、否定的な論文は少数で、しかも信頼度の低いものです。本書では、糖質制限食に対する様々な批判や誤解に明確な回答を与えて、全国の糖質セイゲニストに安心を担保するように心がけました。本書が皆様のお役に立てれば幸いです。

<あとがき>

妊娠糖尿病や糖尿病妊娠に糖質制限食を導入されて、画期的な成果をあげておられるのが、宗田マタニティクリニックの宗田哲男医師と永井クリニックの永井泰先生です。

宗田医師は、2015年1月第18回日本病態栄養学会年次学術集会で、正常妊婦60名において、分娩時に胎盤のケトン体値を測定し報告されました(詳しくは本文をご参照ください)。

その結果、胎盤内のケトン体値は、基準値に対して20~30倍の高値ででした。このように胎児においてはケトン体は主たるエネルギー源であり高値が当たり前で、まったく安全なものですので成人においても勿論安全です。

多くの医師がスーパー糖質制限食実践時に基準値より高値となるケトン体が危険であると誤解しているのですが、この研究でケトン体への懸念は払拭されました。

そして2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で1997年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少し、1997年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇したことがあります。

ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。そうです、糖質制限食の普及が、糖尿病予備群を初めて減少させたのです。赤ちゃんから小児、成人、高齢者にいたるまで、糖質制限食の役割は大きくなっていきます。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ちょうど1年経過しました
53歳男です。
糖質制限を始めて本日で1年が経過しました。
変化したこととしなかったことを情報としてご報告いたします。

1年前に同僚の机の上においてあった夏井先生の本を見つけて「初めて科学的かつ論理的なダイエット本を読んだ」と確信し、自分で人体実験することを決めました。江部先生の本(レシピ本も含めて)も拝読して糖質制限を始めました。当初は2−3ヶ月のつもりでしたが、苦無く1年が経ちました。この1年間、原則(25日以上/月、その他、旅行時を除く)、ご飯・パン・麺類・ビールや日本酒は口にしませんでした。
まず、血液検査の変化です(*印は基準範囲外):

・肝機能
 AST(GOT):35 → 26
 ALT(GPT):53(*)→ 36
 γ-GPT:132(*) → 51
・血中脂質
  中性脂肪:157(*)→81
 LDL-C:182(*)→140
 HDL-C:60 → 81
 LH比(動脈硬化):3.0(*) → 1.7


腎泌尿器・糖代謝・血液成分は以前から基準値内で大きな変化はありません。
体重は約8kg減って、BMI:28.9→25.9。
タニタの体組成計では内臓脂肪率に大きな変化はありません(28%前後)。

その他、気が付いたこと:
・15年来の原因不明の体の痛みは治っていない。
・尿酸値は薬を飲まないと相変わらず高い。
・血圧も135〜145/85〜95で変化が無く相変わらず高め。
・口の中の朝起きた時のネバネバ感が皆無になりました。歯垢が無くなりました。
・以前は昼食後に眠くなることが多々ありましたが、相変わらず毎日4時前に起床していますが、今では眠くなることが全くありません。

今後も続けて体の変化を観察します。


2015/04/07(Tue) 20:34 | URL | マヨネーズマン | 【編集
本日の朝日デジタル記事にて
江部先生お疲れ様です。
本日の朝日デジタルにて大阪大の研究チームにて高脂肪、高カロリーのマウス実験の結果が掲載されておりました。
自分の感想では高脂肪、高カロリーでも糖質さえとらなければ大丈夫だと思うのですがいかがでしょうか?
2015/04/07(Tue) 22:53 | URL | 北の糖尿病患者 | 【編集
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?
おお、予約も好調ですね。
これは重版まちがいなし。

www.amazon.co.jp/dp/4800306019/

少し惜しいのは、アマゾン上で「目次」の記述が簡略すぎることです。もっと詳しい目次をアマゾンに載せると、もっと売れると思います。

http://www.amazon.co.jp/dp/toc/4800306019/ref=dp_toc?_encoding=UTF8&n=465392
2015/04/08(Wed) 09:36 | URL | さとし | 【編集
新書おめでとうございます!
江部先生

先日は大変お忙しい中、コメントに返信して頂きありがとうございました!

緩余進行1型と診断されてまだ一ヶ月ですが、翌日にはスーパー糖質制限を始めました。

この約1ヶ月は空腹血糖250~110に下がり、食後も小さなロールパン2つで400まであった血糖も、糖質制限食では150まで上がることはありません。
薬はメトグルコを夕食後に1錠
インスリンはしてません。

それともうひとつ、私は重度の片頭痛持ちで、週に5日は薬を飲んでました。

ですが糖質制限を始めて1週間で頭痛が減り、この20日間で頭痛は1度だけです。
頭痛がとても辛かったので嬉しい限りです

新書さっそくアマゾンで予約しました。
楽しみで楽しみで仕方ありません(*^^*)

糖質制限はカロリー制限と違いまったく辛くないので、これからも楽しく続けます

2015/04/08(Wed) 09:54 | URL | みぃ | 【編集
スタチンと糖質制限
いつもブログの更新ありがとうございます。
糖質制限を始めて1年以上になるのですが、遺伝的体質のためかLDLコレステロールが190越えの状態が続き、アトルバスタチン5mmを服用することになりました。
ストロングスタチンの服用により、インシュリン感受性とインシュリン分泌が低下するという論文があるようですが、その場合でも糖質制限を並行して実施すれは糖尿病の発病は防げますでしょうか。
ちなみに、糖尿病に関しても遺伝的影響により現在境界型です。また、体型はやせ形で、中性脂肪は50と低く、BMIは17です。
お忙しいなが恐縮ですが、お時間があればご教示いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2015/04/08(Wed) 13:13 | URL | すう | 【編集
ありがとうございました。
江部先生、昨日もお返事ありがとうございました。
「乳酸リンゲル液500ml」が点滴してありました!
その次は、ブドウ糖が含まれたものでした。
でも今日になって点滴が外れたようです。
全身麻酔だったので、術後吐き気がすごかったのですが、
今は治まったそうで安心しています。

いつも親身になってお返事いただき、
ありがとうございます。



2015/04/08(Wed) 17:16 | URL | 美月 | 【編集
暁現象についての質問
先日はお忙しい中、
回答を頂き、ありがとうございます。
糖質制限食を続けて
2か月になります。
お陰で早朝空腹時血糖値が130mgを越えることはなくなりました。
空腹時血糖値も100mg未満になりました。
さて、素朴な疑問なのですが、先日、就寝時の血糖値が73mgで起床時の血糖値が124mgでした。
これは暁現象なのでしょうか?
また、起床時の血糖値が
(自己血糖測定器で計った場合)130mgぐらいだった
としても静脈血では少し
低い数値のはずなので
合併症の進行を食い止めたり、予防したりすること
はできているでしょうか?
ちなみに眠る前の血糖値は80mgや70mgなど100mgを
下回ることが多いです。

朝食は食べず、昼食、夕食の1日二回食です。
食後血糖値は120mg未満です。(100mg未満の時も
あり)
2015/04/08(Wed) 19:23 | URL | momo | 【編集
Re: ちょうど1年経過しました
マヨネーズマン さん

拙著のご購入ありがとうございます。
脂肪肝や脂質データは、改善ですね。
良かったです。
口腔、眠気の改善も良かったです。

・15年来の原因不明の体の痛みは治っていない。
・尿酸値は薬を飲まないと相変わらず高い。
・血圧も135〜145/85〜95で変化が無く相変わらず高め。


これらも、このまま糖質制限食を続けたら
改善する可能性がありますよ。
肥満がさらに改善したら、尿酸と血圧にはいい影響です。
2015/04/08(Wed) 20:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 本日の朝日デジタル記事にて
北の糖尿病患者 さん

マウスの本来の主食は、穀物です。
それに高脂肪食を与えたら、病気になるのは当たり前です。

「木の葉っぱが主食であるゴリラに毎日ステーキを食べさせたら病気になった」

というのと同じことですね。

我々人類の本来の食生活は、狩猟・採集時代700万年間の糖質制限食です。
すなわち、糖質制限食は人類本来の食生活、人類の健康食です。

高脂肪、高カロリーでも糖質さえとらなければ大丈夫です。
2015/04/08(Wed) 20:48 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?
さとし さん

アドバイスありがとうございます。
出版社に相談します。
2015/04/08(Wed) 20:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 新書おめでとうございます!
みぃ さん

血糖値改善、片頭痛改善、良かったですね。

新刊の予約も、ありがとうございます。

これからも、美味しく楽しく糖質制限食をお続けくださいね。


2015/04/08(Wed) 20:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: スタチンと糖質制限
すう さん

1)糖質制限食実践前の、LDL-コレステロール値はどのくらいでしたでしょうか?
2)ご両親などのLDL-コレステロール値はどのくらいでしょうか?

スタチンを飲む必要があるかどうか、1)2)により判断できると思います。
2015/04/08(Wed) 23:18 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 暁現象についての質問
momo さん

「素朴な疑問なのですが、先日、就寝時の血糖値が73mgで起床時の血糖値が124mgでした。
これは暁現象なのでしょうか? 」


暁現象と思います。

「お陰で早朝空腹時血糖値が130mgを越えることはなくなりました。」

130mg未満なら合併症の心配はないです。
2015/04/08(Wed) 23:21 | URL | ドクター江部 | 【編集
スタチンと糖質制限
お忙しい中ご返信ありがとうございます。
1)糖質制限食実践前の、LDL-コレステロール値は150前後でした。
2)両親について正確な数値は分かりませんが、父は脳卒中で倒れた経験があり、母も毎回の健康診断でLDL高値と言われるようです。

先生のブログや本、講演会などでコレステロールについても勉強させていただき、本当に感謝しております。
スタチンには功罪両面あるようですが、私には必要かもしれないと判断し、今回は服用する選択をしてみました。副作用などの有無を見ながら継続するかどうかを判断したいと思います。
2015/04/09(Thu) 09:08 | URL | すう | 【編集
Re: スタチンと糖質制限
すう さん

1)糖質制限食実践前の、LDL-コレステロール値は150前後でした。

この数値なら、家族性高コレステロール血症とは考えにくいです。

スタチン内服は必要ない可能性もあります。
カテゴリーの「コレステロール」の項の記事をご参照いただけば幸いです。
2015/04/09(Thu) 17:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます!!
お忙しい中、ご丁寧にお返事をいただき恐縮です。スタチンの件、もう一度検討してみようと思います。
関東方面でご講演なさる際にはまた足を運ばせていただきます。
本当にありがとうございました。
2015/04/10(Fri) 08:51 | URL | すう | 【編集
Re: 江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?
ええ、先生。

今は、発売直後なので、売れ行きも好調ですが、問題は、数か月後とか数年後です。このときに「詳細な目次」がないと、中身が予想できませんので、まったく買う気が起きません。

200頁の本なら、せめて「数ページのサマリー」がわりに「詳細な目次」が必要です。

しかも、それを「アマゾンで」見れなければ、最初から話になりません。買う・買わないのジャッジができませんから。「分からないものは、買わない」、と普通の人は思うはずです。

ぜひ本書をロングセラーとすべく、「詳細な目次」情報を「アマゾン上で」出すよう、洋泉社には、強くご要請ください。
2015/04/11(Sat) 22:24 | URL | さとし | 【編集
Re: Re: 江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?
さとし さん

アドバイス、ありがとうございます。
洋泉社に、メールしました。
2015/04/12(Sun) 09:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
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