2013年07月25日 (木)
こんにちは。
日本で実践されている糖質制限食には
A)高雄病院のスーパー糖質制限食(1回の食事の糖質量20g以下)
B)山田悟先生の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量30~40g)
C)釜池豊秋先生の糖質ゼロ食(1日1食で、夕食、糖質は5g以下)
などがあり、1回の糖質摂取量設定に違いがあります。
それでは、各糖質制限食のスタンスはどう違うのでしょうか?
1)継続し易さと普及に関する配慮
継続し易さ、普及という面からは、普通に考えてB)が一番楽です。
A)はそれに、次いで楽ですし、当初から「スーパー」「スタンダード」「プチ」といったラインナップが設定されていて、最近は「緩やかな」という選択肢もあるので、継続し易さと普及ということを重視しているわけです。
C)は、ベストと思う食事療法をストイックに実践するという求道者のスタンスであり、継続し易さや普及ということは、優先順位としては全く考慮されていません。つまりC)はやりたい人やれる人が実践すればよいのであって、やりやすくするというスタンスは皆無です。
従って、A)B)の立場の糖質セイゲニストとC)の立場の求道者とは、いくら話し合っても折り合いがつくことは不可能ですので、私も無駄な努力をするつもりはありません。
2)食後高血糖改善効果
食後高血糖改善効果はC)が一番高いです。A)がその次でB)はかなり劣ります。
C)なら、食後高血糖はほとんどありません。
A)は、臨床的に合併症予防ができるレベル、食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満達成を目指していて、ほとんどの場合それが可能です。
B)は食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満を達成することは、困難な糖尿人が多いと思いますが、従来の糖尿病食(高糖質食)よりはましです。
3)追加分泌インスリン
C)は耐糖能正常型の人でも、インスリン追加分泌はごくごく少量です。
A)は耐糖能正常型の人の場合でもインスリン追加分泌は2~3倍レベルですみます。
B)は耐糖能正常型なら、追加分泌インスリンは10倍~20倍レベルでます。
インスリンは人体に絶対必要であり、基礎分泌インスリンがなければヒトは死にます。
しかし、インスリンには発ガンリスクやアルツハイマー病のリスクがあるので、少量ですむにこしたことはないのです。
従って、B)の場合は、野放しの高糖質食に比べればましですが、インスリン過剰のリスクがあるていどあることになります。
A)の場合は、人類700万年間の狩猟・採集時代に、野生の果物、ナッツ類、根茎類を食べたレベルと同程度の追加分泌インスリンなので許容範囲と思います。
4)問題点
B)は、インスリン分泌が多いこと以外にも、食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスリスクに関しては、効果が弱いので問題と言えます。
C)は、始めにくいこと、継続しにくいこと、普及しにくいことが問題点です。
5)考察
A)の場合、C)よりは治療効果は若干劣りますが、殆どの糖尿人において、合併症予防という観点からは、問題ないと思われます。体重減少効果も同様であり、「継続し易さ」「普及」「治療効果」においてバランスのとれた食事療法と言えます。
B)は、「継続し易さ」「普及」は優れていますが、肝腎の治療効果が劣ることと、食後高血糖と平均血糖変動幅増大という問題点を抱えています。
C)は、始めにくいこと・継続しにくいこと・普及しにくいことという弱点がありますが、治療効果は抜群ですので、ビタミンCの摂取に留意して、個人的にやれる人はやればいいと思います。
結論として、自画自賛になりますが、高雄病院のスーパー糖質制限食が一番バランスがいいのかなと思います。(^^)
一方、山田悟先生の緩い糖質制限食や釜池豊秋先生の糖質ゼロ食も役割分担という視点にたてば対立するというよりも、一人一人の嗜好やニーズに応じて、相補的なものと思います。
A)B)C)の3者ともに、日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(高糖質食)に比べれば治療効果ははるかに高いのですから。
江部康二
日本で実践されている糖質制限食には
A)高雄病院のスーパー糖質制限食(1回の食事の糖質量20g以下)
B)山田悟先生の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量30~40g)
C)釜池豊秋先生の糖質ゼロ食(1日1食で、夕食、糖質は5g以下)
などがあり、1回の糖質摂取量設定に違いがあります。
それでは、各糖質制限食のスタンスはどう違うのでしょうか?
1)継続し易さと普及に関する配慮
継続し易さ、普及という面からは、普通に考えてB)が一番楽です。
A)はそれに、次いで楽ですし、当初から「スーパー」「スタンダード」「プチ」といったラインナップが設定されていて、最近は「緩やかな」という選択肢もあるので、継続し易さと普及ということを重視しているわけです。
C)は、ベストと思う食事療法をストイックに実践するという求道者のスタンスであり、継続し易さや普及ということは、優先順位としては全く考慮されていません。つまりC)はやりたい人やれる人が実践すればよいのであって、やりやすくするというスタンスは皆無です。
従って、A)B)の立場の糖質セイゲニストとC)の立場の求道者とは、いくら話し合っても折り合いがつくことは不可能ですので、私も無駄な努力をするつもりはありません。
2)食後高血糖改善効果
食後高血糖改善効果はC)が一番高いです。A)がその次でB)はかなり劣ります。
C)なら、食後高血糖はほとんどありません。
A)は、臨床的に合併症予防ができるレベル、食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満達成を目指していて、ほとんどの場合それが可能です。
B)は食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満を達成することは、困難な糖尿人が多いと思いますが、従来の糖尿病食(高糖質食)よりはましです。
3)追加分泌インスリン
C)は耐糖能正常型の人でも、インスリン追加分泌はごくごく少量です。
A)は耐糖能正常型の人の場合でもインスリン追加分泌は2~3倍レベルですみます。
B)は耐糖能正常型なら、追加分泌インスリンは10倍~20倍レベルでます。
インスリンは人体に絶対必要であり、基礎分泌インスリンがなければヒトは死にます。
しかし、インスリンには発ガンリスクやアルツハイマー病のリスクがあるので、少量ですむにこしたことはないのです。
従って、B)の場合は、野放しの高糖質食に比べればましですが、インスリン過剰のリスクがあるていどあることになります。
A)の場合は、人類700万年間の狩猟・採集時代に、野生の果物、ナッツ類、根茎類を食べたレベルと同程度の追加分泌インスリンなので許容範囲と思います。
4)問題点
B)は、インスリン分泌が多いこと以外にも、食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスリスクに関しては、効果が弱いので問題と言えます。
C)は、始めにくいこと、継続しにくいこと、普及しにくいことが問題点です。
5)考察
A)の場合、C)よりは治療効果は若干劣りますが、殆どの糖尿人において、合併症予防という観点からは、問題ないと思われます。体重減少効果も同様であり、「継続し易さ」「普及」「治療効果」においてバランスのとれた食事療法と言えます。
B)は、「継続し易さ」「普及」は優れていますが、肝腎の治療効果が劣ることと、食後高血糖と平均血糖変動幅増大という問題点を抱えています。
C)は、始めにくいこと・継続しにくいこと・普及しにくいことという弱点がありますが、治療効果は抜群ですので、ビタミンCの摂取に留意して、個人的にやれる人はやればいいと思います。
結論として、自画自賛になりますが、高雄病院のスーパー糖質制限食が一番バランスがいいのかなと思います。(^^)
一方、山田悟先生の緩い糖質制限食や釜池豊秋先生の糖質ゼロ食も役割分担という視点にたてば対立するというよりも、一人一人の嗜好やニーズに応じて、相補的なものと思います。
A)B)C)の3者ともに、日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(高糖質食)に比べれば治療効果ははるかに高いのですから。
江部康二
先日のパーティでお会いしました。先生のお話本当にためになりました。夏井先生は、ニキビも糖質摂りすぎからクラというお話をなさっており大変感心しました。今私の甥2人が柔道をしており2人とも(高2、中2)ニキビの季節です.2人とも体重100キロ超で糖尿病予備軍です。コーチがご飯にラーメンを奨励していると聞き腹立たしく思います。相撲取りの養成ならいざ知らず、柔道で体重を増やす必要などないはずです。この上は講道館館長に直接直訴しようと思います。
A)高雄病院のスーパー糖質制限食(1回の食事の糖質量20g以下)
B)山田悟先生の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量30~40g)
C)釜池豊秋先生の糖質ゼロ食(1日1食で、夕食、糖質は5g以下)
非糖尿人
⇒ 現在の誘惑の多い環境では、
ラーメン、パン、ご飯も止められないだろうから
B)を目指す
糖尿人・非糖尿人健康マニア
⇒ B)で慣れて、A)を目指す
糖尿人のうち、非常にストイックな方
⇒ A)に慣れた後、
好みにより、C)
ふと疑問に思ったのですが、
A)とC)は、提唱者自身が実践されています。
※A)は、糖尿人に限らず、人類の健康食との立場。
C)は、非糖尿人まで普遍化して主張されているか、私は知りません。
B)の山田悟先生は、(1回の食事の糖質量30~40g)を、自ら実践されてるんでしょうか?
それとも、『糖尿人限りの食事療法』と割り切っておられるのでしょうか?
B)山田悟先生の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量30~40g)
C)釜池豊秋先生の糖質ゼロ食(1日1食で、夕食、糖質は5g以下)
非糖尿人
⇒ 現在の誘惑の多い環境では、
ラーメン、パン、ご飯も止められないだろうから
B)を目指す
糖尿人・非糖尿人健康マニア
⇒ B)で慣れて、A)を目指す
糖尿人のうち、非常にストイックな方
⇒ A)に慣れた後、
好みにより、C)
ふと疑問に思ったのですが、
A)とC)は、提唱者自身が実践されています。
※A)は、糖尿人に限らず、人類の健康食との立場。
C)は、非糖尿人まで普遍化して主張されているか、私は知りません。
B)の山田悟先生は、(1回の食事の糖質量30~40g)を、自ら実践されてるんでしょうか?
それとも、『糖尿人限りの食事療法』と割り切っておられるのでしょうか?
2013/07/26(Fri) 02:02 | URL | 糖質制限食 | 【編集】
ニャンミー さん
ニキビは、糖質制限食で良くなります。
ほぼ百発百中です。
糖質を食べて、その量が閾値を超えると再発します。
どのていどの糖質量で折り合いがつくかですね。
ニキビは、糖質制限食で良くなります。
ほぼ百発百中です。
糖質を食べて、その量が閾値を超えると再発します。
どのていどの糖質量で折り合いがつくかですね。
2013/07/26(Fri) 08:18 | URL | ドクター江部 | 【編集】
はじめて書き込みをさせて頂きます、糖尿病10年選手の63歳の女です。
ずっと薬に頼って糖質を無制限に摂取(T_T)過食症気味でした。A1cも血糖値も悪くなり、さすがに怖くなり、2か月ほど前に一大決心(^_^; 江部先生のブログに教えられ本も買って勉強中です。制限食を導入してみて、糖質と血糖値のあまりにも明らかな関係に、な~んだと拍子抜けしたぐらいです。
過食気味なのはなかなかコントロール難しいですが、血糖値はだいぶん良くなってきました。頑張ります!
ところで、登山が趣味で、夏は夫とテント泊登山をします。その際の糖質制限食での食料計画など調べていたら、先生の2010年7月7日のブログにヒットしました。
わたしのブログにリンク、あるいは本文中にコピーをさせて頂いてもいいでしょうか?m(__)m
ずっと薬に頼って糖質を無制限に摂取(T_T)過食症気味でした。A1cも血糖値も悪くなり、さすがに怖くなり、2か月ほど前に一大決心(^_^; 江部先生のブログに教えられ本も買って勉強中です。制限食を導入してみて、糖質と血糖値のあまりにも明らかな関係に、な~んだと拍子抜けしたぐらいです。
過食気味なのはなかなかコントロール難しいですが、血糖値はだいぶん良くなってきました。頑張ります!
ところで、登山が趣味で、夏は夫とテント泊登山をします。その際の糖質制限食での食料計画など調べていたら、先生の2010年7月7日のブログにヒットしました。
わたしのブログにリンク、あるいは本文中にコピーをさせて頂いてもいいでしょうか?m(__)m
初めまして。SHUKANと申します。68歳男性、体重56kg、身長171cmの糖尿病予備軍です。
私のようなケースも参考にしていただけたらと思い、これまでの経過を報告させて下さい。
父が糖尿病性腎不全で他界しており、遺伝子を引き継いでいるため糖尿病発症に気をつけてきました。
しかし、長年の脂質異常(LDL/HDL比:2~3)を放置し、昨年6月のドッグの頸動脈エコー検査で左頸動脈プラークによる50~70%の狭窄が発覚し、たいへんショックを受けました。
それまでは玄米菜食で、肉の脂身、玉子などを避ける食生活でしたが、江部先生の書物やこのブログに出会ってから食後高血糖と血糖変動幅増大による酸化ストレスが大血管障害のリスクにもなることを知り、なんとかこのプラークを減らすべく最大限の努力をしようと決心し、昨年の10月から糖質制限を始めました。
脂質代謝にも気をつけ、油脂は「動物性脂肪とリノール酸はほどほどに、オレイン酸とオメガ3系を多く」を心がけています。
さらに頸動脈プラークを減らそうと、LDL/HDL比を下げるために中性脂肪低下(→HDL増加)を目指して一日300キロカロリーのエアロバイクを毎日実行してきました。約1時間かかりますが大汗をかいたあとは水分補給に努めています。飲むものはこの時期作った梅漬け汁を薄めたものがいいですね。
その結果、検査値は
2012年6月→2013年2月→2013年7月の順で
LDL:134→86→99
HDL:57→76→88
L/H比:2.4→1.1→1.1
中性脂肪:78→37→36
HbA1c(JDS):5.7→5.2→5.4
空腹時血糖:95→96→91
となりました。中性脂肪とHDLの変化には糖質制限と運動の効果が出ていると思ってよろしいでしょうか。LDLに関しては実は昨年7月以来スタチン系の薬(クレストール2.5mg/日)を処方してもらっています。
しっかり糖質制限をしているつもりでも、HbA1cがあまり下がらないのは毎日の(有酸素)運動が影響している可能性があると思います。自己血糖測定をしていないのに勝手な解釈をしてしまいお許しください。
来週次回のエコー検査があるので、その結果が出たらまたご報告したいと思います。
私のようなケースも参考にしていただけたらと思い、これまでの経過を報告させて下さい。
父が糖尿病性腎不全で他界しており、遺伝子を引き継いでいるため糖尿病発症に気をつけてきました。
しかし、長年の脂質異常(LDL/HDL比:2~3)を放置し、昨年6月のドッグの頸動脈エコー検査で左頸動脈プラークによる50~70%の狭窄が発覚し、たいへんショックを受けました。
それまでは玄米菜食で、肉の脂身、玉子などを避ける食生活でしたが、江部先生の書物やこのブログに出会ってから食後高血糖と血糖変動幅増大による酸化ストレスが大血管障害のリスクにもなることを知り、なんとかこのプラークを減らすべく最大限の努力をしようと決心し、昨年の10月から糖質制限を始めました。
脂質代謝にも気をつけ、油脂は「動物性脂肪とリノール酸はほどほどに、オレイン酸とオメガ3系を多く」を心がけています。
さらに頸動脈プラークを減らそうと、LDL/HDL比を下げるために中性脂肪低下(→HDL増加)を目指して一日300キロカロリーのエアロバイクを毎日実行してきました。約1時間かかりますが大汗をかいたあとは水分補給に努めています。飲むものはこの時期作った梅漬け汁を薄めたものがいいですね。
その結果、検査値は
2012年6月→2013年2月→2013年7月の順で
LDL:134→86→99
HDL:57→76→88
L/H比:2.4→1.1→1.1
中性脂肪:78→37→36
HbA1c(JDS):5.7→5.2→5.4
空腹時血糖:95→96→91
となりました。中性脂肪とHDLの変化には糖質制限と運動の効果が出ていると思ってよろしいでしょうか。LDLに関しては実は昨年7月以来スタチン系の薬(クレストール2.5mg/日)を処方してもらっています。
しっかり糖質制限をしているつもりでも、HbA1cがあまり下がらないのは毎日の(有酸素)運動が影響している可能性があると思います。自己血糖測定をしていないのに勝手な解釈をしてしまいお許しください。
来週次回のエコー検査があるので、その結果が出たらまたご報告したいと思います。
江部先生
日経メディカルのHPに下記のタイトルで掲載されていました。
◆タイトル
「炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果が大きい。○か×か?」
問題の答えは「×」である。
色々と文献からグラフを引用して書かれています。
しかし、糖質制限食を実行しているものとしては納得できません。
掲載の抜粋しか載せられませんが、お時間がございましたら
掲載HP
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/noto/201307/531703.html
にアクセスいただき先生のご意見を伺えたら幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
減量に“効く”のは、カロリー制限
では具体的に、どのような減量法が効果的なのだろうか。
減量は、摂取カロリー制限や栄養指導、運動、行動変容、精神状態の改善などをトータルに行うことが重要である。
中でも今回は、第2回連載の“続編”として「食事療法」に関するエビデンスをレビューしてみたい。
前回解説した通り、炭水化物(糖質)制限を行えば、短期間で顕著に減量する。
では、炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果は大きいのだろうか。
レベルの高いエビデンスでは、現時点で両者の効果に有意な差はない。冒頭の問題の答えは「×」である。
2008年、「炭水化物制限食」「脂質制限食」「地中海式食」の3群による減量効果の比較試験の結果がイスラエルから発表され、2年間の追跡期間で炭水化物制限食による減量効果が最も大きいことが実証され4)、注目を集めた。
しかし、この研究にはいくつか問題点が存在する。まず、炭水化物制限食を1年以上継続できた人が約80%しかいなかった点である。
また,3群の中で炭水化物制限食群の総カロリーが最も低かったため(論文発表後に指摘されたため別報にて開示5))、
減量効果が炭水化物制限によるものなのか総カロリー制限によるものなのか結論づけることができない問題がある。
さらに、その後発表された続報では、6年後には3群共ほぼベースラインの体重に戻っていたのである。
他の研究でも、総カロリー制限の方が、炭水化物や脂質を制限するよりも減量において重要であることは他の研究でも示されている。
体重変化は、エネルギー源よりも主に総エネルギーのイン・アウトバランスに影響されるためと考えられている。
「質より量」というわけだ。
なお、いずれの試験も糖尿病患者は対象となっていないが、これらの結果を踏まえると、糖尿病患者についても現時点では総カロリー制限を行う方が妥当と言えよう。
著者プロフィール
能登洋(国立国際医療研究センター病院 糖尿病・代謝・内分泌科 医長)
●東大医学部卒。同大附属病院、ベス・イスラエル医療センター(米国)、東京厚生年金病院、テキサス大サウスウェスタン医療センター(同)などを経て、2009年から現職。10年から東京医科歯科大臨床教授。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日経メディカルのHPに下記のタイトルで掲載されていました。
◆タイトル
「炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果が大きい。○か×か?」
問題の答えは「×」である。
色々と文献からグラフを引用して書かれています。
しかし、糖質制限食を実行しているものとしては納得できません。
掲載の抜粋しか載せられませんが、お時間がございましたら
掲載HP
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/noto/201307/531703.html
にアクセスいただき先生のご意見を伺えたら幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
減量に“効く”のは、カロリー制限
では具体的に、どのような減量法が効果的なのだろうか。
減量は、摂取カロリー制限や栄養指導、運動、行動変容、精神状態の改善などをトータルに行うことが重要である。
中でも今回は、第2回連載の“続編”として「食事療法」に関するエビデンスをレビューしてみたい。
前回解説した通り、炭水化物(糖質)制限を行えば、短期間で顕著に減量する。
では、炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果は大きいのだろうか。
レベルの高いエビデンスでは、現時点で両者の効果に有意な差はない。冒頭の問題の答えは「×」である。
2008年、「炭水化物制限食」「脂質制限食」「地中海式食」の3群による減量効果の比較試験の結果がイスラエルから発表され、2年間の追跡期間で炭水化物制限食による減量効果が最も大きいことが実証され4)、注目を集めた。
しかし、この研究にはいくつか問題点が存在する。まず、炭水化物制限食を1年以上継続できた人が約80%しかいなかった点である。
また,3群の中で炭水化物制限食群の総カロリーが最も低かったため(論文発表後に指摘されたため別報にて開示5))、
減量効果が炭水化物制限によるものなのか総カロリー制限によるものなのか結論づけることができない問題がある。
さらに、その後発表された続報では、6年後には3群共ほぼベースラインの体重に戻っていたのである。
他の研究でも、総カロリー制限の方が、炭水化物や脂質を制限するよりも減量において重要であることは他の研究でも示されている。
体重変化は、エネルギー源よりも主に総エネルギーのイン・アウトバランスに影響されるためと考えられている。
「質より量」というわけだ。
なお、いずれの試験も糖尿病患者は対象となっていないが、これらの結果を踏まえると、糖尿病患者についても現時点では総カロリー制限を行う方が妥当と言えよう。
著者プロフィール
能登洋(国立国際医療研究センター病院 糖尿病・代謝・内分泌科 医長)
●東大医学部卒。同大附属病院、ベス・イスラエル医療センター(米国)、東京厚生年金病院、テキサス大サウスウェスタン医療センター(同)などを経て、2009年から現職。10年から東京医科歯科大臨床教授。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2013/07/26(Fri) 11:42 | URL | maw | 【編集】
2013/4/13のblog commentに、能登Drが日本医事新報2013年4月6日号に投稿した内容を、私がそのまま転載しています。今回日経メディカルにのった記事は、それと内容はそっくりですね
これに関しては、2013/4/29~2013/5/1のblogで、江部Drがとっくの昔に反論済みです。今更何を…と言いたくなります
これに関しては、2013/4/29~2013/5/1のblogで、江部Drがとっくの昔に反論済みです。今更何を…と言いたくなります
2013/07/26(Fri) 17:58 | URL | 精神科医師A | 【編集】
調査研究本部主任研究員 芝田裕一
炭水化物の摂取を控える糖質制限(低炭水化物)ダイエットが注目されている。
減量にそれなりの効果はあるのかもしれない。しかし、炭水化物を目の敵にし、糖質ゼロを追求する食事療法はやりすぎではないか。
摂取カロリー制限と並ぶ人気の「糖質制限ダイエット」
6月の土曜日、東京・柴又帝釈天の参道を歩いていたとき、1年ほど前に退職した同僚が、饅頭まんじゅう屋の売り場で働いているのを見かけた。事務職が長かった女性だが、立ち仕事に変わったせいか、すっきりと痩せて見えた。「若返ったようですね。どうしたのですか?」と尋ねると、「糖質制限ダイエットで10kgほど減量したの」という答えが返ってきた。
体形に敏感な若い世代をターゲットにした雑誌「ターザン」(マガジンハウス)6月27日号が、「痩せるのはどっちだ!? 糖質制限VSカロリー制限」という特集を掲載していた。摂取カロリー制限がダイエットの王道と言われてきたが、カロリーを気にせず炭水化物だけを控える糖質制限ダイエットの評判が国内でも高まり、利用者数において摂取カロリー制限と覇を争うまでになっているという。
食習慣が異なる欧米のデータに基づく議論
今月上旬には、糖質制限ダイエットを後押しする本が新聞の書評欄で紹介された。一流科学雑誌「サイエンス」に記事を寄稿する米国のサイエンスライターが書いた「ヒトはなぜ太るのか?」(メディカル・トリビューン)だ。
この本によると、摂取カロリーを減らし、運動量を増やしても体重はあまり減らない。痩せるためには炭水化物の摂取を避けるしかない。人類が穀物の栽培を始めたのは1万2000年前にすぎず、それ以前の250万年間は肉食中心の狩猟採集生活だった。それゆえに人類の遺伝子は穀物すなわち炭水化物の代謝に十分に適応できておらず、炭水化物を摂ると体脂肪の蓄積を促すインスリンが分泌されやすくなってしまうという。
炭水化物が悪者のように扱われているが、この本は主に米国や欧州での調査データに基づいて議論している。以前よりアメリカナイズされたとはいえ、日本の食習慣は欧米とは大きく異なっている。
細菌の力で炭水化物から必要な栄養を作ってきた日本人
炭水化物を擁護する話を一つ紹介しよう。人間の腸の中にはいろいろな種類の細菌(腸内細菌)が住んでいて、人間が消化できないものを分解し、代謝する手助けをしている。東京大学の服部正平教授たちが、日本人の腸内細菌と欧米人の腸内細菌を比べたところ、日本人の腸内細菌には、炭水化物を分解する能力を持つタイプが多いことがわかった。欧米人には消化できない海藻の炭水化物(セルロース)さえ、代謝してしまう細菌もいた。炭水化物依存度の高い食生活を続けてきた日本人は、遺伝子に足りない能力を細菌の力で補い、炭水化物から必要な栄養を作り出してきたのだ。もし日本人が炭水化物の摂取を大きく減らしたら、体の調子がおかしくなるのではないか。
糖質を制限すればいくら食べてもいいというメッセージは危険
ターザンの特集には、日本糖尿病学会理事の宇都宮一典・東京慈恵会医科大学教授のインタビューも載っている。日本で糖質制限ダイエットが広まったのは糖尿病の治療食がきっかけとされるが、糖尿病学会は極端な糖質制限ダイエットには批判的であり、宇都宮教授は「糖質を制限すれば、何をいくら食べてもいいというメッセージは危険だ。(健常な人は)エネルギーの50~60%を炭水化物から摂るのが適切」と訴えている。
居酒屋で友人とダイエット談議をしているうちに、お開きの時間がきた。最後に仕上げのそばを頼んでもいいかな? 少しカロリーオーバーになるけど、炭水化物が大好きなんだ。
http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/columnscience/20130724-OYT8T00579.htm?from=navlk
炭水化物の摂取を控える糖質制限(低炭水化物)ダイエットが注目されている。
減量にそれなりの効果はあるのかもしれない。しかし、炭水化物を目の敵にし、糖質ゼロを追求する食事療法はやりすぎではないか。
摂取カロリー制限と並ぶ人気の「糖質制限ダイエット」
6月の土曜日、東京・柴又帝釈天の参道を歩いていたとき、1年ほど前に退職した同僚が、饅頭まんじゅう屋の売り場で働いているのを見かけた。事務職が長かった女性だが、立ち仕事に変わったせいか、すっきりと痩せて見えた。「若返ったようですね。どうしたのですか?」と尋ねると、「糖質制限ダイエットで10kgほど減量したの」という答えが返ってきた。
体形に敏感な若い世代をターゲットにした雑誌「ターザン」(マガジンハウス)6月27日号が、「痩せるのはどっちだ!? 糖質制限VSカロリー制限」という特集を掲載していた。摂取カロリー制限がダイエットの王道と言われてきたが、カロリーを気にせず炭水化物だけを控える糖質制限ダイエットの評判が国内でも高まり、利用者数において摂取カロリー制限と覇を争うまでになっているという。
食習慣が異なる欧米のデータに基づく議論
今月上旬には、糖質制限ダイエットを後押しする本が新聞の書評欄で紹介された。一流科学雑誌「サイエンス」に記事を寄稿する米国のサイエンスライターが書いた「ヒトはなぜ太るのか?」(メディカル・トリビューン)だ。
この本によると、摂取カロリーを減らし、運動量を増やしても体重はあまり減らない。痩せるためには炭水化物の摂取を避けるしかない。人類が穀物の栽培を始めたのは1万2000年前にすぎず、それ以前の250万年間は肉食中心の狩猟採集生活だった。それゆえに人類の遺伝子は穀物すなわち炭水化物の代謝に十分に適応できておらず、炭水化物を摂ると体脂肪の蓄積を促すインスリンが分泌されやすくなってしまうという。
炭水化物が悪者のように扱われているが、この本は主に米国や欧州での調査データに基づいて議論している。以前よりアメリカナイズされたとはいえ、日本の食習慣は欧米とは大きく異なっている。
細菌の力で炭水化物から必要な栄養を作ってきた日本人
炭水化物を擁護する話を一つ紹介しよう。人間の腸の中にはいろいろな種類の細菌(腸内細菌)が住んでいて、人間が消化できないものを分解し、代謝する手助けをしている。東京大学の服部正平教授たちが、日本人の腸内細菌と欧米人の腸内細菌を比べたところ、日本人の腸内細菌には、炭水化物を分解する能力を持つタイプが多いことがわかった。欧米人には消化できない海藻の炭水化物(セルロース)さえ、代謝してしまう細菌もいた。炭水化物依存度の高い食生活を続けてきた日本人は、遺伝子に足りない能力を細菌の力で補い、炭水化物から必要な栄養を作り出してきたのだ。もし日本人が炭水化物の摂取を大きく減らしたら、体の調子がおかしくなるのではないか。
糖質を制限すればいくら食べてもいいというメッセージは危険
ターザンの特集には、日本糖尿病学会理事の宇都宮一典・東京慈恵会医科大学教授のインタビューも載っている。日本で糖質制限ダイエットが広まったのは糖尿病の治療食がきっかけとされるが、糖尿病学会は極端な糖質制限ダイエットには批判的であり、宇都宮教授は「糖質を制限すれば、何をいくら食べてもいいというメッセージは危険だ。(健常な人は)エネルギーの50~60%を炭水化物から摂るのが適切」と訴えている。
居酒屋で友人とダイエット談議をしているうちに、お開きの時間がきた。最後に仕上げのそばを頼んでもいいかな? 少しカロリーオーバーになるけど、炭水化物が大好きなんだ。
http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/columnscience/20130724-OYT8T00579.htm?from=navlk
2013/07/26(Fri) 18:33 | URL | | 【編集】
DIRECT Study についての記載が不統一
1) 日本医事新報2013年4月6日号
『まず,他のダイエット介入研究と同様に1年以上糖質制限食を継続できた人は約80%であった』
2) 日経メディカルオンライン 2013.7.23
『まず、炭水化物制限食を1年以上継続できた人が約80%しかいなかった点である。』
原文のFig.1をよく読んでみよう
-----低脂肪食-地中海食-低炭水化物食
開始時---104---109----109名
06か月---104---107----105
12か月---100---105----102
18か月---096---096----089
24か月---094---093----085
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0708681#t=article
ごらんのように、炭水化物制限食を1年間継続できた人が約93.5%、1年6ヶ月継続できた人が約81.7%、12年間継続できた人が約78.0%であった。能登氏の文章表現は疑問である
1) 日本医事新報2013年4月6日号
『まず,他のダイエット介入研究と同様に1年以上糖質制限食を継続できた人は約80%であった』
2) 日経メディカルオンライン 2013.7.23
『まず、炭水化物制限食を1年以上継続できた人が約80%しかいなかった点である。』
原文のFig.1をよく読んでみよう
-----低脂肪食-地中海食-低炭水化物食
開始時---104---109----109名
06か月---104---107----105
12か月---100---105----102
18か月---096---096----089
24か月---094---093----085
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0708681#t=article
ごらんのように、炭水化物制限食を1年間継続できた人が約93.5%、1年6ヶ月継続できた人が約81.7%、12年間継続できた人が約78.0%であった。能登氏の文章表現は疑問である
2013/07/26(Fri) 22:01 | URL | 精神科医師A | 【編集】
SHUKAN さん
素晴らしいデータ改善です。
良かったです。
HbA1c(JDS):5.7→5.2→5.4
すでに、基準値内でコントロール優秀ですよ。
素晴らしいデータ改善です。
良かったです。
HbA1c(JDS):5.7→5.2→5.4
すでに、基準値内でコントロール優秀ですよ。
2013/07/27(Sat) 07:44 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
ありがとうございます。
相手も同じネタで記事にするので、こちらも
もう一回記事にしてもいいかなと思います。
ありがとうございます。
相手も同じネタで記事にするので、こちらも
もう一回記事にしてもいいかなと思います。
2013/07/27(Sat) 07:46 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
ありがとうございます。
炭水化物制限食を
1年間継続できた人が約93.5%、
1年6ヶ月継続できた人が約81.7%、
2年間継続できた人が約78.0%
ですね。
ありがとうございます。
炭水化物制限食を
1年間継続できた人が約93.5%、
1年6ヶ月継続できた人が約81.7%、
2年間継続できた人が約78.0%
ですね。
2013/07/27(Sat) 07:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ドリーム さん
無事オペ終了、良かったです。
無事オペ終了、良かったです。
2013/07/27(Sat) 07:51 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ちょっと前の記事なので既出かもしれませんが。
ダイエットの味方は高たんぱくの朝食
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=39445&-lay=lay&-Find
「血液検査により、高たんぱく群は欠食群に比べ食欲刺激ホルモン・グレリンが少なく、食欲抑制ホルモン・ペプチドYYが多くなっていたことがわかった。この傾向は普通たんぱく群には見られなかった。」
ダイエットの味方は高たんぱくの朝食
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=39445&-lay=lay&-Find
「血液検査により、高たんぱく群は欠食群に比べ食欲刺激ホルモン・グレリンが少なく、食欲抑制ホルモン・ペプチドYYが多くなっていたことがわかった。この傾向は普通たんぱく群には見られなかった。」
2013/07/27(Sat) 16:53 | URL | deepseafish | 【編集】
『06年に発表されたメタアナリシスでは、脂質制限食と比較して炭水化物制限食は開始後6カ月までは有意な体重減少をもたらすが、継続率は50~70%で、1年後には有意差は消失することが報告された(7)。
7)Nordmann AJ, Nordmann A, Briel M, et al. Effects of low-carbohydrate vs low-fat diets on weight loss and cardiovascular risk factors: a meta-analysis of randomized controlled trials. Arch Intern Med. 2006;166:285-93
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=409791
これについては2013年5月16日のblogで、私と江部Drが反論済みです
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2537.html
<対象者数と脱落率>
*低炭水化物食群:対象者222名、脱落率31~48% (継続率52~69%)
*低脂肪食群:対象者225名、脱落率37~50% (継続率50~63%)
両群の継続率に有意差はないが、低炭水化物食群のほうが高い傾向がある
7)Nordmann AJ, Nordmann A, Briel M, et al. Effects of low-carbohydrate vs low-fat diets on weight loss and cardiovascular risk factors: a meta-analysis of randomized controlled trials. Arch Intern Med. 2006;166:285-93
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=409791
これについては2013年5月16日のblogで、私と江部Drが反論済みです
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2537.html
<対象者数と脱落率>
*低炭水化物食群:対象者222名、脱落率31~48% (継続率52~69%)
*低脂肪食群:対象者225名、脱落率37~50% (継続率50~63%)
両群の継続率に有意差はないが、低炭水化物食群のほうが高い傾向がある
2013/07/28(Sun) 12:23 | URL | 精神科医師A | 【編集】
『また,3群の中で炭水化物制限食群の総カロリーが最も低かったため(論文発表後に指摘されたため別報にて開示[5])、減量効果が炭水化物制限によるものなのか総カロリー制限によるものなのか結論づけることができない問題がある』
5)Moller K, Krogh-Madsen R. Weight loss with a low-carbohydrate, Mediterranean, or low-fat diet. N Engl J Med. 2008;359:2170; author reply 1-2
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc081747
この文献のTable-1 をみてみました
◇ 1日当たりの摂取kcal
低脂肪食 1347+-239 kcal
地中海食 1356+-258
低炭水化物食 1281+-380
確かに低炭水化物食では摂取kcalが低いですが、各群間に有意差はありませんでした。見方を考えれば、低炭水化物食では、カロリー超過はおきにくいといえます
5)Moller K, Krogh-Madsen R. Weight loss with a low-carbohydrate, Mediterranean, or low-fat diet. N Engl J Med. 2008;359:2170; author reply 1-2
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc081747
この文献のTable-1 をみてみました
◇ 1日当たりの摂取kcal
低脂肪食 1347+-239 kcal
地中海食 1356+-258
低炭水化物食 1281+-380
確かに低炭水化物食では摂取kcalが低いですが、各群間に有意差はありませんでした。見方を考えれば、低炭水化物食では、カロリー超過はおきにくいといえます
2013/07/28(Sun) 13:05 | URL | 精神科医師A | 【編集】
deepseafish さん
情報をありがとうございます。
高タンパク食でそのようなホルモンの変化があるのは興味深いです。
あと高タンパク食だと食事誘発熱産生(DIT)が高くなり、
消費エネルギーが増えるのも、ダイエットには有利ですね。
情報をありがとうございます。
高タンパク食でそのようなホルモンの変化があるのは興味深いです。
あと高タンパク食だと食事誘発熱産生(DIT)が高くなり、
消費エネルギーが増えるのも、ダイエットには有利ですね。
2013/07/29(Mon) 15:32 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
情報をありがとうございます。
情報をありがとうございます。
2013/07/29(Mon) 15:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
富士見高原からのコメントです。
情報をありがとうございます。
能登先生が取り上げている、ニューイングランドジャーナルの2つの論文は
すでに過去に本ブログで反論しているのですが、
休み明けに復習を兼ねて記事にしたいと思います。
富士見高原からのコメントです。
情報をありがとうございます。
能登先生が取り上げている、ニューイングランドジャーナルの2つの論文は
すでに過去に本ブログで反論しているのですが、
休み明けに復習を兼ねて記事にしたいと思います。
2013/07/29(Mon) 15:50 | URL | ドクター江部 | 【編集】
先月7/25のブログ記事のコメントとして書き込み(7/26)をさせていただきましたSHUKANと申します。
そのときの続きですが、エコー検査の結果が出ましたのでご報告させて下さい。
昨年6月のドッグ検査で左頸動脈プラークによる50~70%の狭窄が発覚し、大変なショックを受けました。というのは、ネット検索してみたら「無症候性の頚動脈狭窄でも、狭窄率60%以上の11%が5年以内に脳梗塞に至る」ということが書かれていたからです。[Guidelines for Carotid Endarterectomy(AHA 1995)」
そこで、糖質制限をはじめ、食事で摂る油脂の注意、運動(エアロバイク)を中心に一年間努力してきました。
その結果、狭窄率は昨年の50~70%から25~50%へと改善したのです。エコーの画像でも小さくなっていることがはっきりわかります。このデータを見て最初は目を疑いましたが、本当とわかったら喜びがこみ上げてきました。
LDLコレステロールを下げる薬は飲んでいますが、その効果に加えて、糖質制限と運動によって中性脂肪が下がり、その結果HDLが上がってLDL/HDL比が下がった効果が大きいと思っています。
プラークの性状は低輝度の粥腫ですのでまだまだ下げられるのではないかと思っています。このままさらに糖質制限を続けていくつもりです。また、新たな結果が出ましたら報告させて下さい。
そのときの続きですが、エコー検査の結果が出ましたのでご報告させて下さい。
昨年6月のドッグ検査で左頸動脈プラークによる50~70%の狭窄が発覚し、大変なショックを受けました。というのは、ネット検索してみたら「無症候性の頚動脈狭窄でも、狭窄率60%以上の11%が5年以内に脳梗塞に至る」ということが書かれていたからです。[Guidelines for Carotid Endarterectomy(AHA 1995)」
そこで、糖質制限をはじめ、食事で摂る油脂の注意、運動(エアロバイク)を中心に一年間努力してきました。
その結果、狭窄率は昨年の50~70%から25~50%へと改善したのです。エコーの画像でも小さくなっていることがはっきりわかります。このデータを見て最初は目を疑いましたが、本当とわかったら喜びがこみ上げてきました。
LDLコレステロールを下げる薬は飲んでいますが、その効果に加えて、糖質制限と運動によって中性脂肪が下がり、その結果HDLが上がってLDL/HDL比が下がった効果が大きいと思っています。
プラークの性状は低輝度の粥腫ですのでまだまだ下げられるのではないかと思っています。このままさらに糖質制限を続けていくつもりです。また、新たな結果が出ましたら報告させて下さい。
SHUKAN さん
これはすごいです。
一例報告でも、素晴らしい改善です。
糖質制限食万歳ですね。
これはすごいです。
一例報告でも、素晴らしい改善です。
糖質制限食万歳ですね。
2013/08/18(Sun) 20:55 | URL | ドクター江部 | 【編集】
初めてのコメントでの質問を失礼致します。
例えば糖質量5gの食後に血糖値が20mg/dL上がる人が、しばらく糖質制限を続けることで、糖質量20gの食後でも20mg/dLしか上がらないように改善した場合、血糖値上昇が等しいのでインスリン追加分泌の量もほぼ等しいのでしょうか。
江部先生も釜池先生も糖質量5g以下を各々間食やゼロ食の基準とされている特別な理由(エビデンス?)があるのでしょうか?
テーラーメイドダイエットの観点からも、1食の糖質摂取量の一律設定だけではなく、「食後の血糖値上昇が何mg/dL以下であればインスリン追加分泌は少量」というような血糖自己測定器で確認できる目安もあった方が、食事や間食の糖質摂取量を体質改善に合わせて緩めることができて良いと思います。
例えば糖質量5gの食後に血糖値が20mg/dL上がる人が、しばらく糖質制限を続けることで、糖質量20gの食後でも20mg/dLしか上がらないように改善した場合、血糖値上昇が等しいのでインスリン追加分泌の量もほぼ等しいのでしょうか。
江部先生も釜池先生も糖質量5g以下を各々間食やゼロ食の基準とされている特別な理由(エビデンス?)があるのでしょうか?
テーラーメイドダイエットの観点からも、1食の糖質摂取量の一律設定だけではなく、「食後の血糖値上昇が何mg/dL以下であればインスリン追加分泌は少量」というような血糖自己測定器で確認できる目安もあった方が、食事や間食の糖質摂取量を体質改善に合わせて緩めることができて良いと思います。
2013/08/19(Mon) 01:13 | URL | KATU | 【編集】
KATUさん。
インスリン分泌は個人差が大きいです。
また
「血糖値の上昇が何mgなら、インスリン追加分泌は何μU分泌された。」
ということではありません。
詳しくは、本日のブログ記事を参考にしていただけば幸いです。
インスリン分泌は個人差が大きいです。
また
「血糖値の上昇が何mgなら、インスリン追加分泌は何μU分泌された。」
ということではありません。
詳しくは、本日のブログ記事を参考にしていただけば幸いです。
2013/08/19(Mon) 18:50 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ブログ記事での詳しいご説明をありがとうございました。
テーラーメイドダイエットではインスリン追加分泌のリスクが防げないのは残念ではありますが、やはりスーパー糖質制限がベストですね。
テーラーメイドダイエットではインスリン追加分泌のリスクが防げないのは残念ではありますが、やはりスーパー糖質制限がベストですね。
2013/08/20(Tue) 16:19 | URL | KATU | 【編集】
| ホーム |