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糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食OKです。
こんばんは。

kimura さんから、糖尿病腎症と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。

kimura さん、日本腎臓病学会は「CKDガイド2012年」において、GFR:60ml/分 以上なら、たんぱく質制限食の必要なしと明言しました。

日本糖尿病学会も、2013年3月の提言で「CKDガイドに従う」と述べました。

すなわち、糖尿病腎症第3期Aまでは、腎臓病学会、糖尿病学会ともに、たんぱく質制限食は必要ないという見解です。

従いまして、GFRCr:116ml/min なら、たんぱく尿が陽性でも糖質制限食(高たんぱく食)を実践して何の問題もありません。

ご主人は、糖尿病腎症第3期Aの段階なので、糖質制限食OKです。

肥満からくる脂肪肝に関しても、スーパー糖質制限食が最も有効な食事療法です。

カロリ制限の必要はなく、厚生労働省のいう標準必要摂取カロリーを摂取していいです。

運動量の少ない男性なら、1850~2250kcal/日です。

スーパー糖質制限食で血糖コントロール良好となれば、たんぱく尿が改善することも充分期待できます。

1型糖尿病のバーンスタイン医師(内因性インスリンゼロ)も、「インスリン注射+糖質制限食」で糖尿病腎症第3期Aから、正常に回復しておられます。

カロリー制限・高糖質食では、理論的に血糖コントロールは不可能であり、必ず食後高血糖を生じます。

なお、糖尿病の薬を服薬しておられる場合は、そのままの量でスーパー糖質制限食を実践すると低血糖の恐れがありますので、糖質制限食に理解のある医師を是非捜してください。

江部康二


【13/11/07 kimura
糖尿病腎症について

はじめまして。

9月に主人が糖尿病の診断を受け、色々と勉強するうちにこちらにたどり着き、江部先生の書籍を購入させていただいて毎日糖質制限食を作ることに努めておりました。

その矢先、2度目の検診で糖尿病腎症の診断を受け、たんぱく質とカロリー制限の指導を受けたため、たんぱく質制限食へ切り替えました。 しかしながら、先日の、糖質制限食で腎症が改善したとの記事を拝見し、江部先生のご意見がいただけたら…と思い、コメント欄にて失礼ですがご質問させてください。

主人の診断結果は
空腹時血糖値:9/26 222→(糖質制限食)
10/10 113→(たんぱく質制限食)
10/24 114 HbA1c:9/26 9.8

GFRCr:116ml/min
尿中アルブミンCr:358mg/g
尿たんぱく:2+

この他、肥満による肝機能障害が疑われるため、1600kcal/日のカロリー制限があります。

このような数値の場合、たんぱく質制限食を続けるべきでしょうか。 また、病院での空腹時血糖測定だけでなく、食後血糖値も測定するべく、測定器を入手した方がよろしいでしょうか。

主治医からは、
・腎症は改善することはないので現状維持に努めましょう
・一食200gの白米を食べて良い
・仕事柄昼食で調整は難しいだろうから、朝・夕で調整を

と言われましたが、なんだか随分緩い気もして、これでは一日一日透析に近づいているのではないかという怖さと、他にできることがあるのなら一日でも早く始めた方がいい のではという焦りでいっぱいです。

実際、糖質制限食からたんぱく質制限食へ切り替えてから、血糖値や体重の減少も芳しくなく、とても不安です。

本人は、緩めの制限に安心しきっているのか、服薬のせいで力が出ないこともあり、他の可能性や治療法について話し合おうとしても、私の素人意見だからと聞き入れてくれ ません・・・ 】




テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
3期AからUターン
私が、30ヶ月前、まさにⅢ期Aでした。
カロリー制限を主張する医師から逃亡?し、江部先生の下に。
服薬なしで、糖質を摂らなければ健康人を謳歌しています。
毎日、焼酎のおつまみにお肉を食べて、検査値は優秀です。
おいしく楽しくがんばりましょう。
2013/11/07(Thu) 19:34 | URL | 北九州 三島 | 【編集
糖尿病診断と保険医療
以前ご回答ありがとうございました。
2013年7月3日のコメントに対してですが
>糖尿病の診断基準として、仰るとおり、血糖値測定は必要ですね。

私の県の国保連合会の審査医師は、ヘモグロビンA1Cのみの検査で血糖値の検査なしでも
2型糖尿病と診断確定し傷病名をつけても査定はないとのことです。

耐糖能検査なしでも医師が耐糖能異常と傷病名に記載あれば査定なしとのことです。

患者がレセプト開示請求をして確認し検査及び診断が実態と違うと国保連合会に申し出ても、
医師に確認は一切せず、レセプト請求が形式上問題なければいいという判断です。

医師が私に境界型糖尿病と診断しジェネリック薬ボグリボースを処方していることを申し出ても
レセプト請求に2型糖尿病と耐糖能異常と併記されてあるので2型糖尿病として審査すると回答がありました。

保険者である市が苦情を申し出ても国保連合会は書類上だけの審査で問題なし原審通りということでした。
市もそれ以上追及もできず、医師に実際の状況を確認することも医師会からのクレームが入る恐れがあるので、どうしようもないとのことです。

私は適切な保険診療を望んでいるだけですが、審査がこんなにいい加減だと初めてしりました。
2013/11/07(Thu) 20:46 | URL | ぴーちゃん | 【編集
今日発売の週刊新潮
www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/newest/

2)「脳に甘いもの」という常識は嘘! 糖質カットが脳を鍛える
2013/11/07(Thu) 21:29 | URL | 精神科医師A | 【編集
糖尿病腎症について
江部先生
ご意見ありがとうございました。

なんだか少し心が軽くなり、頑張ろうという意欲もまた湧いてきました。

当方は仙台市在住ですので、明日の公開講座にも参加したかったのですが、既に締切りが過ぎていて、とても残念に思っていたところ、橋本先生のクリニックの存在を昨日知り、こんなに近くに!とビックリました。
まだまだ勉強不足でした...
慌ててしまって視野が狭くなってしまっているのかもしれませんね。
落ち着いて、しっかり向き合っていこうと思います。

主人もわかってくれたようで、早速橋本先生のクリニックを受診しようと思います。
本当にありがとうございました。
2013/11/08(Fri) 10:04 | URL | kimura | 【編集
トランス脂肪酸、米が使用禁止 「心臓発作を予防」
日経電子版に出ておりました。
2013/11/08(Fri) 10:19 | URL | mmx | 【編集
肥満へのカロリー制限は妥当か?
>肥満による肝機能障害が疑われるため、1600kcal/日のカロリー制限があります。


 厚生労働省が作成した日本人の食事摂取基準2010年版に、以下の記載があります

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf

P79
『エネルギー制限を行わない高脂質食/低炭水化物食の方が、エネルギー制限を行った低脂質食/高炭水化物食よりも、より強い体重低下作用が認められている』

P80
『たんぱく質摂取量が多くなるため、腎臓への負担が増加し、糖尿病性腎症の悪化が懸念される。このように、高脂質食/低炭水化物食の長期間摂取時の安全性は確立していない』
2013/11/08(Fri) 12:07 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 糖尿病腎症について
kimura さん

橋本雄二先生のクリニックが近かっとは良かったです。
11月9日(土)の公開講座も、大丈夫と思いますよ。
橋本先生に電話で、公開講座のことも聞いてみてください。
2013/11/08(Fri) 14:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: トランス脂肪酸、米が使用禁止 「心臓発作を予防」
mmx さん

情報をありがとうございます。
 
FDAはトランス脂肪酸を「食用として安全と認められない」と暫定的に判断。

ということですね。
ニューヨーク州は2006年に禁止していますね。

アメリカ・ニューヨーク市の健康問題委員会は、2006年12月5日、同市内の飲食店2万4000軒に対し、虚血性心疾患の一因とされている人工添加物・トランス脂肪酸を含む食用油の使用を全面的に禁止する決定(段階的にですが)
2013/11/08(Fri) 16:11 | URL | ドクター江部 | 【編集
HbA1cが5.7になりました!
こんにちは。昨年7月に中性脂肪296、血糖値206、HbA1c8.5で医者から「立派な糖尿病です」と言われてしまったじょじゃばななです。
途方に暮れていた時に先生のブログに辿り着き、スーパー糖質制限食を実践し始めました。実践わずか17日目に受診した血液検査で中性脂肪55、血糖値145、HbA1c8.0となりました。
以来、スーパー糖質制限食を続け、数値も月を追う毎に下がり、ついに今年9月の血液検査でHbA1c5.7となりました!(中性脂肪50、血糖値102)
糖尿病を発症してすぐに糖質制限食に出会えたことが、私にとって一番の幸運でした。これからも糖質制限食で頑張ります。有難うございました。
2013/11/09(Sat) 01:29 | URL | じょじゃばなな | 【編集
Re: HbA1cが5.7になりました!
じょじゃばなな さん

素晴らしい改善です。
良かったです。
これからも美味しく楽しく糖質制限食をお続けくださいね。
2013/11/09(Sat) 07:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
心の励み
江部先生、こんにちは。
いつも、ブログを拝見しております。
私は、44歳、女性で、3年前から人間ドッグに行き始めました。今年の9月の人間ドッグで、2時間後血糖値が164でした。
空腹時血糖値、中性脂肪、コレステロールなどは、正常範囲でしたが、父が糖尿病で昨年脳梗塞を発症したため、大変気になりました。父の退院に合わせて江部先生の本を購入していたこともあり、すぐに江部先生のブログに行きつきました。
早く発見できて良かった、というコメントを励みに、糖質制限食に取り組み、今日、食後2時間後に血糖値を測定に行くと、104でした。
この食事を始めて、ちょうど6週間になりますが、最初は、総エネルギー摂取量が足らなくて、しんどくなったり、いろいろ不安に思うこともありましたが、江部先生のブログや本の中に答えが必ずのっているのが、最大の励みとなりました。とても感謝しています。
どれだけたくさんの人々の励みになっておられることでしょう。素晴らしいお仕事をなさっていると思います。これからも、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。私も、日々、頼りにしています。ありがとうございました。
2013/11/10(Sun) 17:32 | URL | のんちゃん | 【編集
Re: 心の励み
のんちゃん

拙著の御購入、ありがとうございます。
血糖値の改善、良かったですね。

私のブログの情報量は膨大となっています。
FC2ブログの検索機能はやや遅いし弱いので、
グーグルで検索するほうがいいと思います。
私も自分のブログの情報をあとで見るときは、グーグルで検索しています。
2013/11/10(Sun) 19:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
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