2014年04月26日 (土)
こんにちは。
イヌイットが伝統的食生活の頃は、結果として、ビタミンC摂取不足があり、新生児高チロシン血症と壊血病のリスクがあるということを昨日の記事にしました。
今回は、復習を兼ねて、マサイ族の伝統的食生活とビタミンC摂取、ビタミンC血中濃度などについて考えてみます。
①Low ascorbate status in the Masai of Kenya
The American Journal of Clinical Nutrition 27: MARCH 1974, pp. 3 10-314.
http://www.ajcn.org/cgi/reprint/27/3/310.pdf
②京大名誉教授の家守先生の調査 http://www.zennyuren.or.jp/milk_no_yakata/jimu/hitori/hitori_03.htm
③サファリガイド加藤直邦さんのブログ、
僕は見習いナチュラリスト
http://naturanger.blog25.fc2.com/blog-entry-111.html
①②③を参考にして、アフリカのマサイ族の食生活を、再検討してみました。
マサイ族は、牛乳及びヨーグルトを2~3リットル/日摂取します。
毎日、何キロも歩いて牛の放牧をし、腰に牛乳を入れた『キブユ』という瓢箪(ひょうたん)をぶら下げて歩くので、数日間で自然醗酵され、ヨーグルトになります。このように、マサイ族の主食は、牛乳とヨーグルトです。
放牧しながら飲むとすれば、どちらかというと、2~3日経過した牛乳や発酵してヨーグルトになったものの方が、新鮮な牛乳よりも主となります。
これらだけの食料で不足する鉄分は、牛の生き血で補っています。牛の生き血は、週に数回、牛乳に混ぜて飲んでいます。トウモロコシの粉『ウガリ』も牛乳に混ぜて飲みます。
マサイ族は、野菜や果物は一切食べないそうですので、ビタミンCをどうやって摂取しているのか不思議です。
ビタミンCは、ヒトは体内で合成できないので、必ず食物から摂取することが必要です。
牛は財産ということで、殺したりしませんので、牛肉も食べません。
山羊や羊も飼っていて、こちらは、お祝い事や家族に病人が出て、栄養をつけたいときに食べるそうです。この時、山羊の生レバや生小腸も食べるそうです。
牛生レバのビタミンCは100g中に30mg
牛小腸のビタミンCは100g中に15mg
です。
山羊の生レバや生小腸は、五訂日本食品標準表に載っていないのですが、牛に準する程度と思います。
したがって、山羊の生レバや生小腸はビタミンCが豊富と思われますが、日常的に摂取しているわけではありません。
家守先生は、牛の生き血からビタミンCを摂取していると述べておられます。
牛の血漿中のビタミンC濃度は、1.4~3.6mg/dLであり、人の血漿中ビタミンC濃度0.6–1.4mg/dLより高値です。
しかし、それでも、牛の血を1リットル飲んでもせいぜい30mgですから、やはり、牛の血でビタミンCが充分量摂取できるとは言えません。
①によれば
マサイの牛の新鮮な牛乳の中には、ビタミンC2.2mg/dl含まれています。
瓢箪(ひょうたん)に入れて、数日間発酵させてから飲むとすれば、ビタミンCの含有量は減少します。
例えば、瓢箪の中で4日間経過した牛乳は、ビタミンC0.4mg/dlに減ります。
そうなると、牛乳、ヨーグルト、生き血から得られる日々のビタミンC摂取量は、せいぜい30mg/日ていどでしかありません。厚生労働省の推奨量が、100mg/日として、全然足りません。
①によれば
伝統的な食事をしているマサイ族の血清アスコルビン酸濃度は、0.16mg/dlとかなり低くなっています。
バンツー族は、0.56mg/100mlでやや低値ですが、マサイ族よりは、かなり高値です。
白血球の中の、ビタミンC濃度も、マサイ族はバンツー族の半分以下と低値です。
ビタミンB12は、マサイ族は1188pg/mlでバンツー族は404pg/mlで、マサイ族の方が高値でした。
赤血球中の葉酸はマサイ族は低値でした。
血清総タンパクはマサイ族がバンツー族よりやや高値でした。
マサイ族が21名、バンツー族が24名の平均値です。
バンツー族は、ケニアやタンザニアの同じ地域に住んでいて、食生活はマサイ族とは異なり、穀物・野菜など何でも食べています。
他に、赤血球数、ヘモグロビン、白血球数、血小板数、血清鉄も検査されていますが、マサイ族、バンツー族ともに、異常はありませんでした。
結論として、マサイ族の血中ビタミンC濃度が低いのは、単純に食物から摂取するビタミンCが低いからと考えられます。
血漿ビタミンC濃度がこれほど低値なのに、壊血病や貧血は見られず、さらなる研究が必要と締めくくられています。
ちなみに、日本の厚生労働省の第6次改定「日本人の栄養所要量」によると、100mg/日のビタミンC摂取を推奨し、血漿中ビタミンC濃度基準値を0.7mg/dl以上に設定しています。
マサイ族の0.16mg/dlは兎も角として、人類の本当のビタミンC基準値はどのていどなのでしょう?
そして人類の本当のビタミンC摂取必要量はどのくらいなのでしょう?
人類が700万年の進化の過程でいったい何を食べてきたのかを考察するのに、人体で合成できないビタミンCの必須量が気になります。
7属23種の人類が生まれては消え、現在残っているのは原始人類(ホモ・サピエンス)だけです。
7属23種の人類はおそらく全てビタミンCは合成できなかったと思います。
一方7属23種の人類において、穀物はほとんどないので食べてないですが、主食はそれぞれ異なっていた可能性があります。
さて、日本脂質栄養学会の浜崎先生が
「超低炭水化物食だとビタミン C が尿細管で再吸収されるため、ビタミン C の必要量が極端に減る」
とされている根拠の
Cunningham JJ. Altered vitamin C transport in diabetes mellitus. Med Hypotheses
26:263-265, 1988.
という論文が手に入ったので検討します。
江部康二
イヌイットが伝統的食生活の頃は、結果として、ビタミンC摂取不足があり、新生児高チロシン血症と壊血病のリスクがあるということを昨日の記事にしました。
今回は、復習を兼ねて、マサイ族の伝統的食生活とビタミンC摂取、ビタミンC血中濃度などについて考えてみます。
①Low ascorbate status in the Masai of Kenya
The American Journal of Clinical Nutrition 27: MARCH 1974, pp. 3 10-314.
http://www.ajcn.org/cgi/reprint/27/3/310.pdf
②京大名誉教授の家守先生の調査 http://www.zennyuren.or.jp/milk_no_yakata/jimu/hitori/hitori_03.htm
③サファリガイド加藤直邦さんのブログ、
僕は見習いナチュラリスト
http://naturanger.blog25.fc2.com/blog-entry-111.html
①②③を参考にして、アフリカのマサイ族の食生活を、再検討してみました。
マサイ族は、牛乳及びヨーグルトを2~3リットル/日摂取します。
毎日、何キロも歩いて牛の放牧をし、腰に牛乳を入れた『キブユ』という瓢箪(ひょうたん)をぶら下げて歩くので、数日間で自然醗酵され、ヨーグルトになります。このように、マサイ族の主食は、牛乳とヨーグルトです。
放牧しながら飲むとすれば、どちらかというと、2~3日経過した牛乳や発酵してヨーグルトになったものの方が、新鮮な牛乳よりも主となります。
これらだけの食料で不足する鉄分は、牛の生き血で補っています。牛の生き血は、週に数回、牛乳に混ぜて飲んでいます。トウモロコシの粉『ウガリ』も牛乳に混ぜて飲みます。
マサイ族は、野菜や果物は一切食べないそうですので、ビタミンCをどうやって摂取しているのか不思議です。
ビタミンCは、ヒトは体内で合成できないので、必ず食物から摂取することが必要です。
牛は財産ということで、殺したりしませんので、牛肉も食べません。
山羊や羊も飼っていて、こちらは、お祝い事や家族に病人が出て、栄養をつけたいときに食べるそうです。この時、山羊の生レバや生小腸も食べるそうです。
牛生レバのビタミンCは100g中に30mg
牛小腸のビタミンCは100g中に15mg
です。
山羊の生レバや生小腸は、五訂日本食品標準表に載っていないのですが、牛に準する程度と思います。
したがって、山羊の生レバや生小腸はビタミンCが豊富と思われますが、日常的に摂取しているわけではありません。
家守先生は、牛の生き血からビタミンCを摂取していると述べておられます。
牛の血漿中のビタミンC濃度は、1.4~3.6mg/dLであり、人の血漿中ビタミンC濃度0.6–1.4mg/dLより高値です。
しかし、それでも、牛の血を1リットル飲んでもせいぜい30mgですから、やはり、牛の血でビタミンCが充分量摂取できるとは言えません。
①によれば
マサイの牛の新鮮な牛乳の中には、ビタミンC2.2mg/dl含まれています。
瓢箪(ひょうたん)に入れて、数日間発酵させてから飲むとすれば、ビタミンCの含有量は減少します。
例えば、瓢箪の中で4日間経過した牛乳は、ビタミンC0.4mg/dlに減ります。
そうなると、牛乳、ヨーグルト、生き血から得られる日々のビタミンC摂取量は、せいぜい30mg/日ていどでしかありません。厚生労働省の推奨量が、100mg/日として、全然足りません。
①によれば
伝統的な食事をしているマサイ族の血清アスコルビン酸濃度は、0.16mg/dlとかなり低くなっています。
バンツー族は、0.56mg/100mlでやや低値ですが、マサイ族よりは、かなり高値です。
白血球の中の、ビタミンC濃度も、マサイ族はバンツー族の半分以下と低値です。
ビタミンB12は、マサイ族は1188pg/mlでバンツー族は404pg/mlで、マサイ族の方が高値でした。
赤血球中の葉酸はマサイ族は低値でした。
血清総タンパクはマサイ族がバンツー族よりやや高値でした。
マサイ族が21名、バンツー族が24名の平均値です。
バンツー族は、ケニアやタンザニアの同じ地域に住んでいて、食生活はマサイ族とは異なり、穀物・野菜など何でも食べています。
他に、赤血球数、ヘモグロビン、白血球数、血小板数、血清鉄も検査されていますが、マサイ族、バンツー族ともに、異常はありませんでした。
結論として、マサイ族の血中ビタミンC濃度が低いのは、単純に食物から摂取するビタミンCが低いからと考えられます。
血漿ビタミンC濃度がこれほど低値なのに、壊血病や貧血は見られず、さらなる研究が必要と締めくくられています。
ちなみに、日本の厚生労働省の第6次改定「日本人の栄養所要量」によると、100mg/日のビタミンC摂取を推奨し、血漿中ビタミンC濃度基準値を0.7mg/dl以上に設定しています。
マサイ族の0.16mg/dlは兎も角として、人類の本当のビタミンC基準値はどのていどなのでしょう?
そして人類の本当のビタミンC摂取必要量はどのくらいなのでしょう?
人類が700万年の進化の過程でいったい何を食べてきたのかを考察するのに、人体で合成できないビタミンCの必須量が気になります。
7属23種の人類が生まれては消え、現在残っているのは原始人類(ホモ・サピエンス)だけです。
7属23種の人類はおそらく全てビタミンCは合成できなかったと思います。
一方7属23種の人類において、穀物はほとんどないので食べてないですが、主食はそれぞれ異なっていた可能性があります。
さて、日本脂質栄養学会の浜崎先生が
「超低炭水化物食だとビタミン C が尿細管で再吸収されるため、ビタミン C の必要量が極端に減る」
とされている根拠の
Cunningham JJ. Altered vitamin C transport in diabetes mellitus. Med Hypotheses
26:263-265, 1988.
という論文が手に入ったので検討します。
江部康二
江部先生、こんにちは。
本文と全く関係のないことで申し訳ないのですが
江部先生に手紙を書きたい場合、どちらに送付したらよろしいのでしょうか?
送付先を教えていただければ幸いです。
本文と全く関係のないことで申し訳ないのですが
江部先生に手紙を書きたい場合、どちらに送付したらよろしいのでしょうか?
送付先を教えていただければ幸いです。
2014/04/26(Sat) 18:16 | URL | かなかなぶん | 【編集】
かなかなぶん さん
高雄病院のホームページの連絡先にメールしただけばよろしいです。
高雄病院のホームページの連絡先にメールしただけばよろしいです。
2014/04/27(Sun) 09:56 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生 おはようございます。
大酒のみのヘルミです。
丁寧なご高察、ありがとうございます。
乳酸菌はビタミンCを作れるのですよね?
マサイが壊血病にならないのは、そのあたりにヒントがないでしょうか。
夏井先生のサイトで今年3月6日に拙文を取り上げていただきました。
のぞいてみていただけると光栄です。
大酒のみのヘルミです。
丁寧なご高察、ありがとうございます。
乳酸菌はビタミンCを作れるのですよね?
マサイが壊血病にならないのは、そのあたりにヒントがないでしょうか。
夏井先生のサイトで今年3月6日に拙文を取り上げていただきました。
のぞいてみていただけると光栄です。
2014/04/28(Mon) 10:01 | URL | ヘルミ | 【編集】
ヘルミ さん
夏井先生のサイト、覗いてみます。
マサイ族の血中ビタミン濃度は、バンツー族よりも低くて、イヌイットと同等なのです。
つまり、イヌイットとマサイ族は共に食材からのビタミンCが少なくて、血中濃度も低いのです。
同じように血中濃度が低いのに、イヌイットは壊血病リスクがあり、マサイ族がないので
まあ不思議なのです。
夏井先生のサイト、覗いてみます。
マサイ族の血中ビタミン濃度は、バンツー族よりも低くて、イヌイットと同等なのです。
つまり、イヌイットとマサイ族は共に食材からのビタミンCが少なくて、血中濃度も低いのです。
同じように血中濃度が低いのに、イヌイットは壊血病リスクがあり、マサイ族がないので
まあ不思議なのです。
2014/04/28(Mon) 15:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ヘルミ さん
理論的には、乳酸菌がビタミンCを作れるとされているのですが、
五訂日本食品標準成分表によると
生乳・ジャージー種 100g中に、ビタミンCは1mg
ホルスタインも同様です。
ヨーグルト・全脂無糖100g中に、ビタミンCは1mg
と変わらないようなのです。
理論的には、乳酸菌がビタミンCを作れるとされているのですが、
五訂日本食品標準成分表によると
生乳・ジャージー種 100g中に、ビタミンCは1mg
ホルスタインも同様です。
ヨーグルト・全脂無糖100g中に、ビタミンCは1mg
と変わらないようなのです。
2014/04/28(Mon) 17:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、おはようございます。
ビタミンC、よくわからなくなってしまいました。
本当に壊血病の原因って、アスコルビン酸だけなのか、とか…
こんなことを言い始めたら、切りがなくなっちゃいますね。ごめんなさい。
ビタミンC、よくわからなくなってしまいました。
本当に壊血病の原因って、アスコルビン酸だけなのか、とか…
こんなことを言い始めたら、切りがなくなっちゃいますね。ごめんなさい。
2014/04/30(Wed) 08:04 | URL | ヘルミ | 【編集】
ヘルミ さん
マサイ族の血中ビタミンC濃度はイヌイット並に低値なのに、壊血病がないのは
仰有るとおり、壊血病にはビタミンC以外の要素があるのかもしれませんね。
まあ、わかっていることから整理していき、一歩一歩でしょうか。
1)人類、霊長類、モルモットなどは、ビタミンCが合成できない。
2)イヌイット、マサイ族ともに、血中ビタミンC濃度が低い。
3)イヌイットには壊血病や新生児高チロシン血症のリスクがあるが、マサイ族にはない。
マサイ族の血中ビタミンC濃度はイヌイット並に低値なのに、壊血病がないのは
仰有るとおり、壊血病にはビタミンC以外の要素があるのかもしれませんね。
まあ、わかっていることから整理していき、一歩一歩でしょうか。
1)人類、霊長類、モルモットなどは、ビタミンCが合成できない。
2)イヌイット、マサイ族ともに、血中ビタミンC濃度が低い。
3)イヌイットには壊血病や新生児高チロシン血症のリスクがあるが、マサイ族にはない。
2014/04/30(Wed) 15:34 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、遅いコメントで失礼します。
あるパレオダイエットのブログに、マサイ族の血液中のビタミンDの濃度が非常に高いという記述がありました。太陽光線の影響だと思いますが、高緯度地帯にすむイヌイットのビタミンDの血中濃度は低いのでは?
そうだと仮定すると、高レベルのビタミンDに壊血病などの病気を防ぐ効果があるという可能性は考えられませんか?
あるパレオダイエットのブログに、マサイ族の血液中のビタミンDの濃度が非常に高いという記述がありました。太陽光線の影響だと思いますが、高緯度地帯にすむイヌイットのビタミンDの血中濃度は低いのでは?
そうだと仮定すると、高レベルのビタミンDに壊血病などの病気を防ぐ効果があるという可能性は考えられませんか?
2016/01/17(Sun) 16:09 | URL | OgTomo | 【編集】
OgTomo さん
ビタミンDが、ビタミンCの代わりになるとは、現在まで知られている知識ではないと思います。
ビタミンDが、ビタミンCの代わりになるとは、現在まで知られている知識ではないと思います。
2016/01/17(Sun) 18:00 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生
確かに「代わり」になるとは思えませんが、高レベルのビタミンDがビタミンCの利用効率を上げて、少量のビタミンCでも壊血病を防げるという可能性はあり得ないでしょうか。
糖質制限をするとビタミンCの利用効率が上がるという説もあるので、何らかのメカニズムで利用効率が上がるのかも知れません。
メカニズムは不明ですが動物実験でもやってみれば証明可能かもしれません。
確かに「代わり」になるとは思えませんが、高レベルのビタミンDがビタミンCの利用効率を上げて、少量のビタミンCでも壊血病を防げるという可能性はあり得ないでしょうか。
糖質制限をするとビタミンCの利用効率が上がるという説もあるので、何らかのメカニズムで利用効率が上がるのかも知れません。
メカニズムは不明ですが動物実験でもやってみれば証明可能かもしれません。
2016/01/18(Mon) 00:26 | URL | OgTomo | 【編集】
補足です。
1. 糖質制限でビタミンCの利用効率が上がるという説
酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸、DHA)とブドウ糖は構造が似ており、両者ともグルコーストランスポーターGLUT1により細胞に取り込まれますが、血糖値が高いとブドウ糖の取り込みに邪魔されて必要なDHAが取り込めなくなり、DHAの血中濃度を上げないとビタミンC不足になります。従って、血糖値が高いほどビタミンCの必要量が増えます。しかし糖質制限により平均的に低い血糖値が保たれるとビタミンCの必要量が減るはず、というのがこの説の説明です。
2. ビタミンDとの関係の(暫定的)推測
ビタミンDについてはWikiぺディアなどで調べると分かるように、自己免疫疾患や癌、動脈硬化などに有効かも知れないという調査結果が出ています。そのメカニズムは必ずしも明らかではありませんが、おおよその推測では免疫機構の調整効果により異常な慢性的炎症を抑えるのだろうと思われます。
慢性的炎症の際に放出される活性酸素が全体として減少すれば、活性酸素の除去に使用されるビタミンCの使用量も減るはずです。結果としてビタミンCの必要量が減少するのでは、というのが私の(今のところの)推測です。
間違っている可能性も高いですが...
1. 糖質制限でビタミンCの利用効率が上がるという説
酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸、DHA)とブドウ糖は構造が似ており、両者ともグルコーストランスポーターGLUT1により細胞に取り込まれますが、血糖値が高いとブドウ糖の取り込みに邪魔されて必要なDHAが取り込めなくなり、DHAの血中濃度を上げないとビタミンC不足になります。従って、血糖値が高いほどビタミンCの必要量が増えます。しかし糖質制限により平均的に低い血糖値が保たれるとビタミンCの必要量が減るはず、というのがこの説の説明です。
2. ビタミンDとの関係の(暫定的)推測
ビタミンDについてはWikiぺディアなどで調べると分かるように、自己免疫疾患や癌、動脈硬化などに有効かも知れないという調査結果が出ています。そのメカニズムは必ずしも明らかではありませんが、おおよその推測では免疫機構の調整効果により異常な慢性的炎症を抑えるのだろうと思われます。
慢性的炎症の際に放出される活性酸素が全体として減少すれば、活性酸素の除去に使用されるビタミンCの使用量も減るはずです。結果としてビタミンCの必要量が減少するのでは、というのが私の(今のところの)推測です。
間違っている可能性も高いですが...
2016/01/18(Mon) 13:58 | URL | OgTomo | 【編集】
OgTomo さん
興味深いコメントをありがとうございます。
1 は、一定の説得力ありますね。
2 も仮説としておもしろいと思います。
これなら、仮説ではありますが、マサイ族のビタミンC濃度が低いのに健康ということが、説明できますね。
興味深いコメントをありがとうございます。
1 は、一定の説得力ありますね。
2 も仮説としておもしろいと思います。
これなら、仮説ではありますが、マサイ族のビタミンC濃度が低いのに健康ということが、説明できますね。
2016/01/18(Mon) 19:25 | URL | ドクター江部 | 【編集】
| ホーム |